JPH099181A - 映像信号処理装置 - Google Patents

映像信号処理装置

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Publication number
JPH099181A
JPH099181A JP17822395A JP17822395A JPH099181A JP H099181 A JPH099181 A JP H099181A JP 17822395 A JP17822395 A JP 17822395A JP 17822395 A JP17822395 A JP 17822395A JP H099181 A JPH099181 A JP H099181A
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JP
Japan
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signal
video signal
ray tube
electrode
grid electrode
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Application number
JP17822395A
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English (en)
Inventor
Yoshio Seki
喜夫 関
Susumu Tsujihara
進 辻原
Yasunori Inoue
育徳 井上
Mitsuo Isobe
三男 磯邉
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広帯域で高色度安定及び高忠実な画像を実現
できる映像信号処理装置を提供すること。 【構成】 映像信号を重畳部5に与え、BRT基準信号
と中間基準レベル信号を重畳する。この信号を増幅部6
に与えBLK信号を付加して増幅し、陰極線管のカソー
ド電極33に印加する。このとき電流検出部9で基準信
号の電流値を検出し、その信号をG1電圧制御部12と
G2電圧制御部16に与える。クランプ回路13はG1
電圧制御部12のカットオフ制御信号で正極性の映像信
号の直流再生を行い、第1グリッド電極34に印加す
る。G2電圧制御部16は発光特性を制御する信号を第
2グリッド電極44に印加する。こうすると色度変化の
ない広帯域の映像が表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーテレビジョン受
像機の映像信号処理に関し、広帯域で高安定で高忠実な
画像を表示する映像信号処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の陰極線管駆動装置および映像信号
処理装置において、陰極線管のカソード電極とグリッド
電極に映像信号を印加し、小振幅で広帯域化と高輝度化
を実現する駆動方法として、「CRT用ビデオ駆動回
路」が特開平3−167965号公報に提案されてい
る。また映像信号の帰線期間に重畳した各種の基準信号
を検出して帰還制御を行うことにより、安定で高精度の
画像調整を行う方法として、「画像調整装置」が特開昭
61−6985号公報に提案されている。
【0003】図17は従来の陰極線管駆動装置の構成例
を示すブロック図である。本図において、映像信号は入
力端子INを介して反転増幅器117と非反転増幅器1
19とに入力される。ビデオ出力増幅器121は反転増
幅器117の出力信号を増幅して陰極線管127のグリ
ッド電極147に与える回路である。ビデオ出力増幅器
123は非反転増幅器119の出力信号を増幅して陰極
線管127のカソード電極163に与える回路である。
ビデオ出力増幅器121、123は例えばカスコードア
ンプで構成されている。
【0004】反転増幅器117と非反転増幅器119
は、入力端子INに供給される映像信号を用いて互いに
逆極性の映像信号を作成する。ビデオ出力増幅器121
は、正極性のビデオ出力信号を陰極線管を駆動できるレ
ベルまで増幅し、グリッド電極147に印加する。また
ビデオ出力増幅器123は、負極性のビデオ出力信号を
陰極線管を駆動できるレベルまで増幅し、カソード電極
163に印加する。このように両極性のビデオ出力信号
をカソード電極とグリッド電極に同時に印加して陰極線
管を駆動するようにしている。こうすると小振幅で映像
信号を入力でき、広帯域化と高輝度化が可能な並列駆動
方式による陰極線管駆動装置が実現できる。
【0005】図18は従来の映像信号処理装置の基本構
成を示すブロック図である。図18に示すように映像信
号処理装置は混合器202、利得調整回路205、サン
プルホールド回路(S/H回路)206、212、比較
器208、214、ビデオ出力アンプ210を含んで構
成される。
【0006】入力端子201より混合器202にビデオ
信号が、入力端子203よりコントラスト調整用パルス
が、入力端子204より輝度調整用パルスがそれぞれ与
えられる。混合器202はビデオ信号の帰線期間にコン
トラスト調整用パルスと輝度調整用パルスを混合する。
利得調整回路205に対してサンプルホールド回路(S
/H回路)206と比較器208とでコントラスト帰還
制御ループが構成されている。利得調整回路205は混
合器202で各種パルスが混合されたビデオ信号を入力
し、コントラスト調整用パルスを検出して利得調整をす
る。
【0007】ビデオ出力アンプ210は、利得調整回路
205で利得調整した信号を陰極線管211が駆動でき
るレベルまで増幅し、ビデオ出力信号をカソード電極に
印加する。ビデオ出力アンプ210とサンプルホールド
回路212と比較器214とは輝度帰還制御ループを構
成している。これらの回路は、輝度調整用パルスのビー
ム電流を検出してその値が常に一定電流となるように、
陰極線管211のグリッド電極の直流電位を制御するこ
とによりカットオフ調整を行う。
【0008】以上のように、コントラスト調整用パルス
と輝度調整用パルスの電圧値を常にそれぞれの基準電圧
に固定するように帰還制御することで、安定なコントラ
スト及びカットオフの制御をすることができる。こうし
て安定な映像信号処理装置を実現できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
において、カソード電極とグリッド電極の並列駆動を行
うことにより広帯域化・低消費電力化・小型化が容易に
実現できる。しかし両電極を並列駆動すると、低輝度近
傍で陰極線管の発光特性が非線形になるという問題を生
じる。つまり、発光感度が変化することや陰極線管の各
電極毎の発光特性が異なるため、画像の一部に又は全体
が低輝度であるとき、その画像の色度が大幅に変動する
という問題点が生じる。
【0010】また特に大画面表示を行うCRT投射型デ
ィスプレイにおいては、高輝度映出時に蛍光体の発光特
性に飽和現象が発生するため、直視型に比べ色度変動が
非常に大きくなるという問題点を有してした。
【0011】さらに色度の安定化を図るには、ディジタ
ル技術を応用した複雑な階調補正が必要であり、そのた
めには処理速度の高速化・量子化ビット数の増大などに
より回路規模が非常に大きくなると共に、性能と信頼性
の点で広帯域の処理が実現できなくなるという問題点を
有していた。
【0012】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、映像信号の帰線期間に各種の基
準信号を重畳し、これらの基準信号を検出して各種制御
を行うことにより、陰極線管の並列駆動において色度の
安定化と広帯域を保証しつつ、高忠実な画像を出力する
映像信号処理装置を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、入力映像信号より正負両極性の映像信号を生成し、
正極性の映像信号を陰極線管の第1グリッド電極に印加
し、負極性の映像信号を陰極線管のカソード電極に印加
する映像信号印加手段と、前記カソード電極に印加する
負極性の映像信号から前記陰極線管のビーム電流を検出
するビーム電流検出手段と、前記ビーム電流検出手段の
出力するビーム電流検出信号に基づいて陰極線管のカッ
トオフレベルを制御するカットオフレベル制御手段と、
を具備することを特徴とするものである。
【0014】本願の請求項2の発明では、前記カットオ
フレベル制御手段は、前記陰極線管のカソード電極、第
1グリッド電極、第2グリッド電極に印加する信号の内
いずれか一方の印加信号により前記陰極線管のカットオ
フレベルを制御すると共に、他の二つの印加信号の内い
ずれか一方の印加信号により前記陰極線管の発光特性が
線形になるように前記カソード電極、第1グリッド電
極、第2グリッド電極の3電極間の電位関係を設定する
ことを特徴とするものである。
【0015】本願の請求項3の発明は、入力映像信号の
帰線期間に少なくともブライトネス基準信号を重畳する
第1の重畳手段と、前記第1の重畳手段の出力より正負
両極性の映像信号を生成し、正極性の映像信号を陰極線
管の第1グリッド電極に印加し、負極性の映像信号を前
記陰極線管のカソード電極に印加する映像信号印加手段
と、前記カソード電極に印加する負極性の映像信号から
前記ブライトネス基準信号の期間に流れる前記陰極線管
のビーム電流を検出するビーム電流検出手段と、前記ビ
ーム電流検出手段の出力するビーム電流検出信号に基づ
いて前記第1グリッド電極及び前記第2グリッド電極に
印加する信号の直流電位を制御し、前記陰極線管のブラ
イトネスを制御するブライトネス制御手段と、を具備す
ることを特徴とするものである。
【0016】本願の請求項4の発明は、前記第1グリッ
ド電極に印加する正極性の映像信号に黒基準信号を重畳
する第2の重畳手段を更に設けたことを特徴とするもの
である。
【0017】本願の請求項5の発明では、ブライトネス
制御手段は、前記ビーム電流検出手段で検出したブライ
トネス基準信号のビーム電流検出信号に基づいて、前記
第1グリッド電極及び前記第2グリッド電極に与える信
号の内いずれか一方の印加信号により、前記陰極線管の
カットオフレベルを制御すると共に、他方の印加信号に
より前記陰極線管の発光特性が線形になるように前記カ
ソード電極、前記第1グリッド電極、前記第2グリッド
電極の電位関係を制御することを特徴とするものであ
る。
【0018】本願の請求項6の発明は、入力映像信号の
帰線期間に少なくともブライトネス基準信号を重畳する
第1の重畳手段と、前記第1の重畳手段の出力信号に対
してブライトネス基準信号に基づいて非線形処理を行う
ガンマ補正手段と、前記ガンマ補正手段の出力信号より
正負両極性の映像信号を生成し、正極性の映像信号を陰
極線管の第1グリッド電極に印加し、負極性の映像信号
を前記陰極線管のカソード電極に印加する映像信号印加
手段と、前記カソード電極に印加する負極性の映像信号
から陰極線管のビーム電流を検出するビーム電流検出手
段と、前記ビーム電流検出手段で検出したブライトネス
基準信号のビーム電流に基づいて、前記第1グリッド電
極及び前記第2グリッド電極に印加する信号の直流電位
を制御することにより前記陰極線管のブライトネスを制
御するブライトネス制御手段と、を具備することを特徴
とするものである。
【0019】本願の請求項7の発明では、前記ガンマ補
正手段は、前記第1の重畳手段の出力信号に対してブラ
イトネス基準信号に基づいた電圧帰還型の直流電位制御
により高輝度近傍でのガンマ補正を行うものであり、前
記ブライトネス制御手段は、前記ビーム電流検出手段に
おいて検出したブライトネス基準信号のビーム電流に基
づいて、前記第1グリッド電極及び前記第2グリッド電
極に印加する信号の内いずれか一方の印加信号により前
記陰極線管のカットオフレベルを制御すると共に、他方
の印加信号により低輝度近傍の発光特性が線形になるよ
うに前記カソード電極、前記第1グリッド電極、前記第
2グリッド電極の電位関係を制御することを特徴とする
ものである。
【0020】本願の請求項8の発明では、前記第1グリ
ッド電極に印加する正極性の映像信号に黒基準信号を重
畳する第2の重畳手段を更に設けたことを特徴とするも
のである。
【0021】
【作用】本願の請求項1,2の発明によれば、映像信号
を陰極線管のカソード電極と第1グリッド電極に印加す
ると共に、ビーム電流を検出して陰極線管のカットオフ
レベルを制御する。また検出したビーム電流量に基づい
て陰極線管の発光特性が線形になるように制御する。こ
うすると色度変化のない映像出力が得られ、映像信号の
広帯域化が確保される。
【0022】又本願の請求項3〜5の発明によれば、映
像信号の帰線期間にブライトネス基準信号を重畳し、陰
極線管のカソード電極に印加する。映像信号の帰線期間
に黒基準信号を重畳し、グリッド電極に印加する。そし
てブライトネス基準信号のビーム電流を検出して陰極線
管のカットオフレベルを制御する。かつ、ブライトネス
基準信号のビーム電流に基づいて、発光特性が線形にな
るように制御する。こうすると色度トラッキングの良好
な並列駆動ができる。
【0023】更に本願の請求項6〜8の発明によれば、
映像信号の帰線期間にブライトネス基準信号を重畳し、
ブライトネス基準信号に基づいて非線形処理を行い、こ
の信号を陰極線管のカソード電極に印加する。同様にし
て非線形処理を行った信号の帰線期間に黒基準信号を重
畳し、この信号をグリッド電極に印加する。そしてブラ
イトネス基準信号のビーム電流を検出してブライトネス
を制御し、かつ、ブライトネス基準信号に基づいて発光
特性が線形になるように制御する。こうすると色度トラ
ッキングが良くなり、高精度のガンマ補正ができる。ま
た並列駆動が可能となるため、映像出力部の大振幅化と
広帯域化が容易となる。
【0024】
【実施例】本発明の第1実施例の映像信号処理装置につ
いて、図面を参照しながら説明する。図1は第1実施例
の映像信号処理装置の基本構成を示すブロック図であ
る。本図において、入力端子1はコントラスト(以下、
CONTという)制御信号などの画像調整信号が供給さ
れる入力端子であり、入力端子2は映像信号が供給され
る入力端子である。増幅部6は画像調整信号により映像
信号を可変増幅し、利得を制御する映像信号印加手段で
あり、例えばカスコード増幅回路などで構成される。電
流検出部9は陰極線管のカソード電極(K)に映像信号
を与えるとき、カソード電流を検出するビーム電流検出
手段である。
【0025】G1電圧制御部12は電流検出部9からの
ビーム電流検出信号により、陰極線管の第1グリッド電
極(G1)の直流電圧を制御するためのカットオフ制御
信号を生成する回路である。クランプ回路13は例えば
ダイオードクランプ回路などで構成され、カットオフ制
御信号に基づき映像信号のブランキング(以下、BLK
という)期間で直流再生を行う回路であり、その出力は
第1グリッド(G1)電極34に与えられる。G2電圧
制御部16は電流検出部9からのビーム電流検出信号に
より、陰極線管の第2グリッド(G2)電極44の直流
電圧を制御する回路である。
【0026】ここでG1電圧制御部12、G2電圧制御
部16、クランプ回路13は、電流検出部9の出力する
ビーム電流検出信号に基づいて陰極線管のカットオフレ
ベルを制御するカットオフレベル制御手段を構成してい
る。
【0027】以上のように構成された第1実施例の映像
信号処理回路の動作について、図2の動作波形図を用い
て説明する。図2は映像信号処理回路のカットオフ制御
の動作に係わる信号波形図である。尚図2(b),
(c),(d)の波形は共通の0レベルライン上で表示
している。図2(a)は入力端子2に供給される映像信
号の信号系垂直帰線期間を含む部分を表している。図1
の増幅部6は入力端子2から供給される映像信号を増幅
すると共に、BLK信号を付加して図2(c)に示すよ
うな負極性の映像信号を電流検出部9に供給する。また
増幅部6は図2(d)に示すような正極性の映像信号を
クランプ回路13に供給する。
【0028】電流検出部9は負極性の映像信号を陰極線
管の第1の電極であるカソード電極(以下、K電極とい
う)33に印加すると共に、K電極33を流れるビーム
電流を検出する。そして電流検出部9はビーム電流検出
信号を電流/電圧変換してG1電圧制御部12とG2電
圧制御部16とに供給する。図2(c)のペデスタル電
位(VPED )から図2(d)のペデタル電位(VGC)ま
での差分値をカットオフ電圧(VCF)とすると、G1電
圧制御部12はビーム電流検出信号に基づいてカットオ
フ電圧(VCF)が常に一定となるようなカットオフ制御
信号をクランプ回路13に供給する。
【0029】クランプ回路13は、G1電圧制御部12
からのカットオフ制御信号により増幅部6のもう一方の
出力である正極性の映像信号に対してBLK信号の波高
値でピーククランプを行ったのち、陰極線管の第2の電
極である第1グリッド電極(以下、G1電極という)3
4に印加する。すなわちK電極33に印加する映像信号
の直流電位は変化させず、G1電極34に印加する映像
信号の直流電位のみを制御してカットオフ電圧(VCF
が常に一定となるように帰還制御を行う。
【0030】このようにして帰還制御を行うことによ
り、カソード波形においてペデスタル電位(VPED )を
常に一定に保つことができ、増幅部6でのダイナミック
レンジを有効に利用できる。このため入力映像信号に対
する大振幅化と広帯域化が容易に実現できる。G2電圧
制御部16は電流検出部9の出力するビーム電流検出信
号にしたがって、図2(b)に示すような直流電位VS
の発光特性制御信号を陰極線管の第3の電極である第2
グリッド電極(以下、G2電極という)44に供給す
る。
【0031】次にG2電極による発光特性制御を説明す
るにあたり、まず並列駆動時の陰極線管の発光特性とホ
ワイトバランス調整とについて説明する。図3は陰極線
管の一般的な発光特性図である。図3(a)は従来と同
様にK電極およびG1電極のいずれか一方の電極に映像
信号を印加した場合の発光特性である。図3(a)にお
いて、破線はK電極への印加時、一点鎖線はG1電極へ
の印加時の発光特性を示す。このようにK電極への印加
時は発光特性がドライブ電圧に対して線形特性となるの
に対して、G1電極への印加時は非線形特性となる。
【0032】図3(b)はK電極とG1電極に映像信号
を並列に印加した場合の発光特性である。本図の実線で
示すようにドライブ電圧と明るさの非線形性は弱くなっ
ている。しかし図3(a)に示したG1電極への単独印
加時と同様に、非線形特性が残っていることが分かる。
発光特性が非線形特性になることは、ホワイトバランス
調整を非常に複雑にすることを意味する。
【0033】ホワイトバランス調整とは、陰極線管の発
光特性に起因する各階調毎の白色の発光バランスを調整
することである。陰極線管の発光特性は一般にR、G、
Bで一様でなく、図4に示すように入力信号と出力画面
の明るさの関係が異なる。そのため同一信号を入力して
も、画像の明るさはR、G、Bでそれぞれ異なる。そこ
で出力画面の明るさを一様にするには、図5に示すよう
に映像信号の振幅と直流電位をR、G、B毎にそれぞれ
調整する必要がある。この調整がホワイトバランスにお
けるゲイン調整とバイアス調整である。
【0034】発光特性が線形の場合には、全階調範囲の
うちの何処か2つの輝度レベルでホワイトバランスを調
整すれば、全階調範囲でホワイトバランスをとることが
できる。具体的には黒近傍のローライトと白近傍のハイ
ライトでホワイトバランスの調整を行えばよい。ローラ
イトのホワイトバランスを調整する場合には、黒レベル
信号の0%や25%信号のテスト信号を映出し、バイア
スを制御して調整を行なう。またハイライトのホワイト
バランスを調整する場合には、白レベル信号の75%や
100%信号のテスト信号を映出し、ゲインを制御して
調整を行う。
【0035】これに対して図3(b)に示したように、
K電極とG1電極の並列駆動時等の発光特性が非線形特
性になる場合には、ローライトとハイライトでホワイト
バランスを調整したとしても、全階調範囲でホワイトバ
ランスがとれたことにはならない。このためホワイトバ
ランス調整が非常に複雑になってしまう。ホワイトバラ
ンス調整を簡単にするために、発光特性はできるだけ線
形特性に近づける必要がある。
【0036】このような主旨に基づき、G2電極による
発光特性の制御方法について図6のビーム電流特性図を
用いて詳細に説明する。図6(a)はK電極への印加時
において、G2電極の直流電位(以降G2電位と略す)
を変化させた場合のドライブ電圧に対するビーム電流特
性図である。図6(a)に示すようにG2電位を変化さ
せるとビーム電流特性が変化する。すなわちG2電位を
高くすればG2電極の加速効果が増すため、ビーム電流
が多く流れる方向にビーム電流特性が変化する。
【0037】一方、G2電位を低くすればG2電極の加
速効果が弱くなるため、ビーム電流が少なくなる方向に
ビーム電流特性が変化する。またG2電位の変化に対し
てドライブ電圧が小さい(低輝度)ほどビーム電流特性
は大きく影響を受ける。これは、低輝度の方が元々のビ
ーム電流が少ないため、G2電位の変化にともなって同
じだけビーム電流が変化したとしても、その寄与率が大
きいためである。
【0038】図6(b)はK電極とG1電極の並列駆動
時に、G2電位を変化させた場合のビーム電流特性図で
ある。図6(b)では、図6(a)に示したK電極印加
時の場合と同様に、G2電位の変化にともなってビーム
電流特性が変化する。またG2電位が高いほど非線形性
が強くなっている。これはG2電位を高くすることで、
G2電極の加速効果がその非線形性をさらに強める方向
に働くためである。
【0039】そこで図1のG2電圧制御部16は、図6
(b)に示すように低輝度近傍のビーム電流特性がほぼ
線形になるような直流電位を発生し、この電位をG2電
極44に印加する。このようにして発光特性が線形にな
るようにG2電位を制御する。発光特性が線形になるこ
とによりホワイトバランス調整が容易になり、トラッキ
ング精度が向上する。
【0040】図6を用いてG2電位とビーム電流の関係
から発光特性の制御の動作を説明したように、図2のカ
ソード波形(K波形)とグリッド波形(G1波形)の関
係からカットオフ制御を行える。即ちG1電極に印加す
る映像信号の直流電位を制御することでカットオフ制御
が可能になり、G2電位を制御することにより発光特性
を線形に変換することができる。
【0041】以上のように本実施例では入力映像信号を
陰極線管のカソード電極とグリッド電極に印加すると共
に、カソード電極のビーム電流を検出して陰極線管のカ
ットオフレベルを制御する。そして検出したビーム電流
量により発光特性が線形になるように制御することによ
り、映像出力部において映像の輝度に係わらず色度変化
の無い画像が得られ、かつ映像信号の広帯域化が容易に
実現できる。
【0042】次に本発明の第2実施例の映像信号処理装
置について、図面を参照しながら説明する。図7は第2
実施例の映像信号処理装置の基本構成を示すブロック図
である。尚、第1実施例と同一部分は同一の符号を付
け、詳細な説明は省略する。
【0043】本図において、入力端子3はブライトネス
(以下、BRTという)制御信号が供給される入力端子
であり、入力端子4は同期信号が供給される入力端子で
ある。基準信号発生部7はBRT制御信号と同期信号と
が入力されると、垂直帰線期間にBRT基準信号、中間
レベル基準信号、及び黒基準信号をそれぞれ発生する回
路である。第1の重畳部5は入力端子2を介して入力さ
れる映像信号にBRT基準信号と中間レベル基準信号と
を重畳する回路であり、アナログスイッチ等で構成され
る。
【0044】第1のサンプル/ホ−ルド部(以下、S/
H部という)10は基準信号発生部7からのタイミング
信号により、電流検出部9で検出されたBRT基準信号
の波高値をサンプルホ−ルドする回路である。第1の比
較器11はS/H部10でサンプルホ−ルドしたBRT
基準信号の波高値と基準電位との比較を行い、BRT基
準信号の振幅値を出力する回路である。第2のS/H部
14は基準信号発生部7からのタイミング信号により、
電流検出部9で検出された中間レベル基準信号の波高値
をサンプルホ−ルドする回路である。第2の比較器15
はサンプルホ−ルドした中間レベル基準信号の波高値と
BRT基準信号の波高値との比較を行い、中間レベル基
準信号の振幅値を出力する回路である。
【0045】第2の重畳部29は増幅部6の出力である
正極性の映像信号に、基準信号発生部7からの黒基準信
号を重畳する回路であり、アナログスイッチ等で構成さ
れる。なお、これ以外の回路ブロックは図1のものと同
様の動作を行うものであり、それらの機能説明は省略す
る。
【0046】ここで増幅部6は、重畳部5の出力より正
負両極性の映像信号を生成し、正極性の映像信号を陰極
線管の第1グリッド電極に印加し、負極性の映像信号を
陰極線管のカソード電極に印加する映像信号印加手段を
構成している。またS/H部10及び14、比較器11
及び15、G1電圧制御部12、G2電圧制御部16、
クランプ回路13は電流検出部9の出力するビーム電流
検出信号に基づいて第1グリッド電極及び第2グリッド
電極に印加する信号の直流電位を制御し、陰極線管のブ
ライトネスを制御するブライトネス制御手段を構成して
いる。
【0047】以上のように構成された第2実施例の映像
信号処理装置について、図8の波形図を用いてその動作
を説明する。図8(a)は入力端子2に供給される映像
信号を示し、信号系垂直帰線期間とこれに続く映像信号
の一部を図示している。図8(b)は入力端子4に供給
される垂直同期信号を示し、この時間幅は偏向系垂直帰
線期間に対応している。
【0048】図7の基準信号発生部7は、図8(a)の
信号系垂直帰線期間から図8(b)の偏向系垂直帰線期
間を除いた期間に、図8(c)に示すBRT基準信号と
図8(d)に示す中間レベル基準信号及び図8(e)に
示す黒基準信号をそれぞれ作成する。このときBRT基
準信号の波高値と中間レベル基準信号の波高値は、入力
端子3からのBRT制御信号により制御される。また、
黒基準信号の波高値は映像信号のペデスタルレベルと同
一レベルになるように設定する。
【0049】重畳部5は、基準信号発生部7からのBR
T基準信号と中間レベル基準信号を、図8(a)の破線
部分で示す基準信号重畳期間に重畳する。増幅部6は重
畳部5からの信号を増幅すると共に、BLK信号を付加
し、図8(h)に示す負極性の映像信号を電流検出部9
に供給し、図8(i)に示す正極性の映像信号を第2の
重畳部29に供給する。
【0050】重畳部29は、基準信号発生部7からの黒
基準信号を図8(i)に示すように正極性の映像信号の
破線の期間に重畳し、クランプ回路13に供給する。電
流検出部9は信号系垂直帰線期間に重畳したBRT基準
信号と中間レベル基準信号のカソード電流を検出し、こ
の検出電流を電流電圧変換し、S/H部10とS/H部
14に供給する。また電流検出部9は図8(h)に示す
ような負極性の映像信号をK電極33に印加する。
【0051】S/H部10は、電流検出部9において検
出されたBRT基準信号のビーム電流検出信号を図8
(f)のS/Hパルス1でサンプルホールドし、直流電
位に変換する。第1の比較器11はS/H部10からの
直流電位を基準電位と比較し、第1の比較出力をG1電
圧制御部12に出力する。G1電圧制御部12は、第1
の比較出力を陰極線管のカットオフ制御するために必要
な電圧まで増幅し、直流電位のカットオフ制御信号をク
ランプ回路13に供給する。クランプ回路13は、G1
電圧制御部12からのカットオフ制御信号に基づいて重
畳部29からの正極性の映像信号に含まれるBLK信号
の波高値をピーククランプしたのち、陰極線管のG1電
極34に印加することでBRT制御を行う。
【0052】一方、S/H部14は電流検出部9におい
て電流電圧変換された中間レベル基準信号のビーム電流
検出信号を図8(g)のS/Hパルス2でサンプルホー
ルドし、直流電位に変換する。第2の比較器15は、S
/H部14からの直流電位をS/H部10からの直流電
位と比較し、第2の比較出力をG2電圧制御部16に出
力する。G2電圧制御部16は第2の比較出力に基づい
て図8(j)に示す直流電位VS の発光特性制御信号を
G2電極44に供給する。
【0053】ここでG1電極によるBRT制御方法につ
いて図9の波形図を用いて詳細に説明する。図9(a)
及び(b),(c)及び(d),(e)及び(f)は、
夫々共通の0レベルラインを用いて表示している。図9
(a)、(c)、(e)にBRT基準信号を最大(ma
x)、標準(typ)、最小(min)に設定したとき
のK電極33に印加する負極性の映像信号をそれぞれ示
し、これらの信号をK波形とする。図9(b)、
(d)、(f)にG1電極34に印加する正極性の映像
信号を示し、この信号をG1波形とする。
【0054】図9(a)はBRT基準信号を最大(ma
x)にしたときのK波形であり、G1電極34には検出
されたBRT基準信号のビーム電流にしたがって、図9
(b)に示すようにペデスタル電位VGC1 の正極性の映
像信号がG1波形として印加される。図9(c)はBR
T基準信号を標準(typ)、すなわち標準のペデスタ
ル電位と同一にしたときのK波形であり、このときのG
1電極34には検出されたBRT基準信号のビーム電流
にしたがって、図9(d)に示すようにペデスタル電位
GC2 の正極性の映像信号がG1波形として印加され
る。ここでは、VGC1 <VGC2 が成立する。
【0055】図9(e)はBRT基準信号を最小(mi
n)にしたときのK波形であり、G1電極34には検出
されたBRT基準信号のビーム電流にしたがって、図9
(f)に示すようにペデスタル電位VGC3 の正極性の映
像信号がG1波形として印加される。このときはVGC1
<VGC2 <VGC3 となる。
【0056】このようにしてK波形に重畳したBRT基
準信号の波高値から、G1波形に重畳した黒基準信号ま
でのカットオフ電圧(VCF)が常に一定となるようにブ
ライトネスの帰還制御を行ってBRT制御を行う。この
ため安定したBRT制御が行える。またBRT制御を行
う場合にも、G1電極に印加する映像信号の直流電位の
みを制御しているため、カソード波形においてペデスタ
ル電位を常に一定に保つことができる。従って第1実施
例と同様に増幅部での映像信号の大振幅化と広帯域化が
容易に実現できる。
【0057】次にG2電極による発光特性の制御方法に
ついて、図10の動作波形図と図11のビーム電流特性
図を用いて説明する。図10(a)、(c)、(e)は
各種基準信号を重畳したK波形である。又図10
(b)、(d)、(f)はカソード電流をサンプルホー
ルドした出力波形である。図10(a)、(b)に示す
ように、BRT基準信号を最大(max)に設定した場
合は、S/H部10及びS/H部14においてBRT基
準信号の電流値iBRT と中間レベル基準信号の電流値i
MID が検出される。
【0058】図10(c)、(d)に示すようにBRT
基準信号を標準(typ)に設定した場合は、BRT基
準信号の電流値としてiBRT 、中間レベル基準信号の電
流値としてiMID が検出される。また図10(e)、
(f)に示すようにBRT基準信号を最小(min)に
設定した場合は、BRT基準信号の電流値として
BRT、中間レベル基準信号の電流値としてiMID が検
出される。
【0059】このように本実施例では先に説明したよう
にBRT基準信号の電流値iBRT が常に一定となるよう
に電流帰還制御を行っている。このためBRT制御信号
に従って波高値が変化する中間レベル基準信号を用いる
ことで、BRT基準信号の設定に関係なく常に一定の中
間レベル基準信号の電流値iMID を得ることができる。
【0060】図11(a)はK電極とG1電極の並列駆
動時のドライブ電圧に対するビーム電流特性図であり、
図11(b)は図11(a)中の破線円で囲んだ部分の
低輝度近傍のビーム電流特性の拡大図である。図11
(b)に示すように比較器15において、S/H部10
からのBRT基準信号の電流値iBRT と中間レベル基準
信号の電流値iMID の差から、中間レベル基準信号の振
幅値imbを検出する。この場合、G2電圧制御部16は
中間レベル基準信号の振幅値imbがim となるようにG
2電位を制御する。このようにしてBRT基準信号の電
流値iBRT と中間レベル基準信号の電流値iMID の差が
常に一定になるようにG2電位を制御することにより、
陰極線管の発光特性をほぼ線形にすることができる。
【0061】次に重畳部5において各種基準信号と共に
ペデスタル基準信号を重畳する場合の動作について、図
12の構成図と図13の動作波形図を用いて説明する。
図12は図7の映像信号処理装置の構成に加えて、第3
のS/H部17を設けた場合の映像信号処理装置の部分
ブロック図である。尚図7と同一部分は同一の符号をつ
け、それらの説明は省略する。S/H部17はペデスタ
ル基準信号をサンプルホールドする回路であり、その出
力は比較器11に与えられる。
【0062】図13(a)、(c)、(e)は各種基準
信号を重畳した映像信号であり、(b)、(e)、
(f)はカソード電流のサンプルホールド出力波形であ
る。ペデスタル基準信号はBRT基準信号の波高値を検
出するための基準信号として用い、例えば信号系垂直帰
線期間内に重畳する。図13(a)、(c)、(e)に
示すように、以降の動作を確実にするためにペデスタル
レベルを安定なペデスタル基準信号につけかえる。この
ペデスタル基準信号を基準としてBRT基準信号の波高
値を安定に検出することができる。なお比較器15にお
ける中間レベル基準信号の振幅値の検出動作は先の実施
例と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0063】S/H部10は、図13(a)に示すよう
にBRT基準信号の波高値をサンプルホールドする。S
/H部14は中間レベル基準信号の波高値をサンプルホ
ールドする。そしてS/H部17は垂直帰線期間に重畳
したペデスタル基準信号の波高値をサンプルホールドす
る。こうすると図13(b)に示すような電流値が得ら
れる。そして比較器11はBRT基準信号とペデスタル
基準信号の波高値の差を求め、BRT基準信号の振幅値
を得る。
【0064】図13(a)、(c)、(e)に示すよう
にBRT基準信号のレベルを変化させたときに、サンプ
ルホールドした電流値はそれぞれ図13(b)、
(d)、(f)のようになる。図13(a)のようにB
RT基準信号がペデスタル基準信号より高いレベルにあ
る場合は、BRT基準ビーム電流iBRT とペデスタル基
準ビーム電流iPED との差ビーム電流ib1が検出され
る。図13(c)のようにBRT基準信号がペデスタル
基準信号と同一レベルに設定された場合はビーム電流i
b2(=0)が検出される。図13(e)のようにBRT
基準信号がペデスタル基準信号より低いレベルにある場
合は、ビーム電流ib3が検出される。
【0065】このようにペデスタル基準信号を基準とし
てBRT基準信号の電流値を検出することにより、映像
出力部の変動や陰極線管での経時変化などの影響はBR
T基準信号の波高値と同様にペデスタル基準信号の波高
値にも含まれるため、これらの影響を相殺することがで
き、正確なBRT基準信号の電流検出ができる。
【0066】以上説明したように、ブライトネスの制御
を行うには基準信号の振幅情報が必要である。すなわち
黒レベルの基準が必ず必要となる。そこで本実施例に示
すようにBRT基準信号とペデスタル基準信号を1組と
して映像信号を重畳することにより、同期信号の位相や
帰線期間が異なって画像の表示が異なる場合、すなわち
任意の入力映像信号に対して画像調整用基準信号の波高
値と黒レベル基準信号を確実にサンプルホールドでき、
画像調整用基準信号の振幅情報を確実に取り込める。こ
の結果、ブライトネス制御の帰還ループの確実な動作を
保証でき、マルチメディアに対応した高安定な映像信号
処理装置を実現できる。
【0067】このように、本実施例では入力映像信号の
帰線期間にブライトネス基準信号と中間レベル基準信号
を重畳した信号を陰極線管のカソード電極に印加し、映
像信号の帰線期間に黒基準信号を重畳した信号をグリッ
ド電極に印加すると共に、ブライトネス基準信号のビー
ム電流を検出して陰極線管のカットオフを制御する。そ
してブライトネス基準信号と中間レベル基準信号のビー
ム電流の差に基づいて発光特性を制御することにより、
色度トラッキングの良好な並列駆動が実現できる。
【0068】次に本発明の第3実施例の映像信号処理装
置について、図面を参照しながら説明する。図14は第
3実施例における映像信号処理装置の基本構成を示すブ
ロック図であり、第1実施例の図1と同一部分は同一の
符号を付けて詳細な説明は省略する。本実施例では図1
の重畳部5と増幅部6の間にガンマ補正部27を設け
る。ここで映像信号印加手段、ブライトネス制御手段の
構成要素は第2実施例と同様である。
【0069】ガンマ補正部27はBRT基準信号に基づ
いて映像信号のガンマ補正を行う回路である。即ちガン
マ補正部27は、第1の重畳部5からの映像信号に対し
てBRT基準信号の期間でクランプを行った後、ガンマ
補正回路(図示せず)でガンマ補正を行う。このガンマ
補正回路はトランジスタやダイオードの非線形特性を利
用した非線形型増幅器で構成される。なお、低輝度部の
発光特性制御及びBRT制御は第2実施例と同様である
ため、ここでは高輝度部のガンマ補正の動作についての
み説明する。
【0070】図15にRGB投射管を用いて大画面表示
を行うビデオプロジェクターの発光特性の一例を示す。
図15に示すように大電流領域において特にB蛍光体で
発光特性が飽和している。そのため大電流領域ではR、
G、B間のホワイトバランスがくずれてしまい、色度が
大きく変動する。
【0071】ここでBRT制御に関連したガンマ補正動
作について図16の波形図を用いて詳細に説明する。図
14のガンマ補正部27に入力するBRT基準信号を重
畳した映像信号を図16(a)に示す。またBRT基準
信号がそれぞれ最大(max)、標準(typ)、最小
(min)に設定されたときの各出力特性を図16
(b)、(c)、(d)に示す。図16(b)はBRT
設定条件が標準(typ)のときのランプ出力波形であ
り、映像信号平均値の75%から非線形処理を行う。図
16(c)はBRT設定条件が最大(max)のときの
ランプ出力波形であり、映像信号平均値の50%から非
線形処理を行う。図16(d)はBRT設定条件が最小
(min)のときのランプ出力波形であり、映像信号平
均値の100%付近で非線形処理を行う。
【0072】すなわち映像信号中にBRT基準信号を重
畳して、BRT基準信号のレベルに応じてガンマ補正を
行うことにより高精度のガンマ補正が実現できる。この
方法は図15に示すような飽和特性を持つ場合のガンマ
補正に非常に適している。なお、本実施例では図15の
ように蛍光体のガンマ特性が予め決定されているため、
固定の非線形特性を持ったガンマ補正回路で補正を行
い、BRT基準信号を検出してカットオフを制御してガ
ンマ補正を行う場合について述べた。しかし任意の非線
形特性が作成できるガンマ補正回路であれば、検出信号
を直接ガンマ補正部に帰還させて補正を行うこともでき
る。
【0073】以上のように、本実施例では入力映像信号
の帰線期間にブライトネス基準信号と中間レベル基準信
号を重畳し、ブライトネス基準信号に基づいて非線形処
理を行った信号を陰極線管のカソード電極に印加する。
同様にして非線形処理を行った信号の帰線期間に黒基準
信号を重畳した信号をグリッド電極に印加すると共に、
ブライトネス基準信号のビーム電流を検出してブライト
ネスを制御する。またブライトネス基準信号と中間レベ
ル基準信号に基づいて発光特性を線形にすることによ
り、トラッキングが良く、高精度のガンマ補正が実現で
きる。また並列駆動が可能となるため、映像出力部の大
振幅化と広帯域化が容易に実現できる。
【0074】なお、本実施例ではカラーテレビジョン受
像機の映像信号処理について述べたが、それ以外の映像
信号処理においても同様である。また、本実施例では帰
線期間内に各種の基準信号を重畳する場合について説明
したが、映像信号に影響されない期間であれば、それ以
外の期間でもよい。
【0075】また本実施例では陰極線管を用いてカソー
ド電極と第1グリッド電極に印加する場合について説明
したが、それ以外の電極に印加する構成にしてもよい。
また、本実施例では第1グリッド電極に印加する直流電
位を制御してBRT制御を行う場合について説明した
が、カソード電極やその他の電極に直流電位を印加して
もよい。また本実施例では第2グリッド電極に印加する
直流電位を制御して発光特性の制御を行う場合について
説明したが、カソード電極やその他の電極に印加する直
流電位で行ってもよい。
【0076】また、本実施例では簡単な構成で実現する
ために、基準信号を重畳した両極性の映像信号のうち、
第1グリッド電極に印加する映像信号から、基準信号を
除去して帰還制御を行う場合について説明したが、その
他のレベルに強制的に設定したり、逆にカソード電極に
印加する映像信号から除去して帰還制御を行ってもよ
い。また本実施例では第1グリッド電極に印加する信号
に対して、陰極線管が駆動できるレベルに増幅したのち
基準信号を除去する場合について説明したが、除去して
から増幅してもよい。
【0077】また本実施例では検出用基準信号を常に画
面上に映出した状態での電流検出型の帰還制御を行う場
合について説明したが、周期的や画像調整を行う場合の
み検出用基準信号を映出する帰還制御を行うシステムと
してもよい。また、本実施例ではカソード電極に印加さ
れる印加信号から各基準信号のビーム電流を検出する場
合について述べたが、それ以外の電極に印加される信号
よりビーム電流の検出を行ってもよい。
【0078】また本実施例ではクランプ回路としてはダ
イオードクランプ回路を用いてピーククランプ動作を行
う場合について説明したが、それ以外の回路、例えばパ
ルスクランプ回路としてもよい。また第1実施例では低
輝度近傍での発光特性の非線形特性を制御する場合につ
いて説明したが、輝度レベルによらず非線形特性の制御
ができることは言うまでもない。また第3実施例ではガ
ンマ補正回路としては非線形増幅回路を用いた場合につ
いて説明したが、それ以外の数点の折れ線近似回路とし
てもよい。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本願の請求項1、2
の発明によれば、映像信号を陰極線管のカソード電極と
グリッド電極に印加すると共に、ビーム電流を検出して
陰極線管のカットオフレベルを制御し、かつ検出したビ
ーム電流量により発光特性が線形になるように制御する
ことにより、輝度の大小に係わらず色度変化のない映像
が得られる。また両極性の映像信号をカソード電極とグ
リッド電極に印加しているので、映像出力部の広帯域化
が確保される。
【0080】また、本願の請求項3〜5の発明によれ
ば、映像信号の帰線期間にブライトネス基準信号と中間
レベル基準信号を重畳し、この信号を陰極線管のカソー
ド電極に印加する。また、映像信号の帰線期間に黒基準
信号を重畳し、この信号をグリッド電極に印加する。そ
してブライトネス基準信号のビーム電流を検出して陰極
線管のカットオフを制御し、かつブライトネス基準信号
と中間レベル基準信号のビーム電流の差に基づいて発光
特性を制御することにより、色度トラッキングの良好な
並列駆動が実現できる。また陰極線管や駆動系での経時
変化や温度特性による変動に対しても高安定な信号処理
が実現できる。
【0081】また、本願の請求項6〜8の発明によれ
ば、映像信号の帰線期間にブライトネス基準信号と中間
レベル基準信号を重畳し、ブライトネス基準信号に基づ
いて非線形処理を行った信号を陰極線管のカソード電極
に印加する。同様にして非線形処理を行った信号の帰線
期間に黒基準信号を重畳し、この信号をグリッド電極に
印加する。そしてブライトネス基準信号のビーム電流を
検出してブライトネスを制御し、かつブライトネス基準
信号と中間レベル基準信号に基づいて発光特性を線形に
する。このため色度のトラッキングが良くなり、高精度
のガンマ補正が実現できる。更に並列駆動が可能となる
ため、映像出力部の大振幅化と広帯域化が容易に実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における映像信号処理装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の映像信号処理装置におけるカット
オフ制御の動作を説明するための信号波形図である。
【図3】陰極線管の各電極に印加するドライブ電圧と明
るさの関係を示す特性図である。
【図4】陰極線管のR、G、Bの電極に印加する入力信
号と出力画面の明るさの関係を示す特性図である。
【図5】陰極線管のR、G、Bの電極に印加する入力信
号と出力画面の明るさの関係をゲインとバイアスで制御
した場合の特性図である。
【図6】第1実施例の映像信号処理装置における発光特
性制御の動作を説明する原理図である。
【図7】本発明の第2実施例における映像信号処理装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施例の映像信号処理装置の動作を説明す
るための信号波形図である。
【図9】第2実施例の映像信号処理装置におけるブライ
トネス制御の動作を説明するための信号波形図である。
【図10】第2実施例の映像信号処理装置における発光
特性制御の動作を説明するための信号波形図である。
【図11】第2実施例の映像信号処理装置における発光
特性制御の動作原理を説明するための特性図である。
【図12】第2実施例の映像信号処理装置における第1
のブライトネス制御に係わる回路のブロック図である。
【図13】第2実施例の映像信号処理装置における第1
のブライトネス制御に係わる回路のブロック図である。
【図14】本発明の第3実施例における映像信号処理装
置の全体構成を示すブロック図である。
【図15】第3実施例の映像信号処理装置におけるガン
マ補正動作を説明するための特性図である。
【図16】第3実施例の映像信号処理装置におけるガン
マ補正動作を説明するための信号波形図である。
【図17】従来例の陰極線管駆動装置の基本構成を示す
ブロック図である。
【図18】従来例の映像信号処理装置の基本構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 入力端子 5,29 重畳部 6 増幅部 7 基準信号発生部 9 電流検出部 10,14,17 S/H部 11,15 比較器 12 G1電圧制御部 13 クランプ回路 16 G2電圧制御部 27 ガンマ補正部 33 カソード電極 34 第1グリッド電極 44 第2グリッド電極
フロントページの続き (72)発明者 磯邉 三男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力映像信号より正負両極性の映像信号
    を生成し、正極性の映像信号を陰極線管の第1グリッド
    電極に印加し、負極性の映像信号を陰極線管のカソード
    電極に印加する映像信号印加手段と、 前記カソード電極に印加する負極性の映像信号から前記
    陰極線管のビーム電流を検出するビーム電流検出手段
    と、 前記ビーム電流検出手段の出力するビーム電流検出信号
    に基づいて陰極線管のカットオフレベルを制御するカッ
    トオフレベル制御手段と、を具備することを特徴とする
    映像信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記カットオフレベル制御手段は、 前記陰極線管のカソード電極、第1グリッド電極、第2
    グリッド電極に印加する信号の内いずれか一方の印加信
    号により前記陰極線管のカットオフレベルを制御すると
    共に、他の二つの印加信号の内いずれか一方の印加信号
    により前記陰極線管の発光特性が線形になるように前記
    カソード電極、第1グリッド電極、第2グリッド電極の
    3電極間の電位関係を設定するものであることを特徴と
    する請求項1記載の映像信号処理装置。
  3. 【請求項3】 入力映像信号の帰線期間に少なくともブ
    ライトネス基準信号を重畳する第1の重畳手段と、 前記第1の重畳手段の出力より正負両極性の映像信号を
    生成し、正極性の映像信号を陰極線管の第1グリッド電
    極に印加し、負極性の映像信号を前記陰極線管のカソー
    ド電極に印加する映像信号印加手段と、 前記カソード電極に印加する負極性の映像信号から前記
    ブライトネス基準信号の期間に流れる前記陰極線管のビ
    ーム電流を検出するビーム電流検出手段と、 前記ビーム電流検出手段の出力するビーム電流検出信号
    に基づいて前記第1グリッド電極及び前記第2グリッド
    電極に印加する信号の直流電位を制御し、前記陰極線管
    のブライトネスを制御するブライトネス制御手段と、を
    具備することを特徴とする映像信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記第1グリッド電極に印加する正極性
    の映像信号に黒基準信号を重畳する第2の重畳手段を更
    に設けたことを特徴とする請求項3記載の映像信号処理
    装置。
  5. 【請求項5】 ブライトネス制御手段は、 前記ビーム電流検出手段で検出したブライトネス基準信
    号のビーム電流検出信号に基づいて、前記第1グリッド
    電極及び前記第2グリッド電極に与える信号の内いずれ
    か一方の印加信号により、前記陰極線管のカットオフレ
    ベルを制御すると共に、他方の印加信号により前記陰極
    線管の発光特性が線形になるように前記カソード電極、
    前記第1グリッド電極、前記第2グリッド電極の電位関
    係を制御することを特徴とする請求項3記載の映像信号
    処理装置。
  6. 【請求項6】 入力映像信号の帰線期間に少なくともブ
    ライトネス基準信号を重畳する第1の重畳手段と、 前記第1の重畳手段の出力信号に対してブライトネス基
    準信号に基づいて非線形処理を行うガンマ補正手段と、 前記ガンマ補正手段の出力信号より正負両極性の映像信
    号を生成し、正極性の映像信号を陰極線管の第1グリッ
    ド電極に印加し、負極性の映像信号を前記陰極線管のカ
    ソード電極に印加する映像信号印加手段と、 前記カソード電極に印加する負極性の映像信号から陰極
    線管のビーム電流を検出するビーム電流検出手段と、 前記ビーム電流検出手段で検出したブライトネス基準信
    号のビーム電流に基づいて、前記第1グリッド電極及び
    前記第2グリッド電極に印加する信号の直流電位を制御
    することにより前記陰極線管のブライトネスを制御する
    ブライトネス制御手段と、を具備することを特徴とする
    映像信号処理装置。
  7. 【請求項7】 前記ガンマ補正手段は、 前記第1の重畳手段の出力信号に対してブライトネス基
    準信号に基づいた電圧帰還型の直流電位制御により高輝
    度近傍でのガンマ補正を行うものであり、 前記ブライトネス制御手段は、 前記ビーム電流検出手段において検出したブライトネス
    基準信号のビーム電流に基づいて、前記第1グリッド電
    極及び前記第2グリッド電極に印加する信号の内いずれ
    か一方の印加信号により前記陰極線管のカットオフレベ
    ルを制御すると共に、他方の印加信号により低輝度近傍
    の発光特性が線形になるように前記カソード電極、前記
    第1グリッド電極、前記第2グリッド電極の電位関係を
    制御することを特徴とする請求項6記載の映像信号処理
    装置。
  8. 【請求項8】 前記第1グリッド電極に印加する正極性
    の映像信号に黒基準信号を重畳する第2の重畳手段を更
    に設けたことを特徴とする請求項6記載の映像信号処理
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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