JPH0990833A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JPH0990833A
JPH0990833A JP25054695A JP25054695A JPH0990833A JP H0990833 A JPH0990833 A JP H0990833A JP 25054695 A JP25054695 A JP 25054695A JP 25054695 A JP25054695 A JP 25054695A JP H0990833 A JPH0990833 A JP H0990833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
potential
photoconductor
charging
photosensitive layer
latent image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25054695A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Mori
健一 森
Akiko Hirao
明子 平尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP25054695A priority Critical patent/JPH0990833A/ja
Publication of JPH0990833A publication Critical patent/JPH0990833A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、濃度変化あるいはメモリ現象等の
不良画像が生じることのない、単層の感光層を用いた画
像形成装置を提供することにある。 【解決手段】この発明の画像形成装置によれば、現像装
置30と接触される現像領域を通過した感光ドラム10
の感光層12を、逆極性帯電装置60を用いて主帯電装
置20により帯電された極性と逆の極性に帯電させるこ
とにより、画像の露光に関連して感光ドラムの感光層内
部に発生した空間電荷の正孔は感光層表面側に、電子は
支持体側に、移動される。感光層の表面付近に残った電
子すなわち感光層内部で再結合されない電子は、除電装
置70による侵入長すなわち入射光のエネルギーが1/
eまで減衰する長さの短い波長の光によって消滅され
る。なお、侵入長の短い光に換えて交番電界を印加して
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真複写装
置あるいは静電記録装置等に代表される電子写真方式に
より形成された静電潜像を現像することで画像を形成す
る画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トナーを用いて潜像を現像する電子写真
方式は、トナーを帯電する帯電極性により、負極性帯電
方式 (以下、負帯電型と示す) と正極性帯電方式 (以
下、正帯電型と示す) とに分類される。
【0003】潜像担持体を帯電する方法としては、コロ
ナチャージャを用いたコロナ帯電が利用されている。こ
の場合、負帯電型においては、コロナチャージャからオ
ゾンが発生することが知られており、オゾン発生量の少
ないブラシあるいはローラを用いた接触式の帯電装置が
提案されている。しかしながら、接触式の帯電装置で
は、潜像担持体を均一に帯電することが困難であること
が知られている。一方、正帯電型においては、コロナチ
ャージャを用いた場合であっても発生するオゾンの量
は、ごく僅かであることが知られている。しかしなが
ら、正帯電型に適した潜像担持体としては、負帯電型の
感光体のように、電荷発生層と電荷輸送層とが分離され
た機能分離型の感光体の製造が困難であることから単層
型のみ利用可能な状況である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、単層型すな
わち単層構造の正帯電型の感光体は、負帯電型の感光体
における電荷発生層と電荷輸送層とを兼ねることから、
感光層内部で空間電荷が発生し易く、帯電電位および露
光後電位が変動し易い問題がある。このことは、出力画
像の画像濃度の変動を引き起こし、特に、カラー画像に
おいて、色再現性の劣化を招く問題がある。なお、現在
のところ、正帯電型に利用可能であって、人体に無害な
電子輸送層に適した材料は、確認されていない。この発
明は、濃度変化あるいはメモリ現象等の不良画像が生じ
ることのない、単層の感光層を用いた画像形成装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した問
題点に基づきなされたもので、単層構造である感光層を
有する潜像担持体と、前記潜像担持体を帯電させる第1
の帯電手段と、前記帯電された潜像担持体に静電潜像を
形成する露光手段と、前記形成された静電潜像を顕像化
する現像手段と、前記顕像化像を転写材に転写する転写
手段と、を有する画像形成装置において、前記帯電手段
による第1の帯電以前に、前記感光層内部の空間電荷を
除去する除去手段と、前記感光層表面の表面電荷を除去
する除電手段とを有することを特徴とする画像形成装置
を提供するものである。
【0006】また、この発明によれば、所定の電位に帯
電された状態で光が照射されることで、光が照射された
領域とそれ以外の領域との電位差により潜像を保持する
単層構造の感光体と、この感光体に第1の電位を帯電さ
せる第1の帯電装置と、前記感光体に形成された潜像に
現像剤を選択的に供給する現像装置と、この現像手段に
より前記感光体に選択的に供給された現像剤を用紙に転
写する転写装置と、前記感光体に第1の電位と極性の異
なる電位を帯電させる第2の帯電装置と、この第2の帯
電装置により前記感光体に第1の電位と極性の異なる電
位が供給されることにより生じる電荷を、所定の波長の
光を照射することにより除電する除電手段とを有するこ
とを特徴とする画像形成装置が、提供される。
【0007】さらに、この発明によれば、所定の電位に
帯電された状態で光が照射されることで、光が照射され
た領域とそれ以外の領域との電位差により潜像を保持す
る単層構造の感光体と、この感光体に第1の電位を帯電
させる第1の帯電装置と、前記感光体に形成された潜像
に現像剤を選択的に供給する現像装置と、この現像手段
により前記感光体に選択的に供給された現像剤を用紙に
転写する転写装置と、前記感光体に第1の電位と極性の
異なる電位を帯電させる第2の帯電装置と、この第2の
帯電装置により前記感光体に第1の電位と極性の異なる
電位が供給されることにより生じる電荷を、所定の周波
数の交番電界を印加することにより除電する除電手段と
を有することを特徴とする画像形成装置が、提供され
る。
【0008】またさらに、この発明によれば、所定の電
位に帯電された状態で光が照射されることで、光が照射
された領域とそれ以外の領域との電位差により潜像を保
持する単層構造の感光体と、この感光体に第1の電位を
帯電させる第1の帯電装置と、前記感光体に形成された
潜像に現像剤を選択的に供給する現像装置と、この現像
手段により前記感光体に選択的に供給された現像剤を用
紙に転写するとともに前記感光体に第1の電位と極性の
異なる電位を帯電させる転写帯電装置と、この転写帯電
装置により前記感光体に第1の電位と極性の異なる電位
が供給されることにより生じる電荷を所定の波長の光を
照射することにより除電する除電手段とを有することを
特徴とする画像形成装置が、提供される。
【0009】さらにまた、この発明によれば、所定の電
位に帯電された状態で光が照射されることで、光が照射
された領域とそれ以外の領域との電位差により潜像を保
持する単層構造の感光体と、この感光体に第1の電位を
帯電させる第1の帯電装置と、前記感光体に形成された
潜像に現像剤を選択的に供給する現像装置と、この現像
手段により前記感光体に選択的に供給された現像剤を用
紙に転写するとともに前記感光体に第1の電位と極性の
異なる電位を帯電させる転写帯電装置と、この転写帯電
装置により前記感光体に第1の電位と極性の異なる電位
が供給されることにより生じる電荷を所定の周波数の交
番電界を印加することにより除電する除電手段とを有す
ることを特徴とする画像形成装置が、提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、こ
の発明の第1の実施の形態が適用される画像形成装置の
要部を示す概略断面図である。
【0011】図1に示されるように、画像形成装置10
0は、図2を用いて後述する単層の感光層を含み、感光
層に所定の電位が与えられた状態で感光層の一部の電位
が消去されることにより生じる電位分布である静電潜像
を保持する潜像担持体すなわち感光ドラム10を有して
いる。感光ドラム10は、図示しない駆動機構を介して
矢印の方向に回転可能に形成されている。
【0012】感光ドラム10の周囲には、感光ドラム1
0の表面の感光層に所定の電位を与える主帯電装置2
0、主帯電装置20により供給された電位を後述する露
光装置により選択的に減衰させて感光ドラム10の表面
に電位差を与えて形成した静電潜像に可視化剤としての
現像剤を供給する現像装置30、現像装置30により感
光ドラム10の表面の潜像部分すなわち画像部にのみ供
給されたトナーを、記録紙に転写する転写装置40、転
写装置40による転写により画像部のトナーを記録紙に
転写させたあとの感光ドラム10上の残存トナーを取り
除くトナークリーナ50、トナークリーナ50により残
存トナーが除去された後の感光ドラム10に、主帯電装
置20により提供される電位とは逆の極性を有する逆極
性電位を与える第2の帯電装置60、及び、第2の帯電
装置60を介して逆極性に帯電された感光ドラム10の
表面の電荷を除去するとともに、感光ドラム10の感光
層内の分極を均一化するための除電装置70が、感光ド
ラム10が回転される方向に沿って、順に配置されてい
る。
【0013】なお、主帯電装置20と現像装置30との
間の空間には、主帯電装置20と現像装置30との間か
ら感光ドラム10の表面に画像情報に対応して強度変調
されたレーザビームなどの画像露光光が図示しない露光
装置、たとえば、レーザ露光装置により照射される。
【0014】感光ドラム10は、たとえば、アルミニウ
ム (Al) 等の導電性部材によって形成された円筒状の
支持体11の外周面に、後述する正帯電型用の単層の感
光層12が所定の厚さに配置されたものである。
【0015】主帯電装置20は、周知のスコロトロンチ
ャージャであって、後述する主帯電電源装置に接続さ
れ、感光ドラム10の外周面の単層感光層12に所定の
電位を供給するコロナワイヤ21、単層感光層12とコ
ロナワイヤ21とが対向される側に開口22aを有し、
コロナワイヤ21の周囲を覆うとともに、コロナワイヤ
21によるコロナ放電を、単層感光層12以外の方向に
対して遮蔽するシールドケース22、シールドケース2
2の開口22aの近傍、かつ、コロナワイヤ21と単層
感光層12との間に配置され、コロナワイヤ21により
所定の電位に帯電される単層感光層12の表面電位を所
定の電位に安定化するグリッドスクリーン23を有して
いる。
【0016】コロナワイヤ21には、所定の主帯電電圧
を提供する帯電電源装置24が接続され、主帯電電圧V
cが供給される。グリッドスクリーン23には、コロナ
ワイヤ21からのコロナ放電の一部を、グリッドバイア
ス電圧として保持するダイオード25が接続され、コロ
ナワイヤ21からのコロナ放電により供給される主帯電
電圧Vcとは異なるグリッドバイアス電圧Vcgが供給
される。
【0017】現像装置30は、感光ドラム10の軸方向
に延出されるとともに、感光ドラム10の軸線と自身の
軸線とがおおむね平行になるよう配置され、感光ドラム
10の外周面の単層感光層12と所定の位置で接触可能
に形成された現像ローラ31を有している。
【0018】現像ローラ31は、後述する現像剤 (潜像
可視化剤) としての非磁性トナーとともに、ハウジング
32に収容されている。なお、現像ローラ31は、感光
ドラム10と接触することで、自身の外周が変形可能な
弾性体によって形成されている。また、現像ローラ31
の外周面の所定の位置には、現像ローラ31に対して所
定の圧力で接触され、後述するトナー層の厚さ (以下、
層厚と示す) を所定の厚さに規制するとともに、以下に
説明する所定の極性および電位の帯電量をより正確に設
定するトナー規制ブレード31aが配置されている。
【0019】ハウジング32の底部であって、現像ロー
ラ31の近傍には、現像ローラ31の軸方向に延出され
るとともに、現像ローラ31の軸線と自身の軸線とがお
おむね平行になるよう配置され、現像ローラ31の外周
面と所定の位置で接触可能に形成されたトナー供給ロー
ラ33が配置されている。なお、ハウジング32内部の
トナー供給ローラ33と現像ローラ31の上方には、ト
ナー供給ローラ33による撹拌およびトナー供給ローラ
33と現像ローラ31とのより提供される摩擦等により
所定の極性ならびに電位に帯電されるトナー34が収容
されている。また、現像ローラ31ならびにハウジング
32内のトナー34には、現像バイアス電源装置35に
より、所定の極性ならびに大きさが与えられた現像バイ
アス電圧Vdが印加される。
【0020】転写装置40は、記録材、たとえば、用紙
を搬送する誘電体ベルト49を感光ドラム10との間に
介在させた状態で感光ドラム10の外周面に接触される
ローラであって、所定の抵抗値が与えられた抵抗層を外
周面に有する金属あるいは所定の抵抗値に形成された弾
性体により形成されている。
【0021】転写装置すなわち転写ローラ40には、所
定の転写電圧を提供するための転写電源装置41が接続
され、所定の大きさを有する転写電圧Vtが供給され
る。なお、転写ローラ40は、感光ドラム10の軸線と
自身の軸線とがおおむね平行になるよう配置されるとと
もに、感光ドラム10に従動して回転される。
【0022】トナークリーナ50は、感光ドラム10の
外周面12に所定の圧力で接触可能に形成されたクリー
ニングブレード51を含み、クリーニングブレード51
を、感光ドラム10の外周面12に接触させることによ
り、用紙に転写されずに感光ドラム10の外周面12に
残ったトナー (以下、残留トナーとする) を、ドラム1
0の外周面12から除去する。なお、クリーニングブレ
ード51により取り除かれた残留トナーは、ハウジング
52内に落下するとともに、ハウジング52に収容され
る。
【0023】第2の帯電装置60は、感光ドラム10の
外周面に接触されるローラ状に形成され、感光ドラム1
0の感光層 (外周面) 12に、主帯電装置20により、
感光ドラム10に提供される主帯電電圧Vcに対して逆
極性で所定の大きさを有する逆極性電圧Vxを提供す
る。なお、帯電ローラすなわち逆極性電圧帯電装置60
には、逆極性電圧電源装置61が接続されている。ま
た、帯電ローラ60は、感光ドラム10の軸線と自身の
軸線とがおおむね平行になるよう配置されるとともに、
感光ドラム10に従動して回転されることはいうまでも
ない。
【0024】除電装置70は、感光ドラム10の感光層
12の吸収波長のピークに対応する波長の光を発生する
ランプあるいは発光体であって、図示しない点灯回路に
より所定の光量で点灯 (あるいは発光制御) される。
【0025】次に、図1に示した画像形成装置100に
よる画像形成について説明する。まず、スコロトロンチ
ャージャ (主帯電装置) 20によって感光ドラム10の
感光層12が正の電位 (帯電電位) Vo、たとえば、5
00Vに帯電される。次いで、図示しないメモリ装置あ
るいは図示しない画像情報供給部から供給される画像情
報に基づいて、図示しないレーザ露光装置から、たとえ
ば、780nmのレーザビームLoが照射されて、潜像
が形成される。
【0026】レーザ露光装置による画像情報の露光によ
り、感光ドラム10の感光層12の露光部の表面電位V
oは、残留電位Vr、たとえば、100Vに低下され
る。なお、非露光部は、帯電電位Vo (500V) のま
まである。
【0027】続いて、現像装置30により、感光ドラム
10の感光層12の表面電気 (帯電電位) Voと同極性
に帯電されたトナー34が供給され、感光ドラム10の
感光層12の露光部すなわち静電潜像が現像される。な
お、この例では、トナー34として非磁性トナーのみを
用いた非磁性一成分現像とする。
【0028】詳細には、現像装置30の現像ローラ31
に、規制ブレード31aにより所定の厚さのトナー層を
形成して、現像ローラにトナーを担持させる。このと
き、現像ローラ31ならびに現像ローラ31に担持され
たトナー34に、現像バイアス電源装置35により、感
光ドラム10の感光層12の未露光部 (非画像部) の電
位Voと露光部 (画像部) の電位Vrとの間の大きさで
あって、 |Vr|<|Vd|<|Vo|、 が満足される、たとえば、250Vの現像バイアス電圧
Vdが印加される。
【0029】これにより、感光ドラム10の感光層12
と現像ローラ31とにより形成する現像電位により未露
光部 (非画像部) に対するトナー34の付着が抑制され
るとともに、露光部に対してのみトナー34が付着され
る。
【0030】このようにして感光ドラム10の感光層1
2の露光部のみに供給されたトナー34は、転写ローラ
40に印加される転写電圧Vt、たとえば、−1kVに
より用紙に転写される。また、記録紙に転写されずに感
光ドラム10の感光層12に残ったトナー34´は、ト
ナークリーナ50のクリーニングブレード51により感
光ドラム10の感光層12から除去されてハウジング5
2に回収される。
【0031】続いて、トナークリーナ50により表面の
残留トナー34´が除去された感光ドラム10の感光層
12に、帯電ローラ (第2の帯電装置すなわち逆極性帯
電装置) 60により、たとえば、−1kVの逆極性電圧
Vxを印加することで、感光ドラム10の感光層12の
非画像部 (未露光部) は、たとえば、−200Vに、ま
た、画像部 (露光部) は、たとえば、−500Vに、そ
れぞれ、帯電装置20により与えられる極性に対して逆
の極性に帯電される。なお、逆極性帯電装置60により
感光層12に逆極性電圧Vxが印加されるタイミング
は、図5を用いて後述するように、転写装置40による
感光層12への転写電圧Vtの印加の前後の所定時間に
規定される。
【0032】こののち、除電装置70により、感光ドラ
ム10の感光層12に、たとえば、610nmの波長の
光が照射される。これにより、感光ドラム10の感光層
12の逆極性の電位が除電されるとともに、感光ドラム
10の感光層内の分極が均一化される。
【0033】以下、感光ドラム10の引き続く回転に伴
なって、感光ドラム10の感光層12が、再び帯電され
るとともに、引き続いて、画像露光、現像、転写‥‥‥
の各工程が繰り返される。
【0034】次に、画像形成装置100における感光ド
ラム10の感光層12の特性を説明する。図2に示すよ
うに、感光ドラム10の感光層12は、支持体11上
に、所定の厚さに形成された単層層である。
【0035】正帯電型の単層感光層12の特徴は、1つ
の層 (バルク) に、電荷発生材12a、電子輸送材12
bおよび正孔輸送材12c等の複数種の混合物からなる
層が形成され、電荷の発生と輸送を兼ねていることであ
る。
【0036】電荷発生材12aには、たとえば、無金属
フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、バナジルフ
タロシアニン、銅フタロシアニン、アルミクロルフタロ
シアニンなどのフタロシアニン系顔料の各種結晶形
(α,β,γ,δ,ε,ζ,η,θ,ι,κ,λ,μ,
ν,ξ,ο,π,ρ,σ,τ,υ,φ,χ,ψ,ω,
A,B,C,Y型など) 、モノアゾ、ジスアゾ、トリス
アゾ、テトラキスアゾなどのアゾ系染料および顔料、ぺ
リレン酸無水物あるいはぺリレン酸イミドなどのぺリレ
ン染料および顔料、アントラキノン、ジブロモアントア
ントロンなどの多環キノン系染料および顔料、シアニン
系染料および顔料、キサンテン系染料および顔料、ピリ
リウム、チアピリウム染料とポリカーボネート樹脂から
なる共晶錯体、アズレニウム色素、スクアリリウム色
素、電子供与性物質と電子受容性物質との電荷移動錯体
などが利用可能である。
【0037】電荷輸送材12bには、ヒドラゾン化合
物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジ
アゾール化合物、チアゾール化合物、チアジアゾール化
合物、イミノ化合物、ケタジン化合物、エナミン化合
物、アミジン化合物、スチルベン化合物、ブタジエン化
合物、カルバゾール化合物およびこれらを高分子の主鎖
または側鎖に導入した高分子化合物が利用可能である。
【0038】単層の感光層12の厚さは、感光ドラム1
0に要求される性能に応じて、たとえば、2〜25μm
に規定される。次に、図2に示した単層の感光層12に
おける感光層内部の電子および正孔の特性について説明
する。
【0039】図3に示すように、単層の感光層12の表
面 (支持体11に接する側と反対の側) から正極性の電
位が与えられることにより、感光層12の表面が正に、
支持体11側が負に帯電される (A) 。
【0040】この状態で、外部から露光光あるいは光が
照射されることにより、感光層12の表面付近では、露
光光により励起された電子および正孔と感光層12の表
面および支持体側のそれぞれの正孔および電子が結合さ
れて消滅される (B,C) 。
【0041】ところで、感光層12は、電荷の発生と輸
送を同一層が兼ねているため、感光層12の内部には、
支持体11側に位置する深層部以外にも電荷を発生する
電荷発生材が存在する。電荷発生材の光吸収係数は、一
般に、露光に利用される光の波長によって異なることか
ら、露光光の波長によって感光層に露光光が侵入可能な
深さが異なり、従って、電荷発生に係わる深さは、励起
波長すなわち露光光の波長に依存する (D) 。
【0042】このことから、理想的には、発生した電荷
のうち電子は、少なくとも正孔輸送材12cの間をぬっ
て、電子輸送材すなわち電子を輸送する分子12bの間
をホッビングして輸送されるとともに、感光層12内部
においても、露光光により励起された電子および正孔と
感光層12の表面および支持体側のそれぞれの正孔およ
び電子が結合されて消滅される (E,F) 。
【0043】しかしながら、電子が輸送される空間に
は、電子輸送材12b以外の分子、たとえば、正孔輸送
材12c等が存在し、電子のトラップとして働く。一
方、発生した電荷のうち正孔も、感光層12中の多くの
トラップにより、輸送される過程でトラップされ、感光
層12中に、空間電荷が生成される (G) 。
【0044】このことは、感光ドラム10の感光層12
の未露光部 (非画像部) の電位Voと露光部 (画像部)
の電位Vrとの間の電位差を変動させる重大な要因とし
て、知られている (H) 。
【0045】そこで、感光ドラム10の感光層12に正
の電位が残った状態 (残留電位が0になるまでの間) に
おいて、感光層12を負 (感光層の第1の帯電に対して
逆極性) に帯電させる (I) 。
【0046】この逆極性の帯電により、感光層12に残
存する空間電荷のうち、正孔は感光層12の表面に、電
子は支持体11に向かって、それぞれ移動し、感光層1
2中で両者が再結合されることにより、空間電荷が除去
される (J) 。
【0047】さらに、感光層12の表面近傍のみを励起
可能な侵入長すなわち入射光のエネルギーが1/eまで
減衰する長さの短い波長の光、たとえば、波長610n
mの光を照射することにより、感光層12の表面近傍で
発生したキャリアのうち、正孔が感光層表面に存在する
電子と結合して、除電される (K,L) 。なお、図9お
よび図10を用いて後述するように、侵入長の短い光に
換えて、交番電界を付与してもよい。
【0048】図4は、図3に示した感光層12の逆極性
帯電ならびに除電による感光ドラム10の感光層12の
帯電電圧Voの変動の状態を示すグラフである。図4を
参照すれば、単層の感光層12を含む感光ドラム10を
用いて、24,000枚の画像形成動作を繰り返した状
態で、感光層12の逆極性帯電ならびに610nmの波
長の除電光による除電により、連続した10枚の画像形
成動作中に、感光層12の表面電位Voがほとんど変動
しないことが認められる。
【0049】比較のため示した逆極性帯電を伴なわない
従来の例では、同一の条件で、表面電位Voが100V
以上変動することが認められる。なお、図4に示したグ
ラフは、常温 (20℃) 常湿 (60%RH) の標準環境
における結果であるから、他の環境において、表面電位
Voがさらに変動することはいうまでもない。
【0050】図5は、図1に示した画像形成装置100
の第2の帯電装置60による逆極性電圧の印加のタイミ
ングを示すタイミングチャートである。図5に示される
ように、逆極性帯電装置60は、感光ドラム10の感光
層12に対し、画像形成動作中に、転写装置40が付勢
される前後の所定の時間、所定の大きさの逆極性電圧V
xを供給する。また、除電装置70は、電子写真方式を
利用した一般的な画像形成装置とおおむね同様に、感光
ドラム10が回転される間じゅう、感光層12に、連続
して、除電光を照射する。
【0051】なお、図1ないし図3に示した感光層12
には、第1のピークが610nm、第2ピークが780
nmの2つのピークの吸収波長特性を示す感光材が用い
ている。従って、たとえば、除電装置70により照射す
る除電光の波長として610nmを、レーザ露光装置か
らの露光光の波長として780nmを、それぞれ、用い
ることで、感光ドラム10の感光層12の未露光部 (非
画像部) の電位Voと露光部 (画像部) の電位Vrとの
間の電位差が不所望に変動することを防止できる。な
お、感光層12の吸収波長の2つのピークの吸収量が同
程度であれば、除電光波長と露光光の波長とを逆にする
ことも可能である。また、感光層12における吸収のピ
ークが1つである場合には、除電光波長と露光光の波長
を同一に設定できる。
【0052】以上説明したように、感光ドラムの周囲の
転写位置と帯電位置のとの間に、逆極性帯電装置を配置
して、感光ドラムの単層の感光層に逆極性電圧Vxを印
加することで、感光層内部の空間電荷を除去することが
できる。この場合、逆極性電圧Vxの印加によって感光
層の表面に新たなに生じる電位は、感光層の光吸収のピ
ークに対応する波長の除電光により除電される。
【0053】これにより、感光ドラムの感光層が保持す
る表面電位が安定され、感光ドラムの感光層の未露光部
(非画像部) の電位Voと露光部 (画像部) の電位Vr
の変動が抑制される。
【0054】従って、連続した画像形成において濃度変
化あるいはメモリ現象等の不良画像が生じることを低減
できる。図6は、この発明の第2の実施の形態が適用さ
れる画像形成装置の要部を示す概略断面図である。な
お、図1に示した第1の実施の形態と同一の構成につい
ては同一の符号を附して詳細な説明を省略する。
【0055】図6を参照すれば、画像形成装置200
は、図2を用いて既に説明した単層の感光層を含み、感
光層に所定の電位が与えられた状態で感光層の一部の電
位が消去されることにより生じる電位分布である静電潜
像を保持する潜像担持体すなわち感光ドラム10を有し
ている。
【0056】感光ドラム10の周囲には、主帯電装置2
0、現像装置30、現像装置30により感光ドラム10
の表面の潜像部分 (画像部) に供給されたトナー34を
記録紙に転写するとともに、感光ドラム10の感光層1
2内部の空間電荷を除去する転写除電装置140、トナ
ークリーナ50、及び、除電装置70が、感光ドラム1
0が回転される方向に沿って、順に配置されている。
【0057】なお、主帯電装置20と現像装置30との
間の空間には、主帯電装置20と現像装置30との間か
ら感光ドラム10の表面に画像情報に対応して強度変調
されたレーザビームなどの画像露光光が図示しない露光
装置、たとえば、レーザ露光装置により照射される。
【0058】転写除電装置140は、図1に示した転写
装置40と実質的に同一のローラ状の電圧印加装置であ
って、画像形成動作中における通常の転写装置として利
用される一方で、少なくとも感光ドラム10の感光層1
2に潜像を形成する前または後あるいはその両方の所定
の一定時間、たとえば、感光ドラム10が3回転する
間、感光ドラム10の感光層12に、帯電装置20によ
り感光層12に印加される電圧に対して逆極性 (負) の
電圧を供給する。
【0059】転写除電手段140は、画像形成動作中の
非トナー転写時には、図1に示した逆極性電圧帯電装置
60と同様に機能する。なお、転写除電手段40によ
り、画像形成動作中における通常の転写に利用される電
圧および画像形成動作中の非トナー転写時に利用される
逆極性電圧の大きさは、たとえば、双方ともに、−1K
Vに規定される。
【0060】従って、感光ドラム10は、図7に示すよ
うに、転写除電手段140と対向される転写位置におい
て、主帯電装置20から主帯電電圧Vcが供給される時
間とおおむね等しい時間、転写除電手段140からの逆
極性電圧Vxも提供される。
【0061】これにより、感光ドラム10の回転にとも
なって転写除電手段140との接触領域すなわち転写領
域を通過した感光層12の領域は、転写電圧Vtにより
現像装置30により供給されたトナーが用紙に転写され
ると同時に逆極性電圧Vxが印加されることで、主帯電
装置20による主帯電Vcにより帯電された表面電位極
性 (正極性) (Vo) とは逆極性の表面電位 (負極性)
、たとえば、−200Vに帯電される。
【0062】続いて、感光ドラム10の感光層12は、
たとえば、610nmの波長の光を発生するLEDから
なる除電装置70により露光され、図3のI,J,Kお
よびLを用いて既に説明したと同様に、感光層12の表
面近傍だけが励起され、転写除電装置140によって付
与された負の電位が除電、均一化される。
【0063】図7は、図6に示した画像形成装置200
における逆極性電圧の印加のタイミングを示すタイミン
グチャートである。図7に示されるように、転写除電装
置140は、感光ドラム10の感光層12に対し、画像
形成動作中に、転写除電装置140により感光ドラム1
0に対して転写バイアス電圧Vtが印加される前後であ
って、実質的に、感光ドラム10が回転される間じゅ
う、所定の大きさの逆極性電圧Vxを供給する。
【0064】また、除電装置70は、電子写真方式を利
用した一般的な画像形成装置とおおむね同様に、感光ド
ラム10が回転される間中、所定の波長の除電光を、感
光層12に、連続して照射する。
【0065】図8は、図7に示した逆極性電圧の印加の
タイミングと逆極性電圧の大きさの関係を示すタイミン
グチャートである。図8 (a) を参照すれば、転写除電
装置140を介して感光ドラム10の感光層12に印加
される転写電圧Vtおよび逆極性電圧Vxは、それぞ
れ、−2kVに規定される。従って、転写除電装置14
0は、感光ドラム10が回転されるとほぼ同時に逆極性
電圧Vxを出力し、引き続いて、用紙が転写除電装置1
40と感光ドラム10との間を通過される間、実質的に
逆極性電圧Vxと等しい転写電圧Vtを出力し、さら
に、感光ドラム10が停止されるまで再び逆極性電圧V
xを出力する。この場合、感光ドラム10の感光層12
の逆極性帯電により生じる電荷を消去するために要求さ
れる除電装置70の出力すなわち除電光の光量を低減で
きる。
【0066】以上説明したように、感光ドラムの感光層
に対して潜像を形成する前または後あるいはその両方の
所定の間、転写装置により、主帯電装置による感光ドラ
ムへの主帯電により提供される表面電位に対して逆の極
性を有する逆極性電圧を印加することにより、感光ドラ
ムの感光層に、正の表面電位が乗った状態で負に帯電さ
れ、感光層に残存する空問電荷のうち、正孔は感光層表
面に、電子は支持体に向かって移動されて、感光層中で
両者が再結合し空間電荷が除去される。
【0067】この場合、さらに、感光層表面近傍だけが
励起される、侵入長の短い波長の光を照射することによ
り、感光層の表面近傍で発生したキャリアのうち正孔
が、感光層表面に存在する電子と結合し除電、均一化さ
れる。
【0068】この結果、感光ドラムの感光層の未露光部
(非画像部) の電位Voと、露光部(画像部) の電位V
rの変動が抑制され、連続した画像形成において濃度変
化あるいはメモリ現象等の不良画像が生じることが抑止
される。
【0069】なお、図6に示した第2の実施の形態によ
れば、図1に示した第1の実施の形態に比較して、第2
の帯電装置に要求されるコストが低減される。さらに、
逆極性電圧Vxと転写電圧Vtの大きさ同じにする異な
る電源装置が不要となり、よりコストを低減できる。一
方、逆極性電圧Vxと転写電圧Vtの大きさを、図8
(b) に示すように、転写電圧Vtを−2kVおよび逆
極性電圧Vxを−800Vの2種類とすることも可能で
ある。
【0070】図9は、この発明の第3の実施の形態が適
用される画像形成装置の要部を示す概略断面図である。
なお、図1に示した第1の実施の形態と同一の構成につ
いては同一の符号を附して詳細な説明を省略する。
【0071】図9を参照すれば、画像形成装置300
は、図2を用いて既に説明した単層の感光層を含み、感
光層に所定の電位が与えられた状態で感光層の一部の電
位が消去されることにより生じる電位分布である静電潜
像を保持する潜像担持体すなわち感光ドラム10を有し
ている。
【0072】感光ドラム10の周囲には、主帯電装置2
0、現像装置30、現像装置30により感光ドラム10
の表面の潜像部分 (画像部) に供給されたトナー34を
記録紙に転写するとともに、感光ドラム10の感光層1
2内部の空間電荷を除去する転写除電装置140、トナ
ークリーナ50、及び、トナークリーナ50を介して感
光層12に残った残存トナーが除去された後の感光ドラ
ム10に、所定の周波数fの交番電界を印加する交番電
界印加装置80が、感光ドラム10が回転される方向に
沿って、順に配置されている。
【0073】なお、主帯電装置20と現像装置30との
間の空間には、主帯電装置20と現像装置30との間か
ら感光ドラム10の表面に画像情報に対応して強度変調
されたレーザビームなどの画像露光光が図示しない露光
装置、たとえば、レーザ露光装置により照射される。
【0074】転写除電装置40は、感光ドラム10の感
光層12に潜像を形成する前または後あるいはその両方
のある一定時間、たとえば、少なくとも、感光ドラム1
0が3回転する間、逆極性電圧を出力する。この場合、
転写除電装置140により感光ドラム10の感光層12
に印加される逆極性電圧Vxは、たとえば、−1ΚVに
設定される。これにより、感光ドラム10の感光層12
の転写除電装置140を通過した領域は、主帯電手段2
0を通過した後の表面電位Voの極性すなわち正極性と
は逆の極性すなわち負極性で、たとえば、−200Vに
帯電される。
【0075】交番電界印加装置80は、所定の大きさな
らびに周波数の交番電界を発生する交番電界発生装置8
1に接続され、転写除電装置140からの逆極性電圧に
より逆極性に帯電された感光ドラム10の感光層12
に、たとえば、大きさが3kV(ピーク−ピーク) で、
周波数fが、1kHzの交番電界を供給する。なお、交
番電界印加装置80は、たとえば、周知のスコロトロン
あるいはコロトロン等の非接触電界付与装置や、ローラ
またはブラシ等の接触電界付与装置によって形成され
る。
【0076】交番電界印加装置80は、転写除電装置1
40により感光ドラム10の感光層12に供給された負
の電位 (逆極性電圧Vx) を除電して、感光層12の分
極を均一化する。従って、主帯電装置20による引き続
く帯電、図示しない露光装置による潜像形成において、
感光層12内部で空間電荷が不所望に発生することが防
止される。
【0077】以上説明したように、感光ドラムの感光層
に対して潜像を形成する前または後あるいはその両方の
所定の間、転写装置により、主帯電装置による感光ドラ
ムへの主帯電により提供される表面電位に対して逆の極
性を有する逆極性電圧を印加することにより、感光ドラ
ムの感光層に、正の表面電位が乗った状態で負に帯電さ
れ、感光層に残存する空問電荷のうち、正孔は感光層表
面に、電子は支持体に向かって移動されて、感光層中で
両者が再結合し空間電荷が除去される。
【0078】続いて、逆極性 (負) に帯電された感光ド
ラム表面の表面電荷だけを交番電界で除電することで、
感光ドラムの感光層の表面電位を均一に保持できる。こ
れにより、感光ドラムの感光層の未露光部 (非画像部)
の電位voと露光部(画像部) の電位Vrの変動を抑制
され、連続した画像形成において濃度変化あるいはメモ
リ現象等の不良画像が生じることが抑止される。
【0079】図10は、図9に示したこの発明の第3の
実施の形態のさらに好適な変形例を示す概略断面図であ
る。なお、図9に示した第3の実施の形態と同一の構成
については同一の符号を附して詳細な説明を省略する。
【0080】図10を参照すれば、画像形成装置400
は、図2を用いて既に説明した単層の感光層を含み、感
光層に所定の電位が与えられた状態で感光層の一部の電
位が消去されることにより生じる電位分布である静電潜
像を保持する潜像担持体すなわち感光ドラム10を有し
ている。
【0081】感光ドラム10の周囲には、主帯電装置2
0、現像装置30、現像装置30により感光ドラム10
の表面の潜像部分 (画像部) に供給されたトナー34を
記録紙に転写する転写装置40、トナークリーナ50、
トナークリーナ50を介して感光層12に残った残存ト
ナーが除去された後の感光ドラム10に、主帯電装置2
0により提供される電位とは逆の極性を有する逆極性電
位を与える第2の帯電装置60、及び、第2の帯電装置
60により逆極性に帯電された感光ドラム10の表面の
電荷を除去するとともに感光ドラム10の感光層12内
の分極を均一化するために所定の周波数fの交番電界を
印加する交番電界印加装置80が、感光ドラム10が回
転される方向に沿って、順に配置されている。
【0082】なお、主帯電装置20と現像装置30との
間の空間には、主帯電装置20と現像装置30との間か
ら感光ドラム10の表面に画像情報に対応して強度変調
されたレーザビームなどの画像露光光が図示しない露光
装置、たとえば、レーザ露光装置により照射される。
【0083】第2の帯電装置60は、感光ドラム10の
外周面に接触されるローラ状に形成され、感光ドラム1
0の感光層 (外周面) 12に、主帯電装置20により、
感光ドラム10に提供される主帯電電圧Vcに対して逆
極性で所定の大きさを有する逆極性電圧Vxを提供す
る。なお、帯電ローラすなわち逆極性電圧帯電装置60
には、逆極性電圧電源装置61が接続されている。ま
た、帯電ローラ60は、感光ドラム10の軸線と自身の
軸線とがおおむね平行になるよう配置されるとともに、
感光ドラム10に従動して回転されることはいうまでも
ない。この場合、第2の帯電装置60により感光ドラム
10の感光層12に印加される逆極性電圧Vxは、たと
えば、−1ΚVに設定される。これにより、感光ドラム
10の感光層12の非画像部は−200Vに、画像部は
−50Vに、それぞれ、帯電される。
【0084】交番電界印加装置80は、第2の帯電装置
60により逆極性に帯電された感光ドラム10の感光層
12に、たとえば、大きさが3kV (ピーク−ピーク)
で、周波数fが、1kHzの交番電界を供給する。
【0085】詳細には、交番電界印加装置80は、第2
の帯電装置60を介して感光ドラム10の感光層12に
供給された負の電位 (逆極性電圧Vx) を除電して、感
光層12の分極を均一化する。
【0086】従って、主帯電装置20による引き続く帯
電、図示しない露光装置による潜像形成において感光層
12内部で空間電荷が不所望に発生することが防止され
る。以上説明したように、感光ドラムの感光層に対して
潜像を形成する前または後あるいはその両方の所定の
間、転写装置により、主帯電装置による感光ドラムへの
主帯電により提供される表面電位に対して逆の極性を有
する逆極性電圧を印加することにより、感光ドラムの感
光層に、正の表面電位が乗った状態で負に帯電され、感
光層に残存する空問電荷のうち、正孔は感光層表面に、
電子は支持体に向かって移動されて、感光層中で両者が
再結合し空間電荷が除去される。
【0087】続いて、逆極性 (負) に帯電された感光ド
ラム表面の表面電荷だけを交番電界で除電することで、
感光ドラムの感光層の表面電位を均一に保持できる。こ
れにより、感光ドラムの感光層の未露光部 (非画像部)
の電位voと露光部(画像部) の電位Vrの変動を抑制
され、連続した画像形成において濃度変化あるいはメモ
リ現象等の不良画像が生じることが抑止される。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の画像形
成装置によれば、現像装置を通過した後の領域を逆極性
に帯電させることにより、露光手段による画像露光に関
連して潜像担持体の感光層内部に発生した空間電荷の正
孔は感光層表面側に、また、電子は支持体側に、それぞ
れ、移動される。このとき、感光層内部を移動する正孔
および電子は、感光層内部で、相互に再結合される。従
って、不所望な空間電荷を除去可能となる。また、感光
層の表面付近に残った電子すなわち感光層内部で再結合
されない電子は、侵入長すなわち入射光のエネルギーが
1/eまで減衰する長さの短い波長の光の照射、あるい
は、交番電界の印加によって消滅される。なお、侵入長
の短い波長の光を照射した場合、感光層表面の近傍のみ
でキャリアが生成し、逆極性の帯電の極性が負である場
合に、キャリアのうちの正孔が感光層の表面付近の電子
と結合されることから、表面電荷が消滅される。
【0089】このように、感光層内部と感光層の表面の
それぞれの空間電荷を、異なる除去機構により消去する
ことで、正帯電型の単層感光体を利用した場合に問題と
なる帯電電位および露光後電位の変動が抑止され、安定
した潜像が形成される。
【0090】従って、画像濃度の変動あるいは不所望な
メモリ現象などが生じることのない画像形成装置が提供
される。また、負帯電型の感光体に比較して、人体に有
害なオゾンの発生が大幅に低減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る画像形成装
置の要部を示す概略断面図。
【図2】図1に示した画像形成装置に利用される単層構
造の感光ドラムの感光層の構造を示す概略断面図。
【図3】図2に示した感光層における空間電荷の移動お
よび消滅の特性を説明する概略図。
【図4】図1に示した画像形成装置における感光ドラム
の帯電特性を示すグラフ。
【図5】図1に示した画像形成装置における各要素の制
御タイミングを示すタイミングチャート。
【図6】図1に示した第1の実施の形態と異なる第2の
実施の形態に係る画像形成装置の要部を示す概略断面
図。
【図7】図6に示した画像形成装置における各要素の制
御タイミングを示すタイミングチャート。
【図8】図7に示した逆極性電圧の印加のタイミングと
逆極性電圧の大きさの関係を示すタイミングチャート。
【図9】図1に示した第1の実施の形態と異なる第3の
実施の形態に係る画像形成装置の要部を示す概略断面
図。
【図10】図9に示した第3の実施の形態の変形例に係
る画像形成装置の要部を示す概略断面図。
【符号の説明】
10…潜像担持体 (感光ドラム) 、20…帯電装置 (帯
電手段) 、30…現像手段 (現像装置) 、40…転写手
段 (転写装置) 、50…トナークリーナ、60…第2の
帯電装置 (逆帯電手段) 、70…除電手段 (光除電装
置) 、80…除電手段 (交番電界印加装置) 、140…
転写除電手段 (転写装置) 。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単層構造である感光層を有する潜像担持体
    と、前記潜像担持体を帯電させる第1の帯電手段と、前
    記帯電された潜像担持体に静電潜像を形成する露光手段
    と、前記形成された静電潜像を顕像化する現像手段と、
    前記顕像化像を転写材に転写する転写手段と、を有する
    画像形成装置において、 前記帯電手段による第1の帯電以前に、前記感光層内部
    の空間電荷を除去する除去手段と、 前記感光層表面の表面電荷を除去する除電手段と、を有
    することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】前記除去手段は、前記第1の帯電による帯
    電とは逆極性に帯電させる第2の帯電手段であることを
    特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】前記除電手段は、前記感光層のみを励起さ
    せる波長の光を照射する手段であることを特徴とする請
    求項1記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】前記除電手段は、前記感光層に交番電界を
    付与する手段であることを特徴とする請求項1記載の画
    像形成装置。
  5. 【請求項5】前記除去手段は、前記転写手段と前記除電
    手段の間に位置されることを特徴とする請求項1記載の
    画像形成装置。
  6. 【請求項6】前記除去手段と前記感光層との間を、前記
    転写材が通過されることを特徴とする請求項5記載の画
    像形成装置。
  7. 【請求項7】所定の電位に帯電された状態で光が照射さ
    れることで、光が照射された領域とそれ以外の領域との
    電位差により潜像を保持する単層構造の感光体と、 この感光体に第1の電位を帯電させる第1の帯電装置
    と、 前記感光体に形成された潜像に現像剤を選択的に供給す
    る現像装置と、 この現像手段により前記感光体に選択的に供給された現
    像剤を用紙に転写する転写装置と、 前記感光体に第1の電位と極性の異なる電位を帯電させ
    る第2の帯電装置と、 この第2の帯電装置により前記感光体に第1の電位と極
    性の異なる電位が供給されることにより生じる電荷を、
    所定の波長の光を照射することにより除電する除電手段
    と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】所定の電位に帯電された状態で光が照射さ
    れることで、光が照射された領域とそれ以外の領域との
    電位差により潜像を保持する単層構造の感光体と、 この感光体に第1の電位を帯電させる第1の帯電装置
    と、 前記感光体に形成された潜像に現像剤を選択的に供給す
    る現像装置と、 この現像手段により前記感光体に選択的に供給された現
    像剤を用紙に転写する転写装置と、 前記感光体に第1の電位と極性の異なる電位を帯電させ
    る第2の帯電装置と、 この第2の帯電装置により前記感光体に第1の電位と極
    性の異なる電位が供給されることにより生じる電荷を、
    所定の周波数の交番電界を印加することにより除電する
    除電手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】所定の電位に帯電された状態で光が照射さ
    れることで、光が照射された領域とそれ以外の領域との
    電位差により潜像を保持する単層構造の感光体と、 この感光体に第1の電位を帯電させる第1の帯電装置
    と、 前記感光体に形成された潜像に現像剤を選択的に供給す
    る現像装置と、 この現像手段により前記感光体に選択的に供給された現
    像剤を用紙に転写するとともに前記感光体に第1の電位
    と極性の異なる電位を帯電させる転写帯電装置と、 この転写帯電装置により前記感光体に第1の電位と極性
    の異なる電位が供給されることにより生じる電荷を所定
    の波長の光を照射することにより除電する除電手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】所定の電位に帯電された状態で光が照射
    されることで、光が照射された領域とそれ以外の領域と
    の電位差により潜像を保持する単層構造の感光体と、 この感光体に第1の電位を帯電させる第1の帯電装置
    と、 前記感光体に形成された潜像に現像剤を選択的に供給す
    る現像装置と、 この現像手段により前記感光体に選択的に供給された現
    像剤を用紙に転写するとともに前記感光体に第1の電位
    と極性の異なる電位を帯電させる転写帯電装置と、 この転写帯電装置により前記感光体に第1の電位と極性
    の異なる電位が供給されることにより生じる電荷を所定
    の周波数の交番電界を印加することにより除電する除電
    手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
JP25054695A 1995-09-28 1995-09-28 画像形成装置 Pending JPH0990833A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25054695A JPH0990833A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25054695A JPH0990833A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0990833A true JPH0990833A (ja) 1997-04-04

Family

ID=17209525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25054695A Pending JPH0990833A (ja) 1995-09-28 1995-09-28 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0990833A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9753392B2 (en) 2015-07-28 2017-09-05 Kyocera Document Solutions Inc. Image carrier unit having an image carrier and a charging device for charging the image carrier integrated into a unit and image forming apparatus including same
US9927766B2 (en) 2016-08-04 2018-03-27 Kyocera Document Solutions Inc. Removable unit and image forming apparatus therewith
JP2018155857A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9753392B2 (en) 2015-07-28 2017-09-05 Kyocera Document Solutions Inc. Image carrier unit having an image carrier and a charging device for charging the image carrier integrated into a unit and image forming apparatus including same
US9927766B2 (en) 2016-08-04 2018-03-27 Kyocera Document Solutions Inc. Removable unit and image forming apparatus therewith
JP2018155857A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4407918A (en) Electrophotographic process and apparatus for making plural copies from a single image
KR100695045B1 (ko) 화상형성방법 및 화상형성장치
US4607934A (en) Electrophotography using a photosensitive drum with multi-photosensitive layers sensitive to different wave lengths
JPH04352183A (ja) 画像形成方法
JPH0990833A (ja) 画像形成装置
JPS6138468B2 (ja)
US4699864A (en) Image forming method using long wavelength light source
JP2010204655A (ja) フォトレセプタ起因の画像ゴーストを抑圧する装置及び方法
JPS59222871A (ja) 電子写真プロセス
JP2020086240A (ja) 画像形成装置
JPH039364A (ja) 電子写真感光体
JPH09222779A (ja) 画像形成装置
JP2002006566A (ja) 画像形成装置
JPH07152294A (ja) 画像形成装置における前帯電・除電方法
JPH10307441A (ja) カラー画像形成装置
JP2000029359A (ja) 画像形成装置
JPH054671B2 (ja)
JPH0816052A (ja) 電子写真プリンタ
JPH0850435A (ja) 画像形成装置
JPS5978379A (ja) 電子写真方法
JPH07152295A (ja) 画像形成装置
JPH09190131A (ja) カラー画像形成装置
JPH09197778A (ja) カラー画像形成装置
JPS61284788A (ja) 情報記録装置
JPH07325450A (ja) カラー画像形成装置