JPH0995509A - オレフィンの定常的気相重合における触媒切替え法 - Google Patents

オレフィンの定常的気相重合における触媒切替え法

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JPH0995509A
JPH0995509A JP27671395A JP27671395A JPH0995509A JP H0995509 A JPH0995509 A JP H0995509A JP 27671395 A JP27671395 A JP 27671395A JP 27671395 A JP27671395 A JP 27671395A JP H0995509 A JPH0995509 A JP H0995509A
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catalyst
gas
nitrogen
pressure
polymerization
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JP27671395A
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English (en)
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Masahiro Niwa
雅裕 丹羽
Eiko Kobayashi
栄孝 小林
Kunimichi Kubo
国道 久保
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定常運転中の気相重合において、高分子量ポ
リオレフィン生成能を有する遷移金属系触媒から、低分
子量ポリオレフィン生成能を有する遷移金属系触媒への
触媒切替えに際し、速やかにゲル発生等の残留触媒の影
響を消去する方法を提供する。 【解決手段】 (1)高分子量ポリオレフィンを生成す
る遷移金属系触媒[I]によりオレフィンを気相状態で
重合する工程、(2)反応系内に存在する触媒[I]を
失活させる工程、(3)触媒[I]による重合活性を有
しないポリオレフィン粒子を種ポリマーとして充填する
工程および(4)低分子量ポリオレフィンを生成する遷
移金属系触媒[II]を供給して重合を再開する工程から
なるオレフィンの定常的気相重合における触媒切替え
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相重合方法によ
りポリオレフィンを製造する際の反応器の運転法に関す
る。さらに詳しくは、定常運転している気相重合装置に
おける高分子量ポリオレフィン生成能を有する遷移金属
系触媒から、低分子量ポリオレフィン生成能を有する遷
移金属系触媒への触媒切替え法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの気相重合に用いられる反応
器としては、流動床式や攪拌床式、あるいは両者の併用
式が主である(たとえば特公昭47−13962号公
報、特開昭51−8584号各公報等)。またオレフィ
ンを気相状態で重合してポリオレフィンを製造する触媒
は、従来はチーグラー・ナッタ系の遷移金属系触媒が用
いられている。また近年になってシクロペンタジエン系
化合物を配位子としジルコニウム原子を中心原子とす
る、いわゆるメタロセン系化合物を含む触媒が提案され
ている(例えば、特開昭58−19309号公報、特開
平2−64111号公報、特表平1−501556号公
報、特表平4−506372号公報)。このように種々
の遷移金属系重合触媒が提案されるのであるが、当然こ
れらの触媒の中には、異なる系統はもちろん、同じ系統
の触媒であってもその重合挙動、特に同一のMFRを与
えるための重合条件が相当程度相違することが多い。例
えば、通常、同一重合条件下ではチタン等を含むチーグ
ラー・ナッタ系の遷移金属系触媒は、前記いわゆるメタ
ロセン系化合物を含む触媒よりも高分子量のポリオレフ
ィンを与え易い。
【0003】ここで、工業的生産においては生産する製
品の切替え等のために、同一反応器において供給する触
媒を切り替えて生産を継続することが多い。しかしなが
ら、高分子量ポリオレフィン生成能を有する遷移金属系
触媒から低分子量ポリオレフィン生成能を有する遷移金
属系触媒に切り替える際には、切替え後、切替え前の重
合の残留触媒が影響生じるという問題がある。例えば、
切替え後にフィルムグレードを生産するような場合に
は、高分子量ポリオレフィン生成能を有する遷移金属系
触媒が残留しているとゲル発生の原因となり易い。単に
反応器内容物の置換であるならば、通常の過渡応答を示
すとして、累積生産量が重合反応器の滞留量の13倍以
上の量を生産をすれば、初めの内容物の残留濃度は5重
量ppm 程度には下回ると予想される。しかしながら、オ
レフィンを気相状態で重合してポリオレフィンを製造す
る際、一部の微粒子は循環系を循環しており、その一部
は配管内面に付着したり、デッドスペースに蓄積し、一
部は剥離し重合槽内へ再び供給される。したがって、残
留触媒の除去は容易ではない。
【0004】そこで、触媒切替え時に予め触媒を失活
し、その後触媒を切り替える方法が考えられる。チーグ
ラー系触媒等の高分子量ポリオレフィン生成能を有する
遷移金属系触媒の重合を停止する方法は、二酸化炭素な
どのキルガス(停止剤)を系内に供給する方法や系を開
放して系内に大気を導入する方法などである。すなわ
ち、例えば、チーグラー系触媒は一酸化炭素、二酸化炭
素、酸素、空気といった含酸素化合物などの停止剤を用
いて重合を緊急停止する(たとえば、米国特許第430
6044号、米国特許第4326048号、特開昭60
−72904号各公報など)。また系の開放は大がかり
なシャットダウンでなければ導入した大気は全系まで及
ばない。通常は、重合槽の上下の配管部分で仕切を入
れ、槽内のみを開放し内部を点検する程度である。それ
故、必ずしも失活が充分でない恐れもある。そのほかに
も、反応停止後重合を再開するに当たり、一旦系内に停
止剤のようないわば不純物を供給した場合、窒素などの
不活性ガスでパージ後、アルキルアルミニウムなどを用
いて予め内部を前処理することが行われている。停止剤
使用により反応を停止する場合のほか、内部解放により
重合を停止する場合も同様に、アルキルアルミニウムな
どを用いて予め内部を前処理することが行われている。
【0005】しかし、前記米国特許第4326048号
公報に記載されているように、アルキルアルミニウムを
再供給すると、一旦失活した触媒が復活し、再度重合活
性を発揮することがある。アルキルアルミニウムの供給
については、重合前の前処理時のほか、チーグラー系触
媒を初めとして触媒系の種類によっては連続重合時にも
触媒とともに連続供給されることもある(たとえば、特
開平7−25845公報など)。このように失活後のア
ルキルアルミニウムの再供給が有り得るので、単に停止
剤を系内に供給する方法や系を開放して系内に大気を導
入する方法などの停止方法を採用するのみでは、残留触
媒の影響を消去し得ることは難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高分子量ポリオレフィ
ン生成能を有する遷移金属系触媒から低分子量ポリオレ
フィン生成能を有する遷移金属系触媒への触媒切替えに
際し、速やかにゲル発生等の残留触媒の影響を消去する
ことを、本発明の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
は、次の(1)〜(4)の工程からなることを特徴とす
るオレフィンの定常的気相重合における触媒切替え法に
関する。 (1)高分子量ポリオレフィン生成能を有する遷移金属
系触媒[I]によりオレフィンを気相状態で定常的に重
合させる工程、(2)反応系内に存在する前記触媒
[I]を失活させる工程、(3)前記触媒[I]による重
合活性を実質的に有しないポリオレフィン粒子を種ポリ
マーとして気相重合床を形成する工程、(4)低分子量
ポリオレフィン生成能を有する遷移金属系触媒[II]を
供給することにより重合を再開させてオレフィンを定常
的に気相重合させる工程。本発明の第2は、上記本発明
の第1において、前記工程(3)において前記触媒
[I]による重合活性を実質的に有しないが、前記触媒
[II]による重合活性を有するポリオレフィン粒子を種
ポリマーとして用いることを特徴とするオレフィンの定
常的気相重合における触媒切替え法に関する。本発明の
第3は、上記本発明の第1において、前記触媒[I]
が、少なくともチタンおよび/またはバナジウムならび
にマグネシウムを含有する固体触媒成分と有機アルミニ
ウム化合物からなるオレフィンの定常的気相重合におけ
る触媒切替え法に関する。本発明の第4は、上記本発明
の第1において、前記触媒[II]が、シクロペンタジエ
ニル骨格を有する配位子を含む周期律表中第IV族の遷移
金属化合物を含む触媒であるオレフィンの定常的気相重
合における触媒切替え法に関する。本発明の第5は、上
記本発明の第1において、前記工程(2)の失活後また
は前記工程(4)において、有機アルミニウム化合物を
供給することを特徴とする請求項1記載のオレフィンの
定常的気相重合における触媒切替え法に関する。
【0008】以下、本発明についてさらに説明する。 工程(1) 本発明においては、高分子量ポリオレフィン生成能を有
する遷移金属系触媒[I]から低分子量ポリオレフィン
生成能を有する遷移金属系触媒[II]へ触媒を切り替え
るものである。ここで、本願明細書でいう高分子量ポリ
オレフィン生成能を有する遷移金属系触媒[I](以
下、単に触媒[I]ということがある。)の意味は、オ
レフィン気相重合用の遷移金属系触媒であって、水素/
オレフィンモル比などの同一重合条件下において、低分
子量ポリオレフィン生成能を有する遷移金属系触媒[I
I]よりも、より高分子量のポリオレフィンを生成させ
る触媒を意味する。同様に低分子量ポリオレフィン生成
能を有する遷移金属系触媒[II](以下、単に触媒[I
I]ということがある。)は、オレフィン気相重合用の
遷移金属系触媒であって、水素/オレフィンモル比など
の同一重合条件下において、高分子量ポリオレフィン生
成能を有する遷移金属系触媒[I]よりも、より低分子
量のポリオレフィンを生成させる触媒を意味する。した
がって、ここでの高分子量と低分子量は単に相対的な意
味である。MFRの値で10倍以上、好ましくは50倍
以上異なる程度まで生成ポリオレフィン分子量に差があ
る場合に、本発明は好適に適用される。上記条件に合致
する限り触媒は工程(1)における触媒[I]および工
程(4)における触媒[II]とも特に限定なく使用でき
る。
【0009】しかしながら、好ましい触媒[I]は、少
なくともチタンおよび/またはバナジウムならびにマグ
ネシウムを含有する固体触媒成分および有機金属化合物
からなる遷移金属系触媒が例示される。この固体触媒成
分としては、オレフィン重合用触媒として従来公知のチ
ーグラー系触媒に用いられるチタンおよびマグネシウム
を含有する固体触媒成分、バナジウムおよびマグネシウ
ムを含有する固体触媒成分またはチタン、バナジウムお
よびマグネシウムを含有する固体触媒成分等を使用する
ことができる。
【0010】次にこの少なくともチタンおよび/または
バナジウムならびにマグネシウムを含有する固体触媒成
分および有機金属化合物からなる触媒について説明す
る。例えば金属マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭
酸マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム
等、また珪素、アルミニウム、カルシウムから選ばれる
元素とマグネシウムとを含有する複塩、複酸化物、炭酸
塩、塩化物あるいは水酸化物等、更にこれらの無機固体
化合物を含酸素化合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水
素、ハロゲン含有物質で処理しまたは反応させたもの等
のマグネシウムを含む無機固体化合物に、チタン化合物
および/またはバナジウム化合物を公知の方法により担
持させたものが挙げられる。
【0011】上記含酸素化合物としては、例えば水;ポ
リシロキサン;アルコール、フェノール、ケトン、アル
デヒド、カルボン酸、エステル、酸アミド等の有機含酸
素化合物;金属アルコキシド;金属のオキシ塩化物等の
無機含酸素化合物を例示することができる。含硫黄化合
物としては、チオール、チオエーテル等の有機硫黄化合
物あるいは二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸等の無機硫黄
化合物が挙げられる。また芳香族炭化水素としては、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、アントラセン、フェナン
トレン等の各種単環または多環芳香族炭化水素を例示す
ることができる。ハロゲン含有物質としては、塩素、塩
化水素、金属塩化物、有機ハロゲン化物等が挙げられ
る。
【0012】前記のチタン化合物としては、チタンのハ
ロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、
ハロゲン化酸化物等を挙げることができる。これらのう
ち、4価のチタン化合物と3価のチタン化合物が好適で
あり、4価のチタン化合物としては具体的には一般式T
i(OR)n4-n(ここでRは炭素数1〜20のアルキ
ル基、アリール基またはアラルキル基等の炭化水素残基
をを示し、Xはハロゲン元素を示す。nは0≦n≦4の
範囲の数である)で示されるものが好ましく、具体的に
は四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、モノ
メトキシトリクロロチタン、ジメトキシジクロロチタ
ン、トリメトキシモノクロロチタン、テトラメトキシチ
タン、モノエトキシトリクロロチタン、ジエトキシジク
ロロチタン、トリエトキシモノクロロチタン、テトラエ
トキシチタン、モノイソプロポキシトリクロロチタン、
ジイソプロポキシジクロロチタン、トリイソプロポキシ
モノクロロチタン、テトライソプロポキシチタン、モノ
ブトキシトリクロロチタン、ジブトキシジクロロチタ
ン、トリブトキシモノクロロチタン、テトラブトキシチ
タン、モノペントキシトリクロロチタン、モノフェノキ
シトリクロロチタン、ジフェノキシジクロロチタン、ト
リフェノキシモノクロロチタン、テトラフェノキシチタ
ン等を挙げることができる。3価のチタン化合物として
は、一般式Ti(OR)m4-m(ここでRは炭素数1〜
20のアルキル基、アリール基またはアラルキル基等の
炭化水素残基をを示し、Xはハロゲン元素を示す。mは
0<m<4の範囲の数である)で示される4価のハロゲ
ン化アルコキシチタンを、水素、アルミニウム、チタン
あるいは周期律表第IからIII族金属の有機金属化合物に
より還元して得られる3価のチタン化合物が挙げられ
る。
【0013】上記のチタン化合物のうち、4価のチタン
化合物が特に好ましい。これらの触媒の具体的なものと
しては、例えばMgO−RX−TiCl4系(特公昭5
1−3514号公報)、Mg−SiCl4−ROH−T
iCl4系(特公昭50−23864号公報)、MgC
2−Al(OR)3−TiCl4系(特公昭51−15
2号公報、特公昭52−15111号公報)、MgCl
2−SiCl4−ROH−TiCl4系(特開昭49−1
06581号公報)、Mg(OOCR)2−Al(O
R)3−TiCl4系(特公昭52−11710号公
報)、Mg−POCl3−TiCl4系(特公昭51−1
53号公報)、MgCl2−AlOCl− TiCl4
(特公昭54−15316号公報)、MgCl2−Al
(OR)n− X3-n−Si(OR’)m−TiCl4
(特開昭56−95909号公報)、MgCl2−RO
H−シロキサン−Ti(OR)m4-m−TiCl4
(特願平5−284095公報)、MgCl2−ROH
−界面活性剤−Ti(OR)m4-m−TiCl4系(特
願平5−284096公報)等の固体触媒成分(前記式
中において、RおよびR’は有機残基、Xはハロゲン原
子を示す。)に有機アルミニウム化合物を組み合わせた
ものが好ましい例として挙げられる。
【0014】前記バナジウム化合物としては、四塩化バ
ナジウム、四臭化バナジウム、四ヨウ化バナジウム等の
4価のバナジウム化合物、オキシ三塩化バナジウム、オ
ルソアルキルバナデート等の5価のバナジウム化合物、
三塩化バナジウム、バナジウムトリエトキシド等の3価
のバナジウム化合物などが挙げられる。バナジウム化合
物は、単独であるいはチタン化合物と併用して用いられ
る。
【0015】他の触媒系の例としては、固体触媒成分と
していわゆるグリニャール化合物などの有機マグネシウ
ム化合物とチタン化合物および/またはバナジウム化合
物との反応生成物を用い、これに有機アルミニウム化合
物を組み合わせた触媒系を例示することができる。有機
マグネシウム化合物としては、例えば一般式RMgX、
2Mg、RMg(OR)等で示されるマグネシウム化
合物(ここで、Rは炭素数1〜20の有機残基、Xはハ
ロゲン原子を示す。)およびこれらのエーテル錯体、ま
たはこれらの有機マグネシウム化合物に、更に他の有機
金属化合物、例えば有機ナトリウム、有機リチウム、有
機カリウム、有機ホウ素、有機カルシウム、有機亜鉛等
を加えて変性したものを用いることができる。上記触媒
系の具体的な例としては、例えば、RMgX−TiCl
4系(特公昭50−39470号公報)、RMgX−フ
ェノール−TiCl4系(特公昭54−12953号公
報)、RMgX−ハロゲン化フェノール−TiCl4
(特公昭54−12954号公報)、RMgX−CO2
−TiCl4系(特開昭57−73009号公報)等の
固体触媒成分に有機アルミニウム化合物を組み合わせた
ものを挙げることができる。
【0016】また他の触媒系の例としては、固体触媒成
分としてSiO2、Al23およびSiO2・Al23
の無機酸化物と前記のチタンおよび/またはバナジウム
ならびにマグネシウムを含有する固体触媒成分とを接触
させて得られる固体物質を用い、これに有機アルミニウ
ム化合物を組み合わせたものを例示することができる。
無機酸化物としては上記SiO2、Al23およびSi
2・Al23等のほかにCaO、B23、SnO2等を
挙げることができ、またこれらの酸化物の複酸化物も使
用することができる。これら各種の無機酸化物とチタン
および/またはバナジウムならびにマグネシウムを含有
する固体触媒とを接触させるためには公知の方法を採用
することができる。すなわち、不活性炭化水素、アルコ
ール類、フェノール類、エーテル類、ケトン類、エステ
ル類、アミン類、ニトリル類またはこれらの混合物など
の有機溶媒の存在下または不存在下で、温度20から4
00℃、好ましくは50〜300℃において通常5分〜
20時間反応させる方法により反応させても良い。
【0017】上記触媒系の具体的な例としては、例えば
SiO2−ROH−MgCl2−TiCl4(特開昭56
−47407号公報)、SiO2−ROR’−MgO−
AlCl3−TiCl4(特開昭57−187305号公
報)、SiO2−MgCl2−Al(OR)3−TiCl4
−Si(OR’)4(特開昭58−21405号公
報)、SiO2−TiCl4−RnAlCl3-n−MgCl
2−Al(OR’)nCl3-n(特開平3−35004号
公報)、 SiO2−TiCl4−RnAlCl3-n−Mg
Cl2−Al(OR’)nCl3-n−Si(OR”)m
Cl4-m(特開平3−64306号公報)、SiO2−M
gCl2−Al(OR’)nCl3-n−Ti(OR”)4
nAlCl3-n(特開平3−153707号公報)、S
iO2−MgCl2−Al(OR’)nCl3-n−Ti(O
R”)nCl4-n−RnAlCl3-n(特開平3−1850
4号公報)、SiO2−TiCl4−RnAlCl3-n−M
gCl2−Al(OR’)nCl3-n−R”mSi(OR
'''n4-(m+m)(特開平4−261408号公報)、
SiO2−RnMgX2-n−Al(OR’)nCl3-n−T
i(OR”)n Cl4-n−R'''OH−RnAlX
3-n(特開平5−117316号公報)、Si O2−M
gCl2−Al(OR’)nCl3-n−Ti(OR”)n
4-n−R'''OH−RnAlCl3-n(特開平5−194
634号公報)(前記式中においてR、R’、R”、R
'''は炭化水素残基を示す。)等に有機アルミニウム化
合物を組み合わせたものを挙げることができる。
【0018】これらの触媒系において、チタン化合物お
よび/またはバナジウム化合物を有機カルボン酸エステ
ルとの付加物として使用することもでき、また前記のマ
グネシウムを含む無機固体化合物を有機カルボン酸エス
テルと接触処理した後使用することもできる。更に、有
機アルミニウム化合物を有機カルボン酸エステルとの付
加物として使用することもできる。また、あらゆる場合
において、有機カルボン酸エステルの存在下に調製され
た触媒系を使用することができる。ここで使用する有機
カルボン酸エステルとしては、脂肪族、脂環族、芳香族
カルボン酸の各種エステルが挙げられ、好ましくは炭素
数8〜12の芳香族カルボン酸エステルが用いられる。
具体的な例としては安息香酸、アニス酸、トルイル酸の
メチル、エチル等のアルキルエステルを挙げることがで
きる。固体触媒成分は、反応系に供給する前に予備重合
に付して、ポリマーで被覆されたいわゆるプレポリマー
の形態で使用することもできる。
【0019】本発明において上記少なくともチタンおよ
び/またはバナジウムならびにマグネシウムを固体触媒
成分として含有する固体触媒成分と共に用いることので
きる有機アルミニウム化合物とは、分子内に少なくとも
一個のアルミニウム−炭素原子の結合を有する有機アル
ミニウム化合物をいう。例えば、(i)一般式RmAl
(OR’)npq(ここで、RおよびR’は炭素原子
を通常1〜15個、好ましくは1〜4個を含む炭化水素
基、例えばアルキル基、アリール基、アルケニル基、シ
クロアルキル基等であり、アルキル基の場合にはメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、オクチル等が挙
げられる。RおよびR’は同一であっても異なってもよ
い。Xはハロゲン原子を示し、m、n、p、qはそれぞ
れ0<m≦3、0≦n<3、0≦p<3および0≦q<
3の範囲にあり、かつm+n+p+q=3を満足する数
である。)で表される有機アルミニウム化合物、(i
i)一般式MAlR4(ここで、MはLi、Naまたは
Kから選ばれる金属であり、Rは前記と同じ炭化水素基
である。)で表される、周期律表第I族金属とアルミニ
ウムとの錯アルキル化合物などを挙げることができる。
【0020】前記(i)に属する有機アルミニウム化合
物としては、例えば 一般式 RmAl(OR’)3-m (ここで、RおよびR’は前記と同じ炭化水素基であ
る。mは好ましくは1.5≦m≦3の範囲である。)、 一般式 RmAlX3-m (ここで、Rは前記と同じ炭化水素基である。mは好ま
しくは0<m<3の範囲である。)、 一般式 RmAlH3-m (ここで、Rは前記と同じ炭化水素基である。mは好ま
しくは2≦m<3の範囲である。)、 一般式 RmAl(OR’)nq (ここで、RおよびR’は前記と同じ炭化水素基であ
る。Xはハロゲン原子を示し、m、nおよびqは好まし
くはそれぞれ0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3の範
囲にあり、かつm+n+q=3を満足する数である。)
で表されるものなどを例示することができる。
【0021】(i)に属する有機アルミニウム化合物と
して、具体的には、トリメチルアルミウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリ−sec−ブチルアルミニウ
ム、トリ−tert−ブチルアルミニウム、トリヘキシルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリアルキ
ルアルミニウム;トリアルケニルアルミニウム;ジエチ
ルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブト
キシド等のジアルキルアルニミウムアルコキシド;エチ
ルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウム
セスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアル
コキシドの他に、R2.5Al(OR)0.5などで表される
平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキル
アルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミ
ド等のジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロ
リド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキル
アルミニウムセスキハライドのような部分的にハロゲン
化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウム
ヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキ
ルアルミニウムヒドリドおよびエチルアルミニウムジヒ
ドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキル
アルミニウムジヒドリドなど、部分的に水素化されたア
ルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロ
リド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルア
ルミニウムエトキシブロミド等の部分的にアルコキシ化
およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム等を例示
することができる。前記(ii)に属する有機アルミニ
ウム化合物として、LiAl(C254、LiAl
(C7154等が挙げられる。また、(i)に類似する
有機アルミニウム化合物として、酸素原子や窒素原子を
介して2個以上のアルミニウム原子が結合した有機アル
ミニウム化合物を用いることもできる。このような化合
物として、例えば(C252AlOAl(C252
(C492AlOAl(C492、(C252Al
N(C25)Al(C252等を例示することができ
る。これらの中でも、トリアルキルアルミニウムが好ま
しい。
【0022】触媒[I]として少なくともチタンおよび
/またはバナジウムならびにマグネシウムを触媒成分と
して含有する固体触媒成分と共に用いることのできる有
機アルミニウム化合物は、定常運転中その使用量は特に
制限されないが、通常チタン化合物1モルに対して0.
05〜1000モルの範囲が好ましい。
【0023】工程(1)による重合において用いるオレ
フィンとしては、通常炭素数2〜8、好ましくは2〜6
のオレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン
−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテ
ン−1等のα−オレフィンが挙げられる。これらを用い
て単独(ホモ)重合または適宜の割合による共重合を行
うことができる。共重合としては、たとえばエチレン/
プロピレン、エチレン/ブテン−1、エチレン/ペンテ
ン−1、エチレン/ヘキセン−1、エチレン/4−メチ
ルペンテン−1等のエチレンと炭素数3〜12のα−オ
レフィンとの共重合、およびエチレンと他の2種以上の
α−オレフィンとの共重合等が挙げられる。また、ポリ
オレフィンの改質を目的として、ジエンを用いる共重合
も可能である。これに用いるジエンとしては、ブタジエ
ン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、
ジシクロペンタジエン等が例示される。なお、本願明細
書においては重合には共重合の意味も含まれる。反応系
へのオレフィンの供給は、単独で供給するかまたは好ま
しくは適宜の不活性キャリアーガス、例えば窒素ととも
に供給することができる。かくして、触媒[I]におけ
る好ましい触媒として、少なくともチタンおよび/また
はバナジウムならびにマグネシウムを固体触媒成分とし
て含有する固体触媒成分によるオレフィン重合の定常運
転は、常法に従い、オレフィン、固体触媒、有機アルミ
ニウム化合物が定常的に反応系に導入され、一方、生成
したポリマー粒子が抜き出されることにより定常的に重
合がなされる。
【0024】工程(2) 上記のようにして触媒[I]による定常運転から触媒[I
I]による定常運転への切替えについて説明する。初め
に、重合装置内全系に存在する触媒[I]を失活するの
であるが、この失活に先立って、触媒[I]の重合条件
を維持したまま触媒[I]の供給を停止し、反応が十分
低下するまで触媒[I]の供給以外の重合条件を維持す
る方が好ましい。これは、この操作によって、系内に実
質的に存在する触媒[I]量を低減し、後に供給するガ
ス状の失活剤量を減らせるためである。供給した失活剤
量が少なければ、パージ作業等を簡素化できる。なお、
緊急に反応を停止する必要があるような場合には、特に
触媒[I]の供給を停止することなく、反応系内に失活
剤を導入して失活させることもある。このような場合に
は、触媒の供給停止は、失活剤の導入と同時または、そ
の後に停止させることになる。オレフィン供給停止も同
様である。
【0025】具体的には、触媒の供給を停止し(有機ア
ルミニウム化合物を供給している場合は、オレフィンの
生成速度に合わせて有機アルミニウム化合物の供給速度
を低下させる。)、オレフィン消費に伴うオレフィンの
供給をして重合系内の圧力を維持し、ガス循環も続け
る。系内ポリマーの抜き出しは適宜に行うことができ
る。また循環ガスの冷却も適宜に維持するが、重合が低
下するに従い、反応器内の発熱は低下する。充分反応系
内の重合速度が低下した後、オレフィン供給も停止し、
系内ガスのみ循環させる。通常この停止のための時間
は、触媒の性質、系内容量等にもよるが数時間〜数日程
度を要する。
【0026】反応が停止後、触媒[I]の失活操作を行
う。触媒[I]の失活は、重合槽内のみならずガス循環
系も含めた重合系内全系に存在する触媒を失活させるよ
うに行う。失活操作においては、重合槽内に残留するポ
リマーパウダーを保持したまま失活操作を行う方法と、
重合槽内から残留ポリマーパウダーを排出してから失活
する方法とがある。好ましくは、重合槽内から残留ポリ
マーパウダーを排出してから失活する。
【0027】本発明における失活操作は、ガス状の失活
剤を系内に導入することによって行う。失活剤として
は、触媒[I]の性質に応じた失活剤を採用することが
できるが、いずれにしろ、当然ながら、触媒[II]によ
る工程(4)の重合条件下において、失活させた触媒の
重合活性が復活しないような失活剤、その量および失活
方法を採用する必要がある。それ故、あらかじめ別の実
験でこのような失活剤、その量および失活方法を確認
し、これを採用するようにするのが好ましい。一般にオ
レフィン重合用の遷移金属系触媒においては、通常は、
水蒸気を含有する空気(大気など)、水蒸気を含有する
酸素、水蒸気それ自体などが好ましい。触媒の切替え
後、工程(4)の定常運転再開時に供給されることがあ
る有機金属化合物、例えば有機アルミニウム化合物によ
り触媒[I]の活性が再生されるような失活剤の使用は
好ましくない。例えば、工程(1)の触媒[I]として
少なくともチタンおよび/またはバナジウムならびにマ
グネシウムを触媒成分として含有する固体触媒成分など
の場合、水蒸気をほとんど含有しない乾燥空気、分子状
酸素、二酸化炭素および一酸化炭素などを失活剤として
用いると、有機アルミニウム化合物、たとえばアルキル
アルミニウムを再供給すると触媒[I]の活性が復活す
るので好ましくない。なお、有機アルミニウム化合物、
たとえばアルキルアルミニウムなどは、工程(4)にお
ける触媒の一成分または助触媒の一成分として反応系に
導入されることもあるし、また後記するように失活後の
後処理(工程(4)の前処理)として反応系内に導入さ
れることもある。ガス状の失活剤は、適宜のキャリアガ
ス、たとえばオレフィンなどの反応性ガス、あるいは好
ましくはアルゴン、ヘリウム、窒素、特に好ましくは窒
素などの非反応性キャリアガスと共に系内へ供給するこ
とができる。
【0028】具体的な失活方法は、次に述べるように種
々の状況に応じて、適宜に選択できる。例えば、全系を
閉じて失活する場合には、重合槽内にパウダーを保持し
て失活するケースと、パウダーを排出した後失活するケ
ースに分けられる。いずれのケースもブロワー等の送風
機を用いて、失活剤を含むガスを全系に循環させること
により完全に触媒[I]を失活させることが肝要であ
る。パウダーを排出しているケースの失活剤の供給位置
は特に注意する必要はない。パウダーを重合槽内に保持
して失活するケースでは、失活剤の注入位置は重合反応
槽のすぐ後が好ましい。これは、重合槽下部から失活剤
を供給すると、失活剤が重合槽中に保持されているポリ
マーパウダーに先に吸着し、系全体に行き渡らない可能
性があるためである。このようなケースでは、大量の失
活剤を導入しないと系全体の触媒[I]を失活できない
恐れがある。一旦、大量の失活剤を系内に導入されるな
らば、過剰の失活剤のパージ工程などが繁雑になり好ま
しくない。いずれにしろ失活剤の導入量は必要最小限が
好ましいのではあるが、充分に失活する量を選択する必
要がある。系を開放して大気を導入して重合系内に存在
する触媒[I]を失活させる場合、系内にデッドスペー
スが存在しないよう系内各部位のマンホール、ハンドホ
ール、ドレンなどのバルブを開けて系を解放させること
が好ましい。単に大気の系内への自然拡散のみで系内の
触媒[I]を失活させるには非常に長い時間がかかる。
したがって、送風機などを用いてガス流れを強制するの
が好ましい。具体的には、たとえば区切った配管の片端
から大気を送風機を用いて導入し、反対の片端から放出
するなどの方法を採用することができる。
【0029】失活操作の後には、適宜に系内に導入した
過剰の失活剤を除去することが好ましい。失活剤の除去
は、失活剤を系外へ可能な限り排出することによっても
できる。失活剤の系外への排出のためには、不活性ガス
を用いて重合反応系内のパージを行い、ガス状失活剤を
置換することにより行うことができる。不活性ガスとし
ては窒素が好ましい。この方法は、系内に連続的に窒素
を流通してもよく、窒素で加圧した後ベントへ排出して
もよい。なお、温度は重合温度とし、10〜110℃で
あり、望ましくは40〜100℃である。また、窒素循
環によってパージを行う場合は、圧力0〜1MPa・
G、望ましくは0.3〜0.6MPa・Gで行う。
【0030】そのほか、失活剤の除去は、系外に失活剤
を排出させるほか、有機アルミニウム化合物を用いて、
これを失活剤と反応させることにより、残留失活剤の機
能を無害なものに変換させることによっても行うことが
できる。なお、この場合であっても、あらかじめ供給し
た過剰のガス状失活剤を可能な限り系外へ排出した後
に、有機アルミニウム化合物を導入することが好まし
い。パウダーを排出して失活した場合の有機アルミニウ
ム化合物の供給位置は特に注意する必要はない。一方、
パウダーを保持して失活した場合、有機アルミニウム化
合物の注入位置は、前記失活剤の導入と同様重合反応槽
のすぐ後が好ましい。これは、重合槽下部から有機アル
ミニウムを供給した場合、有機アルミニウム化合物が重
合槽中に保持されているポリマーパウダーに先に吸着
し、系全体に行き渡らず、また、失活剤の一部は配管中
のデッドスペースなどにどまる可能性があるからであ
る。有機アルミニウム化合物の供給は、有機アルミニウ
ム化合物の分散を均一にするために、重合反応系に窒素
を循環しているとき行うのが望ましい。なお、窒素の循
環は圧力0〜1MPa・G、望ましくは0.3〜0.6
MPa・Gで行うのが適当である。また、この際の循環
ガスの温度は触媒[I]の重合温度と同一とし、例え
ば、10〜110℃であり、好ましくは40〜100℃
である。
【0031】上記失活後に系内に導入する有機アルミニ
ウム化合物は、前記工程(1)において助触媒として用
いられることがある有機アルミニウム化合物と同様のも
のを用いることができる。すなわち、ここで用いる有機
アルミニウム化合物とは、分子内に少なくとも一個のア
ルミニウム−炭素原子の結合を有する有機アルミニウム
化合物をいう。例えば、(i)一般式RmAl(O
R’)npq(ここで、RおよびR’は炭素原子を通
常1〜15個、好ましくは1〜4個を含む炭化水素基、
例えばアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロ
アルキル基等であり、アルキル基の場合にはメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ヘキシル、オクチル等が挙げられ
る。RおよびR’は同一であっても異なってもよい。X
はハロゲン原子を示し、m、n、p、qはそれぞれ0<
m≦3、0≦n<3、0≦p<3および0≦q<3の範
囲にあり、かつm+n+p+q=3を満足する数であ
る。)で表される有機アルミニウム化合物、(ii)一
般式MAlR4(ここで、MはLi、NaまたはKから
選ばれる金属であり、Rは前記と同じ炭化水素基であ
る。)で表される、周期律表第I族金属とアルミニウム
との錯アルキル化合物などを挙げることができる。
【0032】前記(i)に属する有機アルミニウム化合
物としては、例えば 一般式 RmAl(OR’)3-m (ここで、RおよびR’は前記と同じ炭化水素基であ
る。mは好ましくは1.5≦m≦3の範囲である。)、 一般式 RmAlX3-m (ここで、Rは前記と同じ炭化水素基である。mは好ま
しくは0<m<3の範囲である。)、 一般式 RmAlH3-m (ここで、Rは前記と同じ炭化水素基である。mは好ま
しくは2≦m<3の範囲である。)、 一般式 RmAl(OR’)nq (ここで、RおよびR’は前記と同じ炭化水素基であ
る。Xはハロゲン原子を示し、m、nおよびqは好まし
くはそれぞれ0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3の範
囲にあり、かつm+n+q=3を満足する数である。)
で表されるものなどを例示することができる。
【0033】(i)に属する有機アルミニウム化合物と
して、具体的には、トリメチルアルミウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリ−sec−ブチルアルミニウ
ム、トリ−tert−ブチルアルミニウム、トリヘキシルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリアルキ
ルアルミニウム;トリアルケニルアルミニウム;ジエチ
ルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブト
キシド等のジアルキルアルニミウムアルコキシド;エチ
ルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウム
セスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアル
コキシドの他に、R2.5Al(OR)0.5などで表される
平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキル
アルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミ
ド等のジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロ
リド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキル
アルミニウムセスキハライドのような部分的にハロゲン
化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウム
ヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキ
ルアルミニウムヒドリドおよびエチルアルミニウムジヒ
ドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキル
アルミニウムジヒドリドなど、部分的に水素化されたア
ルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロ
リド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルア
ルミニウムエトキシブロミド等の部分的にアルコキシ化
およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム等を例示
することができる。前記(ii)に属する有機アルミニ
ウム化合物として、LiAl(C254、LiAl
(C7154等が挙げられる。また、(i)に類似する
有機アルミニウム化合物として、酸素原子や窒素原子を
介して2個以上のアルミニウム原子が結合した有機アル
ミニウム化合物を用いることもできる。このような化合
物として、例えば(C252AlOAl(C252
(C492AlOAl(C492、(C252Al
N(C25)Al(C252等を例示することができ
る。この中でも、トリアルキルアルミニウムが好まし
い。上記有機アルミニウム化合物の添加量は、特に制限
されないが、投入した失活剤の合計量に対して0.01
〜100モル倍の範囲から適宜に選択することができ
る。
【0034】工程(3) オレフィンの流動床等による気相重合反応においては、
流動床反応器にあらかじめ種ポリマーと呼ばれる樹脂の
粉末を充填して流動を開始した後に重合反応を開始させ
る。種ポリマーを使用しないと、供給した触媒が分散し
難いため粒状の樹脂が生成せず、従って流動床も形成し
ないので、流動床による重合反応器においては、運転開
始時に必ず種ポリマーが使用される。本発明による失活
後、触媒[II]による運転再開に当たっては、槽内に残
留するポリマーパウダーを系外に排出し、新たな種ポリ
マーを充填する方法と、残留するポリマーパウダーをそ
のまま種ポリマーとして用いる方法とがある。本発明に
おいてはいずれの方法を採用することができる。好まし
くは、触媒[II]による運転再開に当たっては、槽内に
残留するポリマーパウダーを系外に排出し、新たな種ポ
リマーを充填する方法が用いられる。
【0035】本発明において触媒[II]による重合に先
立ち重合槽内に充填する種ポリマーは、次の触媒[II]
のための重合条件下で前記触媒[I]と同様な活性を有
しないような種ポリマーであることが肝要である。すな
わち、同一重合条件下、触媒[II]よりもより高分子量
のポリオレフィンを生成するような重合活性を有しない
種ポリマーであることが肝要である。種ポリマーが、元
々触媒[II]のための重合条件下で前記触媒[I]と同
様な活性を有する種ポリマーであったり、また次の触媒
[II]のための重合条件下で重合活性が復活した結果、
前記触媒[I]と同様な重合活性を有する種ポリマーで
ある場合は、いずれも好ましくない。例えば、種ポリマ
ーとして次に述べるような遷移金属系触媒を用いて重合
されたようなポリオレフィンパウダーを用いるようなと
きには、同一重合条件下、触媒[II]よりもより高分子
量のポリオレフィンを生成するような重合活性を有する
ことが有り得るのである。
【0036】上記条件が満たされていれば、流動床ある
いは攪拌床などの気相重合床を形成しうる粒子であれば
特に制限されずに、種ポリマーとして使用できる。通常
はポリオレフィン粒子が好ましい。ポリオレフィン粒子
としては、特に限定されないが、例えば、触媒[I]を
用いて得られたポリマー粒子または触媒[II]を用いて
得られたポリマー粒子、ならびに、それぞれのポリマー
粒子について活性を保持した粒子と失活処理を施したこ
とにより重合活性を有しないポリマー粒子を種ポリマー
として使用することができる。しかしながら、これらの
中で、上述のように工程(4)の重合条件下に触媒[I
I]よりもより高分子量のポリオレフィンを生成するよ
うな重合活性を有する可能性のある粒子を使うことはで
きない。従って、触媒[I]から得られたポリマー粒子
であって触媒[I]の重合活性を保持しているポリマー
粒子は種ポリマーとして充填することはできないし、た
とえ失活処理を施したことにより重合活性を有しないポ
リマー粒子であっても触媒[I]の重合機能が何らかの
方法で復活する可能性のある粒子もまた使用することが
できない。
【0037】触媒[II]を用いて得られたポリマー粒子
を導入する場合、ポリマー粒子は、失活処理を施しても
良く、触媒[II]としての重合活性を有するまま種ポリ
マーとして用いてもよい。好ましくは、触媒[II]から
得られた粒子であって、失活処理を施されず触媒[II]
としての重合活性を保持するポリマー粒子である。例え
ば、別途、触媒[II]を用いたポリオレフィン重合の際
に製造したポリオレフィン粒子を、窒素などによる適宜
の不活性雰囲気下に保存しておき、これを用いるように
することができる。
【0038】なお、本発明で使用する種ポリマーとして
は、平均粒径が500〜1500μmの範囲にあり、か
つかさ密度が250〜500kg/m3の範囲にある粒子が
好ましい。粒径が300μm未満の微粉は少ない方がよ
い。また、種ポリマーの充填量は、流動床または攪拌床
を形成し得る量であればよく、特に制限されない。
【0039】重合槽内に保持されたポリマー粒子を種ポ
リマーとして使用する場合以外は、種ポリマー充填後
に、充填時に同伴した酸素などの不純物を取り除くた
め、不活性ガスを用いてパージを行うことが好ましい。
すなわち、不活性ガスを用いて重合反応系内のパージを
行い、同伴された不純物を不活性ガスで置換する。不活
性ガスとしては窒素が好ましい。このパージ方法として
は、系内に連続的に窒素を流通してもよく、窒素で加圧
した後ベントへ排出して減圧しこれを繰り返す方法でも
よい。なお、パージの際の温度は触媒[II]による重合
温度と同一とし、例えば、10〜110℃であり、好ま
しくは40〜100℃である。また、窒素等の循環によ
ってパージを行う場合は、圧力0〜1MPa・G、好ま
しくは0.3〜0.6MPa・Gで行う。
【0040】工程(4) 種ポリマーとして、触媒[I]または触媒[II]につい
て失活剤により失活処理が施されたポリマー粒子を充填
した場合、残留失活剤が触媒[II]の活性に影響を及ぼ
す恐れがある。従って、このような場合、有機アルミニ
ウム化合物を用いて失活剤と反応させ、無害な化合物、
すなわち、触媒毒にならない化合物にすることが好まし
い。重合槽内には種ポリマーが充填されているので、有
機アルミニウム化合物の注入位置は重合反応槽の出口直
後が好ましい。有機アルミニウム化合物自体も触媒[I
I]の重合に影響を与えることがあるので、供給する量
は失活剤の無害化に必要な最小限とすることが好まし
い。有機アルミニウム化合物の供給は、有機アルミニウ
ム化合物の分散を均一にするために、重合反応系に窒素
を循環しているとき行うのが望ましい。この窒素の循環
は圧力0〜1MPa・G、望ましくは0.3〜0.6M
Pa・Gで行う。また、温度は触媒[II]による重合温
度と同一とし、例えば、10〜110℃であり、好まし
くは40〜100℃である。
【0041】次に、必要に応じてオレフィン等を供給
し、昇圧させて、触媒[II]を供給することにより触媒
[II]による重合を開始させ、これを定常化させること
により触媒の切替えが達成される。触媒[II]として
は、前述のようにオレフィン気相重合用の遷移金属系触
媒であって、水素/オレフィンモル比などの同一重合条
件下において、高分子量ポリオレフィン生成能を有する
遷移金属系触媒[I]よりも、より低分子量のポリオレ
フィンを生成させる触媒を意味する。MFRの値で10
倍以上、好ましくは50倍以上異なる程度まで生成ポリ
オレフィンの分子量に差がある場合に、本発明は好適に
適用される。
【0042】上記条件に合致する限り触媒は特に限定な
く使用できる。しかしながら、好ましい触媒[II]は、
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律
表第IV族の遷移金属化合物を含む遷移金属系触媒であ
る。上記シクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタ
ジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等のシクロペ
ンタジエン骨格であって、縮合型または非縮合型の基の
いずれも含まれる。置換シクロペンタジエニル基として
は、炭素数1〜10の炭化水素基、シリル基、シリル置
換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シア
ノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロア
ルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも1種
の置換基を有する置換シクロペンタジエニル基である。
置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有して
いてもよく、またこれらの置換基が相互に結合して環を
形成してもよい。
【0043】上記炭素数1〜10の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基などの
シクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール
基;ベンジル基、ネオフイル基等のアラルキル基等が例
示される。これらの中でもアルキル基が好ましい。置換
シクロペンタジエニル基の好適なものとしては、メチル
シクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル
基、n−ヘキシルシクロペンタジエニル基、1,3−ジ
メチルシクロペンタジエニル基、1,3−n−ブチルメ
チルシクロペンタジエニル基、1,3−n−プロピル
(メチルエチル)シクロペンタジエニル基などが具体的
に挙げられる。本発明の置換シクロペンタジエニル基と
しては、これらの中でも炭素数3以上のアルキル基が置
換したシクロペンタジエニル基が好ましく、特に1,3
−置換シクロペンタジエニル基が好ましい。
【0044】置換基の炭化水素が相互に結合して1また
は2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエニ
ル基としては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水素
基(アルキル基等)等により置換された置換インデニル
基;ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル
基等)等の置換基により置換された置換ナフチル基;炭
素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等により置換
された置換フルオレニル基等が好適なものとして挙げら
れる。
【0045】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含む周期律表第IV族の遷移金属としては、ジルコニウ
ム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウ
ムが好ましい。遷移金属化合物は、シクロペンタジエニ
ル骨格を有する配位子を通常1〜3個を有しており、2
個以上有する場合は架橋基により互いに結合していても
よい。なお、このような架橋基としては、炭素数1〜4
のアルキレン基、アルキルシランジイル基、シランジイ
ル基などが挙げられる。
【0046】周期律表第IV族の遷移金属の化合物におい
て、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配
位子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜
20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリー
ル基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル
基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基な
どが挙げられる。
【0047】これらの具体例としては以下のものが挙げ
られる。ジアルキルメタロセンとして、ビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(シクロペン
タジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ハフニウムジメチル、 ビス(シクロペ
ンタジエニル)ハフニウムジフェニルなどがある。モノ
アルキルメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエ
ニル)チタニウムメチルクロライド、ビス(シクロペン
タジエニル)チタニウムフェニルクロライド、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロライド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルク
ロライドなどがある。
【0048】モノシクロペンタジエニルチタノセンとし
ては、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムト
リクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリクロライド)、ビス(ペンタメチルシクロペ
ンタジエニル)チタニウムジフェニルなどが挙げられ
る。ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合物と
しては、ビス(インデニル)チタニウムジフェニルまた
はジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)
チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ジアルキ
ル、トリアルキル、テトラアルキルまたはペンタアルキ
ルシクロペンタジエニルチタニウム化合物としては、ビ
ス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウ
ムジフェニルまたはジクロライド、ビス(1,2−ジエ
チルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまた
はジクロライドもしくは他のジハライド錯体;シリコ
ン、アミンまたは炭素連結シクロペンタジエン錯体とし
ては、ジメチルシリルジシクロペンタジエニルチタニウ
ムジフェニルまたはジクロライド、メチレンジシクロペ
ンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライ
ド、およびその他のジハライド錯体が挙げられる。
【0049】ジルコノセン化合物としては、ペンタメチ
ルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、
ペンタエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリク
ロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジフェニル;アルキル置換シクロペンタジ
エンとしては、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、それらのハロア
ルキルまたはジハライド錯体、ジアルキル、トリアルキ
ル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタ
ジエンとしてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,2−ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、およびそ
れらのジハライド錯体;シリコンまたは炭素連結シクロ
ペンタジエン錯体としては、ジメチルシリルジシクロペ
ンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、
メチレンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチル
またはジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジ
ルコニウムジメチルまたはジハライドなどが挙げられ
る。
【0050】さらに他のメタロセンとしては、ビス(シ
クロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス
(シクロペンタジエニル)バナジウムジクロライドなど
が挙げられる。
【0051】本発明の他の周期律表第IV族の遷移金属化
合物の例として、下記一般式〔I〕で示されるシクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子および他の配位子と遷
移金属原子とが環を形成するものも挙げられる。
【0052】
【化1】 式中、Cp は前記シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の
アルキル基、アリールシリル基、アリールオキシ基、ア
ルコキシ基、アミド基、シリルオキシ基等を表し、Yは
O、S、NR、PR、OR、SR、NR2およびPR2
らなる群から選ばれる2価中性リガンド、ZはSiR2
CR2、SiR2SiR2、CR2CR2、CR=CR、SiR
2CR2、BR2およびBRからなる群から選ばれる2価
基を示す。ただし、Rは水素または 炭素数1〜20の
アルキル基、アリール基、シリル基、ハロゲン化アルキ
ル基およびハロゲン化アリール基からなる群から選ばれ
る基を示す。またY、ZまたはYとZの双方からの2個
またはそれ以上のR基は縮合環系を形成するものであ
る。Mは周期律表第IV族の遷移金属原子を表す。
【0053】式〔I〕で表される化合物の例としては、
(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライ
ド、(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)−1,2−エタンジイルチタニウムジクロラ
イド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライ
ド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)−1,2−エタンジイルチタニウムジクロライド、
(エチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)
メチレンチタニウムジクロライド、(tert−ブチルアミ
ド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シ
ランチタニウムジクロライド、(tert−ブチルアミド)
ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン
ジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル
(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタニウ
ムジクロライド、(フェニルホスフィド)ジメチル(テ
トラメチルシクロペンタジエニル)シランチタニウムジ
クロライドなどが挙げられる。
【0054】上記シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子を含む周期律表第IV族の遷移金属の化合物からなる
遷移金属系触媒のための助触媒としては、前記周期律表
第IV族の遷移金属の化合物を重合触媒として有効に機能
させ得るもの、または触媒的に活性化された状態のイオ
ン性電荷を均衡させ得るものを用いる。より具体的に
は、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼンに可溶の
アルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキ
シ化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンなどのランタノ
イド塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの中でもアル
ミノキサンが最も好ましい。
【0055】また、触媒は無機または有機化合物の担体
に担持して使用してもよい。担体としては無機または有
機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的にはSi
2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23、Ca
O、ZnO、BaO、ThO2等またはこれらの混合物が挙
げられ、またSiO2−Al23、SiO2−V25、SiO
2−TiO2、SiO2−MgO、SiO2−Cr23等も挙げ
られる。
【0056】本発明の工程(4)における触媒[II]に
よる重合反応は、実質的に気相で行われる。触媒[II]
による重合において用いるオレフィンとしては、前記し
た触媒[I]によるオレフィン重合と同様、通常炭素数
2〜8、好ましくは2〜6のオレフィン、例えば、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンが
挙げられる。これらを用いて単独(ホモ)重合または適
宜の割合による共重合を行うことができる。共重合とし
ては、たとえばエチレン/プロピレン、エチレン/ブテ
ン−1、エチレン/ペンテン−1、エチレン/ヘキセン
−1、エチレン/4−メチルペンテン−1等のエチレン
と炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合、および
エチレンと他の2種以上のα−オレフィンとの共重合等
が挙げられる。また、ポリオレフィンの改質を目的とし
て、ジエンを用いる共重合も可能である。これに用いる
ジエンとしては、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、
エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等が例
示される。なお、本願明細書においては重合には共重合
の意味も含まれる。反応系へのオレフィンの供給は、単
独で供給するかまたは好ましくは適宜の不活性キャリア
ーガス、例えば窒素とともに供給することができる。
【0057】オレフィンの重合条件としては、温度は2
0℃〜300℃、好ましくは40〜200℃であり、圧
力は常圧〜7MPa・G、好ましくは、0.2MPa・
G〜6MPa・Gである。分子量調節は、重合温度、触
媒のモル比等の重合条件を変えることによって行うこと
ができるが、重合系内に微量の水素を添加することによ
っても行える。また、密度の微調整のため、共重合性の
調節剤として有機アルミニウム化合物を添加することも
できる。定常運転中は、オレフィン、固体触媒成分[I
I]が定常的に反応系に導入され、一方、生成したポリ
マー粒子が抜き出される。上記条件が満たされた粒子を
用いて流動床あるいは攪拌床を形成後、適宜、上記の処
理を施した後、窒素を循環しながらオレフィンガスを導
入し、徐々に圧力を上昇させる。次いで、触媒[II]
を、たとえば窒素などの不活性ガスに同伴させて反応器
内へ供給する。触媒[II]の供給と共に重合反応が開始
し、ポリオレフィン生成量は徐々に上昇し、定常運転の
状態に達する。その後はオレフィンと触媒[II]の供給
量を定常状態の各所定供給量とすることにより、重合反
応は定常的に進行する。
【0058】なお本工程(4)における定常的重合の
間、好ましくは有機アルミニウム化合物を添加すること
ができる。この有機アルミニウム化合物としては、前記
工程(1)において助触媒として用いられることがある
有機アルミニウム化合物と同様のものを用いることがで
きる。すなわち、ここで用いる有機アルミニウム化合物
とは、分子内に少なくとも一個のアルミニウム−炭素原
子の結合を有する有機アルミニウム化合物をいう。例え
ば、(i)一般式RmAl(OR’)npq(ここで、
RおよびR’は炭素原子を通常1〜15個、好ましくは
1〜4個を含む炭化水素基、例えばアルキル基、アリー
ル基、アルケニル基、シクロアルキル基等であり、アル
キル基の場合にはメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ヘキ
シル、オクチル等が挙げられる。RおよびR’は同一で
あっても異なってもよい。Xはハロゲン原子を示し、
m、n、p、qはそれぞれ0<m≦3、0≦n<3、0
≦p<3および0≦q<3の範囲にあり、かつm+n+
p+q=3を満足する数である。)で表される有機アル
ミニウム化合物、(ii)一般式MAlR4(ここで、
MはLi、NaまたはKから選ばれる金属であり、Rは
前記と同じ炭化水素基である。)で表される、周期律表
第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化合物などを
挙げることができる。
【0059】前記(i)に属する有機アルミニウム化合
物としては、例えば 一般式 RmAl(OR’)3-m (ここで、RおよびR’は前記と同じ炭化水素基であ
る。mは好ましくは1.5≦m≦3の範囲である。)、 一般式 RmAlX3-m (ここで、Rは前記と同じ炭化水素基である。mは好ま
しくは0<m<3の範囲である。)、 一般式 RmAlH3-m (ここで、Rは前記と同じ炭化水素基である。mは好ま
しくは2≦m<3の範囲である。)、 一般式 RmAl(OR’)nq (ここで、RおよびR’は前記と同じ炭化水素基であ
る。Xはハロゲン原子を示し、m、nおよびqは好まし
くはそれぞれ0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3の範
囲にあり、かつm+n+q=3を満足する数である。)
で表されるものなどを例示することができる。
【0060】(i)に属する有機アルミニウム化合物と
して、具体的には、トリメチルアルミウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリ−sec−ブチルアルミニウ
ム、トリ−tert−ブチルアルミニウム、トリヘキシルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリアルキ
ルアルミニウム;トリアルケニルアルミニウム;ジエチ
ルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブト
キシド等のジアルキルアルニミウムアルコキシド;エチ
ルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウム
セスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアル
コキシドの他に、R2.5Al(OR)0.5などで表される
平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキル
アルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミ
ド等のジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロ
リド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキル
アルミニウムセスキハライドのような部分的にハロゲン
化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウム
ヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキ
ルアルミニウムヒドリドおよびエチルアルミニウムジヒ
ドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキル
アルミニウムジヒドリドなど、部分的に水素化されたア
ルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロ
リド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルア
ルミニウムエトキシブロミド等の部分的にアルコキシ化
およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを例
示することができる。前記(ii)に属する有機アルミ
ニウム化合物としては、LiAl(C25)4、LiAl
(C7154等が挙げられる。また、(i)に類似する
有機アルミニウム化合物として、酸素原子や窒素原子を
介して2個以上のアルミニウム原子が結合した有機アル
ミニウム化合物を用いることもできる。このような化合
物として、例えば(C252AlOAl(C252
(C492AlOAl(C492、(C252Al
N(C25)Al(C252等を例示することができ
る。これらの中でも、トリアルキルアルミニウムが好ま
しい。上記有機アルミニウム化合物の添加量は、特に制
限されないが、工程(4)で用いられる触媒〔II〕とし
ての遷移金属を含有する化合物に対して0.01〜10
00モル倍の範囲から適宜に選択することができる。
【0061】上記の方法により、触媒切替え後のグレー
ドがフィルムグレードのような場合であっても、触媒切
替えによるゲルの発生が少なく、円滑でかつオフグレー
ド品等のロスの少ない触媒切替えが可能となる。
【0062】
【発明の実施の形態】
(1)高分子量ポリオレフィンを生成する遷移金属系触
媒[I]によりオレフィンを気相状態で重合する工程、
(2)反応系内に存在する触媒[I]を失活させる工
程、(3)触媒[I]による重合活性を有しないポリオ
レフィン粒子を種ポリマーとして充填する工程および
(4)低分子量ポリオレフィンを生成する遷移金属系触
媒[II]を供給して重合を再開する工程を用いることに
より、支障なく迅速に触媒の切替えを実施することがで
きる。
【0063】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例により
具体的に説明する。 <触媒調製例> 「触媒A」攪拌機および還流冷却器を付けた500ml
の三つ口フラスコに600℃で焼成したSiO2 50
gを入れて、脱水ヘキサン160ml、四塩化チタン
2.2mlを加え、ヘキサンの還流下で3時間反応させ
た。冷却後、ジエチルアルミニウムクロライドのヘキサ
ン溶液(1mmol/cc)を30ml加え、再びヘキ
サンの還流下で2時間反応させた後、120℃で減圧乾
燥を行い、ヘキサンを除去した。得られた反応生成物を
成分(I)とする。別に、直径1/2インチのステンレ
ススチール製ボール25個を入れた内容積400mlの
ステンレススチール製ポットに、市販の無水塩化マグネ
シウム10gおよびアルミニウムトリエトキシド4.2
gを入れ、窒素雰囲気下の室温において、16時間ボー
ルミリングを行い反応生成物を得た。これを成分(II)
とする。上記成分(II)の5.4gを脱水エタノール1
60mlに溶解させ、その溶液全量を成分(I)を収容
する三つ口フラスコに加え、エタノールの還流下で3時
間反応させた後、150℃で6時間減圧乾燥を行い、固
体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分1g中のチタ
ン含有量15mgであった。
【0064】「触媒B」窒素雰囲気下で電磁誘導攪拌機
付き300mlナス型フラスコに精製トルエン60ml
を入れ、ついでビスインデニルジルコニウムジクロライ
ド(Ind2ZrCl2)0.78gと[I]メチルアル
ミノキサンのトルエン溶液(Witco社製、濃度1.
3mol/l)120mlを加え室温で1時間反応させ
た。この溶液をA溶液とする。次に、窒素雰囲気下で攪
拌機付き500ml三つ口フラスコに予め600℃で5
時間焼成した[III]シリカ(富士デヴィソン化学(株)
製、グレード#952、表面積300m/g)50gを
加えたのち、前記A溶液の全量を添加し、室温で2時間
攪拌した。次いで窒素ブローを行い溶媒を除去して固体
触媒Bを得た。
【0065】<触媒失活と失活量の確認実験>小規模な
オートクレーブによる実験で、触媒AおよびBのいずれ
も、充分な量の水分と接触させることにより失活し、オ
レフィン重合活性を喪失することを確認した。また、水
で一旦失活された触媒AおよびBのいずれも、下記の各
実施例および比較例における工程(4)に対応する重合
条件下においては、その重合活性が復活することはない
ことを確認した。すなわち、充分乾燥した内容積3リッ
トルのバッチ式重合反応器内に、1.5mmolのトリ
エチルアルミニウムを供給後、全圧が6kgf/cm2・G にな
るように、エチレン/ブテン−1/水素比(モル比、以
下同様)=1/0.4/0.1の混合ガスおよび窒素
(0.5kgf/cm2・G)を導入し、温度は85℃とする。
次に触媒「I」を約100mg供給して、2時間重合を
行う。その後、所定の失活剤を所定量導入して反応が停
止するのを確認する。必要ならば、所定量を変えて繰り
返す。反応停止後、窒素で7kgf/cm2・G まで加圧して脱
圧する操作を9回繰り返すことにより、反応器内のガス
を充分窒素で置換した後、全圧が6kgf/cm2・G になるよ
うに、エチレン/ブテン−1比=1/0.08の混合ガ
スおよび窒素(0.5kgf/cm2・G)を導入し、反応器内
温度を75℃とする。これは触媒「II」が重合活性を示
す条件である。その後、トリエチルアルミニウムを0.
5mmol供給し、1時間そのまま保持する操作を繰り
返すことにより、トリエチルアルミニウムの合計の供給
量が既に使用した失活剤と等モルの量になるまで加え
る。この操作の間、重合反応が回復するか否かを確認す
る。上記実験から、トリエチルアルミニウムを供給して
も重合活性が回復しないために必要な失活剤の量を、単
位触媒重量当たりの量として求める。流動床反応器の平
均滞留時間と触媒供給速度から流動床系内の触媒滞留量
を求め、これに対応する必要失活剤量の10倍量を適量
の失活剤量とする。また、パウダーを保持したまま失活
する以下の各実施例および比較例において、失活剤導入
配管6からの失活剤導入が終了した時点で、重合槽内の
ポリマーパウダーを窒素雰囲気下で一部採取し、上記と
同様のバッチ式重合器内に採取したポリマーパウダーを
充填する。その後、工程(4)における触媒「II」のた
めの重合条件下に、トリエチルアルミニウムを適量供給
し、重合反応が回復しないことを確認する。水を失活剤
とする場合について説明したが、他の失活剤を使用する
場合も同様に行うことができる。
【0066】<ゲル測定法>工程(4)で使用する触媒
(II)の供給後、累積生産量として槽内滞留量の約20
倍量が生産された時のポリマー粒子を採取し、混練およ
び押出しを行って造粒する。造粒したペレットを、Tダ
イにより厚さ90μmに製膜する。このようにして製膜
したフィルムのゲル(フィッシュアイ)を、単位面積当
たりの数(100cm2当たりに存在する50μm〜17
0μmのゲル)として測定した。フィルム業界で一般に
認められているゲルレベルの合格値の上限値を1とし
て、これに対する相対値でゲルの量を評価する。したが
って、より低い値がゲルの少ないフィルムであることを
示す。
【0067】<実施例1>図1に示す直径25cmの流
動床反応器を使用した。流動床反応器1は上部空間区域
2および流動床区域3からなり、流動床区域3の底部に
はガス分散板4が設けられている。ブロワー12を用い
て系内のガス流動床反応器1、ガス循環配管11、ブロ
ワー12および冷却器13からなる経路を通して流量8
8Nm3/h で循環し、循環ガス温度の調節により温度85
℃に保持した。オレフィン供給配管7よりエチレンおよ
びブテン−1を供給し、気相中のエチレン/ブテン−1
/水素比=1/0.4/0.1、および窒素濃度30m
ol%となるように各ガス量の調節を行い、全圧19kg
f/cm2・G に保持した。なお、水素はオレフィン類と共に
オレフィン供給配管7から供給した。触媒調製例で得た
触媒[A]を1.0g/hの供給速度で触媒供給配管8
により供給した。また、助触媒として、トリエチルアル
ミニウムを0.8g/hの速度でヘキサン溶液として助
触媒供給配管5− から供給した。重合体粒子排出バ
ルブ14および15を通して排出されたエチレン−ブテ
ン−1共重合体の生成速度は4.1kg/hであった。
また、その性状はMFR 0.9dg/min、密度921kg/
m3であり、外観は白色であった。
【0068】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルニウ
ム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて低
下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値は
ほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。循環ガス
をベント配管9から放出し、系内の圧力を20分で6kg
f/cm2・G まで下げ、また同時に温度を50℃まで低下さ
せた。ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/
h でベント配管より放出しながら、他方において窒素供
給配管10より窒素を導入し、5時間圧力を6kgf/cm2
G に保持した。
【0069】ブロワー12でガスを循環させたまま、失
活剤導入配管6より、湿潤窒素を用いて、5時間かけて
前記「触媒失活と失活量の確認実験」により求めた量の
水分を導入し、この湿潤窒素導入量に相当する量のガス
をベント配管9から放出した。温度を90℃に上げ、ブ
ロワー12を用いて循環し、さらに、系内のガスを流量
16Nm3/h でベント配管より放出しながら、他方におい
て窒素供給配管10より窒素を導入し、24時間圧力を
6kgf/cm2・G に保持した。次に、ブロワー12を停止
し、系内の圧力が常圧に達するまでガスベント配管9か
ら放出した。続いて、系内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇
圧した後、常圧まで放出する操作を5回繰り返した。
【0070】次いで、重合反応器内を窒素ガスで5kgf/
cm2・G に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガスを流
動床反応器1、ガス循環配管11、ブロワー12および
冷却器13からなる経路を通して、流量88Nm3/h で循
環し、循環ガス温度の調節により温度75℃に保持し
た。気相中のエチレン/ブテン−1比=1/0.08、
および窒素30モル%となるように各ガス量の調節を行
い、全圧は19kgf/cm2・G に保持した。次に、トリエチ
ルアルミニウムを5g/hの速度でアルキルアルミニウ
ム供給配管5− から6時間供給した。トリエチルア
ルミニウムの供給速度を25mg/hに低下させ、1時
間後に前記触媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/h
の速度で触媒供給配管8により供給し、重合反応を開始
した。重合反応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大
し、24時間後には3.1kg/hに達した。運転はそ
のまま順調に継続し、重合体粒子排出バルブ14および
15を通して排出されたエチレン−ブテン−1共重合体
の生成速度は3.2kg/hであった。また、その性状
はMFR 1.9dg/min、密度911kg/m3であり、外観
は透明感を帯びた白色で、平均粒径660μmの均一な
粒子であった。得られた共重合体粒子について、前記
「ゲル測定法」に従いフィルムのゲル(フィッシュア
イ)を測定した結果を表1に示す。
【0071】<比較例1>実施例1において、失活剤を
導入しない他は、ほぼ同様の操作を行った。すなわち、
ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応器1、ガス
循環配管11、ブロワー12および冷却器13からなる
経路を通して流量88Nm3/h で循環し、循環ガス温度の
調節により温度85℃に保持した。気相中のエチレン/
ブテン−1/水素比=1/0.4/0.1、および窒素
濃度30mol%となるように各ガス量の調節を行い、
全圧19kgf/cm2・G に保持した。触媒調製例で得た触媒
[A]を1.0g/hの供給速度で触媒供給配管8によ
り供給した。また、助触媒として、トリエチルアルミニ
ウムを0.8g/hの速度でヘキサン溶液として助触媒
供給配管5− から供給した。重合体粒子排出バルブ
14および15を通して排出されたエチレン−ブテン−
1共重合体の生成速度は4.0kg/hであった。ま
た、その性状はMFR 0.9dg/min、密度920kg/m3
であり、外観は白色であった。
【0072】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。循環ガ
スをベント配管9から放出し、系内の圧力を20分で5
kgf/cm2・G まで下げ、また同時に温度を75℃まで低下
させた。ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm
3/h でベント配管より放出しながら、他方において窒素
供給配管10より窒素を導入し、5時間圧力を5kgf/cm
2・G に保持した。
【0073】次いで、実施例1のようには失活剤を導入
することなしに、気相中のエチレン/ブテン−1比=1
/0.08、および窒素30モル%となるように各ガス
量の調節を行い、全圧は19kgf/cm2・G に保持した。次
に、トリエチルアルミニウムを50mg/hの速度でア
ルキルアルミニウム供給配管5− から3時間供給し
た。トリエチルアルミニウムの供給速度を25mg/h
に低下させ、1時間後に前記触媒調製例で得た触媒
[B]を0.7g/hの速度で触媒供給配管8により供
給し、重合反応を開始した。重合反応開始後、徐々にポ
リマー生成速度は増大し、12時間後には3.2kg/
hに達した。運転はそのまま順調に継続し、重合体粒子
排出バルブ14および15を通して排出されたエチレン
−ブテン−1共重合体の生成速度は3.2kg/hであ
った。また、その性状はMFR 1.8dg/min、密度9
11kg/m3であり、外観は透明感を帯びた白色で、平均
粒径670μmの均一な粒子であった。得られた共重合
体粒子について、前記「ゲル測定法」に従いフィルムの
ゲル(フィッシュアイ)を測定した結果を表1に示す。
【0074】<実施例2>図1に示したものと同様な、
直径25cmの流動床反応器を使用した。ブロワー12
を用いて系内のガス流動床反応器1、ガス循環配管1
1、ブロワー12および冷却器13からなる経路を通し
て流量88Nm3/h で循環し、循環ガス温度の調節により
温度85℃に保持し。気相中のエチレン/ブテン−1/
水素比=1/0.4/0.1、および窒素濃度30mo
l%となるように各ガス量の調節を行い、全圧19kgf/
cm2・G に保持した。触媒調製例で得た触媒[A]を1.
0g/hの供給速度で触媒供給配管により供給した。ま
た、助触媒として、トリエチルアルミニウムを0.8g
/hの速度でヘキサン溶液として助触媒供給配管5−
から供給した。重合体粒子排出バルブ14および15
を通して排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生
成速度は4.1kg/hであった。また、その性状はM
FR 1.0dg/min、密度920kg/m3であり、外観は白
色であった。
【0075】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて低
下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値は
ほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。循環ガス
をベント配管9から放出し、系内の圧力を20分で6kg
f/cm2・G まで下げ、また同時に温度を50℃まで低下さ
せた。ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/
h でベント配管より放出しながら、他方において窒素供
給配管10より窒素を導入し、5時間圧力を6kgf/cm2
G に保持した。
【0076】ブロワー12でガスを循環させたまま、失
活剤導入配管6より、湿潤窒素を用いて、5時間かけて
前記「触媒失活と失活量の確認実験」により求めた量の
水分を導入し、湿潤窒素導入量に相当する量のガスをベ
ント配管9から放出した。温度を90℃に上げ、ブロワ
ー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配
管より放出しながら、他方において窒素供給配管10よ
り窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/m2・G に保持し
た。次に、ブロワー12を停止し、系内の圧力が常圧に
達するまでガスベント配管9から放出した。続いて、系
内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧まで放出
する操作を5回繰り返した。
【0077】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ついで、流動床反応器1内の重
合体粒子を重合体粒子排出バルブ14および15を通し
て排出させた。流動床反応器内の圧力を常圧まで下げ、
別に触媒[B]を用いて定常時に得られた重合体粒子を
窒素雰囲気下であらかじめ保存しておいた平均粒径65
0μmの直鎖低密度ポリエチレン17kgを、種ポリマ
ーとして窒素雰囲気下で反応器へ充填した。窒素供給配
管10より窒素を供給し、系内の圧力を5kgf/cm2・G ま
で昇圧した後、脱圧し、これを3回繰り返した。
【0078】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。次いで、
トリエチルアルミニウムを50mg/h の速度でアルキル
アルミニウム供給管5− から3時間供給した。つい
で、トリエチルアルミニウムの供給速度を25mg/h
に低下させ、気相中のエチレン/ブテン−1比=1/
0.08、および窒素濃度30モル%となるように各ガ
ス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保持した。こ
の時点で、すでに反応が確認された。1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.0kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.1kg/hであった。また、その性状はMFR
1.9dg/min、密度911kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径650μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0079】<比較例2>実施例2において、運転再開
時に使用する種ポリマーとして、触媒[A]を用いて製
造されたポリマーであって失活処理をされていないもの
を用いた他は、ほぼ同様の操作を行った。すなわち、ブ
ロワー12を用いて系内のガス流動床反応器1、ガス循
環配管11、ブロワー12および冷却器13からなる経
路を通して流量88Nm3/h で循環し、循環ガス温度の調
節により温度85℃に保持した。気相中のエチレン/ブ
テン−1/水素比=1/0.4/0.1、および窒素濃
度30mol%となるように各ガス量の調節を行い、全
圧19kgf/cm2・G に保持した。触媒調製例で得た触媒
[A]を1.0g/hの供給速度で触媒供給配管により
供給した。また、助触媒として、トリエチルアルミニウ
ムを0.8g/hの速度でヘキサン溶液として助触媒供
給配管5− から供給した。重合体粒子排出バルブ1
4および15を通して排出されたエチレン−ブテン−1
共重合体の生成速度は4kg/hであった。また、その
性状はMFR 1.0dg/min、密度920kg/m3であり、
外観は白色であった。
【0080】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。循環ガ
スをベント配管9から放出し、系内の圧力を20分で6
kgf/cm2・G まで下げ、また同時に温度を50℃まで低下
させた。ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm
3/h でベント配管より放出しながら、他方において窒素
供給配管10より窒素を導入し、5時間圧力を6kgf/cm
2・G に保持した。
【0081】ブロワー12でガスを循環させたまま、失
活剤導入配管6より、湿潤窒素を用いて、5時間かけて
前記「触媒失活と失活量の確認実験」により求めた量の
水分を導入し、湿潤窒素導入量に相当する量のガスをベ
ント配管9から放出した。温度を90℃に上げ、ブロワ
ー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配
管より放出しながら、他方において窒素供給配管10よ
り窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm2・G に保持し
た。次に、ブロワー12を停止し、系内の圧力が常圧に
達するまでガスベント配管9から放出した。続いて、系
内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧まで放出
する操作を5回繰り返した。
【0082】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ついで、流動床反応器1内の重
合体粒子を重合体粒子排出バルブ14および15を通し
て排出させた。流動床反応器内の圧力を常圧まで下げ、
別に触媒[A]を用いて定常時に得られた重合体粒子を
窒素雰囲気下であらかじめ保存しておいた平均粒径78
0μmの直鎖低密度ポリエチレン16kgを、種ポリマ
ーとして窒素雰囲気下で反応器へ充填した。窒素供給配
管10より窒素を供給し、系内の圧力を5kgf/cm2・G ま
で昇圧した後、脱圧し、これを3回繰り返した。
【0083】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。次いで、
トリエチルアルミニウムを50mg/h の速度でアルキル
アルミニウム供給管5− から3時間供給した。つい
で、トリエチルアルミニウムの供給速度を25mg/h
に低下させ、気相中のエチレン/ブテン−1比=1/
0.08、および窒素濃度30モル%となるように各ガ
ス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保持した。こ
の時点で、すでに反応が確認された。1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.1kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.1kg/hであった。また、その性状はMFR
2.0dg/min、密度912kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径660μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0084】<実施例3>実施例2において、運転再開
時に使用する種ポリマーが触媒[B]を用いて製造さ
れ、かつ失活処理を施したポリマーである以外はほぼ同
様の操作を行った。すなわち、ブロワー12を用いて系
内のガス流動床反応器1、ガス循環配管11、ブロワー
12および冷却器13からなる経路を通して流量88Nm
3/h で循環し、循環ガス温度の調節により温度85℃に
保持した。気相中のエチレン/ブテン−1/水素比=1
/0.4/0.1、および窒素濃度30mol%となる
ように各ガス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保
持した。触媒調製例で得た触媒[A]を1.0g/hの
供給速度で触媒供給配管により供給した。また、助触媒
として、トリエチルアルミニウムを0.8g/hの速度
でヘキサン溶液として助触媒供給配管5− から供給
した。重合体粒子排出バルブ14および15を通して排
出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.9kg/hであった。また、その性状はMFR
0.9dg/min、密度920kg/m3であり、外観は白色で
あった。
【0085】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。循環ガ
スをベント配管9から放出し、系内の圧力を20分で6
kgf/cm2・G まで下げ、また同時に温度を50℃まで低下
させた。ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm
3/h でベント配管より放出しながら、他方において窒素
供給配管10より窒素を導入し、5時間圧力を6kgf/cm
2・G に保持した。
【0086】ブロワー12でガスを循環させたまま、失
活剤導入配管6より、湿潤窒素を用いて、5時間かけて
前記「触媒失活と失活量の確認実験」により求めた量の
水分を導入し、湿潤窒素導入量に相当する量のガスをベ
ント配管9から放出した。温度を90℃に上げ、ブロワ
ー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配
管より放出しながら、他方において窒素供給配管10よ
り窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm2・G に保持し
た。次に、ブロワー12を停止し、系内の圧力が常圧に
達するまでガスベント配管9から放出した。続いて、系
内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧まで放出
する操作を5回繰り返した。
【0087】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ついで、流動床反応器1内の重
合体粒子を重合体粒子排出バルブ14および15を通し
て排出させた。流動床反応器内の圧力を常圧まで下げ、
別に触媒[B]を用いて定常時に得られた重合体粒子を
上部を閉じていない紙袋の中であらかじめ2週間保存し
ておいた平均粒径650μmの直鎖低密度ポリエチレン
(すなわち、大気によって失活されたもの)17kgを
種ポリマーとして反応器へ充填した。窒素供給配管10
より窒素を供給し、系内の圧力を5kgf/cm2・G まで昇圧
した後、脱圧し、これを6回繰り返した。ついで、温度
を90℃に上げ、ブロワー12を用いて循環し、さら
に、系内のガスを流量16Nm3/h でベント配管より放出
しながら、他方において窒素供給配管10より窒素を導
入し、24時間圧力を6kgf/cm2・G に保持した。次に、
ブロワー12を停止し、系内の圧力が常圧に達するまで
ガスベント配管9から放出した。続いて、系内を窒素で
5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧まで放出する操作を
5回繰り返した。
【0088】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。気相中の
エチレン/ブテン−1比=1/0.08、および窒素濃
度30モル%となるように各ガス量の調節を行い、全圧
19kgf/cm2・G に保持した。次いで、トリエチルアルミ
ニウムを5g/h の速度でアルキルアルミニウム供給管5
− から4時間供給した。トリエチルアルミニウムの
供給速度を25mg/hに低下させ、1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.0kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.1kg/hであった。また、その性状はMFR
2.0dg/min、密度910kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径650μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0089】<実施例4>実施例2において、運転再開
時に使用した種ポリマーが触媒[A]を用いて製造さ
れ、失活処理を施したものである以外はほぼ同様の操作
を行った。すなわち、ブロワー12を用いて系内のガス
流動床反応器1、ガス循環配管11、ブロワー12およ
び冷却器13からなる経路を通して流量88Nm3/h で循
環し、循環ガス温度の調節により温度85℃に保持し
た。気相中のエチレン/ブテン−1/水素比=1/0.
4/0.1、および窒素濃度30mol%となるように
各ガス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保持し
た。触媒調製例で得た触媒[A]を1.0g/hの供給
速度で触媒供給配管により供給した。また、助触媒とし
て、トリエチルアルミニウムを0.8g/hの速度でヘ
キサン溶液として助触媒供給配管5− から供給し
た。重合体粒子排出バルブ14および15を通して排出
されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は3.
9kg/hであった。また、その性状はMFR 1.1d
g/min、密度921kg/m3であり、外観は白色であった。
【0090】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。循環ガ
スをベント配管9から放出し、系内の圧力を20分で6
kgf/cm2・G まで下げ、また同時に温度を50℃まで低下
させた。ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm
3/h でベント配管より放出しながら、他方において窒素
供給配管10より窒素を導入し、5時間圧力を6kgf/cm
2・G に保持した。
【0091】ブロワー12でガスを循環させたまま、失
活剤導入配管6より、湿潤窒素を用いて、5時間かけて
前記「触媒失活と失活量の確認実験」により求めた量の
水分を導入し、湿潤窒素導入量に相当する量のガスをベ
ント配管9から放出した。温度を90℃に上げ、ブロワ
ー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配
管より放出しながら、他方において窒素供給配管10よ
り窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm2・G に保持し
た。次に、ブロワー12を停止し、系内の圧力が常圧に
達するまでガスベント配管9から放出した。続いて、系
内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧まで放出
する操作を5回繰り返した。
【0092】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ついで、流動床反応器1内の重
合体粒子を重合体粒子排出バルブ14および15を通し
て排出させた。ブロワー12を停止し、流動床反応器内
の圧力を常圧まで下げ、別に触媒[A]を用いて定常時
に得られた重合体粒子を上部を閉じていない紙袋で3週
間あらかじめ保存しておいた平均粒径810μmの直鎖
低密度ポリエチレン(すなわち、大気によって失活され
たものである)16kgを種ポリマーとして反応器へ充
填した。窒素供給配管10より窒素を供給し、系内の圧
力を5kgf/cm2・G まで昇圧した後、脱圧し、これを6回
繰り返した。ついで、温度を90℃に上げ、ブロワー1
2を用いて循環し、さらに、系内のガスを流量16Nm3/
h でベント配管より放出しながら、他方において窒素供
給配管10より窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm
2・G に保持した。次に、ブロワー12を停止し、系内の
圧力が常圧に達するまでガスベント配管9から放出し
た。続いて、系内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した
後、常圧まで放出する操作を5回繰り返した。
【0093】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。気相中の
エチレン/ブテン−1比=1/0.08、および窒素濃
度30モル%となるように各ガス量の調節を行い、全圧
19kgf/cm2・G に保持した。次いで、トリエチルアルミ
ニウムを5g/h の速度でアルキルアルミニウム供給管5
− から4時間供給した。トリエチルアルミニウムの
供給速度を25mg/hに低下させ、1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.0kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.1kg/hであった。また、その性状はMFR
1.9dg/min、密度911kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径650μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0094】<実施例5>図1に示したものと同様な、
直径25cmの流動床反応器を使用した。ブロワー12
を用いて系内のガス流動床反応器1、ガス循環配管1
1、ブロワー12および冷却器13からなる経路を通し
て流量88Nm3/h で循環し、循環ガス温度の調節により
温度85℃に保持した。気相中のエチレン/ブテン−1
/水素比=1/0.4/0.1、および窒素濃度30m
ol%となるように各ガス量の調節を行い、全圧19kg
f/cm2・G に保持した。触媒調製例で得た触媒[A]を
1.0g/hの供給速度で触媒供給配管により供給し
た。また、助触媒として、トリエチルアルミニウムを
0.8g/hの速度でヘキサン溶液として助触媒供給配
管5− から供給した。重合体粒子排出バルブ14お
よび15を通して排出されたエチレン−ブテン−1共重
合体の生成速度は3.9kg/hであった。また、その
性状はMFR 1.1dg/min、密度919kg/m3であり、
外観は白色であった。
【0095】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。つい
で、ブロワー12でガスを循環させたまま、流動床反応
器1内の重合体粒子を重合体粒子排出バルブ14および
15を通して排出させた。循環ガスをベント配管9から
放出し、系内の圧力を20分で6kgf/cm2・G まで下げ、
また同時に温度を50℃まで低下させた。ブロワー12
を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配管より
放出しながら、他方において窒素供給配管10より窒素
を導入し、5時間圧力を6kgf/cm2・G に保持した。
【0096】ブロワー12でガスを循環させたまま、失
活剤導入配管6より、湿潤窒素を用いて、5時間かけて
前記「触媒失活と失活量の確認実験」により求めた量の
水分を導入し、湿潤窒素導入量に相当する量のガスをベ
ント配管9から放出した。温度を90℃に上げ、ブロワ
ー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配
管より放出しながら、他方において窒素供給配管10よ
り窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm2・G に保持し
た。次に、ブロワー12を停止し、系内の圧力が常圧に
達するまでガスベント配管9から放出した。続いて、系
内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧まで放出
する操作を5回繰り返した。
【0097】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。流動床反応器内の圧力を常圧ま
で下げ、別に触媒[B]を用いて定常時に得られた重合
体粒子を窒素雰囲気下であらかじめ保存しておいた平均
粒径650μmの直鎖低密度ポリエチレン17kgを種
ポリマーとして窒素雰囲気下で反応器へ充填した。窒素
供給配管10より窒素を供給し、系内の圧力を5kgf/cm
2・G まで昇圧した後、脱圧し、これを3回繰り返した。
【0098】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。次いで、
トリエチルアルミニウムを50mg/h の速度でアルキル
アルミニウム供給管5− から3時間供給した。つい
で、トリエチルアルミニウムの供給速度を25mg/h
に低下させ、気相中のエチレン/ブテン−1比=1/
0.08、および窒素濃度30モル%となるように各ガ
ス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保持した。こ
の時点で、すでに反応が確認された。1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.2kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.2kg/hであった。また、その性状はMFR
1.9dg/min、密度911kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径680μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0099】<比較例3>実施例5において、失活操作
を行わなかった以外はほぼ同様の操作を行った。すなわ
ち、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応器1、
ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器13から
なる経路を通して流量88Nm3/h で循環し、循環ガス温
度の調節により温度85℃に保持した。気相中のエチレ
ン/ブテン−1/水素比=1/0.4/0.1、および
窒素濃度30mol%となるように各ガス量の調節を行
い、全圧19kgf/cm2・G に保持した。触媒調製例で得た
触媒[A]を1.0g/hの供給速度で触媒供給配管に
より供給した。また、助触媒として、トリエチルアルミ
ニウムを0.8g/hの速度でヘキサン溶液として助触
媒供給配管5− から供給した。重合体粒子排出バル
ブ14および15を通して排出されたエチレン−ブテン
−1共重合体の生成速度は4.0kg/hであった。ま
た、その性状はMFR 1.0dg/min、密度919kg/m3
であり、外観は白色であった。
【0100】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。つい
で、ブロワー12でガスを循環させたまま、流動床反応
器1内の重合体粒子を重合体粒子排出バルブ14および
15を通して排出させた。流動床反応器内の圧力を常圧
まで下げ、別に触媒[B]を用いて定常時に得られた重
合体粒子を窒素雰囲気下であらかじめ保存しておいた平
均粒径650μmの直鎖低密度ポリエチレン17kgを
種ポリマーとして窒素雰囲気下で反応器へ充填した。窒
素供給配管10より窒素を供給し、系内の圧力を5kgf/
cm2・G まで昇圧した後、脱圧し、これを3回繰り返し
た。
【0101】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。気相中の
エチレン/ブテン−1比=1/0.08、および窒素濃
度30モル%となるように各ガス量の調節を行い、全圧
19kgf/cm2・G に保持した。次いで、トリエチルアルミ
ニウムを50mg/h の速度でアルキルアルミニウム供給
管5− から3時間供給した。トリエチルアルミニウ
ムの供給速度を25mg/hに低下させ、1時間後に前
記触媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で
触媒供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重
合反応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24
時間後には3.0kg/hに達した。運転はそのまま順
調に継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通
して排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速
度は3.1kg/hであった。また、その性状はMFR
2.0dg/min、密度910kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径650μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0102】<比較例4>実施例5において、運転再開
時の種ポリマーとして、触媒[A]を用いて製造され、
かつ触媒[A]の活性を有しているパウダーを使用した
以外はほぼ同様の操作を行った。すなわち、ブロワー1
2を用いて系内のガス流動床反応器1、ガス循環配管1
1、ブロワー12および冷却器13からなる経路を通し
て流量88Nm3/h で循環し、循環ガス温度の調節により
温度85℃に保持した。気相中のエチレン/ブテン−1
/水素比=1/0.4/0.1、および窒素濃度30m
ol%となるように各ガス量の調節を行い、全圧19kg
f/cm2・G に保持した。触媒調製例で得た触媒[A]を
1.0g/hの供給速度で触媒供給配管により供給し
た。また、助触媒として、トリエチルアルミニウムを
0.8g/hの速度でヘキサン溶液として助触媒供給配
管5− から供給した。重合体粒子排出バルブ14お
よび15を通して排出されたエチレン−ブテン−1共重
合体の生成速度は4.1kg/hであった。また、その
性状はMFR 1.0dg/min、密度920kg/m3であり、
外観は白色であった。
【0103】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。つい
で、ブロワー12でガスを循環させたまま、流動床反応
器1内の重合体粒子を重合体粒子排出バルブ14および
15を通して排出させた。循環ガスをベント配管9から
放出し、系内の圧力を20分で6kgf/cm2・G まで下げ、
また同時に温度を50℃まで低下させた。ブロワー12
を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配管より
放出しながら、他方において窒素供給配管10より窒素
を導入し、5時間圧力を6kgf/cm2・G に保持した。
【0104】ブロワー12でガスを循環させたまま、失
活剤導入配管6より、湿潤窒素を用いて、5時間かけて
前記「触媒失活と失活量の確認実験」により求めた量の
水分を導入し、湿潤窒素導入量に相当する量のガスをベ
ント配管9から放出した。温度を90℃に上げ、ブロワ
ー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配
管より放出しながら、他方において窒素供給配管10よ
り窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm2・G に保持し
た。次に、ブロワー12を停止し、系内の圧力が常圧に
達するまでガスベント配管9から放出した。続いて、系
内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧まで放出
する操作を5回繰り返した。
【0105】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ブロワー12を停止し、流動床
反応器内の圧力を常圧まで下げ、別に触媒[A]を用い
て定常時に得られた重合体粒子を窒素雰囲気下であらか
じめ保存しておいた平均粒径780μmの直鎖低密度ポ
リエチレン16kgを種ポリマーとして窒素雰囲気下で
反応器へ充填した。窒素供給配管10より窒素を供給
し、系内の圧力を5kgf/cm2・G まで昇圧した後、脱圧
し、これを3回繰り返した。
【0106】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。次いで、
トリエチルアルミニウムを50mg/h の速度でアルキル
アルミニウム供給管5− から3時間供給した。つい
で、トリエチルアルミニウムの供給速度を25mg/h
に低下させ、気相中のエチレン/ブテン−1比=1/
0.08、および窒素濃度30モル%となるように各ガ
ス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保持した。こ
の時点で、すでに反応が確認された。1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.0kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.1kg/hであった。また、その性状はMFR
2.0dg/min、密度910kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径660μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0107】<実施例6>実施例5において、運転再開
時の種ポリマーとして、触媒[B]により製造され失活
されたパウダーを使用した以外はほぼ同様の操作を行っ
た。すなわち、ブロワー12を用いて系内のガス流動床
反応器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却
器13からなる経路を通して流量88Nm3/h で循環し、
循環ガス温度の調節により温度85℃に保持した。気相
中のエチレン/ブテン−1/水素比=1/0.4/0.
1、および窒素濃度30mol%となるように各ガス量
の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保持した。触媒調
製例で得た触媒[A]を1.0g/hの供給速度で触媒
供給配管により供給した。また、助触媒として、トリエ
チルアルミニウムを0.8g/hの速度でヘキサン溶液
として助触媒供給配管5− から供給した。重合体粒
子排出バルブ14および15を通して排出されたエチレ
ン−ブテン−1共重合体の生成速度は4.0kg/hで
あった。また、その性状はMFR 1.0dg/min、密度
921kg/m3であり、外観は白色であった。
【0108】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。つい
で、ブロワー12でガスを循環させたまま、流動床反応
器1内の重合体粒子を重合体粒子排出バルブ14および
15を通して排出させた。循環ガスをベント配管9から
放出し、系内の圧力を20分で6kgf/cm2・G まで下げ、
また同時に温度を50℃まで低下させた。ブロワー12
を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配管より
放出しながら、他方において窒素供給配管10より窒素
を導入し、5時間圧力を6kgf/cm2・G に保持した。
【0109】ブロワー12でガスを循環させたまま、失
活剤導入配管6より、湿潤窒素を用いて、5時間かけて
前記「触媒失活と失活量の確認実験」により求めた量の
水分を導入し、湿潤窒素導入量に相当する量のガスをベ
ント配管9から放出した。温度を90℃に上げ、ブロワ
ー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配
管より放出しながら、他方において窒素供給配管10よ
り窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm2・G に保持し
た。次に、ブロワー12を停止し、系内の圧力が常圧に
達するまでガスベント配管9から放出した。続いて、系
内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧まで放出
する操作を5回繰り返した。
【0110】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ブロワー12を停止し、流動床
反応器内の圧力を常圧まで下げ、別に触媒[B]を用い
て定常時に得られた重合体粒子を上部を閉じていない紙
袋で2週間あらかじめ保存した平均粒径650μmの直
鎖低密度ポリエチレン(すなわち、大気によって失活さ
れたもの)17kgを種ポリマーとして反応器へ充填し
た。窒素供給配管10より窒素を供給し、系内の圧力を
5kgf/cm2・G まで昇圧した後、脱圧し、これを6回繰り
返した。ついで、温度を90℃に上げ、ブロワー12を
用いて循環し、さらに、系内のガスを流量16Nm3/h で
ベント配管より放出しながら、他方において窒素供給配
管10より窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm2・G
に保持した。次に、ブロワー12を停止し、系内の圧力
が常圧に達するまでガスベント配管9から放出した。続
いて、系内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧
まで放出する操作を5回繰り返した。
【0111】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。気相中の
エチレン/ブテン−1比=1/0.08、および窒素濃
度30モル%となるように各ガス量の調節を行い、全圧
19kgf/cm2・G に保持した。次いで、トリエチルアルミ
ニウムを5g/h の速度でアルキルアルミニウム供給管5
− から4時間供給した。トリエチルアルミニウムの
供給速度を25mg/hに低下させ、1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.0kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.1kg/hであった。また、その性状はMFR
1.8dg/min、密度911kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径650μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0112】<実施例7>実施例5において、運転再開
時の種ポリマーとして、触媒[A]を用いて製造され、
かつ失活されたパウダーを使用した以外はほぼ同様の操
作を行った。すなわち、ブロワー12を用いて系内のガ
ス流動床反応器1、ガス循環配管11、ブロワー12お
よび冷却器13からなる経路を通して流量88Nm3/h で
循環し、循環ガス温度の調節により温度85℃に保持し
た。気相中のエチレン/ブテン−1/水素比=1/0.
4/0.1、および窒素濃度30mol%となるように
各ガス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保持し
た。触媒調製例で得た触媒[A]を1.0g/hの供給
速度で触媒供給配管により供給した。また、助触媒とし
て、トリエチルアルミニウムを0.8g/hの速度でヘ
キサン溶液として助触媒供給配管5− から供給し
た。重合体粒子排出バルブ14および15を通して排出
されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は4.
0kg/hであった。また、その性状はMFR 0.9d
g/min、密度920kg/m3であり、外観は白色であった。
【0113】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。つい
で、ブロワー12でガスを循環させたまま、流動床反応
器1内の重合体粒子を重合体粒子排出バルブ14および
15を通して排出させた。循環ガスをベント配管9から
放出し、系内の圧力を20分で6kgf/cm2・G まで下げ、
また同時に温度を50℃まで低下させた。ブロワー12
を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配管より
放出しながら、他方において窒素供給配管10より窒素
を導入し、5時間圧力を6kgf/cm2・G に保持した。
【0114】ブロワー12でガスを循環させたまま、失
活剤導入配管6より、湿潤窒素を用いて、5時間かけて
前記「触媒失活と失活量の確認実験」により求めた量の
水分を導入し、湿潤窒素導入量に相当する量のガスをベ
ント配管9から放出した。温度を90℃に上げ、ブロワ
ー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配
管より放出しながら、他方において窒素供給配管10よ
り窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm2・G に保持し
た。次に、ブロワー12を停止し、系内の圧力が常圧に
達するまでガスベント配管9から放出した。続いて、系
内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧まで放出
する操作を5回繰り返した。
【0115】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ温度90℃で、トリエチルアルミニウムを5
g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ブロワー12を停止し、流動床反
応器内の圧力を常圧まで下げ、別に触媒[A]を用いて
定常時に得られた重合体粒子を上部を閉じていない紙袋
で3週間あらかじめ保存した平均粒径810μmの直鎖
低密度ポリエチレン(すなわち、大気によって失活され
たものである)16kgを種ポリマーとして反応器へ充
填した。窒素供給配管10より窒素を供給し、系内の圧
力を5kgf/cm2・G まで昇圧した後、脱圧し、これを6回
繰り返した。ついで、温度を90℃に上げ、ブロワー1
2を用いて循環し、さらに、系内のガスを流量16Nm3/
h でベント配管より放出しながら、他方において窒素供
給配管10より窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm
2・G に保持した。次に、ブロワー12を停止し、系内の
圧力が常圧に達するまでガスベント配管9から放出し
た。続いて、系内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した
後、常圧まで放出する操作を5回繰り返した。
【0116】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。気相中の
エチレン/ブテン−1比=1/0.08、および窒素濃
度30モル%となるように各ガス量の調節を行い、全圧
19kgf/cm2・G に保持した。次いで、トリエチルアルミ
ニウムを5g/h の速度でアルキルアルミニウム供給管5
− から4時間供給した。トリエチルアルミニウムの
供給速度を25mg/hに低下させ、1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.1kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.0kg/hであった。また、その性状はMFR
1.9dg/min、密度911kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径640μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0117】<実施例8>図1に示したものと同様な、
直径25cmの流動床反応器を使用した。ブロワー12
を用いて系内のガス流動床反応器1、ガス循環配管1
1、ブロワー12および冷却器13からなる経路を通し
て流量88Nm3/h で循環し、循環ガス温度の調節により
温度85℃に保持した。気相中のエチレン/ブテン−1
/水素比=1/0.4/0.1、および窒素濃度30m
ol%となるように各ガス量の調節を行い、全圧19kg
f/cm2・G に保持した。触媒調製例で得た触媒[A]を
1.0g/hの供給速度で触媒供給配管により供給し
た。また、助触媒として、トリエチルアルミニウムを
0.8g/hの速度でヘキサン溶液として助触媒供給配
管5− から供給した。重合体粒子排出バルブ14お
よび15を通して排出されたエチレン−ブテン−1共重
合体の生成速度は4.0kg/hであった。また、その
性状はMFR 0.9dg/min、密度919kg/m3であり、
外観は白色であった。
【0118】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。
【0119】ついで、ブロワー12でガスを循環させた
まま、流動床反応器1内の重合体粒子を重合体粒子排出
バルブ14および15を通して排出させた。循環ガスを
ベント配管9から放出し、系内の圧力を20分で6kgf/
cm2・G まで下げ、また同時に温度を50℃まで低下させ
た。ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h
でベント配管より放出しながら、他方において窒素供給
配管10より窒素を導入し、5時間圧力を6kgf/cm2・G
に保持した。ブロワー12を止め、常圧まで降下させた
後重合循環系の各所のハンドホール、ドレン弁等を開け
た。さらに、送風機を用いて、12時間大気を重合系内
に導入した。この際、循環配管系全体に流れができるよ
うに導入した。導入された大気の量と大気の相対湿度か
ら計算した水分量は、実施例1の場合よりも多い量であ
った。12時間後、種々のハンドホール、ドレン弁等を
閉じ、系内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧
まで放出する操作を5回繰り返した。温度を90℃に上
げ、ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h
でベント配管より放出しながら、他方において窒素供給
配管10より窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm2
G に保持した。次に、ブロワー12を停止し、系内の圧
力が常圧に達するまでガスベント配管9から放出した。
【0120】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ブロワー12停止後、流動床反
応器内の圧力を常圧まで下げ、別に触媒[B]を用いて
定常時に得られた重合体粒子を窒素雰囲気下であらかじ
め保存しておいた平均粒径650μmの直鎖低密度ポリ
エチレン17kgを、種ポリマーとして窒素雰囲気下で
反応器へ充填した。窒素供給配管10より窒素を供給
し、系内の圧力を5kgf/cm2・G まで昇圧した後、脱圧
し、これを3回繰り返した。
【0121】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。次いで、
トリエチルアルミニウムを50mg/h の速度でアルキル
アルミニウム供給管5− から3時間供給した。つい
で、トリエチルアルミニウムの供給速度を25mg/h
に低下させ、気相中のエチレン/ブテン−1比=1/
0.08、および窒素濃度30モル%となるように各ガ
ス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保持した。こ
の時点で、すでに反応が確認された。1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.1kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.1kg/hであった。また、その性状はMFR
1.9dg/min、密度911kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径660μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0122】<比較例5>実施例8において、系内を送
風機を用いて大気で失活処理しなかったこと以外は、ほ
ぼ同様の操作を行った。すなわち、ブロワー12を用い
て系内のガス流動床反応器1、ガス循環配管11、ブロ
ワー12および冷却器13からなる経路を通して流量8
8Nm3/h で循環し、循環ガス温度の調節により温度85
℃に保持した。気相中のエチレン/ブテン−1/水素比
=1/0.4/0.1、および窒素濃度30mol%と
なるように各ガス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G
に保持した。触媒調製例で得た触媒[A]を1.0g/
hの供給速度で触媒供給配管により供給した。また、助
触媒として、トリエチルアルミニウムを0.8g/hの
速度でヘキサン溶液として助触媒供給配管5− から
供給した。重合体粒子排出バルブ14および15を通し
て排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度
は4.0kg/hであった。また、その性状はMFR
1.0dg/min、密度920kg/m3であり、外観は白色で
あった。
【0123】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。
【0124】ついで、ブロワー12でガスを循環させた
まま、流動床反応器1内の重合体粒子を重合体粒子排出
バルブ14および15を通して排出させた。循環ガスを
ベント配管9から放出し、系内の圧力を20分で6kgf/
cm2・G まで下げ、また同時に温度を50℃まで低下させ
た。ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h
でベント配管より放出しながら、他方において窒素供給
配管10より窒素を導入し、5時間圧力を6kgf/cm2・G
に保持した。ブロワー12を止め、流動床反応器1の上
下をブロックし、流動床反応器1のハンドホールを開放
し、一昼夜放置した。続いて、ハンドホールを閉め、流
動床反応器1の上下をブロック弁を開け、系内を窒素で
5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧まで放出する操作を
5回繰り返した。温度を90℃に上げ、ブロワー12を
用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント配管より放
出しながら、他方において窒素供給配管10より窒素を
導入し、24時間圧力を6kgf/cm2・G に保持した。次
に、ブロワー12を停止し、系内の圧力が常圧に達する
までガスベント配管9から放出した。
【0125】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ブロワー12停止後、流動床反
応器内の圧力を常圧まで下げ、別に触媒[B]を用いて
定常時に得られた重合体粒子を窒素雰囲気下であらかじ
め保存しておいた平均粒径650μmの直鎖低密度ポリ
エチレン17kgを種ポリマーとして窒素雰囲気下で反
応器へ充填した。窒素供給配管10より窒素を供給し、
系内の圧力を5kgf/cm2・G まで昇圧した後、脱圧し、こ
れを3回繰り返した。
【0126】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。次いで、
トリエチルアルミニウムを50mg/h の速度でアルキル
アルミニウム供給管5− から3時間供給した。つい
で、トリエチルアルミニウムの供給速度を25mg/h
に低下させ、気相中のエチレン/ブテン−1比=1/
0.08、および窒素濃度30モル%となるように各ガ
ス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保持した。こ
の時点で、すでに反応が確認された。1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.2kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.1kg/hであった。また、その性状はMFR
1.9dg/min、密度912kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径660μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0127】<比較例6>実施例8において、運転再開
時の種ポリマーとして、触媒[A]を用いて製造され、
かつ触媒活性を有しているパウダーを使用した以外はほ
ぼ同様の操作を行った。すなわち、ブロワー12を用い
て系内のガス流動床反応器1、ガス循環配管11、ブロ
ワー12および冷却器13からなる経路を通して流量8
8Nm3/h で循環し、循環ガス温度の調節により温度85
℃に保持した。気相中のエチレン/ブテン−1/水素比
=1/0.4/0.1、および窒素濃度30mol%と
なるように各ガス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G
に保持した。触媒調製例で得た触媒[A]を1.0g/
hの供給速度で触媒供給配管により供給した。また、助
触媒として、トリエチルアルミニウムを0.8g/hの
速度でヘキサン溶液として助触媒供給配管5− から
供給した。重合体粒子排出バルブ14および15を通し
て排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度
は4.1kg/hであった。また、その性状はMFR
1.1dg/min、密度920kg/m3であり、外観は白色で
あった。
【0128】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。
【0129】ついで、ブロワー12でガスを循環させた
まま、流動床反応器1内の重合体粒子を重合体粒子排出
バルブ14および15を通して排出させた。循環ガスを
ベント配管9から放出し、系内の圧力を20分で6kgf/
cm2・G まで下げ、また同時に温度を50℃まで低下させ
た。ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h
でベント配管より放出しながら、他方において窒素供給
配管10より窒素を導入し、5時間圧力を6kgf/cm2・G
に保持した。ブロワー12を止め常圧まで降下させた
後、重合系内の各所のハンドホール、ドレンを開けた。
さらに、系内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常
圧まで放出する操作を5回繰り返した。温度を90℃に
上げ、ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/
h でベント配管より放出しながら、他方において窒素供
給配管10より窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm
2・G に保持した。次に、ブロワー12を停止し、系内の
圧力が常圧に達するまでガスベント配管9から放出し
た。
【0130】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ブロワー12停止後、、流動床
反応器内の圧力を常圧まで下げ、別に触媒[A]を用い
て定常時に得られた重合体粒子を窒素雰囲気下であらか
じめ保存しておいた平均粒径780μmの直鎖低密度ポ
リエチレン16kgを種ポリマーとして窒素雰囲気下で
反応器へ充填した。窒素供給配管10より窒素を供給
し、系内の圧力を5kgf/cm2・G まで昇圧した後、脱圧
し、これを3回繰り返した。
【0131】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。次いで、
トリエチルアルミニウムを50mg/h の速度でアルキル
アルミニウム供給管5− から3時間供給した。つい
で、トリエチルアルミニウムの供給速度を25mg/h
に低下させ、気相中のエチレン/ブテン−1比=1/
0.08、および窒素濃度30モル%となるように各ガ
ス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保持した。こ
の時点で、すでに反応が確認された。1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.1kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.2kg/hであった。また、その性状はMFR
2.0dg/min、密度910kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径680μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0132】<実施例9>実施例8において、運転再開
時の種ポリマーとして、触媒[B]により製造され、か
つ触媒活性が失活したパウダーを使用した以外はほぼ同
様の操作を行った。すなわち、ブロワー12を用いて系
内のガス流動床反応器1、ガス循環配管11、ブロワー
12および冷却器13からなる経路を通して流量88Nm
3/h で循環し、循環ガス温度の調節により温度85℃に
保持した。気相中のエチレン/ブテン−1/水素比=1
/0.4/0.1、および窒素濃度30mol%となる
ように各ガス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に保
持した。触媒調製例で得た触媒[A]を1.0g/hの
供給速度で触媒供給配管により供給した。また、助触媒
としてトリエチルアルミニウムを0.8g/hの速度で
ヘキサン溶液として助触媒供給配管5− から供給し
た。重合体粒子排出バルブ14および15を通して排出
されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は3.
9kg/hであった。また、その性状はMFR 1.0d
g/min、密度919 kg/m3であり、外観は白色であっ
た。
【0133】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。
【0134】ついで、ブロワー12でガスを循環させた
まま、流動床反応器1内の重合体粒子を重合体粒子排出
バルブ14および15を通して排出させた。循環ガスを
ベント配管9から放出し、系内の圧力を20分で6kgf/
cm2・G まで下げ、また同時に温度を50℃まで低下させ
た。ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h
でベント配管より放出しながら、他方において窒素供給
配管10より窒素を導入し、5時間圧力を6kgf/cm2・G
に保持した。ブロワー12を止め、常圧まで降下させた
後重合循環系の各所のハンドホール、ドレン弁等を開け
た。さらに、送風機を用いて、大気を重合系内に導入し
た。この際、循環配管系全体に流れができるように導入
した。導入された大気の量と大気の相対湿度から計算し
た水分量は、実施例1の場合よりも多い量であった。1
2時間後、種々のハンドホール、ドレン弁等を閉じ、系
内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇圧した後、常圧まで放出
する操作を5回繰り返した。温度を90℃に上げ、ブロ
ワー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h でベント
配管より放出しながら、他方において窒素供給配管10
より窒素を導入し、24時間圧力を6kgf/cm2・G に保持
した。次に、ブロワー12を停止し、系内の圧力が常圧
に達するまでガスベント配管9から放出た。
【0135】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ブロワー12を停止し、流動床
反応器内の圧力を常圧まで下げ、別に触媒[B]を用い
て定常時に得られた重合体粒子を上部を閉じていない紙
袋で2週間あらかじめ保存しておいた平均粒径650μ
mの直鎖低密度ポリエチレン(すなわち、大気によって
失活されたものである)17kgを種ポリマーとして反
応器へ充填した。窒素供給配管10より窒素を供給し、
系内の圧力を5kgf/cm2・G まで昇圧した後、脱圧し、こ
れを6回繰り返した。ついで、温度を90℃に上げ、ブ
ロワー12を用いて循環し、さらに、系内のガスを流量
16Nm3/h でベント配管より放出しながら、他方におい
て窒素供給配管10より窒素を導入し、24時間圧力を
6kgf/cm2・G に保持した。次に、ブロワー12を停止
し、系内の圧力が常圧に達するまでガスベント配管9か
ら放出した。続いて、系内を窒素で5kgf/cm2・G まで昇
圧した後、常圧まで放出する操作を5回繰り返した。
【0136】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。気相中の
エチレン/ブテン−1比=1/0.08、および窒素濃
度30モル%となるように各ガス量の調節を行い、全圧
19kgf/cm2・G に保持した。次いで、トリエチルアルミ
ニウムを5g/h の速度でアルキルアルミニウム供給管5
− から4時間供給した。トリエチルアルミニウムの
供給速度を25mg/hに低下させ、1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.1kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.0kg/hであった。また、その性状はMFR
2.1dg/min、密度911kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径640μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0137】<実施例10>実施例8において、運転再
開時の種ポリマーとして、触媒[A]により製造され、
かつ触媒活性が失活したパウダーを使用した以外はほぼ
同様の操作を行った。すなわち、ブロワー12を用いて
系内のガス流動床反応器1、ガス循環配管11、ブロワ
ー12および冷却器13からなる経路を通して流量88
Nm3/h で循環し、循環ガス温度の調節により温度85℃
に保持した。気相中のエチレン/ブテン−1/水素比=
1/0.4/0.1、および窒素濃度30mol%とな
るように各ガス量の調節を行い、全圧19kgf/cm2・G に
保持した。触媒調製例で得た触媒[A]を1.0g/h
の供給速度で触媒供給配管により供給した。また、助触
媒として、トリエチルアルミニウムを0.8g/hの速
度でヘキサン溶液として助触媒供給配管5− から供
給した。重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
4.1kg/hであった。また、その性状はMFR
0.9dg/min、密度921kg/m3であり、外観は白色で
あった。
【0138】つぎに、重合能力を低下させるために、触
媒[A]の供給を停止し、その後、ガス組成および重合
温度を48時間維持した。助触媒のトリエチルアルミニ
ウム供給速度はポリエチレン生成速度の減少にあわせて
低下させた。48時間後、流動床上下の差圧計の指示値
はほとんど変化せず、実質的な反応は停止した。
【0139】ついで、ブロワー12でガスを循環させた
まま、流動床反応器1内の重合体粒子を重合体粒子排出
バルブ14および15を通して排出させた。循環ガスを
ベント配管9から放出し、系内の圧力を20分で6kgf/
cm2・G まで下げ、また同時に温度を50℃まで低下させ
た。ブロワー12を用いて系内のガスを流量16Nm3/h
でベント配管より放出しながら、他方において窒素供給
配管10より窒素を導入し、5時間圧力を6kgf/cm2・G
に保持した。ブロワー12を止め、重合循環系の各所の
ハンドホール、ドレン弁等を開けた。さらに、送風機を
用いて、大気を重合系内に導入した。この際、循環配管
系全体に流れができるように導入した。導入された大気
の量と大気の相対湿度から計算した水分量は、実施例1
の場合よりも多い量であった。12時間後、種々のハン
ドホール、ドレン弁等を閉じ、系内を窒素で5kgf/cm2
G まで昇圧した後、常圧まで放出する操作を5回繰り返
した。温度を90℃に上げ、ブロワー12を用いて系内
のガスを流量16Nm3/h でベント配管より放出しなが
ら、他方において窒素供給配管10より窒素を導入し、
24時間圧力を6kgf/cm2・G に保持した。次に、ブロワ
ー12を停止し、系内の圧力が常圧に達するまでガスベ
ント配管9から放出した。
【0140】次に、窒素を窒素供給配管10より導入
し、圧力を5kgf/cm2・G に保持し、ブロワー12でガス
を循環させ、温度90℃で、トリエチルアルミニウムを
5g/hの速度でアルキルアルミニウム供給配管5−
から6時間供給した。ブロワー12を停止し、流動床
反応器内の圧力を常圧まで下げ、別に触媒[A]を用い
て定常時に得られた重合体粒子を上部を閉じていない紙
袋で3週間あらかじめ保存しておいた平均粒径810μ
mの直鎖低密度ポリエチレン(すなわち、大気によって
失活されたものである)16kgを種ポリマーとして反
応器へ充填した。窒素供給配管10より窒素を供給し、
系内の圧力を5kgf/cm2・G まで昇圧した後、脱圧し、こ
れを6回繰り返した。ついで、温度を90℃に上げ、ブ
ロワー12を用いて循環し、さらに、系内のガスを流量
16Nm3/h でベント配管より放出しながら、他方におい
て窒素供給配管10より窒素を導入し、24時間圧力を
6kgf/cm2・G に保持した。次に、ブロワー12を停止
し、系内の圧力が常圧に達するまでガスベント配管9か
ら放出した。続いて、系内を窒素で5kgf/cm2・G まで
昇圧した後、常圧まで放出する操作を5回繰り返した。
【0141】次いで反応器内を窒素ガスで5kgf/cm2・G
に昇圧し、ブロワー12を用いて系内のガス流動床反応
器1、ガス循環配管11、ブロワー12および冷却器1
3からなる経路を通して流量88m3/h で循環し、循環
ガス温度の調節により温度75℃に保持した。気相中の
エチレン/ブテン−1比=1/0.08、および窒素濃
度30モル%となるように各ガス量の調節を行い、全圧
19kgf/cm2・G に保持した。次いで、トリエチルアルミ
ニウムを5g/h の速度でアルキルアルミニウム供給管5
− から4時間供給した。トリエチルアルミニウムの
供給速度を25mg/hに低下させ、1時間後に前記触
媒調製例で得た触媒[B]を0.7g/hの速度で触媒
供給配管8により供給し、重合反応を開始した。重合反
応開始後、徐々にポリマー生成速度は増大し、24時間
後には3.0kg/hに達した。運転はそのまま順調に
継続し、重合体粒子排出バルブ14および15を通して
排出されたエチレン−ブテン−1共重合体の生成速度は
3.1kg/hであった。また、その性状はMFR
1.9dg/min、密度911kg/m3であり、外観は透明感
を帯びた白色で、平均粒径650μmの均一な粒子であ
った。得られた共重合体粒子について、前記「ゲル測定
法」に従いフィルムのゲル(フィッシュアイ)を測定し
た結果を表1に示す。
【0142】
【表1】
【0143】
【発明の効果】本発明の方法を採用することにより、円
滑な触媒の切替えが可能であり、切替え後のポリオレフ
ィンがフィルムグレードのような場合においても、触媒
切替えによるゲルの発生が少なく、かつオフグレード品
等のロスが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】気相流動床重合装置の説明図である。
【符号の説明】
1 気相流動床反応器 2 上部空間区域 3 流動床区域 4 ガス分散板 5− 助触媒供給配管 5− アルキルアルミニウム供給配管 6 失活剤導入配管 7 オレフィン供給配管 8 触媒供給配管 9 ベント配管 10 窒素供給配管 11 ガス循環配管 12 ブロワー 13 冷却器 14、15 重合体粒子排出バルブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(1)〜(4)の工程からなること
    を特徴とするオレフィンの定常的気相重合における触媒
    切替え法、 (1)高分子量ポリオレフィン生成能を有する遷移金属
    系触媒[I]によりオレフィンを気相状態で定常的に重
    合させる工程、 (2)反応系内に存在する前記触媒[I]を失活させる
    工程、 (3)前記触媒[I]による重合活性を実質的に有しな
    いポリオレフィン粒子を種ポリマーとして気相重合床を
    形成する工程、 (4)低分子量ポリオレフィン生成能を有する遷移金属
    系触媒[II]を供給することにより重合を再開させてオ
    レフィンを定常的に気相重合させる工程。
  2. 【請求項2】 前記工程(3)において、前記触媒
    [I]による重合活性を実質的に有しないが、触媒[I
    I]による重合活性を有するポリオレフィン粒子を種ポ
    リマーとして用いることを特徴とする請求項1記載のオ
    レフィンの定常的気相重合における触媒切替え法。
  3. 【請求項3】 前記触媒[I]が、少なくともチタンお
    よび/またはバナジウムならびにマグネシウムを含有す
    る固体触媒成分と有機アルミニウム化合物からなる請求
    項1に記載のオレフィンの定常的気相重合における触媒
    切替え法。
  4. 【請求項4】 前記触媒[II]が、シクロペンタジエニ
    ル骨格を有する配位子を含む周期律表中第IV族の遷移金
    属化合物を含む触媒である請求項1に記載のオレフィン
    の定常的気相重合における触媒切替え法。
  5. 【請求項5】 前記工程(2)の失活後または前記工程
    (4)において、有機アルミニウム化合物を供給するこ
    とを特徴とする請求項1記載のオレフィンの定常的気相
    重合における触媒切替え法。
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JP27671395A Pending JPH0995509A (ja) 1995-09-30 1995-09-30 オレフィンの定常的気相重合における触媒切替え法

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