JPH10100704A - 4輪駆動車の動力伝達装置 - Google Patents

4輪駆動車の動力伝達装置

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JPH10100704A
JPH10100704A JP25339896A JP25339896A JPH10100704A JP H10100704 A JPH10100704 A JP H10100704A JP 25339896 A JP25339896 A JP 25339896A JP 25339896 A JP25339896 A JP 25339896A JP H10100704 A JPH10100704 A JP H10100704A
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JP
Japan
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gear
axle
differential
diameter cylindrical
ring gear
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JP25339896A
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English (en)
Inventor
Norihide Urabayashi
教秀 浦林
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4輪駆動車の動力伝達装置におけるリングギ
ヤケーシング大径部側開口端の支持剛性不足による変形
を防止して、内側のセンタデフ、車輪間デフ各歯車群部
の歯当りの変化等不具合を防止する。 【解決手段】 一端側小径の筒体部が車軸を中心として
回転可能な状態に支持されているとともに他端側が大径
の筒体部に形成され、該大径の筒体部外周にファイナル
リングギヤが設けられ、かつその内側にセンターデフお
よび車輪間デフが配設されてなるリングギヤケーシング
と、上記車軸上に上記リングギヤケーシングと並設され
たトランスファギヤ等所定の回転部材とを有してなる4
輪駆動車において、従来支持部のなかった上記リングギ
ヤケーシング大径の筒体部の開口端側を上記トランスフ
ァギヤ等所定の回転部材に対してベアリングおよびベア
リングカバーを介して相対回転可能に支持させ、それに
よって同リングギヤケーシング大径の筒体部側の支持剛
性をアップした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、4輪駆動車の動
力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】4輪駆動車の中には、例えばエンジンの
出力軸が車体の左右方向に延びるように配置した横置き
エンジンタイプのものがある。この種の4輪駆動車にお
いては、トランスミッションにトランスファを付加し、
それによって前輪と後輪にエンジンの駆動力を伝達する
ように構成されている。
【0003】このような4輪駆動車では、常時又は必要
に応じて前後左右の4つの車輪を同時に駆動させるよう
にしているが、常時駆動するものにおいては、一般にセ
ンターデフおよび車輪間デフが設けられるために必然的
に構成部品が多くなる。しかし、前記駆動系(即ち、ト
ランスミッションおよびトランスファ)における軸方向
並びに半径方向の寸法は、できるだけ小さく抑えてコン
パクト化を図ることが望ましい。そこで、そのために従
来から各種の工夫がなされている。
【0004】そのひとつとして、例えば所定形状の外部
ケーシング内に、トランスミッションおよびトランスフ
ァを並設状態で配置するとともに、前記トランスミッシ
ョンにおける出力軸の駆動ギヤ(出力ギヤ)と噛合する
ファイナルリングギヤ(入力ギヤ)が設けられるケーシ
ング部材を小径部と大径部を有する異径の筒体によって
形成し、該ケーシング部材の一端側小径部をニードルベ
アリングを介してデフケースに対して回転可能に支持す
る一方、同ケーシング部材の他端側大径部の外周にファ
イナルリングギヤを設け、且つ、その内側にセンタデフ
と車輪間デフ(フロントおよびリア)とを近接状態で並
設配置することにより、軸方向および半径方向の寸法を
短縮するとともにデフ装置等の組付性を向上させたもの
が提案されている(例えば、特開昭63−68425号
公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公知例
のものでは、上述のようにケーシング部材の一端側小径
部をデフケースに対してニードルベアリングを介して回
転自在に支持することにより、一方の車軸を中心として
回転可能としているのみであるため、前記ケーシング部
材大径部側のファイナルリングギヤに対し、前記トラン
スミッション側駆動ギヤとの噛合に伴い、大きく減速さ
れ、増幅された駆動トルクが入力されることによって求
心方向の大きな力が作用する。そうすると、支持部のな
いケーシング部材大径部側端部が撓み又は倒れ変形する
現象が生ずる。
【0006】上記のような現象が生じると、前記ケーシ
ング部材内に配置されたセンタデフおよび車輪間デフを
構成する歯車群(例えば、遊星歯車群)に悪影響を及ぼ
すこととなり、例えば歯当りの変化や噛み合い異常によ
る焼き付き、摩耗、異音発生等の不具合が生じるおそれ
がある。
【0007】本願発明は、このような点に鑑みてなされ
たもので、コンパクト化を害することなく、前記ケーシ
ング部材大径部側筒体端部の支持剛性を高めることによ
り、前記のようなセンタデフおよび車輪間デフ各種歯車
群への悪影響を可及的に防止するようにした4輪駆動車
の動力伝達装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明の
構成では、上記課題を解決するための手段として、横置
きエンジンに対して直列に接続配置されるとともに出力
軸が車幅方向に延びるトランスミッションと、該トラン
スミッションの上記出力軸に設けられた出力ギヤと、上
記トランスミッションの出力軸に対して並列に配置さ
れ、左右輪に連結された車軸と、該車軸上に並設された
センターデフおよび車輪間デフと、一端側が小径の筒体
部に形成される一方、他端側が大径の筒体部に形成さ
れ、他端側大径の筒体部が上記センターデフおよび車輪
間デフを覆う状態で一端側小径の筒体部を上記車軸に外
嵌させてなるケーシング部材と、該ケーシング部材の上
記他端側大径の筒体部の外周に設けられ、上記トランス
ミッション側の出力ギヤと噛み合うファイナルリングギ
ヤとを備え、これら各部を外部ケーシング内に収納して
なる4輪駆動車の動力伝達装置において、上記ケーシン
グ部材の他端側大径の筒体部を上記車軸上に設けられた
所定の回転部材に対して相対回転可能に支持させたこと
を特徴としている。
【0009】該構成によると、ファイナルリングギヤを
有するケーシング部材他端側の大径の筒体部外端側が、
車軸上に確実に支持された状態で設けられている所定の
回転部材により相対回転可能に支持される。したがっ
て、上記ファイナルリングギヤに対してトランスミッシ
ョン側出力ギヤから、大きく減速され、増幅された駆動
トルクが入力されても、ケーシング部材の他端側大径の
筒体部外端は安定した支持剛性を有して回転可能な状態
に保持されるようになり、従来のような撓み又は倒れ変
形を生じるようなことがなくなる。
【0010】また、本願の請求項2の発明の構成では、
上記請求項1の発明の構成において、上記ケーシング部
材他端側の大径の筒体部側と所定の回転部材との間に、
それら両部材とは別体の中間支持部材が介設されてい
る。したがって、該構成によると、当該中間支持部材を
介して上記の作用が確実に実現される。
【0011】また、本願請求項3の発明の構成では、上
記請求項2の発明の構成において、その中間支持部材
が、上記ケーシング部材他端側大径の筒体部の開口端側
に設けられ、上記所定の回転部材との間でベアリングを
抱持するベアリングカバーにより構成されている。
【0012】したがって、該構成によると、結局ファイ
ナルリングギヤを有するケーシング部材他端側の大径の
筒体部開口端側が、上記ベアリングカバーおよびベアリ
ングを介して上記所定の回転部材により相対回転可能に
確実に支持されることになる。その結果、上記ファイナ
ルリングギヤに対してトランスミッション側出力ギヤか
ら、大きく減速され、増幅された駆動トルクが入力され
ても、ケーシング部材他端側大径の筒体部の開口端は十
分な支持剛性を有して回転可能な状態に安定して保持さ
れ、従来のような撓み又は倒れ変形を生じるようなこと
がなくなる。
【0013】さらに、本願の請求項4の発明の構成で
は、上記請求項1,2又は3の発明の構成において、そ
れぞれ上記所定の回転部材が、上記センターデフおよび
車輪間デフが並設された車軸とは別の他の車軸に対して
上記トランスミッション側からの駆動力を伝達するトラ
ンスファギヤにより構成されている。
【0014】トランスファギヤは、車軸上に安定して軸
支されており、支持剛性が高い。しかも同ギヤは、駆動
側であるため、被駆動側のケーシング部材とは駆動反力
が逆に作用し、逆方向に変形するように動く。従って、
上記ケーシング部材他端側大径の筒体部の開口端側を該
トランスファギヤに対して相対回転可能に支持させる
と、上記ケーシング部材他端側大径の筒体部の変形、倒
れを、より確実にかつ安定した状態で阻止することがで
きるようになり、さらにレイアウト、組付も容易とな
る。
【0015】
【発明の効果】以上の結果、本願各発明の4輪駆動車の
動力伝達装置によると、次のような有益な効果を得るこ
とができる。
【0016】(1) 請求項1の発明のように構成する
ことにより、センタデフ、車輪間デフの歯当りの変化を
可及的に低減することができる。
【0017】(2) 請求項2および3の発明のよう
に、支持部材をケーシング部材および所定の回転部材と
別体に構成することにより、各デフ部のギヤの組付の容
易さを確保しながら、しかもケーシング部材の支持剛性
を高めることができる。
【0018】(3) 請求項4の発明のように構成する
ことにより、トランスファギヤ等駆動反力が逆方向に作
用する回転部材に支持されるから、ケーシング部材の変
位、変形が可及的に小さくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
願発明の実施の形態について詳述する。
【0020】図1は、同実施の形態にかかる4輪駆動車
の全体構成を、図2は同4輪駆動車の動力伝達装置部の
構成を、図3および図4は同動力伝達装置の要部の構成
を、それぞれ示している。
【0021】(4輪駆動車の全体構成)先ず図1におい
て、符号1は車体、2は該車体1の前部にクランク軸2
aが車体の左右方向に延びるようにして横置きに搭載さ
れた直列4気筒エンジン、3は該エンジン2の左側に同
じく横置き状態で搭載されたトランスミッションであ
る。上記トランスミッション3は、外部ケーシング4
(後述するトランスファ24のケーシングと一体に構成
されている)内に配設されており、前記エンジン2のク
ランク軸2aに直列に接続配置され、クラッチ装置5を
介して断続される入力軸6と、該入力軸6に平行に配設
された出力軸7とを備え、この入出力軸6,7間でのギ
ヤの伝動経路を切り換えることにより動力伝達時のギヤ
比を切り換えるようになされている。
【0022】前記トランスミッション3の車体後方側に
は、駆動軸として作用する左右に分割されたフロントア
クスル軸(車軸)8,8と、さらに、その車体後方側に
位置するトランスファ出力軸9とがそれぞれトランスミ
ッション3の前記入出力軸6,7と平行に配設され、前
記左右のフロントアクスル軸8,8は、それぞれジョイ
ント10,10・・および左右のドライブ軸11,11
を介して左右前輪12,12に連結されている。
【0023】また、前記トランスファ出力軸9の右端部
は、ベベルギヤ機構13を介して車体前後方向に延びる
プロペラシャフト14の前端に連結され、該プロペラシ
ャフト14の後端は、左右に分割されたリヤアクスル軸
15,15上のリヤデフ16に連結されている。該リヤ
デフ16は、プロペラシャフト14にベベルギヤ機構1
7を介して連結されたデフケース18と、該デフケース
18に支持された一対のピニオン19,19と、該各ピ
ニオン19,19に噛合し且つ左右のリヤアクスル軸1
5,15の内端に固定された一対のサイドギヤ20,2
0とからなり、左右のリヤアクスル軸15,15の外端
は、ジョイント21,21・・および左右のドライブ軸
22,22を介して左右の後輪23,23に連結されて
いる。
【0024】前記左右のフロントアクスル軸8,8上に
は、トランスファ24を構成するセンタデフ25および
フロントデフ26が並設されている。前記センタデフ2
5は、前後輪12,23に動力を分配するものとされ、
前記フロントデフ26は前輪12,12に動力を分配す
る車輪間デフとして作用する。
【0025】ついで、図2の拡大断面図を参照して、前
記トランスファ24の具体的構造について詳述する。
【0026】前記左右のアクスル軸8,8上には、前記
フロントデフ26のデフケース27が回転自在に外嵌合
されている。該デフケース27は、中空球状の本体27
aの左右側部に円筒状のスリーブ部27b,27bを一
体に設けてなっており、前記本体27a内には、左右の
アクスル軸8,8にそれぞれ結合された一対のサイドギ
ヤ28,28と、該各サイドギヤ28,28に噛合し且
つ前記アクスル軸8,8と直角に配置されたピニオン軸
29aにより前記本体27aに回転自在に支持された一
対のピニオン29,29とが嵌装されている。
【0027】前記センタデフ25は、前記デフケース2
7の左側スリーブ部27b上に回転自在に外嵌合されて
おり、サンギヤ30とリングギヤ31とを、ピニオンキ
ャリア32によって担持される2系統のピニオン33,
34を介して噛合連結せしめたダブルピニオン型の遊星
歯車機構からなっている。
【0028】前記リングギヤ31は、前記フロントデフ
26の全体を覆うようにその開放端側が左側方向に延び
る一端が小径の筒体部で他端が大径の筒体部となった漏
斗形状のリングギヤケーシング(ケーシング部材)35
の前記サンギヤ30と対応する左端部(大径の筒体部側
端部)の内周面に形成される一方、該リングギヤケーシ
ング35の前記サンギヤ30に対応する左端部(大径の
筒体部側端部)の外周面には、前記トランスミッション
3における出力軸7の出力ギヤ36と噛合するファイナ
ルリングギヤ(入力ギヤ)37が形成されている。ま
た、前記リングギヤケーシング35における右側小径の
筒体部側端部の筒状枢支部35aは、前記フロントデフ
26におけるデフケース27の右側スリーブ部27b上
に回転自在に外嵌され、アクスル軸8,8と同一軸心状
態で回転可能となっている。さらに、前記ピニオンキャ
リア32は、前記フロントデフ26のデフケース27に
一体回転可能に結合されている。
【0029】つまり、トランスミッション3における出
力軸7の出力ギヤ36と噛合するファイナルリングギヤ
(入力ギヤ)37が外周側に形成されたリングギヤケー
シング35の大径の筒体部内には、センタデフ25とフ
ロントデフ26とが同軸上に近接状態で並設配置されて
いる。このように構成することにより、上記トランスフ
ァ24における軸方向および半径方向寸法をできるだけ
短くすることが可能となる。
【0030】また、前記センタデフ25の左側(即ち、
フロントデフ26の反対側)のフロントアクスル軸8上
には、前記サンギヤ30と軸方向に距離を置いて一体化
され、かつサンギヤ30よりも径を大きくして形成され
た、後輪23,23へ動力を伝達するトランスファギヤ
38が配置されている。そして、前記サンギヤ30およ
びトランスファギヤ38は、前記フロントデフ26にお
けるデフケース27のスリーブ部27bに対して一体回
転可能に設けられており、前記トランスファギヤ38
は、前記トランスファ出力軸9の左端部に一体回転可能
に設けられた伝達ギヤ39に噛合されている。
【0031】前記トランスファギヤ38の本体部、換言
すると上記サンギヤ30とトランスファギヤ38とを一
体化しているギヤ筒体部中間には、それら各ギヤ30,
38の径の中間程度の径のベアリング嵌合部38aが形
成されており、該ベアリング嵌合部38aに対してボー
ルベアリング52が嵌合されている。一方、上記リング
ギヤケーシング35の上記大径の筒体部の開口端側部に
は、図3および図4に示すようなリングギヤケーシング
35およびトランスファギヤ38とは別体のベアリング
カバー48が取付縁部48bを利用してボルト49,4
9・・・により締結固定されており、その開口部内縁側
のベアリング保持縁部48aにより上記ベアリング嵌合
部38aとの間でボールベアリング52を抱持してい
る。この結果、上記リングギヤケーシング35大径筒体
部の開口端側は、上記ベアリングカバー48およびボー
ルベアリング52を介して、組付の容易さを確保しなが
ら、上記トランスファギヤ38の筒体部中間のベアリン
グ嵌合部38aにより確実に相対回転可能な状態で支持
されることになる。
【0032】さらに、前記トランスファギヤ38の左側
方(即ち、センタデフ25とは反対側)のフロントアク
スル軸8上には、内筒40aと外筒40bとで形成され
る密閉空間内にシリコンオイル等を封入してなるビスカ
スカップリング40が配置されている。該ビスカスカッ
プリング40の内筒40aは、前記フロントデフ26に
おけるデフケース27のスリーブ部27bに一体回転可
能にスプライン結合される一方、外筒40bは、前記ト
ランスファギヤ38に一体回転可能にスプライン結合さ
れている。そして、このビスカスカップリング40とト
ランスファギヤ38との間のデフケース27上には、ト
ランスファギヤ38の左方向(即ち、ビスカスカップリ
ング40側へ向かう方向)へのスラスト力を受けるスラ
ストベアリング41が配置されており、前記ビスカスカ
ップリング40によりフロントデフ26のデフケース2
7とトランスファギヤ38との相対回転(換言すれば、
前後輪12,24の相対回転)を規制するようになって
いる。
【0033】なお、前記フロントデフ26におけるデフ
ケース27の右側スリーブ部27b上には、スライド移
動するスリーブ42により、前記右側のフロントアクス
ル軸8上にまで延びたリングギヤケーシング35の枢支
部35aとフロントデフ26のデフケース27とを回転
一体に連結してセンタデフ25の作動を停止させる機械
式のデフロック機構43が配設されており、該デフロッ
ク機構43をロック位置に切り換えることにより前後輪
直結の4輪駆動状態が得られることとなっている。
【0034】また、前記トランスファ出力軸9は、中実
状の左側軸9aおよび中空円筒状の右側軸9bに軸方向
に2分割され、その分割部分には、分割された両軸9
a,9bを断続して、エンジン2の駆動力を前輪12,
12のみあるいは前後輪12,12,23,23に切り
換えて伝達するための2/4輪駆動切換機構44が設け
られている。この2/4輪駆動切換機構44は、車輪の
牽引時にビスカスカップリング40の作用で、吊り上げ
られている側の車輪が回転することを防止することもで
きる。なお、図中、符号45,46はフロントアクスル
軸8,8をトランスファケーシング4に回転可能に軸支
するためのベアリングである。
【0035】上記構成において、エンジン2の出力は、
トランスミッション3の出力軸7の出力ギヤ36に噛合
するファイナルリングギヤ37を有するリングギヤケー
シング35を介してセンタデフ25を構成するリングギ
ヤ31に伝達され、該センタデフ25において前輪12
側および後輪23側に分配される。
【0036】そして、この前輪12側への出力は、セン
タデフ25を構成するピニオンキャリア32からフロン
トデフ26、フロントアクスル軸8,8および左右のド
ライブ軸11,11を介して前輪12,12に伝達され
る。
【0037】一方、後輪23側への出力にあっては、セ
ンタデフ25のサンギヤ30からトランスファギヤ3
8、伝達ギヤ39、トランスファ出力軸9、ベベルギヤ
機構17、プロペラシャフト14、リヤデフ16、リヤ
アクスル軸15,15および左右のドライブ軸22,2
2等を介して後輪23,23に伝達される。
【0038】また、前後輪12,23との間で回転差が
生じて、前輪12,12に連結されているフロントデフ
26のデフケース27と、後輪23,23に連結されて
いるトランスファギヤ38とが相対回転しようとして
も、前記デフケース27とトランスファギヤ38との間
に介在されているビスカスカップリング40により規制
され、前後輪12,23に対して適正な駆動力が伝達さ
れることとなっている。
【0039】以上のように、本実施の形態における4輪
駆動車の動力伝達装置の構成では、一端側小径の筒体部
がデフケース27に対して枢支され、アクスル軸8を中
心として回転可能な状態に支持されているとともに他端
側大径の筒体部外端が開口され、該開口端寄りの外周に
ファイナルリングギヤ37が設けられ、かつ内側にセン
ターデフ25および車輪間デフを形成するフロントデフ
26が配設されてなるリングギヤケーシング35と、該
リングギヤケーシング35と同一軸心上に並設された所
定の回転部材であるトランスファギヤ38とを有してな
る4輪駆動車において、上記ファイナルリングギヤ37
を有するリングギヤケーシング35の大径の筒体部開口
端側を上記所定の回転部材であるトランスファギヤ38
の筒体部(ベアリング嵌合部38a)に対してそれら両
部材とは別体の中間支持部材であるベアリングカバー4
8およびボールベアリング52を介して相対回転可能に
支持させたことを特徴としている。
【0040】該構成によると、ファイナルリングギヤ3
7を有するリングギヤケーシング35の大径の筒体部開
口端側が当該リングギヤケーシング35と同一軸心上に
並設されているトランスファギヤ38の筒体部(ベアリ
ング嵌合部38a)によりベアリングカバー48および
ボールベアリング52を介して相対回転可能に支持され
る。したがって、上記ファイナルリングギヤ37に対し
てトランスミッション側出力ギヤ36から、大きく減速
され、増幅された駆動トルクが入力されても、リングギ
ヤケーシング35の大径の筒体部の開口端側は十分な支
持剛性を有して相対回転可能な状態に安定して保持さ
れ、従来のような撓み又は倒れ変形を生じるようなこと
がなくなる。
【0041】さらに、上記のようにしてリングギヤケー
シング35の大径の筒体部の開口端側を支持するトラン
スファギヤ38は、アクスル軸8に確実に軸支されてお
り、それ自体極めて支持剛性が高い。しかも、同ギヤ3
8は駆動側であるため、被駆動側のリングギヤケーシン
グ35とは駆動反力が逆に作用し、逆方向に変形するよ
うに動く。従って、上記リングギヤケーシング35の上
記大径の筒体部側開口端側を該トランスファギヤ38の
筒体部に対して相対回転可能に支持させると、相互の駆
動反力を相殺しながら上記リングギヤケーシング35の
変形、倒れをより確実にかつ安定した状態で阻止するこ
とができるようになり、さらに上記中間支持部材である
ベアリングカバー48やボールベアリング52は、リン
グギヤケーシング35およびトランスファギヤ38とは
別体のものであるから、レイアウト、組付なども容易と
なる。
【0042】以上の結果、同装置によると、次のような
有益な効果を得ることができる。
【0043】(1) リングギヤケーシング35の変形
がなくなり、センタデフ、車輪間デフ部の歯車の歯当り
の変化を低減することができる。
【0044】(2) 中間支持部材であるベアリングカ
バー48およびボールベアリング52が、リングギヤケ
ーシング35およびトランスファギヤ38とは別体に構
成されているので、各デフ部のギヤの組付の容易さを確
保しながら、しかも十分にリングギヤケーシング35の
支持剛性を高めることができる。
【0045】(3) 被駆動側のリングギヤケーシング
35とは駆動反力が逆方向に作用し、逆方向に変形する
駆動側トランスファギヤ38に支持されるから、リング
ギヤケーシング35の変位、変形が可及的に小さくな
る。
【0046】なお、以上の構成において、レイアウトに
よっては、上記所定の回転部材をトランスファギヤ38
に代えてビスカスカップリング40を利用することも可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態にかかる4輪駆動車の動
力伝達装置の伝達系全体の構成を示す模式平面図であ
る。
【図2】同4輪駆動車の動力伝達装置の要部の構成を示
す拡大断面図である。
【図3】同要部の構成部品の一例を示す正面図である。
【図4】同構成部品の斜視図である。
【符号の説明】
2はエンジン、2aはクランク軸、3はトランスミッシ
ョン、5はクラッチ装置、6は入力軸、7は出力軸、8
はフロントアクスル軸、9はトランスファ出力軸、11
はドライブ軸、13はベベルギヤ機構、18はデフケー
ス、19はピニオン、20はサイドギヤ、24はトラン
スファ、25はセンタデフ、26はフロントデフ、27
はデフケース、30はサンギヤ、31はリングギヤ、3
5はリングギヤケーシング、36は出力ギヤ、37はフ
ァイナルリングギヤ、38はトランスファギヤ、38a
はベアリング嵌合部、39は伝達ギヤ、40はビスカス
カップリング、48はベアリングカバー、48aはベア
リング保持縁部、52はボールベアリングである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横置きエンジンに対して直列に接続配置
    されるとともに出力軸が車幅方向に延びるトランスミッ
    ションと、該トランスミッションの上記出力軸に設けら
    れた出力ギヤと、上記トランスミッションの出力軸に対
    して並列に配置され、左右輪に連結された車軸と、該車
    軸上に並設されたセンターデフおよび車輪間デフと、一
    端側が小径の筒体部に形成される一方、他端側が大径の
    筒体部に形成され、他端側大径の筒体部が上記センター
    デフおよび車輪間デフを覆う状態で一端側小径の筒体部
    を上記車軸に外嵌させてなるケーシング部材と、該ケー
    シング部材の上記他端側大径の筒体部の外周に設けら
    れ、上記トランスミッション側の出力ギヤと噛み合うフ
    ァイナルリングギヤとを備え、これら各部を外部ケーシ
    ング内に収納してなる4輪駆動車の動力伝達装置におい
    て、上記ケーシング部材の他端側大径の筒体部を上記車
    軸上に設けられた所定の回転部材に対して相対回転可能
    に支持させたことを特徴とする4輪駆動車の動力伝達装
    置。
  2. 【請求項2】 ケーシング部材の他端側大径の筒体部と
    所定の回転部材との間には、それら両部材と別体の中間
    支持部材が介設されていることを特徴とする請求項1記
    載の4輪駆動車の動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 上記中間支持部材は、ケーシング部材他
    端側大径の筒体部の開口端側に設けられ、所定の回転部
    材との間でベアリングを抱持したベアリングカバーであ
    ることを特徴とする請求項2記載の4輪駆動車の動力伝
    達装置。
  4. 【請求項4】 所定の回転部材は、上記車軸とは別の他
    の車軸側に駆動力を伝達するトランスファギヤであるこ
    とを特徴とする請求項1,2又は3記載の4輪駆動車の
    動力伝達装置。
JP25339896A 1996-09-25 1996-09-25 4輪駆動車の動力伝達装置 Pending JPH10100704A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017052349A (ja) * 2015-09-08 2017-03-16 マツダ株式会社 トランスファ装置
CN110594313A (zh) * 2019-09-23 2019-12-20 浙江铃丰科技有限公司 一种新型离合器总成

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017052349A (ja) * 2015-09-08 2017-03-16 マツダ株式会社 トランスファ装置
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