JPH1010232A - 係留系落下モニタリング方法 - Google Patents

係留系落下モニタリング方法

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JPH1010232A
JPH1010232A JP8163470A JP16347096A JPH1010232A JP H1010232 A JPH1010232 A JP H1010232A JP 8163470 A JP8163470 A JP 8163470A JP 16347096 A JP16347096 A JP 16347096A JP H1010232 A JPH1010232 A JP H1010232A
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ship
acoustic
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Application number
JP8163470A
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Tomio Araya
富雄 新家
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動している船舶から係留系の落下状態を正
確にモニタリングする。 【解決手段】 ステップS1において、係留系αにトラ
ンスポンダを取り付ける。ステップS2において、係留
系の落下状態をモニタリングするために原点データをメ
モリに書き込む。ステップS3において、n秒経過した
時刻で船舶の位置データを測定する。ステップS4にお
いて、各トランスポンダの音響測位データを、音響航法
装置を用いてそれぞれ測位する。ステップS5におい
て、船舶位置データと原点データとを読み出す。それら
を用いて座標変換後の船舶位置データを生成する。ステ
ップS6において、音響測位データと座標変換後の船舶
位置データとを読み出し、音響測位データの座標変換を
行う。ステップS7において、音響測位変換データを用
い、トランスポンダの位置を表示することによって係留
系の状態を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋音響トモグラ
フィ・システムに用いられ、音響航法装置を用いて係留
系の落下状態をモニタリングする係留系落下モニタリン
グ方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば、次のような文献に記載されるものがあった。 文献;奥島基良他共編、「海洋音響−基礎と応用」(1
984)、海洋音響研究会、P.209-214 海洋観測において、例えば潜水船の位置のように精密な
位置測定を行う場合ではLBL(Long Base Line)測位方
式が用いられるが、実際の多種多様な海洋観測では、SS
BL(Super Short Base-Line) 測位方式を用いて船舶ある
いは水中のトランスポンダの位置を測定している。図2
は、前記文献に記載されたSSBL測位方式の概念を説明す
る図である。この図では、受波器#1,#2,#3が1
平面上に配置された船上受波器アレイ#Aとトランスポ
ンダTPとが示される共に、2つの座標系u−v−wとx
−y−zが示されている。座標系u−v−wでは、原点
は受波器アレイ#Aの中心Oと一致し、u軸が受波器#
1,#2間を結ぶ直線と平行であり、v軸は受波器#
2,#3間を結ぶ直線と平行になっている。又、座標系
x−y−zでは、原点は受波器アレイ#Aの中心Oと一
致し、x−y面が海面と平行になっている。
【0003】次に、この図を参照してSSBL測位方式によ
るトランスポンダTPの位置を求める方法を説明する。各
受波器#1,#2,#3でトランスポンダTPから送出さ
れた音波をそれぞれ受信する。u軸方向における受波器
#1,#2間の受信信号の位相差をΔφ12、及びv軸方
向のそれをΔφ32とすると、受信信号の到来方向余弦は
次式(1)で近似できる。 cosθu=Δφ12/kLx cosθv=Δφ32/kLy cosθw=(1−cos2 θu−cos2 θv)1/2 ・・・(1) 但し、 θu;トランスポンダTPと原点Oとを結ぶ直線とu軸と
のなす角 θv;トランスポンダTPと原点Oとを結ぶ直線とv軸と
のなす角 θw;トランスポンダTPと原点Oとを結ぶ直線とw軸と
のなす角 Lx ;u軸方向ベースライン長 Ly ;v軸方向ベースライン長 k;2π/λ(λ;伝搬波長)である。
【0004】式(1)によって到来余弦方向が1度決定
されれば、座標系u−v−wにおけるトランスポンダTP
の位置(ua ,va ,wa )は次式(2)のように求め
ることができる。 ua =R0 cosθu va =R0 cosθv wa =R0 cosθw ・・・(2) 但し、 RO ;座標原点とトランスポンダTPとのスラントレンジ
(直距離) 座標系x−y−zにおけるトランスポンダTPの位置(x
a ,ya ,za )は、次式(3)を用いて座標系の変換
を行うことにより求められる。
【数1】 但し、 θp ;船のピッチ角(前後方向の揺れ角) θr ;船のロール角(左右の揺れ角) 以上のように、SSBL測位方式により、船舶を原点にした
トランスポンダTPの位置を算出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2の
SSBL測位方式では、次のような課題があった。即ち、図
2のSSBL測位方式で得られる測位データは、船舶を座標
の原点Oにした船舶とトランスポンダTPとの相対位置で
ある。そのため、船舶が移動すれば、測位データに該船
舶の移動成分が加味されることになる。このため、係留
系の落下状態を正確にモニタリングするためには、この
係留系に取り付けたトランスポンダTPの位置を絶対座標
上で求める必要があり、何らかの方法によって前記測位
データを船舶の移動量を用いて補正することが求められ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のうちの第1の発明は、海洋音響トモグラフ
ィ・システムに用いられ、音波を送出する機能を有した
トランスポンダの位置情報を求める音響航法装置を移動
している船舶に載せ、該音響航法装置が追跡することが
可能な数のトランスポンダを取り付けた係留系を該船舶
から海中へ落下させて該係留系の落下状態を経時的に計
測する係留系落下モニタリング方法において、次のよう
な処理を行うようにしている。即ち、前記係留系を海中
に投入した時点における前記船舶の地球上の絶対位置を
表す原点データを電波航法衛星を用いて求め、該原点デ
ータ及び前記係留系を海中に投入した時刻を第1のメモ
リに書き込む座標原点入力処理を行う。
【0007】前記座標原点入力処理の後、前記船舶の任
意の時刻における地球上の絶対位置を表す船舶位置デー
タを電波航法衛星を用いて測定し、該船舶位置データ及
びその測定時刻を第2のメモリに書き込む船舶位置デー
タ書き込み処理と、前記船舶から前記各トランスポンダ
までの水平距離データ、該船舶から見た該各トランスポ
ンダの方位、及び該各トランスポンダの海面からの深度
を表す音響測位データを前記音響航法装置を用いて測定
し、該音響測位データ及びその測定時刻を第3のメモリ
に書き込む音響測位データ書き込み処理と、前記第2の
メモリから読み出した前記各時刻毎の船舶位置データと
前記第1のメモリから読み出した原点データとの差分を
とることにより、該船舶位置データを該原点データを基
準にした船舶位置変換データに変換し、該船舶位置変換
データを前記第1のメモリに書き込む船舶位置データ座
標変換処理と、前記第3のメモリから読み出した音響測
位データに前記第1のメモリから読み出した船舶位置変
換データに加えることによって音響測位変換データを生
成し、該音響測位変換データを第4のメモリに書き込む
音響測位データ座標変換処理とを所定の時間間隔で繰り
返し行って前記係留系の落下状態を経時的に計測するよ
うにしている。
【0008】この第1の発明によれば、以上のように係
留系落下モニタリング方法を構成したので、座標原点入
力処理において原点データが求められる。又、船舶位置
データ書き込み処理において船舶位置データが逐次求め
られる。更に、音響測位データ書き込み処理において、
音響測位データが逐次求められる。次に、船舶位置デー
タ座標変換処理において原点データを基準にした船舶位
置データが求められる。更に、音響測位データ座標変換
処理において、前記音響測位データに前記船舶位置デー
タを加えることにより、前記原点データを基準にしたト
ランスポンダの位置を表す音響測位データが逐次求めら
れる。第2の発明では、海洋音響トモグラフィ・システ
ムに用いられ、トランスポンダの位置情報を求める音響
航法装置を移動している船舶に載せ、該音響航法装置が
追跡することが可能な数のトランスポンダを取り付けた
係留系を該船舶から海中へ落下させて該係留系の移動速
度を計測する係留系落下モニタリング方法において、次
のような処理を行うようにしている。
【0009】即ち、第1の発明の座標原点入力処理を行
い、前記座標原点入力処理の後、第1の発明の船舶位置
データ書き込み処理、音響測位データ書き込み処理、船
舶位置データ座標変換処理、音響測位データ座標変換処
理と、前記第4のメモリから読み出した音響測位変換デ
ータを用いて前記各トランスポンダ毎の水平移動速度を
求め、該水平移動速度を第5のメモリに書き込む水平移
動速度算出処理と、前記第4のメモリから読み出した音
響測位変換データを用いて前記各トランスポンダ毎の落
下速度を求め、該落下速度を前記第5のメモリに書き込
む落下速度算出処理とを所定の時間間隔で繰り返し行っ
て前記係留系の移動速度を経時的に計測するようにして
いる。この第2の発明によれば、第1の発明の音響測位
データ座標変換処理において求められた音響測位データ
を基にし、水平移動速度算出処理において各トランスポ
ンダ毎の原点データを基準にした水平移動速度が求めら
れ、更に落下速度算出処理において各トランスポンダ毎
の原点データを基準にした落下速度が求められる。従っ
て、前記課題を解決できるのである。
【0010】
【発明の実施の形態】第1の実施形態 図3は、本発明の第1の実施形態の係留系落下モニタリ
ング方法を実施するための係留系落下モニタリングシス
テムの構成図である。この係留系落下モニタリングシス
テムは、データの書き込み及び読み出しを行うことので
きる第2のメモリである船舶位置データメモリ1と、第
3のメモリである音響測位データメモリ2と、第4のメ
モリであるトランスポンダ位置データメモリ3及び第1
のメモリであるメモリ4と、演算処理部5と、このシス
テムの外部とデータをやり取りするためのデータ入出力
部6と、電波航法衛星である汎世界測位システム(Glob
al Positioning System 、以下、GPS衛星という)か
らの船舶自身の測位データが入力される船舶データ入力
部7と、トランスポンダと音波を送受波することによっ
て該トランスポンダの位置情報を求める音響航法装置か
らの測位データが入力される音響測位データ入力部8
と、データ表示部9とを備え、これらがバス10を介し
て相互に接続されている。
【0011】図1は図3の動作を説明するためのフロー
チャート、及び図4は係留系の落下状態を説明する図で
ある。図1のフローチャートでは、ステップS1〜S7
が実行される。又、図4では、時刻τn 〜τn+1 におい
て、トランスポンダTP1 〜TPm が結ばれた係留系αが船
舶Shから海中へ落下していく状態が示されている。次
に、これらの図を参照しつつ、図1の係留系落下モニタ
リング方法の処理手順(a)〜(g)を説明する。 (a) トランスポンダの取り付け(ステップS1) 音響航法装置が追跡することが可能なm個のトランスポ
ンダTP1 〜TPm を、係留系に取り付ける。船舶Shに
は、SSBL測位方式で海中の音源の位置を推定する音響航
法装置が搭載されている。音響航法装置を用いて長大な
係留系αの海中での落下状態をモニタリングするため
に、該係留系αにトランスポンダが取り付けられる。ト
ランスポンダは音波を送信する機能を有し、係留系αに
は音響航法装置が追跡可能なm個のトランスポンダTP1
〜TPm を取り付ける。
【0012】(b) 座標原点入力処理(ステップS
2) 係留系αの落下状態をモニタリングするために原点デー
タPs0 をメモリ4に書き込む。ここで、原点データPs0
は、係留系を投入した時点における船舶Shの地球上の
位置と時刻であり、時刻データτ0 とGPS衛星を用い
て測位された船舶Shの緯度データLa0 及び経度データ
Lo0 とで構成されている。これらの原点データPs0 が、
データ入出力部6から入力されてメモリ4に書き込まれ
る。 (c) 船舶位置データ書き込み処理(ステップS3) 時刻τ0 からサンプリング周期のn秒経過した時刻τn
で船舶Shの地球上の位置である船舶位置データPsn
測定する。この船舶位置データPsn は、時刻τn におけ
る船舶Shの緯度データLan と経度データLon であり、
GPS衛星を用いて測位される。 (d) 音響測位データ書き込み処理(ステップS4) 時刻τn において、各トランスポンダTP1 〜TPm の音響
測位データTin〜Tmnを、音響航法装置を用いてSSBL測
位方式でそれぞれ測位する。音響測位データTin(i;
1〜m)は、船舶からトランスポンダTP1 までの水平距
離データHin、船舶Shから見たトランスポンダTPi
方位Bin及びトランスポンダTP1 の深度dinで構成され
ている。音響測位データTinは、音響測位データ入力部
8を介して音響測位データメモリ2に書き込まれる。
【0013】(e) 船舶位置データ座標変換処理(ス
テップS5) 船舶位置データメモリ1に書き込まれた船舶位置データ
Psn とメモリ4に書き込まれた原点データPsO とを読み
出す。それらを用いた演算処理部5の処理により、次式
(4)に示すように時刻τn における経度データLon
時刻τ0 における経度データLoO との差分を取り、該差
分と換算値Loの積を取ることによって座標変換後の船舶
位置のx方向成分データのxsnを生成する。ここで、換
算値Loはモニタリングする海域における経度1分をメー
トルに換算した値である。同様に、座標変換後の船舶位
置のy方向成分データysnは、時刻τn における緯度デ
ータLan と時刻τ0 における緯度データLa0 の差分を取
り、該差分と換算値Laとの積をとることによって生成す
る。換算値Laは緯度1分をメートルに換算した値であ
る。このように生成された座標変換後の船舶位置データ
Psan はメモリ4に書き込まれる。座標変換後の船舶位
置データ Psan は原点データPs0 を基準にした船舶の位
置を表し、x方向成分データ xsnとy方向成分データ
snとで構成されている。 xsn=Lo(Lon −Lo0 ) ysn=La(Lan −La0 ) ・・・(4) (f) 音響測位データ座標変換処理(ステップS6) 音響測位データメモリ2に書き込まれた音響測位データ
inと、メモリ4に書き込まれた座標変換後の船舶位置
データ Psan とを読み出し、次式(5)を用いた演算処
理部5の計算で音響測位データTinの座標変換を行う。
【0014】座標変換後の音響測位変換データTainは、
x方向成分データxin、y方向成分データyin及びz方
向成分データdinで表され、これらがトランスポンダ位
置データメモリ3に書き込まれる。この音響測位変換デ
ータTainは原点データPs0 を基準にしたトランスポンダ
の位置を表している。 xin=xsn+Hincos(90°−Bin) yin=ysn+Hinsin(90°−Bin) din=din ・・・(5) (g) 係留系落下状態の表示(ステップS7) トランスポンダ位置デ一タメモリ3に書き込まれた音響
測位変換データTainを読み出す。この音響測位変換デー
タTainを用い、データ表示部9により時刻τnでのトラ
ンスポンダTP1 〜TPm の位置を表示することによって係
留系の状態を表示する。
【0015】そして、上記ステップS3〜S7を所定の
時間間隔で繰り返し行うことにより、係留系αの落下状
態が経時的に計測される。以上のように、この第1の実
施形態では、船舶位置データ座標変換処理において原点
データPs0 を基準にした船舶の位置データ Psan を求
め、更に音響測位データ座標変換処理において音響測位
データTinに船舶の位置データ Psan を加えることによ
って原点データPs0 を基準にしたトランスポンダの位置
を表す音響測位データTainを求めるようにしたので、係
留系落下モニタリング装置によって長大な係留系αの海
中での落下状態を正確にモニタリングすることができ、
海洋観測に欠かせない係留系を用いた海洋観測機器の設
置に対しての安全性が向上する。
【0016】第2の実施形態 図5は、本発明の第2の実施形態の係留系落下モニタリ
ング方法を実施するための係留系落下モニタリングシス
テムの構成図であり、図3中の要素と共通の要素には共
通の符号が付されている。この係留系落下モニタリング
システムでは、図3の係留系落下モニタリングシステム
に第5のメモリであるトランスポンダ移動量メモリ11
が追加されている。トランスポンダ移動量メモリ11
は、演算処理部5で計算されたトランスポンダの水平移
動速度及び落下速度の書き込み及び読み出しを行うこと
のできるメモリである。他は、図1と同様の構成であ
る。図6は図5の動作を説明するためのフローチャート
である。この図6のフローチャートでは、ステップS1
1〜S19が実行される。
【0017】次に、この図を参照しつつ、図5の係留系
落下モニタリング方法の処理手順(a)〜(e)を説明
する。 (a) トランスポンダの取り付け(ステップS11) 第1の実施形態と同様に、音響航法装置が追跡すること
が可能な個数m以内のトランスポンダを係留系に取り付
ける。係留系の海中での水平移動速度、及び落下速度を
モニタリングするためには、係留系のm箇所に取りつけ
たトランスポンダの移動速度を計測することによって行
う。 (b) 座標原点入力処理(ステップS12)、船舶位
置データ書き込み処理(ステップS13)、音響測位デ
ータ書き込み処理(ステップS14)、船舶位置データ
座標変換処理(ステップS15)及び音響測位データ座
標変換処理(ステップS16)が、それぞれ第1の実施
形態と同様に行われる。 (c) 水平移動速度算出処理(ステップS17) トランスポンダ位置データメモリ3に書き込まれた座標
変換後の音響測位データTainを読み出す。それらを用い
て演算処理部5により、次式(6)に従って各トランス
ポンダ毎の原点データPsO を基準にした水平移動速度ch
inの計算を行う。
【0018】
【数2】 このように生成された各トランスポンダ毎の水平移動速
度データchinは、時刻データτn と共にトランスポンダ
移動量メモリ11に書き込まれる。 (d) 落下速度算出処理(ステップS18) トランスポンダ位置データメモリ3に書き込まれた座標
変換後の音響測位データTainを読み出す。それらを用い
て演算処理部5により、次式(7)に従って各トランス
ポンダ毎の原点データPsO を基準にした落下速度cvin
計算を行う。
【0019】
【数3】 このように生成された各トランスポンダ毎の落下速度デ
ータcvinは、時刻データτn と共にトランスポンダ移動
量メモリ11に書き込まれる。
【0020】(e) 水平移動速度及び落下速度の表示
(ステップS19) トランスポンダ移動量メモリ11に書き込まれた水平移
動速度データchinと落下速度データcvinを読み出す。そ
れらを用いてデータ表示部9により時刻τn での1から
i番目までトランスポンダ水平移動速度と落下速度を表
示することによって係留系αの状態を表示する。そし
て、上記ステップS13〜S19を所定の時間間隔で繰
り返し行うことにより、係留系αの移動速度が経時的に
計測される。以上のように、この第2の実施形態では、
水平移動速度算出処理において各トランスポンダ毎の水
平移動速度chinを求め、かつ落下速度算出処理において
各トランスポンダ毎の落下速度を求めるようにしたの
で、係留系落下状態モニタリング装置によって長大な係
留系αの海中での水平移動速度及び落下速度を正確にモ
ニタリングすることができ、落下速度制限のついた海洋
観測機器が取り付けられた係留系の設置の監視及び設置
に対しての安全性が向上する。尚、本発明は上記実施形
態に限定されず、種々の変形が可能である。その変形例
としては、例えば次のようなものがある。
【0021】(a) 上記実施形態では、時刻τn にお
けるトランスポンダTP1 〜TPm の音響測位データT
in(i;1〜m)は、音響航法装置を用いてSSBL測位方
式で測位されているが、本発明は、SBL (Short Base-Li
ne) 測位方式で測位する場合にも適用できる。SBL 測位
方式は、到来音波の時間差測定によって到来方向余弦を
決定する方式である。 (b) 上記実施形態では、各メモリが分離している
が、1個のメモリに統合してもよい。
【0022】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1の発明
によれば、船舶位置データ座標変換処理において原点デ
ータを基準にした船舶の位置データを求め、更に音響測
位データ座標変換処理において音響測位データに該船舶
の位置データを加えることにより、この原点データを基
準にしたトランスポンダの位置を表す音響測位データを
求めるようにしたので、係留系の海中での落下状態を正
確にモニタリングすることができる。そのため、海洋観
測に欠かせない係留系を用いた海洋観測機器の設置に対
しての安全性を向上させることができる。第2の発明に
よれば、水平移動速度算出処理において各トランスポン
ダ毎の水平移動速度を求め、かつ落下速度算出処理にお
いて各トランスポンダ毎の落下速度を求めるようにした
ので、第1の発明の効果に加えて、海中での水平移動速
度及び落下速度を正確にモニタリングすることができ
る。そのため、落下速度制限のついた海洋観測機器が取
り付けられた係留系の設置の監視及び設置に対しての安
全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3のフローチャートである。
【図2】SSBL測位方式の概念を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の係留系落下モニタリ
ングシステムの構成図である。
【図4】係留系の落下状態を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の係留系落下モニタリ
ングシステムの構成図である。
【図6】図5のフローチャートである。
【符号の説明】
1 船舶位置データメ
モリ 2 音響測位データメ
モリ 3 トランスポンダ位
置データメモリ 4 メモリ 5 演算処理部 6 データ入出力部 7 船舶データ入力部 8 音響測位データ入
力部 9 データ表示部 10 バス 11 トランスポンダ移
動量メモリ S2,S12 座標原点入力処理 S3,S13 船舶位置データ書
き込み処理 S4,S14 音響測位データ書
き込み処理 S5,S15 船舶位置データ座
標変換処理 S6,S16 音響測位データ座
標変換処理 S7 係留系落下状態表
示 S17 水平移動速度算出
処理 S18 落下速度算出処理 S19 係留系移動状態表

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海洋音響トモグラフィ・システムに用い
    られ、音波を送出する機能を有したトランスポンダの位
    置情報を求める音響航法装置を移動している船舶に載
    せ、該音響航法装置が追跡することが可能な数のトラン
    スポンダを取り付けた係留系を該船舶から海中へ落下さ
    せて該係留系の落下状態を経時的に計測する係留系落下
    モニタリング方法において、 前記係留系を海中に投入した時点における前記船舶の地
    球上の絶対位置を表す原点データを電波航法衛星を用い
    て求め、該原点データ及び前記係留系を海中に投入した
    時刻を第1のメモリに書き込む座標原点入力処理を行
    い、 前記座標原点入力処理の後、 前記船舶の任意の時刻における地球上の絶対位置を表す
    船舶位置データを電波航法衛星を用いて測定し、該船舶
    位置データ及びその測定時刻を第2のメモリに書き込む
    船舶位置データ書き込み処理と、 前記船舶から前記各トランスポンダまでの水平距離デー
    タ、該船舶から見た該各トランスポンダの方位、及び該
    各トランスポンダの海面からの深度を表す音響測位デー
    タを前記音響航法装置を用いて測定し、該音響測位デー
    タ及びその測定時刻を第3のメモリに書き込む音響測位
    データ書き込み処理と、 前記第2のメモリから読み出した前記各時刻毎の船舶位
    置データと前記第1のメモリから読み出した原点データ
    との差分をとることにより、該船舶位置データを該原点
    データを基準にした船舶位置変換データに変換し、該船
    舶位置変換データを前記第1のメモリに書き込む船舶位
    置データ座標変換処理と、 前記第3のメモリから読み出した音響測位データに前記
    第1のメモリから読み出した船舶位置変換データに加え
    ることによって音響測位変換データを生成し、該音響測
    位変換データを第4のメモリに書き込む音響測位データ
    座標変換処理とを、 所定の時間間隔で繰り返し行って前記係留系の落下状態
    を経時的に計測することを特徴とする係留系落下モニタ
    リング方法。
  2. 【請求項2】 海洋音響トモグラフィ・システムに用い
    られ、トランスポンダの位置情報を求める音響航法装置
    を移動している船舶に載せ、該音響航法装置が追跡する
    ことが可能な数のトランスポンダを取り付けた係留系を
    該船舶から海中へ落下させて該係留系の移動速度を計測
    する係留系落下モニタリング方法において、 請求項1記載の座標原点入力処理を行い、 前記座標原点入力処理の後、 請求項1記載の船舶位置データ書き込み処理、音響測位
    データ書き込み処理、船舶位置データ座標変換処理及び
    音響測位データ座標変換処理と、 前記第4のメモリから読み出した音響測位変換データを
    用いて前記各トランスポンダ毎の水平移動速度を求め、
    該水平移動速度を第5のメモリに書き込む水平移動速度
    算出処理と、 前記第4のメモリから読み出した音響測位変換データを
    用いて前記各トランスポンダ毎の落下速度を求め、該落
    下速度を前記第5のメモリに書き込む落下速度算出処理
    とを、 所定の時間間隔で繰り返し行って前記係留系の移動速度
    を経時的に計測することを特徴とする係留系落下モニタ
    リング方法。
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