JPH0995763A - 耐摩耗性皮膜形成方法 - Google Patents

耐摩耗性皮膜形成方法

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JPH0995763A
JPH0995763A JP25733995A JP25733995A JPH0995763A JP H0995763 A JPH0995763 A JP H0995763A JP 25733995 A JP25733995 A JP 25733995A JP 25733995 A JP25733995 A JP 25733995A JP H0995763 A JPH0995763 A JP H0995763A
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JP
Japan
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Withdrawn
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JP25733995A
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English (en)
Inventor
Katsuyasu Hananaka
勝保 花中
Akio Imayado
明男 今宿
Masanobu Misaki
雅信 三崎
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐酸化性及び耐摩耗性の優れた皮膜を形成す
る。 【解決手段】 マルチアークイオンプレーティング装置
1のホルダー7に、ホブ(基材)10を取り付けると共
に、ターゲット3の材質をTi0.4 Al0.6 とする。ま
ずケーシング内をArガス雰囲気としTiボンガードに
よりホブ10を400℃に昇温する。その後は、N2
スを供給しつつホブ10にDC−100Vのバイアスを
印加してターゲット3上にアークを生じさせ、ホブ10
の表面に成膜をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削工具等の表面
に密着性の優れた耐摩耗皮膜を効率良く形成する耐摩耗
性皮膜形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速度工具鋼等を製作する場合は、耐摩
耗性等の性能をより優れたものとすることを目的とし
て、工具の表面にTi等の窒化物や炭化物よりなる耐摩
耗性皮膜を形成することが行なわれている。
【0003】基材表面に耐摩耗性皮膜を形成する方法と
しては、従来よりCVD法(化学的蒸着法)及びPVD
法(物理的蒸着法)が知られている。しかし前者の方法
では母材が高温処理に浸されるため、母材特性が劣化す
るおそれがある。母材特性も適正視される工具の場合に
は、後者の方法が好まれ、例えばPVD法によるTiN
皮膜等が汎用されていた。このTiN皮膜は耐熱性が良
好であって、切削等の加工熱や摩擦熱による工具すくい
面のクレータ摩耗を抑制する機能を発揮する。
【0004】しかしながら、近年切削速度の高速化が要
望されており、切削条件がより過酷化する傾向にあるた
め、上記した様な従来のTiN皮膜程度ではこの要請に
応えきれなくなっている。
【0005】そこで耐熱性や硬度が更に優れた皮膜とし
てイオンプレーティング法やスパッタ法によるTiAl
N,TiAlC,又はTiAlCN等の皮膜が提案され
た(特開昭62−56565号,特開平2−19415
9号)。
【0006】特開昭62−56565号に示された発明
の要旨は次の通りである。基体部材の表面に、TiとA
lの炭化物、窒化物、および炭窒化物のうちの1種の単
層または2種以上の複層からなる硬質被覆層を、0.5
〜10μmの層厚で形成してなる耐摩耗性のすぐれた表
面被覆硬質部材。
【0007】特開平2−194159号に示された発明
の要旨は次の通りである。基材表面に耐摩耗性皮膜を形
成するに当たり、 (Al x Ti 1-x )(Ny 1-y ) 但し 0.56≦x≦0.75 0.6 ≦y≦1 で示される化学組成からなり、膜厚が0.8〜10μm
の耐摩耗性皮膜を、蒸発源としてカソードを用いるアー
ク放電方式によって形成することを特徴とする耐摩耗性
皮膜形成方法。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来方法による皮膜の形成には次のような問題があ
った。
【0009】まずイオンプレーティング法の場合の問題
について述べる。従来のイオンプレーティング法は、蒸
着るつぼ内で溶融・蒸発する方式であるため、蒸発源の
設置位置が制約される。このため、複雑な形状の基材を
皮膜する場合は生産性が悪い。また複数の金属を蒸発さ
せて基材表面上で合金化させたい場合が多いにもかかわ
らず、個々の蒸発金属には蒸気圧差があり、皮膜の合金
組成を安定的にコントロールすることが困難であった。
【0010】次にスパッタリング法の場合の問題につい
て述べる。従来のスパッタリング法では、複雑な形状の
基材を皮膜する場合の生産性が低い。更にターゲットと
してTix Al1-x や(Tix Al1-x )N等を使用す
る場合は、スパッタ率が経時的に変化し易いため、この
変化を見込んだ組成のターゲットを要する。またスパッ
タ粒子のイオン化率が低いため、基材に突入するイオン
量が少なく、従って十分な密着性が得られないという欠
点があった。しかも成膜速度が遅く量産化が困難であ
る。
【0011】次に組成に関する問題点について述べる。
特開昭62−56565号には、(Ti,Al)C,
(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)CNと記述され
ているにとどまり、TiとAlの比率またはCとNの比
率について明確な記述がなく、すべての組成を適用でき
るものではない。
【0012】特開平2−194159号には、AlN−
TiN系全組成域について記述してあり、AlNを基本
組成としている。
【0013】本発明は、TiN−AlN系全組成域につ
いて詳細に調べ、TiNを基本組成としTiN単組成の
弱点をAlを添加し改善し、その組成域を特定したもの
であって、耐摩耗性及び密着性に優れた皮膜を効率よく
形成することのできるような耐摩耗性皮膜形成方法を提
供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、基材表面に耐摩耗性皮膜を形成するに当たり、 (Ti x Al 1-x )N 但し 0.45≦x≦0.8 で表わされる化学組成からなり、基材に加えるバイアス
電圧を−100〜−600[V]の直流電圧とし、膜厚
が2〜150[μm]の耐摩耗性皮膜を、蒸発源として
ターゲット上でアーク放電させるマルチアークイオンプ
レーティング方式によって形成することを特徴とする。
【0015】本発明においてはターゲット上でアーク放
電させるマルチアークイオンプレーティングにより成膜
を行う。その時には基板にバイアス電圧を印加すること
によって密着性の優れた皮膜が得られる。この様に得ら
れた皮膜の組成は、 (Ti x Al 1-x )N 但し0.45≦x≦
0.8 であることが必要であり、この範囲に限定した理由を以
下に述べる。
【0016】Al量(1-x )が0.75を超える場合
は、皮膜組成がAlNに近似してくる結果、皮膜の軟質
化を招き、十分な硬度が得られずフランク摩耗を容易に
引き起す。一方(1-x )が0.75以下になると皮膜は
高硬度化しフランク摩耗量は減少する。高耐酸化特性を
有効に発揮する下限として以下の様に決めた。即ち(T
x Al 1-x )N〔但しx=0 ,0.4 ,
0.5 ,0.75)を大中、昇温温度5℃/分で昇温
し酸化した場合の温度変化に対する酸化量の変化を測定
したところ、図3に示す結果が得られた。図3よりTi
量が減少するにつれて酸化開始温度が上昇することがわ
かる。一方、工具切削中の刃先温度の上昇による皮膜の
酸化を十分に抑制するために、切削熱によるクレータ摩
耗量を低下させる必要があるためx=0.45と決め
た。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の各種実施例を説明
する。
【0018】まず第1実施例について説明する。第1実
施例では、図1に示すマルチアークイオンプレーティン
グ装置1を用いた。この装置1のケーシング2には、T
0.4 Al0.6 でなる複数のターゲット3が備えられる
と共に、真空ポンプ4,Arガス源5及びN2 ガス源6
が連通している。またケーシング2内には、ホルダー7
が配置されており、モータ8により回転する回転軸9上
にホルダー7が配置されている。本例では基材としての
ホブ10がホルダー7に取り付けられている。そして電
源11により、ホブ10にマイナス直流電圧が印加さ
れ、各ターゲット3にプラス直流電圧が印加される。
【0019】上記装置1を用いてホブ(基材)10に成
膜を行うには、ケーシング2内を真空ポンプ4にて真空
引きすると共に、Arガス源5からArガスを供給し
て、ケーシング2内をArガス雰囲気にする。更にモー
タ8を駆動してホルダ7及びホブ10を回転させる。
【0020】上記状態にしたところで、電源11により
ホブ10に対して−1000Vの電圧を印加してプラズ
マを発生させる。これによりTiボンバードが誘起され
る。Tiボンバードとはプラズマ中のTiプラス粒子が
ホブ(基材)10に衝突することをいう。このTiボン
バードが発生すると、Tiプラス粒子が持っている運動
エネルギーと熱により、ホブ10の温度が上昇する。
【0021】上述したTiボンバードによりホブ10の
温度を400℃まで昇温させた後は、N2 ガス源6から
高純度のN2 ガスを300cc/minづつケーシング
2内に供給する。更にホブ10に−100Vの直流バイ
アス電圧を印加してターゲット3上にアーク放電を生じ
させる。これによりホブ10の表面に成膜をさせ、2.
5μmになるまで耐摩耗性皮膜を形成した。なお成膜中
においてホブ10を回しているので均一な成膜が得られ
る。
【0022】次に第2実施例について説明する。第2実
施例では、第1実施例と同じターゲット3を使用し、直
流バイアス電圧を−300[V]印加し、第1実施例と
同様に2.5μmまで成膜した。
【0023】次に第3実施例について説明する。第3実
施例では、マルチアーク式イオンプレーティング装置1
により、まずTiターゲットを使用しTiNを1μm成
膜し、その後TiN上に第1実施例と同条件で1.5μ
m成膜した。
【0024】ここで比較例について説明する。比較例で
は、マルチアークイオンプレーティング装置により、T
iターゲットを使用しTiNを2.5μm成膜した。昇
温方法及びコーティング条件は上記実施例と同様にし
た。
【0025】上記第1〜第3実施例及び比較例により成
膜したホブにより切削テストを実施した。図2はテスト
結果を示し、次に示す表1は切削条件を示し、表2は被
削歯車諸元の条件を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】切削テストの実施結果を示す図2からもわ
かるように、第1〜第3の各実施例は、比較例よりも耐
摩耗性が向上したことが判明した。
【0029】
【発明の効果】以上実施例と共に具体的に説明したよう
に本発明によれば、化学組成を(Tix Al1-x )N
但し0.45≦x≦0.8とし、バイアス電圧をDC−
100〜−600[V]とし、マルチアークイオンプレ
ーティング方式により2〜150[μm]の耐摩耗性皮
膜を形成したため、TiN皮膜よりも耐酸化性の優れた
皮膜が形成でき、耐摩耗性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いるマルチアークイオンプレー
ティング装置を示す構成図。
【図2】実施例と比較例の摩耗特性を示す特性図。
【図3】Ti量と酸化量の関係を示す特性図。
【符号の説明】
1 マルチアークイオンプレーティング装置 2 ケーシング 3 ターゲット 4 真空ポンプ 5 Arガス源 6 N2 ガス源 7 ホルダー 8 モータ 9 回転軸 10 ホブ 11 電源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に耐摩耗性皮膜を形成するに当
    たり、 (Ti x Al 1-x )N 但し 0.45≦x≦0.8 で表わされる化学組成からなり、 基材に加えるバイアス電圧を−100〜−600[V]
    の直流電圧とし、 膜厚が2〜150[μm]の耐摩耗性皮膜を、蒸発源と
    してターゲット上でアーク放電させるマルチアークイオ
    ンプレーティング方式によって形成することを特徴とす
    る耐摩耗性皮膜形成方法。
JP25733995A 1995-10-04 1995-10-04 耐摩耗性皮膜形成方法 Withdrawn JPH0995763A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006041367A1 (en) * 2004-09-10 2006-04-20 Sandvik Intellectual Property Ab Pvd-coated cutting tool insert
CN105185498A (zh) * 2015-08-28 2015-12-23 包头天和磁材技术有限责任公司 稀土永磁材料及其制造方法
US10204724B2 (en) 2014-11-04 2019-02-12 Yantai Shougang Magnetic Materials Inc. Method of preparing a hard aluminum film on the surface of a Nd-Fe-B magnet

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Effective date: 20030107