JPH10103434A - 歯付ベルトの位置決め精度試験装置及びその試験方法 - Google Patents

歯付ベルトの位置決め精度試験装置及びその試験方法

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JPH10103434A
JPH10103434A JP27714596A JP27714596A JPH10103434A JP H10103434 A JPH10103434 A JP H10103434A JP 27714596 A JP27714596 A JP 27714596A JP 27714596 A JP27714596 A JP 27714596A JP H10103434 A JPH10103434 A JP H10103434A
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JP
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shaft
toothed belt
pulley
toothed
belt
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Akihiko Motozaki
昭彦 本▲崎▼
Akira Kawaguchi
彰 川口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドットマトリックス方式の印字ヘッドを歯付
ベルトに搭載し、その印字を制御するプリンターにおい
て、印字むらの良否が上記ベルトの速度を測定すること
によって判定できる試験方法とそれを可能にする試験装
置を提供することにある。 【解決手段】 歯付ベルト4を少なくとも一対の歯付プ
ーリ21、22の間に巻き付けて走行する機械装置2に
おいて、回転軸101、111にコレットチャック機構
6を設けて歯付プーリ21、22を取り付ける手段と、
上記歯付ベルト4の速度をドップラー式速度むら検出器
を用いて測定する手段と、この測定した速度信号をディ
ジタル変換し、積分演算によって位置信号に変換する手
段からなる歯付ベルト試験装置1であり、またその試験
方法が歯付ベルト4と歯付駆動プーリ21の各歯数の最
小公倍数となる歯数を走行時間とする周期を繰り返しの
単位時間として速度を測定し、この単位時間内の測定値
を母集団とする最大位置変動率を求め、この値を予め任
意に定めた基準値と比較し、歯付ベルト4の位置決め良
否を判定する試験方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小型の歯付ベルト、
薄平ベルト等を使用したプリンター用キャリッジベル
ト、紙幣搬送用ベルト、カード搬送用ベルト等の伝動装
置及び搬送装置に係り、特に位置決め精度が要求される
インクジェットプリンター装置等に用いられる歯付ベル
トの試験装置に関するものであり、また上記歯付ベルト
あるいは歯付プーリ、またはその組み合わせによる位置
決め精度を正確に判定するベルト試験方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来のベルト速度変動を測定するベルト
試験装置は、例えば特願平7−274744号に開示さ
れているように、ベルトを少なくとも一対のプーリの間
に巻き付けて走行する試験装置であり、駆動軸とその軸
受けからなる駆動ユニット、従動軸とその軸受けからな
る従動ユニットを配し、該駆動ユニットにはモーターを
連結し、従動ユニットにはベルト張力を付与する荷重機
構を設けた機械装置と、レーザードップラー方式速度む
ら検出器を用いて速度変動を測定する計測ユニットから
構成されている。
【0003】ところで、この種の試験装置は歯付ベルト
あるいは歯付プーリ、またはその組み合せによる位置決
め精度を評価することが、その目的であるので試験プー
リの交換は日常、頻繁に行われる。このためプーリの交
換を容易、かつ安価に行う必要があった。この方法とし
て軸受ユニットはそのまま恒常的に使用し、試験プーリ
のみを交換する方法、即ち試験プーリに軸穴加工を施
し、回転軸の軸端部に嵌合させて取り付ける方法を用い
ていた。
【0004】しかし、上記のプリンター用キャリッジベ
ルト、紙幣搬送用ベルト、或いはカード搬送用ベルト等
と組み合わせて使用する歯付プーリは、そのプーリ外径
が5mm〜15mmの小型プーリが大多数である。尚、
本発明実施例の歯数20のST83歯形プーリのピッチ
径は13.477mmであり、外径は約12.969m
mである。
【0005】従って軸端部にスキマ嵌めの状態に直接、
プーリを取り付けるためにはプーリに軸穴加工、即ちプ
ーリの外径から必要な肉厚を差し引いた小径穴にしなけ
ればならない。結果、小型プーリに嵌合する回転軸の軸
径は更に小径となるため、軸端部に段落ち小径部を設け
ねばならない。この小径部の直径が5mm前後となる
と、僅かの外乱荷重により小径部は歪みを受けて変形す
る。このためプーリの嵌合は不能となり、同時に回転軸
そのものが使用不能となっていた。
【0006】そのため軸端に小径部を設けることなく試
験プーリを取り付け得る方法として、シャフトアダプタ
ーを使用していた。このシャフトアダプターは相対的に
大径である駆動軸と相対的に小径である試験プーリの軸
穴をつなぐための言わば、軸径変換機能を有する中間シ
ャフトである。このシャフトアダプターは軸継手の一種
であり、一方を回転軸に嵌合する軸穴を有するソケット
とし、他方には試験プーリの軸穴と嵌合する小径軸を突
設させたものである。このシャフトアダプターを使用す
ることによって、回転軸の軸端部を段落ちに小径化する
必要はなくなり、結果、軸強度問題を解消すると共に、
その取扱に過度の注意を払う必要がなくなった。
【0007】以上に説明した試験装置に試験ベルトを巻
き付けて走行させ、レーザー式ドップラー効果を利用し
た非接触型速度むら測定器を用いて、この試験ベルトの
速度変動率を測定し、その位置決め精度を評価してい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のシャフ
トアダプターを使用した場合、シャフトアダプターの軸
穴部と回転軸の嵌め合い部、及び試験プーリの軸穴部と
シャフトアダプターの軸部の嵌め合い部には嵌め合い公
差による偏心が発生する。この偏心のためベルト速度変
動信号は試験プーリの回転周期による外乱を受けて周期
性雑音を発生し、S/N(信号/雑音)比を低下させて
いた。
【0009】また上記のシャフトアダプターを回転軸に
固定する手段として、ソケット部に直角に交差したセッ
トネジ2本を使用していたが、このセットネジ固定方法
には重大な欠陥があることが判明した。即ち、セットネ
ジを支点としてシャフトアダプターが首振り状態に揺動
すると言う問題であった。この揺動によって、本来観測
されるべき歯付ベルトの真の速度変動信号が、このセッ
トネジの緩衝効果により隠されてしまう結果となり、正
しい信号がクリップされてしまった。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記スキマ嵌めによる偏
心、及びセットネジによる緩衝を無くすために、周知の
コレットチャック機構をその駆動軸、従動軸の軸端部に
設けた。即ち、駆動軸にあっては図示しないが、その一
端はモーターに連結されるようにしかるべく加工されて
おり、もう一方の軸端部にはコレット本体を収納する中
空軸部が設けられている。この中空軸部はその外側にネ
ジ部が設けられており、このネジ部と係合するロックナ
ットの締付推力によりコレット本体は移動、締付固定さ
れる。またその内側には円錐台形状の軸穴が設けられて
いる。この軸穴部には、その外径部が中心軸に対し同じ
傾斜を有する環状円錐台であるコレット本体が嵌合す
る。またコレット本体にはその内側に歯付プーリのシャ
フト形状のボス部を掴み、固定するための軸穴部が設け
られている。上記コレットチャック本体の軸穴部に歯付
プーリのボス部が挿入され、ロックナットにより、中空
軸部に締付固定される。従動軸の軸端部にも同様に上記
のコレットチャック機構が設けられている。
【0011】請求項1の発明は、歯付ベルトを用いた印
字装置の位置決め精度を測定する試験装置において、歯
付べルトを少なくとも一対の歯付プーリの間に巻き付け
て走行させ、駆動軸及び従動軸の先端部にコレットチャ
ック機構を設けて歯付プーリを取り付ける手段と、上記
歯付ベルトの速度をレーザードップラー方式速度むら検
出器を用いて測定する手段と、この測定したベルト速度
信号をディジタル変換し、積分演算によって位置信号に
変換する手段からなる歯付ベルトの位置決め精度試験装
置にある。
【0012】請求項2の発明は、上記の歯付ベルト試験
装置において、使用する歯付ベルト、及び歯付プーリの
歯のピッチが0.75mm〜3.0mmである歯付ベル
トの位置決め精度試験装置にある。
【0013】請求項3の発明は、歯付ベルトを用いた印
字装置の位置決め精度を判定する試験方法において、上
記歯付ベルトと駆動歯付プーリの各歯数の最小公倍数と
なる歯数を走行時間とする単位時間を繰り返しの周期と
してベルト速度を測定し、この単位時間内の測定値を母
集団として最大位置変動率を求め、この値を予め任意に
定めた基準変動率と比較して、歯付ベルトあるいは歯付
プーリ、またはその組み合わせによる位置決め精度の良
否を判定する歯付ベルトの位置決め精度試験方法にあ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1は本発明に係る歯付ベルト試験装
置の全体図であり、図2はその機械装置を示す正面図で
ある。本発明装置は図1において駆動歯付プーリ21、
従動歯付プーリ22、及び上記プーリに掛架された歯付
ベルト4を要部とする機械装置2と上記歯付ベルト4の
走行速度を測定するレーザードップラープローブ31、
速度測定器32、FFTアナライザー33、及び出力信
号を積分演算によって位置信号に変換するコンピュータ
ー34で構成される計測装置からなるベルト試験装置1
である。図2において駆動歯付プーリ21、従動歯付プ
ーリ22はそれぞれ軸受箱10、11に収納され、回転
自在に係止されている。また駆動側軸受箱10には図示
しないが、反対方向には駆動モーターが取り付けられて
いる。
【0015】本発明はインクジェットプリンターの印字
むらの原因を本発明者が探究していく過程において、そ
の原因が歯付ベルトと駆動歯付プーリの各歯数の最小公
倍数である歯数を走行時間とする周期的な速度むらであ
ることが判明したことから、この歯付ベルトと歯付プー
リの組み合わせによる効果を特に注目し、鋭意完成させ
たものである。
【0016】この周期的なベルトの速度変動を正確に測
定し、この速度変動信号を位置変動信号に変換し、この
周期を母集団とする最大位置変動率を求めて、歯付ベル
トあるいは歯付プーリ、またはその組み合わせによる位
置決め精度の良否を判定できる試験装置を提供しようと
するものであり、同時に試験プーリの交換作業が容易に
行える試験装置を提供しようとするものである。
【0017】以下本実施例について詳細に説明する。図
4は本発明に係るコレットチャック機構方式回転軸の一
部組立断面図である。図4において駆動、従動試験プー
リ21、22は、それぞれコレットチャックに把持され
るように、シャフト形状のボスが試験プーリと一体に加
工されている。また駆動、従動側回転軸101、111
の軸端部にはコレット本体6aを収納する中空軸部が設
けられている。この中空軸部はその外側にネジ部6dが
設けられており、これと係合するロックナット6cの締
付推力によりコレット本体6aは移動、締付固定され
る。またその内側には円錐形状の軸穴が設けられてい
る。
【0018】この軸穴部にはその外径部が中心軸に対し
同じ傾斜を有する環状円錐台であるコレット本体6aが
嵌合し締結される。コレット本体6aにはその内側に歯
付プーリのシャフト形状のボス部21a、22aを掴
み、固定するための軸穴部が設けられている。同様に従
動軸の軸端部にも上記のコレットチャック機構が設けら
れている。尚、実施例に使用したコレットチャック本体
の軸穴径は5mmであり、回転軸径は20mmである。
【0019】これによって本発明のコレットチャック機
構方式回転軸は偏心及び揺動のない完全一体型の歯付プ
ーリ付の回転軸として機能する。しかもこの回転軸には
更なる利点として、このボス付試験プーリを試験目的に
合わせて予め作成しておけば、極めて容易に着脱、交換
できると言う作業上の顕著な効果がある。
【0020】これに対し、図3で示した比較例のシャフ
トアダプター方式回転軸の回転軸には駆動、従動軸10
1、111の軸端部に段落ち小径軸部101a,111
aが設けられている。またシャフトアダプターには、一
方にこの小径軸部101a,111aと嵌合するソケッ
ト部5aが設けられ、反対側には試験プーリ21、22
の軸穴部と嵌合する軸部5bが設けられている。このシ
ャフトアダプターは上記ソケット部5aが駆動、従動軸
の小径軸部101a、111aに嵌合され、セットネジ
5cにより回転軸に締付、固定される。尚、直角方向セ
ットネジは図示しない。また試験プーリはシャフトアダ
プターの軸部5bに嵌合され、ナット5eによって締付
固定させる。
【0021】上記比較例ではソケット部5aと小径軸部
101a、111aの間にスキマ嵌めの個所があり、回
転軸の偏心は避けられない。このセットネジ固定方法に
は周方向、軸長手方向のスベリを抑止する機能はあるが
完全なものではない。特に半径方向荷重に対しては無防
備である。即ち、ベルト負荷による交番偏荷重と歯付ベ
ルトあるいは歯付プーリ、またはその組み合わせに起因
する外乱荷重が歯付プーリに作用する。このためセット
ネジを支点とする首振り状態の揺動は避けられない。こ
の揺動は歯付プーリの回転運動に緩衝作用を与えるもの
で、真のベルト速度変動を見かけ上、小さくみせる作用
効果がある。即ち、本来観測されるべき正しい信号がク
リップされ、誤った信号を測定していた。
【0022】しかしながら、この従来の方法であっても
本発明のような微小時間の速度変動が問題とならない試
験においては、回転軸の強度を損なうことなく、かつ試
験プーリを容易に交換できる利点を有している。次に上
記べルト速度変動が位置決め精度、すなわち印字むらに
どのように影響するか以下に説明する。図1の計測装置
3はドップラー式速度むら検出器であり、ベルト速度を
測定する装置である。
【0023】ここで速度変動率の測定方法と定義につい
て図5を用いて説明する。即ち、駆動、従動側プーリ間
にベルトを掛架し、張力1kgfを付与するため2kg
fの軸荷重を与える。次に駆動側プーリを450rpm
で回転させ、軸荷重安定後、レーザードップラープロー
ブ31でベルト背面のベルト速度を検出し、速度測定器
32でアナログ信号に変換し、その信号をFFTアナラ
イザー33に出力する。FFTアナライザー33にて速
度変動率(ワウフラッター)を演算する。速度変動率
(ワウフラッター)の定義は下記の通りである。 速度変動率(ワウフラッター)=(ΔV/V0 )×10
0 (%) ここで、V0 は平均速度、ΔV は両振幅速度変動量
である。
【0024】尚、上記FFTアナライザー33でディジ
タル信号に変換された速度変動信号は、同時にコンピュ
ーター34に取り込まれ、積分演算によって位置変動信
号に変換されるが、この位置変動信号より算出する位置
変動率の定義と方法は前記の速度変動率の定義と同様で
あるので説明は省略する。
【0025】ところで図1のベルト試験装置は、図6に
示したインクジェットプリンターの印字ヘッド8の動作
を模擬的に実現したものである。従って実機プリンター
では歯付ベルト4上に印字ヘッド8を搭載したキャリッ
ジ7が取り付けられる。図6において試験ベルト4は駆
動プーリ21と従動プーリ22の間に掛架され、駆動プ
ーリ21の正逆回転により、左右に往復運動をする。こ
の時、印字ヘッド8は印刷用紙9の上を左右に移動し、
プリンターの命令コードにより印刷用紙に所定の印字を
行う。
【0026】上記印字ヘッドの発射タイミングはベルト
の速度を一定速度とみなして、プログラムされているた
め、ベルトに速度変動がない場合、真っ直ぐな罫線の印
刷を可能にする。しかし、このベルトの速度が変動する
場合、印字ヘッドの発射タイミングは微妙にズレを生
じ、罫線の印字むらを惹起する。
【0027】このように通常は問題とならない微小時間
のベルト速度変動によって印刷の品質が左右されること
になる。この原因は歯付ベルトあるいは歯付プーリ、ま
たはその組み合わせに起因するものであるので、この速
度変動を正確に測定し、変動率の大きさによって印字精
度、即ち位置決め精度を正しく判定できることになる。
次に本発明の実施例と従来の比較例を用いて、上記の
ベルトの速度変動を測定した結果について説明する。下
記の表1に試験条件を示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1の通り、試験に使用した歯付ベルト、
歯付プーリの歯形はピッチ2.117のST83歯形と
し、ベルトの歯数は345歯、プーリの歯数は駆動、従
動プーリ共に20歯(プーリピッチ径で13.477)
のものを使用した。また駆動プーリ回転数は450rp
m(ベルト速度では317mm/sec)とし、ベルト
張力は1kgf/5.5mm幅の条件とした。従って上
記の諸元より、プーリ回転周波数は7.5Hz ( 周期1
33msec)となる。また印字ヘッドによる罫線、1
キャラクター分の印字時間は約56msecとなる。
【0030】比較テスト結果の位置変動のリアルタイム
波形を図7、図8に示す。図7、図8において、横軸は
リアルタイムの時間軸であり、縦軸はベルトの速度変動
信号を積分した位置(単位はmm)を示している。図7
は比較例のシャフトアダプター方式回転軸を使用した場
合のベルト位置変動を示している。図7において位置波
形には明らかにプーリ偏心によるプーリ回転周期に基づ
く外乱雑音信号7.5HZ が重畳されている。また上記
7.5HZ の重畳信号を除いた信号は完全にクリップさ
れてフラット状の無信号状態になっている。この理由は
前記した通り、セットネジを支点とするプーリの揺動に
よるものである。
【0031】これに対し、図8のコレットチャック機構
方式回転軸を使用した場合、この位置波形には明らかに
プーリ回転周期に基づく外乱雑音信号は除去されてい
る。また図8の測定信号波形が歯付ベルトと歯付プーリ
の各歯数の最小公倍数の歯数を走行時間とする周期、即
ち実施例ではベルトの歯数(345)とプーリの歯数
(20)の最小公倍数の歯数(1380)であり、丁度
ベルト4周期をその周期とする時間で同じ波形を繰り返
し再現していることが確認できた。また図8のA部で示
した位置変動のタイミングと、インクジェットプリンタ
ーの印字むらのタイミングが一致することが確認でき
た。このことから本発明のコレットチャック機構方式回
転軸にはベルト速度変動信号を正確に測定させる効果が
あることが判った。
【0032】以上のことは、高々数十msecの微小時
間における速度変動を正確に測定することが、プリンタ
ーの印字むら、即ち位置決め精度の良否を判定する有効
な方法となることを意味している。尚、本発明では歯付
ベルトと歯付プーリの組み合わせをその実施例とした
が、薄平ベルト、あるいはVベルトであっても、微小時
間における速度変動を解析することがその目的である用
途においては本発明がその効果を発揮することは言うま
でもない。
【0033】
【発明の効果】以上の通り、請求項1の発明は、コレッ
トチャック機構を回転軸の軸端部に内蔵させることによ
って、試験プーリの取付精度は格段に向上した。これに
よって、従来のスキマ嵌め方式による取付時の偏心問題
は無くなり、ベルト速度変動信号に重畳していたプーリ
回転周期の雑音が除去されることによって速度変動信号
のS/N比は大幅に改善された。また、セットネジ固定
方法を無くすことによって、セットネジに起因する揺動
が無くなり、これまで隠蔽されていた正しい信号が正確
に測定できることになり、歯付ベルトあるいは歯付プー
リ、またはその組み合わせによる位置決め精度が正しく
評価できるようになった。この効果は極めて大きいもの
である。
【0034】請求項2の発明は請求項1の発明におい
て、歯のピッチが0.75〜3.0mmである小型の歯
付ベルト及び歯付プーリを使用する場合に、特にその効
果を発揮するものであり、上記した精度上の効果以外
に、強度上、及び作業上においても有益な効果を生み出
すものである。
【0035】請求項3の発明は、歯付ベルトあるいは歯
付プーリ、またはその組み合わせによる位置決め精度の
良否を判定する試験方法において、歯付ベルト及び歯付
プーリの各歯数の最小公倍数の歯数を走行時間とする単
位時間を繰り返し周期とし、この周期内の速度変動を母
集団とする測定値を積分演算によって位置変動に変換
し、この位置変動の最大値を算出し、予め設定した基準
値と比較することによって、印字装置の位置決め精度の
良否を正確に判定できる方法を確立した効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯付ベルト試験装置の全体図であ
る。
【図2】本発明に係る機械装置を示す正面図である。
【図3】従来例に係るシャフトアダプター方式回転軸の
一部組立断面図である。
【図4】本発明に係るコレットチャック機構方式回転軸
の一部組立断面図である。
【図5】速度変動率の定義をを示す図である。
【図6】本発明に係るインクジェットプリンターを示す
図である。
【図7】従来例に係るシャフトアダプター方式回転軸使
用時の速度変動率の測定データである。
【図8】本発明に係るコレットチャック機構方式回転軸
使用時の速度変動率の測定データである。
【符号の説明】
1 試験装置 2 機械装置 3 計測装置 4 歯付ベルト 5 シャフトアダプター 5a ソケット部 5b 軸部 5c セットネジ 5d 軸嵌合面 5e ナット 6 コレットチャック 6a コレット本体 6b コレットホルダー 6c ロックナット 6d ネジ部 7 プリンターキャリッジ 8 印字ヘッド 9 印刷用紙 10 駆動側軸受箱 11 従動側軸受箱 21 駆動プーリ 21a 駆動プーリボス 22 従動プーリ 22a 従動プーリボス 31 レーザードップラープローブ 32 速度測定器 33 FFTアナライザー 34 コンピュター 101 駆動側回転軸 101a 軸端小径部 111 従動側回転軸 111a 軸端小径部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯付ベルトを用いた印字装置の位置決め
    精度を測定する試験装置において、歯付べルトを少なく
    とも一対の歯付プーリの間に巻き付けて走行させ、駆動
    軸及び従動軸の先端部にコレットチャック機構を設けて
    歯付プーリを取り付ける手段と、上記歯付ベルトの速度
    をレーザードップラー方式速度むら検出器を用いて測定
    する手段と、この測定したベルト速度信号をディジタル
    変換し、積分演算によって位置信号に変換する手段から
    なることを特徴とする歯付ベルトの位置決め精度試験装
    置。
  2. 【請求項2】 歯付ベルト試験装置において、使用する
    歯付ベルト、及び歯付プーリの歯のピッチが0.75m
    m〜3.0mmである請求項1記載の歯付ベルトの位置
    決め精度試験装置。
  3. 【請求項3】 歯付ベルトを用いた印字装置の位置決め
    精度を判定する試験方法において、上記歯付ベルトと駆
    動歯付プーリの各歯数の最小公倍数となる歯数を走行時
    間とする単位時間を繰り返しの周期としてベルト速度を
    測定し、この単位時間内の測定値を母集団として最大位
    置変動率を求め、この値を予め任意に定めた基準変動率
    と比較して、歯付ベルトあるいは歯付プーリ、またはそ
    の組み合わせによる位置決め精度の良否を判定すること
    を特徴とする歯付ベルトの位置決め精度試験方法。
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WO2014083597A1 (ja) * 2012-11-30 2014-06-05 黒田精工株式会社 軸端末用アダプタ及びボールねじ組立体
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