JPH10103422A - 歯車式変速機構造 - Google Patents

歯車式変速機構造

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JPH10103422A
JPH10103422A JP8258412A JP25841296A JPH10103422A JP H10103422 A JPH10103422 A JP H10103422A JP 8258412 A JP8258412 A JP 8258412A JP 25841296 A JP25841296 A JP 25841296A JP H10103422 A JPH10103422 A JP H10103422A
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gear
speed
shaft
gear pair
counter
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JP8258412A
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Inventor
Hideo Toyoda
英夫 豊田
Osamu Kameda
修 亀田
Kenji Sakamoto
健二 坂本
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直結走行時において、走行歯打ち音を低減し
つつ、高速段位歯車の軸受についての不具合発生を防止
できるアウトプット・リダクションギヤ・タイプの歯車
式変速機を提供する。 【解決手段】 アウトプット・リダクションギヤ・タイ
プの歯車式変速機において、3個のシンクロメッシュ装
置Ya〜Ycのうち、直結段位(4速)への切換を行い
得る3−4速切換用シンクロYbが入力軸Si上に配設
され、直結段位よりも高速段位の切換を行い得る高速段
位の5速−R切換用シンクロYcが入力軸Si上に配設
される一方、上記直結段位よりも低速段位の切換を行い
得る低速段位の1−2速切換用シンクロYaがカウンタ
軸Sc上に配設されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、手動操作の歯車
式変速機構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、エンジン縦置き型の車両
における手動操作の歯車式変速機として、入力軸と出力
軸とが同一軸線上に隣り合うようにして配置されるとと
もに、これら両軸と平行にカウンタ軸が配置され、上記
入力軸および出力軸と上記カウンタ軸とに対をなして互
いに噛合する複数の変速歯車対が設けられた構造のもの
は、一般に良く知られている。かかる歯車式変速機で
は、まず、入力軸の回転駆動力を減速歯車により一定の
減速比で減速してカウンタ軸に伝達入力し、このカウン
タ軸に伝達された回転駆動力を各段位毎に変速比の異な
る変速歯車対によって出力軸側に伝達するタイプのもの
が一般的である。このタイプは、入力軸(インプットシ
ャフト)とカウンタ軸との間で減速が行われるので、
「インプット・リダクションギヤ・タイプ」と呼ばれて
いる。
【0003】ところが、このインプット・リダクション
ギヤ・タイプの変速機の場合、上記減速歯車が入力軸側
/カウンタ軸側ともに軸に固定して設けられており、例
えば以下に述べるような種々の難点がある。すなわち、 カウンタ軸と出力軸の変速歯車対において、まず減
速された大きな駆動トルクが入力されるため、例えば、
歯幅や軸径さらには入力軸とカウンタ軸の軸間距離など
を大きく設定するなど、各歯車および軸について強度・
剛性を高く設定する必要があり、変速機の小型軽量化を
図ることが困難となる。 車両停止状態でエンジンを回転させる、所謂、アイ
ドリング時、全ての遊転歯車がカウンタ軸の回転に伴っ
て空転させられる関係上、エンジンの回転変動に伴う歯
車騒音(所謂、アイドル歯打ち音)が大きくなる。 カウンタ軸が上記減速歯車対によって減速されて大
きなトルクで駆動され、さらに各変速歯車対でそのギヤ
比に応じてトルク増幅されるため、例えばシンクロメッ
シュ機構を含む変速段位の切換機構に作用する慣性重量
が(つまり、所謂イナーシャが)大きくなり、シフト操
作力の低減を図ることが難しい。
【0004】このような諸問題に対して、例えばヨーロ
ッパ特許出願第219240号に示されるように、カウ
ンタ軸と出力軸(アウトプットシャフト)との間で減速
を行う「アウトプット・リダクションギヤ・タイプ」の
ものが考えられている。かかるタイプの歯車式変速機の
場合には、カウンタ軸には入力軸の回転トルクが増幅さ
れることなく伝達されるので、各変速歯車への入力負荷
が小さくなる。また、入力軸とカウンタ軸との間に固定
的な減速歯車対が介在していないので、従来のようにシ
ンクロメッシュ装置の作動にかかる減速歯車対のギヤ比
の影響が及ぶことはなく、シンクロメッシュ装置に作用
するイナーシャもそれだけ小さくなる。更に、上記従来
技術の場合には、変速段位の切換を行うシンクロメッシ
ュ装置が全て入力軸上に配置されており、入力軸上の変
速歯車は全て軸に対して相対回転自在な遊転歯車となる
ので、アイドル時(つまりニュートラル時)には入力軸
のみが回転し、該軸上の変速歯車は全く回転せず、した
がって、変速歯車によるアイドル歯打ち音を無くするこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、アウト
プット・リダクションギヤ・タイプとすることにより、
従来のインプット・リダクションギヤ・タイプの歯車式
変速機における不具合に対処することが基本的には可能
となるのであるが、このアウトプット・リダクションギ
ヤ・タイプの歯車式変速機においても、その実用化に際
しては、様々の解決すべき技術的課題あるいはより一層
の改良が望まれる種々の具体的な技術事項がある。
【0006】その一つに、車両走行中に変速機内部から
発生する歯車のガタ打ち音(いわゆる走行歯打ち音)の
問題がある。これは、駆動軸系がエンジンのトルク変動
を受けて捩り振動する際に、バックラッシュをもって噛
み合っている歯車の歯面が叩き合うために生じるもの
で、後述するように、各歯車対の減速比にもよるが、ア
ウトプット・リダクションギヤ・タイプの方がインプッ
ト・リダクションギヤ・タイプよりも大きくなることが
考えられる。
【0007】この問題に関して、本願発明者は、鋭意研
究を重ねた結果、後で詳しく説明するように、シンクロ
メッシュ装置を全て入力軸上に配置した上記従来技術に
係るアウトプット・リダクションギヤ・タイプの歯車式
変速機の場合には、特に、直結走行時における走行歯打
ち音が、インプット・リダクションギヤ・タイプのもの
に比べて非常に大きくなること、および、かかる直結時
の走行歯打ち音を低減するためには、直結段への切換を
行うものを除いて、その他のシンクロメッシュ装置をカ
ウンタ軸側に配置することが有効であることを見出し
た。
【0008】ところが、アウトプット・リダクションギ
ヤ・タイプの歯車式変速機では、カウンタ軸が入力軸と
の間に設けられた減速歯車対のギヤ比に応じて変速段位
に関係なく一定に減速される従来のインプット・リダク
ションギヤ・タイプとは異なり、カウンタ軸は選択され
た変速段位の歯車対のギヤ比に応じて変速される。そし
て、ある程度以上の高速段位では増速されて入力軸より
も回転速度が高くなり、各変速歯車対のギヤ比が同じで
あるとすれば、一定以上の変速段位では、カウンタ軸の
回転速度は、インプット・リダクションギヤ・タイプの
場合に比べてかなり高くなる。
【0009】すなわち、直結段位用の歯車対のギヤ比に
もよるが、一般に、アウトプット・リダクションギヤ・
タイプの場合、直結走行時におけるカウンタ軸の回転速
度は、インプット・リダクションギヤ・タイプに比べて
かなり高くなる。しかも、高速段位の歯車対の場合、大
径歯車が入力軸上に、小径歯車がカウンタ軸上にそれぞ
れ配置されることになるので、この高速段位について
は、シンクロメッシュ装置をカウンタ軸上に設けてカウ
ンタ歯車(小径歯車)を軸に対して遊転させるようにす
ると、該歯車とカウンタ軸との相対回転差が更に大きく
なり、このカウンタ歯車の軸受について、早期寿命ある
いは焼き付き等の不具合が生じるおそれがある。
【0010】この発明は、かかる技術的課題に鑑みてな
されたもので、直結走行時において、走行歯打ち音を低
減しつつ、高速段位歯車の軸受についての不具合発生を
防止できるアウトプット・リダクションギヤ・タイプの
歯車式変速機を提供することを基本的な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、本願の請求項
1に係る発明(以下、第1の発明という)は、同一軸線上
に隣り合うようにして配置された入力軸および出力軸
と、これら両軸の下方において両軸と平行に配置された
カウンタ軸と、各変速段位にそれぞれ対応して上記入力
軸および出力軸と上記カウンタ軸とに対をなして設けら
れ互いに噛合する複数の変速歯車対と、選択された変速
段位に対応した所定の変速歯車対で入力軸からカウンタ
軸を介して又は直接に出力軸へ動力が伝達されるように
動力伝達経路を切り換える動力伝達切換機構とを備え、
上記変速歯車対のうちカウンタ軸の回転を出力軸へ減速
して伝達し得る減速歯車対の各歯車が共にカウンタ軸と
出力軸との間で軸と一体回転する歯車式変速機、つま
り、所謂アウトプット・リダクションギヤ・タイプの歯
車式変速機を前提としたもので、上記動力伝達切換機構
が、軸に対して相対回転自在な前後の遊転歯車のいずれ
か一方を選択的に当該軸に対して一体回転するように連
結させることにより変速段位を切り換え得る複数のシン
クロメッシュ装置を備えている。そして、これらシンク
ロメッシュ装置のうち、入力軸から直接に出力軸へ動力
を伝達する直結段位に切り換え得る直結段位のシンクロ
メッシュ装置が入力軸上に配設され、上記直結段位より
も高速段位の切換を行い得る高速段位のシンクロメッシ
ュ装置が入力軸上に配設される一方、上記直結段位より
も低速段位の切換を行い得る低速段位のシンクロメッシ
ュ装置がカウンタ軸上に配設されていることを特徴とし
たものである。
【0012】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記
直結段位が前進第4速段であり、上記変速歯車対は、入
力側から、前進第5速用歯車対,後退用歯車対,前進第
1速用歯車対,前進第2速用歯車対,前進第3速用歯車
対および前進第4速用歯車対の順に配列されていること
を特徴としたものである。
【0013】更に、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3の発明という)は、上記第1の発明において、上記
直結段位が前進第4速段であり、上記変速歯車対は、入
力側から、後退用歯車対,前進第5速用歯車対,前進第
1速用歯車対,前進第2速用歯車対,前進第3速用歯車
対および前進第4速用歯車対の順に配列されていること
を特徴としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本実施の形態
に係る歯車式変速機TM1の全体構成を概略的に示す縦
断面説明図、また、図2は上記変速機TM1の歯車機構
等の要部を拡大して示す縦断面説明図である。これらの
図に示すように、上記変速機TM1では、変速機ケース
10内において、入力軸Siと出力軸Soとが同一軸線
上に隣り合うようにして配置されると共に、その下方
に、これら両軸Si,Soと平行にカウンタ軸Scが配
置されている。そして、各変速段位にそれぞれ対応し相
互に噛合する複数の歯車対1G〜6Gが、上記入力軸S
iおよび出力軸Soとカウンタ軸Scとに対をなして設
けられている。
【0015】尚、上記変速機TM1は、後で詳しく説明
するように、カウンタ軸Scの回転を出力軸Soへ減速
して伝達し得る減速歯車対4Gの各歯車4Gc,4Go
が共にカウンタ軸Scと出力軸Soとの間で軸と一体回
転するように構成された、所謂、アウトプット・リダク
ションギヤ・タイプのもので、上記減速歯車対4Gは、
好ましくは、カウンタ軸Scの後端部(出力側端部)に
配置されている。また、上記変速機TM1は、例えば、
エンジン縦置きの所謂FR型の自動車に搭載されるもの
で、前進5段,後退1段の変速段を有し、その前進第4
速段が、入力軸Siと出力軸Soとを直結して直接に動
力伝達を行わせる直結段位を構成するようになってい
る。
【0016】上記歯車式変速機TM1の入力軸Siは、
その入力側(前端側:図1における左端側)がクラッチ
1を介してエンジン出力軸(不図示)に連結される一
方、出力側(後端側:図1における右端側)は出力軸S
oの入力側端部(前端部)と組み合わされている。ま
た、この出力軸Soの出力側(後端側:図1における右
端側)は、後輪側へ駆動力を伝えるプロペラシャフト
(不図示)に最終的に連結されるようになっている。そ
して、上記変速機ケース10には、ケース内壁から内側
へ張り出す複数の軸支部11〜13が設けられ、これら
軸支部11〜13に、上記入力軸Si,出力軸Soおよ
びカウンタ軸Scを各々回転自在に支承する軸受がそれ
ぞれ配設されている。尚、最も入力側(前側:図1にお
ける左側)の軸支部11はフロントカバー15によって
その入力側が覆われている。
【0017】上記変速機TM1は、上述のように、前進
5段,後退1段の変速段を有するもので、これらの各変
速段位に対応して6組の変速歯車対1G〜6Gが設けら
れている。本実施の形態では、これら6組の歯車対1G
〜6Gについて、5速用歯車対5Gと後退用歯車対6G
とが組み合わされて5−R歯車ユニットが、1速用歯車
対1Gと2速用歯車対2Gとが組み合わされて1−2歯
車ユニットが、また、3速用歯車対3Gと4速用歯車対
4Gとが組み合わされて3−4歯車ユニットが、それぞ
れ構成されている。
【0018】そして、これら歯車ユニットは、上記歯車
列において入力側(前側)から、5−R歯車ユニット,
1−2歯車ユニットおよび3−4歯車ユニットの順に配
置されている。つまり、各歯車ユニットのうち、1−2
歯車ユニットが歯車列の中央に配置されている。また、
上記5−R歯車ユニットでは後退用変速歯車対6Gが、
1−2歯車ユニットでは2速用変速歯車対2Gが、3−
4歯車ユニットでは4速用変速歯車対4Gが、それぞれ
当該歯車ユニットにおける出力側(後側)に配置されて
いる。すなわち、上記6組の変速歯車対1G〜6Gは、
入力側(前側)から、5速用歯車対5G,後退用歯車対
6G,1速用歯車対1G,2速用歯車対2G,3速用歯
車対3Gおよび4速用歯車対4Gの順番で配列されてい
る。
【0019】また、本実施の形態では、上記各歯車対1
G〜6Gについて、カウンタ軸Sc側に設けられた歯車
(カウンタ歯車1Gc〜6Gc)のうち、3速用〜5速
用および後退用のもの3Gc〜6Gcが、軸(カウンタ
軸Sc)と共に一体的に回転する固定歯車として形成さ
れる一方、1速用および2速用のカウンタ歯車1Gc及
び2Gcは軸(カウンタ軸Sc)に対して相対的に回転
自在な遊転歯車として形成されている。また、入力軸S
i側に設けられた歯車(入力歯車1Gi〜3Gi,5G
i及び6Gi)並びに出力軸So側に設けられた歯車
(出力歯車4Go)のうち、3速用,5速用および後退
用の入力歯車3Gi,5Gi及び6Gi並びに4速用の
出力歯車4Goが入力軸Siに対する遊転歯車として形
成される一方、1速用および2速用の入力歯車1Gi及
び2Giは入力軸Siに対する固定歯車として形成され
ている。尚、従来、良く知られているように、後退用歯
車対6Gの場合は、その固定歯車6Gcと遊転歯車6G
iとは、図示しないアイドル歯車(リバース・アイドル
歯車)を介して噛み合っており、このリバース・アイド
ル歯車によって、被駆動歯車が前進用の歯車対の場合と
反対方向に回転するようになっている。
【0020】上記4速用歯車対(減速歯車対)4Gにつ
いては、片方(カウンタ歯車4Gc)がカウンタ軸Sc
の後端部(出力側端部)に該軸Scと共に一体的に回転
する固定歯車として設けられる一方、他方(出力歯車4
Go)は出力軸Soの前端部(入力側端部)の近傍に該
軸Soと一体的に回転する固定歯車として設けられてい
る。尚、この4速用の出力歯車4Goは、例えば、出力
軸Soの前端部(入力側端部)に装着されたニードル軸
受B4を介して入力軸Siの後端部(出力側端部)に回
転自在に組み付けられており、入力軸Siに対しては相
対的に回転自在である。そして、上記4速用のカウンタ
歯車4Gcと出力歯車4Goとで所定のギヤ比の減速歯
車対4Gが形成されている。
【0021】すなわち、カウンタ軸Scの回転を出力軸
Soへ減速して伝達し得る減速歯車対4Gの各歯車4G
c,4Goが共にカウンタ軸Scと出力軸Soとの間で
軸と一体回転するようになっており、減速歯車対4Gを
このようにレイアウトすることにより、上述のように、
所謂アウトプット・リダクションギヤ・タイプの歯車式
変速機TM1が構成されている。このアウトプット・リ
ダクションギヤ・タイプの変速機TM1では、アイドリ
ング時など、ニュートラル状態でカウンタ軸Scが空転
することはない。
【0022】上記各遊転歯車の間には、前後の遊転歯車
のいずれか一方を選択的に軸(入力軸Siまたはカウン
タ軸Sc)に対して一体回転するように連結させること
により変速段位を切り換え得るシンクロメッシュ装置Y
a〜Ycが配設されている。この場合、1−2歯車ユニ
ットについては、そのカウンタ歯車が遊転歯車とされて
いる関係上、1速と2速とを切り換える1−2速切換用
シンクロYaはカウンタ軸Sc上に設けられる。一方、
3−4歯車ユニットおよび5−R歯車ユニットについて
は、その入力歯車が全て遊転歯車とされている関係上、
3速と4速とを切り換える3−4速切換用シンクロYb
および5速と後退段(リバース)とを切り換える5速−
R切換用シンクロYcは、ともに入力軸Si上に設けら
れることになる。
【0023】すなわち、上記3つのシンクロメッシュ装
置Ya〜Ycについては、入力軸から直接に出力軸へ動
力を伝達する直結段位に切り換え得る直結段位のシンク
ロメッシュ装置である3−4速切換用シンクロYbは、
その機能上、出力軸Soと同一軸線上に隣り合うように
して配置された入力軸Siの出力側端部近傍に配設され
ており、直結段位(4速)よりも低速段位の切換を行い
得る(つまり1速と2速とを切り換え得る)低速段位の
シンクロメッシュ装置である1−2速切換用シンクロY
aがカウンタ軸Sc上に配設されている。一方、上記直
結段位(4速)よりも高速段位の切換を行い得る(つま
り5速への切換を行い得る)高速段位のシンクロメッシ
ュ装置である5速−R切換用シンクロYcは入力軸Si
上に配設されている。
【0024】上記各シンクロメッシュ装置Ya〜Yc
は、従来から良く知られているものと同じものである
が、例えば1−2速切換用のものYaを例にとって、そ
の基本的な構成の概略を説明すれば、例えば図3に示す
ように、軸(カウンタ軸Sc)に対して例えばスプライ
ン嵌合されたシンクロナイザハブ21と、該ハブ21の
外周上に複数個設けられたシンクロナイザキー22と、
前後一対のシンクロナイザリング23,24と、各シン
クロナイザリング23,24と対向配置されたギヤ側リ
ング部材25,26と、上記シンクロナイザキー22の
外側に位置してシフトフォーク30によって前後いずれ
かに移動させられ得るシンクロナイザスリーブ27とを
備えて構成され、このシンクロナイザスリーブ27の前
後いずれかへの移動に応じて、歯車1Gc又は2Gcが
軸Scと一体的に回転させられるようになっている。
【0025】以上の構成において、シフトレバー2の切
換操作で4速以外の他の変速段のいずれかが選択される
と、当該変速段の遊転歯車が軸と一体的に回転するよう
に該軸に対して連結され、この遊転歯車が対をなす固定
歯車と噛み合った状態で回転するすることによりカウン
タ軸Scが駆動される。このカウンタ軸Scの回転が上
記減速歯車対4Gで減速されながら出力軸Soに伝達さ
れる。一方、シフトレバー2が他の変速段から4速に切
り換えられた場合には、出力軸Soが入力軸Siに対し
て連結されることにより、入力側と出力側とが直結され
るようになっている。
【0026】本実施の形態では、各変速歯車対1G〜6
Gの変速比や各歯車の歯数を、例えば表1のように設定
するとともに、当該歯車式変速機を実車に搭載して、種
々の実験やシュミレーションを行った。上記表1より、
減速比は、1速用歯車対1Gが最も大きく、次いで、リ
バース用歯車対6G、2速用歯車対2Gの順であること
が分かる。尚、比較例としては、従来のインプット・リ
ダクションギヤ・タイプで、変速比が同一に設定された
ものを用いた。
【0027】
【表1】
【0028】ところで、歯車の計算寿命は、歯車の歯元
応力σと回転数Nとに直接的に関係し、これらの間に
は、次式に示す関係が成立することが知られている。 σx・N=constant(定数) … 上記歯元応力σは当該歯車の伝達トルクに比例するの
で、計算寿命は、伝達トルクのx乗および回転数Nにそ
れぞれ比例して減少することになる。本実施の形態に係
る歯車式変速機TMの場合、アウトプット・リダクショ
ンギヤ・タイプであり、入力軸Siからカウンタ軸Sc
に動力が伝達される際には回転数が減速されない(つま
り、入力軸Siの回転トルクが増幅されない)ので、入
力軸とカウンタ軸との間にそれぞれ軸と一体回転する固
定歯車でなる減速歯車対が設けられた従来タイプ(イン
プット・リダクションギヤ・タイプ)のものに比べて、
減速歯車対4Gを除く他の変速歯車対1G〜3G,5G
の寿命は大幅に向上する。
【0029】従って、この変速歯車対の寿命向上分だ
け、各変速歯車の径あるいは幅方向についてサイズダウ
ンが可能となる。尚、歯幅方向のサイズダウンについて
は、歯車ノイズとの関係で制限されることもあるので、
本実施の形態では、主として、各変速歯車の径方向のサ
イズダウンを行うことにより、入力軸Siとカウンタ軸
Scとの軸間距離を短くし、変速機TM1の小型化を図
るようにした。尚、減速歯車対4Gについては、カウン
タ軸Scの回転がこの歯車対4Gで減速されて(回転ト
ルクが増幅されて)出力軸Soに伝達される関係上、従
来タイプに比べて計算寿命が短くなる。本実施の形態で
は、この減速歯車対4Gについては、歯幅を大きくし、
また、歯車表面に施すショットピーニング条件を向上さ
せることなどにより、その寿命低下を補う対策を施し
た。
【0030】また、変速時のシフト操作力については、
シフト操作力をFs,歯車列のイナーシャをIg,クラ
ッチのイナーシャをIc,回転速度差をNd,回転抵抗
をTr,シンクロ容量Cs,リンク効率をηとすれば、
次式で表されることが知られている。 Fs={(Ig+Ic)・Nd+Tr}/(Cs・η) … このように、シフト操作力Fsは、歯車列およびクラッ
チのイナーシャIg及びIcの影響を大きく受ける。従
って、これらのイナーシャを低減することによってシフ
ト操作力Fsを軽くすることができる。
【0031】表2は、例えば2速へのシフト時を例にと
って、イナーシャの算出結果を示したものである。この
表2は、従来のインプット・リダクションギヤ・タイプ
で、全シンクロメッシュ装置が入力軸上に配置されたも
の(比較例)のイナーシャを100とし、これを基準に
して各場合におけるイナーシャ比を表したものである。
尚、上記表2中に、参考例として、アウトプット・リダ
クションギヤ・タイプの歯車式変速機において、全シン
クロメッシュ装置Ya〜Ycを入力軸Si上に配置した
もの,5速−R切換用シンクロのみ,及び1−2速切換
用シンクロと5速−R切換用シンクロの両方を、それぞ
れカウンタ軸Sc上に配置した場合のイナーシャも示し
た。
【0032】
【表2】
【0033】表2より、変速機をアウトプット・リダク
ションギヤ・タイプとすることによってイナーシャが大
幅に低減されることが分かる。従って、変速機をアウト
プット・リダクションギヤ・タイプとすることによって
シフト操作力が大幅に低減され、これにより、各シンク
ロメッシュ装置Ya〜Ycのシンクロ容量を従来よりも
低く設定することが可能になる。すなわち、シンクロメ
ッシュ装置Ya〜Ycを小型化することができるのであ
る。
【0034】上記表2より、イナーシャを低減するに
は、全てのシンクロメッシュ装置Ya〜Ycを入力軸S
i上に配置するのが良いと思われるが、本実施の形態で
は、さらに直結走行時における走行歯打ち音および軸受
の焼き付きの問題に対処できるように、各シンクロメッ
シュ装置Ya,Yb,Ycの配置を決めるようにした。こ
の走行歯打ち音とは、前述のように、車両走行中に変速
機内部から発生する歯車のガタ打ち音(いわゆる走行歯
打ち音)であり、駆動軸系がエンジンのトルク変動(つ
まり回転変動)を受けて捩り振動する際に、バックラッ
シュをもって噛み合っている歯車の歯面が叩き合うため
に生じるもので、一般には、駆動軸系の捩り振動の共振
点で生じることが多く、この共振時のフライホイールの
回転変動が大きいほど駆動軸系の振動レベルも大きくな
り、走行歯打ち音対策上不利になる。なお、上記捩り振
動の加振力としては、上記エンジンの回転変動の他、駆
動軸系のユニバーサルジョイントの角速度変動や路面の
不整による反力トルクなどが挙げられる。
【0035】上記走行歯打ち音の発生度合(つまり発生
し易さ)を評価する場合、回転軸まわりのモーメントに
作用するイナーシャI(アイ)と、評価対象歯車の噛み
合い部での角速度変動△ω(デルタ・オメガ)の積(I
・△ω)を指標として用いることができる。上記イナー
シャIは、各歯車あるいは部品毎に回転軸を設定して、
積分計算等により算出することができ、対象部品の形状
および回転軸の設定位置等によって決定付けられる。ま
た、上記角速度変動△ωについては、走行歯打ち音であ
るので、出力軸上の角速度変動によって生じるものであ
り、各歯車対の歯数比(減速比)に基づいて算出するこ
とができる。
【0036】この走行歯打ち音については、各歯車対の
減速比にもよるが、一般に、アウトプット・リダクショ
ンギヤ・タイプの方がインプット・リダクションギヤ・
タイプよりも大きくなることが考えられる。例えば、4
速(直結)時における4速用歯車対4Gの噛み合い部分
について、表1の数値に基づいて説明すれば、出力軸上
の角速度変動△ωOを基準(△ωO=1)として、カウン
タ軸上の角速度変動△ωは、それぞれ以下のようにな
る。 ・インプット・リダクションギヤ・タイプの場合 △ω=△ωO・Z1/Z2=△ωO・23/38=0.61
△ωO=0.61 ・アウトプット・リダクションギヤ・タイプの場合 △ω=△ωO・Z2/Z1=△ωO・38/23=1.65
△ωO=1.65 したがって、カウンタ軸の単体でのイナーシャIが同じ
であれば、カウンタ軸上の角速度変動△ωは(従って、
走行歯打ち音の発生度合(I・△ω)は)、アウトプッ
ト・リダクションギヤ・タイプの方がかなり大きくな
る。
【0037】図4は、従来タイプ(インプット・リダク
ションギヤ・タイプ:比較例)とアウトプット・リダク
ションギヤ・タイプ(本発明実施例および参考例)とに
ついて、直結(4速)走行時の各変速歯車対における走
行歯打ち音の発生度合(I・△ω)を示したもので、両
者について、全シンクロメッシュ装置を入力軸上に配置
したもの(比較例1および参考例1),1−2速切換用
シンクロのみをカウンタ軸上に配置したもの(比較例2
および本発明実施例),5速−R切換用シンクロのみを
カウンタ軸上に配置したもの(比較例3および参考例
2)並びに1−2速切換用シンクロと5速−R切換用シ
ンクロの両方をそれぞれカウンタ軸上に配置したもの
(比較例4および参考例3)が示されている。
【0038】図4のグラフから、直結走行時において
は、ほとんど全ての場合について、アウトプット・リダ
クションギヤ・タイプの方がインプット・リダクション
ギヤ・タイプよりも走行歯打ち音が大きくなることが分
かる。また、アウトプット・リダクションギヤ・タイプ
の中では、1−2速切換用シンクロと5速−R切換用シ
ンクロの両方をそれぞれカウンタ軸上に配置した参考例
3の場合が、直結時の走行歯打ち音が最も小さく、イン
プット・リダクションギヤ・タイプと余り変わらない程
度のレベルである。なお、この参考例3については、ア
イドル歯打ち音を考えた場合、カウンタ軸上の遊転歯車
の数が多くなる関係上、本発明実施例よりも不利であ
る。そして、この参考例3の次に走行歯打ち音が小さい
のは、1−2速切換用シンクロのみをカウンタ軸上に配
置した本発明実施例である。
【0039】このように、アウトプット・リダクション
ギヤ・タイプの中で、直結時の走行歯打ち音が最も小さ
いのは、1−2速切換用シンクロと5速−R切換用シン
クロの両方をそれぞれカウンタ軸上に配置した参考例3
であった。しかしながら、以下に詳しく説明するよう
に、直結走行時におけるカウンタ軸の回転速度がインプ
ット・リダクションギヤ・タイプに比べてかなり高くな
る関係上、この参考例3では、高速段位の歯車対のカウ
ンタ歯車について、その軸受の早期寿命や焼き付き等の
不具合発生が懸念されるという問題がある。
【0040】すなわち、アウトプット・リダクションギ
ヤ・タイプの歯車式変速機では、カウンタ軸が入力軸と
の間に設けられた減速歯車対のギヤ比に応じて変速段位
に関係なく一定に減速される従来のインプット・リダク
ションギヤ・タイプとは異なり、カウンタ軸は選択され
た変速段位の歯車対のギヤ比に応じて変速される。そし
て、ある程度以上の高速段位では増速されて入力軸より
も回転速度が高くなり、各変速歯車対のギヤ比が同じで
あるとすれば、一定以上の変速段位では、カウンタ軸の
回転速度は、インプット・リダクションギヤ・タイプの
場合に比べてかなり高くなる。
【0041】図5は、アウトプット・リダクションギヤ
・タイプの変速機と従来タイプの変速機とについて、エ
ンジン回転数が一定という条件下で各変速段位における
カウンタ軸の回転数の違いをグラフ化して示したもので
ある。□印がアウトプット・リダクションギヤ・タイプ
を示し、■印が従来タイプを示している。このグラフか
ら良く分かるように、アウトプット・リダクションギヤ
・タイプの場合には、カウンタ軸Scは変速段位によっ
て回転数が変わり、しかも、高速段位では、従来タイプ
のものよりも超高速で回転する。尚、リバースでは逆転
方向に回転してしまう。
【0042】しかも、5速用変速歯車対5Gの場合、大
径歯車5Giが入力軸Si上に、小径歯車5Gcがカウ
ンタ軸Sc上にそれぞれ配置されることになるので、こ
の5速については、上記参考例3におけるように、その
シンクロメッシュ装置(5速−R切換用シンクロ)Yc
をカウンタ軸Sc上に設けてカウンタ歯車5Gc(小径
歯車)を軸Scに対して遊転させるようにすると、該歯
車5Gcとカウンタ軸Scとの相対回転差が更に大きく
なり、このカウンタ歯車5Gcの軸受について、早期寿
命あるいは焼き付き等の不具合が生じるおそれがある。
【0043】このため、本実施の形態では、1−2速切
換用シンクロYaのみがカウンタ軸Sc上に配置されて
おり、5速−R切換用シンクロYcは入力軸Si上に配
設されているので、5速用変速歯車対5Gについて、小
径のカウンタ歯車5Gcはカウンタ軸Scと一体的な固
定歯車として設けられることとなり、上述のような軸S
cとの相対回転差の問題はなくなる。しかも、シンクロ
メッシュ装置をこのように配置することにより、前述の
ように、直結走行時における走行歯打ち音についても、
比較的(上記参考例3に次いで)小さくなるように抑制
することができる。すなわち、直結走行時において、走
行歯打ち音を低減しつつ、高速段位歯車の軸受について
の不具合発生を防止できるのである。
【0044】また、アウトプット・リダクションギヤ・
タイプとすることによって上述のようにカウンタ軸の回
転速度が増大した場合、5速−R切換用シンクロYcが
入力軸上に配置されていると、入力軸上の5速用歯車お
よび後退用歯車が軸に対して相対回転自在な遊転歯車と
なり、特に減速比の大きい後退用(リバース)歯車対に
ついて、小径歯車が入力軸上の遊転歯車となる関係上、
高速段位においてこの歯車の軸(入力軸)に対する遊転
時の相対回転速度が非常に高くなり、その軸受について
焼き付き等の不具合が生じるおそれがある。特に、リバ
ース遊転歯車の場合、アイドル歯車の作用により軸の回
転とは逆方向に回転し、当該軸との相対回転差が極めて
大きくなるという現象が生じる。
【0045】従って、上記リバース遊転歯車6Giの軸
受6Bへの潤滑油の供給を如何に行うかは重要である。
本実施の形態では、図2に示されるように、変速機ケー
ス10の最も前側(入力側)の軸支部11の壁部を貫通
して給油通路16が設けられ、該給油通路16の前端
は、フロントカバー15の内周部に装着されたシール部
材15sでその前部が閉塞されたオイル溜め17内に開
口している。一方、上記給油通路16の後端は、軸支部
11の後方の変速機ケース10内に開口している。
【0046】上記5速用変速歯車対5G及び後退用変速
歯車対6Gの上方には、斜め前方に傾斜した樋状のオイ
ルパス19が配設されており、このオイルパス19の前
端部は、上記給油通路16の後端開口部の直上方に位置
している。また、入力軸Siには、その軸線に沿って延
びる軸内のオイル通路Liが設けられており、この軸内
オイル通路Liから分岐して各遊転歯車5Gc及び6G
cの軸受部に至る分岐オイル孔がそれぞれ設けられてい
る。このような構成によれば、カウンタ軸Sc上の歯車
で掻き上げられて変速機ケース10の内壁に衝突し、こ
の内壁にある程度沿って落下する潤滑油は、上記オイル
パス19に収集された後、給油通路16およびオイル溜
め17を介して、上記軸内通路Li内へ効率良く導か
れ、上記各遊転歯車5Gc及び6Gcの軸受部に供給さ
れるようにすることができる。
【0047】本実施の形態では、通常の歯車式変速機の
場合と同様に、上記変速機TMのケース10内における
下部には潤滑油が一定レベル(図2における破線直線参
照)まで貯えられており、各変速歯車対1G〜6Gの噛
み合い部分や遊転歯車1Gi〜3Gi,5Gc及び6G
cの軸受部、あるいはその他の潤滑を要する部分への潤
滑油の供給は、上記変速機ケース10内の下部に貯えら
れた潤滑油を、下方側の軸であるカウンタ軸Scに設け
られた歯車の回転力で掻き上げて行われる。そして、こ
のとき、掻き上げられた潤滑油は、その大部分がケース
10の内壁に衝突し、この内壁にある程度沿って落下す
ることにより、熱を奪われてある程度冷却された上で必
要箇所に供給されるようになっている。なお、潤滑油の
液面レベルは、エンジン停止状態では、図2の破線直線
よりも高く、カウンタ軸Scの中心軸付近にあるが、エ
ンジンが駆動されると上記のようにオイルが掻き上げら
れるので、この状態での液面レベルは図2の破線直線程
度まで低下するのである。
【0048】ただし、カウンタ軸Scが高速回転するた
め、オイル量については従来と同程度に多くすることは
できない。図6のグラフは、カウンタ軸Scの回転数が
最も高くなる5速における潤滑油の油温の車速に対する
変化特性を測定した結果を示したものである。このグラ
フにおいて、黒の丸印(●:実線折れ線A1)はアウト
プット・リダクションギヤ・タイプで潤滑油量を従来と
同様とした場合を示し、白の丸印(○:破線折れ線A
2)はアウトプット・リダクションギヤ・タイプで潤滑
油量を従来よりも少なくした場合を示している。また、
黒の三角印(▲:実線折れ線B)は、比較例として従来
のインプット・リダクションギヤ・タイプ(つまり、カ
ウンタ軸の回転数が変速段位に拘わらず一定で入力回転
数に比例するタイプ)の変速機で潤滑油量を従来通りと
した場合を示している。
【0049】更に、図6における一点鎖線のグラフC
は、噛み合い損失だけの場合の油温の計算値を示してお
り、後述する計算式()により、実車における油温デ
ータ(図6参照)及び撹拌抵抗の実測データ(以下に述
べる図7参照)に基づいて算出したものである。図7の
グラフは、図6における場合と同様の変速機における撹
拌抵抗トルクの車速および入力軸回転数に対する変化を
示したもので、各符号(●,○,▲)の示すところは図
6の場合と同様である。
【0050】単位時間当たりの発熱量と放熱量の算出式
より、油温安定時における熱平衡式として次式が得ら
れる。上述のように、図6における一点鎖線のグラフ
は、この式による演算結果に基づいたものである。 TD・2π・N/60=K・(T1−T2) … ここに、各符号は以下の内容を表している。 ・TD:ギヤ噛み合い損失トルク+撹拌抵抗トルク ・N :入力回転数 ・K :放熱性を表す係数で、変速機の外形形状や冷却
風量などによって定まる。カウンタ軸の回転に伴うギヤ
によるオイルの掻き上げ性は、この係数に影響を及ぼ
す。 ・T1:潤滑油温 ・T2:外気温
【0051】上記カウンタ軸Scの下方に貯えられた潤
滑油は、車両走行中、急加速や急減速が行われた際や坂
道を走行する際などには、図2において1点鎖線の傾斜
直線で示されるように、その油面が変速機ケース10に
対して相対的に傾斜し、カウンタ軸Scの歯車列の端部
側に設けた歯車では潤滑油の有効な掻き上げは期待でき
ず、潤滑油は歯車列の比較的中央側に設けられた歯車に
よってのみ掻き上げられることになる。そして、このよ
うな場合、カウンタ軸Scの歯車列の比較的中央側に設
けられた歯車のサイズが小さければ、オイル掻き上げ量
が不足し、潤滑油の冷却や必要箇所への供給に支障を来
すおそれがある。
【0052】本実施の形態に係る変速機TM1では、ア
ウトプット・リダクションギヤ・タイプとしたことによ
る、上記のような不具合、すなわち、一定以上のの変速
段位(本実施の形態の場合2速以上)でのカウンタ軸S
cの回転数上昇に伴うオイル撹拌抵抗トルクの増大(ひ
いては動力伝達効率の低下)、そして、これによる潤滑
油温度の過度の上昇に対処するために、潤滑油量を低減
し、高速時における潤滑油温度の過度の上昇を防止する
ようにした。尚、この潤滑油量の低減に伴うオイル撹拌
抵抗増大の抑制により、動力伝達効率の低下も抑制され
ることになる。
【0053】そして、このように、撹拌抵抗を小さくす
るために潤滑油の量をある程度減らしてオイルレベルを
下げた場合、車両走行中、急加速や急減速が行われた際
や坂道を走行する際などに、上記カウンタ軸Scの下方
に貯えられた潤滑油の油面が変速機ケース10に対して
相対的に傾斜すると(図2における1点鎖線の直線参
照)、この油面の傾斜によるオイル掻き上げ量の不足の
問題がより顕著なものとなるのであるが、本実施の形態
では、このような場合でも、オイルの掻き上げ量を十分
に確保できるように、カウンタ軸Scに設けられたカウ
ンタ歯車1Gc,2Gc,5Gc,6Gcについて、径方
向サイズが大きいものほど歯車列の中央に近くなるよう
に各歯車1Gc,2Gc,5Gc,6Gcを配列した。
【0054】すなわち、前述のように、3組の歯車ユニ
ットのうち1−2歯車ユニットがカウンタ歯車列の中央
に配置されるとともに、上記6組の歯車対1G〜6G
は、入力側(前側)から、5速用歯車対5G,後退用歯
車対6G,1速用歯車対1G,2速用歯車対2G,3速
用歯車対3Gおよび4速用歯車対4Gの順番で配列され
ている。これを、カウンタ歯車1Gc,2Gc,5Gc,
6Gcについて言えば、最も変速比が大きい1速用変速
歯車1Gcが歯車列の中央に配置され、5速用変速歯車
5Gcがカウンタ軸の入力側端部に設けられると共に、
2番目に変速比大きい後退用変速歯車6Gcがその中央
側に配置されている。
【0055】したがって、車両走行中、急加速や急減速
が行われた際や坂道を走行する際などに、上記カウンタ
軸Scの下方に貯えられた潤滑油の油面が変速機ケース
10に対して相対的に傾斜し、カウンタ軸Scの歯車列
の端部側に設けた歯車では潤滑油の有効な掻き上げが期
待できない場合でも、油面の傾斜に追随して歯車列の比
較的中央側に設けられた歯車1Gc,2Gc及び6Gc
により効果的に潤滑油を掻き上げることができる。すな
わち、潤滑油量を少なくした場合において潤滑油の油面
に傾斜が生じた際でも、かかる状況に対応して有効にオ
イル掻き上げ量を確保することができるのである。
【0056】特に、径方向サイズが最も大きい1速用カ
ウンタ歯車1Gcと3番目に大きい2速用カウンタ歯車
2Gcとをカウンタ歯車としてを有する1−2歯車ユニ
ットがカウンタ歯車列の中央に配置されるとともに、径
方向サイズが2番目に大きいリバース遊転歯車6Gcが
上記1速用カウンタ歯車1Gcに隣り合って配設されお
り、しかも、径方向サイズが最も大きい1速用カウンタ
歯車1Gcがカウンタ軸Sc上の歯車列の中央に位置し
ているので、より確実に、潤滑油の油面に傾斜に対応す
ることができる。また、カウンタ軸上の後退用変速歯車
(リバース遊転歯車)を中央側に配置したことにより、
該歯車は常に潤滑油と接触することとなるので、アウト
プット・リダクションギヤ・タイプにおいて問題となる
リバース遊転歯車の潤滑条件が有利となる。
【0057】尚、上記実施の形態(以下、第1の実施の
形態という)は、6組の変速歯車対1G〜6Gを、入力
側(前側)から、5速用歯車対5G,後退用歯車対6
G,1速用歯車対1G,2速用歯車対2G,3速用歯車
対3Gおよび4速用歯車対4Gの順番で配列したもので
あったが、この代わりに、5速用歯車対5Gと後退用歯
車対6Gの順番を入れ替えるようにしても良い。次に、
本発明の第2の実施の形態について説明する。尚、以下
の説明において、上記第1の実施の形態における場合と
同じものには同一の符号を付し、それ以上の説明は省略
する。
【0058】図8に示すように、この第2の実施の形態
に係る歯車式変速機TM2では、シンクロメッシュ装置
Ya〜Ycについては、上記第1の実施の形態における
場合と同じく、1速と2速とを切り換える1−2速切換
用シンクロYaのみがカウンタSc軸上に配置され、残
りのシンクロメッシュ装置Yb,Ycは入力軸Si上に
配置されている。一方、6組の変速歯車対1G〜6Gに
ついては、入力側(前側)から、後退用歯車対6G,5
速用歯車対5G,1速用歯車対1G,2速用歯車対2
G,3速用歯車対3Gおよび4速用歯車対4Gの順番で
配列されている。
【0059】この場合にも、径方向サイズが最も大きい
1速用カウンタ歯車1Gcと3番目に大きい2速用カウ
ンタ歯車2Gcとをカウンタ歯車としてを有する1−2
歯車ユニットがカウンタ歯車列の中央に配置されている
ので、第1の実施の形態における程ではないが、効果的
に潤滑油を掻き上げることができる。しかも、減速比の
大きい(つまり回転トルクの増幅度合いの大きい)後退
用歯車対6Gと1速用歯車対1Gとが隣り合うことがな
い。
【0060】したがって、図9に模式的に示すように、
カウンタ軸Scに入力される荷重は軸の長手方向につい
て余り集中することなく分散される。また、入力荷重が
大きくなる後退用歯車対6Gが軸の中央側ではなく軸端
に近い側で受けられるので、カウンタ軸Scの強度およ
び剛性が低くて済み(つまり、軸径が小さくて済み)、
また、このカウンタ軸Scの支持部(軸支部11〜1
3)についても余り強固で剛性の高いものにする必要は
なくなる。すなわち、カウンタ軸Sc自体およびその支
持部11〜13の強度・剛性を低く設定することがで
き、変速機TM2のより一層の小型軽量化を図ることが
できるのである。
【0061】また、本実施の形態では、変速歯車対1G
〜6Gのうち後退用歯車対6G(リバース歯車対)が歯
車列の最も入力側に配置されているので、これが歯車列
の中間部分に配置されている場合に比べて、リバース遊
転歯車6Giの軸受6Bへの潤滑油の供給が容易に行え
るようになっている。すなわち、上記入力軸Siの軸内
オイル通路Liには入力軸Si上の歯車列よりも前方か
ら潤滑油が供給されるので、入力軸Si上の歯車のうち
で上記リバース遊転歯車6Gcが最も潤滑油の供給条件
が良くなり、遊転時の不具合発生を有効に防止すること
ができるのである。
【0062】尚、本発明は、以上の実施態様に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、
種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言
うまでもない。
【0063】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、所謂アウト
プット・リダクションギヤ・タイプの歯車式変速機にお
いて、直結段位への切換を行い得る直結段位のシンクロ
メッシュ装置は、その機能上、入力軸に配設されてお
り、上記直結段位よりも高速段位の切換を行い得る高速
段位のシンクロメッシュ装置が入力軸上に配設されると
ともに、上記直結段位よりも低速段位の切換を行い得る
低速段位のシンクロメッシュ装置はカウンタ軸上に配設
されている。そして、アウトプット・リダクションギヤ
・タイプの歯車式変速機において、シンクロメッシュ装
置をこのように配置することにより、直結走行時におけ
る走行歯打ち音についても、比較的小さくなるように抑
制することができる。また、この場合において、高速段
位のシンクロメッシュ装置は入力軸上に配置されている
ので、この高速段位の変速歯車対について、小径のカウ
ンタ歯車はカウンタ軸と一体的な固定歯車として設けら
れることとなり、軸(カウンタ軸)との相対回転差の問
題はなくなる。すなわち、直結走行時において、走行歯
打ち音を低減しつつ、高速段位歯車の軸受についての不
具合発生を防止することができる。
【0064】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。特に、変速歯車対が、入力側から、5速用歯車対,
後退用歯車対,1速用歯車対,2速用歯車対,3速用歯
車対および4速用歯車対の順番で配列されており、径方
向サイズが大きい1速用カウンタ歯車と2速用カウンタ
歯車とをカウンタ歯車としてを有する1−2歯車ユニッ
トがカウンタ歯車列の中央に配置され、これに隣接し
て、径方向サイズが大きい後退用カウンタ歯車を有する
後退用歯車対が配設されることとなり、カウンタ歯車の
うち径方向サイズが大きい3つの歯車が中央側に並ぶこ
ととなり、常にこの3つの歯車でオイルを掻き上げるこ
とができるので、より確実に潤滑油の油面の傾斜に対応
することができる。したがって、車両走行中、急加速や
急減速が行われた際や坂道を走行する際などに、上記カ
ウンタ軸の下方に貯えられた潤滑油の油面が変速機ケー
スに対して相対的に傾斜し、カウンタ軸の歯車列の端部
側に設けた歯車では潤滑油の有効な掻き上げが期待でき
ない場合でも、油面の傾斜に追随して歯車列の比較的中
央側に設けられた歯車により効果的に潤滑油を掻き上げ
ることができる。すなわち、潤滑油量を少なくした場合
において潤滑油の油面に傾斜が生じた際でも、かかる状
況に対応して有効にオイル掻き上げ量を確保することが
できる。また、カウンタ軸上の後退用変速歯車(リバー
ス遊転歯車)を中央側に配置したことにより、該歯車は
常に潤滑油と接触することとなるので、アウトプット・
リダクションギヤ・タイプにおいて問題となるリバース
遊転歯車の潤滑条件が有利となる。
【0065】更に、本願の第3の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。特に、カウンタ軸上に設けられた遊転歯車では、後
退用歯車(リバース遊転歯車)が歯車列の最も入力側に
配置されているので、遊転歯車でその軸受部の使用条件
が厳しい上記リバース遊転歯車について、これが歯車列
の中間部分に配置されている場合に比べて、回転支持部
への潤滑油の供給が行い易くなる。この場合において、
径方向サイズが大きい1速用カウンタ歯車1Gcと2速
用カウンタ歯車2Gcとをカウンタ歯車としてを有する
1−2歯車ユニットがカウンタ歯車列の中央に配置され
ることになるので、効果的に潤滑油を掻き上げることが
できる。しかも、減速比の大きい(つまり回転トルクの
増幅度合いの大きい)後退用歯車対と1速用歯車対とが
隣り合うことがないので、カウンタ軸に入力される荷重
は軸の長手方向について余り集中することなく分散され
る。また、入力荷重が大きくなる後退用歯車対が軸の中
央側ではなく軸端に近い側で受けられるので、カウンタ
軸の強度および剛性が低くて済み(つまり、軸径が小さ
くて済み)、また、このカウンタ軸の支持部についても
余り強固で剛性の高いものにする必要はなくなる。すな
わち、カウンタ軸自体およびその支持部の強度・剛性を
低く設定することができ、変速機のより一層の小型軽量
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る歯車式変速
機の全体構成を概略的に示す縦断面説明図である。
【図2】 上記歯車式変速機の要部を拡大して示す縦断
面説明図である。
【図3】 上記歯車式変速機のシンクロメッシュ装置の
基本構成を概略的に示す説明図である。
【図4】 各変速歯車対における直結時における走行歯
打ち音の発生度合を示すグラフである。
【図5】 各変速段位におけるカウンタ軸の回転数を示
すグラフである。
【図6】 潤滑油の油温の車速に対する変化を示すグラ
フである。
【図7】 潤滑油の撹拌抵抗トルクの車速および入力軸
回転数に対する変化を示すグラフである。
【図8】 本発明の第2の実施の形態に係る歯車式変速
機の要部を拡大して示す縦断面説明図である。
【図9】 上記第2の実施の形態に係る歯車式変速機の
カウンタ軸への入力荷重分布を示す説明図である。
【符号の説明】
1G…1速用変速歯車対 1Gc…1速用カウンタ遊転歯車 2G…2速用変速歯車対 2Gc…2速用カウンタ遊転歯車 3G…3速用変速歯車対 3Gc…3速用カウンタ歯車 4G…4速用変速歯車対(減速歯車対) 5G…5速用変速歯車対 5Gc…5速用カウンタ遊転歯車 6G…後退用変速歯車対 6Gc…後退用カウンタ遊転歯車 Sc…カウンタ軸 Si…入力軸 So…出力軸 TM1,TM2…歯車式変速機 Ya…1−2速切換用シンクロメッシュ装置 Yb…3−4速切換用シンクロメッシュ装置 Yc…5速−R切換用シンクロメッシュ装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一軸線上に隣り合うようにして配置さ
    れた入力軸および出力軸と、これら両軸の下方において
    両軸と平行に配置されたカウンタ軸と、各変速段位にそ
    れぞれ対応して上記入力軸および出力軸と上記カウンタ
    軸とに対をなして設けられ互いに噛合する複数の変速歯
    車対と、選択された変速段位に対応した所定の変速歯車
    対で入力軸からカウンタ軸を介して又は直接に出力軸へ
    動力が伝達されるように動力伝達経路を切り換える動力
    伝達切換機構とを備え、上記変速歯車対のうちカウンタ
    軸の回転を出力軸へ減速して伝達し得る減速歯車対の各
    歯車が共にカウンタ軸と出力軸との間で軸と一体回転す
    る歯車式変速機において、 上記動力伝達切換機構が、軸に対して相対回転自在な前
    後の遊転歯車のいずれか一方を選択的に当該軸に対して
    一体回転するように連結させることにより変速段位を切
    り換え得る複数のシンクロメッシュ装置を備えており、
    これらシンクロメッシュ装置のうち、入力軸から直接に
    出力軸へ動力を伝達する直結段位に切り換え得る直結段
    位のシンクロメッシュ装置が入力軸上に配設され、上記
    直結段位よりも高速段位の切換を行い得る高速段位のシ
    ンクロメッシュ装置が入力軸上に配設される一方、上記
    直結段位よりも低速段位の切換を行い得る低速段位のシ
    ンクロメッシュ装置がカウンタ軸上に配設されているこ
    とを特徴とする歯車式変速機構造。
  2. 【請求項2】 上記直結段位が前進第4速段であり、上
    記変速歯車対は、入力側から、前進第5速用歯車対,後
    退用歯車対,前進第1速用歯車対,前進第2速用歯車
    対,前進第3速用歯車対および前進第4速用歯車対の順
    に配列されていることを特徴とする請求項1記載の歯車
    式変速機構造。
  3. 【請求項3】 上記直結段位が前進第4速段であり、上
    記変速歯車対は、入力側から、後退用歯車対,前進第5
    速用歯車対,前進第1速用歯車対,前進第2速用歯車
    対,前進第3速用歯車対および前進第4速用歯車対の順
    に配列されていることを特徴とする請求項1記載の歯車
    式変速機構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104879452A (zh) * 2015-05-26 2015-09-02 吉林大学 一种双联齿轮式六挡变速箱及其换挡过程控制方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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