JPH10100129A - プレストレス高強度コンクリート節付パイルの成形型 - Google Patents

プレストレス高強度コンクリート節付パイルの成形型

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JPH10100129A
JPH10100129A JP26048096A JP26048096A JPH10100129A JP H10100129 A JPH10100129 A JP H10100129A JP 26048096 A JP26048096 A JP 26048096A JP 26048096 A JP26048096 A JP 26048096A JP H10100129 A JPH10100129 A JP H10100129A
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mold
pile
tension
force
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JP26048096A
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Sadao Ebata
貞夫 江端
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Kawaden Co Ltd
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Kawaden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレストレス高強度コンクリート節付パイル
から2つ割り構造の型枠を容易に脱型させるようにす
る。 【解決手段】 軸線方向に延びる複数本のPC鋼棒1b
を埋設してなるプレストレス高強度コンクリート節付パ
イル1の成形型2は、2つ割り円筒構造をなす型枠3
と、型枠3内に配したPC鋼棒1bに緊張力を付与する
緊張力付与部材4とを具備する。型枠3の外周部には、
軸線方向長さを型枠3に比して所定量長くした複数本の
コンプレッションバー5が、軸線方向に相対変位自在に
支持されている。PC鋼棒1bに緊張力を付与させたと
きにおいて、緊張力付与部材4に作用する反力は、コン
プレッションバー5のみにより受けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、軸線方向に延びる複数本
のPC鋼棒をこれに適度の緊張を付与した状態で埋設し
てなるプレストレス高強度コンクリート節付パイルの成
形型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プレストレス高強度コンクリート節付パ
イル1は、図8に示す如く、外周部に断面台形状をなし
て膨出する環状の節1aを有する円筒状のものであっ
て、軸線方向に延びる複数本のPC鋼棒1b…をこれに
適度の緊張力(引張力)を付与させた状態で埋設してな
るものである。なお、パイル1の端面には、PC鋼棒1
b…の端部を固着した環状板形状の端部金物(通称「ハ
カマ」)1cが圧着されている。
【0003】かかる節付パイル1は一般に遠心成形法に
よって成形されるが、これに使用される成形型20とし
ては、図5〜図7に示す如く、円筒状の型枠3とその各
軸線方向端部に配置された一対の緊張力付与部材4(一
方のみ図示)とからなるものが周知である。型枠3は、
環状且つ断面台形状をなす複数の節成形部3a…を軸線
方向に一定間隔を隔てて膨出形成すると共に各軸線方向
端部に円板状の端部フランジ3bを突出形成した円筒体
であり、直径面X−Xにおいて2分割されている。すな
わち、型枠3は、半円筒状の上下型枠部分31,32に
分割された2つ割り円筒構造をなすものであって、上下
型枠部分31,32の周方向各端部に突出形成した締結
フランジ31a,32aを締結することによって一体化
されるようになっている。各緊張付与部材4は、型枠3
内に軸線方向移動自在に内嵌される円板状の支筋体6
と、支筋体6に突設された緊張ボルト7と、緊張ボルト
7が貫通する円板状の支圧体8と、緊張ボルト7に螺合
される緊張ナット9とからなる。
【0004】而して、パイル1は、このような成形型
(以下「従来型」という)20を使用して、遠心成形法
により次のようにして製造される。
【0005】すなわち、複数本のPC鋼棒1b…を、そ
の両端近傍部を一対の端部金物(一方のみ図示)1cに
固着することによって円筒駕籠状に一体化させた上で、
下型枠部分32内に配置し、更にPC鋼棒1b…の端部
を固定ナット1d…により支筋体6に取り付けた上で、
下型枠部分32内にコンクリート1´を所定量注入し、
その後、上下型枠部分31,32を締結して型枠3を組
み立てる(図5(A))。
【0006】次に、一方の緊張ナット9を締め付けるこ
とにより、PC鋼棒1b…に緊張力(引張力)を付与さ
せた上で、型枠3を遠心成形機により回転させて、コン
クリート1´に遠心力を付与させることにより、コンク
リート1´を節付円筒状に成形し、更に蒸気で加温,養
生させて凝固促進させることによって、パイル1を得る
(図4(B))。
【0007】そして、養生完了後は、緊張ナット9を緩
めてPC鋼棒1b…への緊張力付与を解除させた上、上
型枠部分31を吊りビーム等により吊り上げて脱型する
(図6(B)参照)。すなわち、上型枠部分31を、図
9に示す如く、吊りビーム11に設けた複数の吊具12
…に係合連結させた上(A図)、吊りビーム11を上昇
させて上型枠部分31の前後方向における全部分を同時
に同一量持ち上げることによって、つまり水平に持ち上
げることによって、パイル1及び下型枠部分31から相
対的に離脱させる(B図)。さらに、パイル1及び下型
枠部分32から各緊張力付与部材4を取り外した上、下
型枠部分32を脱型させる。すなわち、下型枠部分32
を、図10に示す如く、適宜の傾転装置(図示せず)に
より、パイル1と共に軸線回りで所定量傾転させて(A
図,B図)、つまり下型枠部分32の前後方向における
全部分を同時に同一量傾転させて、パイル1を下型枠部
分32から転がり出させることによって、パイル1から
相対的に離脱させる(C図)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなパ
イル1の製造にあっては、次のような理由から脱型が極
めて困難であり、製造効率の低下を余儀なくされてい
た。
【0009】すなわち、緊張ナット9の締め付けによる
PC鋼棒1b…への緊張力付与は、支圧体8を端部フラ
ンジ3bに衝合係止させることによって行なわれるた
め、PC鋼棒1b…への緊張力付与による反力は緊張力
付与部材4を介して型枠3が受け止めることになる。つ
まり、型枠3は当該反力による軸線方向の圧縮力を受け
ることになる。このため、PC鋼棒1b…に緊張力を付
与させることによって、図5に示す如く、軸線方向にお
いて、PC鋼棒1b…が伸長(弾性変形)される一方
で、その反力を受けて型枠3が縮小(弾性変形)される
ことになる。
【0010】このため、養生後において、緊張ナット9
を緩めてPC鋼棒1b…への緊張力付与を解除させる
と、図5(B)に鎖線図示する如く、型枠3は伸長し
て、元の状態に弾性復帰する。一方、パイル1には型枠
3が受け持っていたPC鋼棒1b…による圧縮力が作用
することになるため、型枠3とは逆に、パイル1は縮小
されることになる。したがって、両者1a,3aは、見
掛け上、軸線方向に相対変位することになる。すなわ
ち、図7に示す如く、型枠3の各節成形部3aが、型枠
3の伸長に伴って端部フランジ方向Aに所定量L1 変位
する(一点鎖線参照)と共に、パイル1の各節1aが、
パイル1の縮小に伴って逆方向(型枠3の中央部方向)
Bに所定量L2 変位する(二点鎖線)ことになり、両者
1a,3a間には、節1aにおける端部フランジ側の側
面1a1 と節成形部3aにおける端部フランジ側の側面
3a1 とが離間する方向(軸線方向)に大きく相対変位
することになる。かかる相対変位は、図7に示す如く、
パイル1ないし型枠3の軸線方向中心部Y−Yを基準と
して前後対称的に生じる。なお、以下においては、両者
1a,3bの軸線方向における相対変位を「節部分相対
変位」といい、その変位量L(=L1 +L2 )を「節部
分相対変位量」という。また、節1a及び節成形部3a
における端部フランジ側の側面1a1 ,3a1 を「第1
側面」といい、その反対側の側面1a2 ,3a2 を「第
2側面」という。
【0011】しかし、実際には、節1aと節成形部3a
とは係合されていて、両者1,3の相対変位は阻止され
ていることから、かかる節部分相対変位は、軸線方向に
おける節1aと節成形部3aとの係合力の増大として置
換されることになり、節1aの第2側面1a2 と節成形
部3aの第2側面3a2 との接触部Cにおける相互押圧
力が極めて大きくなる。
【0012】また、型枠3は半円筒状の上下型枠部分3
1,32に2分割されたものであり、上型枠部分31
(又は下型枠部分32)の周方向両端部31b,31b
がパイル1の直径面X−X上に位置しているから、型枠
部分31,32を脱型させるに必要な力(以下「脱型
力」という)は脱型初期段階で最も大きくなる。すなわ
ち、例えば上型枠部分31については、図6(B)に示
す如く、上型枠部分31の周方向両端部31b,31b
が直径面X−X上から僅かでも変位すると、つまり両
端部31b,31bのパイル中心に対する交角θが18
0°未満となると、両端部31b,31bとパイル1と
が強く接触している状態においても、パイル1の円形周
面が抜き勾配として機能することになるから、両端部3
1b,31bのパイル1への押圧力が脱型助長力(分
力)を生じて、脱型力を低減する。しかし、脱型初期段
階では、同図(A)に示す如く、両端部31b,31b
が直径面X−X上に位置しているため、パイル1の円
形周面が抜き勾配として機能しない。したがって、両端
部31b,31bのパイル1への押圧力は脱型阻止力
(摩擦力)を生じるも、脱型助長力はこれを生じず、脱
型初期段階において必要な脱型力(つまり両端部31
b,31b を直径面X−X上から変位させるに必要な
脱型方向の作用力であって、以下「初期脱型力」とい
う)は極めて大きくなる。かかる点は、下型枠部分32
を脱型させる場合において同様である。なお、型枠3を
3分割以上とすると、各型枠部分の周方向両端部の交角
θが180°未満(例えば、3分割では120°とな
る)となるから、上記した如く、パイルの円形周面が抜
き勾配として機能することになり、初期脱型力も小さく
なる。しかし、型枠3を3分割以上とすることは、構造
上,作業上の問題(型強度が低下したり、作業が煩雑と
なる等の問題)が生じることから、到底実用できない。
【0013】そして、前述した如くパイル1の節1aと
型枠部分31,32の節成形部3aとの接触部(第2側
面1a2 ,3a2 の接触部)Cにおける相互押圧力が緊
張力付与解除によって増大されることから、型枠部分3
1,32の各節成形部3aに必要とされる初期脱型力
(以下「節部分初期脱型力」という)は、節成形部3a
以外の各部分に必要とされる初期脱型力(以下「非節部
分初期脱型力」という)に比して極めて大きくなる。
【0014】したがって、極めて長尺であり且つより大
きな初期脱型力(節部分初期脱型力)が必要とされる節
成形部数が多い型枠部分31,32全体については、こ
れに必要とされる初期脱型力(以下「全初期脱型力」と
いう)が極めて大きくなり、このことが、パイル1の自
重のみを利用して行なう下型枠部分32の脱型について
は勿論、パイル1及び下型部分32の自重を利用して行
なう上型枠部分31の脱型についても、脱型を困難なも
のとしている原因である。
【0015】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、節部分初期脱型力を可及的に低減させることに
より全初期脱型力の大幅な低減を図り得て、2つ割り構
造の型枠を容易に脱型させることができ、もってパイル
の製造効率を大幅に向上させることができるプレストレ
ス高強度コンクリート節付パイルの成形型を提供するこ
とを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸線方向に延
びる複数本のPC鋼棒を埋設してなるプレストレス高強
度コンクリート節付パイルの成形型であって、2つ割り
円筒構造をなす型枠と型枠内に配したPC鋼棒に緊張力
を付与する緊張力付与部材とを具備する成形型におい
て、上記の目的を達成すべく、特に、型枠の外周部に、
軸線方向長さを型枠に比して所定量長くした複数本のコ
ンプレッションバーを、軸線方向に相対変位自在に支持
させて、PC鋼棒に緊張力を付与させたときにおいて緊
張力付与部材に作用する反力をコンプレッションバーの
みにより受けるように構成しておくことを提案するもの
である。
【0017】かかる構成によれば、PC鋼棒に緊張力を
付与させたときの反力を型枠ではなくコンプレッション
バーによって受けることから、緊張力付与部材によるP
C鋼棒への緊張力付与を解除させた場合にも、型枠は軸
線方向に何ら変形することがない。このため、緊張力付
与の解除前に対する型枠の節成形部とパイルの節との係
合力はパイルの縮小のみによって増大されるにすぎず、
かかる係合力がパイルの縮小と型枠の伸長とによって相
乗的に増大する従来型20に比して、非節部分初期脱型
力は変わらないものの、節部分初期脱型力が大幅に低減
されることになる。このように、非節部分初期脱型力に
比してより大きな節部分初期脱型力が低減されることか
ら、上型枠部分又は下型枠部分に必要とされる全初期脱
型力は、従来型20を使用した場合に比して、大幅に低
減されることになる。したがって、上型枠部分又は下型
枠部分の脱型を、効率良く容易に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図4に基づいて具体的に説明する。
【0019】この実施の形態は、図8に示すプレストレ
ス高強度コンクリート節付パイル1を遠心成形法により
成形するための成形型2に本発明を適用した例に係るも
のであって、本発明に係る成形型2は、図1に示す如
く、2つ割り円筒構造をなす型枠3と、型枠3内に配し
た複数本のPC鋼棒1b…に適度の緊張力を付与する緊
張力付与部材4と、型枠3の外周部に支持させた複数本
のコンプレッションバー5…とからなる。
【0020】型枠3は、図1〜図3に示す如く、外周部
に、環状且つ断面台形状をなす複数の節成形部3a…を
軸線方向に一定間隔を隔てて膨出形成すると共に、節成
形部3aが存在しない部位に配して該節成形部3aより
やや大径とした複数の転動輪3c…(一のみ図示)を固
着し、各軸線方向端部に円板状の端部フランジ3bを突
出形成してなる円筒構造のもので、各節成形部3a,端
部フランジ3b,転動輪3cも含めて、直径面X−Xに
おいて半円筒状の上下型枠部分31,32に2分割され
ている。上下型枠部分31,32は、その周方向端部に
突設した矩形帯状の締結フランジ31a,32aを分割
面X−X上で衝合させた状態でボルト・ナット等の固定
具(図示せず)により締結することによって、円筒状の
型枠3に組み立てうるようになっている。
【0021】緊張力付与部材4は、図1及び図2に示す
如く、型枠3内に軸線方向摺動自在に嵌挿されうる支筋
体6と、支筋体6の中心部に突設された緊張ボルト7
と、中心部に緊張ボルト7が挿通する貫通孔8aを穿設
した支圧体8と、緊張ボルト7に螺合された緊張ナット
9とを具備してなる。支筋体6は、周方向に一定間隔を
隔てて複数の貫通孔6a…を穿設した円板状のもので、
PC鋼棒1b…の端部を挿通支持しうるようになってい
る。支圧体8は、型枠3の端部フランジ3bと略同一径
をなす円板状のもので、緊張ボルト7を操作することに
より、端部フランジ3bに対向した状態で、支筋体6に
対して軸線方向に相対移動せしめられるようになってい
る。なお、緊張力付与部材4は型枠3の両側に配置され
るものであるが、それらは軸線方向において対称形状を
なすものであるから、その一方については図示を省略す
る。
【0022】各コンプレッションバー5は、図1〜図3
に示す如く、型枠3の全長より所定量長尺とされた丸棒
体であり、型枠3の外周部に軸線方向移動自在に支持さ
れている。この例では、各コンプレッションバー5は、
端部フランジ3b及び転動輪部3cに穿設した貫通孔3
´b,3´cに、型枠3の軸線に平行し且つ節成形部3
aの外周面に近接する状態で挿通支持されている。な
お、コンプレッションバー5の長さは、それが後述する
如く緊張力付与部材4による緊張力付与に伴って圧縮変
形されたときにおいて、型枠3の長さと同一若しくはや
や長くなるように設定されている。つまり、緊張力付与
部材4によりPC鋼棒1b…に緊張力を付与させたとき
において、支圧体8がコンプレッションバー5…に圧接
するも端部フランジ3bには圧接しないように、設定さ
れている。また、コンプレッションバー5…は、型枠3
の周方向に等間隔を隔てて配置されていて、PC鋼棒1
b…への緊張力付与による反力を各コンプレッションバ
ー5が均等に受け止めるように工夫してある。
【0023】以上のように構成された成形型2によるパ
イル製造は、次のようにして行なわれる。
【0024】まず、複数本のPC鋼棒1b…を、従来型
20による場合と同様に、その両端近傍部を一対の端部
金物(一方のみ図示)1cに固着することによって円筒
駕籠状に一体化させた上で、下型枠部分32内に配置す
ると共に、PC鋼棒1b…の端部を固定ナット1d…に
より支筋体6に取り付ける。さらに、下型枠部分32内
にコンクリート1´を所定量注入した上、上型枠部分3
1を被せて、両型枠部分31,32の締結により型枠3
を組み立てる。また、各緊張力付与部材4を、緊張ボル
ト7に支圧体8を挿通支持させると共に緊張ナット9を
螺着させることによって、組み立てる(図5(A))。
このとき、各支圧体8には、コンプレッションバー5…
が当接されている。
【0025】そして、一方の緊張ナット9を締め付ける
ことにより、PC鋼棒1b…に緊張力(引張力)を付与
させる(図2(B)参照)。
【0026】このとき、PC鋼棒1b…への緊張力付与
による反力は、緊張力付与部材4を介してコンプレッシ
ョンバー5…が受けることになり、型枠3には何ら影響
を及ぼさない。すなわち、緊張ナット9を締め付けるこ
とによって、図2に示す如く、PC鋼棒1bがだけ伸長
(弾性変形)され、その反力を受けるコンプレッション
バー5…が縮小(弾性変形)されることになる。したが
って、各コンプレッションバー5の長さを、少なくとも
反力による縮小量に相当する量だけ型枠3の長さより長
くしておくことにより、支圧体8は端部フランジ3bに
圧接せず、型枠3つまり上下型枠部分31,32は何ら
変形しない(図2参照)。
【0027】次に、型枠3を、その転動輪3c…を介し
て支持させた遠心成形機(図示せず)により回転させ
て、コンクリート1´に遠心力を付与させることによ
り、コンクリート1´を節付円筒状に成形する。しかる
後、成形されたコンクリート1´を蒸気で加温,養生さ
せて凝固促進させることによって、パイル1を得る(図
1参照)。
【0028】そして、養生が完了すると、緊張ナット9
を緩めて、PC鋼棒1b…への緊張力付与を解除する。
【0029】このとき、図1に鎖線で示す如く、コンプ
レッション5…が元の状態に伸長復帰されると共に、パ
イル1が圧縮変形する。一方、型枠3は、上記した如く
緊張力付与による反力を全く受けないことから、緊張力
付与及びその解除に拘わらず、何ら変形しない。したが
って、パイル1と型枠3との間における軸線方向の相対
変位は、パイル1の縮小によってのみ生じる。すなわ
ち、パイル1の節1aと型枠3aとの軸線方向における
相対変位量つまり節部分相対変位量L´は、図4に鎖線
で示す如く、パイル1の縮小(節1aの第1側面1a1
が節成形部3aの第1側面3a1 から遠ざかる方向Bへ
の圧縮変形)によって生じる節1aの変位量L2 に等し
く、従来型20における節部分相対変位量L(=L1
2 )に比して、極めて小さくなる。その結果、節1a
の第2側面1a2 と節成形部3aの第2側面3a2 との
接触部Cにおける相互押圧力は、従来型20による場合
に比して、大幅に低減されることになる。
【0030】その結果、上型枠部分31の周方向両端部
31b,31b及び下型枠部分32の周方向両端部32
b,32bのパイル1への押圧力は、節1aが存在しな
い箇所では従来型20と同様であるが、節1aが存在す
る箇所(節成形部3aの箇所)においては従来型20よ
り大幅に低減されることになる。すなわち、従来型20
による場合に比して、各非節形成箇所における初期脱型
力(非節部分初期脱型力)は変わりないが、各節形成箇
所における初期脱型力(節部分初期脱型力)が大幅に低
減され、型枠部分31,32全体に必要とされる初期脱
型力(全初期脱型力)が極めて小さくなる。
【0031】したがって、パイル1及び下型部分32の
自重を利用して行なう上型枠部分31の脱型については
勿論、パイル1の自重のみを利用して行なう下型枠部分
32の脱型についても、これらを容易に行うことができ
る。すなわち、上型枠部分31については、これを吊り
ビーム等の揚重機により吊り上げて、パイル1からその
軸線に直交する方向に離脱させることによって、容易に
脱型することができる。また、下型枠部分32について
は、パイル1及び下型枠部分32から各緊張力付与部材
4を取り外した上で、軸線回りで所定量傾転させてパイ
ル1を転動排出させることにより、容易に脱型させるこ
とができる。
【0032】このように、本発明に係る成形型2によれ
ば、従来型20による場合に比して、各型枠部分31,
32の脱型作業を効率良く容易に行うことができ、ひい
てはパイルの製造効率を大幅に向上させることができる
のである。
【0033】なお、本発明に係る成形型1の構成は上記
した例に限定されるものではなく、本発明の基本原理を
逸脱しない範囲において、適宜に改良,変更することが
できる。例えば、各緊張付与部材4の構成は任意であ
り、一方の緊張付与部材4については、支筋体6と支圧
体8とを軸線方向に相対変位不能に連結しておくことも
可能である。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明のプレストレス高強度コンクリート節付パイ
ルの成形型によれば、PC鋼棒群に緊張力を付与させた
ときの反力を型枠ではなくコンプレッションバーによっ
て受け止めるようにしたから、従来型に比して、緊張力
の付与を解除させたときにおけるパイルの節と型枠の節
成形部との相互押圧力の増大に起因する脱型力の増大を
可及的に防止し得て、上下型部分を極めて容易に脱型さ
せることができ、もってパイルの製造効率を大幅に向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレストレス高強度コンクリート
節付パイルの成形型の一例を示す縦断側面図である。
【図2】パイルの成形工程を示す同要部の縦断側面図で
ある。
【図3】図1のIII−III線に沿う縦断正面図である。
【図4】図1の要部を拡大して示す作用説明図である。
【図5】従来型を示す要部の縦断側面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う縦断正面図である。
【図7】図5の要部を拡大して示す作用説明図である。
【図8】プレストレス高強度コンクリート節付パイルを
示す要部の縦断側面図である。
【図9】上型枠部分の脱型工程を示す側面図である。
【図10】下型枠部分の脱型工程を示す縦断正面図であ
る。
【符号の説明】
1…パイル、1a…節、1b…PC鋼棒、2…成形型、
3…型枠、3a…節成形部、3b…端部フランジ、4…
緊張力付与部材、5…コンプレッションバー、6…支筋
体、7…緊張ボルト、8…支圧体、9…緊張ナット、3
…上型枠部分、31a…締結フランジ、31b…周
方向端部、32 …下型枠部分、32a…締結フラン
ジ、32b…周方向端部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線方向に延びる複数本のPC鋼棒を埋
    設してなるプレストレス高強度コンクリート節付パイル
    の成形型であって、2つ割り円筒構造をなす型枠と型枠
    内に配したPC鋼棒に緊張力を付与する緊張力付与部材
    とを具備する成形型において、型枠の外周部に、軸線方
    向長さを型枠に比して所定量長くした複数本のコンプレ
    ッションバーを、軸線方向に相対変位自在に支持させ
    て、PC鋼棒に緊張力を付与させたときにおいて緊張力
    付与部材に作用する反力をコンプレッションバーのみに
    より受けるように構成したことを特徴とするプレストレ
    ス高強度コンクリート節付パイルの成形型。
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