JPH10104038A - 流速測定方法及び装置 - Google Patents

流速測定方法及び装置

Info

Publication number
JPH10104038A
JPH10104038A JP25586196A JP25586196A JPH10104038A JP H10104038 A JPH10104038 A JP H10104038A JP 25586196 A JP25586196 A JP 25586196A JP 25586196 A JP25586196 A JP 25586196A JP H10104038 A JPH10104038 A JP H10104038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
exciting
flow velocity
target surface
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25586196A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaneyuki Oota
金幸 太田
Koji Fujimoto
幸二 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP25586196A priority Critical patent/JPH10104038A/ja
Publication of JPH10104038A publication Critical patent/JPH10104038A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動する導電性の測定対象体(例えば高温液
体金属)の流速を、温度ドリフトの影響やリフトオフ変
動の影響を低減して測定することができる流速測定方法
及び装置。 【解決手段】 移動する導電性の測定対象物体4の上
に、その対象面に対しほぼ垂直に磁場を励磁し(励磁巻
線1)、前記対象面及び測定対象体の移動方向とほぼ平
行な方向の磁場を検出し(検出巻線S)、その検出した
磁場信号から前記測定対象体4の流速を算出することを
特徴とする流速測定方法及び装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば、連続鋳造プ
ロセスにおいて溶鋼を鋳込む鋳型内溶鋼流の表面の流速
等を測定する流速測定方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造ラインにおいては、図22のよ
うに溶鋼103はタンディッシュ101よりノズル10
2を通して銅製の鋳型104中に注ぎ込まれ鋳造され
る。鋳型中に注ぎ込まれた溶鋼は、鋳型壁面に当たり上
昇流107と下降流108に分かれる。上昇流は表面で
流れ109a、109bを作るが、ここで表面の溶鋼流
動の左右のバランスが崩れると、渦が発生し溶鋼表面上
に撒いたパウダーを巻き込む(111)。また表面の溶
鋼流動が過大になると、溶鋼表面のパウダーを削り込む
(110)。何れにおいても鋳片中に介在物が捕捉さ
れ、製品欠陥の原因となる。この理由から、鋳型内溶鋼
流動を安定化させることは極めて重要な課題であり、特
に溶鋼表面近傍の流速を連続的に計測することが強く求
められている。
【0003】従来溶鋼の流速は、例えば特開平5−60
774号公報に示されたような接触型の計測が主であっ
た。これは図23のようにファインセラミックス製の棒
112を溶鋼114に浸漬して、その棒が溶鋼流動によ
り受ける圧力を、受圧センサ113により検出して、流
速を測定するものである。この方法では高温の溶鋼にセ
ラミックス製棒を浸漬させるため、長時間の連続測定が
不可能であった。
【0004】これに対し、磁気を用いて非接触で速度を
計測できることが知られている。図24のように均等な
磁場Bo 中で導体115が動くと、その導体中にEv =
v×Bo なる速度起電力が生じる。この速度起電力Ev
により、導体中に渦電流Jvが誘起され、導体上に誘導
磁場Bv が発生して、元の磁場は導体の速度方向に引き
ずられるようにBo からBへと歪む。このように磁場が
導体の運動により歪む効果を以下磁場の速度効果と呼
ぶ。この速度効果による歪みの程度は導体の速度に対応
して変化するので、歪み量を測ることで対象導体の速度
を知ることができる。なおこの歪みを測定することは、
歪みのもとが速度効果による誘導磁場Bv なので、Bv
を測定していることに他ならないことは明らかである。
なおBv は下式で表せる。
【0005】
【数1】
【0006】このような磁気を用いて非接触で速度を計
測する装置として特開平2−311766号公報に示さ
れるものがある。これは図25の(a)のように溶鋼の
流れ118と平行に1次コイル119、その水平方向両
側に2つの2次コイル120a、120bを配置したも
のである。1次コイルに交流電流を印加して溶鋼面と平
行な交流磁場117を溶鋼表面に印加し、2次コイルに
より対象面と平行な磁場を検出する。導体が静止してい
るときには磁場は1次コイルを挟んで対象となり、2つ
の2次コイルの起電力に差はなく出力は零である。導体
が動いている場合には、図25の(b)のように速度効
果により磁場は導体の速度方向に歪み、励磁コイルを挟
んで対称でなくなるため、2つの2次コイルに生じる起
電力に差が生じ、磁場の歪み量、即ち速度に対応した信
号が2つの2次コイルの差分信号として得られる。
【0007】また磁気による方法では、装置と測定対象
物体との距離(以下リフトオフと呼ぶ)により速度感度
が変化するが、特開平2−311766号公報に示され
たものでは、装置と測定対象物体との距離を、対象面と
平行な磁場を検出する2次コイルの片方の出力電圧によ
り測定し、補正を行っていた。
【0008】また磁気を用いて速度を計測する別の方法
として特開平5−297012号公報に示されたものが
ある。これは図26のように1次コイル151を測定対
象152に対して垂直に配置し、1次コイル151に交
流電流を印加し、磁界153を生じさせ、1次コイル1
51を挟んで両側に測定対象152に対して垂直に2次
コイル154a、154bを配置し、1次コイル15
1、2次コイル154a、154bを巻いた鉄心15
5、156a、156bを備えたものである。そして流
速は2次コイル154a、154bに生じた起電力の位
相から検出するものであった。
【0009】また磁気を用いて速度を計測する別の方法
として、本発明者らにより提案している特願平6−29
3192号によるものがある。これは図27のように、
中心の脚204bを中心として左右対称形のE型の形状
をした磁心202に対し、中心の脚204bに励磁用の
巻線203bを巻き、両端の脚204a、cに検出用の
巻線203a,cをそれぞれが同じ向きの磁束を検出す
るように巻いたものである。これを移動する導電性の測
定対象物体201の上に、脚の開いた面が対象面に向
き、かつ各脚が対象面の移動方向に対し平行に並ぶよう
に配置する。
【0010】そして励磁巻線に交流電流を流し、導体面
に垂直な交流磁場を作り、2つの検出巻線の出力差を検
出するものである。この時、図28の(a)のように導
体201が停止していれば、磁場は中心の脚を中心とし
て左右対象であり、左右の検出巻線の出力は等しく、そ
の差分は零となる。導体が動くと、図28の(b)のよ
うにその流速に対応して導体中に発生する渦電流により
磁場が歪み、両端の巻線の位置での磁束に差が出て、そ
の差分信号が変化する。この変化量は対象の流速に対応
しており、この変化量から、対象の流速を測定すること
ができる。またこの方法でも、リフトオフにより速度感
度が変化するが、特願平6−293192号において
は、このリフトオフを、図29のように装置に併設した
渦流距離計256を用いて検出し、補正を行っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の特開平
2−311766号公報、特開平5−297012号公
報及び特願平6−293192号公報のような磁気を用
いた非接触の流速測定方法には以下のような課題があっ
た。 (1)磁場検出装置では、測定すべき速度起電力による
信号磁場Bv の他に、励磁磁場Bo や、励磁磁場が交流
の場合には測定対象中に流れる−dB/dtによる渦電
流が発生し、その渦電流による磁場Be が検出される。
ここで測定しようとする鋳型内溶鋼流の表面の流速は、
0〜0.3m/sec 程度と小さいため、速度起電力によ
る信号磁場Bv も小さく、励磁磁場Bo や、励磁周波数
が数十Hz以上と高い場合には渦電流磁場Be に比べ大幅
に小さくなってしまい、Bo やBe が変動するとその変
動の中にBv が埋もれてしまい、大きな測定誤差を生じ
てしまう。
【0012】(2)また装置周囲の温度変化により、装
置の温度が変化するが、これによって励磁装置の熱変形
などによる励磁装置の出力磁場、すなわち励磁磁場の変
化等が生じると、上記の磁場検出装置で検出してしまう
励磁磁場Bo の大きさが変化し、磁場検出装置の出力信
号が変動し、装置の出力信号に速度と対応しない擬似信
号が重畳してしまう(温度ドリフト)。
【0013】(3)特開平2−311766号公報に示
されたように、対象面と平行な磁場を検出する2次コイ
ルの片方の出力電圧によりリフトオフを検出し、リフト
オフによる速度感度変化の補正を行う方法では、距離検
出の際に外乱の影響が大きく、補正後の流速検出精度も
悪くなる。これは例えば、図15の(a)のように本装
置を鋳型内に設置した場合には、装置周囲に銅製の鋳型
のような金属体が存在するが、このような金属体がある
と、金属体中に発生する渦電流による磁場を2次コイル
が検出してしまい、その影響で正確に対象面との間の距
離を検出できなくなってしまうこと等が問題として挙げ
られる。 (4)特願平6−293192号公報に示されたよう
に、渦流距離計を併用し、リフトオフ変化による感度変
化を補正する方法では、渦流距離計を併用するので装置
が大きくなってしまい、スペースの小さな鋳型内に装置
を設置することが困難となる。
【0014】(5)励磁磁場が交流の場合には、先に述
べたような渦電流磁場Be を磁場検出装置が検出してし
まう。このBe は特開平2−311766号公報、特開
平5−297012号公報及び特願平6−293192
号公報に示されたような磁場検出装置を2つとし、その
差分を取るような装置では、原理的には2つの検出巻線
ではBe は等しくなり、差分を取ることでその影響はキ
ャンセルできる。しかし実際には2つの検出巻線でのB
e を完全に一致させるように装置を構成することは非常
に困難であり、差分をとってもBe の取りこぼしが生じ
てしまう。このBe は対象体の速度に関係なく、信号の
オフセット分となり、正確な流速測定ができなくなって
いる。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
流速測定方法は、移動する導電性の測定対象物体の上
に、その対象面に対しほぼ垂直に磁場を励磁し、前記対
象面及び測定対象体の移動方向とほぼ平行な方向の磁場
を検出し、その検出した磁場信号から前記測定対象体の
流速を算出するものである。
【0016】本発明の請求項2に係る流速測定方法は、
移動する導電性の測定対象物体の上に、その対象面に対
しほぼ垂直に磁場を励磁し、前記対象面及び測定対象体
の移動方向とほぼ平行な方向の磁場を、前記励磁磁場が
対称となるような前記測定対象体の移動方向と平行に並
んだ2点でそれぞれ検出し、前記測定対象体の流速が零
のときに、前記2点でそれぞれ検出される前記励磁磁場
の検出信号を加算した和信号が零になるように調整した
後に、前記和信号から前記測定対象体の流速を算出する
ものである。この流速測定方法によって、環境温度の変
化による温度ドリフトを低減できる。
【0017】本発明の請求項3に係る流速測定方法は、
前記請求項1又は2に係る流速測定方法において、前記
励磁磁場とは別に測定対象体の対象面に対しほぼ垂直な
交流の磁場を励磁し、前記対象面に対し垂直方向の交流
の磁場を、対象面に垂直な方向に並んで前記交流磁場に
対し対称となる2点で検出し、その検出した2点の磁場
信号の差分信号に基づき前記対象面及び測定対象体の移
動方向とほぼ平行な方向の磁場の検出点と対象面との間
の距離を演算し、その距離をもとに前記算出した流速を
補正するものである。
【0018】本発明の請求項4に係る流速測定方法は、
前記請求項3に係る流速測定方法において、前記請求項
1又は2の励磁磁場は交流の励磁磁場とし、請求項3に
より新たに励磁した交流励磁磁場は請求項1又は2の交
流励磁周波数と異なる交流励磁周波数とするものであ
る。
【0019】本発明の請求項5に係る流速測定方法は、
前記請求項3に係る流速測定方法において、前記請求項
1又は2の励磁磁場を交流の励磁磁場とし、この交流励
磁磁場単独で請求項3の交流励磁磁場を代用するもので
ある。前記請求項3、4又は5の流速測定方法によっ
て、測定対象面と磁場検出位置との間のリフトオフ変動
の影響が低減される。
【0020】本発明の請求項6に係る流速測定装置は、
移動する導電性の測定対象物体の上に、その対象面に対
しほぼ垂直方向の磁場を励磁するように配置された励磁
手段と、前記励磁手段と対象面の間に、この対象面及び
前記測定対象体の移動方向とほぼ平行な磁場を検出する
ような向きで、かつ検出手段で検出した励磁磁場がほぼ
零となるような位置に配置された1つの磁場検出手段
と、前記励磁手段に励磁電流を供給し対象面に対し垂直
な磁場を励磁し、前記1つの磁場検出手段の検出信号に
基づき前記測定対象体の流速を算出する測定手段とを有
するものである。
【0021】本発明の請求項7に係る流速測定装置は、
移動する導電性の測定対象物体の上に、その対象面に対
しほぼ垂直方向の磁場を励磁するように配置された励磁
手段と、前記励磁手段と対象面の間に、この対象面及び
前記測定対象体の移動方向とほぼ平行でそれぞれが同じ
向きの磁場を検出するような向きで、かつそれぞれの検
出手段で検出した励磁磁場の加算結果がほぼ零となるよ
うな位置に配置された2つ以上の磁場検出手段と、前記
励磁手段に励磁電流を供給し対象面に対し垂直な磁場を
励磁し、前記2つ以上の磁場検出手段のそれぞれの検出
信号を加算した和信号に基づき前記測定対象体の流速を
算出する測定手段とを有するものである。この流速測定
装置により、高い磁場検出能を得ることができる。
【0022】本発明の請求項8に係る流速測定装置は、
移動する導電性の測定対象物体の上に、その対象面に対
しほぼ垂直方向の磁場を励磁するように配置された励磁
手段と、前記励磁手段と対象面の間に、この対象面及び
前記測定対象体の移動方向にほぼ平行な磁場を検出する
ような向きで、かつ前記励磁手段の中心軸に対し対称と
なり、対象面及び測定対象体の移動方向に平行に並ぶよ
うに、それぞれ配置された2つの磁場検出手段と、前記
励磁手段に励磁電流を供給し対象面に対し垂直な磁場を
励磁し、前記測定対象体の流速が零のときに、前記2つ
の磁場検出手段の検出信号を加算した和信号が零になる
ように調整した後に、前記和信号から前記測定対象体の
流速を算出する測定手段を有するものである。この流速
測定装置によって、環境温度の変化による温度ドリフト
を低減できる。
【0023】本発明の請求項9に係る流速測定装置は、
前記請求項6、7又は8に係る流速測定装置において、
前記励磁手段を包含する位置または励磁手段に包含され
る位置で、かつ前記対象面に対しほぼ垂直方向の交流の
磁場を励磁するように配置された副励磁手段と、前記対
象面と副励磁手段の間の第1の位置と、前記副励磁手段
を中心として前記第1の位置と対称の第2の位置とに、
それぞれが対象面に対し垂直で互いに同じ向きの磁場を
検出するように配置された2つの副磁場検出手段と、前
記副励磁手段に交流の励磁電流を供給して前記対象面に
対し垂直な交流の磁場を励磁し、前記2つの副磁場検出
手段の検出信号の差分信号のうち前記副励磁手段の励磁
磁場と同じ周波数の成分に基づき前記磁場検出手段と前
記対象面との間の距離を算出する副測定手段と、前記副
測定手段の算出した距離信号に基づき前記測定手段が算
出した測定対象体の流速を補正する補正手段とを追加し
て備えたものである。
【0024】本発明の請求項10に係る流速測定装置
は、前記請求項9に係る流速測定装置において、前記測
定手段は前記励磁手段に交流の励磁電流を供給し、前記
副測定手段は前記測定手段が前記励磁手段に供給した励
磁電流とは異なる周波数の交流励磁電流を前記副励磁手
段に供給するものである。
【0025】本発明の請求項11に係る流速測定装置
は、前記請求項9に係る測定装置において、前記励磁手
段と前記副励磁手段とを併用する励磁手段を設け、前記
測定手段は前記併用する励磁手段に交流の励磁電流を供
給すると共に、前記副測定手段は前記測定手段が供給し
た励磁電流とは異なる周波数の交流励磁電流を、前記測
定手段による励磁電流に重畳させて供給するものであ
る。前記請求項9、10又は11に係る流速測定装置に
よって、測定対象面と磁場検出手段との間のリフトオフ
変動の影響が低減される。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する前に、まず本発明の流速測定方法および装置の動作
原理について説明する。 (1)流速測定原理 本流速測定装置の1つの形態は、図1のように、励磁装
置として移動する導電性の測定対象物体4の上に、対象
面に対しその中心軸が垂直となるように1つの励磁巻線
1をセラミックス製丸パイプ2上に配置し、磁場検出装
置としてその励磁巻線1と対象面の間に、対象面および
対象体の移動方向にその中心軸が平行となり、その中心
が励磁巻線1の中心軸上にくるように1つの検出巻線S
をセラミックス製丸棒3上に配置したものである。
【0027】ここで励磁巻線1に交流の励磁電流を供給
し、対象面に対し垂直な磁場を励磁する。すると、前述
の速度効果による誘導磁場Bv が生じる。この誘導磁場
Bvは、図10のように励磁巻線直下の検出巻線Sの位
置では対象面に平行となっており、このBv を対象面に
平行に配置した検出巻線Sにより検出する。この検出し
たBv は対象体の流速に対応しているので、これから対
象体の流速を測定することができる。なお前述のように
この検出巻線Sでは、信号磁場Bv の他に、励磁磁場B
o 、渦電流磁場Be が検出され、これらの磁場は流速と
は対応しない信号のオフセット分となる。そこでこれら
の影響の低減が重要となるが、これについては以下の項
で説明する。また励磁電流を交流とし、検出巻線の出力
信号の振幅をロックインアンプ(同期検波器又は位相検
波器と等価)等により検出することにより、周囲の鉄な
どの磁性体の影響や、種々の外乱磁場の影響を低減し、
精度良く流速の測定が可能となる。
【0028】なお、励磁電流の周波数としては、あまり
高すぎると、速度効果による流動磁場Bv は式(1)の
ように周波数によってあまり変わらないが、測定対象に
生じる渦電流が大きくなるため、微弱な速度効果による
誘導磁場を検出することが困難となり流速検出能が低下
してしまう。よって励磁周波数としてはあまり高くない
周波数を選択しなければならない(1kHz 程度以下)。
なお、ここでは磁場検出装置として巻線を用いた例を説
明したが、この場合周波数があまり低すぎると、検出巻
線に生じる起電力が弱くなり検出感度が落ちてしまうた
め、あまり低周波であってもいけない(1Hz程度以
上)。但し磁場検出装置としてホール素子のような直流
磁場の検出も可能な磁気センサを用いた場合はその限り
ではない。
【0029】(2)最適な装置構成 ここで図1のように励磁巻線1を対象面に対しその中心
軸が垂直となるように配置し、検出巻線Sを励磁巻線1
と対象面との間に、対象面および対象体の移動方向にそ
の中心軸が平行となり、その中心が励磁巻線1の中心軸
上にくるように配置することで、流速に対する検出性能
が最も良くなることについて説明する。まず励磁装置の
配置については、前述したように、流速測定のもととな
る信号磁場Bv は、式(1)のように流速の方向と励磁
磁場の方向とが垂直なときに最大となる。いま、測定し
ようとする鋳型内の溶鋼流速は図22のように、測定対
象面に対し平行なので、本発明のように対象面に対し垂
直な磁場を励磁するように励磁装置を配置すれば流速に
対する感度は最大となる。
【0030】次に磁場検出装置の配置について図11、
12を用いて説明する。図12は図11のような鉄心5
と励磁巻線1とからなる励磁装置6を対象面に対し中心
軸が垂直となるように配置し、その励磁装置6と対象面
との間の位置で磁場検出装置7の位置及び向きを変えた
ときの各種磁場信号の変化の様子を示す。これらの信号
は、非磁性の導電体であるSUS316製の円盤を測定
対象物として用い、回転させた円盤の上に本流速測定装
置を配置して測定した。このような測定方法を用いれ
ば、液体流速の測定と同等の測定が模擬できることが確
かめられている。ここで“Bvx”、“Bvz”は、対象の
円盤を回転させて、磁場検出装置7の下での対象体の速
度が、0m/sec の時と1m/sec の時とでの磁場検出
装置出力の差で、対象体の速度1m/sec に対する信号
磁場Bv の大きさに相当するx、z方向の成分である。
即ち“Bvx”は対象面及び対象体の移動方向と平行な方
向の磁場成分、“Bvz”は対象面に対し垂直な方向の磁
場成分であり、これは他の磁場信号についても同様であ
る。
【0031】また“Box”、“Boz”は対象体が停止し
ているときの磁場検出装置7の出力で、励磁磁場の大き
さに相当する。また“Bex”、“Bez”は対象体の円盤
を回転させている時に、本装置と対象面との距離を変化
させ、その変化による磁場検出装置出力の変動のうち渦
電流磁場に相当する信号の変動量で、本装置と対象面と
の距離が変化したときの渦電流磁場Be の変動ノイズ分
に相当する。このうち“Bvx”、“Bvz”が信号磁場で
あり、あとの“Box”、“Boz”、“Bex”、“Bez
は信号磁場を測定する際に不要なノイズ磁場である。
【0032】図12のように、対象面および対象体の移
動方向に対し平行な方向(x方向)の磁場成分の分布を
見ると、磁場検出装置7が励磁巻線1の中心軸上(x=
0)にある時に信号磁場が最大で、外乱要因となる励磁
磁場や渦電流磁場の変化量が最小となっていることがわ
かる。よって本発明のように磁場検出装置7を励磁巻線
1の中心軸上に、対象面および対象体の移動方向と平行
な磁場成分を検出するように配置した構成において、最
も流速の検出性能が高くなることがわかる。
【0033】なお、ここでは磁場検出装置として、1つ
の磁場検出装置7を励磁装置6と対象面との間に、対象
面および対象体の移動方向と平行な磁場を検出し、かつ
その中心が励磁巻線1の中心軸上にくるように配置した
が、図3のように励磁装置6と対象面の間に、対象面お
よび対象体の移動方向と平行でそれぞれが同じ向きの磁
場を検出するような向きで、かつそれぞれの検出巻線S
1 〜S4 で検出した励磁磁場を足しあわせると零となる
ような位置に複数の磁場検出装置を配置しても同様に高
い検出能を得ることができる。これは磁場検出装置が1
つの場合の本質が、対象面と水平方向の磁場を検出し、
かつ磁場検出装置の出力信号中の励磁磁場Bo が零とな
るような位置に配置することにあるためである。なお、
励磁磁場は対象面に対し垂直なので、Be の分布とBo
の分布は、正負が逆なだけでほぼ同様となるのは図12
のグラフからも明らかであり、よって出力を足しあわせ
たときにBo が零となるように複数の磁場検出装置の位
置を調整すれば、Be も零となり1つの磁場検出装置を
用いた先の場合と同様に流速の検出能を最も高くできる
条件を満足することがわかる。
【0034】(3)温度ドリフト対策 前述したように、本発明のような磁気を用いた非接触の
流速測定装置では一般に、装置の温度が変化すると、熱
変形などにより磁場検出装置で検出してしまう励磁磁場
Bo の大きさが変化し、装置の出力信号に速度と対応し
ない擬似信号が重畳してしまう。図13は図1のような
流速測定装置での温度ドリフトの様子を示す図である。
図13は恒温槽中に本装置の励磁装置部分および磁場検
出装置部分(以下センサヘッドと呼ぶ)を配置し、恒温
槽内の温度を変化させたときの本装置の出力信号の様子
である。図13の(a)中Aは恒温槽内の温度、Bはセ
ンサヘッドの温度であり、図13の(b)は本装置の出
力信号である。
【0035】図13に示されるようにセンサヘッドの温
度が一定ならば、出力信号もほぼ一定であるが、センサ
ヘッドの温度変化に対応して信号が大きく変化すること
がわかる。この実験では、センサヘッドの周囲には特に
何もなく、磁場検出装置で検出しているのは、励磁磁場
のみであり、よって、磁場検出装置で検出している励磁
磁場の大きさが温度により変化してしまっていること
が、この温度ドリフトの要因であることがわかる。ここ
で、本装置の基本構成から、本来ならば検出巻線を励磁
巻線の中心に配置すれば、励磁磁場は検出巻線の検出方
向と直交し、検出巻線は励磁磁場を拾わないはずであ
り、よって励磁磁場の大きさが変動しても本装置の出力
信号は影響を受けないはずである。しかし実際には装置
の製作精度上、正確に励磁磁場が零となる位置に検出巻
線を設置することは非常に困難であり、僅かではあるが
検出巻線Sで励磁磁場を拾ってしまい、本装置の出力信
号が励磁磁場の変動の影響を受け、温度ドリフトを生じ
てしまう。
【0036】そこで図4に示すように検出巻線を同じ向
きに巻いた2つの検出巻線S1 、S2 に分けて近接して
配置し、ブリッジ回路を用いてその和をとる(S1 、S
2 では励磁磁場は向きは逆で、信号磁場Bv は向きが同
じであり、和を取ることで励磁磁場は減少し信号磁場は
足し合わされる)構造とする。このような構造にする
と、検出巻線S1 、S2 の位置が多少ずれていても、ブ
リッジ回路を調節して2つの検出巻線間のバランスをと
って、2つの信号の和を取った後の出力信号で励磁磁場
を零とすることが可能となり、励磁磁場の大きさの変動
の影響すなわち温度ドリフトを低減できる。
【0037】(4)リフトオフ変動対策 実際の連続鋳造機では鋳型内の湯面の高さは±5〜10
mmほど変動している。これにより測定対象面と本装置と
のリフトオフが変動するが、その変動が本流速測定装置
に与える影響としては、以下の2つがあげられる。第1
に、リフトオフの変動による、測定対象中での励磁磁場
の大きさの変動に伴う、信号磁場Bv の磁場検出装置位
置での変動、即ち流速の検出感度の変動の発生があげら
れる。第2に、渦電流磁場Be の変動があげられる。前
述したように、本装置は交流の励磁磁場を用いているた
め、測定対象中に渦電流磁場が発生し、検出巻線の出力
にはこの渦電流磁場が重畳している。これは測定対象の
流速に対応しないので本装置の出力信号零点のオフセッ
ト分となってしまう。このオフセット分は対象面と本装
置との距離が無限大の時に零で、本装置と対象面との距
離が近ければ近いほど大きくなる傾向を示す。
【0038】そこで本発明ではリフトオフを測定して、
あらかじめ流速感度、およびオフセット値について求め
た校正曲線をもとに、この流速感度のリフトオフによる
変動及びオフセット値のリフトオフによる変化を補正す
る。さらに本発明では、リフトオフ検出方法として、図
6のように励磁装置と対象面との間の第1の位置と、こ
の第1の位置と励磁装置の中心に対称な第2の位置に、
励磁装置と同軸に、対象面に対し垂直方向でそれぞれが
同じ向きの磁場を検出するように2つの垂直方向検出巻
線S3 、S4 を配置し、励磁装置に、流速測定用の励磁
電流の他にリフトオフ検出のための高周波の励磁電流を
重ね合わせて供給し、2つの垂直方向の検出巻線S3
4 の差分信号から、ロックインアンプを用いてリフト
オフ検出用の周波数の信号のみを取り出してリフトオフ
値の検出を行う。
【0039】ここで図14のように対象面に対し垂直に
磁場を励磁すれば、対象中に流れる渦電流により、対象
面に対し垂直な渦電流磁場が生じる。この渦電流磁場は
対象面との距離によって変化するので、この渦電流磁場
を検出巻線で検出すれば、対象面との距離を検出するこ
とができる。またこの時与える励磁磁場は周波数が高い
ほど、発生する渦電流磁場の大きさも大きくなり、リフ
トオフ検出能も高くなるので、比較的低周波の流速測定
用の励磁電流の他に高周波のリフトオフ検出用の高周波
の励磁電流を励磁装置に重畳して与え、2周波の重畳し
た波形の励磁磁場を発生させる。
【0040】また図6のように励磁巻線1の上下の位置
に検出巻線S3 、S4 を配置し、その差分信号を取れ
ば、リフトオフ検出のもととなる渦電流磁場は、上下の
検出巻線S3 、S4 で対象面との距離が異なるので、渦
電流磁場の向きは同じだがその大きさは異なり、差分を
とっても距離に対応した渦電流磁場信号は残って、距離
の検出ができる。これに対し、励磁磁場は上下の検出巻
線で大きさ向きともに同じとなるので、差分を取ること
で相殺される。また本装置を鋳型内に設置したとき、本
装置の周囲に図15の(b)のように銅製の鋳型があっ
ても、鋳型は上下の検出巻線S3、S4 に対し対称とな
るので、鋳型中に渦電流が発生しても、その影響は上下
の検出巻線S3 、S4 で励磁磁場同様大きさも向きも等
しくなるので差分を取ることで相殺され、銅製鋳型の影
響はなくなる。以上のように、本発明の距離検出方法に
より、外乱の影響が少なくなり、また流速測定用のセン
サヘッドに、リフトオフ検出用のセンサヘッドも組み合
わせているので、センサヘッド部が非常にコンパクトに
構成できる。
【0041】以上で本発明の流速測定装置の動作原理が
わかったので、次に本発明の実施形態について説明す
る。 実施形態1.本流速測定装置の実施形態1は、図1のよ
うなセンサヘッドと、図2のような測定回路とからな
る。センサヘッドは図1のように、移動する導電性の測
定対象物体4の上に、対象面に対しその中心軸が垂直と
なるように、セラミックス製丸パイプ2に巻いた励磁巻
線1を配置し、その励磁巻線1と対象面との間にセラミ
ックス製の丸棒3に検出巻線Sを巻いたものを、その中
心軸が対象面および対象体の移動方向と平行で、かつそ
の中心が励磁巻線1の中心軸上にくるように配置したも
のである。
【0042】測定回路は図2のように、励磁回路10及
び検出回路20からなり、励磁回路10は発振器11、
定電流アンプ12及び抵抗Rを含み、検出回路20はバ
ンドパスフィルタ22及びロックインアンプ23を含ん
でいる。励磁回路10は、励磁巻線1に電流を流し、測
定対象に磁場を励磁する回路である。このためまず発振
器11により1Hz〜1kHz 程度の正弦波を発生させ、定
電流アンプ12により一定の交流電流として、抵抗Rを
介して励磁巻線1に励磁電流を流す。この例では、励磁
巻線1の励磁周波数は214Hzとした。
【0043】検出巻線Sからの出力信号は、検出回路2
0に入る。ここで検出巻線Sからの信号は励磁電流の周
波数(この例では214Hz)を中心周波数とするバンド
パスフィルタ22により、ノイズ信号をあらかじめ取り
除いた後に、ロックインアンプ23によって、励磁電流
と−60゜ずれた位相の成分が検波される。この位相は
後で示す速度検出試験を行った際に、渦電流磁場による
ノイズが最も小さくなる位相であり、この位相では信号
磁場Bv もほぼ最大となる。この検波後の信号の大きさ
が、流速に対応した磁場歪み信号となる。
【0044】次にこの実施形態1の測定結果例を図16
により説明する。図16は実施形態1による流速測定装
置の速度検出試験を行った結果を示す図である。ここで
は前述のようにSUS316製の円盤を回転させ、その
上に本装置を配置し、SUS円盤の速度を検出する試験
を行った結果を示している。図16の(a)は測定対象
の流速を他の方法により検出した値で、図16の(b)
は本流速測定装置により検出した流速信号である。この
ように、測定対象の速度によく追従した信号を得ること
ができる。なお、ここでは励磁装置として円形断面の空
心のソレノイド型コイルを用いたが、対象面に対し垂直
方向に磁場を励磁できれば、他のものでもかまわないこ
とは明らかである。例えば、長方形、正方形やその他の
断面形状のコイルでもかまわない。また空心でなく珪素
鋼板を積層したもののような磁心を有したコイルでもか
まわない。
【0045】また、ここでは磁場検出装置として円形断
面の空心のソレノイド型のコイルを用いたが、対象面に
対し水平方向で対象面の移動方向と平行な磁場を検出で
きれば、何を用いても良いことは明らかである。例えば
長方形、正方形やその他の断面形状のコイルでもかまわ
ない。また空心でなく珪素鋼板を積層したもののような
磁心を有したコイルでもかまわない。さらにホール素子
や、過飽和型の磁気センサのような汎用的な磁気センサ
を用いてもかまわない。
【0046】実施形態2.本流速測定装置の実施形態2
は、図4のようなセンサヘッドと、図5のような測定回
路とからなる。センサヘッドは図4のように、移動する
導電性の測定対象物体4の上に、対象面に対しその中心
軸が垂直となるように、セラミックス製丸パイプ2に巻
いた励磁巻線1を配置し、その励磁巻線1と対象面との
間にセラミックス製の丸棒3に同じ向きに2つの検出巻
線S1 、S2 を巻いたものを、その中心軸が対象面およ
び対象体の移動方向と平行で、かつ2つの検出巻線
1 、S2 の中間点が励磁巻線1の中心軸上にくるよう
に配置したものである。
【0047】測定回路は図5のように、励磁回路10及
び検出回路20Aからなる。励磁回路10は図2と同一
のものであり、検出回路20Aは、図2のバンドパスフ
ィルタ22の前段にブリッジ回路21を設けた構成とな
っている。励磁回路10は、励磁巻線1に電流を流し、
測定対象に磁場を励磁する。このため図1と同様にま
ず、発振器11により1Hz〜1kHz 程度の正弦波を発生
させ、定電流アンプ12により一定の交流電流として、
抵抗Rを介して励磁巻線1に励磁電流を流す。この例で
は励磁周波数は実施形態1と同様に214Hzとした。
【0048】検出巻線S1 、S2 からの出力信号は、検
出回路20Aに入る。ここで2つの検出巻線S1 、S2
からの信号は、まずブリッジ回路21で差分が検出され
る。このブリッジ回路21はセンサヘッドを周囲に何も
ない状態で、その出力信号が零となるようにあらかじめ
調節する。このようにすることで、2つの検出巻線
1 、S2 で検出してしまう不要な励磁磁場信号を相殺
するようにブリッジ回路21を調整できる。その調整後
の信号は、励磁電流の周波数を中心周波数とするバンド
パスフィルタ22により、ノイズ信号をあらかじめ取り
除いた後に、ロックインアンプ23によって、実施形態
1と同様に励磁電流と−60゜ずれた位相の成分が検波
される。
【0049】次にこの実施形態2の測定結果例を図1
7、18により説明する。図17は恒温槽中に本センサ
ヘッドを配置し、恒温槽内の温度を変化させたときの本
装置の出力信号の状況を示す図である。図17の(a)
中、Aは恒温槽内の温度、Bはセンサヘッドの温度を示
し、図17の(b)、(c)は本装置の2つの検出巻線
個別の出力信号を図2と同様の検出回路にて検出した信
号を示し、図17の(d)は図17の(b)、(c)の
2つの信号をそのまま足しあわせたもの(S1 −S2
で、図17の(e)は2つの検出巻線S1 、S2 の出力
信号をブリッジ回路23でのバランスをとった図4、5
の流速測定装置の出力信号である。
【0050】ここでさらに説明を加えると、図17の
(d)は2つの検出巻線S1 ,S2 からの出力信号をブ
リッジ回路21を通さずにそのまま足しあわせた後に検
出回路で検出した場合の出力信号に相当し、これはまた
2つの検出巻線がつながって1つの検出巻線しかない場
合に相当し、即ち実施形態1の場合に相当する装置の特
性である。また、この試験の際にはセンサヘッドの周囲
には何もなく、よって図17の(b)〜(e)の各信号
はそれぞれの構成で励磁磁場を検出していることにな
る。図17の(b)、(c)に示されるように、センサ
ヘッドの温度を変化させると、おのおのの検出巻線
1 、S2 の出力信号も変化する。ここで温度を変化さ
せる前の2つの検出巻線S1 、S2 おのおのの出力信号
が異なっている。これは各検出巻線S1 、S2 を励磁巻
線1の中心軸に対して対称な位置に配置しているとはい
っても、装置の製作精度上の誤差は避けられず、そのた
め各検出巻き線の位置での励磁磁場の大きさが異なるた
めである。
【0051】そのために、図17の(d)のように特に
バランスをとらずに2つの検出巻線の出力信号をそのま
ま足しあわせると、信号は零とはならずに、わずかに励
磁磁場信号が残っている。そしてセンサヘッドの温度変
化により励磁磁場の大きさが変化すると、出力信号に残
っている励磁磁場信号も変動し、出力信号が温度ドリフ
トしてしまう。これは、先に述べた検出巻線が1つの場
合の温度ドリフトの傾向と一致する。ところが、図17
の(e)では、各検出巻線S1 、S2 で検出している励
磁磁場信号をブリッジ回路21で零に調整しているた
め、温度変化前の出力信号はほぼ零であり、センサヘッ
ドの温度変化により励磁磁場の大きさが変化しても、出
力信号はあまり変化せず、温度ドリフトが大幅に低減さ
れていることがわかる。
【0052】また図18は本実施形態2による本流速測
定装置の速度検出試験を行った結果を示す図である。こ
こでも実施形態1と同様に、SUS316製の円盤を回
転させ、その上に本装置を配置して試験を行った。図1
8の(a)が測定対象の流速を他の方法により検出した
値で、図18(b)が本流速測定装置により検出した流
速信号である。このように、本実施形態2においても測
定対象の速度によく追従した信号が得られることがわか
る。
【0053】実施形態3.本流速測定装置の実施形態3
は、図6のようなセンサヘッドと、図7のような流速測
定回路30(図5の励磁回路10及び検出回路20Aを
含む回路である)、リフトオフ測定回路60(リフトオ
フ測定用励磁回路40及びリフトオフ測定用検出回路5
0を含む回路である)及びリフトオフ補正回路70とか
らなる。センサヘッドは図6のように、移動する導電性
の測定対象物体4の上に、対象面に対しその中心軸が垂
直となるように、セラミックス製丸パイプ2に巻いた励
磁巻線1を配置し、その励磁巻線1と対象面との間にセ
ラミックス製の丸棒3に同じ向きに2つの検出巻線
1 、S2 を巻いたものを、その中心軸が対象面および
対象体の移動方向と平行で、かつ2つの検出巻線S1
2 の中間点が励磁巻線の中心軸上にくるように配置
し、さらに励磁巻線1を巻いたセラミックス製丸パイプ
2に対し、励磁巻線1と対象面との間に1つ、およびそ
れと励磁巻線1を挟んで対称な位置に1つ、計2つ検出
巻線S3 、S4 を巻いたものである。
【0054】流速測定回路30は図7のように、励磁回
路10と検出回路20Aからなるが、その動作は実施形
態2と全く同様なのでここでは説明は省略する。またリ
フトオフ測定回路60は図7のように、リフトオフ測定
用励磁回路40とリフトオフ測定用検出回路50からな
る。まずリフトオフ測定用励磁回路40は、励磁巻線1
に重畳電流を流し、測定対象に磁場を励磁する回路であ
り、これは発振器41からなる。まず発振器41により
数十Hz〜数百kHz の比較的高周波の正弦波を発生させ
る。この正弦波を流速測定回路30内の励磁回路10の
発振器11の出力に加算し、定電流アンプ12を介して
励磁巻線1に流速測定用の比較的低い周波数とリフトオ
フ検出用の比較的高い周波数の2つの周波数を重畳させ
た波形の励磁電流を送る。ここではリフトオフ検出用の
励磁周波数は2kHz とした。
【0055】検出巻線S3 、S4 からの出力信号は、リ
フトオフ測定用検出回路50に入る。このリフトオフ測
定回路50は、ブリッジ回路51、バンドパスフィルタ
52及びロックインアンプ53により構成されている。
ここで2つの検出巻線S3 、S4 からの信号はまずブリ
ッジ回路51で差分が検出される。このブリッジ回路5
1はセンサヘッドを周囲に何もない状態で、その出力信
号が零となるようにあらかじめ調節する。その調整後の
信号はリフトオフ検出用の励磁電流の周波数を中心周波
数とするバンドパスフィルタ52により、ノイズ信号を
あらかじめ取り除いた後に、ロックインアンプ53によ
って、リフトオフ検出用の励磁周波数と同じ周波数成分
(この例では2kHz )の振幅値を検出する。これがリフ
トオフ元信号である。その後、測定回路の出力信号であ
る流速元信号とリフトオフ測定回路の出力であるリフト
オフ元信号とはリフトオフ補正回路70に入る。
【0056】リフトオフ補正回路70は、A/D変換器
71、パーソナルコンピュータ(以下コンピュータとい
う)72及びD/A変換器73により構成される。リフ
トオフ補正回路70では、まず入力される流速元信号と
リフトオフ元信号を、A/D変換器71によりデジタル
信号に変換し、コンピュータ72に取り込む。そして以
下の処理はコンピュータ72上でソフトウェアにより行
う。コンピュータ72上では、まずリフトオフ元信号か
らリフトオフを演算する。ここではあらかじめリフトオ
フ値を変えたときのリフトオフ元信号の変化の様子を測
定しておき、このリフトオフ対リフトオフ元信号特性曲
線をもとにリフトオフ元信号からリフトオフ値を演算し
ている。
【0057】次に演算したリフトオフ値をもとに流速元
信号に含まれる渦電流磁場Be によるオフセット分を演
算し、これを流速元信号から差し引く。ここではあらか
じめリフトオフ値を変えたときの流速元信号に含まれる
オフセット信号の変化の様子を測定しておき、このリフ
トオフ対オフセット信号特性曲線をもとにリフトオフ値
からオフセット分を演算している。最後にオフセット分
を差し引いた流速元信号からリフトオフによる流速感度
変化分を補正し最終的な流速値を得る。ここではあらか
じめリフトオフ値を変えたときの流速感度(測定対象の
速度が0m/sec と、1m/sec の時での流速元信号の
変化量)の様子を測定しておき、このリフトオフ対流速
感度特性曲線をもとにリフトオフ値からその時の流速感
度を演算し、オフセット分を差し引いた流速元信号をこ
の演算した流速感度で割っている。なお、ここではリフ
トオフ補正回路はコンピュータ上のソフトウェアで処理
したが、適当なハードウェア回路(例えばアナログ回
路)を用いて処理してもかまわない。
【0058】次にこの実施形態3の測定結果例を図1
9、20、21により説明する。図19の(a)は本装
置のリフトオフ対リフトオフ元信号特性を示す図であ
る。これは実施形態1でも用いたSUS316製の円盤
を停止した状態でその上に本装置を配置し、リフトオフ
値を変えてリフトオフ元信号の変化の様子を測定したも
のである。このようにリフトオフの大きさによってリフ
トオフ元信号は変化し、本装置によりリフトオフ値が検
出できていることがわかる。図19の(b)は本装置の
リフトオフ対オフセット信号特性を示す図である。これ
は先と同様に停止したSUS316製の円盤の上に本装
置を配置し、リフトオフ値を変えて流速元信号の変化の
様子を測定したものである。ここではリフトオフ無限大
の時、即ち装置を円盤状から外したときにブリッジ回路
により流速元信号を零に調整しているため、このときの
流速元信号は励磁磁場の影響はなく、渦電流信号の様
子、即ちオフセット分に相当する。このようにリフトオ
フの大きさによってオフセット分は変化する。
【0059】さらに図19の(c)は本装置のリフトオ
フ対流速感度特性を示す図である。これは先と同様にS
US316製の円盤の上に本装置を配置し、本装置下で
の円盤の速度が0m/sec と1m/sec の時とでの流速
元信号の変化量を、リフトオフ値を変えて測定したもの
である。このようにリフトオフの大きさによって流速感
度は変化する。図20は、本流速測定装置のリフトオフ
補正の確性試験を行った結果を示す図である。ここでも
SUS316製の円盤を停止しておき、その上に本装置
を配置してリフトオフ値を変える試験を行った。図20
の(a)がリフトオフを本装置に取り付けたレーザ距離
計をもとに測定した値で、図20の(b)が本流速測定
装置のリフトオフ補正前の流速元信号、図20の(c)
がリフトオフ補正後の本装置の最終出力である流速値で
ある。このように、リフトオフ補正前は、リフトオフ値
の変化により流速値のオフセット分が大きく変化してい
るが、リフトオフ補正によりその変化が無くなっている
ことがわかる。
【0060】図21は本流速測定装置のリフトオフ補正
のもう1つの確性試験を行った結果を示す図である。こ
こではSUS316製の円盤を回転させ、その上に本装
置を配置してリフトオフを変える試験を行った。図21
の(a)は本装置に取り付けたレーザ距離計をもとにリ
フトオフ値を測定した値、図21の(b)が測定対象の
流速を他の方法により検出した値、図21の(c)が本
流速測定装置のリフトオフ補正前の流速元信号、図21
の(d)がリフトオフ補正後の本装置の最終出力である
流速値である。このように、リフトオフ補正前は、リフ
トオフ値の変化により流速値が大きく変化しているが、
リフトオフ補正によりその変化が無くなり、安定して速
度の検出ができていることがわかる。
【0061】なお、ここではリフトオフ検出用の励磁装
置として流速検出用の励磁装置を併用した例を用いて説
明したが、リフトオフ検出用に図8の(a)、(b)の
ように別途リフトオフ用励磁巻線8を流速検出用の励磁
巻線1の上から、もしくは下に巻き、図9のように図7
のリフトオフ測定用励磁用回路40に定電流アンプ42
を追加して、これでリフトオフ検出用の励磁巻線8にリ
フトオフ検出用の励磁電流を供給して励磁してもかまわ
ない。またリフトオフ検出用の周波数として流速検出用
の周波数と同じ周波数を用いてもかまわない。またさら
にこの時はリフトオフ検出用の励磁装置、リフトオフ測
定用励磁回路を別途設けることなく流速測定用の励磁磁
場をそのままリフトオフ検出用に用いることもできる。
また実施形態3では流速測定用の装置構成として実施形
態2と同様のものを用いて説明したが、温度が一定で温
度ドリフトが小さい場合には、実施形態1と同様なもの
でもかまわない。ただしこの時は、リフトオフ対オフセ
ット特性は励磁磁場分も加えて取得し、渦電流磁場によ
るオフセット分と励磁磁場によるオフセット分とを同時
に流速元信号から差し引くことになる。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、移動する
導電性の測定対象物体の上に、その対象面に対しほぼ垂
直方向の磁場を励磁する励磁手段を配置し、前記励磁手
段と対象面の間に、この対象面及び前記測定対象体の移
動方向とほぼ平行でそれぞれが同じ向きの磁場を検出す
るような向きで、かつそれぞれの検出手段で検出した励
磁磁場の加算結果がほぼ零となるような位置に2つ以上
の磁場検出手段を配置し、測定手段により、前記励磁手
段に励磁電流を供給し対象面に対し垂直な磁場を励磁
し、前記2つ以上の磁場検出手段のそれぞれの検出信号
を加算した和信号に基づき前記測定対象体の流速を算出
するようにしたので、流速検出能が高く安定した流速の
測定が可能となる。
【0063】また本発明によれば、移動する導電性の測
定対象物体の上に、その対象面に対しほぼ垂直方向の磁
場を励磁するように励磁手段を配置し、前記励磁手段と
対象面の間に、この対象面及び前記測定対象体の移動方
向にほぼ平行な磁場を検出するような向きで、かつ前記
励磁手段の中心軸に対し対称となり、対象面及び測定対
象体の移動方向に平行に並ぶように、それぞれ2つの磁
場検出手段を配置し、測定手段により、前記励磁手段に
励磁電流を供給し対象面に対し垂直な磁場を励磁し、前
記測定対象体の流速が零のときに、前記2つの磁場検出
手段の検出信号を加算した和信号が零になるように調整
した後に、前記和信号から前記測定対象体の流速を算出
するようにしたので、周囲の温度が変化しても安定して
流速の測定が可能となる。
【0064】また本発明によれば、前記測定手段により
測定された流速の補正として、前記励磁手段を包含する
位置または励磁手段に包含される位置で、かつ前記対象
面に対しほぼ垂直方向の交流の磁場を励磁するように副
励磁手段を配置し、前記対象面と副励磁手段の間の第1
の位置と、前記副励磁手段を中心として前記第1の位置
と対称の第2の位置とに、それぞれが対象面に対し垂直
で互いに同じ向きの磁場を検出するように2つの副磁場
検出手段を配置し、副測定手段により、前記副励磁手段
に交流の励磁電流を供給して前記対象面に対し垂直な交
流の磁場を励磁し、前記2つの副磁場検出手段の検出信
号の差分信号のうち前記副励磁手段の励磁磁場と同じ周
波数の成分に基づき前記磁場検出手段と前記対象面との
間に距離を算出し、補正手段により、前記副測定手段の
算出した距離信号に基づき前記測定手段が算出した測定
対象体の流速を補正するようにしたので、本装置と測定
対象体(例えば湯面)との間の距離(リフトオフ)が変
化しても安定して流速の測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサヘッド(その1)の構成を示す
図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る測定回路を示す図で
ある。
【図3】本発明のセンサヘッド(その2)の構成を示す
図である。
【図4】本発明のセンサヘッド(その3)の構成を示す
図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る測定回路を示す図で
ある。
【図6】本発明のセンサヘッド(その4)の構成を示す
図である。
【図7】本発明の実施形態3に係る流速測定装置(その
1)の構成を示す図である。
【図8】本発明のセンサヘッド(その5)の構成を示す
図である。
【図9】本発明の実施形態3に係る流速測定装置(その
2)の構成を示す図である。
【図10】図1のセンサヘッドによる各磁場信号の説明
図である。
【図11】励磁装置に基づく各磁場信号分布測定方法を
示す図である。
【図12】図11の方法による各磁場信号分布測定結果
を示す図である。
【図13】図1のセンサヘッドの温度試験結果を示す図
である。
【図14】本発明のリフトオフ検出原理の説明図であ
る。
【図15】銅製の鋳型の影響の説明図である。
【図16】本実施形態1による速度検出試験結果を示す
図である。
【図17】本実施形態2による温度試験結果を示す図で
ある。
【図18】本実施形態2による速度検出試験結果を示す
図である。
【図19】本発明のリフトオフ補正のための特性曲線の
例を示す図である。
【図20】本発明のリフトオフ補正の確性試験(その
1)の結果を示す図である。
【図21】本発明のリフトオフ補正の確性試験(その
2)の結果を示す図である。
【図22】連続鋳造の説明図である。
【図23】接触式による従来の高温液体金属の流速測定
装置の説明図である。
【図24】磁場の速度効果の説明図である。
【図25】従来の磁気による非接触式高温液体金属の流
速測定装置(その1)の説明図である。
【図26】従来の磁気による非接触式高温液体金属の流
速測定装置(その2)の説明図である。
【図27】磁気センサヘッドの構成例を示す図である。
【図28】図27の磁気センサヘッドにより流速を測定
する動作原理を説明する図である。
【図29】渦流距離計の配置例を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 励磁巻線 2 セラミックス製丸パイプ 3 セラミックス製丸棒 4 測定対象体 5 磁心 6 励磁装置 7 磁場検出装置 8 リフトオフ検出用励磁巻線 S、S1 〜S4 検出巻線 10 励磁回路 11、41 発振器 12、42 定電流アンプ 20、20A 検出回路 21、51 ブリッジ回路 22、52 バンドパスフィルタ 23、53 ロックインアンプ 30 流速測定回路 40 リフトオフ測定用励磁回路 50 リフトオフ測定用検出回路 60 リフトオフ測定回路 70 リフトオフ補正回路 71 A/D変換器 72 コンピュータ 73 D/A変換器

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動する導電性の測定対象物体の上に、
    その対象面に対しほぼ垂直に磁場を励磁し、 前記対象面及び測定対象体の移動方向とほぼ平行な方向
    の磁場を検出し、その検出した磁場信号から前記測定対
    象体の流速を算出することを特徴とする流速測定方法。
  2. 【請求項2】 移動する導電性の測定対象物体の上に、
    その対象面に対しほぼ垂直に磁場を励磁し、 前記対象面及び測定対象体の移動方向とほぼ平行な方向
    の磁場を、前記励磁磁場が対称となるような前記測定対
    象体の移動方向と平行に並んだ2点でそれぞれ検出し、 前記測定対象体の流速が零のときに、前記2点でそれぞ
    れ検出される前記励磁磁場の検出信号を加算した和信号
    が零になるように調整した後に、前記和信号から前記測
    定対象体の流速を算出することを特徴とする流速測定方
    法。
  3. 【請求項3】 前記励磁磁場とは別に測定対象体の対象
    面に対しほぼ垂直な交流の磁場を励磁し、 前記対象面に対し垂直方向の交流の磁場を、対象面に垂
    直な方向に並んで前記交流磁場に対し対称となる2点で
    検出し、その検出した2点の磁場信号の差分信号に基づ
    き前記対象面及び測定対象体の移動方向とほぼ平行な方
    向の磁場の検出点と対象面との間の距離を演算し、その
    距離をもとに前記算出した流速を補正することを特徴と
    する請求項1又は2記載の流速測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の励磁磁場は交流の励磁
    磁場とし、請求項3により新たに励磁した交流励磁磁場
    は請求項1又は2の交流励磁周波数と異なる交流励磁周
    波数とすることを特徴とする請求項3記載の流速測定方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2の励磁磁場を交流の励磁
    磁場とし、この交流励磁磁場単独で請求項3の交流励磁
    磁場を代用することを特徴とする請求項3記載の流速測
    定方法。
  6. 【請求項6】 移動する導電性の測定対象物体の上に、
    その対象面に対しほぼ垂直方向の磁場を励磁するように
    配置された励磁手段と、 前記励磁手段と対象面の間に、この対象面及び前記測定
    対象体の移動方向とほぼ平行な磁場を検出するような向
    きで、かつ検出手段で検出した励磁磁場がほぼ零となる
    ような位置に配置された1つの磁場検出手段と、 前記励磁手段に励磁電流を供給し対象面に対し垂直な磁
    場を励磁し、前記1つの磁場検出手段の検出信号に基づ
    き前記測定対象体の流速を算出する測定手段とを有する
    ことを特徴とする流速測定装置。
  7. 【請求項7】 移動する導電性の測定対象物体の上に、
    その対象面に対しほぼ垂直方向の磁場を励磁するように
    配置された励磁手段と、 前記励磁手段と対象面の間に、この対象面及び前記測定
    対象体の移動方向とほぼ平行でそれぞれが同じ向きの磁
    場を検出するような向きで、かつそれぞれの検出手段で
    検出した励磁磁場の加算結果がほぼ零となるような位置
    に配置された2つ以上の磁場検出手段と、 前記励磁手段に励磁電流を供給し対象面に対し垂直な磁
    場を励磁し、前記2つ以上の磁場検出手段のそれぞれの
    検出信号を加算した和信号に基づき前記測定対象体の流
    速を算出する測定手段とを有することを特徴とする流速
    測定装置。
  8. 【請求項8】 移動する導電性の測定対象物体の上に、
    その対象面に対しほぼ垂直方向の磁場を励磁するように
    配置された励磁手段と、 前記励磁手段と対象面の間に、この対象面及び前記測定
    対象体の移動方向にほぼ平行な磁場を検出するような向
    きで、かつ前記励磁手段の中心軸に対し対称となり、対
    象面及び測定対象体の移動方向に平行に並ぶように、そ
    れぞれ配置された2つの磁場検出手段と、 前記励磁手段に励磁電流を供給し対象面に対し垂直な磁
    場を励磁し、前記測定対象体の流速が零のときに、前記
    2つの磁場検出手段の検出信号を加算した和信号が零に
    なるように調整した後に、前記和信号から前記測定対象
    体の流速を算出する測定手段を有するとを特徴とする流
    速測定装置。
  9. 【請求項9】 前記励磁手段を包含する位置または励磁
    手段に包含される位置で、かつ前記対象面に対しほぼ垂
    直方向の交流の磁場を励磁するように配置された副励磁
    手段と、 前記対象面と副励磁手段の間の第1の位置と、前記副励
    磁手段を中心として前記第1の位置と対称の第2の位置
    とに、それぞれが対象面に対し垂直で互いに同じ向きの
    磁場を検出するように配置された2つの副磁場検出手段
    と、 前記副励磁手段に交流の励磁電流を供給して前記対象面
    に対し垂直な交流の磁場を励磁し、前記2つの副磁場検
    出手段の検出信号の差分信号のうち前記副励磁手段の励
    磁磁場と同じ周波数の成分に基づき前記磁場検出手段と
    前記対象面との間の距離を算出する副測定手段と、 前記副測定手段の算出した距離信号に基づき前記測定手
    段が算出した測定対象体の流速を補正する補正手段とを
    追加して備えたことを特徴とする請求項6、7又は8記
    載の流速測定装置。
  10. 【請求項10】 前記測定手段は前記励磁手段に交流の
    励磁電流を供給し、 前記副測定手段は前記測定手段が前記励磁手段に供給し
    た励磁電流とは異なる周波数の交流励磁電流を前記副励
    磁手段に供給することを特徴とする請求項9記載の流速
    測定装置。
  11. 【請求項11】 前記励磁手段と前記副励磁手段とを併
    用する励磁手段を設け、 前記測定手段は前記併用する励磁手段に交流の励磁電流
    を供給すると共に、前記副測定手段は前記測定手段が供
    給した励磁電流とは異なる周波数の交流励磁電流を、前
    記測定手段による励磁電流に重畳させて供給することを
    特徴とする請求項9記載の流速測定装置。
JP25586196A 1996-09-27 1996-09-27 流速測定方法及び装置 Pending JPH10104038A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25586196A JPH10104038A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 流速測定方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25586196A JPH10104038A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 流速測定方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10104038A true JPH10104038A (ja) 1998-04-24

Family

ID=17284608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25586196A Pending JPH10104038A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 流速測定方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10104038A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006078352A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Nippon Steel Corp 溶融金属の流速測定方法および流速測定装置
JP2009545356A (ja) * 2006-08-02 2009-12-24 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 患者の動脈系からパルス波の通過を検出するセンサー
CN103134557A (zh) * 2011-12-02 2013-06-05 克洛纳测量技术有限公司 涡流流量计

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006078352A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Nippon Steel Corp 溶融金属の流速測定方法および流速測定装置
JP4546791B2 (ja) * 2004-09-10 2010-09-15 新日本製鐵株式会社 溶融金属の流速測定装置
JP2009545356A (ja) * 2006-08-02 2009-12-24 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 患者の動脈系からパルス波の通過を検出するセンサー
CN103134557A (zh) * 2011-12-02 2013-06-05 克洛纳测量技术有限公司 涡流流量计

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR930007114B1 (ko) 복수 주파수 자계를 이용한 전자기 유량계
JP5156432B2 (ja) 渦電流式試料測定方法と渦電流センサ
US20090064797A1 (en) Coriolis measuring system with at least three sensors
JP4736811B2 (ja) 磁性体の複素透磁率測定装置の脚部間隔決定方法
JP2003075475A (ja) 交流電流センサ
JPH10104038A (ja) 流速測定方法及び装置
US11326919B2 (en) Coriolis mass flow meter having a central vibration sensor and method for determining the viscosity of the medium using Coriolis mass flow meter
JP4192708B2 (ja) 磁気センサ
JP3575264B2 (ja) 流速測定方法及び装置
JP2730617B2 (ja) 常磁性物質成分の測定装置
JPH08211085A (ja) 流速測定装置
JP3546288B2 (ja) 流速測定方法及び装置
JP2005315732A (ja) 強磁性体の変位測定装置
US20220113167A1 (en) Angular displacement sensor
RU179750U1 (ru) Устройство для локального контроля содержания ферромагнитных фаз в аустенитных сталях
JP4546791B2 (ja) 溶融金属の流速測定装置
JPH08327647A (ja) 流速測定装置
JPH08262051A (ja) 流速測定方法及び流速測定装置
JPH08327649A (ja) 流速測定方法及び装置
JP2000146994A (ja) 流速測定方法及び装置
JPH09257598A (ja) 磁歪効果を利用した応力測定方法および装置
JP2005257276A (ja) 位置検出装置
JPH08211086A (ja) 流速測定方法及びその測定装置
JP2000162227A (ja) 流速測定方法及び装置
JPH05107229A (ja) 変態率測定方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040527

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040608

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20040806

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040831