JPH0996780A - 投射型立体画像表示システム - Google Patents

投射型立体画像表示システム

Info

Publication number
JPH0996780A
JPH0996780A JP7256223A JP25622395A JPH0996780A JP H0996780 A JPH0996780 A JP H0996780A JP 7256223 A JP7256223 A JP 7256223A JP 25622395 A JP25622395 A JP 25622395A JP H0996780 A JPH0996780 A JP H0996780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
polarization
polarized light
image
eye
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7256223A
Other languages
English (en)
Inventor
Kuniharu Takizawa
國治 滝沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Hoso Kyokai NHK, Japan Broadcasting Corp filed Critical Nippon Hoso Kyokai NHK
Priority to JP7256223A priority Critical patent/JPH0996780A/ja
Publication of JPH0996780A publication Critical patent/JPH0996780A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 右眼用投射画像の光軸と、左眼用投射画像の
光軸とを1つにして、1台の投射型ディスプレイで偏光
眼鏡を掛けた観察者に良好な立体画像を見せる。 【解決手段】 1/4波長板21P、21Sと、透明電
極、2次元アレー状電極、この2次元アレー状電極に接
続されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着し
て挿入された光変調層とを少なくとも有しスイッチに電
気信号を加えて透明電極を透過して光変調層に入射する
光を変調し空間光変調素子22P、22Sとを備えたP
偏光変調光学部10およびS偏光変調光学部11を有
し、可視光をP偏光とS偏光の2つに分離して、これら
P偏光変調光学部10から出射されるS偏光変調光(右
眼用画像の光)、S偏光変調光学部11から出射される
P偏光変調光(左眼用画像の光)を取り込んで、投射光
学部9によって右眼・左眼用画像をスクリーン2上に投
射し、偏光眼鏡3を掛けた観察者に立体画像を見せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光眼鏡を掛けた
観察者にモノクロ、フルカラーなどの立体画像を見せる
投射型立体画像表示システムに関する。
【0002】[発明の概要}本発明は、同一物体を左右
の眼で見たときに生じる両眼視差のある左眼用画像およ
び右眼用画像を、互いに直交する直線偏光もしくは回転
方向の異なる円偏光で投射表示し、これらの光画像を互
いに直交する直線偏光だけを透過する偏光眼鏡、あるい
は回転方向の異なる円偏光だけを透過する偏光眼鏡を通
して立体画像を見る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式
の投射型立体画像表示システムに関する発明である。
【0003】
【従来の技術】従来、眼鏡付き・投射型画像表示システ
ムとしては、文献1(J. M. Haggerty, S. Reinsch, W.
P. Bleha, R. D. Sterling :“Stereoscopic large s
creendisplays using liquid crystal light valve pro
jectors”SPIE Vol.1255, pp.114-122 (1990))に示す
装置が知られている。
【0004】図41はこの文献1に記載されている投射
型立体画像表示システムの概要を示す構成図である。
【0005】この図に示す投射型立体画像表示システム
501は、右眼用画像拡大投射ディスプレイ502と、
左眼用画像拡大投射ディスプレイ503と、右眼用1/
2波長板504と、左眼用1/2波長板505と、スク
リーン506と、偏光眼鏡507とを備えており、右眼
用画像拡大投射ディスプレイ502から出射された右眼
用画像を右眼用1/2波長板504により偏光させてス
クリーン506上に投射するとともに、左眼用画像拡大
投射ディスプレイ503から出射された左眼用画像を左
眼用1/2波長板505により偏光させてスクリーン5
06上に投射する。偏光眼鏡507を掛けた人の右眼に
はスクリーン506上に投射されている右眼用画像が偏
光眼鏡507の右眼用レンズ508を介して導かれると
ともに、左眼にはスクリーン506上に投射されている
左眼用画像が偏光眼鏡507の左眼用レンズ509を介
して導かれる。これによって、この者は立体画像を見る
ことができる。
【0006】右眼用画像拡大投射ディスプレイ502
は、図42に示す如く右眼用画像を表示するブラウン管
510と、このブラウン管510から出射される右眼用
画像を一面側から取り込むとともに、他面側に読み出し
光が入射されたとき、右眼用画像を読み出して他面側か
ら出射する空間光変調素子511と、読み出し光を発生
する放電灯512と、この放電灯512から出射される
読み出し光中の赤外光を透過して可視光を反射する2つ
のコールドミラー513、514と、これらのコールド
ミラー513、514によって赤外光が除去された光か
ら紫外光を除去して、可視光のみを透過させる紫外光カ
ットフィルタ515と、この紫外光カットフィルタ51
5を透過した可視光に含まれている特定の偏光方向のみ
を持った光を透過させる偏光ビームスプリッタ516と
を備えている。
【0007】さらに、右眼用画像拡大投射ディスプレイ
502は、偏光ビームスプリッタ516を透過した特定
の偏光方向のみを持った光(S偏波のみの光)を反射し
て空間光変調素子511の他面側に入射させるととも
に、この他面側から出射される位相変調された右眼用画
像(P偏波のみの光)を透過させる偏光ミラー517
と、この偏光ミラー517によって反射された特定の偏
光方向のみを持った光のうち、特定の波長範囲内の光の
みを透過させて空間光変調素子511の他面に入射させ
るとともに、この他面から出射される位相変調された右
眼用画像のうち、特定の波長範囲内の光のみを透過させ
て偏光ミラー517に入射させるカラーフィルタ518
と、偏光ミラー517を透過した右眼用画像(P偏波の
みの光)を取り込み、これを右眼用1/2波長板504
を介して、スクリーン506上に投射する投射レンズ5
19とを備えている。
【0008】空間光変調素子511は、図43に示す如
くファイバープレート基板520と、第1透明電極52
1と、光導電層522と、光吸収層523と、誘電体多
層膜ミラー524と、第1配向層525と、ネマチック
液晶層526と、第2配向層527と、第2透明電極5
28と、石英基板529とを順次、密着積層して形成し
た素子であり、交流電源530によって第1透明電極5
21と、第2透明電極528との間に交流電圧が印加さ
れた状態で、ファイバープレート基板520側に光情報
を含む書込み光を入射させることにより、光導電層52
2の抵抗値を変化させてシール層531、532で密封
されたネマチック液晶層526に2次元的に光情報を書
込む。また、石英基板529側に入射される読み出し光
によってネマチック液晶層526に書き込まれている光
情報(表示光)を読み出し、これを右眼用画像として出
射する。
【0009】この際、ネマチック液晶層526は、図4
4に示す如く第1透明電極521と第2透明電極528
との間に電圧を印加していないとき、液晶分子533の
長軸方向はXY面内にあり、かつ誘電体多層膜ミラー5
24の面の法線と、液晶分子533の長軸とのなす角度
θが約2度のホメオトロピック配向となり、この状態か
ら、第1透明電極521と第2透明電極528との間に
電圧を印加していくと、液晶分子533の誘電率異方性
が負であれば、印加する電圧によって生じる電界の増加
に伴って、角度θが増大し、液晶分子533の長軸が誘
電体多層膜ミラー524の面に沿うように配列する。
【0010】そして、XZ面でかつX軸から45度の角
度に直線偏光した読み出し光がネマチック液晶層526
に入射したとき、液晶分子533の単軸方向の屈折率n
o だけに影響される直線偏光と、液晶分子533の長軸
方向の屈折率ne とno の両者に影響される直線偏光と
に分離されて、ネマチック液晶層526内を伝搬するこ
とから、第1透明電極521と第2透明電極528との
間に印加される電圧の大きさに応じて前記2つの直線偏
波光の間に生じる位相差(retardation )が変化する。
【0011】また、右眼用1/2波長板504は、右眼
用画像拡大投射ディスプレイ502から出射される右眼
用画像を受けて、この右眼用画像の偏光面を一方方向に
1/2だけ回転させながら、透過させて、スクリーン5
06上に投射する。
【0012】また、左眼用画像拡大投射ディスプレイ5
03は右眼用画像拡大投射ディスプレイ502と同様に
構成されており、ブラウン管510によって左眼用画像
を生成してこれを空間光変調素子511の一面側に入射
させながら、放電灯512、2枚のコールドミラー51
3、514、紫外光カットフィルタ515および偏光ビ
ームスプリッタ516によって特定の偏光方向を持った
可視光を生成し、これを偏光ミラー517およびカラー
フィルタ518によって特定の偏光方向および特定の波
長を持った光にし、これを読み出し光として空間光変調
素子511の他面側に入射させるとともに、カラーフィ
ルタ518、偏光ミラー517および投射レンズ519
によって空間光変調素子511の他面側から出射される
位相変調された左眼用画像(P偏波のみの光)を受け
て、これを左眼用1/2波長板505を介し、スクリー
ン506上に投射させる。
【0013】左眼用1/2波長板505は右眼用1/2
波長板504と同様に、左眼用画像拡大投射ディスプレ
イ503から出射される左眼用画像を受けて、この左眼
用画像の偏光面を他方方向に1/2だけ回転させながら
透過させて、スクリーン506上に投射する。
【0014】スクリーン506は右眼用1/2波長板5
04を介して投射された右眼用画像と、左眼用1/2波
長板505を介して投射された、右眼用画像の偏光方向
と直交する偏光方向を持つ右眼用画像とを偏波方向を保
持しながら反射して、偏光眼鏡507の右眼用レンズ5
08、左眼用レンズ509に導く。
【0015】偏光眼鏡507はスクリーン506上に表
示されている右眼用画像の偏光方向と同じ偏光方向の光
を透過させる右眼用レンズ508と、スクリーン506
上に表示されている左眼用画像の偏光方向と同じ偏光方
向の光を透過させる左眼用レンズ509とを備えてお
り、右眼用レンズ508によってスクリーン506で反
射された右眼用画像を透過させてこの偏光眼鏡507を
掛けている観察者の右眼に導くとともに、左眼用レンズ
509によってスクリーン506で反射された左眼用画
像を透過させて観察者の左眼に導き、この観察者に立体
画像を見せる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の投射型立体画像表示システム501において
は、次に述べるような課題があった。
【0017】<第1の課題>まず、立体画像を表示する
際、右眼用画像拡大投射ディスプレイ502および右眼
用1/2波長板504と、左眼用画像拡大投射ディスプ
レイ503および左眼用1/2波長板505とを必要と
するため、投射型立体画像表示システム501全体が大
がかりになり、コスト高になってしまうという問題があ
った。
【0018】特に、フルカラーの画像を表示するために
は、コールドミラー513、514と偏光ビームスプリ
ッタ516との間に、色分離光学系を挿入して、白色光
を赤色光、緑色光、青色光の3原色を分離し、そのうち
の一色を使用するようにした右眼用赤色画像拡大投射デ
ィスプレイ、右眼用緑色画像拡大投射ディスプレイ、右
眼用青色画像拡大投射ディスプレイと、左眼用赤色画像
拡大投射ディスプレイ、左眼用緑色画像拡大投射ディス
プレイ、左眼用青色画像拡大投射ディスプレイとを必要
とするため、投射型立体画像表示システム全体のコスト
が飛躍的に高くなってしまうという問題があった。
【0019】<第2の課題>また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、スクリーン506に対し
て、右眼用画像拡大投射ディスプレイ502と、左眼用
画像拡大投射ディスプレイ503とを正対して並べて配
置することができないため、図45に示す如くこれら右
眼用画像拡大投射ディスプレイ502、左眼用画像拡大
投射ディスプレイ503内にある空間光変調素子511
の光軸534がスクリーン506の面に垂直にならな
い。このために、スクリーン506の周辺部分で、投射
レンズ519の結像面535とスクリーン506の面と
が大きく離れてしまって、投射レンズ519から出射さ
れる右眼用画像(または、左眼用画像)の光がスクリー
ン面の前方や後方で結像して、周辺部分の解像度が低下
してしまうという問題があった。なお、この図45で
は、説明を簡単にするために、偏光ミラー517、カラ
ーフィルタ518、ブラウン管510、偏光ミラー51
7に入射する読み出し光などを省略してある。
【0020】<第3の課題>また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、右眼用画像拡大投射ディス
プレイ502および左眼用画像拡大投射ディスプレイ5
03を設置して、スクリーン506上で右眼用画像と、
左眼用画像とを重ね合わせるとき、これら右眼用画像、
左眼用画像の重なり位置(レジストレーション)を調整
しなければならず、設置時の作業が煩雑になってしまう
という問題があった。
【0021】<第4の課題>また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、スクリーン506上に投射
されている投射画像を拡大または縮小するとき、右眼用
画像拡大投射ディスプレイ502の投射光学系と、左眼
用画像拡大投射ディスプレイ503の投射光学系とを同
時に調整しなければならないため、スクリーン506上
に投射されている投射画像を拡大または縮小できるよう
にするには、右眼用画像拡大投射ディスプレイ502の
投射レンズ519と、左眼用画像拡大投射ディスプレイ
503の投射レンズ519とを連動させる機構を設けな
ければならないという問題があった。
【0022】<第5の課題>また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、スクリーン506上に投射
されている投射画像を高精細な画像にするとき、右眼用
画像拡大投射ディスプレイ502の投射光学系の拡大・
縮小率や各種の収差などの光学特性と、左眼用画像拡大
投射ディスプレイ503の投射光学系の拡大・縮小率や
各種の収差などの光学特性とをできるだけ揃えなければ
ならないという問題があった。
【0023】<第6の課題>また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、スクリーン506の手前側
に、右眼用画像拡大投射ディスプレイ502および右眼
用1/2波長板504と、左眼用画像拡大投射ディスプ
レイ503および左眼用1/2波長板505とを並べて
配置して、スクリーン506上に右眼用画像と、左眼用
画像とを投射しなければならないため、これら右眼用画
像拡大投射ディスプレイ502に設けられている空間光
変調素子511の出射面(他面)および左眼用画像拡大
投射ディスプレイ503に設けられている空間光変調素
子511の出射面(他面)と、スクリーン506の面と
が並行にならなず、スクリーン506上に投射される右
眼用画像(または、左眼用画像)の右辺長さと、左辺長
さとが異なるという台形歪みが発生してしまうという問
題があった。
【0024】また、このように、スクリーン506の手
前側に、右眼用画像拡大投射ディスプレイ502および
右眼用1/2波長板504と、左眼用画像拡大投射ディ
スプレイ503および左眼用1/2波長板505とを並
べて配置して、スクリーン506上に右眼用画像と、左
眼用画像とを投射しているため、右眼用画像拡大投射デ
ィスプレイ502および左眼用画像拡大投射ディスプレ
イ503の配置により、スクリーン506上に投射され
ている右眼用画像の台形歪みと、左眼用画像の台形歪み
とが異なってしまうことが多く、これらの台形歪みを調
整する歪み調整回路を設けなければならないという問題
がある。
【0025】<第7の課題>また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、図44に示す如く空間光変
調素子511を構成するネマチック液晶層526で、互
いに直交する2つの直線偏波光の間の位相差を変調する
ため、偏光ミラー517によってP偏波の光と、S偏波
の光とを十分に分離しないと、クロストーク(右眼用画
像に混入する左眼用画像の割合または左眼用画像に混入
する右眼用画像の割合)が発生し、このクロストークに
よって鮮明な画像が表示できないことがある。
【0026】このため、図42に示す如く右眼用画像拡
大投射ディスプレイ502や左眼用画像拡大投射ディス
プレイ503の偏光ビームスプリッタ516によって空
間光変調素子511の他面側に入射させる読み出し光の
偏光方向を調整しなければならないという問題があっ
た。
【0027】<第8の課題>また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、スクリーン506上にフル
カラー画像を投射するときには、赤色光、緑色光、青色
光にあった特性の偏光ビームスプリッタ516、偏光ミ
ラー517、カラーフィルタ518を3組、必要とする
ため、投射型立体画像表示システム501全体のコスト
が高くなってしまうとともに、各読み出し光の特性を最
適化することが難しいという問題があった。
【0028】<第9の課題>また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、第8の課題で述べた理由に
より、レジストレーション調整が難しくなる。また、右
眼用画像拡大投射ディスプレイ502および左眼用画像
拡大投射ディスプレイ503は必然的に大型になり、そ
の分だけコスト高になってしまうという問題があった。
【0029】<第10の課題>また、従来の投射型立体
画像表示システム501では、右眼用画像拡大投射ディ
スプレイ502を構成する空間光変調素子511および
左眼用画像拡大投射ディスプレイ503を構成する空間
光変調素子511の温度が変化すると、これら各空間光
変調素子511の位相差変調度合いが大きく変化してし
まうので、右眼用画像拡大投射ディスプレイ502内部
の温度変化および左眼用画像拡大投射ディスプレイ50
3内部の温度変化を常に、±10数℃以内に抑えなけれ
ばならないが、スクリーン506上に投射する画面を大
きくするほど、スクリーン506上の投射される画像が
暗くなるのを防止するために、放電灯512なども大型
化させなければならず、温度を一定に保つのが難しくな
ってしまうという問題があった。
【0030】<第11の課題>また、従来の投射型立体
画像表示システム501では、スクリーン506上に投
射する画面を大きくするほど、スクリーン506上の投
射される画像が暗くなるのを防止するために、放電灯5
12なども大型化させなければならず、これによって、
右眼用画像拡大投射ディスプレイ502の放電灯512
および左眼用画像拡大投射ディスプレイ503の放電灯
512などを点灯させたとき、内部の温度分布が一様に
なるまで時間がかかり過ぎて、即時点灯表示が難しいと
いう問題があった。
【0031】<第12の課題>また、従来の投射型立体
画像表示システム501では、右眼用画像拡大投射ディ
スプレイ502の空間光変調素子511を構成するネマ
チック層526および左眼用画像拡大投射ディスプレイ
503の空間光変調素子511を構成するネマチック層
526の厚さに応じて特性が大きく変化するため、一様
性に優れた立体画像を表示するために、前記ネマチック
層526の厚さムラを、入射光の波長の10%以下に抑
えなければならず、これによって歩留まりを向上させる
のが難しいとともに、精密な層厚制御を行なわなければ
ならないという問題があった。
【0032】<第13の課題>また、従来の投射型立体
画像表示システム501では、上述した理由により、ス
クリーン506上に表示されている右眼用画像と、左眼
用画像とを精密なものにするとき、高精度で高価な空間
光変調素子製作装置を必要とするとともに、この空間光
変調素子製作装置によって製作される空間光変調素子5
11の光変調特性の空間的なムラに応じて、各ブラウン
管510に入力される画像入力信号の大きさなどを変更
する電子回路などが必要となり、投射型立体画像表示シ
ステム501全体のコストが高くなってしまうという問
題があった。
【0033】本発明は上記の事情に鑑み、上述した第1
〜第13の課題を解決することができる投射型立体画像
表示システムを提供することを目的としている。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る投射型立体画像表示システムは、請
求項1では、可視光を発光する光源部と、P偏光を円偏
光に変換する1/4波長板と、透明電極、2次元アレー
状電極、この2次元アレー状電極に接続されたスイッチ
およびこれら2つの電極の間に密着して挿入された光変
調層とを少なくとも有し前記スイッチに電気信号を加え
て前記透明電極を透過して前記光変調層に入射する光を
変調すると共にこの変調光を前記2次元アレー状電極で
反射させ再び光変調層および透明電極を透過させて電気
信号に応じた光画像を形成する空間光変調素子と、を具
備したP偏光変調光学部と、S偏光を円偏光に変換する
1/4波長板と、透明電極、2次元アレー状電極、この
2次元アレー状電極に接続されたスイッチおよびこれら
2つの電極の間に密着して挿入された光変調層を少なく
とも有し前記スイッチに電気信号を加えて前記透明電極
を透過して前記光変調層に入射する光を変調すると共に
この変調光を前記2次元アレー状電極で反射させ再び光
変調層および透明電極を透過させて電気信号に応じた光
画像を形成する空間光変調素子と、を具備したS偏光変
調光学部と、前記可視光に含まれるP偏光とS偏光とを
分離して各別の前記1/4波長板に出射すると共に、右
眼用画像信号(または左眼用画像信号)で変調されたS
偏光と、左眼用画像信号(または右眼用画像信号)で変
調されたP偏光とを出射する偏光ビームスプリッタと、
この偏光ビームスプリッタから出射された右眼用画像信
号(または左眼用画像信号)で変調されたS偏光と左眼
用画像信号(または右眼用画像信号)で変調されたP偏
光とを同時に拡大投射するアパーチャを持つ投射光学部
と、この投射光学部から出射される右眼用画像および左
眼用画像の偏光方向を保持しつつ、反射または透過させ
るスクリーンと、このスクリーンによって反射または透
過された互いに偏光方向が異なる右眼用画像および左眼
用画像を観察者の右眼、左眼に各々導く偏光眼鏡とを少
なくとも具備することを特徴とする。
【0035】請求項2では、白色光を発光する光源部
と、この白色光からP偏光とS偏光とを分離する偏光ビ
ームスプリッタと、青色のP偏光を円偏光に変換する1
/4波長板と、透明電極、2次元アレー状電極、2次元
アレー状電極に接続されたスイッチおよびこれら2つの
電極の間に密着して挿入された光変調層を少なくとも有
し前記スイッチに電気信号を加えて前記透明電極を透過
して前記光変調層に入射する青色光を変調すると共にこ
の変調光を前記2次元アレー状電極で反射させ再び光変
調層および透明電極を透過させて電気信号に応じた光画
像を形成する空間光変調素子と、を具備した青色P偏光
変調光学部と、緑色のP偏光を円偏光に変換する1/4
波長板と、透明電極、2次元アレー状電極、2次元アレ
ー状電極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電極
の間に密着して挿入された光変調層を少なくとも有し前
記スイッチに電気信号を加えて前記透明電極を透過して
前記光変調層に入射する緑色光を変調すると共にこの変
調光を前記2次元アレー状電極で反射させ再び光変調層
および透明電極を透過させて電気信号に応じた光画像を
形成する空間光変調素子と、を具備した緑色P偏光変調
光学部と、赤色のP偏光を円偏光に変換する1/4波長
板と、透明電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状
電極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電極の間
に密着して挿入された光変調層を少なくとも有し前記ス
イッチに電気信号を加えて前記透明電極を透過して前記
光変調層に入射する赤色光を変調すると共にこの変調光
を前記2次元アレー状電極で反射させ再び光変調層およ
び透明電極を透過させて電気信号に応じた光画像を形成
する空間光変調素子と、を具備した赤色P偏光変調光学
部と、青色のS偏光を円偏光に変換する1/4波長板
と、透明電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電
極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に
密着して挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイ
ッチに電気信号を加えて、前記透明電極を透過して前記
光変調層に入射する青色光を変調すると共にこの変調光
を前記2次元アレー状電極で反射させ再び光変調層およ
び透明電極を透過させて電気信号に応じた光画像を形成
する空間光変調素子と、を具備した青色S偏光変調光学
部と、緑色のS偏光を円偏光に変換する1/4波長板
と、透明電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電
極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に
密着して挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイ
ッチに電気信号を加えて前記透明電極を透過して前記光
変調層に入射する緑色光を変調すると共にこの変調光を
前記2次元アレー状電極で反射させ再び光変調層および
透明電極を透過させて電気信号に応じた光画像を形成す
る空間光変調素子と、を具備した緑色S偏光変調光学部
と、赤色のS偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、
透明電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電極に
接続されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着
して挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイッチ
に電気信号を加えて前記透明電極を透過して前記光変調
層に入射する赤色光を変調すると共にこの変調光を前記
2次元アレー状電極で反射させ再び光変調層および透明
電極を透過させて電気信号に応じた光画像を形成する空
間光変調素子と、を具備した赤色S偏光変調光学部と、
前記偏光ビームスプリッタにより分離されたP偏光の白
色光を青色P偏光、緑色P偏光および赤色P偏光の3原
色光に分離してそれぞれ前記青色P偏光変調光学部、緑
色P偏光変調光学部および赤色P偏光変調光学部に出射
すると共に、前記青色P偏光変調光学部の空間光変調素
子および1/4波長板を介して出射される青色光と、前
記緑色P偏光変調光学部の空間光変調素子および1/4
波長板を介して出射される緑色光と、前記赤色P偏光変
調光学部の空間光変調素子および1/4波長板を介して
出射される赤色光とを合成するP偏光用色分解・合成光
学部と、前記偏光ビームスプリッタにより分離されたS
偏光の白色光を青色S偏光、緑色S偏光および赤色S偏
光の3原色光に分離してそれぞれ前記青色S偏光変調光
学部、緑色S偏光変調光学部および赤色S偏光変調光学
部に出射すると共に、前記青色S偏光変調光学部の空間
光変調素子および1/4波長板を介して出射される青色
光と、前記緑色S偏光変調光学部の空間光変調素子およ
び1/4波長板を介して出射される緑色光と、前記赤色
S偏光変調光学部の空間光変調素子および1/4波長板
を介して出射される赤色光とを合成するS偏光用色分解
・合成光学部と、前記P偏光用色分解・合成光学部およ
び前記偏光ビームスプリッタを通って出射される右眼用
画像信号(または左眼用画像信号)で変調されたフルカ
ラーまたはマルチカラーのS偏光と、前記S偏光用色分
解・合成光学部および前記偏光ビームスプリッタを通っ
て出射される左眼用画像信号(または右眼用画像信号)
で変調されたフルカラーまたはマルチカラーのP偏光と
を同時に拡大投射するアパーチャを持つ投射光学部と、
この投射光学部から出射される右眼用画像および左眼用
画像の偏光方向を保持しつつ、反射または透過させるス
クリーンと、このスクリーンによって反射または透過さ
れた互いに偏光方向が異なる右眼用画像および左眼用画
像を観察者の右眼、左眼に各々導く偏光眼鏡とを少なく
とも具備することを特徴とする。
【0036】請求項3では、白色光を発光する光源部
と、白色光を青色光、緑色光および赤色光の3原色光に
分解する色分解光学部と、この色分解光学部で分解され
た青色光をP偏光とS偏光に分離する偏光ビームスプリ
ッタと、この青色P偏光を青色円偏光に変換する1/4
波長板と、透明電極、2次元アレー状電極、2次元アレ
ー状電極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電極
の間に密着して挿入された光変調層を少なくとも有し前
記スイッチに電気信号を加えて、前記透明電極を透過し
て前記光変調層に入射する青色光を変調すると共にこの
変調光を前記2次元アレー状電極で反射させ再び光変調
層および透明電極を透過させて電気信号に応じた光画像
を形成する空間光変調素子と、を具備した青色P偏光変
調光学部と、前記偏光ビームスプリッタで分離された青
色S偏光を青色円偏光に変換する1/4波長板と、透明
電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電極に接続
されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着して
挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイッチに電
気信号を加えて前記透明電極を透過して前記光変調層に
入射する青色光を変調すると共にこの変調光を前記2次
元アレー状電極で反射させ再び光変調層および透明電極
を透過させて電気信号に応じた光画像を形成する空間光
変調素子と、を具備した青色S偏光変調光学部と、前記
色分解光学部で分解された緑色光をP偏光とS偏光に分
離する偏光ビームスプリッタと、この緑色P偏光を緑色
円偏光に変換する1/4波長板と、透明電極、2次元ア
レー状電極、2次元アレー状電極に接続されたスイッチ
およびこれら2つの電極の間に密着して挿入された光変
調層を少なくとも有し前記スイッチに電気信号を加えて
前記透明電極を透過して前記光変調層に入射する緑色光
を変調すると共に前記2次元アレー状電極で反射させ再
び光変調層および透明電極を透過させて電気信号に応じ
た光画像を形成する空間光変調素子と、を具備した緑色
P偏光変調光学部と、前記偏光ビームスプリッタで分離
された緑色S偏光を緑色円偏光に変換する1/4波長板
と、透明電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電
極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に
密着して挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイ
ッチに電気信号を加えて、前記透明電極を透過して前記
光変調層に入射する緑色光を変調すると共にこの変調光
を前記2次元アレー状電極で反射させ再び光変調層およ
び透明電極を透過させて電気信号に応じた光画像を形成
する空間光変調素子と、を具備した緑色S偏光変調光学
部と、前記色分解光学部で分解された赤色光をP偏光と
S偏光に分離する偏光ビームスプリッタと、この赤色P
偏光を赤色円偏光に変換する1/4波長板と、透明電
極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電極に接続さ
れたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着して挿
入された光変調層とを少なくとも有し前記スイッチに電
気信号を加えて前記透明電極を透過して前記光変調層に
入射する赤色光を変調すると共にこの変調光を前記2次
元アレー状電極で反射させ再び光変調層および透明電極
を透過させて電気信号に応じた光画像を形成する空間光
変調素子と、を具備した赤色P偏光変調光学部と、前記
偏光ビームスプリッタで分離された赤色S偏光を赤色円
偏光に変換する1/4波長板と、透明電極、2次元アレ
ー状電極、2次元アレー状電極に接続されたスイッチお
よびこれら2つの電極の間に密着して挿入された光変調
層とを少なくとも有し前記スイッチに電気信号を加えて
前記透明電極を透過して前記光変調層に入射する赤色光
を変調すると共にこの変調光を前記2次元アレー状電極
で反射させ再び光変調層および透明電極を透過させて電
気信号に応じた光画像を形成する空間光変調素子と、を
具備した赤色S偏光変調光学部と、前記青色P偏光変調
光学部から出射された青色S偏光と、青色S偏光変調光
学部から出射された青色P偏光と、緑色P偏光変調光学
部から出射された緑色S偏光と、緑色S偏光変調光学部
から出射された緑色P偏光と、赤色P偏光変調光学部か
ら出射された赤色S偏光と、赤色S偏光変調光学部から
出射された赤色P偏光とを合成して右眼用画像および左
眼用画像を生成する色合成光学部と、この色合成光学部
から出射された右眼用画像および左眼用画像の光を拡大
投射するアパーチャを持つ投射光学部と、この投射光学
部から出射される右眼用画像および左眼用画像の偏光方
向を保持しつつ、反射または透過させるスクリーンと、
このスクリーンによって反射または透過された互いに偏
光方向が異なる右眼用画像および左眼用画像を観察者の
右眼、左眼に各々導く偏光眼鏡とを少なくとも具備する
ことを特徴とする。
【0037】請求項4では、可視光を発光する光源部
と、この可視光に含まれるP偏光とS偏光とを分離する
偏光ビームスプリッタと、透明電極、2次元アレー状透
明電極、この2次元アレー状透明電極に接続されたスイ
ッチおよびこれら2つの電極の間に密着して挿入された
光変調層と、赤色光以外の可視光を遮断する赤色光フィ
ルタ、緑色光以外の可視光を遮断する緑色光フィルタお
よび青色光以外の可視光を遮断する青色光フィルタを少
なくとも有し、前記スイッチに右眼用画像信号を加えて
前記光変調層に入射する前記偏光ビームスプリッタを透
過したP偏光を変調して電気信号に応じた光画像を形成
するカラーフィルタ付き空間光変調素子と、前記P偏光
をS偏光に変換する1/2波長板と、透明電極、2次元
アレー状透明電極、この2次元アレー状透明電極に接続
されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着して
挿入された光変調層と、赤色光以外の可視光を遮断する
赤色光フィルタ、緑色光以外の可視光を遮断する緑色光
フィルタおよび青色光以外の可視光を遮断する青色光フ
ィルタを少なくとも有し、前記スイッチに左眼用画像信
号を加えて前記光変調層に入射する前記偏光ビームスプ
リッタで反射したS偏光を変調して電気信号に応じた光
画像を形成するカラーフィルタ付き空間光変調素子と、
前記S偏光をP偏光に変換する1/2波長板と、P偏光
を変調する前記カラーフィルタ付き空間光変調素子およ
び1/2波長板を通過したS偏光と、S偏光を変調する
前記カラーフィルタ付き空間光変調素子および1/2波
長板を通過したP偏光とを合成して右眼用画像および左
眼用画像を生成する偏光ビームスプリッタと、この色合
成光学部から出射された右眼用画像および左眼用画像の
光を同時に遮断または透過するアパーチャーを持つ投射
光学部と、この投射光学部から出射される右眼用画像お
よび左眼用画像の偏光方向を保持しつつ、反射または透
過させるスクリーンと、このスクリーンによって反射ま
たは透過された互いに偏光方向が異なる右眼用画像およ
び左眼用画像を観察者の右眼、左眼に各々導く偏光眼鏡
とを少なくとも具備することを特徴とする。
【0038】請求項5では、請求項1に記載の投射型立
体画像表示システムにおいて、前記空間光変調素子とし
て、透明電極、2次元アレー状電極、この2次元アレー
状電極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電極の
間に密着して挿入された光変調層と、赤色光以外の可視
光を遮断する赤色光フィルタ、緑色光以外の可視光を遮
断する緑色光フィルタおよび青色光以外の可視光を遮断
する青色光フィルタと、を少なくとも有し、前記スイッ
チに電気信号を加えて、前記透明電極を透過して前記光
変調層に入射する白色光を変調すると共に、この変調光
を前記2次元アレー状電極で反射させ、再び光変調層お
よび透明電極を透過させて、電気信号に応じた光画像を
形成するカラーフィルタ付き反射型空間光変調素子で構
成したことを特徴とする。
【0039】請求項6では、請求項1、2、3、4また
は5のいずれかに記載の投射型立体画像表示システムに
おいて、前記空間光変調素子は、前記光変調層としてネ
マチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液
晶、あるいはこれら液晶の混合物からなる群より選ばれ
た一種以上の液晶の常光屈折率、異常光屈折率またはこ
の液晶がランダムに配向した際の屈折率のいずれかと同
等の屈折率を持つ樹脂中にこの液晶を分散させた液晶・
樹脂複合体、またはこの液晶中にこの樹脂を分散させた
液晶・樹脂複合体を有し、かつ、この液晶・樹脂複合体
が電気信号で駆動されることを特徴とする。
【0040】請求項7では、請求項1、2、3、4、5
または6のいずれかに記載の投射型立体画像表示システ
ムにおいて、前記空間光変調素子は、MOS(Metal Ox
iside Semiconductor )トラジスタ、薄膜トランジスタ
(TFT:Thin Film Transistor)、リングダイオー
ド、逆対向ダイオードMIM(Metal Insulator Metal
)素子からなる群より選ばれた素子をスイッチとする
ことを特徴とする。
【0041】請求項8では、前記請求項1、2、3、
5、6または7のいずれかに記載の投射型立体画像表示
システムにおいて、前記空間光変調素子を構成するスイ
ッチは、前記液晶・樹脂複合体と前記2次元アレー電極
との間に配置されており、液晶・樹脂複合体を通過した
光が直接スイッチに届かないように構成されていること
を特徴とする。
【0042】請求項9では、請求項1、2、3、5、
6、7または8のいずれかに記載の投射型立体画像表示
システムにおいて、前記空間光変調素子は、前記光変調
層と前記2次元アレー電極との間に誘電体多層膜ミラー
を有することを特徴とする。
【0043】請求項10では、請求項9に記載の投射型
立体画像表示システムにおいて、前記誘電体多層膜ミラ
ーは、高い屈折率をもつ誘電体薄膜と低い屈折率をもつ
誘電体薄膜を交互に積層した構造を有し、高屈折率をも
つ誘電体薄膜の比抵抗と比誘電率をそれぞれρH および
εH とし、抵屈折率をもつ誘電体薄膜の比抵抗と比誘電
率をそれぞれρL およびεL とし、さらに前記電気信号
のフレーム周波数をfおよび真空の誘電率をε0 とする
と、以下の式(1)〜(3)を満足することを特徴とす
る。
【0044】 ρH <(2πfεH ε0 S)-1 (1) ρL <(2πfεL ε0 S)-1 (2) S>5 (3) 請求項11では、請求項1、2、3、4、5、6、7、
8、9または10のいずれかに記載の投射型立体画像表
示システムにおいて、前記1/4波長板と前記偏光ビー
ムスプリッタとを屈折率整合用液体層を介して密着させ
たことを特徴とする。
【0045】請求項12では、請求項2、3、4、5、
6、7、8、9、10または11において、前記偏光ビ
ームスプリッタと、前記P偏光用色分解・合成光学部お
よびS偏光用色分解・合成光学部または前記色分解光学
部と、前記1/4波長板と、前記空間光変調素子とを光
学素子として構成された前記各偏光変調光学部におい
て、少なくとも2つ以上の光学素子を屈折率整合用液体
層を介して密着したことを特徴とする。
【0046】請求項13では、請求項2、3、4、5、
6、7、8、9、10、11または12のいずれかに記
載の投射型立体画像表示システムにおいて、前記色分解
・合成光学部または色分解光学部は、ダイクロイックミ
ラーまたはダイクロイックリズムで構成されていること
を特徴とする。
【0047】請求項14では、請求項3、4、5、6、
7、8、9、10、11、12または13のいずれかに
記載の投射型立体画像表示システムにおいて、前記色合
成光学部は、ダイクロイックミラーまたはダイクロイッ
クプリズムで構成されていることを特徴とする。
【0048】請求項15では、請求項1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13または1
4のいずれかに記載の投射型立体画像表示システムにお
いて、前記空間光変調素子を構成する透明基板の代わり
に前記1/4波長板を用いて空間光変調素子を構成し、
空間光変調素子と1/4波長板を一体化させたことを特
徴とする投射型立体画像表示システム。
【0049】請求項16では、請求項1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14ま
たは15のいずれかに記載の投射型立体画像表示システ
ムにおいて、前記偏光ビームスプリッタ、1/4波長
板、空間光変調素子の透明基板の全ての面あるいは一部
の面には、反射防止膜が積層されていることを特徴とす
る。
【0050】請求項17では、請求項1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
15または16のいずれかに記載の投射型立体画像表示
システムにおいて、入力された右眼用画像信号を受ける
右眼用画像信号入力端子と、入力された左眼用画像信号
を受ける左眼用画像信号入力端子と、立体画像を表示す
るときには、前記右眼用画像信号入力端子に入力されて
いる右眼用画像信号を右眼用に設定されたP偏光変調光
学部またはS偏光変調光学部に供給するとともに、前記
左眼用画像信号入力端子に入力されている左眼用画像信
号を左眼用に設定されたS偏光変調光学部またはP偏光
変調光学部に供給する一方、非立体画像を表示するとき
には、前記右眼用画像信号入力端子に入力されている右
眼用画像信号または前記左眼用画像信号入力端子に入力
されている左眼用画像信号のいずれかを選択して、前記
P偏光変調光学部およびS偏光変調光学部に供給するス
イッチ群とを備えたことを特徴とする。
【0051】請求項18では、請求項1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
15、16または17のいずれかに記載の投射型立体画
像表示システムにおいて、前記偏光ビームスプリッタと
反射型スクリーンとの間に1/4波長板が設置され、こ
の波長板を通して前記P偏光およびS偏光が回転方向の
異なる円偏光にそれぞれ変換され、入射光と反射光の偏
光状態が変わらない反射型スクリーンで反射されたこの
円偏光を1/4波長板と偏光板とを持つ偏光眼鏡で見る
ことを特徴とする。
【0052】請求項19では、請求項1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
15、16、17または18のいずれかに記載の投射型
立体画像表示システムにおいて、前記アパーチャをもつ
投射光学部と前記スクリーンとの間にミラーを有し、か
つ、このスクリーンが入射光と透過光の偏光状態が変わ
らない透過型スクリーンであることを特徴とする。
【0053】
【発明の実施の形態】
<眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画像
表示システムの構成>次に、本発明に係る眼鏡付き・電
気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示システムの
実施の一形態について図面を参照して説明する。
【0054】<第1の実施の形態>図1は本発明に係る
眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表
示システムにおける実施の一形態を示している。
【0055】この図に示す投射型立体画像表示システム
1は、スクリーン2と、偏光眼鏡3と、画像拡大投射デ
ィスプレイ4とを備えており、画像拡大投射ディスプレ
イ4によってスクリーン2上に互いに直交する偏光方向
を持つ右眼用画像と左眼用画像とを表示して、偏光眼鏡
3を掛けた観察者にモノクロの立体画像を見せる。
【0056】スクリーン2は、画像拡大投射ディスプレ
イ4によって投射された右眼・左眼用画像中の右眼用画
像(S偏光画像)と、この右眼用画像の偏光方向と直交
する偏光方向を持つ左眼用画像(P偏光画像)とを偏波
方向を保持しながら反射して、偏光眼鏡3に導く。
【0057】偏光眼鏡3は、スクリーン2上に表示され
ている右眼用画像の偏光方向と同じ偏光方向の光を透過
させる右眼用偏光板(または偏光フィルム)5と、スク
リーン2上に表示されている左眼用画像の偏光方向と同
じ偏光方向の光を透過させる左眼用偏光板(または偏光
フィルム)6とを備えており、右眼用偏光板5によって
スクリーン2で反射された右眼用画像を透過させてこの
偏光眼鏡3を掛けている観察者の右眼に導くとともに、
左眼用偏光板6によってスクリーン2で反射された左眼
用画像を透過させて観察者の左眼に導き、この観察者に
モノクロの立体画像を見せる。
【0058】また、画像拡大投射ディスプレイ4は、光
源部7と、光路分離・合成部8と、投射光学部9と、P
偏光変調光学部10と、S偏光変調光学部11とを備え
ており、光源部7の可視光を光路分離・合成部8により
P偏光とS偏光とに分離して、P偏光変調光学部10と
S偏光変調光学部11とに各々入射させるとともに、こ
れらP偏光変調光学部10から出射される変調されたS
偏光(以下、これを右眼用画像の光と称する)、S偏光
変調光学部11から出射される変調されたP偏光(以
下、これを左眼用画像の光と称する)を取り込んで、1
つの右眼・左眼用画像を合成し、これを投射光学部9に
よってスクリーン2上に投射する。
【0059】光源部7は、可視光を発生する光源12
と、この光源12から出射される光に含まれている赤外
光および紫外光をそれぞれカットする赤外光カットフィ
ルタ13および紫外光カットフィルタ14と、赤外光お
よび紫外光がカットされた可視光のみを平行光にして光
路分離・合成部8に入射させるレンズ15とを備えてい
る。
【0060】光路分離・合成部8は、各入出力面に反射
防止膜がコーティングされた偏光ビームスプリッタ16
を備えており、光源部7から出射される可視光中のP偏
光を透過してP偏光変調光学部10に導くとともに、可
視光中のS偏光を反射してS偏光変調光学部11に導
く。この動作と並行してP偏光変調光学部10から出射
される右眼用画像の光と、S偏光変調光学部11から出
射される左眼用画像の光とを合成し、1つの右眼・左眼
用画像を生成して投射光学部9に入射させる。
【0061】投射光学部9は、光路分離・合成部8から
出射される右眼・左眼用画像の光を集光するレンズ17
と、このレンズ17により集光された右眼・左眼用画像
の光を開口部18から出射する一方、それ以外の散乱光
や迷光を遮蔽するアパーチャ19と、このアパーチャ1
9から出射される右眼・左眼用画像の光をスクリーン2
上に投射するレンズ20とを備えている。
【0062】また、P偏光変調光学部10は、1/4波
長板21Pと、右眼用画像信号IRが供給される空間光
変調素子22Pとを備えており、1/4波長板21Pに
よって光路分離・合成部8から出射されるP偏光を円偏
光に変換して、空間光変調素子22Pに入射させると共
に、この空間光変調素子22Pから出射される右眼用画
像の光を光路分離・合成部8に入射させる。
【0063】S偏光変調光学部11も同様に、1/4波
長板21Sと、左眼用画像信号ILが供給される空間光
変調素子22Sとを備えており、1/4波長板21Sに
よって光路分離・合成部8から出射されるS偏光を円偏
光に変換して、空間光変調素子22Sに入射させると共
に、この空間光変調素子22Sから出射される左眼用画
像の光を光路分離・合成部8に入射させる。なお、1/
4波長板および空間光変調素子は、P偏光変調光学部1
0およびS偏光変調光学部11で共に同一構成のものが
採用されているが、P偏光変調光学部10のものを示す
場合には、添字Pを付して1/4波長板21Pおよび空
間光変調素子22Pと称し、S偏光変調光学部11のも
のを示す場合には、添字Sを付して1/4波長板21S
および空間光変調素子22Sと称し、共通のものを示す
場合には、添字を省略して1/4波長板21および空間
光変調素子22と称することにする。また、空間光変調
素子22は、後述するように、そのスイッチ構成の相違
により、空間光変調素子22A〜22Dがある。
【0064】図2は上述したP偏光変調光学部10やS
偏光変調光学部11で使用される空間光変調素子22の
一例を示す構成図である。同図を参照しながら、この空
間光変調素子22について詳細に説明する。
【0065】この図に示す空間光変調素子22は、シリ
コンあるいはガラス等から成る基板25と、この基板2
5上に形成された2次元アレー状電極26と、平板状の
透明電極27と、両電極26、27間に挿入された光変
調層28(図2には図示せず)と、透明電極27上に形
成された第1の反射防止膜29と、この反射防止膜29
上に形成された透明基板30と、この透明基板30上に
形成された第2の反射防止膜31とを少なくとも備えて
いる。また、各アレー状電極26には、画素数に対応し
たスイッチ32が設けられ、各電極には画像信号供給線
33、走査信号供給線34およびスイッチ32を通して
信号が接続される。すなわち、画像信号および走査信号
が同時に供給されたスイッチ32のみがON状態にな
り、2次元アレー状電極26のうちON状態のスイッチ
32に接続された電極だけに画像信号が供給されるよう
になっている。
【0066】2次元アレー状電極26は、画素に対応す
る小型電極からなり、各小型電極に少なくとも1個のス
イッチ32が付いている構造を有する。ここで、画素数
をL、画像信号供給線33の本数をMおよび走査信号供
給線34の本数をNとすると、L=M×Nの関係を持
つ。この小型電極の総数をLa とすると、La ≧Lの関
係を有する。また読出し光35が直接スイッチ32に入
射するのを避けるため、図3に示すようにスイッチ32
は2次元アレー状電極26の下に設置されている。
【0067】スイッチ32は、走査信号供給線34から
供給される走査信号を受けて画像信号供給線33から供
給される画像信号を2次元アレー状電極26に送る機能
を有し、走査信号が供給されない場合、2次元アレー状
電極26に送られた電荷を少なくとも次の走査信号が供
給されるまで逃がさない程高い遮断抵抗率をもつことが
必要である。
【0068】スイッチ32としては、MOS(Metal Ox
iside Semiconductor )トランジスタ、薄膜トランジス
タ(TFT:Thin Film Transistor)およびダイオード
などが用いられる。ダイオードを用いた代表的なスイッ
チとしては、リングダイオード接続(例えば、S. Togas
hi:SID Digest, pp.324-325 (1984) )、逆対向ダイオ
ード接続(例えば、N. Szydlo :Japan Display '83 Di
gest, pp.416-418(1985) )およびMIM(Metal Insu
lator Metal )素子(例えば、S. Morozumi :Japan Di
splay '83 Digest, pp.404-407 (1983))などがある。
【0069】《MOSトランジスタアレーを用いた空間
光変調素子22A》図4は、MOSトランジスタアレー
(例えば、永田徹也、小林真一、佐藤秀夫、星野稔、長
江慶治、早坂昭夫、實方寛、J.R.Havens, P.Jones, D.R
eddy, A.Tomita:信学技報 EID94-77 pp.97-101 (199
4))をスイッチ32として用いた空間光変調素子22A
の一部断面を示している。
【0070】図4に示すように、スイッチ32を構成す
るMOSトランジスタ40は、シリコン基板25a上に
形成されている。41がソース電極線、42がドレイン
電極線、43がゲート電極線であり絶縁層44および4
5に挟まれた状態で形成されている。また、この空間光
変調素子22Aは、電荷を蓄積するコンデンサ46と、
絶縁層45上に形成され、読出し光35を遮断する遮光
層47と、遮光層47上に絶縁層48を挟んで形成さ
れ、ドレイン電極線42から電荷を受けて光変調層28
に電界を供給する前記電極26と、全画素共通の前記透
明電極27と、透明基板30と、第1の反射防止膜29
および第2の反射防止膜31とを備えている。電極26
は前述したように1画素に対応する大きさを有し、ソー
ス電極線41とゲート電極線42に供給される電荷量に
応じて、画素各電極ごと独立に駆動される。また、透明
電極27は、コモン電極であり、全ての画素に同じ電位
を供給する役目を持つ。
【0071】なお、同図に破線で示すように、電極26
と光変調層28の間に誘電体多層膜ミラー49を形成
し、変調された読出し光35をより一層効率的に利用す
ることも可能である。
【0072】《TFTアレーを用いた空間光変調素子2
2B》図5は、TFTアレーをスイッチ32として用い
た空間光変調素子22Bの一部断面を示している。
【0073】図5において、25bはガラス基板、50
はゲート電極、51はSiNx からなる絶縁層、52は
非晶質シリコン(a−Si)のチャンネル層、53はこ
のチャンネル層52を保護するSiNx 絶縁層、54は
ソース電極、55はn+ a−Si膜、56はSiNx
らなる絶縁層、57はドレイン電極、26はこのドレイ
ン電極57と接続され光変調層28に電界を印加するた
めの電極、27は全画素共通の透明電極、29は第1の
反射防止膜、30は透明基板、31は第2の反射防止
膜、35は読出し光である。
【0074】図5に示すTFTアレーをスイッチ32と
して用いた空間光変調素子22Bの構造では、図4の遮
光層47に相当する遮光層はないが、図6に示すように
遮光層58を設けることも可能である。また図4および
図5に破線で示すように、電極26と光変調層28の間
に誘電体多層膜ミラー49を形成し、変調された読出し
光35をより一層効率的に利用することも可能である。
【0075】なお、図5に示す空間光変調素子22Bに
は、a−Si膜55が用いられているが、このa−Si
膜55に代えて耐熱特性や応答特性に優れたポリシリコ
ン膜を用いることもできる。この空間光変調素子22B
の作成法については後述する。
【0076】《MIN素子を用いた空間光変調素子22
C》図7は、さらに他の一例として、MIN素子を用い
た空間光変調素子22Cの一部断面を示している。
【0077】ここで、25cはガラス基板、60は絶縁
膜、61はタンタル(Ta)膜の電極、62はTa2
5 からなる絶縁膜、63は絶縁膜、26は金属電極、5
8は遮光層、64は絶縁層、28は光変調層、27は全
画素共通の透明電極、30は透明基板、35は読出し
光、29、31は反射防止膜である。電極26は1画素
に対応する大きさを有し、画像情報に対応する電荷量を
蓄積し、各電極ごと独立に駆動される。また同図の破線
で示すように、電極26と光変調層28の間に誘電体多
層膜ミラー49を形成し、変調された読出し光35をよ
り一層効率的に利用することも可能である。
【0078】《単純マトリックス型電極構造の空間光空
調素子22D》このほか、スイッチ32を使用しないい
わゆる単純マトリックス型電極構造の空間光空調素子も
ある。図8は、単純マトリックス型電極構造の空間光変
調素子22Dの一例を示している。
【0079】図8において、25dは基板、69は電
極、28は光変調層(図8には図示せず)、27は透明
電極、30は透明基板、35は読出し光である。ここ
で、基板25dは読出し光35に対して透明または不透
明のいずれの光学特性をもつ材料でもよい。ただし、読
出し光35に対して透明な特性をもつ基板の場合には、
図8に示すように電極69と接しない基板表面を曇りガ
ラス状にして電極69で反射されない読出し光35を散
乱させる必要がある。また、図8に拡大して示すよう
に、透明基板30の両面に反射防止膜29および31を
蒸着し、読出し光35の反射を抑えることもできる。さ
らに、電極69と光変調層28の間に誘電体多層膜ミラ
ー49(図8には図示せず)を形成し、変調された読出
し光35をより一層効率的に利用することも可能であ
る。
【0080】《光変調層28の構成》図2〜図8に示し
た光変調層28は、図9に示すように、液晶71を透明
樹脂72中に分散させた液晶・樹脂複合体73で構成さ
れる。もしくは図10に示すように、液晶71中に透明
樹脂72を分散させた液晶・樹脂複合体73で構成され
る。液晶71は、ネマチック液晶、コレステリック液
晶、スメクチック液晶、あるいはこれら液晶の混合物か
らなる群より選ばれた一種以上のものから成る。また、
透明樹脂72は、液晶71の常光屈折率、異常光屈折率
またはこの液晶71がランダムに配向した際の屈折率の
いずれかと同等の屈折率を持つ樹脂から成る。
【0081】ここで、74は電極であり、前述した2次
元アレー状電極26および図8に示した電極69に相当
する。また、75は透明電極であり、前述した透明電極
27に相当する。電極74(すなわち電極26または電
極69)と透明電極75(すなわち透明電極27)の間
に印加される交流電圧は、液晶・樹脂複合体73中の液
晶分子の長軸を印加電界の方向とほぼ一致させるのに必
要な交流電圧の実効値よりも大きな実効値を持てば良
く、具体的には5〜20V程度とされる。
【0082】この光変調層28の作用を説明すると、図
2に示したように、画像信号は画像信号供給線33に、
また走査信号は走査信号供給線34にそれぞれ供給され
る。画像信号および走査信号が同時に供給されたスイッ
チ32のみがON状態になり、画像信号が2次元アレー
状電極26に供給される。一方、読出し光35は、ガラ
ス等からなる透明基板30側から入射し、2次元アレー
状電極26と全画素共通の透明電極27の間に挿入され
た光変調層28である液晶・樹脂複合体73において変
調され、2次元アレー状電極26で反射し、透明基板3
0側に出射する。
【0083】この場合、液晶・樹脂複合体73の構成要
素である液晶71の常光屈折率または異常光屈折率と、
この液晶・樹脂複合体73の構成要素である透明樹脂7
2の屈折率とがほぼ一致しているときには、液晶・樹脂
複合体73に電圧が印加されていない状態では液晶71
と透明樹脂72の屈折率が異なっていることから、光は
液晶・樹脂複合体73中で散乱する。一方、液晶・樹脂
複合体73に十分大きな電圧が印加された状態では液晶
71と透明樹脂72の屈折率がほぼ一致し、同液晶・樹
脂複合体73に入射した光は散乱せずに透過する。
【0084】また、液晶71がランダムに配向した際の
屈折率と透明樹脂72の屈折率とがほぼ一致していると
きには、液晶・樹脂複合体73に電圧が印加されていな
い状態で液晶71と透明樹脂72の屈折率が一致してい
ることから同液晶・樹脂複合体73に入射した光はその
まま透過する。一方、同液晶・樹脂複合体73に十分大
きな電圧が印加された状態では、液晶71と透明樹脂7
2の屈折率がくい違い、同液晶・樹脂複合体73に入射
した光は散乱する。
【0085】これら両方の液晶・樹脂複合体73が使用
できるが、前者の液晶71の常光屈折率または異常光屈
折率と樹脂72の屈折率とがほぼ一致しているタイプが
好ましい。これは、液晶71がランダムに配向した際の
屈折率と樹脂72の屈折率とがほぼ一致しているタイプ
のものでは、大面積の範囲でマクロ的にみると、部分的
に液晶71のランダムな状態が異なり、光透過状態時に
ムラがあるように見えることがあるためである。これに
対して、液晶71の常光屈折率または異常光屈折率と樹
脂の屈折率とがほぼ一致しているタイプの液晶・樹脂複
合体73は、電圧を印加して液晶分子が一定の方向に配
列した状態で光透過状態になるため、ランダム配向時に
偏った配向をしていてもほぼ均一に光透過することにな
る。また、電圧を印加していない状態では、液晶分子は
樹脂72の壁面に配列し、ランダムに配向しているのと
実質的に同じ状態になる。この状態は光散乱状態であ
り、光透過状態とは異なり、わずかに屈折率がずれても
目立ちにくく、複素誘電率傾斜型ミラーを備えた空間光
空調素子として使用した場合にムラとなって認識される
ことはほとんどない。特に、これらの中でも液晶71の
常光屈折率と樹脂72の屈折率とがほぼ一致しているタ
イプがその性能上、最適である。
【0086】この液晶・樹脂複合体73は、液晶71と
樹脂72を構成する材料とを混ぜ合わせて溶液状または
ラテックス状にしておいて、これを光硬化、熱硬化、溶
媒除去による硬化、反応硬化等により樹脂72と液晶7
1を分離させて、樹脂72中に液晶71が図9に示すよ
うに粒子状に分散した状態、もしくは図11に示すよう
に液晶71がポリマー樹脂72中に連通状に分散した状
態、あるいは図10に示すようにこの液晶71中に樹脂
72を分散させた状態をとることによって製作される。
光硬化または熱硬化タイプの樹脂は、密閉系内で硬化で
きるため空間光変調素子22の製作上好ましい。特に、
光硬化タイプの樹脂は、熱による影響を受けにくく、短
時間で硬化させることができ好ましい。
【0087】具体的な製法としては、従来のツイステッ
ドネマチック液晶と同様にシール材を用いてセルを形成
し、注入口から未硬化のネマチック液晶と樹脂前駆体
(樹脂が硬化する前の状態、ここでは、例えばモノマー
あるいはオリゴマー等の状態の総称として用いる)を封
入した後、硬化することもできる。
【0088】また、本発明の各実施の形態による液晶・
樹脂複合体73の場合には、シール材を用いずに、画像
情報に応じて画素ごとに電荷を蓄積する電極26と全画
素共通の電位を供給する透明電極27との間に未硬化の
樹脂前駆体と液晶71との混合物を挿入し、透明電極2
7や透明基板30を通して紫外光を照射する、あるいは
加熱するなどの方法により樹脂前駆体を硬化させて、液
晶・樹脂複合体73を有する空間光変調素子22を形成
することもできる。もちろん、その後、周囲にシール材
を塗布してもよい。この製法によれば、単に未硬化の液
晶71と樹脂前駆体との混合物をロールコート、スピン
コート、印刷、ディスペンサーによる塗布等で供給すれ
ば良いため、注入工程が簡便であり、生産性が極めて良
い。
【0089】また、これらの未硬化の樹脂前駆体と液晶
71との混合物には、基板間隙制御用のセラミック粒
子、プラスチック粒子、ガラス粒子、ガラス繊維等のス
ペーサー、顔料、色素、粘度調整剤、その他、本発明の
性能に悪影響を与えない添加剤を添加しても良い。
【0090】《誘電体多層膜ミラー49》前にも述べた
ように図2〜図8において、2次元アレー状電極26と
光変調層28の間に2次元アレー状電極26に密着して
誘電体多層膜ミラー49を設け、反射率を向上させて一
層明るい画像を表示することもできる。ただし、TFT
などのスイッチ32の駆動電圧の大きさには限りがある
ため、誘電体多層膜ミラー49を構成する高屈折率層の
抵抗率ρH および低屈折率層の屈折率ρL は、以下の式
を満足しなければならない。
【0091】 ρH <(2πfεH ε0 S)-1 (4) ρL <(2πfεL ε0 S)-1 (5) ただし、 S>5 (6) である。ここで、εH は高屈折率層の比誘電率、εL
低屈折率層の比較誘電率、ε0 は真空の誘電率およびf
は空間光変調素子に印加する電気信号のフレーム周波数
である。(4)〜(6)式は、誘電体多層膜ミラー49
のインピーダンスが比抵抗に支配され、電気信号の大部
分が液晶・樹脂複合体層73に印加されることを示して
いる。
【0092】図2〜図8に示す空間光変調素子22に用
いられる誘電体多層膜ミラー49は、SiO2 膜、Ti
2 膜、HfO2 膜、Ta2 5 膜、ZnS膜、Al2
3膜、Na2 A1F6 膜、MgF2 膜、LaF3 膜、
GdF3 膜、SmF3 膜、CeF3 膜、ZrO2 膜およ
びCeO2 膜からなる群より選ばれた二種以上の膜を積
層した多層膜で構成される。これらの群からなる多層膜
は、(4)〜(6)式を満足するように高屈折率層およ
び低屈折率層の電気特性が制御されている。
【0093】《反射防止膜29、31》図2〜図8に示
す本発明の投射型立体画像表示システムを構成する空間
光変調素子22に用いられる反射防止膜29、31は、
SiO2 膜、TiO2 膜、HfO2 膜、Ta2 5 膜、
ZnS膜、Na2 A1F6 膜、MgF2 膜、CeF
3 膜、ZrO2 膜およびCeO2 膜からなる群より選択
された一種以上の膜を積層した多層膜で構成される。
【0094】なお、図2〜図8の構成から反射防止膜2
9、31のいずれか一方、あるいは両方を取り除いた素
子構成も可能である。さらに、図2に示す構成例では、
光変調層28と反射防止膜29との間に透明電極27が
挿入されているが、反射防止膜29と透明電極27を入
れ替えて、光変調層28と透明電極27の間に反射防止
膜29を挿入することも可能である。
【0095】<各種の変形例>図12に示す変形例は、
空間光変調素子22を構成する透明基板30に1/4波
長板21を接合した1/4波長板付き空間光変調素子8
0を示してる。この場合、空間光変調素子22と1/4
波長板21との間には、透明基板30の屈折率と同じか
それに近い屈折率をもつ屈折率整合液81が挿入されて
いる。また、1/4波長板21の一面には、反射防止膜
82が積層されている。なお、なお、この反射防止膜8
2は省略可能である。
【0096】図13に示す変形例は、1/4波長フィル
ム付き空間光変調素子90を示してる。図2〜図8に示
した各空間光変調素子22に1/4波長フィルム91を
密着し、同フィルム91表面に反射防止膜92を積層し
て1/4波長板を省略しP偏光変調光学部10およびS
偏光変調光学部11の構成を簡略化したものである。も
ちろん、反射防止膜92を省略することも可能である。
【0097】図14に示す変形例は、1/4波長板組み
込み型空間光変調素子100を示している。この空間光
変調素子100は、空間光変調素子22を構成する透明
基板30の代わりに反射防止膜82(これは省略可能)
が付いた1/4波長板21を密着させた構成のものであ
る。図中、101は空間光変調素子22から透明基板3
0を取り除いた残りの部分である。
【0098】さらに、図15に示す変形例は、図2に示
す2個の空間光変調素子22P、22Sと1/4波長板
21P、21Sと偏光ビームスプリッタ16とを密着し
たものである。この場合、偏光ビームスプリッタ16と
1/4波長板21の間、および1/4波長板21と空間
光変調素子22の間には、1/4波長板21の屈折率と
等しいかあるいはそれに近い屈折率を持つ屈折率整合用
液体111が挿入されている。このように構成すること
によって、空間光変調素子22の透明基板30面に積層
された反射防止膜31と1/4波長板21P、21Sの
両面に設けられた反射防止膜を省略して、P偏光変調光
学部10およびS偏光変調光学部11の構成を簡略化す
ることができる。
【0099】また、図16に示す変形例は、図13の1
/4波長フィルム付き空間光変調素子90の反射防止膜
92を省略した2個の空間光変調素子95P、95Sと
偏光ビームスプリッタ16の屈折率整合用液体121を
介して密着したものである。この場合、この屈折率整合
用液体121の屈折率は、偏光ビームスプリッタ16と
1/4波長フィルムの屈折率に近い値を持つ。このよう
に構成することによっても、P偏光変調光学部10およ
びS偏光変調光学部11の構成を簡略化することができ
る。
【0100】また、図17に示す変形例は、図14の1
/4波板組み込み型空間光変調素子100の反射防止膜
82を省略した2個の空間光変調素子105P、105
Sと偏光ビームスプリッタ16を屈折率整合用液体12
1を介して密着させ、1/4波長フィルムと偏光ビーム
スプリッタに積層された反射防止膜を省略したものであ
る。この場合、屈折率整合用液体121は偏光ビームス
プリッタ16と1/4波長フィルムの屈折率に近い値を
持つ。このように構成することによっても、P偏光変調
光学部およびS偏光変調光学部の構成を簡略化すること
もできる。
【0101】以上に述べた本発明の投射型立体画像表示
システムでは、光源12からの可視領域のP偏光をP偏
光変調光学部10で、またP偏光と同じ波長帯域を持つ
S偏光をS偏光変調光学部11でそれぞれ変調して、偏
光ビームスプリッタ16で合成して投射光学部9を通し
て反射型のスクリーン2に拡大・投射するため、白黒や
単色の立体画像を表示することができる。
【0102】《光路分離・合成部8の変形例》図1に示
した光路分離・合成部8は、プリズムを用いた偏光ビー
ムスプリッタ16によって構成されていたが、この偏光
ビームスプリッタ16の代わりに、図18に示すよう
に、平面状の偏光ビームスプリッタ130によって構成
することもできる。この偏光ビームスプリッタの両面に
は、それぞれ誘電体多層膜ミラー132、133が積層
されている。
【0103】<第2の実施の形態>図19は本発明に係
る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画像
表示システムの他の構成を示している。
【0104】この図に示す投射型立体画像表示システム
150は、スクリーン151と、偏光眼鏡152と、画
像拡大投射ディスプレイ153とを備えており、画像拡
大投射ディスプレイ153によってスクリーン151上
に互いに直交する偏光方向を有する右眼用RGB画像と
左眼用RGB画像とを表示して、偏光眼鏡152を掛け
た観察者にフルカラー、マルチカラーまたはモノクロの
立体画像を見せる。
【0105】スクリーン151は、画像拡大投射ディス
プレイ153によって投射された右眼・左眼用RGB画
像中の右眼用RGB画像(S偏光状態の画像)と、この
右眼用RGB画像の偏光方向と直交する偏光方向を持つ
左眼用RGB画像(P偏光状態の画像)とを偏波方向を
保持しながら反射して、偏光眼鏡152の右眼用偏光板
154、左眼用偏光板155に導く。
【0106】また、画像拡大投射ディスプレイ153
は、光源部156と、光路分離・合成部157と、投射
光学部158と、P偏光変調光学部159と、S偏光変
調光学部160とを備えている。P偏光変調光学部15
9は、青色P偏光変調光学部159Bと、緑色P偏光変
調光学部159Gと、赤色P偏光変調光学部159Rと
を備え、S偏光変調光学部160は、青色S偏光変調光
学部160Bと、緑色S偏光変調光学部160Gと、赤
色S偏光変調光学部160Rとを備えている。
【0107】光源部156は、可視光を発生する光源1
61と、この光源161から出射される可視光に含まれ
ている赤外光および紫外光をカットする赤外光カットフ
ィルタ162および紫外光カットフィルタ163と、赤
外光および紫外光がカットされた可視光のみを平行光に
して光路分離・合成部157に出射するレンズ164と
を備えている。
【0108】光路分離・合成部157は、各入出力面に
反射防止膜がコーティングされ、光源部156から出射
される可視光(平行光)中に含まれるP偏光を透過させ
て出射するとともに、P偏光変調光学部159で変調さ
れた右眼用RGB画像の光(S偏光状態の平行光)を反
射して投射光学部158に導き、さらに光源部156か
ら出射される可視光(平行光)中に含まれるS偏光を反
射させて出射するとともに、S偏光変調光学部160で
変調された左眼用RGB画像の光(P偏光状態の平行
光)を透過させて投射光学部158に導く偏光ビームス
プリッタ165を備えている。
【0109】投射光学部158は、光路分離・合成部1
57から出射される右眼・左眼用RGB画像の光を集光
するレンズ166と、小さな開口部167によってレン
ズ166で集光された右眼・左眼用RGB画像の光を出
射し、それ以外の散乱光や迷光を遮蔽するアパーチャ1
68と、このアパーチャ168から出射される右眼・左
眼用RGB画像の光をスクリーン151上に投射するレ
ンズ169とを備えている。
【0110】また、P偏光変調光学部159は、偏光ビ
ームスプリッタ165から出射されるP偏光のうち、青
色の光を反射して、これを青色P偏光変調光学部159
Bに入射させるとともに、この青色P偏光変調光学部1
59Bから出射される右眼用B画像(S偏光状態の平行
光)を反射して、偏光ビームスプリッタ165に入射さ
せる青色用ダイクロイックミラー170PBと、この青
色用ダイクロイックミラー170PBを透過した偏光ビ
ームスプリッタ165からのP偏光のうち、緑色の光を
反射し、赤色の光を透過させて、これらを緑色P偏光変
調光学部159G、赤色P偏光変調光学部159Rに各
々入射させるとともに、これら緑色P偏光変調光学部1
59Gから出射される右眼用G画像(S偏光状態の平行
光)を反射し、赤色P偏光変調光学部159Rから出射
される右眼用R画像(S偏光状態の平行光)を透過させ
て、青色用ダイクロイックミラー170PBに入射さ
せ、偏光ビームスプリッタ165に入射させる緑色用ダ
イクロイックミラー170PGとを備えている。
【0111】青色P偏光変調光学部159Bは、青色P
偏光を円偏光に変換する1/4波長板171PRBと、
図2〜図8に示す素子構成を有し、右眼用画像信号IRB
を取り込んで前記青色の円偏光を変調する青色用空間光
変調素子172PRBとを備えている。
【0112】緑色P偏光変調光学部159Gも同様に、
緑色P偏光を円偏光に変換する1/4波長板171PR
Gと、図2〜図8に示す素子構成を有し、右眼用G画像
信号IRGを取り込んで前記緑色の円偏光を変調する緑色
用空間光変調素子172PRGとを備えている。
【0113】赤色P偏光変調光学部159Rも同様に、
赤色P偏光を円偏光に変換する1/4波長板171PR
Rと、図2〜図8に示す素子構成を有し、右眼用R画像
信号IRRを取り込んで前記赤色の円偏光を変調する赤色
用空間光変調素子172PRRとを備えている。
【0114】一方、S偏光変調光学部160は、P偏光
変調光学部159と同様に、偏光ビームスプリッタ16
5から出射されるS偏光のうち、青色の光を反射して、
これを青色S偏光変調光学部160Bに入射させるとと
もに、この青色S偏光変調光学部160Bから出射され
る左眼用B画像(P偏光状態の平行光)を反射して、偏
光ビームスプリッタ165に入射させる青色用ダイクロ
イックミラー170SBと、この青色用ダイクロイック
ミラー170SBを透過した偏光ビームスプリッタ16
5からのS偏光のうち、緑色の光を反射し、赤色の光を
透過させて、これらを緑色S偏光変調光学部160G、
赤色S偏光変調光学部160Rに各々入射させるととも
に、これら緑色S偏光変調光学部160Gから出射され
る左眼用G画像(P偏光状態の平行光)を反射し、前記
赤色S偏光変調光学部160Rから出射される左眼用R
画像(P偏光状態の平行光)を透過させて、前記青色用
ダイクロイックミラー170SBに入射させ、偏光ビー
ムスプリッタ165に入射させる緑色用ダイクロイック
ミラー170SGとを備えている。
【0115】青色S偏光変調光学部160Bは、青色S
偏光を円偏光に変換する1/4波長板171SLBと、
図2〜図8に示す素子構成を有し、左眼用B画像信号I
LBを取り込んで前記青色の円偏光を変調する青色用空間
光変調素子172SLBとを備えている。
【0116】緑色S偏光変調光学部160Gも同様に、
緑色S偏光を円偏光に変換する1/4波長板171SL
Gと、図2〜図8に示す素子構成を有し、左眼用G画像
信号ILGを取り込んで前記緑色の円偏光を変調する緑色
用空間光変調素子172SLGとを備えている。
【0117】赤色S偏光変調光学部160Rも同様に、
赤色S偏光を円偏光に変換する1/4波長板171SL
Rと、図2〜図8に示す素子構成を有し、左眼用R画像
信号ILRを取り込んで前記赤色の円偏光を変調する赤色
用空間光変調素子172SLRとを備えている。
【0118】上述した各空間光変調素子は、図2〜図8
に示したものと同一構成のものが採用されているが、そ
れぞれ青色光、緑色光および赤色光の各波長範囲で最適
な変調特性となるように、液晶71と、透明樹脂72と
の配合比や液晶・樹脂複合体73の厚さなどが調整され
て、波長依存性を持っている光変調層28の液晶・樹脂
複合体73の透過率や消光比などの電気光学特性が最適
化されている。
【0119】上記構成の投射型立体画像表示システム1
50において、光源部156から出射された赤外光およ
び紫外光を含まない可視光は光路分離・合成部157の
偏光ビームスプリッタ165によってP偏光とS偏光と
に分離され、P偏光はP偏光変調光学部159へ、S偏
光はS偏光変調光学部160へ入射される。P偏光変調
光学部159に入射されたP偏光は、青色用ダイクロイ
ックミラー170PB、および緑色用ダイクロイックミ
ラー170PGによって青色の光、緑色の光、赤色の光
に分離されて青色P偏光変調光学部159Bと、緑色P
偏光変調光学部159Gと、赤色P偏光変調光学部15
9Rとに各々導かれる。一方、S偏光変調光学部160
に入射されたS偏光は、青色用ダイクロイックミラー1
70SB、および緑色用ダイクロイックミラー170S
Gによって青色の光、緑色の光、赤色の光に分離されて
青色S偏光変調光学部160Bと、緑色S偏光変調光学
部160Gと、赤色S偏光変調光学部160Rとに各々
導かれる。
【0120】P偏光変調光学部159の青色P偏光変調
光学部159Bと、緑色P偏光変調光学部159Gと、
赤色P偏光変調光学部159Rでは、それぞれの1/4
波長板171PRB、171PRG、171PRRによ
って、入射された青色P偏光、緑色P偏光、赤色P偏光
が円偏光に変換された後、それぞれの空間光変調素子1
72PRB、172PRG、172PRRにおいて、右
眼用B画像信号IRB、右眼用G画像信号IRGおよび右眼
用R画像信号IRRにより変調される。同様に、S偏光変
調光学部160の青色S偏光変調光学部160Bと、緑
色S偏光変調光学部160Gと、赤色S偏光変調光学部
160Rでは、それぞれの1/4波長板171SLB、
171SLG、171SLRによって、入射された青色
S偏光、緑色S偏光、赤色S偏光が円偏光に変換された
後、それぞれの空間光変調素子172SLB、172S
LG、172SLRにおいて、左眼用B画像信号ILB
左眼用G画像信号ILGおよび左眼用R画像信号ILRによ
り変調される。
【0121】赤色P偏光変調光学部159R、緑色P偏
光変調光学部159Gおよび青色P偏光変調光学部15
9Bから出射される光はS偏光変調光(右眼用RGB画
像の光)となり、また、赤色S偏光変調光学部160
R、緑色S偏光変調光学部160Gおよび青色S偏光変
調光学部160Bから出射される光はP偏光変調光(左
眼用RGB画像の光)となり、偏光ビームスプリッタ1
65によって1つの右眼・左眼用RGB画像に合成され
た後、投射光学部158を介してスクリーン151上に
投射される。
【0122】スクリーン151では、投射された右眼・
左眼用RGB画像中の右眼用RGB画像(S偏光状態の
画像)と、この右眼用RGB画像の偏光方向と直交する
偏光方向を持つ左眼用RGB画像(P偏光状態の画像)
とを偏波方向を保持しながら反射して、偏光眼鏡152
の右眼用偏光板154、左眼用偏光板155に導く。こ
れによって、観察者は、フルカラー、マルチカラーおよ
び白黒表示の鮮明な立体画像を見ることができるのであ
る。
【0123】<第3の実施の形態>図20は、本発明に
係る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画
像表示システムの他の実施の形態を示している。なお、
図19と同一構成部分には同一符号を付してその説明を
省略する。
【0124】図20に示す投射型立体画像表示システム
は、図19に示すP偏光変調光学部159を構成する青
色用ダイクロイックミラー170PB、および緑色用青
色用ダイクロイックミラー170PGの代わりに、ダイ
クロイックプリズム170PPを、また、S偏光変調光
学部160を構成する青色用ダイクロイックミラー17
0SB、および緑色用ダイクロイックミラー170SG
の代わりにダイクロイックプリズム170SPをそれぞ
れ用いたことを特徴としている。
【0125】この場合、ダイクロイックプリズム170
PPは、青色用ダイクロイックミラー170PBと緑色
用ダイクロイックミラー170PGとを合わせた特性を
有する。また、ダイクロイックプリズム170SPも同
様に、青色用ダイクロイックミラー170SBと緑色用
ダイクロイックミラー170SGとを合わせた特性を有
する。
【0126】この図20に示す実施の形態は、各ダイク
ロイックミラー170PB、170PGおよび170S
B、170SGがダイクロイックプリズム170PPお
よび170SPに代わっている点を除いては図19に示
した実施の形態と全く同じ構成である。ただし、レンズ
166と、青色P偏光変調光学部159B、緑色P偏光
変調光学部159G、赤色P偏光変調光学部159R、
青色S偏光変調光学部160B、緑色S偏光変調光学部
160G、赤色S偏光変調光学部160Rまでの各距離
が同一になるように、L字型の各ダイクロイックプリズ
ム170PP、170SPの形状が定められている。
【0127】ここで、ダイクロイックプリズム170P
Pおよび170SPは、白色光から先ず青色光を反射し
てそれ以外の可視光を透過し、次に緑色光を反射して赤
色光を透過する特性を持つが、先ず青色光を反射してそ
れ以外の可視光を透過し、次に赤色光を反射して緑色光
を透過する特性を持つように設計することもできる。ま
た、白色光から先ず赤色光を反射してそれ以外の可視光
を透過し、次に緑色光を反射して青色光を透過する特性
や、先ず赤色光を反射してそれ以外の可視光を透過し、
次に青色光を反射して緑色光を透過するように設計する
こともできる。もちろんこのとき、ダイクロイックプリ
ズムの特性に応じて、三原色の変調光学系の配置は変更
されなければならない。
【0128】<第4の実施の形態>図21は、本発明に
係る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画
像表示システムの他の実施の形態を示している。なお、
図19と同一構成部分には同一符号を付してその説明は
省略する。
【0129】図21に示す投射型立体画像表示システム
は、図19に示した偏光変調光学部159の青色用ダイ
クロイックミラー170PBおよび緑色用ダイクロイッ
クミラー170PGの代わりに、直方体状のダイクロイ
ックプリズム170PPPを、また、S偏光変調光学部
160の青色用ダイクロイックミラー170SBおよび
緑色用ダイクロイックミラー170SGの代わりにダイ
クロイックプリズム170PPPと同じ光学特性を有す
る直方体状のダイクロイックプリズム170SPPをそ
れぞれ用いたことを特徴としている。
【0130】この図21に示す実施の形態は、各ダイク
ロイックミラー170PB、170PGおよび170S
B、170SGがダイクロイックプリズム170PPP
および170SPPに代わっている点を除いては図19
に示した実施の形態と全く同じ構成である。ただし、レ
ンズ166と、青色P偏光変調光学部159B、緑色P
偏光変調光学部159G、赤色P偏光変調光学部159
R、青色S偏光変調光学部160B、緑色S偏光変調光
学部160G、赤色S偏光変調光学部160Rまでの各
距離が同一になるように、ダイクロイックプリズム17
0PPPおよび170SPPの形状が、立方体あるいは
正方形の断面を持つ直方体で構成されている。また、図
21に示すダイクロイックプリズム170PPPおよび
170SPPは、図中のAC面で青色光を反射すると共
に、それ以外の可視光を透過し、BD面で緑色光を反射
し、それ以外の光を透過する機能を持っている。もちろ
ん、AC面で赤色光を反射すると共に、それ以外の可視
光を透過し、BD面で緑色光を反射しそれ以外の光を透
過させることもできる。このようにAC面およびBD面
の波長選択特性を変えれば、種々の組合せの光学配置を
構成することができる。ただし、このとき3原色のP偏
光変調光学部159およびS偏光変調光学部160もA
C面およびBD面の波長選択特性に応じて配置を変更す
る必要がある。
【0131】また、図20に示したダイクロイックプリ
ズム170PPおよび170SPと、偏光ビームスプリ
ッタ165を屈折率整合用液体を介して密着し、ダイク
ロイックプリズムや偏光ビームスプリッタにおけるフレ
ネル反射を軽減することも可能である。同様にして、図
21のダイクロイックプリズム170PPPおよび17
0SPPと偏光ビームスプリッタ165を屈折率整合用
液体を介して密着し、ダイクロイックプリズムや偏光ビ
ームスプリッタにおけるフレネル反射を軽減することも
可能である。
【0132】一例を図22に示す。なお、この図22に
おいても図19と同一構成部分には同一符号を付してそ
の説明を省略する。
【0133】図22に示す構成は、図20に示すL字型
のダイクロイックプリズム170PPおよび170SP
とL字形の偏光ビームスプリッタ180を屈折率整合用
液体181を介して密着したものである。ここで、レン
ズ166と、青色P偏光変調光学部159PB、緑色P
偏光変調光学部159PG、赤色P偏光変調光学部15
9PR、青色S偏光変調光学部160B、緑色S偏光変
調光学部160G、赤色S偏光変調光学部160Rまで
の各距離が同一になるように、L字型の各ダイクロイッ
クプリズム170PP、170SPおよびL字形の偏光
ビームスプリッタ180の形状が定められている。
【0134】<第5の実施の形態>図23は、本発明に
係る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画
像表示システムの他の実施の形態を示している。なお、
図19と同一構成部分には同一符号を付してその説明を
省略する。
【0135】図23は、白色光を発光する光源161
と、赤外光を遮断する赤外光カットフィルタ162およ
び紫外光を遮断する紫外光カットフィルタ163と、光
源161からの光を平行光に変換するレンズ164と、
白色光を3原色光に分離する色分解光学部191と、青
色光をP偏光とS偏光に分離する青色用偏光ビームスプ
リッタ193Bと、分離された青色のP偏光を変調する
青色P偏光変調光学部159Bと、分離された青色のS
偏光を変調する青色S偏光変調光学部160Bとを備え
ている。また、色分解光学部191で分離された緑色光
をP偏光とS偏光に分離する緑色用偏光ビームスプリッ
タ193Gと、分離された緑色のP偏光を変調する緑色
P偏光変調光学部159Gと、分離された緑色のS偏光
を変調する緑色S偏光変調光学部160Gとを備えてい
る。また、色分解光学部191で分離された赤色光をP
偏光とS偏光に分離する赤色用偏光ビームスプリッタ1
93Rと、分離された赤色のP偏光を変調する赤色P偏
光変調光学部159Rと、分離された赤色のS偏光を変
調する赤色S偏光変調光学部160Rとを備えている。
さらに、青色用偏光ビームスプリッタ193B、緑色用
偏光ビームスプリッタ193G、および赤色用偏光ビー
ムスプリッタ193Rを介してそれぞれ出射された変調
後の3原色光を合成する色合成光学部192と、合成さ
れた3原色光をアパーチャ168を通して入射光と反射
光の偏光状態が変わらない反射型スクリーン151に投
射するレンズ166および169と、互いに直交する直
線偏光だけを透過する偏光眼鏡152とを備えて構成さ
れている。
【0136】この場合、色分解光学部191は、青色光
を反射しそれ以外の可視光を透過する特性をもつダイク
ロイックミラー191Bと、緑色光を反射し赤色光を透
過する特性をもつダイクロイックミラー191Gとで構
成されている。また、色合成光学部192は、青色光を
反射しそれ以外の可視光を透過する特性をもつダイクロ
イックミラー192Bと、緑色光を反射し赤色光を透過
する特性をもつダイクロイックミラー192Gとで構成
されている。なお、ダイクロイックミラー191Bおよ
び192Bに赤色光を反射してそれ以外の可視光を透過
する特性を与えることも可能である。また、ダイクロイ
ックミラー191Gおよび192Gに青色光を反射して
緑色光を透過する特性や、緑色光を反射して青色光を透
過する特性を与えることも可能である。
【0137】この実施の形態では、P偏光を変調する青
色P偏光変調光学部159B、緑色P偏光変調光学部1
59Gおよび赤色P偏光変調光学部159RおよびS偏
光を変調する青色S偏光変調光学部160B、緑色S偏
光変調光学部160Gおよび赤色S偏光変調光学部16
0Rは、図19および図20に示したP偏光およびS偏
光の青色変調光学部、緑色変調光学部および赤色変調光
学部と同一であり、P偏光を変調する青色、緑色および
赤色変調光学系に所属する空間光変調素子には、右眼用
画像信号(もしくは左眼用画像信号)が導かれ、かつS
偏光を変調する青色、緑色および赤色変調光学系に所属
する空間光変調素子には、左眼用画像信号(もしくは右
眼用画像信号)がそれぞれ導かれる。
【0138】上記構成において、青色用ダイクロイック
ミラー191Bおよび緑色用ダイクロイックミラー19
1Gによって光源部156から出射される白色光が青色
光、緑色光、赤色光に分離され後、青色用偏光ビームス
プリッタ193B、緑色用偏光ビームスプリッタ193
Gおよび赤色用偏光ビームスプリッタ193Rによって
前記青色光、緑色光、赤色光が各々、P偏光とS偏光と
に分離される。これによって、青色のP偏光、青色のS
偏光と、緑色のP偏光、緑色のS偏光と、赤色のP偏
光、赤色のS偏光とが生成され、これらが青色P偏光変
調光学部159B、青色S偏光変調光学部160Bと、
緑色P偏光変調光学部159G、緑色S偏光変調光学部
160Gと、赤色P偏光変調光学部159R、赤色S偏
光変調光学部160Rとに各々入射される。
【0139】また、この動作と並行して、青色用偏光ビ
ームスプリッタ193Bでは、青色P偏光変調光学部1
59Bから出射される右眼用B画像と、青色S偏光変調
光学部160Bから出射される左眼用B画像とが合成さ
れて右眼用・左眼用B画像が作成され、緑色用偏光ビー
ムスプリッタ193Gでは、緑色P偏光変調光学部15
9Gから出射される右眼用G画像と、緑色S偏光変調光
学部160Gから出射される左眼用G画像とが合成され
て右眼用・左眼用G画像が作成され、赤色用偏光ビーム
スプリッタ193Rでは、赤色P偏光変調光学部159
Rから出射される右眼用R画像と、赤色S偏光変調光学
部160Rから出射される左眼用R画像とが合成されて
右眼用・左眼用R画像が作成される。そして、色合成光
学部192を構成する緑色用ダイクロイックミラー19
2Gおよび青色用ダイクロイックミラー192Bによっ
て、前記右眼用・左眼用B画像と、右眼用・左眼用G画
像と、右眼用・左眼用R画像とが合成されて右眼用・左
眼用RGB画像が作成され、この右眼用・左眼用RGB
画像が投射光学部158に入射されるのである。
【0140】図23に示す本発明に係る眼鏡付き・電気
書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示システムは、
同一平面内に全ての光学部品が配置された構成である
が、これを図24、図25、図26および図27に示す
ように立体的に配置することもできる。ここで、図2
4、図25、図26および図27に付けられた番号と図
23の番号と一致するものは、同一の光学部品である。
また、図24はX、Y、Z直交座標のX、Y平面の配置
を、図25は図24の青色変調光学系194B(一点鎖
線で囲まれた領域)のY、Z平面の配置を、図26は図
24の緑色変調光学系194G(一点鎖線で囲まれた領
域)のY、Z平面の配置を、および図27は図24の青
色変調光学系194R(一点鎖線で囲まれた領域)の
Y、Z平面の配置をそれぞれ示している。
【0141】この変形例は、図24に示す如く、青色変
調光学系194Bと、緑色変調光学系194Gと、赤色
変調光学系194Rとを備えており、光源部156から
出射される白色光を青色光、緑色光、赤色光に分離する
とともに、これら青色光〜赤色光を各々、P偏光、S偏
光に分離して、青色P偏光変調光学部159B、青色S
偏光変調光学部160Bと、緑色P偏光変調光学部15
9G、緑色S偏光変調光学部160Gと、赤色P偏光変
調光学部159R、赤色S偏光変調光学部160Rとに
各々入射させながら、これら青色P偏光変調光学部15
9B〜赤色S偏光変調光学部160Rから出射される右
眼用B画像〜左眼用R画像を各々合成して右眼用・左眼
用B画像、右眼用・左眼用G画像、右眼用・左眼用R画
像を作成した後、これら右眼用・左眼用B画像〜右眼用
・左眼用R画像を合成して、右眼用・左眼用RGB画像
を作成し、これを投射光学部を構成するレンズ166、
アパーチャ168、レンズ169を介してスクリーン1
51に拡大・投射する。
【0142】青色変調光学系194Bは、図25に示す
如く光源部156から出射される白色光中に含まれてい
る青色光をY軸のプラス方向(例えば、右方向)に反射
し、それ以外の光を透過させる青色用ダイクロイックミ
ラー195Bと、この青色用ダイクロイックミラー19
5Bから出射される青色光をZ軸のマイナス方向(例え
ば、下方方向)に反射する青色用ミラー196Bと、こ
の青色用ミラー196Bによって反射された青色光をP
偏光とS偏光とに分離して、青色P偏光変調光学部15
9B、青色S偏光変調光学部160Bとに各々入射させ
るとともに、これら青色P偏光変調光学部159Bから
出射される右眼用B画像の光と、青色S偏光変調光学部
160Bから出射される左眼用B画像の光とを合成し
て、右眼・左眼用B画像の光をY軸のプラス方向(例え
ば、右方向)出射する青色用偏光ビームスプリッタ19
7Bと、この青色用偏光ビームスプリッタ197Bから
出射される右眼・左眼用B画像の光をX軸のマイナス方
向(例えば、紙面の表から裏方向)に反射する青色用ダ
イクロイックミラー198Bとを備え、この青色用ダイ
クロイックミラー198Bで反射された右眼・左眼用B
画像の光は、緑色変調光学系196Gの後述する緑色ダ
イクロイックミラー198Gに導かれる。
【0143】緑色変調光学系196Gは、図26に示す
如く青色変調光学系196Bの青色用ダイクロイックミ
ラー195Bを透過した光中に含まれている緑色光をY
軸のプラス方向(例えば、右方向)に反射し、それ以外
の光を透過させる緑色用ダイクロイックミラー195G
と、この緑色用ダイクロイックミラー195Gから出射
される緑色光をZ軸のマイナス方向(例えば、下方方
向)に反射する緑色用ミラー196Gと、この緑色用ミ
ラー196Gによって反射された緑色光をP偏光とS偏
光とに分離して、緑色P偏光変調光学部159G、緑色
S偏光変調光学部160Gとに各々入射させるととも
に、これら緑色P偏光変調光学部159Gから出射され
る右眼用G画像の光と、緑色S偏光変調光学部160G
から出射される左眼用G画像の光とを合成して、右眼・
左眼用G画像の光をY軸のプラス方向(例えば、右方
向)出射する緑色用偏光ビームスプリッタ197Gと、
この緑色用偏光ビームスプリッタ197Gから出射され
る右眼・左眼用G画像の光をY軸のプラス方向(例え
ば、前方方向)に反射するとともに、青色変調光学系1
96Bの青色用ダイクロイックミラー198Bから出射
された右眼・左眼用B画像の光を透過させて、X軸のマ
イナス方向(例えば、紙面の表から裏方向)に出射する
緑色用ダイクロイックミラー198Gとを備え、緑色用
ダイクロイックミラー198Gで反射された右眼・左眼
用G画像の光、およびこの緑色用ダイクロイックミラー
198Gを透過された右眼・左眼用B画像の光は、赤色
変調光学系196Rの後述する赤色ダイクロイックミラ
ー198Rに導かれる。
【0144】赤色変調光学系196Rは、図27に示す
如く緑色変調光学系196Gの緑色用ダイクロイックミ
ラー195Gを透過した光中に含まれている赤色光をY
軸のプラス方向(例えば、右方向)に反射し、それ以外
の光を透過させる赤色用ダイクロイックミラー195R
と、この赤色用ダイクロイックミラー195Rから出射
される赤色光をZ軸のマイナス方向(例えば、下方方
向)に反射する赤色用ミラー196Rと、この赤色用ミ
ラー196Rによって反射された赤色光をP偏光とS偏
光とに分離して、赤色P偏光変調光学部159R、赤色
S偏光変調光学部160Rとに各々入射させるととも
に、これら赤色P偏光変調光学部159Rから出射され
る右眼用R画像の光と、赤色S偏光変調光学部160R
から出射される左眼用R画像の光とを合成して、右眼・
左眼用R画像の光をY軸のプラス方向(例えば、右方
向)出射する赤色用偏光ビームスプリッタ197Rと、
この赤色用偏光ビームスプリッタ197Rから出射され
る右眼・左眼用R画像の光をX軸のマイナス方向(例え
ば、紙面の表から裏方向)に反射するとともに、緑色変
調光学系194Gの緑色用ダイクロイックミラー198
Gから出射された右眼・左眼用GB画像の光を透過させ
て、X軸のマイナス方向(例えば、紙面の表から裏方
向)に出射する赤色用ダイクロイックミラー198Rと
を備えている。そして、赤色用ダイクロイックミラー1
98Rで反射された右眼・左眼用R画像の光は、この赤
色用ダイクロイックミラー198Rを透過された右眼・
左眼用B画像の光、および右眼・左眼用G画像の光とと
もに前記投射光学部のレンズ166、アパーチャ16
8、レンズ169を介してスクリーン151に拡大・投
射される。
【0145】なお、図19、図20、図21、図22、
図23および図24に示す投射型立体画像表示システム
のP偏光を制御する青色、緑色および赤色偏光変調光学
部159B、159G、159RおよびS偏光を制御す
る青色、緑色および赤色偏光変調光学部160B、16
0G、160Rに所属する空間光変調素子と1/4波長
板の代わりに、図12に示した空間光変調素子80を用
いるようにすれば、各偏光変調光学部の構成を簡単にす
ることもできる。
【0146】また、図13に示したように、図19、図
20、図21、図22、図23および図24の空間光変
調素子に1/4波長フィルム91を密着し、同フィルム
表面に反射防止膜92を積層して1/4波長板を省略
し、図19、図20、図21、図22、図23および図
24のP偏光変調光学系およびS偏光変調光学系の構成
を簡略化することもできる。もちろん、反射防止膜92
を省略することも可能である。
【0147】また、図14に示したように、図19、図
20、図2、図22、図23および図24の空間光変調
素子に1/4波長板を密着し、同1/4波長板表面に反
射防止膜82を積層して、図19、図20、図21、図
22、図23および図24のP偏光変調光学部およびS
偏光変調光学部の構成を簡略化することもできる。もち
ろん、反射防止膜82を省略することも可能である。
【0148】また、図15、図16および図17に示し
たように、図19、図20、図21、図22、図23お
よび図24の空間光変調素子、1/4波長板あるいは1
/4波長フィルムおよび偏光ビームスプリッタ16を屈
折率整合用液体111あるいは121を介して密着し、
図19、図20、図21、図22、図23および図24
のP偏光変調光学系およびS偏光変調光学系の構成を小
型化することもできる。
【0149】以上に述べた種々の構成において、各偏光
ビームスプリッタ16、165、193B〜193R、
197B〜197Rと、各1/4波長板21、171P
RB〜171SLRの空気に触れる面には、反射防止膜
が施されている。
【0150】これまでに述べた図19、図20、図2
1、図22、図23および図24に示す本発明に係る眼
鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示
システムの実施の形態では、光源161からの白色光の
P偏光をP偏光変調光学部159で、またP偏光と同じ
波長帯域を持つS偏光をS偏光変調光学部160でそれ
ぞれ変調して、偏光ビームスプリッタ165で合成して
投射光学部158を通して反射型スクリーン151に拡
大・投射するため、フルカラー、マルチカラーおよび白
黒表示の立体画像を表示することができる。
【0151】また、上述した本発明に係る眼鏡付き・電
気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示システムの
実施の形態では、図1、図19、図20、図21、図2
2、図23および図24に示すように、P偏光とS偏光
を拡大・投射する方式について記述した。この方式のほ
か、偏光ビームスプリッタと反射型スクリーンの間に1
/4波長板を設置し、該波長板を通してP偏光およびS
偏光を回転方向の異なる円偏光に変換する機能をもつ眼
鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示
システムを構成することも可能である。
【0152】一つの実施の形態を図28に示す。図28
では、図23の偏光ビームスプリッタ193B、193
G、193Rと反射型スクリーン151の間に、新たに
1/4波長板200B、200G、200Rを加える構
成を採用している。ただし、同図に示すように、偏光眼
鏡201には偏光板203、205の前に1/4波長板
(あるいは1/4波長フィルム)202、204を設け
る必要がある。
【0153】この他に、図示しないが、図19、図2
0、図21、図22、および図24の偏光ビームスプリ
ッタと反射型スクリーンの間に1/4波長板を設置し、
該波長板を通してP偏光およびS偏光を回転方向の異な
る円偏光に変換する投射型立体画像表示システムを構成
し、図28と同様の機能を付加することができる。
【0154】さらに図示しないが、図1、図19、図2
0、図21、図22、図23、図24の構成に上記機能
を付加した投射型立体画像表示システムに、図18、図
12〜図17の構成を組み込み、本発明に係る眼鏡付き
・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示システ
ムを簡略化できることは言うまでもない。
【0155】これまで述べた本発明に係る眼鏡付き・電
気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示システムの
実施の形態では、図1、図19、図20、図21、図2
2、図23、図24および図28に示すように、P偏光
とS偏光の画像を、あるいは右円偏光と左円偏光の画像
を反射型スクリーンに拡大・投射する方式について記述
した。これらの方式のほか、投射レンズ169と反射型
スクリーン151の間にミラーを設置し、かつ、反射型
スクリーン151の代わりに、入射光の偏光状態を保存
し、かつ高い透過率をもつ透過型スクリーンを設け、該
スクリーンを透過した光画像を互いに直交する直線偏光
だけを透過する偏光眼鏡、あるいは回転方向の異なる円
偏光だけを透過する偏光眼鏡を通して立体画像を見る眼
鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示
システムを構成することも可能である。
【0156】一つの実施の形態を図29に示す。図29
では、投射光学部9を構成するレンズ20の前方に2枚
のミラー210および211を設けた投射光学部9を構
成すると共に、ミラー210、211を介して導かれた
右眼・左眼用画像を透過表示する透過スクリーン212
を設けるようにしたものである。偏光眼鏡3を掛けた観
察者は、この透過スクリーン212の背後からモノクロ
立体画像を見ることができる。
【0157】図1ばかりでなく、図19、図20、図2
1、図22、図23、図24および図28の投射レンズ
169と反射型スクリーン151の間にミラー210、
211を設置し、かつ、反射型スクリーン151の代わ
りに、入射光の偏光状態を保存する透過型スクリーン2
12を設け、該スクリーン212を透過した光画像を互
いに直交する直線偏光だけを透過する偏光眼鏡、あるい
は回転方向の異なる円偏光だけを透過する偏光眼鏡を通
して立体画像を見る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式
の投射型立体画像表示システムを構成することも可能で
ある。
【0158】更に、図1に示した投射レンズ20と反射
型スクリーン2の間に、また図19、図20、図21、
図22、図23、図24および図28に示した投射レン
ズ169と反射型スクリーン151の間にそれぞれミラ
ーを設置し、かつ、反射型スクリーン2または151の
代わりに、入射光の偏光状態を保存する透過型スクリー
ンを設け、該スクリーンを透過した光画像を互いに直交
する直線偏光だけを透過する偏光眼鏡、あるいは回転方
向の異なる円偏光だけを透過する偏光眼鏡を通して立体
画像を見る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型
立体画像表示システムに対して、図12〜図17に示し
た各空間光変調素子、および図18に示した偏光ビーム
スプリッタ130を適用することも勿論可能である。
【0159】<空間光変調素子の変形例>このほか図2
および図3の空間光変調素子の代わりに、カラーフィル
タをもつ空間光変調素子を用いてフルカラー画像を表示
する眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画
像表示システムを構成することもできる。この空間光変
調素子は、図2および図3に示す空間光変調素子を構成
する透明基板30と透明電極27との間に、図30に示
すように2次元アレー状電極26を構成する1個もしく
は複数個の小型電極に対応してR、G、B3原色のカラ
ーフィルタ220を配置する構成を有する。即ち、図3
0の空間光変調素子は、R、G、Bサブピクセルをまと
めて1つのピクセルとする単板式フルカラー表示素子で
ある。ただし、Rは赤色光以外の可視光を遮断するカラ
ーフィルタ、Gは緑色光以外の可視光を遮断するカラー
フィルタ、Bは青色光以外の可視光を遮断するカラーフ
ィルタである。R、G、Bカラーフィルタの配置は、図
30に示す配置ばかりでなく、従来知られている単板式
液晶カラーディスプレイのカラーフィルタの配置を用い
ることができる。また、カラーフィルタ220と透明電
極27を入れ替えて透明基板30とカラーフィルタ22
0の間に透明電極27を挿入することもできる。さらに
図3〜図8に示す空間光変調素子を構成する透明基板3
0と透明電極27との間にカラーフィルタ220を挿入
するか、あるいは、透明電極27と液晶・樹脂複合体7
3との間にカラーフィルタ220を挿入して、図30と
同じ単板式フルカラー表示素子を構成することができ
る。また、この単板式フルカラー表示素子を図1の空間
光変調素子22Pおよび22Sに用いれば、フルカラー
単板式の眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立
体画像表示システムを構成することができる。
【0160】《透過型空間光変調素子》これまで、液晶
・樹脂複合体に接して設けられている電極もしくは誘電
体多層膜ミラーにより、読出し光を反射させる空間光変
調素子(以後反射型空間光変調素子と呼ぶ)について述
べてきたが、前記電極を透明電極とし、かつ前記誘電体
多層膜ミラーを除去した空間光変調素子(以後透過型空
間光変調素子と呼ぶ)を用いても本発明に係る眼鏡付き
・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示システ
ムを構成することができる。
【0161】図31は透過型空間光変調素子の基本構成
を示している。ここで、230は画素に対応する小型の
透明電極からなる2次元アレー状電極、231はその表
面に2次元アレー状電極230をもつ透明基板、33は
画像情報を供給する画像信号供給線、34は走査信号を
供給する走査信号供給線、232は小型透明電極に画像
情報に相当する電荷量を供給するスイッチであり、TF
T、MIMなど、反射型空間光変調素子に用いられてい
る素子で透明基板上に形成できる素子である。28は光
変調層である液晶・樹脂複合体73(図31には図示せ
ず)、27は全画素共通の透明電極、30は透明基板で
ある。233は入射光である。また、図31の透明基板
30と透明電極27との間に、あるいは透明電極27と
液晶・樹脂複合体73(光変調層28)との間にカラー
フィルタ220を挿入し、フルカラー画像を表示するこ
ともできる。
【0162】図32は、図30の反射型空間光変調素子
と同様に、1個もしくは複数個の小型透明電極をR、
G、B画像の1サブピクセルに対応させ、これらをまと
めて1つの画素とする単板式フルカラーの透過型空間光
変調素子である。ここでR、G、Bカラーフィルタ22
0は小型透明電極230と基板231の間に挿入されて
いる。他の構成は図31と同様である。
【0163】《透過型空間光変調素子を用いた眼鏡付き
・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示システ
ム》図33は、この透過型空間光変調素子を用いた本発
明に係る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立
体画像表示システムを示している。
【0164】同図に示すように、光源161から発光さ
れた可視光は、赤外光を遮断する赤外光カットフィルタ
162、紫外光を遮断する紫外光カットフィルタ16
3、および光源161からの光を平行光に変換するレン
ズ164を介して偏光ビームスプリッタ240に入射さ
れる。
【0165】偏光ビームスプリッタ240は、入射され
た平行光に含まれるP偏光を透過させてミラー241に
導く。ミラー241で反射されたP偏光はP偏光用の透
過型空間光変調素子242Pで右眼用画像信号IR (も
しくは左眼用画像信号IL )によって変調される。一
方、偏光ビームスプリッタ240は、入射された平行光
に含まれるS偏光を反射してミラー244に導く。ミラ
ー244で反射されたS偏光はS偏光用の透過型空間光
変調素子242Sで左眼用画像信号IL (もしくは右眼
用画像信号IR )によって変調される。
【0166】変調されたP偏光、S偏光は、それぞれ1
/4波長板243、245を経て偏光ビームスプリッタ
246に入射される。
【0167】偏光ビームスプリッタ246は、変調され
たP偏光とS偏光、すなわち右眼用画像と左眼用画像を
合成する。合成された光は、レンズ166を介してアパ
ーチャ168の開口部に集光され、さらにレンズ169
を通して偏光保存可能な反射型スクリーン151に拡大
・投射される。観察者は、互いに直交する直線偏光だけ
を透過する偏光眼鏡152によってモノクロ立体画像を
見る。なお、図33を構成する一部あるいは全ての光学
部品の入出力面あるいは一部の入出力面に、反射防止膜
を施すことも可能である。
【0168】《非立体画像の表示》以上に述べた本発明
に係る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体
画像表示システムを用いて、立体画像だけでなく非立体
画像を表示することも可能である。一例として、フルカ
ラーの立体画像を投射表示する図19に示した投射型立
体画像表示システムを用いて立体画像および非立体画像
を表示する方法を図34をによって説明する。
【0169】すなわち図34に示すように、信号切替装
置250を使用して、入力された右眼用画像信号IR
左眼用画像信号IL とを、P偏光変調光学部10とS偏
光変調光学部11とに各々供給して、立体画像を表示す
る一方、右眼用画像信号IRのみを選択し、これをP偏
光変調光学部10とS偏光変調光学部11とに供給し
て、非立体画像を表示するようにしている。
【0170】この場合、信号切替装置250は、右眼用
画像信号IR を取り込む右眼用入力端子251と、左眼
用画像信号IL を取り込む左眼用入力端子252と、非
立体画像を表示するとき開状態、立体画像を表示すると
き閉状態にされて右眼用入力端子251に入力されてい
る右眼用画像信号IR を通過させて、P偏光変調光学部
10の右眼用画像入力端子253に供給する第1スイッ
チ255と、非立体画像を表示するとき開状態、立体画
像を表示するとき閉状態にされて左眼用入力端子252
に入力されている左眼用画像信号IL を通過させて、S
偏光変調光学部11の左眼用画像入力端子254に供給
する第2スイッチ256と、入力端子257aに右眼用
画像信号IR が入力されたとき、この右眼用画像信号I
R を2つに分けて、第1、第2出力端子257b、25
7cから出力する映像分配器257と、立体画像を表示
するとき開状態、非立体画像を表示するとき閉状態にさ
れて、右眼用入力端子251に入力されている右眼用画
像信号IR を通過させて、映像分配器257の入力端子
257aに入力する第3スイッチ258と、立体画像を
表示するとき開状態、非立体画像を表示するとき閉状態
にされて、映像分配器257の第1出力端子257bか
ら出力される右眼用画像信号IR を通過させて、P偏光
変調光学部10の右眼用画像入力端子253に供給する
第4スイッチ259と、立体画像を表示するとき開状
態、非立体画像を表示するとき閉状態にされて、映像分
配器257の第2出力端子257cから出力される右眼
用画像信号IR を通過させて、S偏光変調光学部11の
左眼用画像入力端子254に供給する第5スイッチ26
0とを備えている。
【0171】上記の構成において、立体画像を表示させ
るときには、第3、第4、第5スイッチ258、25
9、260を開状態にするとともに、第1、第2スイッ
チ255、256を閉状態にして、右眼用入力端子25
1、左眼用入力端子252に入力されている右眼用画像
信号IR と左眼用画像信号IL とを、P偏光変調光学部
10の右眼用画像入力端子253とS偏光変調光学部1
1の左眼用画像入力端子254とに各々供給して立体画
像を表示させる。
【0172】また、非立体画像を表示させるときには、
第1、第2スイッチ255、256を開状態にするとと
もに、第3、第4、第5スイッチ258、259、26
0を閉状態にして、右眼用入力端子251に入力されて
いる右眼用画像信号IR を映像分配器257の入力端子
257aに供給しながら、この映像分配器257の第1
出力端子257bから出力される右眼用画像信号IR
P偏光変調光学部10の右眼用画像入力端子253に供
給し、さらに映像分配器257の第2出力端子257c
から出力される右眼用画像信号IR をS偏光変調光学部
11の左眼用画像入力端子254に供給して非立体画像
を表示させる。
【0173】以上、図34に示した信号切替装置250
を使用して図1、図20〜図33に示す本発明に係る眼
鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示
システムにおいても、立体画像と非立体画像を表示する
ように構成することも勿論可能である。
【0174】<投射型立体画像表示システムの動作>ま
ず、本発明に係る投射型立体画像表示システムを構成す
る反射型空間光変調素子の動作を説明する。ここでは、
図2に示す空間光変調素子22の構成要素である光変調
層28として、この光変調層28に十分大きな電圧を印
加した場合、液晶の常光屈折率と樹脂の屈折率とがほぼ
一致し、かつ正の誘電率異方性を持つ図9の構成の液晶
・樹脂複合体73が使用されているものとする。
【0175】以上を前提にしてこの空間光変調素子22
の基本動作を述べる。まず、光変調層28である液晶・
樹脂複合体層73に電圧が印加されていない場合、液晶
71の分子は、樹脂72の不規則な壁面に応じて、様々
な方向を向く。このとき液晶71は、この液晶71を囲
む樹脂72の屈折率と異なる屈折率を持つ。従って、読
出し光35は、液晶71と樹脂72の境界面や液晶内部
で屈折し、これを繰り返すことによって液晶・樹脂複合
体層73中で散乱される。
【0176】次に、電圧が液晶・樹脂複合体73を挾む
両電極74、75(図2の電極26、27に相当)に印
加されると、その大きさに応じて液晶・樹脂複合体層7
3に電圧が印加される。印加電圧が十分大きい場合、液
晶分子の長軸は電界の印加方向を向き、液晶・樹脂複合
体層73にほぼ垂直に入射した読出し光35は、液晶7
1の中で液晶71の常光屈折率とほぼ同じ屈折率を感じ
る。この場合、液晶71の常光屈折率と樹脂72の屈折
率はほぼ同一であるため、読出し光35は散乱せずに液
晶・樹脂複合体層73中を直進し、2次元アレー状電極
26で反射した後、再び液晶・樹脂複合体層73中を直
進・透過する。
【0177】次に、この空間光変調素子22を構成要素
とする本発明に係る投射型立体画像表示システムの動作
原理を詳細に説明する。
【0178】図1において、先ず、光源12から出射し
た光は、赤外光カットフィルタ13および紫外光カット
フィルタ14により可視光だけが選別され、レンズ15
を介して偏光ビームスプリッタ16に入射される。偏光
ビームスプリッタ16では、入射光をP偏光とこれに直
交するS偏光に分けて、それぞれP偏光変調光学部10
およびS偏光変調光学部11に送る。
【0179】P偏光変調光学部10に入射したP偏光
は、1/4波長板21Pで円偏光に変換された後、空間
光変調素子22Pに入射する。ここで、空間光変調素子
22Pに右眼用画像信号IR (あるいは左眼用画像信号
L )が加えられると、液晶・樹脂複合体層73に電界
が印加され、前記円偏光が変調される。
【0180】ここで、十分大きな電界が印加されると、
液晶・樹脂複合体層73に入射した円偏光は、散乱せず
に液晶・樹脂複合体層73(光変調層28と同一)を透
過し、2次元アレー状電極26で反射されるか、もしく
は液晶・樹脂複合体層73と2次元アレー状電極26の
間に設けられた誘電体多層膜ミラー49で反射されて、
液晶・樹脂複合体層73を通り抜け、再び1/4波長板
21Pを通過してS偏光に変換される。このS偏光は、
偏光ビームスプリッタ16で反射された後、投射光学部
9を構成するレンズ17、アパーチャ19およびレンズ
20を高い透過率で通過し、反射型スクリーン2で反射
して、偏光眼鏡3の右眼用偏光板5あるいは左眼用偏光
板6に導かれる。
【0181】一方、電界が印加されていない液晶・樹脂
複合体層73に入射した円偏光は強く散乱され、2次元
アレー状電極26で反射されるか、もしくは液晶・樹脂
複合体層73(光変調層28と同一)と2次元アレー状
電極26の間に設けられた誘電体多層膜ミラー49で反
射されて、液晶・樹脂複合体層73でさらに散乱を受け
る。空間光変調素子22Pを出射した光はランダムな偏
光状態になっているため、1/4波長板21Pを通過し
てもランダムな偏光状態は変わらない。大部分の散乱光
は、アパーチャ19で遮断されるため、偏光ビームスプ
リッタ16、レンズ17およびアパーチャ19を通過し
てレンズ20に到達する光はきわめて少ない。
【0182】以上に述べたようにP偏光は、P偏光変調
光学部10でS偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ
16、レンズ17、アパーチャ19およびレンズ20を
経由して偏光眼鏡の右眼(あるいは左眼)だけに右眼用
光画像(あるいは左眼用光画像)が送られる。その光画
像強度は、右眼用画像信号IR (あるいは左眼用画像信
号IR )に応じて変化する。
【0183】同様に、S偏光は、S偏光変調光学部11
でP偏光に変換され、1/4波長板21S、偏光ビーム
スプリッタ16、レンズ17、アパーチャ19およびレ
ンズ20を経由して偏光眼鏡の左眼(あるいは右眼)だ
けに左眼用光画像(あるいは右眼用光画像)が送られ
る。その光画像強度は、左眼用画像信号IL (あるいは
右眼用画像信号IR )に応じて変化する。
【0184】以上に述べたように、本発明に係る投射型
立体画像表示システムは入力画像信号IR 、IL に応じ
て、読出し光35を散乱あるいは直進させる。従って、
図1に示すように空間光変調素子22から出射した読出
し光を1/4波長板21と偏光ビームスプリッタ16を
通した後、レンズ17とアパーチャ19を組み合わせ
て、非散乱光をアパーチャ19の開口部18を通して通
過させ、散乱光をアパーチャ19で遮断すれば、立体画
像を高いコントラスト比で表示することができる。
【0185】<空間光変調素子22の作成法>投射型立
体画像表示システムは、空間光変調素子22を除けばい
ずれも既存の光学素子および電子機器を用いて構成する
ことができる。従って、ここでは液晶・樹脂複合体73
を用い、かつ図5、図6に示すa−Si膜からなるTF
Tを用いた空間光変調素子22の作成法について記述す
る。
【0186】前述したように空間光変調素子22は、種
々の材料・素子から構成されるが、ここでは、光変調層
28である液晶・樹脂複合体73として表1に示すネマ
チック液晶と、表2に示す透明樹脂とを1:1の重量比
で混合した厚さ6μmの複合膜を採用した。また、この
複合膜に信号を流すスイッチ32として逆スタガー構造
のTFTを採用した。また、誘電体多層膜ミラー49と
してSiO2 薄膜とTiO2 薄膜を交互に9層重ねた厚
さ0.69μmの多層膜を採用した。さらに、透明電極
27としてIn2 3 に5%のSnを添加した厚さ0.
05μmのITO透明電極膜を、2次元アレー状電極2
6としてアルミニウム薄膜(Al薄膜)を、反射防止膜
29としてMgF2 膜を、および反射防止膜31として
CeF3膜、ZrO2 膜およびMgF2 膜を、それぞれ
採用した空間光変調素子22を例として、その作成法を
詳細に述べる。
【0187】
【表1】
【表2】 まず、ガラス基板25上にゲート電極金属Crをスパッ
タで形成し、フォトリソグラフィによりゲート電極パタ
ーン(図5、図6に示すゲート電極50)を形成する。
次に、プラズマCVD法によりゲート絶縁膜51のSi
x 、チャンネル層52のa−Siおよびn+ a−Si
膜55を連続的に成膜する。さらにチャンネル保護層と
してSiNx を成膜する。これらをパターン化し、ソー
ス電極54およびドレイン電極57を形成する。次に、
再びSiNx でチャンネル保護層やソース電極54およ
びドレイン電極57を覆うように絶縁層を形成した後、
Al薄膜を蒸着して遮光層58を形成する(図6の構成
の場合)。ここで、チャンネル保護層53やソース電極
54およびドレイン電極57を覆うように形成された前
記SiNx 絶縁層には予めコンタクト窓を設けておく。
さらに、Al薄膜の遮光層58やチャンネル保護層53
やソース電極54およびドレイン電極57を覆うように
形成された前記SiNx 絶縁層上に再びSiNx 絶縁層
を設ける。ここでもSiNx 絶縁層にはコンタクト窓が
設けられている。さらに、Al薄膜電極(電極26)を
最後に形成したSiNx 絶縁層56上に形成し、このA
l薄膜電極(電極26)と前記ドレイン電極57とを前
記2つのSiNx 絶縁層のコンタクト窓を通して接続す
る。さらに、このAl薄膜電極(電極26)は、入射光
を高い反射率で反射する必要があるため、その表面を鏡
面になるように研磨する。
【0188】次に、イオンビームアシスト(IAD)法
を用いてTiO2 膜とSiO2 膜を交互に9層積層した
厚さ0.69μmの誘電体多層膜ミラー49を前記Al
薄膜電極(電極26)の上に形成する。この方法で得ら
れた誘電体多層膜ミラー49は、波長500〜590n
mの光に対して、97%以上の高反射率を有する。な
お、デバイスの構成を簡単にする場合には、この誘電体
多層膜ミラー49を省略することもできる。
【0189】次に、表1に示すネマチック液晶と表2に
示す透明樹脂前駆体を1:1の重量比で混合し、直径6
μmのスペーサー球を適当量加えた後、この混合液を前
記誘電体多層膜ミラー49とガラス基板30とで挾み、
これに波長365nm、光強度40mW/cm2 の紫外
線を照射して厚さ6μm、比抵抗2×1010Ωcmの液
晶・樹脂複合体層73(光変調層28)を形成し、空間
光変調素子22を構成する。
【0190】ただし、光変調層28とガラス基板30と
の間には、透明電極27としてIn2 3 に5%のSn
を添加した厚さ0.05μmのITO層を、さらに反射
防止膜29としてMgF2 膜を電子ビーム蒸着法により
形成する。また、ガラス基板30の一方の表面には他の
反射防止膜31であるCeF3 膜、ZrO2 膜およびM
gF2 膜を電子ビーム蒸着法により形成する。
【0191】ここで、前記誘電体多層膜ミラー49を構
成するSiO2 膜とTiO2 膜との比抵抗は、前述の
(4)〜(6)式を満足するように、予め制御されてい
るため、空間光変調素子に印加される大部分の電圧は、
前記光変調層28である液晶・樹脂複合体73に印加さ
れる。
【0192】<投射型立体画像表示システムの画像表示
特性>試作した空間光変調素子を、図35に示すような
光学系に設置してその画像表示特性を測定した。この光
学系では、読出し用光源であるキセノンランプ271
(300W)から出射した読出し光272は、アパーチ
ャ273、レンズ274、赤外光カットフィルタ27
5、紫外光カットフィルタ276および透過帯域500
〜590nmのバンドパスフィルタ277を通過して偏
光ビームスプリッタ278に入射する。
【0193】偏光ビームスプリッタ278は、緑色の読
出し光のS偏光だけを反射し、S偏光の緑色光を円偏光
に変換する1/4波長板279を通して空間光変調素子
322に送る。空間光変調素子322は、画像信号を受
けて円偏光状態の読出し光を変調する。この空間光変調
素子322の構成要素である誘電体多層膜ミラーで反射
された円偏光状態の非散乱光は1/4波長板279を通
ってP偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ278を
透過して、レンズ280、アパーチャ281、レンズ2
82を経由して、スクリーンに投射される読出し光28
3として光検出器284に入射する。
【0194】以上に述べたように、図35に示すシステ
ムは、画像信号Iで緑色のS偏光状態の読出し光を変調
する光学系であり、これまで述べてきた緑色S偏光変調
光学系と同一である。バンドパスフィルタ277および
1/4波長板279を変えて青色光あるいは赤色光のみ
を選択してS偏光を円偏光に変換すれば、青色S偏光変
調光学系および赤色S偏光変調光学系を容易に構成でき
る。もちろん、図35の光学部品を用いてP偏光変調光
学系を構成し、バンドパスフィルタ277の帯域を変更
すれば、青色P偏光変調光学系、緑色P偏光変調光学系
および赤色P偏光変調光学系も容易に構成することがで
きる。
【0195】仮に、空間光変調素子がホモジニアスある
いはホメオトロピックなどの配向を持つ液晶層で構成さ
れ、読出し光が位相差変調を受けるならば、図28ある
いは図17、図18、図19、図20、図21および図
22に示すように、1個の偏光ビームスプリッタで可視
光の全領域をカバーすることは容易ではない。なぜなら
ば、1個の偏光ビームスプリッタで可視光全域にわたり
P偏光とS偏光を分離しようとすると、P偏光波変調光
学系から出射したS偏光(信号光)にS偏光変調光学系
のS偏光(雑音光)が混入したり、S偏光波変調光学系
から出射したP偏光(信号光)にP偏光変調光学系のP
偏光(雑音光)が混じったりするためである。かかる信
号光と雑音光の比は、表示画像の画質を定量的に評価す
る一つのパラメータになり、ここではクロストークと呼
ぶことにする。
【0196】偏光ビームスプリッタのP偏光とS偏光の
分離特性の一例を図36および図37に示す。図36
は、偏光ビームスプリッタに無偏波光を入射したときの
偏光ビームスプリッタを透過するP偏光とS偏光の透過
率を示している。一方、図37は、偏光ビームスプリッ
タに無偏波光を入射したときの偏光ビームスプリッタで
反射するS偏光とP偏光の反射率を示している。図36
では透過率の高い成分が信号光であり、低い成分が信号
光と直交する直線偏波特性をもつ雑音光である。一方、
図37では反射率の高い成分が信号光であり、低い成分
が信号光と直交する直線偏波特性をもつ雑音光である。
これにより、1個の偏光ビームスプリッタで可視光全領
域においてP偏光とS偏光を分離しようとすると、スペ
クトルによっては雑音光が混入し易いことが分かる。従
って、空間光変調素子がホモジニアスあるいはホメオト
ロピックなどの配向を持つ液晶層で構成され、読出し光
を位相差変調する従来の眼鏡付き・光書込み方式の投射
型立体画像表示システムでは、前述した文献1に示すよ
うに、3個の偏光ビームスプリッタで可視光全領域を3
分割し、クロストークの低減を図っている。このため、
投射光学系が複雑になるなどの問題が生じている。
【0197】しかし、本発明に係る眼鏡付き・電気書込
み・光散乱方式の投射型立体画像表示システムでは、空
間光変調素子は、液晶・樹脂複合体の散乱現象を利用し
て変調するため、偏光ビームスプリッタのP偏光とS偏
光の分離特性は本質的な問題にならない。即ち、空間光
変調素子がオフ状態(液晶・樹脂複合体層に電界が印加
されない状態)のときは、P偏光あるいはS偏光変調光
学系に入射した光は偏光状態に依存することなく散乱さ
れ、アパーチャを通過する光量は非常に少なくなるから
である。
【0198】一方、空間光変調素子がオン状態(液晶・
樹脂複合体層に十分な電界が印加される状態)のとき
は、信号光であるP偏光あるいはS偏光は、それぞれS
偏光あるいはP偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ
を反射あるいは透過して、スクリーンに向かう。このと
き雑音光は信号光と直交する直線偏光に変換されて読出
し光源の方向に向かうため、信号光に含まれる雑音成分
は非常に少ない。従って、本発明に係る眼鏡付き・電気
書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示システムは、
クロストークが少なく明るい立体画像を表示できること
が分かる。
【0199】<入力信号とスクリーンに表示される読出
し光の強度との関係>以上の説明をより明確にするた
め、空間光変調素子への入力信号とスクリーンに表示さ
れる読出し光の強度との関係を実験により求めたとこ
ろ、図38および図39に示すような結果を得た。図3
8は緑色P偏光変調光学系における入力信号と規格化さ
れた読出し光強度(%)との関係を示す測定結果、図3
9は緑色S偏光変調光学系における入力信号と規格化さ
れた読出し光強度(%)との関係を示す測定結果であ
る。ここで、図38の縦軸の規格化された読出し光強度
は、P偏光変調光学系でP偏光がS偏光に変換された読
出し光が、アパーチャに続くレンズを通過したときの透
過光強度を偏光ビームスプリッタに入射する読出し光強
度で規格化した値である。また、図39の縦軸の規格化
された読出し光強度は、S偏光変調光学系でS偏光がP
偏光に変換された読出し光が、アパーチャに続くレンズ
を通過したときの透過光強度を偏光ビームスプリッタに
入射する読出し光強度で規格化した値である。また、両
図において、実線は入力信号を増大させた場合、破線は
入力信号を減少させた場合の規格化された読出し光強度
をそれぞれ示す。両図から理解できるように、約60:
1の消光比と21%以上の規格化された読出し光強度を
確保することができる。
【0200】<入力信号とクロストークとの関係>図4
0は、空間光変調素子への入力信号とクロストークとの
関係を示している。図40の縦軸のクロストークは、信
号光量に対する雑音光量の比である。図中の□印は緑色
P偏光変調光学系の測定結果を、また◆印は緑色S偏光
変調光学系の測定結果をそれぞれ示している。ここで、
実線は入力信号を増加させた場合、破線は入力信号を減
少させた場合をそれぞれ表している。同図に示す縦軸の
クロストークは、P偏光変調光学系から出射したS偏光
(信号光)とS偏光変調光学系から出射したS偏光(雑
音光)との比、あるいはS偏光変調光学系から出射した
P偏光(信号光)とP偏光変調光学系から出射したP偏
光(雑音光)との比を表している。言い替えると、この
雑音光は、右眼用信号(あるいは左眼用信号)と対の関
係にある左眼用信号(あるいは右眼用信号)で変調さ
れ、かつ右眼用信号(あるいは左眼用信号)に対応する
読出し光と同じ直線偏波状態を持っている。図40に示
されるように、入力信号が大きい場合は、クロストーク
は非常に小さく、立体感に優れていることがわかる。一
方、入力信号が小さくなると、クロストークは増大し、
立体感はやや薄れる。これらの特性は、「暗くなれば遠
近感が薄れる」など我々の日常体験とも一致しており、
本発明に係る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射
型立体画像表示システムが、自然な立体画像を表示でき
ることを示すものである。
【0201】以上は緑色S偏光光学系と緑色P偏光変調
光学系の実験結果であるが、青色のP偏光およびS偏光
変調光学系、赤色のP偏光およびS偏光変調光学系につ
いても同様の実験を行い、緑色のP偏光およびS偏光変
調光学系とほぼ同じ光変調特性が得られた。
【0202】<空間光変調素子の動画像表示特性>次
に、緑色P偏光変調光学系を用いて空間光変調素子の動
画像表示特性を評価した。反射型スクリーンには、ゲイ
ン8で対角長60インチの高利得な反射型スクリーンを
用いた。その結果、反射型スクリーン面で約40:1の
コントラスト比と約200cd/m2 のピーク輝度が得
られた。また、空間光変調素子のマトリックス構造もす
べて明瞭に表示され、本発明に係る眼鏡付き・電気書込
み・光散乱方式の投射型立体画像表示システムが中心部
および周辺部で高い解像度を持つことが判明した。
【0203】さらに、誘電体多層膜ミラーを持たない2
個の空間光変調素子を2個用いて図1に示す本発明に係
る投射型立体画像表示システムを構成し、白黒立体画像
表示実験を行い、前記の反射型スクリーン面で35:1
のコントラスト比と約400cd/m2 のピーク輝度を
得た。
【0204】また、ディスプレイとスクリーンとの距離
を変えても投射画像のサイズを容易に変更できること、
表示された立体画像の解像度がスクリーンの中心部分と
周辺部分で殆ど違わないことおよび右眼用画像と左眼用
画像に従来の眼鏡付き・光書込み・投射型立体画像表示
システムで発生する台形歪が生じないことなどを確認し
た。
【0205】さらに、P偏光変調光学系およびS偏光変
調光学系の空間光変調素子の入力端子群に同一の画像信
号を入力して、非立体画像を表示することを試み、この
非立体画像が立体画像とほぼ同じ解像度でスクリーン上
で立体画像の約2倍の明るさを有することも確認した。
ただしこの場合、偏光眼鏡を取り外した。
【0206】以上の実験結果は、1台の本発明に係る眼
鏡鏡付き・電気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表
示システムで、従来の2台の光書込み・投射型画像表示
システムを用いた眼鏡付き・光書込み・投射型立体画像
表示システムの約2倍の光利用効率で画像を表示でき、
かつ従来の眼鏡付き・光書込み・投射型立体画像表示シ
ステムの持つ様々な欠点を克服できることを示してい
る。即ち、この実験に用いた空間光変調素子およびこれ
を含む光学系は、スクリーンとディスプレイとの間の調
整がきわめて容易であること、解像度が表示場所によっ
て大きく変化しないこと、電気信号の切り替えだけで立
体画像と非立体画像を表示できること、非立体画像は立
体画像の2倍以上の明るさを持つことなどの特徴を有
し、従来の2台の光書込み・投射型画像表示システムを
用いた眼鏡付き・光書込み・投射型立体画像表示システ
ムの諸問題を解決できることを明らかにした。
【0207】<本発明に係る各実施の形態の効果>以上
説明したように、この発明による投射型立体画像表示シ
ステム、例えば図1に示す第1の実施の形態の投射型立
体画像表示システム1では、光源部7によって可視光を
生成し、光路分離・合成部8によって前記可視光を2つ
に分離して、P偏光変調光学部10と、S偏光変調光学
部11とに各々入射させるとともに、これらP偏光変調
光学部10から出射されるS偏光変調光(右眼用画像の
光)、S偏光変調光学部11から出射されるP偏光変調
光(左眼用画像の光)を取り込んで、1つの右眼・左眼
用画像を合成し、投射光学部9によって前記右眼・左眼
用画像を前記スクリーン2上に投射し、偏光眼鏡3を掛
けた観察者に立体画像を見せるようにしているので、各
実施の形態において、次に述べるような効果を有する。
【0208】《第1の効果》まず、1台の画像拡大投射
ディスプレイ153およびこの画像拡大投射ディスプレ
イ153に対応する画像拡大投射ディスプレイなどによ
って白黒、マルチカラーおよびフルカラーなどの立体画
像を表示することができる。
【0209】《第2の効果》そして、投射光学部9、1
58などで使用するレンズ20、169などとして、ズ
ームレンズを使用すれば、1つのズームレンズの調整を
行うだけで、投射画像の拡大や縮小を自由に行なうこと
ができる。
【0210】《第3の効果》また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、スクリーン506上に投射
される画像の右眼用画像の形状と、左眼用画像の形状と
を完全な正方形や長方形などにすることができないこと
から、台形歪みが発生するが、本発明による各実施の形
態の投射型立体画像表示システム1、150およびこれ
ら投射型立体画像表示システム1、150に対応する各
投射型立体画像表示システムでは、スクリーン2、15
1に対して、画像拡大投射ディスプレイ4、153など
を正対させることができるので、このような台形歪みが
発生しないようにすることができる。
【0211】《第4の効果》また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、スクリーン506の周辺部
において、画像の解像度が低下することを防止すること
ができないが、本発明による各実施の形態の投射型立体
画像表示システム1、150およびこれら投射型立体画
像表示システム1、150に対応する各投射型立体画像
表示システムでは、スクリーン2、151の中央部分で
も、周辺部分でも、ほぼ同じ解像度の画像にすることが
できる。
【0212】《第5の効果》また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、右眼用画像拡大投射ディス
プレイ502および左眼用画像拡大投射ディスプレイ5
03によってスクリーン506上に投射される右眼用画
像の位置調整およびフォース調整と、左眼用画像の位置
調整およびフォース調整と、これら右眼用画像と左眼用
画像との重ね合わせ(レジストレーション)調整を必要
とするが、本発明による各実施の形態の投射型立体画像
表示システム1、150およびこれら投射型立体画像表
示システム1、150に対応する各投射型立体画像表示
システムでは、投射光学部9、158などで使用するレ
ンズ20、169などのフォーカス調整程度の調整作業
を行なうだけで、スクリーン2、151上に鮮明な右眼
用画像と、左眼用画像とを良好なレジストレーション状
態で表示することができる。
【0213】《第6の効果》また、本発明による各実施
の形態の投射型立体画像表示システム1、150および
これら投射型立体画像表示システム1、150に対応す
る各投射型立体画像表示システムでは、偏光ビームスプ
リッタ16、165などのP/S分離特性が表示画像の
クロストークに影響を与えることがないため、スクリー
ン2、151上に鮮明な画像を表示することができる。
【0214】《第7の効果》このため、従来の投射型立
体画像表示システム501では、右眼用画像拡大表示デ
ィスプレイ502内や左眼用画像拡大表示ディスプレイ
503内などに、偏光ビームスプリッタ516などの予
備的なP/S分離光学系を設けなければならないが、本
発明による各実施の形態の投射型立体画像表示システム
1、150およびこれら投射型立体画像表示システム
1、150に対応する各投射型立体画像表示システムで
は、このような予備的なP/S分離光学系を不要にする
ことができる。
【0215】《第8の効果》また、従来の投射型立体画
像表示システム501では、右眼用画像拡大表示ディス
プレイ502内や左眼用画像拡大表示ディスプレイ50
3内などに、青色光、緑色光および赤色光に応じた特性
を持つ偏光ミラー517などを必要とするが、本発明に
よる各実施の形態による投射型立体画像表示システム
1、150およびこれら投射型立体画像表示システム
1、150に対応する各投射型立体画像表示システムで
は、このような特性の偏光ミラーなどを不要にすること
ができる。
【0216】《第9の効果》このため、従来の投射型立
体画像表示システム501では、フルカラーの立体画像
やマルチカラーの立体画像を表示させる際、右眼用画像
拡大表示ディスプレイ502内や左眼用画像拡大表示デ
ィスプレイ503毎に、青色光用の投射光学系と、緑色
光用の投射光学系と、赤色光用の投射光学系とを必要す
るが、本発明による各実施の形態の投射型立体画像表示
システム1、150およびこれら投射型立体画像表示シ
ステム1、150に対応する各投射型立体画像表示シス
テムでは、1つの投射光学系(画像拡大投射ディスプレ
イ4、153など)で、スクリーン2、151上にフル
カラーの立体画像やマルチカラーの立体画像を表示する
ことができる。
【0217】《第10の効果》以上の理由から、従来の
投射型立体画像表示システム501に比べて、本発明に
よる各実施の形態の投射型立体画像表示システム1、1
50およびこれら投射型立体画像表示システム1、15
0に対応する各投射型立体画像表示システムでは、シス
テムサイズを半減させることができ、製造コストを大幅
に低減させることができる。
【0218】《第11の効果》また、本発明による各実
施の形態の投射型立体画像表示システム1、150およ
びこれら投射型立体画像表示システム1、150に対応
する各投射型立体画像表示システムでは、画像拡大投射
ディスプレイ4、153などによってスクリーン2、1
51に投射される1台あたりの画像の明るさを、従来の
投射型立体画像表示システム501の右眼用画像拡大投
射ディスプレイ502および左眼用画像拡大投射ディス
プレイ503によってスクリーン506に投射される1
台あたりの画像の明るさの2倍程度まで、高めることが
できる。
【0219】《第12の効果》また、従来の投射型立体
画像表示システム501では、右眼用画像拡大投射ディ
スプレイ502や左眼用画像拡大投射ディスプレイ50
3で位相差変調方式を使用しているため、右眼用画像拡
大投射ディスプレイ502内部の温度や左眼用画像拡大
投射ディスプレイ503内部の温度を厳密に制御するこ
とが必要であるが、本発明による各実施の形態の投射型
立体画像表示システム1、150およびこれら投射型立
体画像表示システム1、150に対応する各投射型立体
画像表示システムでは、画像拡大投射ディスプレイ4、
153などで、光散乱方式を使用しているため、画像拡
大投射ディスプレイ4、153などの温度管理を不要に
することができる。
【0220】《第13の効果》これによって、本発明に
よる各実施の形態の投射型立体画像表示システム1、1
50およびこれら投射型立体画像表示システム1、15
0に対応する各投射型立体画像表示システムでは、即時
点灯表示を行なうことができる。
【0221】《第14の効果》また、本発明による各実
施の形態の投射型立体画像表示システム1、150およ
びこれら投射型立体画像表示システム1、150に対応
する各投射型立体画像表示システムでは、空間光変調素
子22などを構成する光変調層28などの厚さを厳密に
制御しなくても、鮮明な立体画像を表示することができ
る。
【0222】《第15の効果》このため、本発明による
各実施の形態の投射型立体画像表示システム1、150
およびこれら投射型立体画像表示システム1、150に
対応する各投射型立体画像表示システムでは、空間光変
調素子22などの歩留りを向上させることができるとと
もに、空間光変調素子22などを作成する空間光変調素
子作製装置などの製造コストを低減させることができ、
これによって投射型立体画像表示システム1、150全
体の製造コストを大幅に低減させることができる。
【0223】《第16の効果》さらに、本発明による各
実施の形態の投射型立体画像表示システム1、150お
よびこれら投射型立体画像表示システム1、150に対
応する各投射型立体画像表示システムでは、画像拡大投
射ディスプレイ4、153などによってスクリーン2、
151に非立体画像を表示させたとき、立体画像を表示
させたときに比べ、同じ解像度で、画像の明るさを、2
倍程度まで、高めることができる。
【0224】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、同一
物体を左右の眼で見たときに生じる両眼視差のある左眼
用画像および右眼用画像を、互いに直交する直線偏光も
しくは回転方向の異なる円偏光で表示し、これらの光画
像を互いに直交する直線偏光だけを透過する偏光眼鏡、
あるいは回転方向の異なる円偏光を直線偏光に変換して
透過する偏光眼鏡を通して立体画像を見る眼鏡付き・電
気書込み・投射型立体画像表示システムに関するもの
で、特許請求の範囲に記載された構成を有するので、以
下に述べるような効果を奏する。
【0225】(1)1台の眼鏡付き・電気書込み・光散
乱方式の投射型立体画像表示システムによって、白黒、
マルチカラーおよびフルカラーの立体画像を表示するこ
とができる。
【0226】(2)従って、投射レンズとしてズームレ
ンズを用いれば、投射画像の拡大・縮小を自由に行うこ
とができる。
【0227】(3)従来の眼鏡付き・光書込み・投射型
立体画像表示システムで必然的に発生していた右眼用お
よび左眼用画像の左右の長さが違ういわゆる台形歪が、
全く発生しない。
【0228】(4)従って、従来の眼鏡付き・光書込み
・投射型立体画像表示システムで必然的に発生していた
スクリーン周辺での解像度の低下がない。
【0229】(5)ディスプレイとスクリーンとの位置
調整は、投射画像のサイズとフォーカス調整だけであ
り、従来の2台の光書込み投射型画像表示システムで必
須の調整項目である右眼用画像と左眼用画像の重ね合わ
せ(レジストレーション)の調整を行う必要がない。
【0230】(6)偏光ビームスプリッタのP偏光とS
偏光の分離特性が、表示画像のクロストーク特性に与え
る影響が非常に少ない。
【0231】(7)そのため、従来の眼鏡付き・光書込
み・投射型立体画像表示システムに組み込まれている予
備的な偏光ビームスプリッタは不要である。
【0232】(8)さらに、赤色光、緑色光および青色
光にあった特性を持つ3組の偏光ビームスプリッタおよ
び偏光ミラーも不要である。
【0233】(9)従って、従来の眼鏡付き・光書込み
・投射型立体画像表示システムに用いられる3組の3原
色光用投射光学系は不要であり、3原色光を1つの投射
光学系に入射することができる。
【0234】(10)以上の理由で、立体ディスプレイ
に比べて、ディスプレイのサイズの半減と、コストの大
幅な低減が可能になる。
【0235】(11)1台の本発明に係る眼鏡付き・電
気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示システム
で、従来の2台の光書込み・眼鏡付き投射型立体画像表
示システムとほぼ同じ明るさの画像を表示することがで
きる。
【0236】(12)従来の眼鏡付き・光書込み・投射
型立体画像表示システムは位相差変調方式を用いている
ため、ディスプレイ内部の温度を厳密に制御しなければ
ならないが、本発明に係る眼鏡付き・電気書込み・光散
乱方式の投射型立体画像表示システムは光散乱方式を用
いているため、動作温度の管理は不要である。
【0237】(13)従って、即時点灯表示が可能であ
る。
【0238】(14)空間光変調素子を構成している液
晶・樹脂複合体層の厚さを厳密に制御する必要がない。
【0239】(15)このため、空間光変調素子の歩留
り向上や、空間光変調素子作製装置の低廉価が可能とな
り、この点でも従来の眼鏡付き・光書込み・投射型立体
画像表示システムに比べて大幅なコストダウンが可能で
ある。
【0240】(16)1台の本発明に係る眼鏡付き・電
気書込み・光散乱方式の投射型立体画像表示システム
で、立体画像と立体画像の2倍の明るさをもつ非立体画
像を、立体画像とほぼ同じ解像度で表示できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る投射型立体画像表示システムの一
例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る投射型立体画像表示システムの構
成要素である空間光変調素子の構造を示す断面図であ
る。
【図3】本発明に係る投射型立体画像表示システムの構
成要素である空間光変調素子の構造の一部を示す断面図
である。
【図4】本発明に係る投射型立体画像表示システムの構
成要素である空間光変調素子の他の構造を示す断面図で
ある。
【図5】本発明に係る投射型立体画像表示システムの構
成要素である空間光変調素子のさらに他の構造を示す断
面図である。
【図6】本発明に係る投射型立体画像表示システムの構
成要素である空間光変調素子のさらに他の構造を示す断
面図である。
【図7】本発明に係る投射型立体画像表示システムの構
成要素である空間光変調素子のさらに他の構造を示す断
面図である。
【図8】本発明に係る投射型立体画像表示システムの構
成要素である空間光変調素子のさらに他の構造を示す断
面図である。
【図9】本発明に係る投射型立体画像表示システムの空
間光変調素子の構成要素である液晶・樹脂複合体の構造
例を示す断面図である。
【図10】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
空間光変調素子の構成要素である液晶・樹脂複合体の他
の構造例を示す断面図である。
【図11】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
空間光変調素子の構成要素である液晶・樹脂複合体のさ
らに他の構造例を示す断面図である。
【図12】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
構成要素である1/4波長板付き空間光変調素子の構成
例を示す断面図である。
【図13】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
構成要素である1/4波長フィルム付き空間光変調素子
の構成例を示す断面図である。
【図14】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
構成要素である1/4波長板組み込み型空間光変調素子
の構成例を示す断面図である。
【図15】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
構成要素である空間光変調素子と1/4波長板と偏光ビ
ームスプリッタの他の構成例を示す断面図である。
【図16】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
構成要素である1/4波長フィルム付き空間光変調素子
と偏光ビームスプリッタの構成例を示す断面図である。
【図17】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
構成要素である1/4波長組み込み型空間光変調素子と
偏光ビームスプリッタの構成例を示す断面図である。
【図18】本発明に係る眼鏡付き・電気書込み・光散乱
方式の投射型立体画像表示システムの構成要素である偏
光ビームスプリッタの他の例を示す構成図である。
【図19】フルカラーあるいはマルチカラー立体画像を
表示する本発明に係る投射型立体画像表示システムの系
統図である。
【図20】フルカラーあるいはマルチカラー立体画像を
表示する本発明に係る投射型立体画像表示システムの他
の系統図である。
【図21】フルカラーあるいはマルチカラー立体画像を
表示する本発明に係る投射型立体画像表示システムの他
の系統図である。
【図22】フルカラーあるいはマルチカラー立体画像を
表示する本発明に係る投射型立体画像表示システムの他
の系統図である。
【図23】フルカラーあるいはマルチカラー立体画像を
表示する本発明に係る投射型立体画像表示システムの他
の系統図である。
【図24】フルカラーあるいはマルチカラー立体画像を
表示する本発明に係る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方
式の投射型立体画像表示システムの他の系統図である。
【図25】フルカラーあるいはマルチカラー立体画像を
表示する本発明に係る投射型立体画像表示システムの青
色変調光学系の系統図である。
【図26】フルカラーあるいはマルチカラー立体画像を
表示する本発明に係る投射型立体画像表示システムの緑
色変調光学系の系統図である。
【図27】フルカラーあるいはマルチカラー立体画像を
表示する本発明に係る眼鏡付き・電気書込み・光散乱方
式の投射型立体画像表示システムの赤色変調光学系の系
統図である。
【図28】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
他の構成例を示す系統図である。
【図29】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
他の構成例を示す系統図である。
【図30】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
空間光変調素子の他の構成例を示す断面図である。
【図31】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
空間光変調素子の他の構成例を示す断面図である。
【図32】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
空間光変調素子の他の構成例を示す断面図である。
【図33】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
他の構成例を示す系統図である。
【図34】立体画像と非立画像を切り換える本発明に係
る投射型立体画像表示システムの電子回路の系統図であ
る。
【図35】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
S偏光変調光学系の光変調特性を測定する評価光学系の
系統図である。
【図36】本発明に係る投射型立体画像表示システムを
構成する偏光ビームスプリッタのP偏光とS偏光に対す
る透過率のスペクトル依存性を示す測定結果の説明図で
ある。
【図37】本発明に係る投射型立体画像表示システムを
構成する偏光ビームスプリッタのS偏光とP偏光に対す
る反射率のスペクトル依存性を示す測定結果の説明図で
ある。
【図38】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
緑色P偏光変調光学系の光変調特性を示す測定結果の説
明図である。
【図39】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
緑色S偏光変調光学系の光変調特性を示す測定結果の説
明図である。
【図40】本発明に係る投射型立体画像表示システムの
緑色P偏光変調光学系および緑色S偏光変調光学系のク
ロストーク特性を示す測定結果の説明図である。
【図41】従来の眼鏡付き・光書込み方式の投射型立体
画像表示システムの一構成例を示す系統図である。
【図42】従来の眼鏡付き・光書込み方式の投射型立体
画像表示システムの光学系を示す系統図である。
【図43】従来の眼鏡付き・光書込み方式の投射型立体
画像表示システムの空間光変調素子の構造を示す断面図
である。
【図44】従来の眼鏡付き・光書込み方式の投射型立体
画像表示システムの空間光変調素子の構成要素であるネ
マチック液晶層の液分子晶の配向を示す概念図である。
【図45】従来の眼鏡付き・光書込み方式の投射型立体
画像表示システムの空間光変調素子と投射レンズとスク
リーンとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1、150 投射型立体画像表示システム 2、151 スクリーン 3、152、201 偏光眼鏡 4、153 画像拡大ディスプレイ 5、6、154、155、203、205 偏光板 7、156 光源部 8、157 光分離・合成部 9、158 投射光学部 10、159 P偏光変調光学部 11、160 S偏光変調光学部 13、162、275 赤外光カットフィルタ 14、163、276 紫外光カットフィルタ 15、17、20、164、166、169、274、
280、282 レンズ 16、130、165、180、193B、193G、
193R、197B、197G、197R、240、2
46、278 偏光ビームスプリッタ 19、168、281 アパーチャ 21、21P、21S、171PRB、171PRG、
171PRR、171SLB、171SLG、171S
LR、200B、200G、200R、202、20
4、243、245、279 1/4波長板 22、22A〜22D、22P、22S、172PR
B、172PRG、172PRR、172SLB、17
2SLG、172SLR、242P、242S、322
空間光変調素子 25 基板 26、230 2次元アレー状電極 27 平板状透明電極 28 光変調層 29、31、82、92 反射防止膜 32、232 スイッチ 33 画像信号供給線 34 走査線信号供給線 35 読出し光 40 MOSトランジスタ 49、132、133 誘電体多層膜ミラー 58 遮光層 69 電極 71 液晶 72 透明樹脂 73 液晶・樹脂複合体 80 1/4波長板付き空間光変調素子 81 屈折率整合液 90 1/4波長フィルム付き空間光変調素子 91 1/4波長フィルム 95P、95S 1/4波長フィルム付き空間光変調素
子の反射防止膜92を省略した空間光変調素子 100 1/4波長板組み込み型空間光変調素子 105P、105S 1/4波長フィルム板組み込み型
空間光変調素子の反射防止膜82を省略した空間光変調
素子 111、121 屈折率整合用液体 159B 青色P偏光変調光学部 159G 緑色P偏光変調光学部 159R 赤色P偏光変調光学部 160B 青色S偏光変調光学部 160G 緑色S偏光変調光学部 160R 赤色S偏光変調光学部 170PB、170PG、170SB、170SG、1
91B、191G、192G、192B、195B、1
95G、195R、196B、196G、196R、1
98B、198G、198R ダイクロイックミラー 170PP、170SP、170PPP、170SPP
ダイクロイックプリズム 191 色分解光学部 192 色合成光学部 194B 青色変調光学系 194G 緑色変調光学系 194R 赤色変調光学系 210、211、241、244 ミラー 212 透過スクリーン 220 カラーフィルタ 233 入射光 250 信号切替装置 251、252、253、254 入力端子 255、256、258、259、260 スイッチ 257 映像分配器 257a、257b、257c 映像分配器の入出力端
子 277 バンドパスフィルタ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光を発光する光源部と、 P偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、透明電極、
    2次元アレー状電極、この2次元アレー状電極に接続さ
    れたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着して挿
    入された光変調層とを少なくとも有し前記スイッチに電
    気信号を加えて前記透明電極を透過して前記光変調層に
    入射する光を変調すると共にこの変調光を前記2次元ア
    レー状電極で反射させ再び光変調層および透明電極を透
    過させて電気信号に応じた光画像を形成する空間光変調
    素子と、を具備したP偏光変調光学部と、 S偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、透明電極、
    2次元アレー状電極、この2次元アレー状電極に接続さ
    れたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着して挿
    入された光変調層を少なくとも有し前記スイッチに電気
    信号を加えて前記透明電極を透過して前記光変調層に入
    射する光を変調すると共にこの変調光を前記2次元アレ
    ー状電極で反射させ再び光変調層および透明電極を透過
    させて電気信号に応じた光画像を形成する空間光変調素
    子と、を具備したS偏光変調光学部と、 前記可視光に含まれるP偏光とS偏光とを分離して各別
    の前記1/4波長板に出射すると共に、右眼用画像信号
    (または左眼用画像信号)で変調されたS偏光と、左眼
    用画像信号(または右眼用画像信号)で変調されたP偏
    光とを出射する偏光ビームスプリッタと、 この偏光ビームスプリッタから出射された右眼用画像信
    号(または左眼用画像信号)で変調されたS偏光と左眼
    用画像信号(または右眼用画像信号)で変調されたP偏
    光とを同時に拡大投射するアパーチャを持つ投射光学部
    と、 この投射光学部から出射される右眼用画像および左眼用
    画像の偏光方向を保持しつつ、反射または透過させるス
    クリーンと、 このスクリーンによって反射または透過された互いに偏
    光方向が異なる右眼用画像および左眼用画像を観察者の
    右眼、左眼に各々導く偏光眼鏡と、 を少なくとも具備することを特徴とする投射型立体画像
    表示システム。
  2. 【請求項2】 白色光を発光する光源部と、 この白色光からP偏光とS偏光とを分離する偏光ビーム
    スプリッタと、 青色のP偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、透明
    電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電極に接続
    されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着して
    挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイッチに電
    気信号を加えて前記透明電極を透過して前記光変調層に
    入射する青色光を変調すると共にこの変調光を前記2次
    元アレー状電極で反射させ再び光変調層および透明電極
    を透過させて電気信号に応じた光画像を形成する空間光
    変調素子と、を具備した青色P偏光変調光学部と、 緑色のP偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、透明
    電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電極に接続
    されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着して
    挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイッチに電
    気信号を加えて前記透明電極を透過して前記光変調層に
    入射する緑色光を変調すると共にこの変調光を前記2次
    元アレー状電極で反射させ再び光変調層および透明電極
    を透過させて電気信号に応じた光画像を形成する空間光
    変調素子と、を具備した緑色P偏光変調光学部と、 赤色のP偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、透明
    電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電極に接続
    されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着して
    挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイッチに電
    気信号を加えて前記透明電極を透過して前記光変調層に
    入射する赤色光を変調すると共にこの変調光を前記2次
    元アレー状電極で反射させ再び光変調層および透明電極
    を透過させて電気信号に応じた光画像を形成する空間光
    変調素子と、を具備した赤色P偏光変調光学部と、 青色のS偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、透明
    電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電極に接続
    されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着して
    挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイッチに電
    気信号を加えて、前記透明電極を透過して前記光変調層
    に入射する青色光を変調すると共にこの変調光を前記2
    次元アレー状電極で反射させ再び光変調層および透明電
    極を透過させて電気信号に応じた光画像を形成する空間
    光変調素子と、を具備した青色S偏光変調光学部と、 緑色のS偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、透明
    電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電極に接続
    されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着して
    挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイッチに電
    気信号を加えて前記透明電極を透過して前記光変調層に
    入射する緑色光を変調すると共にこの変調光を前記2次
    元アレー状電極で反射させ再び光変調層および透明電極
    を透過させて電気信号に応じた光画像を形成する空間光
    変調素子と、を具備した緑色S偏光変調光学部と、 赤色のS偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、透明
    電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電極に接続
    されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に密着して
    挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイッチに電
    気信号を加えて前記透明電極を透過して前記光変調層に
    入射する赤色光を変調すると共にこの変調光を前記2次
    元アレー状電極で反射させ再び光変調層および透明電極
    を透過させて電気信号に応じた光画像を形成する空間光
    変調素子と、を具備した赤色S偏光変調光学部と、 前記偏光ビームスプリッタにより分離されたP偏光の白
    色光を青色P偏光、緑色P偏光および赤色P偏光の3原
    色光に分離してそれぞれ前記青色P偏光変調光学部、緑
    色P偏光変調光学部および赤色P偏光変調光学部に出射
    すると共に、前記青色P偏光変調光学部の空間光変調素
    子および1/4波長板を介して出射される青色光と、前
    記緑色P偏光変調光学部の空間光変調素子および1/4
    波長板を介して出射される緑色光と、前記赤色P偏光変
    調光学部の空間光変調素子および1/4波長板を介して
    出射される赤色光とを合成するP偏光用色分解・合成光
    学部と、 前記偏光ビームスプリッタにより分離されたS偏光の白
    色光を青色S偏光、緑色S偏光および赤色S偏光の3原
    色光に分離してそれぞれ前記青色S偏光変調光学部、緑
    色S偏光変調光学部および赤色S偏光変調光学部に出射
    すると共に、前記青色S偏光変調光学部の空間光変調素
    子および1/4波長板を介して出射される青色光と、前
    記緑色S偏光変調光学部の空間光変調素子および1/4
    波長板を介して出射される緑色光と、前記赤色S偏光変
    調光学部の空間光変調素子および1/4波長板を介して
    出射される赤色光とを合成するS偏光用色分解・合成光
    学部と、 前記P偏光用色分解・合成光学部および前記偏光ビーム
    スプリッタを通って出射される右眼用画像信号(または
    左眼用画像信号)で変調されたフルカラーまたはマルチ
    カラーのS偏光と、前記S偏光用色分解・合成光学部お
    よび前記偏光ビームスプリッタを通って出射される左眼
    用画像信号(または右眼用画像信号)で変調されたフル
    カラーまたはマルチカラーのP偏光とを同時に拡大投射
    するアパーチャを持つ投射光学部と、 この投射光学部から出射される右眼用画像および左眼用
    画像の偏光方向を保持しつつ、反射または透過させるス
    クリーンと、 このスクリーンによって反射または透過された互いに偏
    光方向が異なる右眼用画像および左眼用画像を観察者の
    右眼、左眼に各々導く偏光眼鏡と、 を少なくとも具備することを特徴とする投射型立体画像
    表示システム。
  3. 【請求項3】 白色光を発光する光源部と、 白色光を青色光、緑色光および赤色光の3原色光に分解
    する色分解光学部と、 この色分解光学部で分解された青色光をP偏光とS偏光
    に分離する偏光ビームスプリッタと、 この青色P偏光を青色円偏光に変換する1/4波長板
    と、透明電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電
    極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に
    密着して挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイ
    ッチに電気信号を加えて、前記透明電極を透過して前記
    光変調層に入射する青色光を変調すると共にこの変調光
    を前記2次元アレー状電極で反射させ再び光変調層およ
    び透明電極を透過させて電気信号に応じた光画像を形成
    する空間光変調素子と、を具備した青色P偏光変調光学
    部と、 前記偏光ビームスプリッタで分離された青色S偏光を青
    色円偏光に変換する1/4波長板と、透明電極、2次元
    アレー状電極、2次元アレー状電極に接続されたスイッ
    チおよびこれら2つの電極の間に密着して挿入された光
    変調層を少なくとも有し前記スイッチに電気信号を加え
    て前記透明電極を透過して前記光変調層に入射する青色
    光を変調すると共にこの変調光を前記2次元アレー状電
    極で反射させ再び光変調層および透明電極を透過させて
    電気信号に応じた光画像を形成する空間光変調素子と、
    を具備した青色S偏光変調光学部と、 前記色分解光学部で分解された緑色光をP偏光とS偏光
    に分離する偏光ビームスプリッタと、 この緑色P偏光を緑色円偏光に変換する1/4波長板
    と、透明電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電
    極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に
    密着して挿入された光変調層を少なくとも有し前記スイ
    ッチに電気信号を加えて前記透明電極を透過して前記光
    変調層に入射する緑色光を変調すると共に前記2次元ア
    レー状電極で反射させ再び光変調層および透明電極を透
    過させて電気信号に応じた光画像を形成する空間光変調
    素子と、を具備した緑色P偏光変調光学部と、 前記偏光ビームスプリッタで分離された緑色S偏光を緑
    色円偏光に変換する1/4波長板と、透明電極、2次元
    アレー状電極、2次元アレー状電極に接続されたスイッ
    チおよびこれら2つの電極の間に密着して挿入された光
    変調層を少なくとも有し前記スイッチに電気信号を加え
    て、前記透明電極を透過して前記光変調層に入射する緑
    色光を変調すると共にこの変調光を前記2次元アレー状
    電極で反射させ再び光変調層および透明電極を透過させ
    て電気信号に応じた光画像を形成する空間光変調素子
    と、を具備した緑色S偏光変調光学部と、 前記色分解光学部で分解された赤色光をP偏光とS偏光
    に分離する偏光ビームスプリッタと、 この赤色P偏光を赤色円偏光に変換する1/4波長板
    と、透明電極、2次元アレー状電極、2次元アレー状電
    極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に
    密着して挿入された光変調層とを少なくとも有し前記ス
    イッチに電気信号を加えて前記透明電極を透過して前記
    光変調層に入射する赤色光を変調すると共にこの変調光
    を前記2次元アレー状電極で反射させ再び光変調層およ
    び透明電極を透過させて電気信号に応じた光画像を形成
    する空間光変調素子と、を具備した赤色P偏光変調光学
    部と、 前記偏光ビームスプリッタで分離された赤色S偏光を赤
    色円偏光に変換する1/4波長板と、透明電極、2次元
    アレー状電極、2次元アレー状電極に接続されたスイッ
    チおよびこれら2つの電極の間に密着して挿入された光
    変調層とを少なくとも有し前記スイッチに電気信号を加
    えて前記透明電極を透過して前記光変調層に入射する赤
    色光を変調すると共にこの変調光を前記2次元アレー状
    電極で反射させ再び光変調層および透明電極を透過させ
    て電気信号に応じた光画像を形成する空間光変調素子
    と、を具備した赤色S偏光変調光学部と、 前記青色P偏光変調光学部から出射された青色S偏光
    と、青色S偏光変調光学部から出射された青色P偏光
    と、緑色P偏光変調光学部から出射された緑色S偏光
    と、緑色S偏光変調光学部から出射された緑色P偏光
    と、赤色P偏光変調光学部から出射された赤色S偏光
    と、赤色S偏光変調光学部から出射された赤色P偏光と
    を合成して右眼用画像および左眼用画像を生成する色合
    成光学部と、 この色合成光学部から出射された右眼用画像および左眼
    用画像の光を拡大投射するアパーチャを持つ投射光学部
    と、 この投射光学部から出射される右眼用画像および左眼用
    画像の偏光方向を保持しつつ、反射または透過させるス
    クリーンと、 このスクリーンによって反射または透過された互いに偏
    光方向が異なる右眼用画像および左眼用画像を観察者の
    右眼、左眼に各々導く偏光眼鏡と、 を少なくとも具備することを特徴とする投射型立体画像
    表示システム。
  4. 【請求項4】 可視光を発光する光源部と、 この可視光に含まれるP偏光とS偏光とを分離する偏光
    ビームスプリッタと、 透明電極、2次元アレー状透明電極、この2次元アレー
    状透明電極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電
    極の間に密着して挿入された光変調層と、赤色光以外の
    可視光を遮断する赤色光フィルタ、緑色光以外の可視光
    を遮断する緑色光フィルタおよび青色光以外の可視光を
    遮断する青色光フィルタを少なくとも有し、前記スイッ
    チに右眼用画像信号を加えて前記光変調層に入射する前
    記偏光ビームスプリッタを透過したP偏光を変調して電
    気信号に応じた光画像を形成するカラーフィルタ付き空
    間光変調素子と、 前記P偏光をS偏光に変換する1/2波長板と、 透明電極、2次元アレー状透明電極、この2次元アレー
    状透明電極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電
    極の間に密着して挿入された光変調層と、赤色光以外の
    可視光を遮断する赤色光フィルタ、緑色光以外の可視光
    を遮断する緑色光フィルタおよび青色光以外の可視光を
    遮断する青色光フィルタを少なくとも有し、前記スイッ
    チに左眼用画像信号を加えて前記光変調層に入射する前
    記偏光ビームスプリッタで反射したS偏光を変調して電
    気信号に応じた光画像を形成するカラーフィルタ付き空
    間光変調素子と、 前記S偏光をP偏光に変換する1/2波長板と、 P偏光を変調する前記カラーフィルタ付き空間光変調素
    子および1/2波長板を通過したS偏光と、S偏光を変
    調する前記カラーフィルタ付き空間光変調素子および1
    /2波長板を通過したP偏光とを合成して右眼用画像お
    よび左眼用画像を生成する偏光ビームスプリッタと、 この色合成光学部から出射された右眼用画像および左眼
    用画像の光を同時に遮断または透過するアパーチャーを
    持つ投射光学部と、 この投射光学部から出射される右眼用画像および左眼用
    画像の偏光方向を保持しつつ、反射または透過させるス
    クリーンと、 このスクリーンによって反射または透過された互いに偏
    光方向が異なる右眼用画像および左眼用画像を観察者の
    右眼、左眼に各々導く偏光眼鏡と、 を少なくとも具備することを特徴とする投射型立体画像
    表示システム。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の投射型立体画像表示シ
    ステムにおいて、 前記空間光変調素子として、 透明電極、2次元アレー状電極、この2次元アレー状電
    極に接続されたスイッチおよびこれら2つの電極の間に
    密着して挿入された光変調層と、 赤色光以外の可視光を遮断する赤色光フィルタ、緑色光
    以外の可視光を遮断する緑色光フィルタおよび青色光以
    外の可視光を遮断する青色光フィルタと、を少なくとも
    有し、 前記スイッチに電気信号を加えて、前記透明電極を透過
    して前記光変調層に入射する白色光を変調すると共に、
    この変調光を前記2次元アレー状電極で反射させ、再び
    光変調層および透明電極を透過させて、電気信号に応じ
    た光画像を形成するカラーフィルタ付き反射型空間光変
    調素子で構成したことを特徴とする投射型立体画像表示
    システム。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5のいずれ
    かに記載の投射型立体画像表示システムにおいて、 前記空間光変調素子は、前記光変調層としてネマチック
    液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、あるい
    はこれら液晶の混合物からなる群より選ばれた一種以上
    の液晶の常光屈折率、異常光屈折率またはこの液晶がラ
    ンダムに配向した際の屈折率のいずれかと同等の屈折率
    を持つ樹脂中にこの液晶を分散させた液晶・樹脂複合
    体、またはこの液晶中にこの樹脂を分散させた液晶・樹
    脂複合体を有し、かつ、この液晶・樹脂複合体が電気信
    号で駆動されることを特徴とする投射型立体画像表示シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6のい
    ずれかに記載の投射型立体画像表示システムにおいて、 前記空間光変調素子は、MOS(Metal Oxiside Semico
    nductor )トラジスタ、薄膜トランジスタ(TFT:Th
    in Film Transistor)、リングダイオード、逆対向ダイ
    オードMIM(Metal Insulator Metal )素子からなる
    群より選ばれた素子をスイッチとすることを特徴とする
    投射型立体画像表示システム。
  8. 【請求項8】 前記請求項1、2、3、5、6または7
    のいずれかに記載の投射型立体画像表示システムにおい
    て、 前記空間光変調素子を構成するスイッチは、前記液晶・
    樹脂複合体と前記2次元アレー電極との間に配置されて
    おり、液晶・樹脂複合体を通過した光が直接スイッチに
    届かないように構成されていることを特徴とする投射型
    立体画像表示システム。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、5、6、7または8
    のいずれかに記載の投射型立体画像表示システムにおい
    て、 前記空間光変調素子は、前記光変調層と前記2次元アレ
    ー電極との間に誘電体多層膜ミラーを有することを特徴
    とする投射型立体画像表示システム。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の投射型立体画像表示
    システムにおいて、 前記誘電体多層膜ミラーは、高い屈折率をもつ誘電体薄
    膜と低い屈折率をもつ誘電体薄膜を交互に積層した構造
    を有し、高屈折率をもつ誘電体薄膜の比抵抗と比誘電率
    をそれぞれρH およびεH とし、抵屈折率をもつ誘電体
    薄膜の比抵抗と比誘電率をそれぞれρL およびεL
    し、さらに前記電気信号のフレーム周波数をfおよび真
    空の誘電率をε0 とすると、以下の式(1)〜(3)を
    満足することを特徴とする投射型立体画像表示システ
    ム。 ρH <(2πfεH ε0 S)-1 (1) ρL <(2πfεL ε0 S)-1 (2) S>5 (3)
  11. 【請求項11】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9または10のいずれかに記載の投射型立体画像表
    示システムにおいて、 前記1/4波長板と前記偏光ビームスプリッタとを屈折
    率整合用液体層を介して密着させたことを特徴とする投
    射型立体画像表示システム。
  12. 【請求項12】 請求項2、3、4、5、6、7、8、
    9、10または11において、 前記偏光ビームスプリッタと、前記P偏光用色分解・合
    成光学部およびS偏光用色分解・合成光学部または前記
    色分解光学部と、前記1/4波長板と、前記空間光変調
    素子とを光学素子として構成された前記各偏光変調光学
    部において、少なくとも2つ以上の光学素子を屈折率整
    合用液体層を介して密着したことを特徴とする投射型立
    体画像表示システム。
  13. 【請求項13】 請求項2、3、4、5、6、7、8、
    9、10、11または12のいずれかに記載の投射型立
    体画像表示システムにおいて、 前記色分解・合成光学部または色分解光学部は、ダイク
    ロイックミラーまたはダイクロイックリズムで構成され
    ていることを特徴とする投射型立体画像表示システム。
  14. 【請求項14】 請求項3、4、5、6、7、8、9、
    10、11、12または13のいずれかに記載の投射型
    立体画像表示システムにおいて、 前記色合成光学部は、ダイクロイックミラーまたはダイ
    クロイックプリズムで構成されていることを特徴とする
    投射型立体画像表示システム。
  15. 【請求項15】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13または14のいずれか
    に記載の投射型立体画像表示システムにおいて、 前記空間光変調素子を構成する透明基板の代わりに前記
    1/4波長板を用いて空間光変調素子を構成し、空間光
    変調素子と1/4波長板を一体化させたことを特徴とす
    る投射型立体画像表示システム。
  16. 【請求項16】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14または15のい
    ずれかに記載の投射型立体画像表示システムにおいて、 前記偏光ビームスプリッタ、1/4波長板、空間光変調
    素子の透明基板の全ての面あるいは一部の面には、反射
    防止膜が積層されていることを特徴とする投射型立体画
    像表示システム。
  17. 【請求項17】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15または1
    6のいずれかに記載の投射型立体画像表示システムにお
    いて、 入力された右眼用画像信号を受ける右眼用画像信号入力
    端子と、 入力された左眼用画像信号を受ける左眼用画像信号入力
    端子と、 立体画像を表示するときには、前記右眼用画像信号入力
    端子に入力されている右眼用画像信号を右眼用に設定さ
    れたP偏光変調光学部またはS偏光変調光学部に供給す
    るとともに、前記左眼用画像信号入力端子に入力されて
    いる左眼用画像信号を左眼用に設定されたS偏光変調光
    学部またはP偏光変調光学部に供給する一方、非立体画
    像を表示するときには、前記右眼用画像信号入力端子に
    入力されている右眼用画像信号または前記左眼用画像信
    号入力端子に入力されている左眼用画像信号のいずれか
    を選択して、前記P偏光変調光学部およびS偏光変調光
    学部に供給するスイッチ群と、 を備えたことを特徴とする投射型立体画像表示システ
    ム。
  18. 【請求項18】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15、16ま
    たは17のいずれかに記載の投射型立体画像表示システ
    ムにおいて、 前記偏光ビームスプリッタと反射型スクリーンとの間に
    1/4波長板が設置され、この波長板を通して前記P偏
    光およびS偏光が回転方向の異なる円偏光にそれぞれ変
    換され、入射光と反射光の偏光状態が変わらない反射型
    スクリーンで反射されたこの円偏光を1/4波長板と偏
    光板とを持つ偏光眼鏡で見ることを特徴とする投射型立
    体画像表示システム。
  19. 【請求項19】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15、16、
    17または18のいずれかに記載の投射型立体画像表示
    システムにおいて、 前記アパーチャをもつ投射光学部と前記スクリーンとの
    間にミラーを有し、かつ、このスクリーンが入射光と透
    過光の偏光状態が変わらない透過型スクリーンであるこ
    とを特徴とする投射型立体画像表示システム。
JP7256223A 1995-10-03 1995-10-03 投射型立体画像表示システム Pending JPH0996780A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7256223A JPH0996780A (ja) 1995-10-03 1995-10-03 投射型立体画像表示システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7256223A JPH0996780A (ja) 1995-10-03 1995-10-03 投射型立体画像表示システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0996780A true JPH0996780A (ja) 1997-04-08

Family

ID=17289651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7256223A Pending JPH0996780A (ja) 1995-10-03 1995-10-03 投射型立体画像表示システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0996780A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11289559A (ja) * 1998-04-02 1999-10-19 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 投写型立体画像表示装置
JP2001337295A (ja) * 2000-05-30 2001-12-07 Nitto Kogaku Kk 投影装置
WO2004051994A1 (en) 2002-12-04 2004-06-17 Thomson Licensing S. A. High contrast stereoscopic projection system
JP2007524111A (ja) * 2003-07-18 2007-08-23 キノプティクス テクノロジーズ インコーポレイテッド カラープロジェクションディスプレイシステム
JP2008546040A (ja) * 2005-06-10 2008-12-18 カラーリンク・インコーポレイテッド 三次元立体投影アーキテクチャ
US7697848B2 (en) 2005-05-30 2010-04-13 Kyocera Corporation Wireless communication system, wireless transmitting apparatus, and wireless receiving apparatus
JP2015532728A (ja) * 2012-08-21 2015-11-12 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 視覚装置

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11289559A (ja) * 1998-04-02 1999-10-19 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 投写型立体画像表示装置
JP2001337295A (ja) * 2000-05-30 2001-12-07 Nitto Kogaku Kk 投影装置
WO2004051994A1 (en) 2002-12-04 2004-06-17 Thomson Licensing S. A. High contrast stereoscopic projection system
JP2006509242A (ja) * 2002-12-04 2006-03-16 トムソン ライセンシング 高いコントラストの立体投射系
US7192139B2 (en) 2002-12-04 2007-03-20 Thomson Licensing High contrast stereoscopic projection system
CN100384239C (zh) * 2002-12-04 2008-04-23 汤姆森许可贸易公司 高对比度立体投影系统
KR101019378B1 (ko) * 2002-12-04 2011-03-07 톰슨 라이센싱 높은 콘트라스트 입체 프로젝션 시스템
JP2007524111A (ja) * 2003-07-18 2007-08-23 キノプティクス テクノロジーズ インコーポレイテッド カラープロジェクションディスプレイシステム
US7697848B2 (en) 2005-05-30 2010-04-13 Kyocera Corporation Wireless communication system, wireless transmitting apparatus, and wireless receiving apparatus
JP2008546040A (ja) * 2005-06-10 2008-12-18 カラーリンク・インコーポレイテッド 三次元立体投影アーキテクチャ
JP2015532728A (ja) * 2012-08-21 2015-11-12 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 視覚装置
US9841600B2 (en) 2012-08-21 2017-12-12 3M Innovative Properties Company Viewing device
US10180577B2 (en) 2012-08-21 2019-01-15 3M Innovative Properties Company Viewing device
JP2019194705A (ja) * 2012-08-21 2019-11-07 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 視覚装置
US10527857B2 (en) 2012-08-21 2020-01-07 3M Innovative Property Company Viewing device
US11333890B2 (en) 2012-08-21 2022-05-17 3M Innovative Properties Company Viewing device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4127322A (en) High brightness full color image light valve projection system
Robinson et al. Polarization engineering for LCD projection
US5648860A (en) Projection type color liquid crystal optical apparatus
TW400449B (en) Projection type display
JP3250853B2 (ja) 液晶表示装置およびそれを用いた投写型表示装置
EP1154653B1 (en) Color liquid crystal projector having an improved optical system
US5453857A (en) Liquid crystal display with two transistors per pixel driven at opposite polarities
EP0953865A2 (en) Optical modulator and image projection display apparatus
EP1420597A2 (en) Projector
CN101558354B (zh) 反射型液晶显示器件以及反射型液晶投影仪
JPH08234192A (ja) 液晶フィルターと連続的に連結したカラーディスプレイ
JPH02149882A (ja) 画像投射装置
US20010028416A1 (en) System and method for displaying 3D imagery using a dual projector 3D stereoscopic projection system
US20130100376A1 (en) Liquid crystal device, electronic apparatus, and projection type display apparatus
TWI397719B (zh) 立體顯示裝置及立體畫面顯示方法
TW202028835A (zh) 顯示系統、空間光調變器系統及顯示系統的形成方法
JP3533057B2 (ja) 液晶表示装置
JPH0996780A (ja) 投射型立体画像表示システム
CN100507703C (zh) 液晶显示装置及光学模块
JPH0990310A (ja) 反射型液晶表示素子及びその応用装置
JPH0830244A (ja) 液晶立体表示装置とその駆動方法
JPH08265803A (ja) 投射型立体画像表示システム
JPH10153773A (ja) 液晶表示装置
JPH0456827A (ja) 反射型液晶パネル
JPH11289559A (ja) 投写型立体画像表示装置