JPH10101454A - 軽量コンクリート - Google Patents

軽量コンクリート

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JPH10101454A
JPH10101454A JP25331296A JP25331296A JPH10101454A JP H10101454 A JPH10101454 A JP H10101454A JP 25331296 A JP25331296 A JP 25331296A JP 25331296 A JP25331296 A JP 25331296A JP H10101454 A JPH10101454 A JP H10101454A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡スチロール成形体をその大きさや形状を
適宜選択してコンクリートの骨材または芯材として用い
ることにより、耐圧縮性その他の強度を確保した極めて
軽量なコンクリートを、安価に提供することを課題とす
る。 【解決手段】 発泡スチロール4を骨材として混入した
発泡スチロール混入コンクリート層2と、発泡スチロー
ル4が骨材として混入されていない発泡スチロール非混
入コンクリート層3とにより一体成形されて成る軽量コ
ンクリート1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明は、軽量な発泡スチロ
ールを骨材あるいは芯材として混入した軽量コンクリー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートの骨材は、耐衝撃性やす
り減り抵抗性があるなど堅牢で強固なこと、乾燥や湿
潤,温度変化,凍結等の繰り返しに対し物理的に安定な
こと、水やセメント等と反応したりせず化学的に安定
なこと、有害物(有機不純物, 塩分, 粘土塊等)を有
害量含んでいないこと、その他品質のばらつきが少な
いこと、施工管理がしやすいこと等が要求され、従来
から一般に砂,砂利,砕石等(細骨材・粗骨材)が用い
られている。
【0003】しかし、これらの骨材を用いたコンクリー
トは場合により必要以上に重くなるという欠点があり、
また市街地住宅の高層化や地盤条件の制約からも、近
年、膨張頁岩等を原料とした人工軽量骨材や超軽量人工
骨材が製造され、構造用コンクリートの軽量化が図られ
ている。
【0004】さらに、これらの人工軽量骨材や超軽量人
工骨材を使用したものとは異なり、上記砂や砂利等の細
骨材一般における吸水率やばらつき、あるいは不純物
(塩分等)の問題を解消するという目的をも付加した軽
量コンクリートが、特開平7−97283号公報におい
て提案されている。その概要は、吸水率が小さくまた球
形であるために乾燥した状態での貯蔵そして容積,重量
の計量が共に可能であるという、平均粒径が1.5mm
以下の合成樹脂発泡ビーズを骨材に用いることにより、
計量及び水セメント比の管理を簡単化せしめ、骨材の均
一分散を図らしめてコンクリートの品質のバラツキを小
さくし、また中性化性能や水密性、凍結融解抵抗性を向
上させた品質の一定した軽量コンクリートを得るという
ものである。
【0005】また上述の他、コンクリートを軽量化する
方法として、コンクリート中に気泡を混入させる方法が
あり、発泡法(セメントペーストに発泡剤を添加して練
り混ぜ、発泡剤の化学反応によりガスを発生させてつく
る方法)により製造される発泡コンクリートや、起泡法
(セメントペーストに予め起泡剤でつくった泡を混入し
てつくるプレフォーム法)によって製造される起泡コン
クリート等の、気泡コンクリート(多孔質軽量コンクリ
ート)が従来より活用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、人工軽
量骨材や超軽量人工骨材は、何れも膨張頁岩等を原料と
してこれを微粉砕し造粒機等で製造したペレットを乾燥
後高温焼成する等、その製造に特殊な設備や技術を要
し、また骨材内部に多量の空隙を有することが多く従っ
て吸水率が大きく凍結融解抵抗性が低いという欠点があ
る。
【0007】また、特開平7−97283号公報により
提案された、平均粒径が1.5mm以下の合成樹脂発泡
ビーズを細骨材に用いた軽量コンクリートは、平均粒径
が1.5mm以下の合成樹脂発泡ビーズつまり合成樹脂
発泡ビーズを発泡させることなくそのまま細骨材とする
ため、単位体積重量の変動はなく(少なく)、これと混
ぜ合わされるコンクリートの使用量の変動もない(少な
い)。またこの合成樹脂発泡ビーズを大量に均一分散混
入すれば、曲げ圧力や捻り圧力,剪断力に対抗できなく
なる。したがってコンクリート全体における多少の軽量
化は可能であるとしても、大幅な軽量化を図ることはで
きず一方その強度は低下するという問題がある。
【0008】さらに、前記気泡コンクリート(多孔質軽
量コンクリート)のうち、発泡法により製造される発泡
コンクリートは、練り終わった状態のスラリーが非常に
柔らかく、発泡して硬化するまでに重い骨材は沈降しコ
ンクリート内に均一に分散しにくいため、一般に骨材は
用いられない。従ってそのセメントの使用量が大きくな
るという問題がある。一方、起泡法によれば、細骨材,
けい石,パーライトなどの超軽量骨材を用いることか
ら、上記同様のこれら細骨材に係る計量や水セメント比
の管理の困難性、不純物等の問題点が生じる。
【0009】ところで、上述のように従来の砂, 砂利,
砕石等の骨材は、吸水率やばらつきあるいは不純物等の
問題を有し、さらにコンクリートの重量を必要以上に重
くする等の欠点があることから、例えばコンクリート製
の境界杭,門柱その他の柱,或はパネル壁等のような、
適度な強度を必要とするものの特段の重さは必要でない
製品についてまで、これを用いる必用はない。一方発泡
スチロール、すなわち合成樹脂発泡ビーズを所定の発泡
倍率に予備発泡させてさらにサイロで乾燥,熟成した
後、成形機で予備発泡粒が軟化するまで加熱した後、冷
却する等により製造された発泡スチロール成形体は、超
軽量性,耐圧縮性,耐水性,自立性(載荷重が作用した
場合に側方への変形が極めて小さいこと),施工性(運
搬や変形加工が容易)という特性を有している。特に圧
縮強さは例えば道路構築用盛土材や橋台などの裏込材と
して用いられていることからも証明されている。さらに
耐薬品性に関しても石膏,セメント等に侵されることは
ない。したがって発泡スチロールは、直射日光を遮断す
れば乾燥や湿潤,温度変化,凍結等の繰り返しに対し物
理的に安定である、水やセメント等と反応したりせず化
学的に安定である、有害物を含んでいない、品質のばら
つきが少ない、施工管理がしやすい、など冒頭に述べた
コンクリートの骨材としての要求品質〜を満たす。
一方、その「耐衝撃性やすり減り抵抗性があるなど堅
牢で強固なこと」という品質は、コンクリート全体とし
ての強度確保の他、主として採取・保管時や練り混ぜ時
に要求されるものであり、製造・保管等の管理が容易な
発泡スチロールについては不要、あるいは発泡スチロー
ルの特徴である圧縮強さをもって替えることも可能であ
る。
【0010】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、発泡スチロール成形体をその大きさや形状を適宜選
択してコンクリートの骨材または芯材として用いること
により、耐圧縮性その他の強度を確保した極めて軽量な
コンクリートを、安価に提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、請求項1の発明は、図面符号を用いて説明すれば、
発泡スチロール4を骨材として混入した発泡スチロール
混入コンクリート層2と、発泡スチロール4が骨材とし
て混入されていない発泡スチロール非混入コンクリート
層3とにより一体成形されて成ることを特徴とする軽量
コンクリート1、を手段の内容とする。
【0012】これにより、先ず、骨材として混入された
発泡スチロール4が超軽量であり且つ混入した発泡スチ
ロール4の体積分に対応して比重の大きいコンクリート
の使用量が削減されるため、コンクリート全体が極めて
軽量となる。さらに、発泡スチロール4は特に耐圧縮性
に富むことから、コンクリート全体としての圧縮強度を
確保することができる。
【0013】次に、発泡スチロール混入コンクリート層
2と発泡スチロール非混入コンクリート層3との2層が
一体成形されて成ることから、発泡スチロール混入コン
クリート層のみから成るコンクリートでは対応困難な曲
げ圧力や捻り圧力,剪断力に対して、発泡スチロール非
混入コンクリート層3が対応作用し、コンクリート全体
として圧縮強さの他に曲げ強度や捻り強度,剪断強度を
向上させる。
【0014】さらに、発泡スチロール4は断熱性を有す
ることからコンクリート全体において断熱作用を発揮せ
しめ、また吸水性が低いことから中性化性能や水密性,
凍結融解抵抗性を向上させる。
【0015】そして骨材である発泡スチロール4の大き
さまたは混入量を自在に変更することにより全体重量を
きわめて簡単に変更することができ、また、発泡スチロ
ール4は簡単・安価に製造することができ且つコンクリ
ートの使用量を大幅に削減できるため、製造コストを大
幅に下げることが可能となる。
【0016】請求項2の発明は、上記手段に加えて、発
泡スチロール混入コンクリート層2が、発泡スチロール
非混入コンクリート層3に挟まれて一体成形されて成る
ことを特徴とする軽量コンクリート1、を手段の内容と
する。
【0017】これにより、上記作用に加えて、コンクリ
ートの強度、特には外面の強度が普通コンクリートと同
様に確保される。一方、両層が交互に形成されて発泡ス
チロール混入層を薄く形成し得ることから、比重の軽さ
によって練り混ぜにくい発泡スチロール4をコンクリー
トに均一に混入させ易く、あるいは均一に混入できなか
った場合であってもこれを両側あるいは周側から補強す
ることが可能となり、さらに発泡スチロール4の形状や
大きさが如何なるものであってもこれが表面に露出する
ことが無く紫外線により劣化して表面が黄変してもろく
なるという不都合が防止される。
【0018】請求項3の発明は、発泡スチロール塊5が
芯材として埋設されていることを特徴とする軽量コンク
リート1、を手段の内容とする。これにより、コンクリ
ートの外面の強度を普通コンクリートと同様に確保しつ
つ、その全体において一層の軽量化が図られ一方耐圧縮
強度も確保される。
【0019】請求項4の発明は、上記各請求項記載の手
段に加えて、板状剛性部材6が外面に固着されて成るこ
とを特徴とする軽量コンクリート1、を手段の内容とす
る。この板状剛性部材6により、コンクリートの外面が
普通コンクリート以上の強度に補強されるのみならず、
その全体においても軽量性と耐圧縮強度の他さらに剛性
が確保される。また、板状剛性部材6が日光や風雨等を
遮断するため、発泡スチロール混入コンクリート層2が
表面に位置するコンクリート体であっても、その劣化を
有効に防止する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る軽量コンクリ
ート1を、実施例の説明に用いた図面および符号を引用
して説明する。請求項1、2に係る軽量コンクリート1
は、発泡スチロール4を骨材として混入した発泡スチロ
ール混入コンクリート層2と、発泡スチロール4が混入
されていない発泡スチロール非混入コンクリート層3と
から成る。
【0021】骨材として用いられる発泡スチロール4
は、型内発泡法や押出発泡法等により製造された成形体
である。なおその単位体積重量は製造時の発泡倍率によ
って決定され、発泡倍率が大きくなれば軽くなり、小さ
くなれば重くなる。本発明においては、如何なる発泡倍
率の成形体を用いてもよい。なお、成形型枠を例えば3
0ミリ辺の立方体としてこれを大量に用いれば、均一な
大きさ・形状の発泡スチロール4骨材が得られることと
なる。
【0022】上記発泡スチロール4をコンクリートに混
入して形成された発泡スチロール混入コンクリート層2
は、間仕切パネルや土台コンクリートなど本発明に係る
軽量コンクリート1の使用目的に合わせて、その厚さ,
幅,長さ,および配置等が決定される。この際、混入さ
れる上記発泡スチロール4の形状は、通常の骨材におい
て好適とされる球形や立方体の他、楕円形、あるいはこ
れらの表面に凹凸を設けたもの等どのような形状であっ
てもよい。さらに、ランダムに粉砕したものを用いても
よく、この場合その不定形な形状により上記表面部に凹
凸を設けたものと同様、コンクリートとの連結力が増す
ことから好適と言える。またその大きさは、例えば5ミ
リ〜10ミリ径のような一般の粗骨材程度のものから、
さらには20ミリ〜100ミリ径の大きなもの等、特に
限定されず、形成する本軽量コンクリートの具体的な用
途に従って選定される。そして、発泡スチロール4をこ
れらの形状や大きさとするには、前述の型枠形成する方
法の他、大きな塊の発泡スチロール4の成形体をカッタ
ーや熱線ワイヤーなどを用いて裁断することによっても
行うことができる。一方これらカッター等により鋭利に
裁断することなく、上述の如く不定形に粉砕してもよ
い。但しこれら粉砕したもの等については、さらに耐圧
縮性を高めるために加圧凝縮処理することが好ましい。
【0023】発泡スチロール4をコンクリートに混入す
るには、通常の骨材を用いた場合と同様に、発泡スチロ
ール4とコンクリートと水とを、必要分量配合し練り混
ぜればよい。そして発泡スチロールが水等に浮遊して分
離することのないよう、また各発泡スチロール4を包み
込むコンクリート間の結合力が劣ることのないよう、例
えば硬練りとする等、各材料の配合調整を適切に行う。
【0024】なお、本発明における発泡スチロール混入
コンクリート層2は、発泡スチロール4とコンクリート
とのみから成るものに限定されない。その他に従来の砂
や砂利が混合されているとしても、これらの混合量が従
来製品と比べて低減されて明確に軽量化が図られるもの
であれば、これを除外するものではない。
【0025】一方、発泡スチロール4が混入されていな
い発泡スチロール非混入コンクリート層3は、砂・砂利
等を骨材に用いた普通コンクリート、或は骨材が用いら
れていないコンクリート等如何なるものであってもよ
い。またこの層の厚さは、目的に応じて薄くあるいは厚
く形成される。この場合、上記発泡スチロール4は耐熱
性において劣り,変形や強度低下をおこさない温度範囲
が70度C以下であることを考慮して、この発泡スチロ
ール非混入コンクリート層3を例えば耐熱温度が100
0度Cの安山岩など熱伝導率や熱膨張率が小さく耐火性
に優れた骨材を使用したコンクリート層とすれば、その
全体において軽量性と耐火性の相乗効果を発揮する優れ
たコンクリートとなる。
【0026】上記発泡スチロール混入コンクリート層2
と発泡スチロール非混入コンクリート層3とは、図9や
図10に示すように1工程あるいは数工程により一体形
成される。なお、図示はしないが、砂・砂利等を骨材に
用いた普通コンクリートの例えば中央部のみに適宜量の
発泡スチロールを投入し、その範囲内で該発泡スチロー
ルとコンクリート等とを練り混ぜ均一分散させることに
よって、発泡スチロール混入コンクリート層2と発泡ス
チロール非混入コンクリート層3とを形成してもよい。
また、請求項2に係る軽量コンクリート1は、発泡スチ
ロール混入コンクリート層2が発泡スチロール非混入コ
ンクリート層3に挟まれて一体形成されるものである
が、その態様は、1層の発泡スチロール混入コンクリー
ト層2の上面と下面を発泡スチロール非混入コンクリー
ト層3により挟んだもの、両層を交互に複数層連設させ
て両外側面を発泡スチロール非混入コンクリート層3と
したもの、あるいは上記構造体の周側のすべてを発泡ス
チロール非混入コンクリート層3としたもの、など必要
強度にあわせて決定される。
【0027】なお、これら両層の境界は明確に区画され
る必要はなく、むしろこれら両層の連結が完全強固に行
われるよう、その境界付近においては両層が区別できな
い状態に混合して凝結・硬化するものであるのが好まし
い。また、各層を2段階に分けて流し込む場合には、境
界面に傷をつけるなどして強固な連結を確保するとよ
い。
【0028】請求項3に係る軽量コンクリート1は、発
泡スチロール塊5を芯材として埋設し一体形成したもの
である。芯材として用いられる発泡スチロール塊5は、
それ自体が主体的に耐圧縮強度を維持する機能を果たす
ものであるため、前記均一分散混入される骨材とは異な
り、例えば500ミリ長の柱体のような、分散等の概念
を有さない塊としての一定の大きさ・厚さを必要とす
る。但し、例えば図6に示すようにこの発泡スチロール
塊5(柱状体や板状体)を上下または左右に分離して、
あるいは分離形成したこの発泡スチロール塊5を直接に
積み重ねてコンクリート内に埋設しても、本発明の作用
効果を発揮するのであり、これらの状体のものも含まれ
る。上記例示の他、発泡スチロール塊5の形状は球形,
台形など如何なるものであってもよく、またこれを覆う
コンクリートの材質や製造された完成品の形状・大きさ
等についても、特に限定されるものではない。
【0029】上記請求項1、2、3に係る本発明は、従
来より非常に軽いとされている気泡コンクリートに適用
することにより、一層好適なものとなる。すなわち起泡
コンクリート系においては骨材が超軽量の発泡スチロー
ル4に代替されてより軽量となる。一方、骨材が沈降す
るため骨材を用いない発泡コンクリート系においては、
発泡スチロール4の比重の軽さから骨材の使用が可能と
なり、また使用コンクリート量の削減によるコスト削減
および一層の軽量化が図られるとともに、圧縮強度も十
分に確保される。
【0030】また、上記軽量コンクリート1の強度をさ
らに向上させるために、適宜図5に示したような鉄筋等
の補助材Yを組み合わせても良い。特に腐食が生じにく
く、軽量且つ高引張強度、曲げ強度、ひび割れ抵抗性、
剪断強度の特性を有する炭素繊維、ガラス繊維、アラミ
ド繊維等の連続した繊維を用いて補強すれば、より強く
且つ軽くなる。なお、これら補助材Yの有無を問わず、
本発明の軽量コンクリート1の製造に際しては、発泡ス
チロール4成形体を加圧して圧縮強度を向上させるのみ
ならず、これら発泡スチロール4やコンクリートを流し
込んだ型枠外部から、その全体を加圧することにより、
一層強固な軽量コンクリート1を得ることができる。
【0031】請求項4に係る軽量コンクリート1は、上
記の各軽量コンクリート1の外面に板状剛性部材6を固
着したものである。板状剛性部材6は、一般に鉄板が用
いられるがその他剛性を確保できるものであれば材質を
問わない。この板状剛性部材6を固着するには、例えば
図11に示すように、軽量コンクリート1の柱体が硬化
した後にその外面に張り付けあるいは巻き付けた後、こ
れを軽量コンクリート1にボルト止めして、あるいは板
状剛性部材6相互間をボルト・ナット等の締結具Zで締
め付けて行う。一方、現場において先に板状剛性部材6
を組み付けておき、これを成形型枠として上記練り混ぜ
た軽量コンクリート1を流し込んでもよい。これらの場
合、コンクリートは養生時に収縮硬化するため、板状剛
性部材6相互の連結部間には例えばゴムあるいは石綿等
の閉塞パッキン材Pを当てがうなどコンクリート流出防
止手段を予め設けた上で遊び空隙を設けておき、コンク
リートの硬化に従って締め付けるようにすれば、かかる
圧縮形成によって全体としてより強度が増すため好適で
ある。
【0032】上記各請求項に係る本発明の軽量コンクリ
ート1は、すべて現場打ちコンクリート工法とプレキャ
ストコンクリート工法とを問わず製造可能であり、その
工法の如何を問わない。また用途は、境界用杭,門柱そ
の他の柱,或はパネル壁等の製品等に限られず、耐圧縮
性その他の強度が確保される限りコンクリート構造物す
べてに適応可能である。
【0033】
【実施例】以下、本発明に係る軽量コンクリート1の実
施例を説明する。 (実施例1) 図1は本発明の第1の実施例であり、発
泡スチロール混入コンクリート層2は下層に、また発泡
スチロール非混入コンクリート層3を上層に配置して、
これら2層が一体形成された軽量コンクリート1による
床下土台用ブロックである。
【0034】その製造は、図9に示すように型枠の中へ
発泡スチロール4とコンクリートと水とを混合し練り混
ぜたものを流し込み(同図イ)、次いで骨材である砂・
砂利と水とコンクリートと練り混ぜた普通コンクリート
を流し込み(同図ロ)、その後押圧しつつ凝結・硬化さ
せ、上面をコテ仕上げして養生させたものである。この
実施例によれば、軽量化および対圧縮性を確保できると
共に、上層の高強度のコンクリート層によって、例えば
柱の如く1点に負荷が集中するような重量構造体を十分
に支えることができる。なお、下層の発泡スチロール混
入コンクリート層2は通常地中に埋設されるが、埋設し
ない場合には劣化防止のため外面仕上用普通コンクリー
トを上塗りすることが好ましい。
【0035】(実施例2) 図2は本発明の第2の実施
例であり、発泡スチロール混入コンクリート層2を中央
に、また発泡スチロール非混入コンクリート層3を周囲
に配置して、一体形成した角柱状の境界用杭である。
【0036】この杭の製造については、杭の外形を形成
する中空型枠内へ一回り小径中空の内型枠を挿入した
後、これら型枠間に先ず普通コンクリートを流し込み凝
結・硬化させ、その後内型枠を取り除き、発泡スチロー
ル混入コンクリートを流し込んで行う(図示せず)。但
し、かかる方法に限定されるものではなく適宜変更可能
である。この実施例によれば、適度な強度を確保しつつ
極めて軽量な境界用杭を得ることができ、運搬及び作業
の利便が図られる。
【0037】(実施例3) 図3は本発明の第3の実施
例であり、発泡スチロール混入コンクリート層2と、発
泡スチロール非混入コンクリート層3とを交互4層に配
置して一体形成された、軽量コンクリート1の支柱とし
たものである。なお、その製造は上記実施例1と同様の
方法の他、図10に示すように発泡スチロール混入コン
クリートと発泡スチロール非混入コンクリートとを、同
時に流し込んで行うことも可能である。
【0038】(実施例4) 図4は本発明の第4の実施
例であり、発泡スチロール塊5を300ミリ長の円柱に
形成し、これを普通コンクリートに埋設させて一体形成
し、400ミリ長の軽量コンクリート1の柱としたもの
である。
【0039】(実施例5) 図5は、現場打ちにより形
成する(図イ)および工場で製造する(図ロ)本発明の
第5の実施例であり、角柱状の発泡スチロール塊5を芯
材とした軽量コンクリート1の柱であって、補助材Yと
して鉄筋がさらに埋設されている。
【0040】(実施例6) 図6は本発明の第6の実施
例であり、柱状の発泡スチロール塊5を芯材とした軽量
コンクリート1のブロックを複数個用いて形成した階段
である。それぞれの軽量コンクリート1のブロック内に
は、発泡スチロール塊5が複数個使用されている。この
実施例によれば、各ブロックが適度の強度を有しつつ極
めて軽量であることから、運搬や施工の便宜が向上す
る。
【0041】(実施例7) 図7は本発明の第7の実施
例であり、L型擁壁ブロックの壁部を、発泡スチロール
4を混入した請求項2の発明を用いて形成し、その基部
(底部)を、角柱状の発泡スチロール塊5を芯材として
埋設した請求項3の発明を用いて形成したものである。
【0042】(実施例8) 図8は本発明の第8の実施
例であり、U字側溝ブロックの側壁部と低部のそれぞれ
に角柱状(板状)の発泡スチロール塊5(芯材)を埋め
込み、さらに補助材(鉄筋)Yを配設して一体形成した
ものである。
【0043】(実施例9) 図11は本発明の第9の実
施例であり、発泡スチロール混入コンクリート層2と発
泡スチロール非混入コンクリート層3とを交互4層に配
置して一体形成した(図イ)、および発泡スチロール非
混入コンクリート層3を中央に、また発泡スチロール混
入コンクリート層3を周囲に配置して一体形成した(図
ロ)軽量コンクリート1の支柱の外面に、板状剛性部材
6としての鉄板をボルト・ナットZにより固着したもの
である。
【0044】なお同図ロは、現場で断面半円状の鉄板6
を2つ組み合わせて中空円柱形の成形型枠として組み付
けておき、これに練り混ぜた軽量コンクリートを流し込
んだものである。鉄板6相互の連結部には、コンクリー
ト流出止めのゴム材Pを配設した遊び空隙が設けてあ
り、コンクリートの硬化に従ってボルト・ナットZを締
め付けて完成させる。この実施例によれば、軽量な支柱
によって他の重量構造体を十分に支持することができ、
橋脚やビルの支柱として活用できる。
【0045】
【発明の効果】請求項1に係る軽量コンクリートにあっ
ては、発泡スチロール混入コンクリート層と発泡スチロ
ール非混入コンクリート層とを一体形成したことから、
コンクリート全体としてきわめて軽量であり、さらに圧
縮強さをも確保することができる。
【0046】そして、上記2層形成によって、発泡スチ
ロール混入コンクリート層のみから成るコンクリートで
は対応できない曲げ圧力や捻り圧力,剪断力に対して、
十分に対応することができる。
【0047】さらに、断熱作用を発揮せしめ、計量及び
水セメント比の管理を容易にし、中性化性能や水密性、
凍結融解抵抗性が向上する。また、製造に際し軽量化の
程度を極めて容易に変更することができ、製造コストは
大幅に低下する。
【0048】請求項2に係る軽量コンクリートにあって
は、発泡スチロール混入コンクリート層が、前記発泡ス
チロール非混入コンクリート層に挟まれて一体成形され
て成ることから、上記効果に加えて、コンクリートの強
度、特には外面の強度が普通コンクリートと同様に確保
される。そして、両層の交互形成により、均一な発泡ス
チロール混入コンクリート層の形成作業が極めて容易と
なる。
【0049】請求項3に係る軽量コンクリートにあって
は、発泡スチロール塊が芯材として埋設されていること
から、コンクリート強度を確保しつつ、その全体におい
て一層軽量とすることができる。
【0050】請求項4に係る軽量コンクリートにあって
は、軽量コンクリートの外面に板状剛性部材を固着した
ことから、コンクリートの外面が普通コンクリート以上
の強度に補強されるのみならず、その全体においても軽
量性と耐圧縮強度の他さらに剛性が確保される。また、
板状剛性部材が発泡スチロール混入コンクリート層を被
覆するため劣化が防止される。
【0051】その他、本発明の軽量コンクリートはあら
ゆる用途に対応可能であり、また本発明に係る軽量コン
クリートにより製造された製品についての運搬,施工,
その他の取り扱いが極めて簡単となるという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軽量コンクリートの第1の実施例
を示し、(イ)はその斜視図、(ロ)はA−A線断面図であ
る。
【図2】本発明に係る軽量コンクリートの第2の実施例
を示し、(イ)はその斜視図、(ロ)はA−A線断面図であ
る。
【図3】本発明に係る軽量コンクリートの第3の実施例
を示し、(イ)はその斜視図、(ロ)は縦断面図である。
【図4】本発明に係る軽量コンクリートの第4の実施例
を示し、(イ)はその斜視図、(ロ)はA−A線断面図であ
る。
【図5】本発明に係る軽量コンクリートに補助材(鉄
筋)を使用した第5の実施例を示し、(イ)は現場形成の
場合の斜視図、(ロ)は工場形成の場合の斜視図である。
【図6】本発明に係る軽量コンクリートの第6の実施例
を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る軽量コンクリートの第7の実施例
を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る軽量コンクリートの第8の実施例
を示す部分斜視図である。
【図9】本発明に係る軽量コンクリートの製造工程の実
施例を概念的に示す断面図である。
【図10】本発明に係る軽量コンクリートの他の製造工
程の実施例を概念的に示す断面図である。
【図11】本発明に係る軽量コンクリートの第9の実施
例を示す斜視図である。
【符号の説明】 1 軽量コンクリート 2 発泡スチロール混入コンクリート層 3 発泡スチロール非混入コンクリート層 4 発泡スチロール 5 発泡スチロール塊 6 板状剛性部材 Y 補助材(鉄筋) Z 締結具 P パッキン材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡スチロールを骨材として混入した発
    泡スチロール混入コンクリート層と、発泡スチロールが
    骨材として混入されていない発泡スチロール非混入コン
    クリート層とにより一体成形されて成ることを特徴とす
    る軽量コンクリート。
  2. 【請求項2】 前記発泡スチロール混入コンクリート層
    が、前記発泡スチロール非混入コンクリート層に挟まれ
    て成ることを特徴とする請求項1記載の軽量コンクリー
    ト。
  3. 【請求項3】 発泡スチロール塊が芯材として埋設され
    ていることを特徴とする軽量コンクリート。
  4. 【請求項4】 板状剛性部材が外面に固着されて成るこ
    とを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3記
    載の軽量コンクリート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008502565A (ja) * 2004-06-15 2008-01-31 コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー 無水注型セメント状混合物の耐凍結融解性の改善

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