JPH0995597A - 高反応性変性フェノール樹脂組成物およびそれを用いた成形体 - Google Patents

高反応性変性フェノール樹脂組成物およびそれを用いた成形体

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JPH0995597A
JPH0995597A JP8195899A JP19589996A JPH0995597A JP H0995597 A JPH0995597 A JP H0995597A JP 8195899 A JP8195899 A JP 8195899A JP 19589996 A JP19589996 A JP 19589996A JP H0995597 A JPH0995597 A JP H0995597A
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modified phenolic
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reactive modified
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JP8195899A
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Mitsuru Uchida
田 充 内
Tomoaki Fujii
井 智 彰 藤
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Kashima Oil Co Ltd
Original Assignee
Kashima Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】高反応性変性フェノール樹脂(A)および
その硬化剤(B)とからなる樹脂組成物。この高反応性
変性フェノール樹脂組成物は、繊維強化材(C)および
/または充填材(D)を含んでいてもよい。 【効果】 本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂組
成物は、新規な高反応性変性フェノール樹脂(A)およ
びその硬化剤(B)とからなるため、繊維強化材(C)
および/または充填材(D)と組み合わせた場合に、耐
熱性に優れ、従って高温下での曲げ強度、衝撃強度、摩
擦係数安定性(耐フェード性)および耐摩耗性などに優
れた成形体、特に摩擦部材として好適な成形体を提供す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、新規でかつ有用な高反応
性変性フェノール樹脂組成物、それを用いた成形品に関
する。
【0002】より詳細には、本発明は、石油系重質油類
またはピッチ類を原料として得られた変性フェノール樹
脂を、特定条件にて低分子化した新規な高反応性変性フ
ェノール樹脂およびその硬化剤からなり、繊維強化材や
充填材を含むことができ、かつ成形性が良好な樹脂組成
物、ならびにこの樹脂組成物を用いてなり、高温での曲
げ強度、衝撃強度および耐摩耗性が良好な成形品に関す
る。
【0003】
【発明の技術的背景】従来より、ガラス繊維、石綿繊維
等の無機繊維からなる繊維強化材および/または充填材
を合成樹脂結合剤で結着させてなる積層体、注型品、圧
縮成形品等の成形体が、その良好な耐薬品性、電気的特
性、機械的特性および耐熱性により、電気、自動車等の
様々な分野で用いられてきている。特に、繊維強化材を
含む繊維強化樹脂成形体は、自動車、鉄道車輛等の動力
切換え部にて、クラッチ・フェーシング等の摩擦部材と
して用いられている。このような摩擦部材に用いられる
繊維強化樹脂では、繊維強化材は、得られた成形品の耐
熱性、曲げ強度または衝撃強度等の特性を改善するばか
りでなく、摩擦特性および耐摩耗性等の摩擦部材に必須
の特性を付与する摩擦基材として作用する。
【0004】また、このような繊維強化樹脂成形体の特
性を充分に発揮させるには、補強材の結合剤となる樹脂
が、非常に重要な役割を担っている。従来より、このよ
うな結合剤として、種々のフェノール樹脂あるいはこれ
を含む樹脂組成物が開発されている。例えば、このよう
なフェノール樹脂およびフェノール樹脂組成物として、
芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド重縮合物に可融・可
溶性二官能性アルキルフェノール−ホルムアルデヒド重
縮合物を反応させ、その生成物にホルムアルデヒドを更
に反応させた変性フェノール樹脂(特開昭53−108
197号公報)、芳香族炭化水素樹脂とトリアジン系化
合物とで変性されたフェノール系樹脂(特開昭58−2
17577号公報)、および芳香族炭化水素樹脂変性ノ
ボラックフェノール樹脂とシアネート化合物とヘキサメ
チレンテトラミンとを含む樹脂組成物(特開昭60−3
1585号公報)等が既に提案されている。
【0005】しかしながら、これらのフェノール樹脂お
よびフェノール樹脂組成物を結合材として用いた成形体
は、高温下での曲げ強度、衝撃強度、耐摩耗特性および
摩擦特性、または成形性のいずれか一つは優れているも
のの、他の特性は必ずしも良好ではなく、全体にバラン
スがとれ、おのおのが充分な特性を有する成形品は得ら
れないのが現状であった。これら特性をバランス良く備
えることは、高速運行時に高熱が発生するクラッチフェ
ーシング等の摩擦部材には特に重要である。従来では、
高温下での耐久性、特に耐摩耗性に優れ、かつ機械的強
度および成形性(含浸性)に優れた成形体、特に摩擦部
材等を製造可能な樹脂製結合剤はいまだ知られておら
ず、これに対する要求は根強いものであった。
【0006】本発明者らは、このような従来技術の現状
に鑑み、種々検討した結果、石油系重質油類またはピッ
チ類を原料として得られた変性フェノール樹脂を、特定
条件下、更にフェノール類と反応させて低分子化した新
規な高反応性変性フェノール樹脂と、その硬化剤とを含
む樹脂組成物が、繊維強化材や充填材とともに用いた場
合に、耐熱性が良好で、高温下での曲げ強度、衝撃強
度、摩擦係数安定性(耐フェード性)および耐摩耗性な
どに優れた成形体を提供できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、このような従来技術に伴う問
題点を解決するためになされたものであり、繊維強化材
や充填材を組み合わせて使用できる成形性が良好な樹脂
組成物、ならびにこの樹脂組成物を用いてなり、耐熱性
に優れ、従って高温下での曲げ強度、衝撃強度、摩擦係
数安定性(耐フェード性)および耐摩耗性などに優れた
成形品を提供することを目的とする。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る高反応性変性フェノール樹
脂組成物は、(A)石油系重質油類またはピッチ類、架
橋剤としてのホルムアルデヒド重合物、およびフェノー
ル類を、酸触媒の存在下に重縮合させて得られた変性フ
ェノール樹脂を、実質的に前記架橋剤の不存在下、酸触
媒の存在下でフェノール類と反応させて低分子化した高
反応性変性フェノール樹脂、および(B)硬化剤からな
ることを特徴とする。
【0009】本発明に係る高反応変性フェノール樹脂組
成物は、上記成分(A)および(B)に加えて、更に
(C)繊維強化剤および/または(D)充填材を含んで
いてもよい。繊維強化材(C)としては、無機繊維、有
機繊維および炭素繊維等を例示でき、これらは単独で用
いても2種以上を混合して用いてもよい。繊維強化材
(C)は、短繊維、ミルド化繊維および長繊維(フィラ
メント)繊維等の様々な長さを有するものであってよ
く、更にはこれらの混合物であってもよい。また、繊維
強化材(C)は、様々な形態で用いることができ、例え
ば、繊維をそのまま用いてもよく、不繊布または繊布と
して用いてもよい。
【0010】充填材(D)としては、従来公知の各種充
填材、特に摩擦改良材として公知の材料が用いられる。
また、硬化剤(B)としては、例えばヘキサメチレンテ
トラミン等の環状アミン化合物、パラホルムアルデヒ
ド、トリオキシメチレン等を例示でき、特にヘキサメチ
レンテトラミンなどの環状アミン類が好ましい。
【0011】本発明に係る樹脂組成物は、様々な成形品
の材料として好適である。特に摩擦基材として上記繊維
強化材を含んだ本発明の組成物は、他部材と接触する接
触面を有し、該接触面での摩擦力により他部材を駆動あ
るいは停止させる摩擦部材の材料として特に有利であ
る。
【0012】また、本発明に係る成形体は、高反応性変
性フェノール樹脂粉末(A)とその硬化剤(B)とを混
合し、温度150〜300℃、圧力10〜230kg/cm
2 で熱圧成形し、必要に応じて130〜250℃で後硬
化することを特徴とする。本発明の方法では、高反応性
変性フェノール樹脂粉末(A)および硬化剤(B)に、
更に繊維強化材(C)や充填材(D)を加えて混合し、
熱圧成形および、必要に応じて後硬化して製造すること
ができる。
【0013】さらに、本発明に係る成形体は、高反応性
変性フェノール樹脂粉末(A)とおよび前記硬化剤
(B)を有機溶媒に溶解して樹脂溶液を調製し、該樹脂
溶液を繊維強化材(C)に含浸させ、乾燥させた後に賦
形し、熱圧成形および、必要に応じて後硬化して製造す
ることも可能である。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明を更に具体的に説明
する。本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂組成物
は、(A)特定の重縮合工程で得られた変性フェノール
樹脂を、特定条件下での低分子化工程にて低分子化した
高反応性変性フェノール樹脂と、(B)この高反応性変
性フェノール樹脂の硬化剤とを含んでいる。
【0015】高反応性変性フェノール樹脂(A)を製造
する際の重縮合工程は、さらに詳しくは、石油系重質油
類またはピッチ類と、ホルムアルデヒド重合物と、フェ
ノール類とを、酸触媒の存在下に重縮合することにより
行なわれる。
【0016】この重縮合反応で原料として用いられる石
油系重質油類またはピッチ類は、原油の蒸留残油、水添
分解残油、接触分解残油、ナフサまたはLPGの熱分解
残油およびこれら残油の減圧蒸留物、溶剤抽出によるエ
キストラクト或いは熱処理物として得られるものであ
る。これらの中から芳香族炭化水素分率fa値および芳
香環水素量Ha値の適当なものを選んで使用するのが好
ましい。
【0017】例えば、石油系重質油類またはピッチ類
は、0.40〜0.95、好ましくは0.5〜0.8、
さらに好ましくは0.55〜0.75の芳香族炭化水素
分率fa値と、20〜80%好ましくは25〜60%、
さらに好ましくは25〜50%の芳香環水素量Ha値と
を有することが望ましい。
【0018】なお、芳香族炭化水素分率fa値および芳
香環水素量Ha値は、各々石油系重質油類またはピッチ
類の13C−NMR測定によるデータ、および 1H−NM
R測定によるデータから、下記式に基づいて算出され
る。
【0019】
【数1】
【0020】原料の石油系重質油類またはピッチ類のf
a値が0.4より小さくなると、芳香族分が少なくなる
ため、得られる変性フェノール樹脂の性能の改質効果、
特に耐熱性、耐酸化性の改質効果が小さくなる傾向があ
る。
【0021】また、fa値が0.95より大きい石油系
重質油類またはピッチ類の場合には、芳香環炭素とホル
ムアルデヒドとの反応性が低くなる傾向がある。原料の
石油系重質油類またはピッチ類のHa値が20%より小
さくなると、ホルムアルデヒドと反応する芳香環水素分
が少なくなり、反応性が低下するため、フェノール樹脂
の性能の改質効果が低下する傾向がある。
【0022】Ha値が80%より大きい石油系重質油類
またはピッチ類を原料とした場合には、変性フェノール
樹脂の強度が低くなる傾向を示す。また、重縮合工程で
用いられる石油系重質油類またはピッチ類は、これを構
成する芳香族炭化水素の縮合環数を特に限定されない
が、2〜4環の縮合多環芳香族炭化水素で主に構成され
ることが好ましい。石油系重質油類またはピッチ類が、
5環以上の縮合多環芳香族炭化水素を多く含む場合、こ
の縮合多環芳香族炭化水素が一般的に沸点が高く、例え
ば450℃を越える沸点となることもあるため、原料の
沸点にばらつきが大きくなり、狭い沸点範囲のものを集
め難く、結果的に製品の品質が安定し難くなる。また、
石油系重質油類またはピッチ類が、主に単環芳香族炭化
水素である場合には、ホルムアルデヒドとの反応性が低
いため、得られたフェノール樹脂の改質効果が小さくな
る傾向がある。
【0023】重縮合工程で石油系重質油類またはピッチ
類とともに原料として用いられるホルムアルデヒド重合
物は、架橋剤として作用する。このようなホルムアルデ
ヒド重合物としては、具体的には、パラホルムアルデヒ
ド、ポリオキシメチレン(特に、オリゴマー)などの線
状重合物、トリオキサンなどの環状重合物を挙げること
ができる。
【0024】重縮合工程において、このような石油系重
質油類またはピッチ類と、ホルムアルデヒド重合物と
は、ホルムアルデヒド重合物のホルムアルデヒド換算モ
ル数が、該石油系重質油類またはピッチ類の平均分子量
から算出した値1モルに対して1〜15、好ましくは2
〜12、さらに好ましくは3〜11の割合となるように
混合される。
【0025】石油系重質油類またはピッチ類に対する、
ホルムアルデヒド重合物の混合割合が、1未満の場合に
は、得られる変性フェノール樹脂の硬化体の強度が低い
ので好ましくない。一方、15より大きい場合には、得
られる硬化体の性能、収量ともに殆ど変わらなくなるの
で、ホルムアルデヒド重合物をこれ以上多く使用するこ
とは無駄と考えられる。また、過剰のホルムアルデヒド
重合物は、後述する低分子化工程において、変性フェノ
ール樹脂の低分子化を阻害する恐れがある。
【0026】さらに、重縮合工程で原料として用いられ
るフェノール類としては、具体的には、フェノール、ク
レゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ヒ
ドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、α
-ナフトールおよびβ-ナフトールなどのフェノール系化
合物を挙げることができる。これらは、単独で用いて
も、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】このようなフェノール類は、フェノール類
のモル数が、石油系重質油類またはピッチ類の平均分子
量から算出された値1モルに対して0.3〜5、好まし
くは0.5〜3の割合となる量まで、原料混合物に添加
される。
【0028】この添加量が0.3未満の場合には、石油
系重質油類またはピッチ類とホルムアルデヒドとの反応
性が、フェノール類とホルムアルデヒドとの反応性より
劣ることから、充分な架橋密度に至らず、硬化体の強度
が一般のフェノール樹脂に比べて低くなることがある。
特に、耐衝撃性が低く脆い欠点を示す傾向がある。一
方、フェノール類の添加量が5を越える場合には、フェ
ノール樹脂の変性による改質効果が小さくなる傾向があ
る。
【0029】このような石油重質油類またはピッチ類、
ホルムアルデヒド重合物およびフェノール類を用いる重
縮合工程では、これらを重縮合させるために酸触媒が用
いられている。この酸触媒としては、ブレンステッド酸
もしくはルイス酸が使用できるが、好ましくはブレンス
テッド酸が用いられる。ブレンステッド酸としては、ト
ルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、塩酸、硫酸、
ギ酸等が使用でき、特にp-トルエンスルホン酸、塩酸が
好ましい。
【0030】酸触媒は、石油系重質油類またはピッチ類
と、ホルムアルデヒド重合物及びフェノール類の合計重
量に対して、通常0.1〜30重量%、好ましくは1〜
20重量%の量で用いられる。
【0031】酸触媒の使用量が少ない場合には反応時間
が長くなる傾向があり、また、反応温度を高くしないと
反応が不充分になる傾向がある。一方、酸触媒の使用量
が多くなってもその割には反応速度が速くならず、コス
ト的に不利になることがある。
【0032】以上説明した原料および酸触媒を用いた重
縮合工程は、例えば、石油系重質油類またはピッチ類と
ホルムアルデヒド重合物とを上述の割合となるように含
む混合物を酸触媒の存在下に加熱攪拌し、加熱攪拌中の
この混合物に、フェノール類を、上記割合となる量まで
逐次添加して、これら原料を縮重合させることが好まし
い。
【0033】フェノール類は、滴下等の方法によって、
反応混合物の全量に対して0.05〜5重量%/分、好
ましくは0.1〜2重量%/分の速度によって逐次添加
することが望ましい。
【0034】添加する速度が0.05重量%/分未満の
場合には、添加に要する時間が長すぎ、コストが上昇す
る。一方、添加する速度が5重量%/分を越える場合に
は、添加したフェノール類が遊離ホルムアルデヒドと急
速に反応するため、均一な混合物ないしは共縮合物を生
成し難くなる。
【0035】このような不均一性が生じる原因は、ホル
ムアルデヒドに対する反応性が石油系重質油類またはピ
ッチ類に比べフェノール類の方が著しく大きいためであ
り、初期のフェノール類の濃度を低く保たないと、ホル
ムアルデヒドがフェノール類もしくは反応により生成し
たフェノール類とホルムアルデヒドとの縮合物と選択的
に反応し、系に難溶化するためではないかと推定され
る。
【0036】本発明における重縮合工程では、石油系重
質油類またはピッチ類、およびホルムアルデヒド重合物
の混合物へのフェノール類の添加時期は特に限定されな
いが、残存する遊離ホルムアルデヒド量から推定したホ
ルムアルデヒド反応率が実質的に0%である状態から、
70%以下、好ましくは50%以下である時点で、フェ
ノール類逐次添加を開始することが望ましい。
【0037】ホルムアルデヒド反応率が、70%を越え
ると、添加したフェノール類と反応するホルムアルデヒ
ドの量が少なくなり、得られる変性フェノール樹脂の性
能が低下する傾向がある。
【0038】石油系重質油類またはピッチ類、およびホ
ルムアルデヒド重合物の混合物の酸触媒の存在下での加
熱攪拌は、原料組成、フェノール類の添加速度、得られ
る樹脂の性状等に合わせてその反応温度および反応時間
を選択される。なお、反応温度および反応時間も、互い
に影響しあう条件であることは言うまでもない。このよ
うな原料混合物の酸触媒の存在下での加熱攪拌は、例え
ば、50〜160℃、好ましくは60〜120℃の温度
で、0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間行われる
ことが望ましい。
【0039】本発明の高反応性変性フェノール樹脂
(A)の製造に当たり、反応を回分式で行う場合に一段
階で行うことが可能であり、一段階の実施が好ましい。
また連続式で行う場合には、従来の変性フェノール樹脂
に用いられている、2種以上の反応生成物を一定量ずつ
連続混合するような制御の難しい装置を使用する必要が
なく、中間部に完全混合型の反応容器を置き、その中に
添加するフェノール類を一定量ずつ送り込むようにすれ
ばよい。このような装置は比較的安価であり、操作性は
良好である。
【0040】重縮合工程では、このような石油系重質油
類またはピッチ類、ホルムアルデヒド重合物、およびフ
ェノール類の重縮合反応は、溶媒を用いなくても行なう
ことができるが、適当な溶媒を用いて反応混合物(反応
系)の粘度を低下させ、均一な反応が起こるようにして
もよい。
【0041】このような溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素;クロ
ルベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素;ニトロ
ベンゼンのようなニトロ化芳香族炭化水素;ニトロエタ
ン、ニトロプロパンのようなニトロ化脂肪族炭化水素;
パークレン、トリクレン、四塩化炭素のようなハロゲン
化脂肪族炭化水素を挙げることができる。
【0042】本発明で用いる高反応性変性フェノール樹
脂(A)は、以上説明した重縮合反応で得られた変性フ
ェノール樹脂を、後述する低分子化工程により低分子化
して製造される。低分子化工程では、この変性フェノー
ル樹脂は、ホルムアルデヒド重合物および他の架橋剤の
不存在下、かつ酸触媒の存在下で、フェノール類と反応
して低分子化する。このような低分子化工程では、反応
条件や、原料および触媒の量は、変性フェノール樹脂と
フェノール類との反応によって変性フェノール樹脂が低
分子化するよう設定される。
【0043】ところで、上述した重縮合反応の反応混合
物は、変性フェノール樹脂に加えて、酸触媒、未反応
物、低分子成分および反応溶媒等が残存する可能性があ
り、これらは、低分子化反応時の反応条件、および反応
に関与する原料、触媒等の量に影響を及ぼす。例えば、
低分子化工程で用いられる変性フェノール樹脂が、酸触
媒を含む場合には、該工程で添加される酸触媒の量に影
響を及ぼす。また特に、変性フェノール樹脂が、未反応
成分として、架橋剤であるホルムアルデヒド重合物を多
量に含む場合には、変性フェノール樹脂、ホルムアルデ
ヒド重合物およびフェノール類の重縮合反応が先行して
低分子化が阻害される恐れがある。
【0044】したがって、変性フェノール樹脂と、フェ
ノール類との反応によって変性フェノール樹脂が効率的
に低分子化するように低分子化工程での反応条件を好適
に設定するには、低分子化工程で用いられる変性フェノ
ール樹脂が、低分子化反応を阻害するような量の酸触媒
および未反応物、あるいは反応溶媒等を含まないように
すること、特に、酸触媒、ホルムアルデデヒド重合物を
含まないようにすることが好ましい。
【0045】このような変性フェノール樹脂は、上記重
縮合反応での原料、酸触媒および反応溶媒の使用量、あ
るいは重縮合反応条件を適宜選択して反応混合物中に過
剰な未反応成分、酸触媒および反応溶媒等が残存しない
ようにするか、あるいは重縮合反応で得られた反応混合
物を適宜精製することによって、未反応成分、低分子成
分、酸触媒および反応溶媒等を除去することによって調
製することができる。
【0046】反応混合物、即ち酸触媒、未反応物、低分
子成分および反応溶媒を含む粗製の変性フェノール樹脂
の精製方法としては、例えば、(i)反応混合物を、特
定の溶媒で処理・析出させて、未反応成分を含む溶媒可
溶成分を除去する精製処理、(ii)前記反応混合物を、
特定の溶媒に溶解させて、触媒残渣を抽出除去する精製
処理とを挙げることができる。
【0047】上記の精製処理(i)では、原料として用
いられる石油系重質油類またはピッチ類に含まれる成分
の内、反応性が低く、反応生成物中に未反応の状態、あ
るいは反応が不充分な状態で残存する成分、特に架橋剤
としてのホルムアルデヒド重合物と、反応時に適宜用い
られた反応溶媒とが除去される。
【0048】このような精製処理(i)は、重縮合工程
で得られた反応混合物を、任意の時期に、炭素数10以
下の脂肪族炭化水素および炭素数10以下の脂環式炭化
水素からなる群から選択される少なくとも一種の化合物
を含む溶媒に投入し、樹脂主成分を析出させ、該溶媒に
可溶な成分、即ち未反応および低反応で残存する成分、
および重縮合反応時の反応溶媒などを除去することによ
って行なわれる。
【0049】このような炭化水素溶媒としては、例え
ば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンな
どの脂肪族又は脂環式炭化水素が挙げられ、特にn-ヘキ
サンが好ましい。
【0050】また、上記の精製処理(ii)では、反応混
合物中に残存する酸触媒が除去され、実質的に酸を含ま
ない変性フェノール樹脂が得られる。このような触媒が
変性フェノール樹脂中に残存すると、この酸触媒残渣を
考慮して低分子化工程で用いる酸触媒の量を設定する必
要があり、反応条件の制御が困難となる。
【0051】このような精製処理(ii)は、反応混合物
を、原料重合時に用いた酸触媒の溶解度が0.1以下で
あり、かつ変性フェノール樹脂の大部分を溶解し得る抽
出溶媒で処理し、触媒残渣を抽出除去することによって
行なわれる。
【0052】このような溶媒は、上記特性を有する限り
特に限定されないが、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類を好ましい例として挙げる
ことができ、この内、特にトルエンが好ましい。
【0053】また、本発明では、精製処理(ii)は、そ
の温度等の条件を特に限定されず、溶媒の上記特性が充
分に発揮される条件で行なえばよい。また、精製処理
(ii)は、反応混合物を溶媒に投入しても、反応混合物
に溶媒を加えてもよく、容易かつ簡便に行なうことがで
きる。
【0054】このような精製処理(ii)後の実質的に酸
を含まない変性フェノール樹脂は、通常溶媒に溶解した
ワニス状である。ワニス状変性フェノール樹脂は、これ
が最終精製品である場合には、次段の低分子化工程の原
料としてそのまま用いてもよく、再度変性フェノール樹
脂が不溶の溶媒、例えばn−ヘキサン等に投入し、析出
させて粉末状の変性フェノール樹脂として、低分子化工
程で用いてもよい。
【0055】また、精製処理(ii)により、反応生成物
中に残存する触媒残渣のほとんどが除去されるが、所望
により、精製処理(ii)後の変性フェノール樹脂に、中
和処理および/または水洗処理を施して、樹脂中の酸等
の触媒残渣を更に除去してもよい。
【0056】中和処理としては、精製処理(ii)後の変
性フェノール樹脂への塩基性物質の添加を挙げることが
でき、このような塩基性物質としては、例えば水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水
酸化物;アンモニア、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、アニリンおよびフェニレンジアミンな
どを挙げることができる。
【0057】本発明の精製工程において、このような精
製処理(i)および(ii)は、任意の順序で行なうこと
ができる。しかしながら、精製処理(ii)後の変性フェ
ノール樹脂は、ワニス状であるため、変性フェノール樹
脂が不溶の溶媒、例えばn-ヘキサン中に投入して再析出
させ、粉末状の変性フェノール樹脂を採取することが、
低分子化工程で用いる場合の操作性の観点から望まし
い。
【0058】また、精製処理(i)を行った後に、精製
処理(ii)を行った場合には、得られるワニス状変性フ
ェノール樹脂をそのまま次段の低分子化工程の原料とし
て用いることができ、この方法は製造コストの観点から
好ましい。
【0059】本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂
(A)の製造方法では、このような変性フェノール樹
脂、すなわち重縮合工程で得られた反応生成物を、その
まま、あるいは上述の精製処理にて精製した後に、ホル
ムアルデヒド重合物および他の架橋剤の不存在下、かつ
酸触媒の存在下で、フェノール類と反応させて低分子化
させている。
【0060】このような低分子化反応では、変性フェノ
ール樹脂が、分子中に存在するアセタール結合及び/又
はメチレンエーテル結合が切断・解離されて低分子化
し、かつこの解離末端部にフェノール類が結合して変性
フェノール樹脂のフェノール含有量を増加させるため、
樹脂溶融粘度が低く、かつエポキシ樹脂等との反応性に
優れた高反応性変性フェノール樹脂が得られると考えら
れる。
【0061】低分子化工程で用いられる原料および酸触
媒の量、種類および組合せ、あるいは反応温度などの反
応条件などは、上記変性フェノール樹脂の低分子化およ
び反応活性の向上が実現できる範囲内であれば、特に限
定されない。
【0062】したがって、例えば、低分子化工程で用い
られるフェノール類および酸触媒としては、上記重縮合
工程で例示された化合物を挙げることができる。また、
本発明の低分子化工程は、フェノール類が10重量部以
上あれば、所望の効果を得るのに充分な程度進行する。
しかし、過剰なフェノール類を用いると、多量の未反応
フェノール類が残り、後処理に必要なコストを増加させ
てしまうため、フェノール類の使用量は、10〜300
重量部であることが好ましい。
【0063】酸触媒は、変性フェノール樹脂の重量10
0重量部に対し、0.1〜15重量部、好ましくは0.
2〜10重量部の量で用いられることが望ましい。な
お、低分子化工程において、反応溶媒は、使用しても、
使用しなくとも良い。使用される反応溶媒は、上記低分
子化反応を阻害しない限り特に限定されないが、例え
ば、重縮合反応時に用いられた溶媒、およびケトン類、
具体的にはテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンおよびアセトンなどを挙げるこ
とができる。このような溶媒は、変性フェノール樹脂1
00重量部に対し、好ましくは0〜300重量部の量で
用いられる。
【0064】反応温度は、特に限定されないが、通常5
0〜120℃、好ましくは80〜120℃である。ま
た、反応時間にあっても、特に限定されず、例えば15
分間〜2.0時間、好ましくは30分間〜2.0時間で
ある。
【0065】このような低分子化工程によって得られる
高反応性変性フェノール樹脂(A)は、重縮合工程で得
られた変性フェノール樹脂と比較して、(a)数平均分
子量が低下し、かつ(c)樹脂溶融粘度が低下してい
る。
【0066】また、このようにして製造された高反応性
変性フェノール樹脂(A)は、該樹脂中に未反応成分や
酸触媒などが残存する可能性があるので、変性フェノー
ル樹脂の上記精製処理(i)および(ii)で挙げられた
溶媒を使用して同様の方法で、あるいは他の溶媒を用い
て精製処理して、未反応成分や酸触媒などを除去するこ
とが望ましい。このような高反応性変性フェノール樹脂
の精製に好ましく用いられる溶媒としては、例えばトル
エン;トルエンと、エチルアルコール、エチルアルコー
ル等のアルコール類との混合溶媒;およびトルエンと、
アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類との混合溶媒等を
挙げることができる。
【0067】また、高反応性変性フェノール樹脂(A)
は、このような溶媒を使用してフェノール類等の未反応
成分や酸触媒などを抽出した後、必要に応じて蒸留水及
びイソプロピルアルコールの混合液で水洗処理すること
が望ましい。
【0068】さらに、高反応性変性フェノール樹脂
(A)は、未反応成分や酸触媒などを除去した後、抽出
溶媒を脱溶媒するか、又は炭素数10以下の脂肪族若し
くは脂環式炭化水素或いはこれらの混合溶媒で処理して
樹脂を析出することが好ましい。このような炭化水素溶
媒としては変性フェノール樹脂の精製処理(i)に記載
の溶媒を挙げることができ、特にn-ヘキサンが好まし
い。
【0069】このような精製処理を施して、樹脂中に残
存し得る酸触媒、未反応物および反応溶媒等を除去する
ことにより、実質的に酸を含まないため金属に対する腐
食性を有さない高反応性変性フェノール樹脂(A)とす
ることができる。なお、本明細書において「実質的に酸
を含まない」とは、酸等が全く残存しないか、あるいは
極少量が残存したとしても金属に対する腐食性を有意に
示さないことを意味する。
【0070】本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂
組成物において、このような高反応性変性フェノール樹
脂(A)とともに用いられる硬化剤(B)としては、例
えば、ヘキサメチレンテトラミンなどの環状アミン化合
物、パラホルムアルデヒドおよびトリオキシメチレン等
を挙げることができる。
【0071】これら硬化剤(B)の内、環状アミン類、
特にヘキサメチレンテトラミンが好ましい。これら硬化
剤(B)は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0072】このような硬化剤(B)は、高反応性変性
フェノール樹脂(A)100重量部に対して、5〜20
重量部、好ましくは8〜15重量部の量で用いられるこ
とが望ましい。
【0073】以上説明した高反応性変性フェノール樹脂
(A)および硬化剤(B)を含む本発明の樹脂組成物
は、高反応性変性フェノール樹脂(A)の数平均分子量
が300〜800と低いために、溶融粘度が低く成形性
あるいは含浸性に優れている。また、このような高反応
性変性フェノール樹脂を含む本発明の樹脂組成物は、実
質的に酸を含まず、従って金属部分に対する腐食性を有
さないため、自動車用摩擦部材など、金属部材が接触す
る可能性のある成形品の材料に好適である。
【0074】本発明に係る高反応性変性フェノール樹脂
組成物は、結合剤成分となる高反応性変性フェノール樹
脂(A)および硬化剤(B)に加えて、繊維強化材
(C)、例えば摩擦基材としての繊維強化材(C)を含
んでいてもよい。繊維強化材(C)を含む高反応性フェ
ノール樹脂組成物は、耐熱性に優れ、従って高温下での
曲げ強度、衝撃強度、摩擦係数安定性(耐フェード性)
および耐摩耗性などに優れた成形品、特に摩擦部材の材
料(摩擦材)として好適である。
【0075】本発明で用いられる繊維強化材(C)は、
繊維強化樹脂成形体に用いる従来公知の繊維強化材、お
よび摩擦部材の摩擦基材として従来公知の繊維強化材を
包含する。このような繊維強化材(C)としては、例え
ばガラス繊維、石綿繊維等の無機繊維、ステープルファ
イバ等の有機繊維、及び炭素繊維等を例示することがで
きる。これら繊維強化材は、単独で用いても、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0076】これら繊維強化材(C)は、短繊維、ミル
ド化繊維および長繊維(フィラメント)繊維など様々な
長さを有する材料であってよく、更に、繊維そのものを
そのまま樹脂組成物に加えてもよく、また、不織布およ
び織布として用いてもよい。このような繊維強化材
(C)では、長さの異なる繊維強化材を混合すること、
およびそのままの繊維強化材と、不織布あるいは織布と
を組み合わせて用いること、および不織布と織布とを組
み合わせて用いることなど様々な態様が可能である。
【0077】このような繊維強化材(C)に対する高反
応性変性フェノール樹脂(A)の重量比((C)/(A) )
は、要求される物性により適宜選択すればよく、特に限
定されない。例えば、摩擦部材用の樹脂組成物では、通
常10/90〜80/20、好ましくは30/70〜7
0/30の範囲である。
【0078】また、本発明に係る高反応性フェノール樹
脂組成物は、従来公知の充填材(D)、特に摩擦部材に
おける摩擦改良材として従来公知の充填材(D)を含ん
でいてもよい。このような充填材(D)としては、具体
的には、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化銅等の金属酸
化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水
和金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の
金属炭酸塩;硫酸バリウム、硼酸マグネシウム等の金属
硼酸塩;シリカ、雲母、溶融シリカなどの無機充填材や
銅粉、鉄粉、アルミ粉等の金属粉;カシューダスト、グ
ラファイトなどを挙げることができる。
【0079】本発明では、このような充填材(D)の使
用量は、特に限定されるが、高反応性変性フェノール樹
脂(A)100重量部に対して、20〜900重量部、
好ましくは80〜700重量部の量で用いられる。
【0080】特に、本発明に係る成形体が、摩擦部材と
して使用される場合には、繊維強化材(C)は摩擦基材
として、充填材(D)は摩擦改良材として各々作用し、
両者は組み合わせて用いることが好ましい。
【0081】例えば、摩擦部材では、繊維強化材(C)
と充填材(D)との混合割合は、通常55:45〜7
5:25、好ましくは60:40〜70:30である。
本発明の変性フェノール樹脂組成物は、樹脂成分として
上記高反応性変性フェノール樹脂(A)を含んでいる
が、さらにこの高反応性変性フェノール樹脂の機能を損
なわない範囲で、少量の他の熱硬化性樹脂、例えば摩擦
部材用結合剤として知られる種々のフェノール系樹脂等
を配合しても良い。
【0082】また、本発明に係る高反応性変性フェノー
ル樹脂組成物は、繊維強化材(C)および充填材(D)
以外にも、本発明の技術範囲を逸脱しない範囲で、必要
に応じて、種々の添加剤を添加してもよく、このような
添加剤としては、例えば難燃剤、光安定剤、酸化防止
剤、顔料、増量剤などを例示することができる。
【0083】以上説明した本発明に係る高反応性変性フ
ェノール樹脂組成物は、様々な成形品の材料として好適
であり、電気、自動車、鉄道車輛等の分野の積層体、注
型品、圧縮成形品等に用いることができる。特に摩擦基
材としての繊維強化材(C)、および摩擦改良材として
の充填材(D)を含んだ本発明の樹脂組成物は、他部材
と接触する接触面を有し、該接触面での摩擦力により他
部材を駆動あるいは停止させる摩擦部材の材料として特
に有利である。
【0084】このような本発明に係る成形体の製造法と
しては、(i)高反応性変性フェノール樹脂粉末
(A)、硬化剤(B)、及び更に必要に応じて各種添加
剤を添加混合して得た混合物を、繊維強化材(C)およ
び/または充填材(D)と混合し、熱圧成形する方法、
(ii)硬化剤(B)及び更に必要に応じて充填材(D)
や各種添加剤を添加混合した高反応性変性フェノール樹
脂(A)の有機溶媒溶液を繊維強化材(C)に含浸さ
せ、乾燥後、賦形し、熱圧成形した後、必要に応じて後
硬化する方法等が挙げられる。
【0085】このような製造法(i)において、高反応
性変性フェノール樹脂粉末(A)は、低分子化工程で調
製された高反応性変性フェノール樹脂(A)を後処理し
て得られる粉状体をそのまま使用することができる。こ
の場合、硬化剤(B)を前記高反応性変性フェノール樹
脂粉末(A)に所定の割合で添加・混合し、粉砕したも
のを、或いは夫々粉砕した後に混合したものを用いるこ
とも可能である。
【0086】製造法(ii)において、高反応性変性フェ
ノール樹脂(A)の溶媒溶液は、低分子化工程で調製さ
れた高反応性変性フェノール樹脂を後処理して得られる
粉状体を適切な有機溶媒に溶解し及び/又は希釈して、
含浸に適する粘度に調整して用いればよい。
【0087】高反応性変性フェノール樹脂(A)を溶解
及び/又は希釈する有機溶媒としては、高反応性変性フ
ェノール樹脂(A)の良溶媒であれば特に限定されず、
単一溶媒であっても混合溶媒であってもよい。このよう
な有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類;ジメチルアセトアミドなど
のアミド類;クロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭
化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエー
テル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;
エチルセロソルブなどのグリコール類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類;酢酸エチルなどのエステル類;クロロホルム、塩化
メチレン、パークレン或いはこれらの混合物を挙げるこ
とができる。
【0088】これら有機溶媒の内、芳香族炭化水素類、
アミド類、ハロゲン化芳香族炭化水素類、アルコール類
およびケトン類が好ましい。これら有機溶媒は、単独で
用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよいことは
言うまでもない。
【0089】また、このような本発明に係る成形体の製
造法(i)〜(ii)において、熱圧成形条件は、結合剤
を構成する高反応性変性フェノール樹脂が互いに架橋す
るのに充分な温度、例えば150〜300℃、好ましく
は150〜250℃であり、圧力10〜230kg/c
m2 、好ましくは10〜200kg/cm2 であり、成形時
間は10分〜10時間である。これらの条件は温度、圧
力、時間の関数であり、具体的には上記範囲から適切な
数値が選択されることになる。
【0090】本発明の摩擦材の製造においては、熱圧成
形後に、必要に応じて130〜250℃、好ましくは1
50〜200℃で、10分〜10時間、後硬化すると良
い。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高反
応性変性フェノール樹脂組成物は、高反応性変性フェノ
ール樹脂(A)およびその硬化剤(B)とからなるた
め、繊維強化材(C)および/または充填材(D)と組
み合わせた場合に、耐熱性に優れ、従って高温下での曲
げ強度、衝撃強度、摩擦係数安定性(耐フェード性)お
よび耐摩耗性などに優れた成形体を提供することができ
る。
【0092】また、本発明に係る成形体は、上述の特性
を有し、電気、車輛、化学等の分野において、好適に用
いることかでき、特に繊維強化材(C)および必要に応
じて充填材(D)を含んだ場合には、高熱時での上記特
性をバランス良く備えているため、高速運行時に高熱が
発生するクラッチフェーシング等の摩擦部材として特に
有利となる。
【0093】以下に、本発明を実施例によりさらに詳細
かつ具体的に説明するが、これら実施例は本発明の範囲
を制限するものでない。
【0094】
【実施例】以下において、部は特に断らないかぎり、全
て重量基準であるものとする。なお、反応原料として使
用する原料油の性状を表1に示す。
【0095】この原料油は、減圧軽油の流動接触分解
(FCC)で得た塔底油を蒸留して得たものである。
【0096】
【表1】
【0097】<高反応性変性フェノール樹脂の合成>
【0098】
【実施例1】 <高反応性変性フェノール樹脂の製造>表1に示す原理
用油334g、パラホルムアルデヒド370g、p-トル
エンスルホン酸1水和物137g及びp-キシレン67
8.5gをガラス製反応器に仕込み、攪拌しながら95
℃まで昇温した。95℃で1時間保持後、フェノール2
09gを1.3g/分の滴下速度で滴下し、フェノール
の滴下終了後、さらに15分間攪拌反応させた。次に、
反応混合物を3,300gのn-ヘキサンに注ぎ込み、反
応生成物を析出させ、濾過して未反応成分及び反応溶媒
を除去した。1,600gのn-ヘキサンで析出物を洗浄
後、真空乾燥し酸含みの粗変性フェノール樹脂を得た。
【0099】この樹脂を2倍量のトルエンに溶解し、p-
トルエンスルホン酸1水和物を主成分とする不溶分を濾
過した。得られた樹脂トルエン溶液を樹脂濃度が50重
量%になるまで濃縮し、さらに微量のトリエチレンテト
ラミンを加えて中和した。この樹脂トルエン溶液を3.
3倍重量のn-ヘキサンに注ぎ込み、樹脂を析出させ、濾
過した。その後、真空乾燥し酸不含粗変性フェノール樹
脂580gを得た。
【0100】得られた酸不含粗変性フェノール樹脂10
0g、フェノール200g、p-トルエンスルホン酸5g
を500mlガラス製反応器に仕込み、250〜350rp
m の速度で攪拌させながら95℃まで昇温し、95℃で
90分保持反応して反応生成物を得た。
【0101】上記反応生成物を、反応生成物の2倍量の
トルエン/メチルイソブチルケトン(混合比4/1)に
投入し、得られた樹脂溶液を蒸留水とイソプロピルアル
コール混合物で水洗処理して、未反応のフェノール類及
び極く微量残存している酸を抽出除去した後、エバポレ
ーターでトルエン/メチルイソブチルケトンを除去し、
更に加熱下、真空乾燥して190gの実質的に酸を含ま
ない高反応性変性フェノール樹脂粉末を得た。 <高反応性変性フェノール樹脂からの成形体の製造>上
記の工程で得られた高反応性変性フェノール樹脂粉末1
00重量部及びガラス繊維ミルド(ES30T:ユニチ
カユーエムグラス(株)製)240重量部を自動乳鉢を
用いて室温で混合攪拌した後、硬化剤(ヘキサメチレン
テトラミン)10重量部を添加混合して、硬化性樹脂含
有結合剤粉末を得た。
【0102】更に、離型性を良くするためにカルナバワ
ックス2重量部を添加し、得られた混合物を120℃の
温度に調整された熱ロール機で20分間混合し、更に室
温まで冷却し、次いで粉砕してコンパウンド(成形用粉
体)を製造した。
【0103】得られたコンパウンドの組成を以下に示
す。 高反応性変性フェノール樹脂 100重量部 ガラス繊維ミルド 240重量部 ヘキサメチレンテトラミン 10重量部 カルナバワックス 2重量部 このコンパウンドを、所定形状の金型に導入し、180
℃、100kg/cm2 にて3分間圧縮成形し、更に180
℃にて8時間後硬化することにより、成形体を得た。
【0104】得られた成形体の特性を、表2に示す。
【0105】
【実施例2】実施例1で得られた高反応性変性フェノー
ル樹脂粉末100重量部及びガラス繊維ミルド(ES3
0T:ユニチカユーエムグラス(株)製)150重量部
を自動乳鉢を用いて室温で混合攪拌した後、硬化剤(ヘ
キサメチレンテトラミン)10重量部を添加混合して、
硬化性樹脂含有結合剤粉末を得た。
【0106】更に、カルナバワックス2重量部を添加
し、得られた混合物を120℃の温度に調整された熱ロ
ール機で20分間混合し、更に室温まで冷却し、次いで
粉砕してコンパウンド(成形用粉体)を製造した。
【0107】得られたコンパウンドの組成を以下に示
す。 高反応性変性フェノール樹脂 100重量部 ガラス繊維ミルド 150重量部 ヘキサメチレンテトラミン 10重量部 カルナバワックス 2重量部 このコンパウンドを、所定形状の金型に導入し、180
℃、100kg/cm2 にて3分間熱圧成形(トランスファ
ー成形)し、更に180℃にて8時間後硬化することに
より、成形体を得た。
【0108】得られた成形体の特性を、表2に示す。
【0109】
【実施例3】実施例1で得られた高反応性変性フェノー
ル樹脂粉末100重量部及びガラス繊維ミルド(ES3
0T:ユニチカユーエムグラス(株)製)112重量部
を自動乳鉢を用いて室温で混合した後、硬化剤(ヘキサ
メチレンテトラミン)12重量部を添加混合して、硬化
性樹脂含有結合剤粉末を得た。更にカルナバワックス
2.24重量部を添加し、得られた混合物を120℃に
調整された熱ロール機で20分間混合し、更に室温まで
冷却し、ついで粉砕してコンパウンド(成形用粉体)を
製造した。
【0110】得られたコンパウンドの組成を以下に示
す。 高反応性変性フェノール樹脂 100重量部 ガラス繊維ミルド 112重量部 ヘキサメチレンテトラミン 12重量部 カルナバワックス 2.24重量部 このコンパウンドを圧縮成形法により、180℃、10
0kgf/cm2にて5分間かけて所定形状に成形し、更に1
80℃にて8時間後硬化することにより成形体を得た。
【0111】得られた成形体の特性を表2に示す。
【0112】
【実施例4】後硬化条件を220℃、8時間とした以外
は、実施例3と同様にして成形体を製造した。
【0113】得られた成形体の特性を表2に示す。
【0114】
【実施例5】実施例1で得られた高反応性変性フェノー
ル樹脂粉末100重量部及び炭素繊維ミルド112重量
部を自動乳鉢を用いて室温で混合した後、硬化剤(ヘキ
サメチレンテトラミン)12重量部を添加混合して、硬
化性樹脂含有結合剤粉末を得た。更にカルナバワックス
2.24重量部を添加し、得られた混合物を120℃に
調整された熱ロール機で20分間混合し、更に室温まで
冷却し、ついで粉砕してコンパウンド(成形用粉体)を
製造した。
【0115】得られたコンパウンドの組成を以下に示
す。 高反応性変性フェノール樹脂 100重量部 炭素繊維ミルド 112重量部 ヘキサメチレンテトラミン 12重量部 カルナバワックス 2.24重量部 このコンパウンドをトランスファー成形法により、18
0℃、100kgf/cm2にて3分間かけて所定形状に成形
し、更に180℃にて8時間後硬化することにより成形
体を得た。
【0116】得られた成形体の特性を表2に示す。
【0117】
【実施例6】実施例1と同様の操作を行い、樹脂濃度が
50重量%の実質的に酸を含まない変性フェノール樹脂
トルエンワニスを得た。
【0118】得られた樹脂トルエンワニス200g、フ
ェノール200g及びp-トルエンスルホン酸5.0gを
500mlガラス製反応器に仕込み、250〜300rpm
の速度で撹拌しながら95℃まで昇温し、95℃で90
分間保持し、反応させて、高反応性変性フェノール樹脂
を含む反応生成物を得た。
【0119】上記反応生成物を、反応生成物の2倍量の
トルエン/メチルイソブチルケトン(混合比4/1)に
溶解して樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を、蒸留水
/イソプロパノール混合物で洗浄処理して、反応生成物
に含まれていた酸及び未反応成分を抽出除去した後、エ
バポレーターでトルエン/メチルイソブチルケトンを除
去し、更に加熱下真空乾燥して185gの実質的に酸を
含まない高反応性変性フェノール樹脂粉末を得た。
【0120】上記の工程で得られた高反応性変性フェノ
ール樹脂粉末100重量部及びガラス繊維ミルド112
重量部を自動乳鉢を用いて室温で混合した後、硬化剤
(ヘキサメチレンテトラミン)12重量部を添加混合し
て、硬化性樹脂含有結合剤粉末を得た。更にカルナバワ
ックス2.24重量部を添加し、得られた混合物を12
0℃に調整された熱ロール機で20分間混合し、更に室
温まで冷却し、ついで粉砕してコンパウンド(成形用粉
体)を製造した。
【0121】得られたコンパウンドの組成を以下に示
す。 高反応性変性フェノール樹脂 100重量部 ガラス繊維ミルド 112重量部 ヘキサメチレンテトラミン 12重量部 カルナバワックス 2.24重量部 このコンパウンドをトランスファー成形法により、18
0℃、100kgf/cm2にて3分間かけて所定形状に成形
し、更に180℃にて8時間後硬化することにより成形
体を得た。
【0122】得られた成形体の特性を表2に示す。
【0123】
【実施例7】実施例1と同様の操作を行い、実質的に酸
を含まない変性フェノール樹脂の粉末を得た。得られた
樹脂粉末100g、レゾルシン200g、トルエン60
g、1-ブタノール120gおよびp-トルエンスルホン酸
5.0gを500mlガラス製反応器に仕込み、250〜
350rpmの速度で撹拌しながら100℃まで昇温し、
100℃で120分間保持して反応させ、高反応性変性
フェノール樹脂を含む反応生成物を得た。
【0124】上記反応生成物の2倍重量のトルエン/メ
チルイソブチルケトン(混合比7/3)に溶解して樹脂
溶液を調製した。得られた樹脂溶液を、蒸留水/イソプ
ロパノール混合物で洗浄処理し、反応生成物に含まれて
いた酸及び未反応成分を抽出除去した後、エバポレータ
ーでトルエン/メチルイソブチルケトンを除去し、更に
加熱下真空乾燥して160gの実質的に酸を含まない高
反応性変性フェノール樹脂粉末を得た。
【0125】上記の工程で得られた高反応性変性フェノ
ール樹脂粉末100重量部及びガラス繊維ミルド112
重量部を自動乳鉢を用いて室温で混合した後、硬化剤
(ヘキサメチレンテトラミン)12重量部を添加混合し
て、硬化性樹脂含有結合剤粉末を得た。更にカルナバワ
ックス2.24重量部を添加し、得られた混合物を14
0℃に調整された熱ロール機で15分間混合し、更に室
温まで冷却し、ついで粉砕してコンパウンド(成形用粉
体)を製造した。
【0126】得られたコンパウンドの組成を以下に示
す。 高反応性変性フェノール樹脂 100重量部 ガラス繊維ミルド 112重量部 ヘキサメチレンテトラミン 12重量部 カルナバワックス 2.24重量部 このコンパウンドを所定形状の金型に導入して、200
℃、100kgf/cm2にて10分間圧縮成形し、更に20
0℃にて8時間後硬化することにより成形体を得た。
【0127】得られた成形体の特性を表2に示す。
【0128】
【実施例8】実施例1と同様の操作を行い、実質的に酸
を含まない変性フェノール樹脂の粉末を得た。
【0129】得られた樹脂粉末100g、α-ナフトー
ル200g、トルエン20g、1-ブタノール20gを5
00mlガラス製反応器に仕込み、250〜300rpmの
速度で撹拌しながら110℃まで昇温し、p-トルエンス
ルホン酸5.0gを加えた後110℃で120分間保持
して反応させ、高反応性変性フェノール樹脂を含む反応
生成物を得た。
【0130】上記反応生成物の2倍重量のメチルイソブ
チルケトンに溶解して樹脂溶液を調製した。得られた樹
脂溶液を、蒸留水/イソプロパノール混合液で洗浄処理
し、反応生成物に含まれていた酸及び未反応成分等を抽
出除去した後、エバポレータでメチルイソブチルケトン
を除去し、更に加熱下真空乾燥して220gの実質的に
酸を含まない高反応性変性フェノール樹脂粉末を得た。
【0131】上記の工程で得られた高反応性変性フェノ
ール樹脂粉末100重量部及びガラス繊維ミルド112
重量部を自動乳鉢を用いて室温で混合した後、硬化剤
(ヘキサメチレンテトラミン)12重量部を添加混合し
て、硬化性樹脂含有結合剤粉末を得た。更にカルナバワ
ックス2.24重量部を添加し、得られた混合物を14
0℃に調整された熱ロール機で15分間混合し、更に室
温まで冷却し、ついで粉砕してコンパウンド(成形用粉
体)を製造した。
【0132】得られたコンパウンドの組成を以下に示
す。 高反応性変性フェノール樹脂 100重量部 ガラス繊維ミルド 112重量部 ヘキサメチレンテトラミン 12重量部 カルナバワックス 2.24重量部 このコンパウンドを所定形状の金型に導入して、200
℃、100kgf/cm2にて10分間圧縮成形し、更に22
0℃にて8時間後硬化することにより成形体を得た。
【0133】得られた成形体の特性を表2に示す。
【0134】
【実施例9】実施例1で得られた高反応性変性フェノー
ル樹脂粉末100重量部、ガラス繊維ミルド(ES30
T:ユニチカユーエムグラス(株)製)56重量部、お
よび溶融シリカ(龍森製、CRS1102−RD8)5
6重量部を自動乳鉢を用いて室温で混合した後、硬化剤
(ヘキサメチレンテトラミン)12重量部を添加混合し
て、硬化性樹脂含有結合剤粉末を得た。さらにカルナバ
ワックス2.24重量部を添加し、得られた混合物を1
20℃に調整された熱ロール機で20分間混合し、更に
室温まで冷却し、次いで粉砕してコンパウンド(成形用
粉体)を製造した。
【0135】得られたコンパウンドの組成を以下に示
す。 高反応性変性フェノール樹脂 100重量部 ガラス繊維ミルド 56重量部 溶融シリカ 56重量部 ヘキサメチレンテトラミン 12重量部 カルナバワックス 2.24重量部 このコンパウンドを圧縮成形法により、180℃、10
0kgf/cm2にて5分間所定形状に成形し、更に220℃
にて8時間後硬化することにより成形体を得た。
【0136】得られた成形体の特性を表2に示す。
【0137】
【表2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)石油系重質油類またはピッチ類、
    架橋剤としてのホルムアルデヒド重合物、およびフェノ
    ール類を、酸触媒の存在下に重縮合させて得られた変性
    フェノール樹脂を、実質的に前記架橋剤の不存在下、酸
    触媒の存在下でフェノール類と反応させて低分子化した
    高反応性変性フェノール樹脂、および(B)硬化剤から
    なる高反応性変性フェノール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 高反応性変性フェノール樹脂(A)、硬
    化剤(B)および繊維強化材(C)を含むことを特徴と
    する請求項1記載の高反応性変性フェノール樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 高反応性変性フェノール樹脂(A)、硬
    化剤(B)および充填材(D)を含むことを特徴とする
    請求項1記載の高反応性変性フェノール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 高反応性変性フェノール樹脂(A)、硬
    化剤(B)、繊維強化材(C)および充填材(D)を含
    むことことを特徴とする請求項1記載の高反応性変性フ
    ェノール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組
    成物を成形・硬化させたことを特徴とする成形体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010242002A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Akebono Brake Ind Co Ltd 摩擦調整材及び摩擦材

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