JPH0994228A - 角膜内皮細胞撮影装置 - Google Patents

角膜内皮細胞撮影装置

Info

Publication number
JPH0994228A
JPH0994228A JP7250971A JP25097195A JPH0994228A JP H0994228 A JPH0994228 A JP H0994228A JP 7250971 A JP7250971 A JP 7250971A JP 25097195 A JP25097195 A JP 25097195A JP H0994228 A JPH0994228 A JP H0994228A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slit
cornea
light
optical system
corneal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7250971A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Yumikake
和彦 弓掛
Koji Nishio
幸治 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to JP7250971A priority Critical patent/JPH0994228A/ja
Publication of JPH0994228A publication Critical patent/JPH0994228A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 角膜内皮細胞をより一層明瞭に、また、広範
囲に渡って撮影することのできる装置を提供する。 【解決手段】 被検眼Eの角膜Cに向けて斜めからスリ
ット光を照射するためのスリット光照射光学系20と、
角膜Cからの反射光を利用し角膜内皮細胞を結像させた
後、像面に結像させた角膜内皮細胞像の観察または撮影
を行うための観察撮影光学系30を有し、観察撮影光学
系30に、角膜表面からの反射光を遮断し角膜内皮細胞
からの反射光を透過させるスリット33Sを有するマス
ク33を配置し、前記スリット33Sの幅を可変にし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、角膜内皮細胞を
撮影するための角膜内皮細胞撮影装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、被検眼の角膜に向けて斜めか
らスリット光を照射するためのスリット光照明光学系
と、角膜からの反射光を利用して角膜内皮細胞像を観察
し且つ撮影を行うための観察撮影光学系とを有し、この
観察撮影光学系の対物レンズに関して角膜内皮細胞位置
と共役な位置に、角膜表面からの反射光を遮断しかつ角
膜内皮細胞からの反射光を透過させるマスクを設けて、
角膜内皮細胞の観察撮影を行う角膜内皮細胞撮影装置が
知られている。そのマスクには、角膜内皮細胞からの反
射光を透過させるために開口としてのスリットが形成さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人間の角膜
厚には0.5±0.2mm程度の個人差があることが知
られている。しかしながら、従来の角膜内皮細胞撮影装
置では角膜内皮細胞撮影に際し、撮影に不必要な光束の
遮光を目的とした観察光学系に設けられたマスクのスリ
ットの幅が、平均的角膜厚に対して最適となるように設
定されており、スリット照明幅に対応して固定となって
いる。このため、被検者(患者)の角膜厚が薄い場合に
は、角膜内皮細胞像形成に不必要な光束が同時に観察さ
れる。このとき、角膜表面からの反射が角膜内皮細胞か
らの反射に比べ相当に大きいため像が不鮮明になる。ま
た厚い場合には、明瞭な撮影範囲を制限して撮影してし
まうという問題があった。
【0004】この発明は、このような実情に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、角膜内皮細胞を
より一層明瞭に撮影することができ、また、明瞭な撮影
範囲を制限してしまうことのない角膜内皮細胞撮影装置
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、被検眼の角膜に向けて斜めからスリット光
を照射するためのスリット光照射光学系と、前記角膜か
らの反射光を利用し角膜内皮細胞を結像させた後、像面
に結像させた角膜内皮細胞像の撮影を行うための観察撮
影光学系を有し、該観察撮影光学系に、角膜表面からの
反射光を遮断し角膜内皮細胞からの反射光を透過させる
スリットを有するマスクを配置し、前記スリットの幅を
可変にしたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0007】角膜内皮細胞撮影装置は、図1、図2に示
すように、被検眼Eの前眼部を観察する前眼部観察光学
系10、前眼部照明光源1、角膜内皮細胞照明光学系2
0、角膜内皮細胞撮影光学系30、合焦位置検出受光光
学系7、固視標投影光学系2、アライメント検出用指標
投影光学系40、アライメント検出用指標受光光学系
5、前眼部観察光学系10と角膜内皮細胞撮影光学系3
0のそれぞれに設けられた遮光板9a、9bとから大略
構成されている。なお、観察、撮影された画像は、モニ
ターの画面15(図5、図7参照)に表示されるように
なっている。
【0008】前眼部観察光学系10は、ハーフミラー1
1、対物レンズ12、ハーフミラー13、CCDカメラ
14とから大略構成され、O1はその光軸である。被検
眼Eの前眼部は前眼部照明光源1によって照明される。
ハーフミラー11は、図2に示すアライメント検出用指
標投影光学系40の一部を構成する。アライメント検出
用指標投影光学系40は、アライメント指標光源41
(赤外LED)、ピンホール42、ダイクロイックミラ
ー43、投影レンズ44、ハーフミラー11とから構成
され、ピンホール42は投影レンズ44の焦点位置に配
置されている。
【0009】ピンホール42を透過したアライメント指
標光はダイクロイックミラー43で反射された後、投影
レンズ44に導かれて平行光束とされる。この平行光束
は、ハーフミラー11で反射されて被検眼Eの角膜Cに
導かれる。ダイクロイックミラー43は、固視標投影光
学系2の一部を構成し、固視標投影光学系2は、固視標
光源3(可視LED)、ピンホール4を有する。
【0010】ピンホール4は、投影レンズ44の焦点位
置に配置されている。ピンホール4を通過した固視標光
は、ダイクロイックミラー43を透過した後、投影レン
ズ44により平行光束とされ、ハーフミラー11により
反射されて被検眼Eに導かれる。アライメントの調整
は、被検者にこの固視標を固視させつつ行う。
【0011】角膜Cで反射されたアライメント光束は、
ハーフミラー11を介して対物レンズ12に導かれ、対
物レンズ12によって集光され、その集光光束の一部
は、ハーフミラー13を透過してCCDカメラ14上に
像を形成する。ハーフミラー13とCCDカメラ14と
の間の光路に配設された遮光板9aはこの光路に対して
挿脱可能である。この遮光板9aと同様の機能を有する
遮光板9bが角膜内皮細胞撮影光学系30の光路に設け
られ、前眼部観察時には、遮光板9aが前眼部観察光学
系10の光路から退避され、遮光板9bが角膜内皮細胞
撮影光学系30の光路に挿入される。
【0012】角膜内皮細胞撮影時には、遮光板9aが前
眼部観察光学系10の光路に挿入され、遮光板9bが角
膜内皮細胞撮影光学系30の光路から退避され、これに
より、前眼部観察光学系10の光路と角膜内皮細胞撮影
光学系30の光路とが切り換えられる。
【0013】前記ハーフミラー13は、アライメント検
出用指標受光光学系5の一部を構成する。
【0014】アライメント検出用指標受光光学系5は、
位置検出手段としての2次元PSD(ポジションセン
サ)6を備えており、対物レンズ12に関して角膜頂点
Pと角膜曲率中心Qの略中間位置にアライメント指標光
により形成された虚像Rと共役な位置に配置されてい
る。アライメント指標光に基づく角膜反射光は、対物レ
ンズ12に導かれる。対物レンズ12により集光された
光束の一部は、ハーフミラー13によって反射され、2
次元PSD6上に結像される。このとき、2次元PSD
6上でのアライメント指標光の虚像R´による信号の検
出位置によって、被検眼Eの装置本体に対する左右(X
方向)と上下(Y方向)のズレ量が検出される。
【0015】ここで、アライメント指標光の虚像R´に
よる信号が、2次元PSD6の所定範囲内にある状態の
とき、XYアライメント完了状態とする。
【0016】前眼部照明光源1からの照明光は角膜Cに
より反射され、ハーフミラー11を透過して対物レンズ
12に導かれる。この対物レンズ12を透過した光束の
一部は、ハーフミラー13を透過した後にこの対物レン
ズ12によりCCDカメラ14に結像される。CCDカ
メラ14により検出された信号はモニターに送られる。
被検眼Eと角膜内皮細胞撮影装置とのアライメントが概
ね合っているとき、アライメント指標光の虚像Rによる
像R´´もCCDカメラ14上に同時に形成されるの
で、モニターの画面15に被検眼Eの前眼部像E´とア
ライメント指標光の虚像R´´とが同時に表示される。
【0017】ここで、モニターの画面15に表示された
前眼部像E´とアライメント指標光の虚像R´´とを図
4に示す。図4において、符号Aは左右方向(X方向)
と上下方向(Y方向)に対してのXYアライメントの許
容範囲を示す円環状パターン像であり、モニターの画面
の被検眼前眼部像E´と同時に表示される。その円環状
パターン像を形成するための光学系については図示を省
略する。検者は、虚像R´´が円環状パターン像Aの範
囲内に納まるように角膜内皮細胞像撮影装置の本体部
(図示を略す)を動かして、XYアライメントを行う。
【0018】次に、後述する合焦位置検出受光光学系7
によって得られる信号に基づいて前後方向(Z方向)の
アライメントであるZアライメントを行う。
【0019】角膜内皮細胞照明光学系(スリット光照射
光学系)20は、観察用照明光学系と撮影用照明光学系
とから構成され、観察用照明光学系は観察用光源(赤外
LED)21、スリット22、ダイクロイックミラー2
3、対物レンズ24とから大略構成され、O2はその光
軸である。スリット22を透過した観察用光束はダイク
ロイックミラー23により反射されて、対物レンズ24
に導かれる。対物レンズ24により集光された光束は角
膜Cを照明する。
【0020】ダイクロイックミラー23および対物レン
ズ24は、撮影用照明光学系と共用されている。撮影用
照明光学系は、撮影用光源(キセノンランプ)25、集
光レンズ26、スリット27、集光鏡27´から構成さ
れている。撮影用光源25から射出された照明光は集光
レンズ26により集光される。その照明光は撮影光とし
て用いられ、スリット27を透過してスリット照明光と
なり、このスリット照明光のうち可視波長域のスリット
照明光がダイクロイックミラー23を透過し、可視波長
域のスリット照明光が対物レンズ24に導かれる。対物
レンズ24を透過したスリット照明光により角膜Cが照
明される。
【0021】ここで、角膜Cによる反射の様子を図3に
示す。角膜Cからのスリット照明光による反射光束は、
空気と角膜Cとの境界面であるS1、角膜内皮細胞S
2、角膜実質S3からのそれぞれの反射光束R1、R
2、R3に分類できる。反射光束R1の光量が最も多
く、反射光束R2の光量は反射光束R1の光量に較べて
相対的に少なく、反射光束R3の光量は最も少ない。
【0022】角膜内皮細胞撮影光学系30は、対物レン
ズ31M、ハーフミラー32、角膜表面からの反射光遮
光用のマスク33、ミラー34、リレーレンズ35M、
遮光板9b、ミラー36、CCDカメラ14により構成
され、O3はこの光軸である。
【0023】ここで、マスク33は、対物レンズ31M
に関して平均的厚さの角膜の表面位置あるいは略表面位
置と共役な位置に設けられている。
【0024】角膜Cにより反射されたスリット照明光
は、対物レンズ31Mに導かれる。対物レンズ31Mに
導かれた反射光束R1、R2、R3の一部はハーフミラ
ー32を透過し、マスク33に導かれる。
【0025】マスク33は、図5および図6に示すよう
に、上下に設けられ水平方向に延びたガイド33A,3
3Bと、このガイド33,33Bに沿って左右方向に移
動可能に且つスリット33Sを形成した遮蔽板33C,
33Dとから構成されている。
【0026】遮蔽板33C,33Dの下部にはラック3
3E,33Fが形成され、このラック33E,33Fには
ギア33G,33Gが噛合されている。ギア33G,33
Gはギア33H,33Iを介してステッピングモータ3
3Mの駆動軸33Kに設けられたギア33Jに噛合さ
れ、ステッピングモータ33Mによって遮蔽板33C,
33Dが左右方向に且つ互いに逆方向に同距離移動して
スリット33Sの幅Lが自動的に調整されるようになっ
ている。
【0027】マスク33のスリット33Sは、角膜内皮
細胞からの反射光束を透過させる役割と角膜表面からの
反射光束R1を確実に遮光する役割とを有する。すなわ
ち、角膜内皮細胞像の形成にとって有害な角膜表面から
の反射光を除去する役割を有するが、このマスク33の
作用の詳細について後で説明することにする。
【0028】角膜Cにより反射されたスリット照明光
は、対物レンズ31Mに導かれ集光される。ここで角膜
Cによる反射の様子を図3に示す。スリット光束は、空
気と角膜Cとの境界面であるS1、角膜内皮細胞S2、
角膜実質S3からのそれぞれの反射光束R1、R2、R
3となる。このときの光量は、R1が最も多く、R2は
相対的に少なく、R3は最も少ない。
【0029】対物レンズ31Mによって集光された光束
の一部はハーフミラー32を透過し、マスク33に導か
れる。マスク33により角膜内皮細胞像に不必要な光が
遮断された光束は、ミラー34により反射されてリレー
レンズ35Mに導かれる。リレーレンズ35Mにより集
光された後、ミラー34で反射されてCCD14上に結
像される。このとき、ハーフミラー32とCCD14の
間には挿退可能な遮光板9bが設けられ前記遮光板9a
と連動している。CCD14により検出された信号はモ
ニター15に送られる。その結果、モニター15上に被
検眼Eの角膜内皮細胞像45が観察される。
【0030】ここで、角膜Cが平均的な厚さの場合、角
膜Cが薄い場合、角膜Cが厚い場合について、マスク3
3による角膜反射光束の遮断状態の様子を、図7(a),
(b),(c)に概念図として示す。なお、図7におけるM1
は撮影光学系の空中結像点、M2は平均的な角膜厚の角
膜表面位置と撮影光学系の対物レンズ31Mに対して共
役な位置とする。
【0031】また、図8には、位置M1に光軸と直交す
る方向にラインセンサ8を配置した場合の光量分布の一
例を示す。図8の光量分布は、後述する合焦位置検出受
光光学系40(角膜反射光検知手段)の検出信号にも対
応する。また、M2にラインセンサ8を配置した場合の
光量分布の一例を図9に示す。さらに、図10には図8
(a)の光量分布の状態の一例と各角膜内皮像との対応関
係を示す。また、図8および図9のP1,P3は角膜表面
からの反射光束R1,角膜内皮細胞からの反射光束R3の
ピーク部を示す。
【0032】また、図8(a)および図9(a)において、
b−d,c−dは、角膜Cの厚さが平均的な場合に反射
光束R1を遮光するのに最適なマスク33のスリット3
3Sの幅L0,L1を示す。そして、b,cが遮蔽板33C
の端部33Cbの位置に対応し、dが遮蔽板33Dの端
部33Ddの位置に対応する。このように最適なマスク
33のスリット33Sの幅L0,L1を設定した場合、こ
のスリット33Sによって遮断される光量分布部分を斜
線で示す。
【0033】マスク33を図7のM2位置に設けた場合
には、角膜表面からの反射光束R1に対してピントが合
っているので、図8(a)に比較して図9(a)のピーク部
P1の形状が鋭く高くなり、また、角膜内皮細胞からの
反射光束R3に対してピントがずれた状態となっている
ので図9(a)のピーク部P3は図8(a)に比較して幅が
広く低いものとなる。
【0034】また、図10に示す45は角膜内皮細胞の
反射光R3、46は角膜表皮の反射光R1、47は角膜実
皮の反射光R2によって形成される光像を示す。
【0035】ここで、角膜Cの厚さが薄い場合に、図8
(b)に示すように、マスク33を図7のM1の位置に配
置し、このマスク33のスリット33Sによって、平均
的な厚さの角膜Cに対応した最適なスリット幅L0で遮
光すると、角膜表面からの反射光R1の一部が透過する
ことになる(b−b´の間の光が透過する)。また、角
膜内皮細胞にピントが合っているために、R1はボケに
よって広がりを持っている。このために、R1の遮光が
不完全なものとなる。
【0036】しかし、マスク33の遮蔽板33Cを移動
させてスリット33Sの幅を狭め、遮蔽板33Cの端部
33Cdをb´の位置へ移動させることによりR1を完全
に遮光することができる。もし、マスク33によりR1
が完全に遮断しきれないとすると、角膜表皮の反射率は
角膜内皮細胞に比べ約100倍であることから得られる
角膜内皮像は不鮮明な像となる。なお、この場合、遮蔽
板33Cの移動にともない遮蔽板33Dの端部33Dd
はd1の位置に移動する。そして、b´−d1間の距離が
このときのスリット33Sの幅である。
【0037】マスク33を図7のM2位置に設けた場合
には、角膜表面からの反射光束R1に対してピントが合
っているので、図8(b)に比較して図9(b)のピーク部
P1の形状が鋭く高くなり、また、角膜内皮細胞からの
反射光束R3に対してピントがずれた状態となっている
ので図9(b)のピーク部P3は図8(b)に比較して幅が
広く低いものとなる。
【0038】このような場合でも、マスク33のスリッ
ト33Sの幅を狭めて、遮蔽板33Cの端部33Cdを
c´の位置まで移動させることにより反射光束R1を確
実に遮断することが可能である。この場合、遮蔽板33
Cの移動にともない遮蔽板33Dの端部33Ddはd2の
位置に移動する。そして、c´−d2間の距離がこのと
きのスリット33Sの幅である。
【0039】また、角膜Cが厚い場合には、図8(c)に
示すように、角膜Cが薄い場合と同様にマスク位置M1
では反射光束R1はボケにより広がりをもっているが、
マスク33のスリット33Sの幅Lを広げて、遮蔽板3
3Cの端部33Cbをb″位置まで移動させても反射光
束R1を確実に遮光することができる。このため、角膜
内皮像が明瞭な撮影範囲を制限してしまうことなく撮影
することが可能となる。この場合、角膜内皮細胞にピン
トが合っているので反射光束R3によるピーク部P3の形
状は鋭く高いものとなるので、鮮明さや明るさを維持し
ながら撮影範囲を広げることができる。
【0040】この場合、遮蔽板33Cの移動にともない
遮蔽板33Dの端部33Ddはd3の位置に移動する。そ
して、b″−d3間の距離がこのときのスリット33S
の幅となる。
【0041】また、マスク33をM2に配置した場合、
図9(c)に示すように、マスク33のスリット33Sを
広げて遮蔽板33Cの端部33Cbをc″位置まで移動
させても反射光束R1を確実に遮光することができ、角
膜内皮像が明瞭な撮影範囲を制限してしまうことなく撮
影することが可能となる。この場合、遮蔽板33Cの移
動にともない遮蔽板33Dの端部33Ddはd4の位置に
移動する。そして、c″−d4間の距離がこのときのス
リット33Sの幅となる。
【0042】以上説明したように、マスク33はM1の
位置に配置しても、M2の位置に配置しても、角膜表面
からの反射光R1を確実に遮光することができる。ま
た、これは、マスク33をM1とM2の間に配置しても角
膜表面からの反射光R1を確実に遮光することができる
ことを示す。
【0043】また、角膜内皮細胞照明光学系20内のス
リット27の幅を変化した場合でも、マスク33のスリ
ット33Sの幅Lを変化させた場合と同様な効果を得る
ことができる。
【0044】ハーフミラー32は、合焦位置検出光学系
7(角膜反射光検出光学系)の一部を構成する。合焦位
置検出光学系7は、位置検出手段8(ラインセンサ)に
より構成され対物レンズ31Mに関して角膜のスリット
照明光による虚像と共役な位置に配置されている。スリ
ット照明による角膜反射光は、対物レンズ31Mに導か
れる。対物レンズ31Mで集光された光束の一部が、ハ
ーフミラー32によって反射されラインセンサ8上に結
像される。
【0045】ここで、ラインセンサ8での反射光の検出
例を前述の図8にて説明する。図8において、aはライ
ンセンサ8上の基準位置とする。また図10は、このと
きのラインセンサ8の位置に、角膜反射光束によって空
中結像される像の様子を表わす。
【0046】通常、図8(a)の破線で示すような光量分
布をラインセンサ8で検出することとになる。ここで、
図8(a)に示すようにラインセンサ8の基準位置aにピ
ーク部P3がある状態をZアライメント完了状態として
設定することにより、角膜内皮細胞の反射光のピークP
3´の位置とセンサ基準位置aとの位置関係により被検
眼Eに対する角膜内皮細胞像撮影装置の前後方向(Z方
向)のズレ量を検出することができる。
【0047】このズレ量を図4に示すモニタ15に表示
する。このズレ量は、例えば、前後方向の距離を示すス
ケール15Sと、このスケール15Sに基準位置aを示
すマーク15Maと、ピーク部P3を示すマーク15Pと
を表示して表わす。そして、マーク15Maとマーク1
5Pとの距離がズレ量を示し、マーク15Pがマーク1
5Maの右に位置しているときには後ろ側にズレている
ことを表わし、左に位置しているときには前方にズレて
いることを表わす。
【0048】モニタ15に表示されるこれらマーク15
S,15P,15Maを見ながら、角膜内皮細胞像撮影装
置を前後方向に移動させてマーク15Pをマーク15M
aに一致させる。この一致によりZ方向のアライメント
が完了することとなる。なお、XY方向のアライメント
が完了した後、ラインセンサ8の信号に基づいて角膜内
皮細胞像撮影装置を前後方向に移動させて自動的にZ方
向のアライメントを行うようにしてもよい。
【0049】また、ラインセンサ8は、検出するP1と
P3の間隔から被検眼の角膜の厚みを判断するための角
膜反射光検出手段としても使用しており、検出する信号
に応じてスリット33Sの幅Lを自動的に変化させる。
【0050】これは、図8および図9に示すように、角
膜Cの厚さに応じてピーク部P1とピーク部P3との距離
が変化することに基づいて行うものである。すなわち、
角膜Cが薄い場合にはP1−P3間の距離は短くなり、角
膜Cが厚い場合にはP1−P3間の距離は長くなるからで
あり、P1とP3の間隔をラインセンサ8で検出し、この
検出したP1とP3の間隔に基づいてステッピングモータ
33Mを駆動制御し、これによりスリット33Sの幅L
を最適な幅に調整するものである。また、スリット27
の幅を変化させる場合にもラインセンサ8の信号を用い
る。
【0051】検者は、被検者に固視標を固視させつつ図
4に示したモニター15の像を基にXYZ方向のアライ
メントを行う。このとき、ラインセンサ8の信号に基づ
いて、被検眼の角膜Cの厚さに応じてマスク33のスリ
ット幅Lが自動的に最適な幅となるように調整される。
【0052】そして、XYZ方向のアライメントが全て
が完了状態となったとき、連動している遮光板9aと遮
光板9bが連動して自動的に挿退することによって角膜
内皮細胞像撮影光学系に切り換えられる。この後、撮影
用光源25が発光して角膜内皮細胞像45が撮影され
る。撮影された像はモニター15に送られ、図11に示
すようにモニター15上で明瞭な角膜内皮細胞像45が
得られる。
【0053】以上説明した実施の形態では、角膜内皮細
胞撮影光学系のマスク33のスリット幅Lを調整して角
膜表皮からの反射光を遮断するものとして説明したが、
スリット照明光学系のスリット27のスリット幅を調整
するようにしてもよく、また、マスク33のスリット幅
Lとスリット27のスリット幅とを同時に調整するする
ように構成してもよい。
【0054】また、上記実施の形態では、マスク33の
遮蔽板33C,33Dを左右方向に移動させてスリット
幅Lを調整しているが、遮蔽板33Dを固定して遮蔽板
33Cのみを左右方向に移動させるよにしてスリット幅
Lを調整するようにしてもよい。
【0055】上記実施の形態では、アライメント完了時
に自動的に角膜内皮細胞撮影光学系へ切り換わって撮影
が行われるものとして説明したが、検者の操作によって
前眼部観察系から角膜内皮撮影系への切り換えおよび撮
影を行うことも可能である。
【0056】また、上記実施の形態では、マスク33の
スリット幅Lを無段階に調整できるものとして説明した
が、幅の異なる複数のスリットを設けて挿退させること
によりスリット幅Lを可変としてもよい。また、スリッ
ト27のスリット幅を調整する場合も同様にして行って
もよい。
【0057】さらに、上記実施の形態では、観察撮影光
学系30の空中結像点M1または観察撮影光学系30の
対物レンズ31Mに関し角膜表面と共役な位置M2にマ
スク33を配置するものとして説明したが、位置M1と
位置M2との間にマスク33を配置してもよい。
【0058】上記実施の形態では、平均的角膜厚の角膜
表面位置と撮影光学系30の対物レンズ31Mに関して
共役な位置M2にマスク33を配置するものとして説明
したが、被検眼の角膜厚に応じた角膜表面位置と共役な
位置にマスク33を移動させる機構を設けることによ
り、さらに効率よく角膜表皮による反射光を遮断するこ
とが可能となる。
【0059】また、上記実施の形態では、1つのライン
センサ8によって合焦の検出と角膜Cの厚さを検出する
ようにしているが、独立したラインセンサを別途設けて
も構わない。
【0060】また、検出される角膜の表面反射と内皮細
胞の反射による信号のピークP1、P3の間隔からマス
ク33のスリット幅Lを自動的に調整するものとして説
明したが、そのピークP1、P3の間隔に基づいて検者
が手動で行うようにしてもよい。また、P1とP3間隔
から角膜厚を計測する方法として特開平6−32763
4が知られており、この値をモニター表示して検者に対
応するスリット幅を選択させても構わない。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の角膜内
皮細胞撮影装置により一層明瞭な角膜内皮細胞像を得る
ことができ、また、明瞭な撮影範囲を制限してしまうこ
とのなく広範囲に渡って角膜内皮細胞を撮影することが
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の角膜内皮細胞撮影装置の光学系の
平面配置構成の要部を示す図である。
【図2】 この発明の角膜内皮細胞撮影装置の光学系の
側面配置構成の要部を示す図である。
【図3】 角膜による反射状態の説明図である。
【図4】 モニター上に表示された被検眼の前眼部像を
示す説明図である。
【図5】 マスクの構成を示した正面図である。
【図6】 図5に示すマスクの側面図である。
【図7】 (a)(b)(c)は角膜の厚さに応じてマスクに
る角膜反射光の遮光状態を説明するための光学模式図で
ある。
【図8】 (a)(b)(c)は空中結像点にラインセンサを
配設した場合の角膜反射光の光量分布とそのラインセン
サの検出位置との関係を示すグラフである。
【図9】 (a)(b)(c)は角膜表面の共役位置にライン
センサを配設した場合の角膜反射光の光量分布とそのラ
インセンサの検出位置との関係を示すグラフである。
【図10】 ラインセンサと角膜内皮像との位置関係を
示した説明図である。
【図11】 モニターの画面に表示された被検眼の角膜
内皮細胞像を示す説明図である。
【符号の説明】
E…被検眼 C…角膜 20…角膜内皮細胞照明光学系 45…角膜内皮細胞像 30…角膜内皮細胞撮影光学系 33…マスク 33C…遮蔽板 33D…遮蔽板 33S…スリット L…スリット幅

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検眼の角膜に向けて斜めからスリッ
    ト光を照射するためのスリット光照射光学系と、前記角
    膜からの反射光を利用し角膜内皮細胞を結像させた後、
    像面に結像させた角膜内皮細胞像の撮影を行うための観
    察撮影光学系を有し、該観察撮影光学系に、角膜表面か
    らの反射光を遮断し角膜内皮細胞からの反射光を透過さ
    せるスリットを有するマスクを配置し、前記スリットの
    幅を可変にしたことを特徴とする角膜内皮細胞撮影装
    置。
  2. 【請求項2】 角膜からの反射光を検出する検出手段を
    設け、この検出手段により検出される信号に基づいて前
    記マスクのスリットの幅を変化させることを特徴とする
    請求項1の角膜内皮細胞撮影装置。
  3. 【請求項3】 角膜からの反射光を検出する検出手段を
    設け、この検出手段により検出される信号に基づいて、
    前記スリット照明光学系のスリットの幅を変化させるこ
    とを特徴とする請求項1の角膜内皮細胞撮影装置。
  4. 【請求項4】 角膜からの反射光を検出する検出手段を
    設け、この検出手段により検出される信号に基づいて、
    前記マスクのスリットの幅と、スリット照明光学系のス
    リットの幅を変化させることを特徴とする請求項1の角
    膜内皮細胞撮影装置。
JP7250971A 1995-09-28 1995-09-28 角膜内皮細胞撮影装置 Pending JPH0994228A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7250971A JPH0994228A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 角膜内皮細胞撮影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7250971A JPH0994228A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 角膜内皮細胞撮影装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0994228A true JPH0994228A (ja) 1997-04-08

Family

ID=17215757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7250971A Pending JPH0994228A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 角膜内皮細胞撮影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0994228A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5956123A (en) * 1997-07-10 1999-09-21 Konan Inc Apparatus for observing cornea for transplantation
JP2003010126A (ja) * 2001-06-29 2003-01-14 Konan Medical Inc 角膜細胞連続観察装置
JP2006095009A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Canon Inc 眼科画像撮影装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5956123A (en) * 1997-07-10 1999-09-21 Konan Inc Apparatus for observing cornea for transplantation
JP2003010126A (ja) * 2001-06-29 2003-01-14 Konan Medical Inc 角膜細胞連続観察装置
JP2006095009A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Canon Inc 眼科画像撮影装置
JP4636841B2 (ja) * 2004-09-29 2011-02-23 キヤノン株式会社 眼科画像撮影装置及び撮影方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7572009B2 (en) Method and apparatus for processing an eye fundus image
JP3533308B2 (ja) 眼科装置
JP4649229B2 (ja) 眼底カメラ
JP7302342B2 (ja) 眼底撮影装置
US20100283971A1 (en) Ophthalmic photography apparatus
US4989023A (en) Stereo type eye fundus camera
JP7376847B2 (ja) 眼底画像処理装置および眼底画像処理プログラム
JP3617705B2 (ja) 角膜内皮細胞撮影装置
JPH0994228A (ja) 角膜内皮細胞撮影装置
JP3599842B2 (ja) 角膜内皮細胞撮影装置
JP2005137584A (ja) 眼底カメラ
JP3305410B2 (ja) 眼科装置
JP7355194B2 (ja) 眼底撮影装置
JPH06154168A (ja) 眼科装置
JP7200516B2 (ja) 眼底撮影装置
JP7375323B2 (ja) 眼底撮影装置
JPH05245109A (ja) 眼底カメラ
US20240049962A1 (en) Ophthalmic apparatus and ophthalmic information processing apparatus
JP3684014B2 (ja) 眼科撮影装置
JP3226981B2 (ja) 角膜内皮細胞観察撮影装置
JP2937357B2 (ja) 眼底カメラ
JP2022112181A (ja) 眼撮影装置
JP3255240B2 (ja) 眼科装置
JPH07148116A (ja) 角膜細胞撮影装置
JPH05337087A (ja) 眼底撮影装置