JPH10101517A - 防虫剤 - Google Patents

防虫剤

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JPH10101517A
JPH10101517A JP8272867A JP27286796A JPH10101517A JP H10101517 A JPH10101517 A JP H10101517A JP 8272867 A JP8272867 A JP 8272867A JP 27286796 A JP27286796 A JP 27286796A JP H10101517 A JPH10101517 A JP H10101517A
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JP
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insect repellent
insect
insectcide
fiber
component
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JP8272867A
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English (en)
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Yuichi Tanaka
雄一 田中
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ST Chemical Co Ltd
Original Assignee
ST Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より優れた自然界に存在する非揮散性の防虫
成分を見いだし、これを防虫剤として開発すること。 【解決手段】 サトウリンゴやイケリンゴ等のバンレイ
シ科の植物の種子の抽出物を有効成分とする防虫剤、こ
の防虫剤で繊維製品を処理する繊維製品の防虫方法およ
びこの防虫剤で処理した繊維により調製された防虫カバ
ー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防虫剤に関し、更
に詳細には、非揮散性であり、イガ、ヒメマルカツオブ
シムシなどの繊維害虫の繊維摂食を阻害することによ
り、繊維害虫による被害を防止することのできる防虫剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、タンス、衣装函等での繊維害
虫の活動を防ぐための防虫剤は数多く提案され、実用に
供されている。 現在使用されている繊維害虫用の防虫
剤の多くは、樟脳、パラジクロルベンゼン、ナフタリン
等の揮散性を有する防虫成分を利用するものである。
これらは揮散した防虫成分のガスにより、繊維害虫を死
滅あるいはその活動を低下させて繊維製品を繊維害虫か
ら守るというものである。しかし、このタイプの防虫剤
では、その使用が密閉された空間内に限られ、また、特
有の臭気があるという問題があった。
【0003】一方、非揮散性の防虫剤で直接繊維製品を
処理し、繊維害虫の食害から守る方法も知られている。
この方法で用いる非揮散性防虫剤は、繊維害虫自体を
死滅等させるのでなく、被処理繊維製品に対する繊維害
虫の摂食を阻害する作用を有するものである。
【0004】上記方法で用いる非揮散性防虫剤として
は、ピレスロイド、有機塩素系薬剤等の化学合成された
防虫剤が知られており、これらの防虫剤は、繊維に直接
含浸させたり、繊維に直接スプレーしたりして使用され
る。 しかし、これらのうち化学合成品は、環境に対す
る影響が懸念され、天然物質の方が好ましいとされてい
る。
【0005】実際、以前には業務用の繊維処理剤とし
て、有機塩素系薬剤、例えばオイランCN、オイランU
33、オイランNK、ミチンFF等を有効成分とする繊
維の防虫処理剤があったが、これら有機塩素系薬剤は生
物濃縮による慢性毒性が懸念され、また生分解性等環境
に対する配慮から現在ではあまり使用されなくなってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】現在までに、非揮散性
の防虫剤としていくつかの化合物が報告されているが、
更により優れた自然界に存在する非揮散性の防虫成分を
見いだし、これを防虫剤として開発することが求められ
ていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、非揮散性の
防虫剤として利用することのできる天然物成分を検索し
た結果、バンレイシ科の植物の種子中にそのような成分
が含まれていることを見出し、本発明を完成した。すな
わち本発明は、バンレイシ科の植物の種子の抽出物を有
効成分とする防虫剤を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の防虫剤の有効成分であ
る、バンレイシ科の植物の種子の抽出物(以下、「種子
抽出物」という)は、例えば次のような方法により、バ
ンレイシ科の植物の種子より得ることができる。
【0009】すなわち、サトウリンゴ(Annona. squamo
sa)[別名 バンレイシ(英 Sugarapple)]、イケリン
ゴ(Annona. glabra)[別名 イヌバンレイシ(英 Mang
rove-annona)]等のバンレイシ科の植物から種子を取
り出し、これを砕いたり、あるいはすり潰す、切り刻む
等の操作を施した後、適当な溶媒を用いて抽出を行う。
【0010】抽出に用いる溶媒としては、テトラヒドロ
フラン(THF)、ジエチルエーテル等のエーテル類、
アセトン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム
等のハロゲン系溶剤、メタノール、エタノール等のアル
コール類、アセトニトリル等の溶媒が挙げられる。 ま
た、この抽出は、一般には常温〜80℃の温度で、約1
時間〜1日間浸積することにより行なわれ、攪拌を行っ
ても良い。
【0011】かくして種子抽出物が得られるが、この種
子抽出物は、更に他の溶媒に転溶したり、溶媒を留去し
て濃縮しても良い。
【0012】上記のようにして得られた種子抽出物は、
これを繊維に浸漬、付着等させることにより、防虫効果
を発揮するものであるから、その利用態様に応じた適当
な担体と組合せ、防虫剤とすることができる。
【0013】例えば、繊維製品を直接浸漬するタイプの
防虫剤とする場合は、種子抽出物を適当な溶媒、例えば
テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル等の
エーテル類、アセトン等のケトン類、ジクロロメタン、
クロロホルム等のハロゲン系溶剤、メタノール、エタノ
ール等のアルコール類、アセトニトリル等の溶媒に溶解
させることにより、調製することができる。 また、種
子抽出物を適当な界面活性剤を用いて水に可溶化せしめ
ても良い。
【0014】また、繊維製品にスプレーするタイプの防
虫剤とする場合は、種子抽出物、適当な溶剤およびLP
G、ジメチルエーテル、二酸化炭素等の噴射剤を組合
せ、エアゾール缶等に充填すれば良い。 また種子抽出
物を可溶化後、水または適当な水性溶媒に溶解し、ポン
プアップする形式のスプレー缶に充填しても良い。
【0015】更にまた、本発明の防虫剤は、柔軟剤、撥
水剤、糊剤等の繊維処理剤に配合し、目的とする繊維処
理と同時に防虫処理することも可能である。
【0016】本発明の防虫剤の利用形態としては、上記
の如くして直接繊維製品を処理する方法の他、衣類カバ
ーに本発明の防虫剤を含浸せしめ、防虫カバーとする方
法も挙げられる。
【0017】
【発明の効果】本発明防虫剤の有効成分である種子抽出
物は、天然物質でありながら合成品の非揮散性ピレスロ
イドと同程度の活性を有するものである。 そしてこの
物は天然物質であるため、分解性もよく環境保護に適し
た防虫成分といえる。従って、本発明の防虫剤は安全性
の高い防虫剤として、これで繊維製品を処理することに
より、効果的に繊維害虫の摂食を阻害しうるものであ
る。
【0018】
【実施例】以下、実施例、参考例および試験例を挙げて
本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例
等になんら制約されるものではない。
【0019】参 考 例 1 粉砕したバンレイシ(サトウリンゴ)の種子250gを
エチルエーテルで抽出、濃縮し、粗抽出物約50gを得
た(成分a)。
【0020】参 考 例 2 参考例1で得た成分aをヘキサン、メタノール混合溶媒
とともに撹拌し、メタノール可溶成分を濃縮し成分b
(約5g)を得た。
【0021】参 考 例 3 粉砕したイケリンゴ(A. glabra)の種子160gをエ
チルエーテルで抽出、濃縮し粗抽出物約50gを得た
(成分c)。
【0022】参 考 例 4 参考例3で得た成分cをヘキサン、メタノール混合溶媒
とともに撹拌し、メタノール可溶成分を濃縮し、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒; ヘキ
サン:アセトン=6:4)成分d(約0.4g)を得
た。
【0023】試 験 例 防 虫 試 験: ( 方 法 )2.5cm×2.5cmの羊毛布に、被験成
分をアセトンで希釈して含浸させ、次いでアセトンを揮
散させた。 シャーレ内にこの羊毛布と繊維害虫の幼虫
を一定期間共存させ、25℃、相対湿度60%の環境下
で食害させた。イガ(Tineapellionella)の場合は、幼
虫5頭を1週間、またヒメマルカツオブシムシ(Anthre
nnus verbasci)の場合は、幼虫10頭を2週間それぞ
れ共存させた。
【0024】共存後の羊毛布重量の減少から食害量を求
め、空試験区と比較して食害抑制率を算出し、90%効
果容量(ED90値)を求めて効力の比較を行った。
【0025】( 結 果 )衣類害虫に対し、防虫効果発
現に必要な薬剤処理量(ED90値)は下表の通りであ
る。
【表1】 (表中の数字は、%を示す)
【0026】この結果から明らかなように、本発明の防
虫剤の有効成分(種子抽出物)は、化学合成品であるエ
ンペントリンと同等な防虫活性を有するものであった。
【0027】実 施 例 1 参考例1で得た成分a 0.2gをエタノール20mlに
溶解させ、これを8m2のポリプロピレン製不織布(目
付:20g/m2 )に含浸させた後、エタノールを揮散
させた。この防虫処理不織布で2cm×2cmの袋を作
り、内部に羊毛布を入れて口を塞いだ。 一方成分aを
含浸させない不織布で同様の操作を行い空試験とした。
【0028】シャーレ内にこの袋を入れ、イガ幼虫5頭
を1週間共存させ、室温25℃、相対湿度60%の環境
下で食害させた。 同様にヒメマルカツオブシムシにつ
いても、幼虫10頭を2週間共存させた。不織布中の羊
毛布の重量減少量から食害量を求め、空試験区と比較し
て食害抑制率を算出し、防虫処理不織布の性能を推察し
た。この結果、防虫処理不織布の食害抑制率は約100
%を示し、優れた防虫効果を有することが明らかとなっ
た。
【0029】実 施 例 2 参考例2で得た成分b 2gを、エチルアルコール 18
gに溶解させ、更にLPG 10gとともにエアゾール
缶に充填して防虫スプレーを作成した。 これを羊毛布
1m2(約300g)当たり、噴射量が3gとなるよう
噴射した。
【0030】この一部を2.5cm×2.5cmに切り取
り、シャーレ内でイガ幼虫5頭と1週間共存させ、室温
25度、相対湿度60%の環境下で食害させた。 ヒメ
マルカツオブシムシについても同様に幼虫10頭と2週
間共存させた。
【0031】シャーレ内の羊毛布の重量減少量から食害
量を求め、空試験区と比較して食害抑制率を算出し、防
虫スプレーの製品性能を評価した。 本発明の防虫スプ
レーの食害抑制率は約100%示し、優れた防虫効果が
あることが明かとなった。 以 上

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バンレイシ科の植物の種子の抽出物を有
    効成分とする防虫剤。
  2. 【請求項2】 バンレイシ科の植物がサトウリンゴまた
    はイケリンゴである請求項第1項記載の防虫剤。
  3. 【請求項3】 繊維製品を請求項第1項または第2項記
    載の防虫剤で処理することを特徴とする繊維製品の防虫
    方法。
  4. 【請求項4】 繊維製品の処理を、防虫剤への浸漬また
    は防虫剤のスプレー塗布で行う請求項第3項記載の繊維
    製品の防虫方法。
  5. 【請求項5】 請求項第1項または第2項記載の防虫剤
    で処理した繊維により調製された防虫カバー。
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