JPH10102431A - 笠材付き防音壁の施工方法及び笠材付き防音パネル - Google Patents

笠材付き防音壁の施工方法及び笠材付き防音パネル

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JPH10102431A
JPH10102431A JP8260453A JP26045396A JPH10102431A JP H10102431 A JPH10102431 A JP H10102431A JP 8260453 A JP8260453 A JP 8260453A JP 26045396 A JP26045396 A JP 26045396A JP H10102431 A JPH10102431 A JP H10102431A
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康男 柴田
Akira Sugiyama
昌 杉山
Akihiro Kashiwagi
昭宏 柏木
Norikazu Oomori
伯万 大森
Chuichi Nishitsuji
忠一 西辻
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FURUKAWA ARUTETSUKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音源の反対側である背面側に作業用の足場を
設置する必要がなく、施工コストがより低廉な笠材付き
防音壁の施工方法を提供することにある。 【解決手段】 防音壁の要設置領域へ所定間隔に立設さ
れた取付用の支柱2と、隣合う前記支柱2間へ差し渡し
状に当該支柱2の高さ方向に沿って順次重ねた状態で固
定された防音パネル4a,4と、前記防音パネルの中の
最上位の防音パネル4の上部へ取り付けられた笠材5と
からなる防音壁において、最上位の防音パネル4を前記
支柱2間へ差し渡し状に設置する前に、当該最上位の防
音パネル4の上部へ被さる状態に長さ方向へ沿って笠材
5をあらかじめ取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一般的には笠材
付き防音壁の施工方法と、その施工方法を実施するのに
好適な笠材付き防音パネルに関するものであり、さらに
具体的には、高速道路の路肩部分へ施工するのに特に適
する笠材付き防音壁の施工方法、及び笠材付き防音パネ
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば高速道路における従来の防音壁の
施工方法について、図13及び図14を参照しながら説
明する。図13はその正面図(防音すべき音源の発生側
である高速道路の路面側から見た図)であり、図14は
その上部の部分拡大断面図である。なお、この従来工法
の一部は特開平6−235209号公報に記載されてい
る。
【0003】図13において、高速道路1の側部にはほ
ぼ垂直に立ち上がるように鉄筋コンクリートからなる路
肩壁10が施工されている。この路肩壁10の背面側又
は上部には、適当なアンカー部材11等によって支柱2
がほぼ一定の間隔で直立するように立設されている。各
支柱2相互の間には、所定の統一規格の防音パネル3が
差し渡し状に、かつ上下方向へ重ねられた状態で設置さ
れ、これらの各防音パネル3の両端は当該端部における
それぞれの支柱2へ適当な手段によって固定されてい
る。前記各防音パネル3の中の最上位の防音パネル3の
上部には、図14のような断面形状の笠材3aが固定さ
れている。最上位の防音パネル3の上部に笠材3aを取
り付けるのは、防音壁の上端部における音波の回折によ
る減音を促進させ、防音壁をさらに高くした場合と同じ
効果を得るためである。
【0004】図13及び図14の構造の笠材付き防音壁
を施工するには、各支柱2を所要箇所に立設した後、防
音パネル3を最下位から順次上下方向に沿って重ね、こ
れを重ねる都度当該防音パネル3を対応する支柱2へ固
定してゆく。最上位の防音パネル3の端部を対応する支
柱2へ固定した後、当該最上位の防音パネル3の上部へ
当該上部を覆うように笠材3aを固定する。
【0005】笠材3aは、図14のように対称的な断面
鉤状の多孔板からなる外側プレート3b,3bと、外側
プレート3bとそれぞれ相似形でサイズが小さい内側プ
レート3c,3cと、各外側プレート3b,3cの間へ
挿入状に設置されたグラスウールその他の吸音材3d,
3dとから構成されている。したがって、この笠材3a
は、上部おける正面側部と背面側部とが円弧状に膨出し
たほぼ壺形断面に形成されている。外側プレート3b,
3b相互と、内側プレート3c,3c相互は、上部の連
結板3eを介して連結されている。防音パネル3は、ル
ーバ状に孔を形成した多孔板よりなる正面プレート30
と、当該正面プレート30と所定の空間を介して平行す
る背面プレート31と、正面,背面各プレート30,3
1のスペーサを兼ねた上面プレート32と、図示しない
底面プレート及び各側面プレートと、内部に挿入された
図示しないグラスウールその他の吸音材等から構成され
ている。笠材3aを最上位の防音パネル3の上部へ固定
するには、各内面プレート3c,3cの端部垂下部の内
側へ長さ方向に沿って取付板3f,3fをそれぞれネジ
によって固定し、この取付板3f,3fを、防音パネル
3の正面プレート30,背面プレート31へそれぞれボ
ルトナット33,33によって取り付ける。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の施工方法によれ
ば、各支柱2の間へ差し渡し状になるように、最下位の
防音パネル3から最上位の防音パネル3まで順に重ねて
前記支柱2へ固定した後、前述の要領で最上位の防音パ
ネル3の上部へ当該上部を覆うように笠材3aを固定す
る。したがって、最上位の防音パネル3へ笠材3aをボ
ルトナット33等によって取り付けるには、防音壁の背
面側へ作業用の足場を設置する必要があり、この足場の
設置のために施工コストが高くなるという課題があっ
た。このことは、笠材3aの取り替え施工の場合も同様
である。図14の最上位の防音パネル3における笠材3
aは、多孔板からなる外側プレート3b,3bと、外側
プレート3bとそれぞれ相似形でサイズが小さい内側プ
レート3c,3cとから構成されているので、構造が複
雑で製造コストが高価になるという課題があった。ま
た、従来の防音壁では、最上位の防音パネル3における
笠材3aが、防音パネル3の上部へ大きく突出している
(最上位の防音パネル3の上端から500mm前後)の
で、防音壁が高くなり、その分風圧などによって支柱2
に過剰な応力が加わるという課題があった。この発明の
目的は、音源の反対側である背面側に作業用の足場を設
置する必要がなく、施工コストがより低廉な笠材付き防
音壁の施工方法を提供することにある。この発明の他の
目的は、構造がより簡単で低コストで製造することがで
き、笠材が防音壁の上部から過剰に突出しないような構
造の笠材付き防音パネルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による笠材付き
防音壁の施工方法は、前述の課題を解決するため以下の
ように構成したものである。すなわち、請求項1に記載
の施工方法は、防音壁の要設置領域へ所定間隔に立設さ
れた取付用の支柱と、隣合う前記支柱間へ差し渡し状に
当該支柱の高さ方向に沿って順次重ねた状態で固定され
た防音パネルと、前記防音パネルの中の最上位の防音パ
ネルの上部へ取り付けられた笠材とからなる防音壁にお
いて、最上位の防音パネルを前記支柱間へ差し渡し状に
設置する前に、当該最上位の防音パネルの上部へ被さる
状態に長さ方向へ沿って笠材をあらかじめ取り付けるこ
とを特徴としている。
【0008】請求項2に記載の施工方法によれば、請求
項1の施工方法において、前記支柱は、フランジの側面
が、防音すべき音源側である正面側とその逆の背面側に
面する状態で立設された断面H形の支柱であり、前記各
防音パネルは、当該防音パネルの端部が前記支柱のフラ
ンジ相互の間に案内された状態で当該支柱へ固定されて
いる。
【0009】請求項3に記載の施工方法によれば、請求
項2の施工方法において、前記笠材は、前記最上位の防
音パネルの上部において、前記支柱のフランジ相互の間
に案内される部分を除く部分に取り付けられ、前記支柱
の上部に対応する部分は、両端部が当該支柱を挟む両側
の最上位の防音パネルにおける笠材の端部へ連結され、
当該笠材の主部の断面形状とほぼ適合する断面形状の補
助笠材によって覆うことを特徴としている。
【0010】請求項4に記載の施工方法によれば、請求
項2又は3の施工方法において、前記最上位の防音パネ
ルと、当該防音パネルを除く他の防音パネルとは、所要
部分が前記支柱のウエブ部へ連係され、かつ当該支柱の
フランジ相互の間に沿って緊張されたワイヤによって連
係させるとともに、前記各防音パネルは、当該防音パネ
ルと前記支柱の前記背面側のフランジとの間隙へ上方よ
り打ち込まれ、当該防音パネルの上面へ当接されるプレ
ート状の押え片と、前記間隙内へ押し込まれる弾性押込
み片とからなる押え金具によって前記支柱へ固定するこ
とを特徴としている。
【0011】請求項5に記載の施工方法によば、請求項
1の施工方法において、前記支柱は、防音すべき音源側
である正面側に面する平滑部を有し、前記最上位の防音
パネルを含む各防音パネルの端部には、立設状態の前記
支柱の一部を案内し得る切欠状部が上下方向に沿って形
成され、前記各防音パネルは、前記切欠状部内に前記支
柱の一部を案内した状態で当該支柱の前記平滑部へボル
トナットその他のネジ止めにより固定することを特徴と
している。
【0012】この発明による笠材付き防音パネルは、前
述の課題を解決するため以下のように構成したものであ
る。すなわち、請求項6に記載の笠材付き防音パネル
は、孔あきプレートからなる正面板の背面に吸音材を有
し、前記吸音材の背面へ所定のスペースを介して背面板
を有する中空状の防音パネルの設置状態における上部に
は、当該防音パネルの上部へ長さ方向に沿って被さる状
態に笠材が取り付けられ、前記笠材は、上方に面する部
分が断面円弧状に形成された上面板部を有するととも
に、長さ方向に沿う下向きの開口部を狭めて全体がほぼ
逆チャンネル状に形成され、前記開口部の両側辺に沿っ
て下向きのフランジを一体に有する薄肉の逆チャンネル
状パネル材と、前記逆チャンネル状パネル材の内面に設
置された吸音材と、を備え、前記逆チャンネル状パネル
材は、当該逆チャンネル状パネル材の内部へ前記開口部
から前記防音パネルの一部が突入した状態で、前記フラ
ンジを前記正面板と背面板へ固定することによって前記
防音パネルへ取り付けられ、前記正面板の孔は、前記逆
チャンネル状パネル材の開口部から下方へ突出した部分
に形成され、前記逆チャンネル状パネル材内の吸音材
は、前記防音パネルの設置状態において少なくとも正面
側に面する部分に設置され、前記逆チャンネル状パネル
材の前記吸音材が設置されている領域に対応する部分に
は多数の孔が形成されていることを特徴としている。
【0013】請求項7に記載の笠材付き防音パネルによ
れば、請求項6の防音パネルにおいて、前記防音パネル
の内部には、前記逆チャンネル状パネル材の前記フラン
ジと対応する部分に、チャンネル状の補強板が下向き又
は上向きにかつスペーサ状に挿入されている。
【0014】請求項8に記載の笠材付き防音パネルによ
れば、請求項6又は7の防音パネルにおいて、前記逆チ
ャンネル状パネル材は、前記上面板部と、当該逆チャネ
ンネル状パネル材の正面側端部及び背面側端部から円弧
状に曲げられ、前記開口部へ向けてほぼ水平に又は先下
がり状にかつ一体に延びる一対の平板状の下面板部とか
ら構成されている。
【0015】請求項9に記載の笠材付き防音パネルによ
れば、請求項6〜8のいずれかの防音パネルにおいて、
前記逆チャンネル状パネル材は、前記上面板部の一箇所
において長さ方向に沿って分割された正面側パネルと背
面側パネルとから構成され、前記正面側パネルと背面側
パネルは長さ方向に沿って連結されている。
【0016】請求項10に記載の笠材付き防音パネルに
よれば、請求項9に記載の防音パネルにおいて、前記逆
チャンネル状パネル材内には、一端が前記正面側パネル
と背面側パネルとの連結部へ連結され、他端が前記防音
パネルの上端部へ連結された遮光板が設けられている。
【0017】請求項11に記載の笠材付き防音パネルに
よれば、請求項6〜10のいずれかの防音パネルにおい
て、前記防音パネルの両端部は、前記笠材の長さ方向の
両端部から所定量突出している。
【0018】請求項12に記載の笠材付き防音パネルに
よれば、請求項11の防音パネルにおいて、前記逆チャ
ンネル状パネル材は、当該逆チャンネル状パネル材の長
さ方向の両端部内面へ当該端部から一部突出する状態に
固定され、かつ、当該逆チャンネル状パネル材とほぼ同
じ断面形状を有する連結板を含んでいる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜図12を参照しながら、こ
の発明による笠材付き防音壁の施工方法と、笠材付き防
音パネルの実施形態を詳細に説明する。図1〜図4に
は、この発明による施工方法を実施するための使用され
る笠材付き防音パネルの一例が示されており、図5〜図
8には、この発明による防音壁の施工方法を実施した防
音壁の例が示されている。図1は笠材付き防音パネルの
断面図、図2はその部分省略正面図(設置状態における
音源側から見た図)、図3はその部分省略平面図、図4
は防音パネル部分の端部の部分破断拡大平面図である。
【0020】第1実施形態 図1の笠材付き防音パネルは、中空状の防音パネル4
と、この防音パネル4の上部へこれに被さるように取り
付けられた防音用の笠材5とによって構成されている。
防音パネル4は、孔あきプレートからなる正面板40
と、この正面板40の背面に沿って設けられた吸音材4
5と、この吸音材45の背面へ所定のスペース4bを介
して設置された背面板41と、上・下面板42,43及
び両側面板44によって構成されている。
【0021】前面板はアルミニウム又はその合金からな
る厚み1.0mm程度の薄板で、その主要部(後述の笠材
5へ突入している部分より以下の部分)にはルーバ状に
加工された孔40aが多数形成されている。グラスウー
ル又はロックウールからなる吸音材45は、前記正面板
40の孔40aが形成されている領域に対応するように
設置されている。この吸音材45は、肉厚20μm前後
のPVFその他の柔軟な合成樹脂フィルムからなる薄肉
多孔性の図示しない保護フィルムによってカバーされ、
このようにカバーした状態で正面板40の背面へ張られ
ている。
【0022】背面板41は厚み1.6mm程度の鉄板又は
鋼板であり、図1の上下方向である高さ方向のほぼ中央
には、前記吸音材45を押さえるように水平方向へ沿う
溝41aが形成されている。上面板42は、正面板40
が背面方向へ一体に曲げ加工された板と、背面板41が
正面方向へ一体に曲げ加工された板とが二重になってい
る。下面板43は、背面板41が正面方向へ一体に曲げ
加工された板によって形成されている。
【0023】両側面板44は、背面板41とほぼ同様な
厚み,材質の板によって図4のようにチャンネル状に成
形されており、チャンネルの底部の所定部分が正面板4
0と背面板41との間のスペーサとなるように両面板4
0,41へリベット止めその他の手段によって固定され
ている。防音パネル4の両側部端部には、上下方向に沿
って溝状の切欠部46が形成され、この切欠部46内に
収まるように、前記側面板44へアイボルト47が固定
されている。パネル4の両側端部において、正面板40
はチャンネル状の側面板44の側面をカバーするように
延長されており、この延長部分の表面には、例えば5倍
発泡のクロロプレンゴム等のシール材40bが貼り付け
られている。防音パネル4内には、後述の笠材5のフラ
ンジ5e,5fと対応する部分に、背面板41と同様な
材質のチャンネル状の補強板48がスペーサを兼ねて挿
入固定されている。
【0024】笠材5は、断面が半月状に似た逆チャンネ
ル状パネル材50と、当該パネル材50の内面に面して
張られた吸音材53とから構成されている。逆チャンネ
ル状パネル材50は、断面円弧状に形成された上方に面
する上面板部5aと、この上面板部5aの正面側aの端
部及び背面側bの端部から円弧状に曲げられ、下方の長
さ方向に沿う開口部5dに向けて先下がり状にかつ一体
に延びる一対の平板状の下面板部5b,5cとを有して
おり、前記開口部5dの両側縁には各下面板部5b,5
cと一体にフランジ5e,5fを有している。逆チャン
ネル状パネル材50には、背面側bの下面板部を除く部
分に開口率25%以上になるように多数の孔55(図2
及び図3)が形成され、前記吸音材53は、前記パネル
材50の内面において、前記多数の孔55が形成されて
いる部分にのみ対応するようになっている。吸音材53
は、防音パネル4における吸音材45と同様な材質であ
り、同様な図示しない保護カバーで覆った状態で図示の
ように設置されている。
【0025】この実施形態の笠材5において、逆チャン
ネル状パネル材50は、前記上面板部5aの中央よりや
や背面側寄りの一箇所において長さ方向に沿って、アル
ミニウム又はその合金により一体に押出成形された正面
側パネル51と背面側パネル52とに分割されている。
54はアルミニウム合金又は鋼からなる遮音板であり、
その下端鍔部は防音パネル4の上面板42へリベット止
めなどによって固定されている。前記正面側パネル51
と背面側パネル52は、防音パネル4の上部を逆チャン
ネル状パネル材50の内部へ突入(突入量は、逆チャン
ネル状パネル材50の上面板部5aから開口部5dまで
の深さの1/3〜4/5程度)させた状態で、各フラン
ジ5e,5fの部分を、防音パネル4の正面板40と背
面板41の外面へ前記補強板48と対応するように当接
させ、リベット止めなどにより防音パネル4の両面へ固
定される。フランジ5e,5fを前述のように防音パネ
ル4へ固定したならば、前記上面板部5aの部分で正面
側パネル51と背面側パネル52の一部と前記遮音板5
4の上部鍔部とを長さ方向に沿って重ね、この重ね部分
をリベット止めなどにより相互に連結する。
【0026】図2及び図3で示すように、笠材5の前記
逆チャンネル状パネル材50は、その長さ方向の両端部
に連結板50a,50aを有している。各連結板50a
は、その断面形状が逆チャンネル状パネル材50の断面
形状とほぼ同じであり、それらの一部が前記パネル材5
0のそれぞれ対応する端部の内側へ重ねられ、この重な
り部分でリベット止めなどにより前記パネル材50と連
結されている。図2及び図3で示すように、防音パネル
4の長さ方向の両端部は、前記連結板50aを含む逆チ
ャンネル状パネル材50の端部から一部突出しており、
その突出量は、図4のように防音パネル4の端部を断面
H形の支柱2のフランジ20,20が形成する溝内に案
内したとき、笠材5の逆チャンネル状パネル材50が前
記支柱2へ被さらない程度に設定される。
【0027】次に、前記実施形態の笠材付き防音パネル
を使用して、高速道路の側部における防音壁の施工方法
について説明する。図5は、この実施形態の施工方法に
よって施工された笠材付き防音壁の部分正面図、図6は
その拡大側断面図、図7は図6の矢印A−Aに沿う部分
拡大断面図、図8は図7の矢印B−Bに沿う一部拡大断
面図である。
【0028】図5及び図6で示すように、先ず高速道路
1の路肩壁10の上部には、適当なアンカー部材11な
どによってH形鋼による支柱2がほぼ一定の間隔で直立
するように立設する。この立設状態において、支柱2の
各フランジ20,20(図4,図7及び図8)の側面
は、音源側である正面側及び背面側に面している。各支
柱2相互の間には、所定の統一規格の防音パネル4a,
4a,4aが差し渡し状に、かつ上下方向へ重ねられた
状態で順に設置され、これらの各防音パネル4aの両端
部はそれぞれ支柱2へ順に固定する。この実施形態で
は、施工すべき防音壁の高さは2mであり、したがっ
て、各防音パネル4a,4の高さは500mmである。そ
の後、前記実施形態の防音パネル4を最上位へ同様に設
置し、その端部を隣合う支柱2,2へ固定する。
【0029】下位の各防音パネル4aは、最上位の防音
パネル4から笠材5と補強板48とを除去し、正面板4
0の上部まで孔40aを形成するとともに、正面板40
の背面の上部に達するまで吸音材45を設置したものと
同じ構造である。各防音パネル4a,4は、図4のよう
にそれらの両端部を支柱2の対のフランジ20,20の
間へ案内する要領で設置されるが、この際には、防音パ
ネル4a,4の側部のアイボルト47の部分へ図示しな
いロープないしワイヤを通し、これを例えば移動式クレ
ーンなどで吊り上げて適正位置へ移動させ、各防音パネ
ル4a,4の端部を支柱2のフランジ20,20の間に
案内する。
【0030】各支柱2の下端近くのウエブ部21には孔
22が形成されており、図7で示すように前記孔22に
ワイヤ21を通す。各防音パネル4a,4を順に積み重
ねる毎に、当該パネル4a,4の側部におけるアイボル
ト47へ前記ワイヤ23を通し、当該パネル4a,4の
側端部において、図7及び図8で示すように、防音パネ
ル4a,4の背面と支柱2の背面側のフランジ20との
間隙cに押え金具6を押し込み(打ち込み)、防音パネ
ル4a,4の両端部を支柱2,2へ固定する。押え金具
6は、図8で示すように、プレート状の押え片60と、
この押え片60と一体な弾性押込み片61とから構成さ
れ、前記押え片60が防音パネル4a,4の端部上面へ
当接するまで、上方より前記間隙c内へ弾性押し込み片
61を押し込むか打ち込むことにより、防音パネル4
a.4を支柱2へ固定する。
【0031】図7及び図8のように、各支柱2の上端に
はアングル金具24,24を介して蓋状の係止板25が
固定され、この係止板25には防音パネル4の長さ方向
へ沿うような長孔状の挿通孔27が形成されている。そ
して、前述のように各支柱2,2相互の間へ最下位の防
音パネル4aから最上位の防音パネル4まで順に固定し
たならば、図7及び図8のように、前記各ワイヤ23の
上端を、それぞれの支柱2の上端の係止板25の挿通孔
27へ下方から上方へ挿通し、当該ワイヤ23,23を
締め付けネジ26で緊張させる。このように施工するこ
とによって、上下方向に積み重ねられ、それぞれの支柱
2へ固定されている最上位の防音パネル4とその下位の
各防音パネル4aとをずれないように連係させる。
【0032】次いで、隣合う笠材5相互の間の空いてい
る部分(前記支柱2の上部に対応する部分)には、相互
の連結板50a,50aの上に重なるように、笠材5に
おける逆チャンネル状パネル材50の主部の断面形状と
ほぼ適合する断面形状の補助笠材56を被せて覆うとと
もに、この補助笠材56を両側の連結板50a,50a
へリベット,接着その他の手段により連結する。以上の
ように施工することにより、上端を包むように連続した
笠材5を有する防音壁が構築される。この実施形態にお
ける補助笠材56は、図8のように、逆チャンネル状パ
ネル材50における正・背面側パネル51,52と同様
な断面形状の正面側パネル51aと背面側パネル52b
とから構成され、両パネル51a,52aは、分割部の
重ね部分がリベットによってあらかじめ連結されてい
る。
【0033】笠材5を取り替える施工を行う場合には、
各補助笠材56を取り外し、締め付けネジ26を取り外
してワイヤ23を最上位の防音パネル4のアイボルト4
7から抜き、押え金具6を取り外す。そして、最上位の
防音パネル4のアイボルト47へ図示しないロープなど
を通して当該防音パネル4を笠材5とともに撤去し、下
位の防音パネル4aの上に新たな笠材付き防音パネル4
を重ね、前記実施形態におけると同様に施工すればよ
い。
【0034】以上のように施工された防音壁によれば、
図1おび図6の正面側aに発生した騒音の音波は、各防
音パネル4,4aの正面板40を通過して吸音材45に
より減音され、吸音材45の背面のスペース4bを通過
して背面板41で反射され、再度吸音材45を通過する
ことによってさらに減音される。音源から笠材5の正面
側に達した音波は、円弧状の上面板部5aと下面板部5
bの表面に沿って背面側へ移動する間に吸音材53によ
って減音され、防音パネル4の笠材5内に突入している
部分及び遮音板54によって反射され、再度吸音材53
を通過することによってさらに減音される。
【0035】以上の実施形態の笠材付き防音壁の施工方
法によれば、最上位の防音パネル4には、その上部へ被
さるようにあらかじめ笠材5が取り付け、これを下位の
防音パネル4aの上に重ねて支柱2へ固定するので、最
上位の防音パネル4又は支柱2への笠材5の取付のため
に背面側bへ足場を設置する必要がなく、非常に低コス
トで笠材付き防音壁を施工できるようになった。この施
工方法によれば、笠材5は、最上位の防音パネル4の上
部において、前記支柱2のフランジ20相互の間に案内
される部分を除く部分に取り付けられており、支柱2の
上部に対応する部分は、両端部が当該支柱2を挟む両側
の最上位の防音パネル4における笠材5の端部へ連結さ
れ、当該笠材5の主部の断面形状とほぼ適合する断面形
状の補助笠材56によって覆うので、押え金具6によっ
て最上位の防音パネル4を支柱2へ固定するのが非常に
円滑になる。
【0036】前記実施形態の笠材付き防音パネルによれ
ば、施工時に最上位の防音パネルを除く直下の下位の防
音パネル4aの上に笠材付き防音パネル4を重ね、これ
を支柱2へ固定することにより、前記防音壁の施工方法
を円滑に実施することができる。この実施形態の笠材付
き防音パネルは、所定規格の防音パネル4の上部へ、当
該防音パネル4の上部が一部突入するように笠材5を取
り付けたので、施工後の防音壁の高さがあまり高くなら
ず、その分支柱2の負担が軽くなるとともに、視界の遮
蔽をより小さくすることができる。前記笠材付き防音パ
ネルは、笠材5の上方に面する部分が断面円弧状の上面
板部5aを形成しているので、音源側からの音波が前記
上面板部5aに沿って背面側へ円滑に回折し、その過程
で円滑に笠材5の内部で減音される。前記笠材付き防音
パネルは、笠材5の内部に遮音板54が設けられてお
り、前記回折中の音波が内部を通って吸音材53で減音
され、空間を通過して前記遮音板54に反射されて再度
吸音材53で減音されるので、より大きな消音効果が得
られる。前記笠材付き防音パネルは、笠材5の逆チャン
ネル状パネル材50を固定する部分の内部に、チャンネ
ル状の補強板48がスペーサ状に挿入されているので、
逆チャンネル状パネル材50のフランジ5e,5fを、
防音パネル4へリベット又はネジで取り付けた場合、防
音パネル4の当該部分の脆弱化や変形などをよく防止す
ることができる。前記笠材付き防音パネルは、逆チャン
ネル状パネル材50が、正面側パネル51と背面側パネ
ル52とに分割されているから、例えば押出成形の時に
非常に成形し易いとともに、両パネル51,52の接合
部(連結部)へ遮音板54の一端部を同時に連結するこ
とにより、笠材5の内部に遮音板54を取り付けるのが
非常に容易になる。前記笠材付き防音パネルは、防音パ
ネル4の両端部が、笠材5の長さ方向の両端部から所定
量突出しているので、断面H形の支柱2のフランジ20
相互間に防音パネル4の端部を案内し、この端部を押え
金具6などによって支柱2へ固定するのがより円滑であ
る。前記笠材付き防音パネルにおいて、逆チャンネル状
パネル材50の端部には、当該逆チャンネル状パネル材
50とほぼ同じ断面形状を有する連結板が、前記パネル
材50の内側へ一部重なる状態で連結されているので、
隣合う笠材5相互を補助笠材56を介して連結する施工
が円滑に行われる。
【0037】前記実施形態において、正面側パネル51
と背面側パネル52は、同じ断面形状で同じサイズに成
形することができる。このように成形すると、一種類だ
け製造することによって、当該パネルを両パネル51,
52として使用することができる。
【0038】第2実施形態 図9は、笠材付き防音パネルの他の実施形態を示す概略
断面図、図10はず9の防音パネルを最上位に使用した
施工方法による笠材付き防音壁の部分正面図、図11は
その側断面図、図12は図10の矢印C−Cに沿う部分
拡大断面図である。
【0039】この実施形態の笠材付き防音パネルにおい
て、防音パネル4は第1実施形態とほぼ同様に構成され
ているが、見掛けの厚みが第1実施形態の防音パネルよ
り厚く、その分スペース4bが広い点、正面板40の多
数の孔40aがルーバ状でなく丸孔である点、上面板4
2が背面板41と一体である点、防音パネル4の両側部
には、図12のように上下方向に沿って支柱2の一部が
案内される切欠状部49が形成されている点において異
なっている。笠材5は、逆チャンネル状パネル材50の
正面側パネル51と背面側52とが、ほぼ同形同サイズ
である点、及び図10のように、逆チャンネル状パネル
材50の長さは、防音パネル4の長さと一致している
点、逆チャンネル状パネル材50の両端部に連結板が設
けられていない点において、第1実施形態の防音パネル
とは異なっている。その他の構成は、第1実施形態にお
ける笠材付き防音パネルとほぼ同様であるので、その説
明は省略する。
【0040】第2実施形態の施工方法について以下説明
する。高速道路1の路肩壁10の背面側には、適当なア
ンカー部材11などにより一定の間隔で支柱2が立設さ
れている。各支柱2は防音すべき音源側である正面側に
面する平滑部20aを有しており、この実施形態では、
断面H形の支柱2の正面側フランジ20,20が前記平
滑部20aを形成している。なお、支柱2は正面側に面
して平滑部20aが形成されていれば、断面H形である
必要はなく、断面四角パイプ状であっても、あるいはチ
ャンネル状その他の断面形状でも差し支えない。
【0041】隣合う支柱2の間には、下位の防音パネル
4aを上下方向に沿って差し渡し状に順に重ね、それら
の端部を支柱2へ固定する。最上位の防音パネル4を除
く他の下位の防音パネル4aの構成は、最上位の防音パ
ネル4とほぼ同様であるが、笠材5が取り付けられてい
ない点、吸音材53が正面板40の上端部に達するまで
設置されており、正面板40の上端部まで孔40aが形
成されている点、及び、補強板48を有していない点に
おいて防音パネル4とは構成を異にしている。各防音パ
ネル4aを支柱2へ固定した後、笠材5を有する防音パ
ネル4を最上位に重ね、その端部をそれぞれ対応する支
柱2へ固定する。
【0042】各防音パネル4a,4を支柱2に沿って重
ねるとき、図12のように、防音パネル4,4aの側部
の切欠状部49内へ支柱2が断面において半部近く挿入
ないし案内される状態に各パネル4a,4を設置する。
各防音パネル4a,4の端部をそれぞれの支柱2へ固定
するには、前記切欠状部49の正面側のフランジ状部4
4aを支柱2の平滑部20aへ当接させ、当該フランジ
状部44aを支柱2の平滑部20aへボルト7及びナッ
ト70により取り付ける。なお、支柱2への各防音パネ
ル4a,4の固定手段は前述のとおりであるので、下位
の各防音パネル4a,4a,4aを重ね、その上に最上
位の防音パネル4を重ねた後、それらの各パネル4a,
4を支柱へ固定してもよい。
【0043】前述のような施工状態において、隣合う防
音パネル4,4の笠材5,5間には、図10で示す間隙
wが生じるが、この間隙wは非常に狭いのでそのままで
も差し支えない。しかしながら、必要があればこの間隙
wはパテその他の図示しないシール材で塞ぐことができ
る。
【0044】この実施形態の施工方法によれば、各ボル
ト7とナット70によって各防音パネル4a,4が支柱
2へ固定されるので、これらのパネル4a,4の支柱へ
の固定が非常に簡単であり、したがって、笠材付き防音
壁の施工もより簡単である。その他の構成や作用,効果
は、第1実施例による施工方法の場合とほぼ同様である
から、それらの説明は省略する。
【0045】前述の各実施形態において、笠材5の逆チ
ャンネル状パネル材50は、前述のような断面形状のも
のに代えて、例えば下面板部5b,5cを水平に形成す
ることができるほか、これを全体として円筒状に形成し
ても実施することができる。
【0046】
【発明の効果】請求項1に記載の笠材付き防音壁の施工
方法によれば、最上位の防音パネルを支柱へ固定する前
に、最上位の防音パネルへ笠材を取り付け、その後当該
防音パネルを下位の防音パネルの上に重ねて支柱へ固定
するので、最上位の防音パネル又は支柱への笠材の取付
のために背面側へ足場を設置する必要がなく、非常に低
コストで笠材付き防音壁を施工できるようになった。
【0047】請求項2に記載の施工方法によれば、各防
音パネルは、その両端部が断面H形の支柱におけるフラ
ンジの間に収容された状態で当該支柱へ固定されるの
で、上下に重なる各防音パネルの両側端部を上下方向へ
一致するように厳密に揃えなくても、外観上体裁よく施
工することができる。
【0048】請求項3に記載の施工方法によれば、最上
位の防音パネルの上部に取り付けられている笠材は、前
記支柱のフランジ相互の間に案内される部分を除く部分
に取り付けられており、支柱の上部に対応する部分は、
前記笠材の主部の断面形状とほぼ適合する断面形状の補
助笠材によって覆われ、当該補助笠材は隣合う笠材へ連
結されているので、笠材が防音壁の上部へ隙間なく連続
した状態に施工することができる。したがって、笠材内
に雨水などの侵入を防ぐことにより部材の腐食を抑制す
ることができる。
【0049】請求項4に記載の施工方法によれば、各防
音パネルの支柱への固定にネジなどを使用しないので、
笠材付き防音壁を非常に簡単に施工することができる。
また、上下に重なる防音パネル相互はワイヤによって連
係されているので、例えば高速道路の側部の防音壁であ
って、事故などにより車両が防音壁に衝突した場合で
も、一つの防音パネルのみが外れるということがなく、
それだけ各防音パネルの固定状態がより強固になる。
【0050】請求項5に記載の施工方法によれば、各防
音パネルの両端部は、支柱の正面側に面する平滑部へボ
ルトナットその他のネジ止めにより固定され、これらの
固定と平行して笠材付き防音壁の施工が完了するので、
施工がより簡単である。
【0051】請求項6以下に記載の防音パネルによれ
ば、これを防音壁の最上位に使用することによって、請
求項1の施工方法を円滑に実施することができる。請求
項6に記載の防音パネルによれば、当該防音パネルが笠
材内へ一部突入する状態に、すなわち、防音パネルの上
部が笠材によって包まれる状態に笠材が取り付けられて
いるので、これを防音壁の最上位へ固定した場合、防音
壁が過剰に高くならないように施工することができ、そ
の分支柱の負担が軽減されるとともに、視界の遮蔽をよ
り小さくすることができる。
【0052】請求項7に記載の防音パネルによれば、笠
材の逆チャンネル状パネル材におけるフランジを固定す
る部分の内部に、チャンネル状の補強板がスペーサ状に
挿入されているので、逆チャンネル状パネル材の各フラ
ンジを、防音パネルへリベット又はネジで取り付けた場
合、防音パネルの当該部分の脆弱化や変形などをよく防
止することができる。
【0053】請求項8に記載の防音パネルによれば、笠
材の逆チャンネル状パネル材が、断面円弧状の上面板部
と、この上面板部の正面側側部及び背面側側部から円弧
状に曲げられ、下方の開口部へ向けてほぼ水平に又は先
下がり状にかつ一体に延びる一対の平板状の下面板部と
を有しているので、音源側からの音波が前記パネル材の
表面に沿って円滑に回折し、その過程で円滑に笠材の内
部で減音される。
【0054】請求項9に記載の防音パネルによれば、笠
材における逆チャンネル状パネル材が、正面側パネルと
背面側パネルとに分割されているから、例えば押出成形
のときに非常に成形し易い。また、笠材内に遮音板を取
り付けるとき、その取り付けは前記パネル材が一体であ
るよりも非常に容易になる。
【0055】請求項10に記載の防音パネルによれば、
請求項9の防音パネルにおいて、笠材における正面側パ
ネルと背面側パネルを連結ないし接合するとき、当該接
合部へ遮音板の一端部を同時に連結し、遮音板の他端部
を防音パネルの上端部へ固定したので、前記遮音板によ
る音波の反射によって減音効果をさらに高めることがで
きる。また、この構造の防音パネルと、例えば実開平1
−138909号公報に記載されている防音パネルとを
比較すると、前記構造によって遮音板の取り付けが非常
に簡単でかつ確実になる。さらに、正面側パネルと背面
側パネルの接合ないし連結と、遮音板の取り付けとが同
時に行われるので、工程上遮音板を有する笠材付き防音
パネルをより低コストで製造することができる。
【0056】請求項11に記載の防音パネルによれば、
防音パネルの両端部が、笠材の長さ方向の両端部から所
定量突出しているので、例えば請求項4の施工方法のよ
うに、断面H形の支柱のフランジ相互間に防音パネルの
端部を案内し、この端部を押え金具などによって支柱へ
固定するのがより円滑である。
【0057】請求項12に記載の防音パネルによれば、
逆チャンネル状パネル材の端部には、当該逆チャンネル
状パネル材とほぼ同じ断面形状を有する連結板が、前記
パネル材の内側へ一部重なりかつ当該パネル材の端部か
ら一部突出する状態で連結されているので、請求項3に
記載の施工方法のように、隣合う笠材相互を補助笠材を
介して連結する施工を非常に円滑に実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の笠材付き防音パネルの側断面図
である。
【図2】図1の防音パネルの一部省略正面図である。
【図3】図1の防音パネルの一部省略平面図である。
【図4】図1の防音パネルにおけるパネル部分の端部の
部分破断平面図である。
【図5】第1実施形態の防音パネルを使用して、この発
明の施工方法により施工した笠材付き防音壁の部分正面
図である。
【図6】図5の笠材付き防音壁の側断面図である。
【図7】図6の矢印A−Aに沿う部分拡大断面図であ
る。
【図8】図7の矢印B−Bに沿う部分断面図である。
【図9】第2実施形態の笠材付き防音パネルの側断面図
である。
【図10】図9の防音パネルを使用して、この発明によ
る他の施工方法により施工した笠材付き防音壁の部分正
面図である。
【図11】図10の笠材付き防音壁の側断面図である
【図12】図10矢印C−Cに沿う部分拡大断面図であ
る。
【図13】従来の施工方法によって施工された笠材付き
防音壁の部分正面図である。
【図14】図13の矢印D−Dに沿う部分拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
a 正面側 b 背面側 c 間隙 1 高速道路 10 路肩壁 11 アンカー部材 2 支柱 20 フランジ 21 ウエブ部 22 孔 23 ワイヤ 24 アングル板 25 係止板 26 締め付けネジ 27 挿通孔 3 防音パネル 3a 笠材 3b 外側プレート 3c 内側プレート 3d 吸音材 3e 連結板 3f 取付板 30 正面プレート 31 背面プレート 32 上面プレート 33 ボルトナット 4,4a 防音パネル 4b スペース 40 正面板 40a 孔 40b シール材 41 背面板 41a 溝 42 上面板 43 下面板 44 側面板 44a フランジ状部 45 吸音材 46 切欠部 47 アイボルト 48 補強板 49 切欠状部 5 笠材 5a 上面板部 5b,5c 下面板部 5d 開口部 5e,5f フランジ 50 逆チャンネル状パネル材 50a 連結板 51 正面側パネル 52 背面側パネル 53 吸音材 54 遮音板 55 孔 56 補助笠材 6 押え金具 60 押え片 61 弾性押し込み片 7 ボルト 70 ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏木 昭宏 東京都千代田区神田須田町2丁目3番地 古河アルテック株式会社内 (72)発明者 大森 伯万 東京都千代田区神田須田町2丁目3番地 古河アルテック株式会社内 (72)発明者 西辻 忠一 東大阪市金物町2−14 株式会社イシクラ 内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防音壁の要設置領域へ所定間隔に立設さ
    れた取付用の支柱と、隣合う前記支柱間へ差し渡し状に
    当該支柱の高さ方向に沿って順次重ねた状態で固定され
    た防音パネルと、前記防音パネルの中の最上位の防音パ
    ネルの上部へ取り付けられた笠材とからなる防音壁にお
    いて、 最上位の防音パネルを前記支柱間へ差し渡し状に設置す
    る前に、当該最上位の防音パネルの上部へ被さる状態に
    長さ方向へ沿って笠材をあらかじめ取り付けることを特
    徴とする、 笠材付き防音壁の施工方法。
  2. 【請求項2】 前記支柱は、フランジの側面が、防音す
    べき音源側である正面側とその逆の背面側に面する状態
    で立設された断面H形の支柱であり、 前記各防音パネルは、当該防音パネルの端部が前記支柱
    のフランジ相互の間に案内された状態で当該支柱へ固定
    されている、 請求項1に記載の笠材付き防音壁の施工方法。
  3. 【請求項3】 前記笠材は、前記最上位の防音パネルの
    上部において、前記支柱のフランジ相互の間に案内され
    る部分を除く部分に取り付けられ、 前記支柱の上部に対応する部分は、両端部が当該支柱を
    挟む両側の最上位の防音パネルにおける笠材の端部へ連
    結され、当該笠材の主部の断面形状とほぼ適合する断面
    形状の補助笠材によって覆うことを特徴とする、 請求項2に記載の笠材付き防音壁の施工方法。
  4. 【請求項4】 前記最上位の防音パネルと、最上位の防
    音パネルよりも下位の各防音パネルとは、所要部分が前
    記支柱のウエブ部へ連係され、かつ当該支柱のフランジ
    相互の間に沿って緊張されたワイヤによって連係させる
    とともに、 前記各防音パネルは、当該防音パネルと前記支柱の前記
    背面側のフランジとの間隙へ上方より打ち込まれ、当該
    防音パネルの上面へ当接されるプレート状の押え片と、
    前記間隙内へ押し込まれる弾性押込み片とからなる押え
    金具によって前記支柱へ固定することを特徴とする、 請求項2又は3に記載の笠材付き防音壁の施工方法。
  5. 【請求項5】 前記支柱は、防音すべき音源側である正
    面側に面する平滑部を有し、 前記最上位の防音パネルを含む各防音パネルの端部に
    は、立設状態の前記支柱の一部を案内し得る切欠状部が
    上下方向に沿って形成され、 前記各防音パネルは、前記切欠状部内に前記支柱の一部
    を案内した状態で当該支柱の前記平滑部へボルトナット
    その他のネジ止めにより固定することを特徴とする、 請求項1に記載の笠材付き防音壁の施工方法。
  6. 【請求項6】 孔あきプレートからなる正面板の背面に
    吸音材を有し、前記吸音材の背面へ所定のスペースを介
    して背面板を有する中空状の防音パネルの設置状態にお
    ける上部には、当該防音パネルの上部へ長さ方向に沿っ
    て被さる状態に笠材が取り付けられ、 前記笠材は、上方に面する部分が断面円弧状に形成され
    た上面板部を有するとともに、長さ方向に沿う下向きの
    開口部を狭めて全体がほぼ逆チャンネル状に形成され、
    前記開口部の両側辺に沿って下向きのフランジを一体に
    有する薄肉の逆チャンネル状パネル材と、前記逆チャン
    ネル状パネル材の内面に設置された吸音材と、を備え、 前記逆チャンネル状パネル材は、当該逆チャンネル状パ
    ネル材の内部へ前記開口部から前記防音パネルの一部が
    突入した状態で、前記フランジを前記正面板と背面板へ
    固定することによって前記防音パネルへ取り付けられ、 前記正面板の孔は、前記逆チャンネル状パネル材の開口
    部から下方へ突出した部分に形成され、 前記逆チャンネル状パネル材内の吸音材は、前記防音パ
    ネルの設置状態において少なくとも正面側に面する部分
    に設置され、 前記逆チャンネル状パネル材の前記吸音材が設置されて
    いる領域に対応する部分には多数の孔が形成されている
    ことを特徴とする、 笠材付き防音パネル。
  7. 【請求項7】 前記防音パネルの内部には、前記逆チャ
    ンネル状パネル材の前記フランジと対応する部分に、チ
    ャンネル状の補強板が下向き又は上向きにかつスペーサ
    状に挿入されている、請求項6に記載の笠材付き防音パ
    ネル。
  8. 【請求項8】 前記逆チャンネル状パネル材は、前記上
    面板部と、当該逆チャネンネル状パネル材の正面側端部
    及び背面側端部から円弧状に曲げられ、前記開口部へ向
    けてほぼ水平に又は先下がり状にかつ一体に延びる一対
    の平板状の下面板部とから構成されている、請求項6又
    は7に記載の笠材付き防音パネル。
  9. 【請求項9】 前記逆チャンネル状パネル材は、前記上
    面板部の一箇所において長さ方向に沿って分割された正
    面側パネルと背面側パネルとから構成され、前記正面側
    パネルと背面側パネルは長さ方向に沿って連結ないし接
    合されている、請求項6〜8のいずれかに記載の笠材付
    き防音パネル。
  10. 【請求項10】 前記逆チャンネル状パネル材内には、
    一端が前記正面側パネルと背面側パネルとの連結部へ連
    結され、他端が前記防音パネルの上端部へ連結された遮
    光板が設けられている、請求項9に記載の笠材付き防音
    パネル。
  11. 【請求項11】 前記防音パネルの両端部は、前記笠材
    の長さ方向の両端部から所定量突出している、請求項6
    〜10のいずれかに記載の笠材付き防音パネル。
  12. 【請求項12】 前記逆チャンネル状パネル材は、当該
    逆チャンネル状パネル材の長さ方向の両端部内面へ当該
    端部から一部突出する状態に固定され、かつ、当該逆チ
    ャンネル状パネル材とほぼ同じ断面形状を有する連結板
    を含んでいる、請求項11に記載の笠材付き防音パネ
    ル。
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