JPH0993027A - ヘリカル・ループ型面界輻射アンテナとラジオ - Google Patents

ヘリカル・ループ型面界輻射アンテナとラジオ

Info

Publication number
JPH0993027A
JPH0993027A JP24628295A JP24628295A JPH0993027A JP H0993027 A JPH0993027 A JP H0993027A JP 24628295 A JP24628295 A JP 24628295A JP 24628295 A JP24628295 A JP 24628295A JP H0993027 A JPH0993027 A JP H0993027A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
loop
power feeding
core material
radio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24628295A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Yamamoto
清志 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
F II C KK
SOUDAI KK
Original Assignee
F II C KK
SOUDAI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by F II C KK, SOUDAI KK filed Critical F II C KK
Priority to JP24628295A priority Critical patent/JPH0993027A/ja
Priority to TW085102883A priority patent/TW350155B/zh
Publication of JPH0993027A publication Critical patent/JPH0993027A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Details Of Aerials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率を低下させずに方形ループアンテナを大
幅に短縮し且つ分布定数型定在波型アンテナとして充分
な電波の発射を可能ならしめる。 【解決手段】 長方形枠型の縦横長の比率が1対2から
1対3に設定された導電心材1の外郭へコイルエレメン
ト2を形成し、心材1の両長辺3,3の同じ側の端部よ
り3分の1から4分の1の箇所にコイルエレメント2の
給電点4,4を心材1と絶縁して配置したヘリカル・ル
ープ型面界輻射アンテナと、前記コイルエレメント2と
心材1の間に絶縁物を介在し、コイルエレメント2の給
電点4,4とほぼ同じ箇所に心材1と導通する給電点
5,5を取ったアンテナと、2つのチューナー6,7へ
個別に接続されたアンテナ8,9を有し、各チューナー
6,7の出力を各々異なるイコライザー10,11に接
続し、その出力を各々異なる増幅手段12,13を介し
てスピーカー14に接続して成るラジオ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線アンテナ素子
及びラジオに関する。
【0002】
【従来の技術】アンテナの全長は形状種別にかかわら
ず、使用周波数で決まる波長に応じて規定されるが、波
長の長い長波、中波、短波ではアンテナ素子の全長が長
くなるために、アンテナ素子に対して占有面積の縮小に
有効な何等かの短縮措置を施す必要があった。只、短縮
化を達成するに際しては、短縮後のアンテナの電気的特
性についても従前通り送受信機との電気的整合をとらな
ければならない。そこで、リアクタンスコイルを付加し
たり、アンテナチューナーを付加する等の措置が採られ
ているが、その結果若干のエネルギーロスは避けられな
い実情にあった。
【0003】そのため、一般的にHF帯は、移動体用の
無線通信には使用されず、小型のループアンテナ、又は
フェライトバーにコイルを巻き付けたアンテナを用いた
中波受信が行われていた。しかしながら、ループアンテ
ナを送信用として用いることは一般的ではないし、線状
のアンテナにあっては、開口面積が小さいために短縮措
置によって効率の劣化が表面化しやすいという問題があ
った。
【0004】一方、導電材料を素材とする枠型エレメン
トの長辺と短辺の比率が1対2から1対3の長方形枠型
ループアンテナで、各長辺の同じ側の端部から4分の1
の箇所に給電点を設けた面界輻射アンテナは、定在波型
(共振型)アンテナとして使用することができ、電波の
発射が可能なアンテナの一つである。このアンテナの最
も大きな特徴は、実効開口面積が大きいので効率(利
得)性が良く、単独使用で4素子八木アンテナ相当の実
用感度を有する点である。従って、HF、MF帯で使用
するアンテナについて短縮措置を施した場合でも損失は
標準ダイポール、垂直アンテナと比べて表面化しないと
考えられる。しかし実際には、この面界輻射型アンテナ
のエレメント長辺の中間部にセンターローディングコイ
ルを付加したとしても実用効果を発揮するレベルにまで
縮小することは困難であった。
【0005】短縮措置の必要性を示す実例を挙げると、
例えば、今日、ラジオや低出力電波を利用するハンディ
ー・トランシーバーにあっては、フェライトバーアンテ
ナがAM(中波)用として実用的にほぼ問題の無い内蔵
アンテナとして広く利用されている。一方、FM(VH
F)及び短波(HF)帯で一般的に用いられるロッドア
ンテナについては、諸般の事情により外部伸縮形式とし
て構成する必要があるが、長く伸ばした状態にあるロッ
ドアンテナは破損し易く、破損したロッドアンテナは、
その断面が先鋭であるために使用者に危害を及ぼす危険
性がある。自動車用ラジオについても同様で、車外にお
いてある程度の長さに伸ばして使用しなければならな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のごとく、長波、
中波、短波等、波長の長い電波用のアンテナの機能を低
下させずして効果的な短縮措置を施すことが従来の課題
とされ、用途によっては送信にも利用できるアンテナが
強く望まれていた。
【0007】本発明は上記実情に鑑みて成されたもの
で、効率性をあまり低下させずして長方形枠型ループア
ンテナに対して大幅な短縮措置を可能にさせ、且つ高利
得にして小さなサイズをもって構成でき、必要用途によ
って分布定数型定在波型アンテナとして充分な強度の電
波の発射が可能なアンテナの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明によるヘリカル・ループ型面界輻射アンテナは、縦横
長の比率が1対2から1対3の長方形枠型の導電素材よ
り成る心材に金属導線を螺旋状に巻き付けて成るコイル
エレメントを形成し、心材の両長辺の同じ側の端部より
3分の1から4分の1の箇所に金属導線に導通する給電
点を、心材との電気的絶縁を確保して配置したことを特
徴とする。又、前記コイルエレメントと心材との間に絶
縁物を介在し、心材の両長辺上の同じ側の端部より3分
の1から4分の1の箇所に心材と導通する給電点を取っ
て、同一の平面上に中、短波帯を利用するAM受信機能
とVHF波帯及びUHF波帯を利用するFM受信機能を
並存させる場合もある。
【0009】更に、上記アンテナの特性をラジオに利用
する場合には、2個のヘリカル・ループ型面界輻射アン
テナを短波受信用として個々のチューナーに接続し、各
チューナーに異なる音域を強調すべく調整されたイコラ
イザーを各々接続し、それぞれの出力を増幅手段を介し
てスピーカーに接続しても良い。
【0010】本発明によるヘリカル・ループアンテナに
おいては、基本的なループ型面界輻射アンテナ(短辺と
長辺の長さの比率が1対2から1対3で長辺が2分の1
波長であり、長辺の4分の1の箇所に給電点を有するア
ンテナ)同様の動作原理を有し、短辺と長辺の長さの比
率は、受信専用では1対2前後、送信可能とする場合に
は1対3が好適である。又、これを最大効率で使用する
場合には、基本的なループ型面界輻射アンテナと同様
に、共振状態でスロットアンテナと似通った原理特性を
持ち、ほぼ充分な偏波ダイバーシティー特性を有する。
【0011】長辺近傍に形成した給電点を境として大小
2つのループが形成され、大ループがアンテナ電気特性
のC成分を、小ループがL成分を分布定数的に構成す
る。この大小2個のループの開口面積を適当な比率に調
節することによってインピーダンスが安定し、実効開口
面積の大きな高利得的で、送、受信両用のほぼ完全な可
逆性が確立し、元来S/N比の優れたループ型面界輻射
アンテナの様々な長所を活かしつつその占有スペースの
大幅な節約を可能にするものである。即ち、螺旋状のコ
イルエレメントを設ける方法で全長を短縮しつつ、必要
なリアクタンス成分を全周囲に亘って付加することで、
容易かつ確実に短縮化と広帯域化を併せて達成するもの
である。
【0012】この様に、本発明によるヘリカル・ループ
型面界輻射アンテナは、ヘリカル・コイルアンテナ同
様、高周波電流が作用した際にリアクタンス成分が狭い
スペース内で増大する為にアンテナの中心周波数が低下
し、大幅な短縮効果が生じることとなる。
【0013】上記アンテナを基本として更に短波エレメ
ントを付加した複合構造とし、使用バンドの切換えによ
って、同一空間上に充分な利得を有したAM、FM両バ
ンドを受信し得る機能を並存させたものが請求項2のア
ンテナである。このアンテナにおけるコイルエレメント
の高周波リアクタンス効果の度合いは、コイルの巻数と
心材の太さ等に依存し、同一サイズで様々な電気的特性
(最大効率の周波数、使用帯域)を規定することができ
る。しかも、このアンテナのインピーダンスは75オー
ム前後に広帯域に亘って安定し、従来のループアンテナ
のようなインピーダンスの不安定さに悩まされることは
ない。
【0014】又、電気的に絶縁され直接的接触のない枠
型エレメント(心材)とのヘリカル・コイル状のコイル
エレメントの間に相互誘導作用が生じ、お互いに利得を
損なうことなく大幅な中心周波数の降下作用と使用可能
帯域幅の拡大作用が生じる結果、エレメントの大幅な縮
小が可能となる。心材の素材としてフェライトを使用し
たときは、電波の吸収性を向上させることができるが、
他方ではアンテナの内部雑音の発生率も高くなるので、
アルミニウム或いは銅を管状または扁形状として利用す
ることが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるヘリカル・ル
ープ型面界輻射アンテナの実施形態を図面に基づき詳細
に説明する。図1はその基本構成を示す概念図である。
実施形態としては、短辺15と長辺3の長さの比が1対
2から1対3の長方形枠型ループ状の心材1に、コイル
エレメント2を構成する金属導電線を螺旋状に巻き付
け、両長辺3,3上の同じ側の端部から4分の1の箇所
に給電点4,4を取り、該給電点4,4をもって全開口
面を面積比3対1に分割して成る大ループ16及び小ル
ープ17の共通給電点とする。そして、該共通給電点に
つながる統合給電端子18,18を両ループの境界とな
る絶縁部材19上に形成し、該統合給電端子18,18
から給電線20を伸ばし送信機や受信機に結合する。従
って、本アンテナは、コイルエレメント2を付設した大
小2つのループ型面界輻射アンテナが同一平面上に並設
されたものとほぼ等価な状態にあると言える。
【0016】
【実施例】以下、上記実施形態を基本とする実施例を図
面に基づき説明する。図2と図3は全方向用のシステム
アンテナとして構成した第1、第2の実施例である。図
2は垂直偏波全方向システムアンテナ、図3は水平偏波
システムアンテナである。この実施例にあっては一般的
なループ型面界輻射アンテナに比べてアンテナ素子のサ
イズを数10分の1にまで短縮でき、全方向に中波、短
波帯電波の送出を可能にしたものである。殊に図3の水
平偏波全方向システムアンテナは、位相差給電方式によ
り一定エリアに放送伝達する場合に有効である。
【0017】図4は、前記ヘリカル・ループ型面界輻射
アンテナを、60度から120度に亘って開放角を調節
し得るコーナーレフレクター21の根元近傍に配設し、
鋭い単方向の指向性アンテナとしてビーム状の電波の放
射を可能とした第3の実施例で、受信側との距離を問わ
ない良好な偏波整合性をもって、15dB以上の利得性
をもたせるべく、可変指向性レベル性能と偏波ダイバー
シティーを付加させることをねらって構成したものであ
る。
【0018】コーナーレフレクターと連係させることで
磁界波動エネルギーを効果的に利用し、利得の向上のみ
ならず基本周波数の上下10倍近い広帯域での利用を可
能にできるが、このように面界輻射アンテナを利用した
場合は、線状アンテナとコーナーレフレクターを連係さ
せる場合に問題となるサイドローブの発生が抑制される
という利点がある。
【0019】図5は、第4の実施例で、本発明によるア
ンテナ2枚を、ほぼ同一平面上で小ループ側の付根の部
分を基準として90度回転させた状態に絶縁物又は空間
をおいてL字状に固定し、垂直成分および、水平成分の
電界出力の合成(ダイバーシティー)機能を持たせ、見
通し距離外のVHF、UHF通信(TV受信を含む)の
場合で高忠実再生能力の発揮を意図したものである。
【0020】図6は、本発明によるアンテナを緩やかな
指向性を持つ複合ループアンテナとして構成した第5の
実施例で、2枚のアンテナを、心材1の短辺15と平行
な軸をもって90度開いた状態に配設し、付根同士の距
離を長辺全体の4分の1長離隔し絶縁支持部材22で支
えた複合アンテナである。全範囲にわたって緩やかなハ
ート型(カーヂオイド型)を呈する水平面のビームパタ
ーンを有し、有害なサイドローブを持たない広帯域受信
特性を有するアンテナとしたものである。
【0021】図7は、スペースダイバーシティー効果を
狙った第6の実施例で、本発明によるアンテナを縦に離
隔し且つ平行に配設することによって、設定通信経路の
S/N比を向上させ、HF、VHF、UHF波帯での利
用を意図するものである。
【0022】図8は、心材の長辺3と短辺15の長さの
比率(アスペクト比率)が異なるアンテナを複数並設
し、受信専用用途として構成した第7の実施例である。
長辺3の長さが異なる本発明によるアンテナを複数並設
することによって、これは、周波数対数周期配列形式
(ロガリズム・ペリオディック・アンテナ・システム)
と呼ばれ、比較的小さなスペースでチャンネル波帯の変
更に関わらず、基本的周波数に関して最適の受信状態を
絶えず確保することを可能にするものである。
【0023】以下、従来より多用されてきた標準ダイポ
ールアンテナ又はバーチカル・ロッドアンテナ等線状ア
ンテナと比較した本発明によるヘリカル・ループ型面界
輻射アンテナの長所を記す。本発明によるアンテナは、
高利得特性を損なわずして大幅な短縮措置を施すことが
可能であり、中波短波といった長い波長を持つ電波の受
信のみならず、送信可能な(非共振、共振型兼用)広帯
域アンテナを小さなサイズで容易に構築することができ
る。
【0024】又、HF波帯で顕著に生じる通信障害であ
るところのフェーヂング現象に対する有効な軽減対策と
しては、空間ダイバーシティー、偏波ダイバーシティ
ー、周波数ダイバーシティーといった軽減措置を容易に
採用することができる。本発明のアンテナにおけるルー
プアンテナとしての構造が、偏波ダイバーシティー性を
奏する要因となり、短周期の偏波性フェーヂーング現象
は、定在波型アンテナの大幅な縮小化で可能となった複
数のアンテナの並設によって容易に解決することができ
る。又、無線通信のディジタル化に対応した対数周期性
の利用によってもアンテナの極小化を達成し得る。
【0025】上記実施例に関連し、例えば短波放送は、
電離層の反射を利用して比較的小出力にして遠方へのラ
ジオ放送を可能にするもので、通例複数の波帯、周波数
を利用して送信が行われている。これを受信する聴取者
は、受信状況の良い周波数を選出して聴取するのが一般
的であるが、前記の如く電離層反射波を利用する関係
で、聴取者は、ノイズ、フェーヂング、空中状態の悪化
など短波放送固有の伝搬障害によって起こる放送の中断
に絶えず悩まされる。これは、電波が何度も地上と電離
層とを往復することによって複数の伝搬経路が形成さ
れ、到達する電波が干渉しあうためであり、周期的にゲ
インが変動し、更に空電ノイズ加わる等の症状が現れた
結果である。今日、短波放送を忠実に再生すべく何等か
の改善が要求されているところであるが、未だに充分な
対策が確立されていないのが現状である。
【0026】そこで、本発明によるヘリカル・ループ型
面界輻射アンテナを利用し、短波放送の忠実な再生を実
現しようとしたものが図9に示すものを一例とした本発
明によるラジオである。以下、この実施形態を図面に基
づき説明する。このラジオは、受信機内に、個々のチュ
ーナー6,7に接続されたヘリカル・ループ型面界輻射
アンテナ8,9を短波受信用として2つ配設し、各々に
音質を調整するイコライザー(フィルターを含む)1
0,11を接続し、各々増幅手段12,13を介してス
ピーカー14,14に接続したものである。
【0027】このラジオに使用したヘリカル・ループ型
面界輻射アンテナ8,9は、HF帯の全バンドをカバー
すべくアルミや銅など導電素材より成る10cm×15
cmサイズの方形ループ状心材1の外郭に、全周囲に亘
って導電線を150から200回巻き付けて成るコイル
エレメント2を形成し、それによって広帯域性能と立体
的な全方向特性を有するアンテナとしたものである。
【0028】この実施形態は、図9のごとく開閉可能な
本体23の上蓋24を反射板として揺動自在に支持し、
更に、その下に位置する天板25を、上蓋24と対を成
す反射板として構成し、両者の開放角を60度から90
度の範囲で調節可能に構成して成るコーナーレフレクタ
ーを有する。両反射板の間に挟まれた空間には、前記本
発明によるヘリカル・ループ型面界輻射アンテナ8,9
が2つ並べて支持されるが、両アンテナ8,9にて得ら
れた高周波電流は、それぞれの受信チューナー6,7に
導かれ、それらの電気回路で分離された低周波音声電流
はノイズフィルターを兼ねる2つの音質調整用イコライ
ザー10,11にそれぞれ供給される。一方のイコライ
ザー10は低周波数の音声信号を強調して出力し、他方
のイコライザー11は高周波数の音声信号を強調して出
力し、それらの音声信号電流を更に個々の増幅手段1
2,13を経て増幅し、個々のスピーカー14,14を
介し音声として再生する。
【0029】このラジオでは、2つのアンテ8,9ナを
少し距離をおいた状態で個々に利用するので、たとえ同
一周波数を使用した場合であってもスペースダイバーシ
ティー効果で相互補完性が生じ、しかも、同時に2つの
チューナー6,7を使用する周波数ダイバーシティー方
式の受信方式を採用しているので、長周期のフェーヂン
グが軽減され受信中断はほとんど発生しなくなる。又、
短波放送に生じ易い継続した一定レベルの低周波ノイズ
については、ノイズフィルター機能を兼ねたイコライザ
ー10,11の使用で大まかに除去されるし、ハイファ
イステレオと類似した方法で音声信号を再生した場合に
は立体感の在る音響をも得ることができる。
【0030】言うまでもなく、このラジオは、ループア
ンテナの使用により享受すべき、電波の到来方向と電界
の作用方向が目まぐるしく変動する偏波性フェーヂング
の軽減効果と、電離層反射の際の偏波面の3次元的回転
によって起きる短い周期のフェーヂングを軽減する効果
をも合せ持ち、これらの相乗効果により、このラジオに
よれば、ゲインの変動やノイズが軽減され原音に近い再
生が可能となる。元来このアンテナは受信時において磁
界波動を主体として利用するので電界波動の微少な変動
やノイズには鈍感で、周辺機器や受信回路の自己発振に
よって起きる電界ノイズをひろいにくいという長所を有
する。尚、前記実施形態は、各アンプの出力をボリュー
ムにて手動調節する形態を採っているが、各増幅手段1
2,13の出力から各チューナー6,7の選局状況に応
じて選局状態の良い部分を自動的に選択して合成する制
御手段26を設けても良い。
【0031】次に、本発明によるヘリカル・ループ型面
界輻射アンテナの第2の実施形態について図11に基づ
き説明する。このアンテナは、導電素材より成る縦横長
の比率が1対2から1対3の長方形枠型の心材1に、金
属導線を螺旋状に巻き付けて成るコイルエレメント2を
形成し、心材1の両長辺3,3の同じ側の端部より3分
の1から4分の1の箇所に絶縁部材19を設け、その絶
縁部材19に、コイルエレメント2の金属導線と導通
し、心材1との電気的絶縁を確保した給電点4,4を固
定し、同じく、心材1の両長辺3,3の同じ側の端部よ
り3分の1から4分の1の箇所に、心材1と導通する給
電点5,5であるところの給電接触子27,27を設け
て枠型エレメント28と成し、更に、コイルエレメント
2を形成する金属導線に絶縁性の外皮を被着して枠型エ
レメント28とコイルエレメント2との電気的絶縁を確
保したものである。
【0032】このアンテナは、2つ以上の大きく掛け離
れたバンドをカバーする独立したエレメント28,2を
一つのアンテナとして構成したものであるが、その結果
一方の側の感度特性を犠牲にすることもなく、一つのア
ンテナにして2つの独立した機能特性を持たせる事がで
きる。又、限られた小さなスペースにして高利得性能
(感度)が得られるので受信機本体への内蔵化が可能で
あり、その指向特性は、通常のループアンテナに見られ
るような8の字特性より更に緩やかなカーブを描き、3
次元的(立体的)にもほぼ無指向性となるので、方向に
応じて感度が大きく減少することもない。又、このアン
テナは、電波の磁界波動エネルギーと電界波動エネルギ
ーの双方を活用できるので、エネルギー効率を向上させ
た結果、高利得にして広帯域のアンテナが提供されるこ
ととなる。
【0033】その上、コイルエレメント2のコイルリア
クタンス効果の度合いを自在に設定でき使用波帯や中心
周波数の設定を分布定数的方法で加減でき、アンテナの
サイズをほぼ一定に保ちつつ各種の機能に応じてバリエ
ーションを持たすことができる。更に、本発明の基本と
なっている面界輻射アンテナは、元来広帯域受信性能が
あり、偏波特性もダイバーシティー性を持つので地形的
な悪条件に強く、その他、2つのエレメント2,28の
相互作用によって生じる高感度性と広帯域性には特に優
れたものがある。その上、このアンテナは残留磁気によ
るヒステルシス現象による悪影響が少なく、その結果S
/N比を悪化せずアンテナの大幅な短縮化を可能にし得
る。
【0034】以上の如く本アンテナは、ラジオ受信機や
ラジオカセットレコーダーの受信機の構成部品として
は、設計、制作上のみならず量産上において最適なもの
であり、安全面についても、ロッドアンテナを外部に張
り出したり受信機本体外に設置する必要がない為、ロッ
ドアンテナの破損やそれによる使用者の負傷を無くす事
ができるという有利な点を有している。
【0035】
【発明の効果】以上のごとく請求項1記載のヘリカル・
ループ型面界輻射アンテナを使用すれば、短縮措置のな
いループ型面界輻射アンテナを利用した様々な用途で奏
する効果を、長波、中波、短波帯に対しても同様に具現
化することができる。具体的には特に強力な指向性を利
用できる点にあり、例えば、長波帯利用の水中無線機器
システムに利用してその重要な構成要素として到達範囲
を拡大することもできるし、中波帯等利用の海上船舶等
では、主に大地又は海水面の表面上に沿う地表波により
モールス又はNBDP(狭帯域印刷電信)を利用する際
にも、必然的に長大な線状アンテナを張る必要がなくな
る。
【0036】VHF波帯やUHF波帯を利用する際にア
ンテナを縮小化した場合には、海上船舶、航空機のアン
テナとして、厳しい風雪環境に対する対策を容易にする
ことができるし、海上船舶で多用される極大きい中、短
波用電波探知機のサイズを大幅に縮小することができ
る。更に、HF波帯に利用した場合は最もその効果が顕
著で、殊に受信専用アンテナとして利用した場合は、そ
のサイズを縮小するのみならず、フェーヂングやノイズ
が少なく忠実度の高い再生音を得ることができ、ラジオ
放送受信機の内蔵アンテナとして、室内や移動体内で受
信する場合に極めて高い効果を奏するものである。
【0037】このアンテナを地底探査レーダーの送受信
エレメントに活用した場合には、地下到達距離が伸び、
資源探査や国土管理に活用できる他、陸上、海上の移動
体に利用した場合には、短縮された面界輻射素子を車両
のリアウインドーに固着することにより、線状物を外部
に張り出す必要がなくなる。又、短縮措置を施したアン
テナは保安検知装置等にも充分利用価値があり、生産現
場においても、自動制御、遠隔管理操作システムの重要
な構成要素となり得る。
【0038】以上のごとく本発明はあらゆる波帯に利用
でき、しかも、利得性を犠牲にすることなく、アンテナ
本体のサイズを大幅に縮小することができるので、非常
に幅広い用途が有る。よって、陸上、海上、航空、民
間、公的用途を問わず、又、送信、受信、移動体内、屋
内を問わず、量質両面で人類の無線利用を発展させるこ
とができる。
【0039】一方、FM、AM兼用とした請求項2記載
のヘリカル・ループ型面界輻射アンテナを使用すれば、
移動体のアンテナとして外装または窓際に平板状に張り
つけて充分な感度を得ることができるし、HF帯又は、
U、VHF波帯を利用する各種の携帯通信機に採用すれ
ば、機器の外側に張り出して設置するロッド(ホイッ
プ)等、線状のアンテナが有する様々な問題を解消する
ことができる他、ワイヤレス電話、マイクロホン等、微
弱出力の電波を利用する機器の構成要素としても利用で
きる。
【0040】即ち、従来普遍的に用いられてきた線状の
アンテナ具備する電波利用機器(ラジオ、ラジカセ、カ
ーラジオ)の外部に張り出したアンテナを取り払い、機
器内部または外装表面の小さな占有スペースを利用して
面界輻射アンテナを配設すれば、ラジオ受信機や小出力
の送信電波を利用する機器等を一層広い用途で安全に使
用することができる。例えば、ラジオコントロール(機
器の遠隔無線操作)に用いて、送信、受信共にアンテナ
スペースを大幅に縮小すれば、オートメーションの構築
に極めて有利であるし、このアンテナを機器外部に追加
的に配設し、反射板内に設置して指向性アンテナとして
使用すれば、小出力にして通信到達性能を大幅に高める
ことができる。この結果は、HF帯での超遠距離高感度
アンテナとしての利用で特に顕著に現れる。
【0041】以上、周波数、空間(スペース)、偏波ダ
イバーシティーといった高周波対策とノイズの濾過、空
間マトリックス効果を含む低周波的対策の総合的な対策
は、短波放送の受信に特有のノイズ、フェーヂング、放
送中断といった宿命的且つ恒常的な伝搬障害を根本的に
解決し、一経路の受信状況がほぼ良好である限り国内の
中波放送並に受信状況を改善し、短波放送を有効な大衆
的放送手段として活用する途を開くものである。
【0042】即ち、本発明によるヘリカル・ループ型面
界輻射アンテナを利用した本発明によるラジオを使用す
れば、国内における衛星以外の方法としては唯一の広域
の放送可能メディアとして短波放送の利用が促進され、
気象災害情報、スポーツ、証券取引情報を全国一斉規模
で放送することができる。そして、SSTVメディアと
連係することにより、広範囲でTV並びに音声を利用す
ることが可能となる。その結果、海外旅行をする人にと
っては自国放送の受信が一層容易となり、外国人居留者
にとっては、祖国の放送を受信することが一層容易とな
る。又、近燐諸国の放送を常時受信することにより、電
波的方法による調査、分析が一層容易となり、文化、言
語の学習研究等に寄与するばかりか、外国の放送、通信
を傍受し報道通信、防衛、公安行政に生かす行政上の活
動にも効を奏し、国境を超越した情報網を確立すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態の一例を示す正面
図である。
【図2】第1の実施形態の第1の実施例を示す斜視図で
ある。
【図3】第1の実施形態の第2の実施例を示す斜視図で
ある。
【図4】第1の実施形態の第3の実施例を示す斜視図で
ある。
【図5】第1の実施形態の第4の実施例を示す正面図で
ある。
【図6】第1の実施形態の第5の実施例を示す斜視図で
ある。
【図7】第1の実施形態の第6の実施例を示す正面図で
ある。
【図8】第1の実施形態の第7の実施例を示す正面図で
ある。
【図9】本発明によるラジオの一例を示す斜視図であ
る。
【図10】本発明によるラジオのブロック図である。
【図11】本発明による第2の実施形態の一例を示す正
面図である。
【符号の説明】
1 心材 2 コイルエレメント 3 長辺 4,5 給電点 6,7 チューナー 8,9 アンテナ 10,11 イコライザー 12,13 増幅手段 14 スピーカー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長方形枠型の縦横長の比率が1対2から
    1対3に設定された導電素材より成る心材(1)に金属
    導線を螺旋状に巻き付けて成るコイルエレメント(2)
    を形成し、心材(1)の両長辺(3,3)の同じ側の端
    部より3分の1から4分の1の箇所に金属導線に導通す
    る給電点(4,4)を、心材(1)との電気的絶縁を確
    保して配置したことを特徴とするヘリカル・ループ型面
    界輻射アンテナ。
  2. 【請求項2】 前記コイルエレメント(2)と心材
    (1)と間に絶縁物を介在し、心材(1)の両長辺
    (3,3)上の同じ側の端部より3分の1から4分の1
    の箇所に心材(1)と導通する給電点(5,5)を取っ
    たことを特徴とする請求項1記載のヘリカル・ループ型
    面界輻射アンテナ。
  3. 【請求項3】 個々のチューナー(6,7)に接続され
    た短波受信用アンテナ(8,9)を2つ並設し、各チュ
    ーナー(6,7)の出力を各々異なるイコライザー(1
    0,11)に接続し、各イコライザー(10,11)の
    出力を各々異なる増幅手段(12,13)を介してスピ
    ーカー(14)に接続して成り、前記短波受信用アンテ
    ナ(8,9)に請求項1記載のヘリカル・ループ型面界
    輻射アンテナを使用したことを特徴とするラジオ。
JP24628295A 1995-09-25 1995-09-25 ヘリカル・ループ型面界輻射アンテナとラジオ Pending JPH0993027A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24628295A JPH0993027A (ja) 1995-09-25 1995-09-25 ヘリカル・ループ型面界輻射アンテナとラジオ
TW085102883A TW350155B (en) 1995-09-25 1996-03-09 A loop-type face radiation antenna

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24628295A JPH0993027A (ja) 1995-09-25 1995-09-25 ヘリカル・ループ型面界輻射アンテナとラジオ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0993027A true JPH0993027A (ja) 1997-04-04

Family

ID=17146231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24628295A Pending JPH0993027A (ja) 1995-09-25 1995-09-25 ヘリカル・ループ型面界輻射アンテナとラジオ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPH0993027A (ja)
TW (1) TW350155B (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5877345A (en) * 1997-02-07 1999-03-02 Rohm And Haas Company Process for producing butyl acrylate
JP2010141688A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Dx Antenna Co Ltd アンテナ
US8426640B2 (en) 2008-04-27 2013-04-23 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for producing acrylic acid, and method for producing hydrophilic resin and method for producing water-absorbing resin using production method thereof
RU2601527C2 (ru) * 2014-12-15 2016-11-10 Самсунг Электроникс Ко., Лтд. Монопольная антенна с замкнутым сердечником для мобильного применения

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5877345A (en) * 1997-02-07 1999-03-02 Rohm And Haas Company Process for producing butyl acrylate
US5990343A (en) * 1997-02-07 1999-11-23 Rohm And Haas Company Process for producing butyl acrylate
US6180819B1 (en) * 1997-02-07 2001-01-30 Rohm And Haas Company Process for producing butyl acrylate
US8426640B2 (en) 2008-04-27 2013-04-23 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for producing acrylic acid, and method for producing hydrophilic resin and method for producing water-absorbing resin using production method thereof
JP2010141688A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Dx Antenna Co Ltd アンテナ
RU2601527C2 (ru) * 2014-12-15 2016-11-10 Самсунг Электроникс Ко., Лтд. Монопольная антенна с замкнутым сердечником для мобильного применения

Also Published As

Publication number Publication date
TW350155B (en) 1999-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6054963A (en) Folded bow-tie antenna
US5317327A (en) Composite antenna for receiving signals transmitted simultaneously via satellite and by terrestrial stations, in particular for receiving digital audio broadcasting radio signals
US7821463B2 (en) Mobile telephone with broadcast receiving element
EP2342830B1 (en) Multi-band wireless repeaters
EP0954050A1 (en) Antennas for use in portable communications devices
US20080165072A1 (en) High gain antenna and magnetic preamplifier
WO2001067554A1 (fr) Antenne a dipoles en croix et antenne composite
US9490544B2 (en) Wideband high gain antenna
Sushko et al. Symmetrically fed 1–10 GHz log-periodic dipole antenna array feed for reflector antennas
JPH07504795A (ja) 無線回路用アンテナ構造体およびその方法
US9608336B1 (en) Radial-free collinear omni-directional triband half wavelength antenna with virtual ground, single coaxial cable feedpoint, and with minimal interaction of adjustment between bands
US6046700A (en) Antenna arrangement
US4611214A (en) Tactical high frequency array antennas
JPH06204908A (ja) 無線機用アンテナ
WO1998018177A1 (en) Stacked microstrip antenna for wireless communication
JPH0993027A (ja) ヘリカル・ループ型面界輻射アンテナとラジオ
Scholz et al. Basic antenna principles for mobile communications
US3235805A (en) Omnipole antenna
US8912967B2 (en) Wideband high gain antenna for multiband employment
JPH0974310A (ja) 指向性アンテナと中継システム用エリアコントロールアンテナと遠距離通信システムとセキュリティーシステム
JPH09307327A (ja) 棒状アンテナおよびアンテナ装置
EP0386255A1 (en) Active antenna
JPS6257123B2 (ja)
JPH09284028A (ja) 平面輻射アンテナ素子とそれを利用したアンテナ
JP2867205B2 (ja) Vhf及びuhf共用アンテナ

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20040318

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

A977 Report on retrieval

Effective date: 20040528

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040706

A02 Decision of refusal

Effective date: 20041124

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02