JPH0990347A - 強誘電性液晶表示素子 - Google Patents

強誘電性液晶表示素子

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JPH0990347A
JPH0990347A JP7247931A JP24793195A JPH0990347A JP H0990347 A JPH0990347 A JP H0990347A JP 7247931 A JP7247931 A JP 7247931A JP 24793195 A JP24793195 A JP 24793195A JP H0990347 A JPH0990347 A JP H0990347A
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敏明 吉原
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昭宏 望月
Hironori Shirato
博紀 白戸
Tetsuya Makino
哲也 牧野
Yoshinori Kiyota
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電性液晶を利用した強誘電性液晶表示素
子、特に、バックライトを必要としない反射型の強誘電
性液晶表示素子において、明状態における光の利用効率
が悪くて大きな透過光量を得られず、暗い明状態であ
る。 【解決手段】 2枚のガラス基板2,11によって形成さ
れる空隙内に強誘電性液晶7が封入された液晶パネル
と、液晶パネルを挟むように配置された2枚の偏光板
1,12とを有する強誘電性液晶表示素子において、明状
態における強誘電性液晶7の分子長軸と偏光板1の偏光
軸とのなす角が35〜55°、好ましくは45°となるように
偏光板1を設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電性液晶を用
いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、個人的に使用するワードプロセッ
サ,パーソナルコンピュータ等、小型軽量化が求められ
る情報機器には、液晶ディスプレイが広く使用されてい
る。特に最近広く普及しつつある携帯型の情報機器に使
用される液晶ディスプレイには、単に、小型化,軽量化
だけでなく、低消費電力化,カラー化等の画質向上が強
く要望されている。低消費電力という観点から見ると、
バックライトが不要である高画質の反射型液晶表示素子
が求められている。
【0003】このような液晶表示素子において、強誘電
性液晶を用いた液晶表示素子、所謂、強誘電性液晶表示
素子が注目されている。強誘電性液晶は、強誘電性を示
すスメチック相からなる液晶分子の配列を有し、液晶分
子の配列にメモリ性がある、応答速度が極めて速い、視
野角が広い等の優れた特徴を備えている。
【0004】強誘電性液晶を液晶表示素子に用いる場
合、液晶分子の螺旋構造をほどいて、それぞれの液晶分
子の自発分極を層間にわたって一定方向に揃えることが
必要である。これを実現するためには、液晶表示素子の
セル厚を螺旋ピッチよりも小さくすれば良い。即ち、強
誘電性液晶の螺旋軸が基板に平行、層が垂直なパネルに
おいては、1〜2μmぐらいの薄さになると、図8に示
すような構造になる。
【0005】この表面で安定化された状態(Surface St
abilized states:SS状態)では、自発分極の反転という
強誘電性液晶の強誘電性としての性質を利用できる。こ
のような液晶パネルを表面安定化強誘電性液晶(Surfac
e Stabilized FerroelectricLiquid Crystal:SSFLC)パ
ネルという。自発分極Pの上向き,下向きに対応して、
液晶分子Lの長軸が層法線方向から右側,左側にそれぞ
れθだけ傾いており(この傾斜角をチルト角という)、
双安定状態になっている。右側に傾いた状態と左側に傾
いた状態とが最初は混在していても、透明電極を使って
電場Eを上向きに印加すれば、全体が右側に傾いた状態
となる。一方、印加電場Eを反転して下向きにすれば、
全体が右側に傾いた状態になる。この様子をモデル的に
図9に示す。
【0006】SS状態を利用した強誘電性液晶パネルは、
双安定性を示し、層法線に対して左右いずれの側に傾い
た状態も安定であり、しかも電場印加によりいずれかの
状態にした後、電場を切っても、その状態を維持し続け
る。すなわち、メモリ性があり、この強誘電性液晶液晶
のメモリ効果を利用した大容量表示が可能である。ま
た、ネマチック液晶のスイッチングが液晶の誘電異方性
と電界エネルギとの相互作用によって行われるのに対し
て、強誘電性液晶のスイッチングは液晶の双極子モーメ
ントと電界との相互作用によって行われるので、その応
答速度はネマチック液晶に比べて非常に速く、1ライン
当たりの走査時間が100 μsec.程度と極めて短く、高速
対応である。更に、強誘電性液晶表示素子では、液晶分
子が印加電圧の有無に関わらず常に基板に対して平行で
あるので、視野角が極めて広く、実用上、表示特性の視
野角がないと言ってもよい程である。
【0007】直交させた2枚の偏光板の間にこの強誘電
性液晶パネルを挿入し、例えば液晶分子の長軸が右側に
傾いているとき暗視野になるように、一方の偏光板の偏
光軸を液晶分子の長軸と一致させておく。電場を反転さ
せて、液晶分子の長軸を左側に傾かせれば、複屈折によ
り光が透過する。この際の透過光量Iは入射光量I0
用いて以下の式(1)で表される。
【0008】 I=I0 sin2 2α・ sin2 (πΔnd/λ) …(1) 但し、 d:パネルギャップ Δn:液晶の屈折率 λ:波長 α:液晶の光軸と一方の偏光板の偏
光軸とのなす角度
【0009】一方の偏光板の偏光軸と液晶分子の長軸と
が一致しているとき、式(1)においてα=0となり、
透過光量I=0(黒レベルが最小)となる。電場を反転
させると、液晶分子が逆に傾き、α=2θとなる。よっ
て、理論的には、式(1)においてα=45°つまりθ=
22.5°のとき、透過光量Iは最大となる。しかしなが
ら、実際の強誘電性液晶のチルト角θは10〜16°程度と
小さいので、最大の透過光量を得ることができない。
【0010】図10は、強誘電性液晶表示素子の基本的な
構成を示す図である。図10において、31,32は図示しな
いスペーサにより所定間隔(1〜2μm程度)を隔てて
対向配置された2枚の透明なガラス基板である。下側の
ガラス基板32の上面には、画面部分に電界を与えるため
一方の電極である透明電極34,絶縁膜36及び配向膜38が
この順に積層形成されている。上側のガラス基板31の下
面には、画素部分に電界を与えるための他方の電極であ
る透明電極33,絶縁膜35及び配向膜37がこの順に積層形
成されている。配向膜37,38が対向する空間内に強誘電
性液晶39が封入されている。このような構成の液晶セル
が、偏光軸を直交させた2枚の偏光板40,41の間に挿入
されている。なお、バックライトを用いず周囲光を利用
して表示を行う反射型の強誘電性液晶表示素子の場合に
は、一方の偏光板40(または41)に反射膜が付設されて
いる。
【0011】上述した構成において、例えば強誘電性液
晶39の分子が右側に傾いているときに暗視野になるよう
に、一方の偏光板40(または41)の偏光軸を強誘電性液
晶39の分子長軸と一致させている。即ち、偏光板40,41
の両偏光軸と液晶分子長軸との関係は図11のようにな
り、最小の暗レベルを得ることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、強誘電性液晶のチルト角θは、実際には、10
〜16°程度であり、透過光量を最大とする理想の22.5°
を得ることが難しい。従って、従来の強誘電性液晶表示
素子における偏光板の偏光軸と液晶分子長軸との関係で
は、最小の暗レベルを得ることはできるが、チルト角が
小さいので、明状態における光の利用効率が悪く、暗い
明状態となってしまう。特に、反射型の強誘電性液晶デ
ィスプレイでは、周囲光のみを用いて表示を行うので、
利用できる光量が絶対的に小さいため、明状態において
光の利用効率が低くて大きな透過光量を得られないとい
う問題は深刻である。このように、従来の反射型の強誘
電性液晶ディスプレイは、暗い表示しか行えないという
課題があり、透過率の向上,明るさの増大が望まれてい
る。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、明状態における光の利用効率を高めて明るい表
示を実現できる強誘電性液晶表示素子、特に、反射型の
強誘電性液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の強誘電性
液晶表示素子は、2枚の基板によって形成される空隙内
に強誘電性液晶が封入された液晶パネルと、該液晶パネ
ルを挟むように配置された2枚の偏光板とを有する強誘
電性液晶表示素子において、明状態における液晶分子の
長軸と一方の偏光板の偏光軸とのなす角が35〜55°とな
るように該一方の偏光板を設置していることを特徴とす
る。
【0015】請求項2記載の強誘電性液晶表示素子は、
請求項1において、明状態における液晶分子の長軸と前
記一方の偏光板の偏光軸とのなす角が45°であることを
特徴とする。
【0016】請求項3記載の強誘電性液晶表示素子は、
請求項1または2において、光反射膜を備え、反射型の
強誘電性液晶表示素子であることを特徴とする。
【0017】請求項4記載の強誘電性液晶表示素子は、
請求項1,2または3において、カラーフィルタを備
え、カラーの強誘電性液晶表示素子であることを特徴と
する。
【0018】本発明の強誘電性液晶表示素子にあって
は、液晶分子長軸と一方の偏光板の偏光軸とが一致して
暗状態のレベルが最小となる従来の状態から、明状態が
明るくなる方向に、その偏光板を回転させ、明状態の液
晶分子長軸とその偏光板の偏光軸とのなす角が35〜55
°、好ましくは45°となるようにその偏光板を設置す
る。このようにすると、以下に述べるような理由によ
り、明状態での光の利用効率を高めることができ、明る
い表示が可能となる。
【0019】従来の液晶分子長軸と一方の偏光板の偏光
軸とが一致して暗状態のレベルが最小となる状態から、
図12に示すように、明状態が明るくなる方向へ、偏光軸
をφだけ回転させると透過光量Iは、以下の式(2)で
表される。
【0020】 I=I0 sin2 2(α+φ)・ sin2 (πΔnd/λ) …(2)
【0021】例えば、使用する強誘電性液晶のチルト角
θが16°(α=2θ=32°)のとき明状態の透過光量
は、φが大きくなるに従って増加し、φ=13°(α+φ
=45°)のとき、すなわち、液晶分子長軸と一方の偏光
板の偏光軸とのなす角が45°のときに最大となる。ま
た、例えば、チルト角θが13°である強誘電性液晶を使
用した場合には、φが大きくなるに従って透過光量が増
加し、φ=19°(α+φ=45°)のとき最大となる。
【0022】以上のように、使用する強誘電性液晶のチ
ルト角θとは無関係に、液晶分子長軸と一方の偏光板の
偏光軸とが一致して暗状態のレベルが最小となる状態か
ら、明状態が明るくなる方向へ、その偏光板の偏光軸を
ずらすことにより、明状態の透過光量を増加することが
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は
これらの実施の形態に限定されるものではない。
【0024】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1(第1例)による強誘電性液晶表示素子の構成を
示す図である。図1において、2,11は2枚の透明なガ
ラス基板である。下側のガラス基板11の上面には、画面
部分に電界を与えるため一方の電極であるITOからな
る透明電極10,SiO2 からなる絶縁膜9及び上面がラ
ビング処理されたポリイミドからなる配向膜8がこの順
に積層形成されている。上側のガラス基板2の下面に
は、画素部分に電界を与えるための他方の電極であるI
TOからなる透明電極3,SiO2 からなる絶縁膜4及
び下面がラビング処理されたポリイミドからなる配向膜
5がこの順に積層形成されている。
【0025】ガラス基板2,11を含むそれぞれの積層体
は、ガラス球からなるスペーサ6により所定間隔(基板
間隔が約2μm)を隔てて、配向膜5,8が対向する態
様にて対向配置されており、両積層体間の空間内に強誘
電性液晶7が封入されている。強誘電性液晶7は、ナフ
タレン系液晶を主成分とし、ブックシェルフ型の層構造
を有し、チルト角θ=16°である。
【0026】表面にSiO2 膜(絶縁膜4,9)を約10
00Å蒸着した透明電極3,10(電極幅 0.185mm,ピッ
チ 0.2mm)付きのガラス基板2,11をそれぞれ洗浄し
た後、ポリイミドをスピンコータで塗布し、200 ℃,1
時間焼成し、約1000Åのポリイミド膜(配向膜5,8)
を成膜し、このポリイミド膜の表面をレーヨン製の布で
ラビングし、 1.6μm平均粒径のガラス球をスペーサ6
として、液晶パネルを作製する。出来上がりのセルギャ
ップは約2μmであり、このセルにナフタレン系液晶を
主成分とするチルト角θ=16°の強誘電性液晶7を注入
して、上述した構成を有する液晶パネルを作製する。
【0027】このような構成の液晶セルが、偏光軸を直
交させた2枚の偏光板1,12の間に挿入されている。こ
の際、強誘電性液晶7の分子長軸と一方の偏光板1の偏
光軸とが一致して暗状態のレベルが最小となる状態か
ら、この一方の偏光板1をφだけ回転させた状態に設定
する。他方の偏光板12は、その偏光軸が偏光板1の偏光
軸に直交するように設定する。なお、これらの各偏光板
1,12として、例えば、日東電工(株)製:NPF-G1220D
U の偏光板を使用する。
【0028】図2は、チルト角θ=16°(α=2θ=32
°)の強誘電性液晶7の暗状態における分子長軸と偏光
板1の偏光軸とのなす角φを変化させた場合における光
透過率の変化を示すグラフであり、光透過率は最大の透
過量に対する比の値で示している。また、チルト角θ=
13°(α=2θ=26°)である強誘電性液晶7を使用し
た場合における同様な光透過率の変化を図3に示す。図
2,図3においては、実線が前述の式(2)に基づく明
状態の計算値、点線が前述の式(2)に基づく暗状態の
計算値を示し、○が明状態の実際の測定値、△が暗状態
の実際の測定値を示している。なお、透過光量は、光電
子増倍管にて測定した。
【0029】図2,図3から明らかなように、透過光量
比の測定値は、前述の式(2)に基づく計算値と良好な
一致を示す。そして、強誘電性液晶7のチルト角θによ
らず、φが0°から大きくなるに従って透過光量比が増
大し、明状態における一方の偏光板1の偏光軸と強誘電
性液晶7の分子長軸とのなす角φ+αの値が35〜55°の
ときに、明状態の透過光量比が0.88以上と高い値を示
す。同様に、φ+αの値が40〜50°のときには、明状態
の透過光量比が0.97以上とほぼ1に近い値が得られる。
さらにφ+αの値が45°(チルト角θ=16°の強誘電性
液晶7の場合にはφ=13°,チルト角θ=13°の強誘電
性液晶7の場合にはφ=19°)になると、明状態の透過
光量比が最大の1になる。
【0030】以上のように、暗状態のレベルが最小とな
る従来の状態から、明状態が明るくなる方向へ、一方の
偏光板を回転させ、明状態の液晶分子長軸と一方の偏光
板の偏光軸とのなす角を35〜55°、好ましくは40〜50
°、さらに好ましくは45°となるように偏光板を設置す
ることにより、明状態での透過光量を高めることが可能
となり、明るい表示が可能になる。また、2枚の偏光板
の偏光軸を直交させているので、黒の表示が明瞭とな
る。
【0031】(実施の形態2)図4は、本発明の実施の
形態2(第2例)による強誘電性液晶表示素子の構成を
示す図である。図4に示す第2例は、バックライトを用
いずに周囲光を利用して表示を行う反射型の強誘電性液
晶表示素子である。一方の偏光板12の下側面(ガラス基
板11と反対側の面)に、光を反射する反射膜13が設けら
れている点を除いて、第2例の構成は上述した第1例の
構成と基本的に同じであり、図4に示す第2例におい
て、図1に示す第1例と同一部分には同一番号を付して
説明を省略する。なお、第2例でも第1例と同様に、封
入する強誘電性液晶7として、ブックシェルフ型の層構
造を有し、チルト角θ=16°であり、ナフタレン系液晶
を主成分とする液晶を用いている。また、この第2例の
製造工程は、予め反射膜13が付設された偏光板12(例え
ば、日東電工(株)製:NPF-F3225Mの偏光板)を準備し
ておけば、上述した第1例の製造工程と同様であるの
で、その説明は省略する。
【0032】図4に示す第2例では、偏光軸が直交した
2枚の偏光板1,12(偏光板12には反射膜13が付設)の
間に液晶パネルを挿入し、強誘電性液晶7の2つの安定
状態の内、一方に傾いたときの強誘電性液晶7の分子長
軸と偏光板1の偏光軸とが図5に示すように45°となる
ように、すなわち、従来の液晶分子長軸と一方の偏光板
の偏光軸とが一致した状態から13°だけ偏光板1を回転
させて配置している。
【0033】この第2例の反射型の強誘電性液晶表示素
子の明状態の反射輝度を、1000lxの環境下において、
輝度計を用いて測定すると、21.4cd/m2 と高く、明
るい表示が得られた。同様にして、暗状態の反射輝度を
測定すると、1.67cd/m2と低く、良好な黒が得られ
た。
【0034】上述の第2例と同様な構成を有し、明状態
の強誘電性液晶7の分子長軸と偏光板1の偏光軸とのな
す角が35°,55°である反射型の強誘電性液晶表示素子
を作製し、明状態,暗状態の反射輝度を測定した。35°
のとき、明状態では18.6cd/m2 、暗状態では1.51c
d/m2 の輝度であった。55°のとき、明状態では18.3
cd/m2 、暗状態では1.85cd/m2 の輝度が得られ
た。このように、明状態の強誘電性液晶7の分子長軸と
偏光板1の偏光軸とのなす角が35°,55°の場合におい
ても、明るい表示が得られた。
【0035】また、上述の第2例と同様な構成を有し、
従来例のように、暗状態の強誘電性液晶の分子長軸と一
方の偏光板の偏光軸とを一致させた反射型の強誘電性液
晶表示素子(比較例1)を作製した。この比較例1の反
射型の強誘電性液晶表示素子の明状態の輝度を、1000l
xの環境下において、輝度計を用いて測定すると、12.1
cd/m2 と低く暗い表示であった。同様にして、暗状
態の輝度を測定すると、1.22cd/m2 であった。
【0036】(実施の形態3)図6は、本発明の実施の
形態3(第3例)による強誘電性液晶表示素子の構成を
示す図である。図6に示す第3例は、バックライトを用
いずに周囲光を利用してカラー表示を行う反射型のカラ
ー強誘電性液晶表示素子である。図6において図4と同
一部分には同一番号を付して説明を省略する。図6に示
す第3例では、一方のパターン化された透明電極10とガ
ラス基板11との間にRGBカラーフィルタ14が設けられ
ている。このRGBカラーフィルタ14のそれぞれの膜厚
と色度(x,y)とは、R:1.80μm,(0.64,0.3
3)、G:1.58μm,(0.30,0.66)、B:1.15μm,
(0.14,0.12)である。また、第3例でも第1,第2例
と同様に、封入する強誘電性液晶7として、ブックシェ
ルフ型の層構造を有し、チルト角θ=16°であり、ナフ
タレン系液晶を主成分とする液晶を用いている。
【0037】表面にSiO2 膜(絶縁膜4)を約1000Å
蒸着した透明電極3(電極幅 0.3mm,ピッチ0.33m
m)付きのガラス基板2、及び、SiO2 膜(絶縁膜
9),透明電極10(電極幅0.08mm,ピッチ0.11m
m),RGBカラーフィルタ14付きのガラス基板11を洗
浄した後、ポリイミドをスピンコータで塗布し、200
℃,1時間焼成し、約1000Åのポリイミド膜(配向膜
5,8)を成膜した。このポリイミド膜の表面をレーヨ
ン製の布でラビングし、 1.6μm平均粒径のガラス球を
スペーサ6として、液晶パネルを作製する。出来上がり
のセルギャップは約2μmであり、このセルにナフタレ
ン系液晶を主成分とするチルト角θ=16°の強誘電性液
晶7を注入して、上述した構成を有する液晶パネルを作
製する。
【0038】偏光軸が直交した2枚の偏光板1,12(内
1方の偏光板12は反射膜13付き)の間にこの液晶パネル
を挿入し、上述の第2例と同様に、強誘電性液晶7の2
つの安定状態の内、一方に傾いたときの強誘電性液晶7
の分子長軸と偏光板1の偏光軸とが45°(図5参照)と
なるように配置した反射型のカラー強誘電性液晶表示素
子を作製する。
【0039】この第3例の反射型のカラー強誘電性液晶
表示素子における各カラーフィルタ14(RGB)の表示
色(x,y)と明状態,暗状態の輝度とを1000lxの環
境下において測定した。表示色の測定結果を図7に、輝
度の測定結果を表1に示す。また、上述の第3例と同様
な構成を有し、従来例のように、暗状態の強誘電性液晶
の分子長軸と一方の偏光板の偏光軸とを一致させた反射
型のカラー強誘電性液晶表示素子(比較例2)を作製
し、この反射型のカラー強誘電性液晶表示素子の各カラ
ーフィルタ(RGB)の表示色と明状態,暗状態の輝度
を、1000lxの環境下において測定した。表示色の測定
結果を図7に、輝度の測定結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】明状態,暗状態の輝度については、表1に
示すように、従来例による比較例2では、明状態の輝度
が低く、暗い表示であったが、本発明による第3例で
は、明状態の輝度が高く、明るい表示であった。また、
表示色については、図7に示すように、比較例2では、
各カラーフィルタ(RGB)の彩度が低く、色再現性が
悪い表示であったが、第3例では、各カラーフィルタ14
(RGB)で高い彩度が得られており、表示色に優れた
表示であった。
【0042】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の強誘電
性液晶表示素子では、強誘電性液晶の分子長軸と一方の
偏光板の偏光軸とが一致して暗状態のレベルが最小とな
る従来の状態から、明状態が明るくなる方向に、その偏
光板を回転させ、明状態の液晶分子長軸とその偏光板の
偏光軸とのなす角が35〜55°、好ましくは45°となるよ
うにその偏光板を設置するようにしたので、広視野角,
大容量表示及び高速応答が可能な強誘電性液晶表示素子
の透過光量の最適化を実現でき、明るく、明瞭な表示が
可能な反射型の強誘電性液晶表示素子を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1例による透過型の強誘電性液晶表
示素子の構成図である。
【図2】チルト角16°の強誘電性液晶を用いた第1例に
おける偏光板の偏光軸と液晶分子長軸との角度を変えた
場合の光透過率の変化を示す図である。
【図3】チルト角13°の強誘電性液晶を用いた第1例に
おける偏光板の偏光軸と液晶分子長軸との角度を変えた
場合の光透過率の変化を示す図である。
【図4】本発明の第2例による反射型の強誘電性液晶表
示素子の構成図である。
【図5】第2例における偏光板の偏光軸と液晶分子長軸
との関係を示す図である。
【図6】本発明の第3例による反射型のカラー強誘電性
液晶表示素子の構成図である。
【図7】第3例及び比較例2におけるCIE色度図であ
る。
【図8】表面安定化強誘電性液晶を説明するための図で
ある。
【図9】強誘電性液晶表示素子を説明するための液晶分
子のモデル図である。
【図10】強誘電性液晶表示素子の一般的な構成を示す
図である。
【図11】従来の強誘電性液晶表示素子における偏光板
の偏光軸と液晶分子長軸との関係を説明するための図で
ある。
【図12】本発明の強誘電性液晶表示素子における偏光
板の偏光軸と液晶分子長軸との関係を説明するための図
である。
【符号の説明】
1,12 偏光板 2,11 ガラス基板 3,10 透明電極(ITO) 4,9 絶縁膜(SiO2 ) 5,8 配向膜(ポリイミド) 6 スペーサ 7 強誘電性液晶 13 反射膜 14 RGBカラーフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白戸 博紀 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 牧野 哲也 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 清田 芳則 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の基板によって形成される空隙内に
    強誘電性液晶が封入された液晶パネルと、該液晶パネル
    を挟むように配置された2枚の偏光板とを有する強誘電
    性液晶表示素子において、明状態における液晶分子の長
    軸と一方の偏光板の偏光軸とのなす角が35〜55°となる
    ように該一方の偏光板を設置していることを特徴とする
    強誘電性液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 明状態における液晶分子の長軸と前記一
    方の偏光板の偏光軸とのなす角が45°であることを特徴
    とする請求項1記載の強誘電性液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 光反射膜を備え、反射型の強誘電性液晶
    表示素子であることを特徴とする請求項1または2記載
    の強誘電性液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 カラーフィルタを備え、カラーの強誘電
    性液晶表示素子であることを特徴とする請求項1,2ま
    たは3記載の強誘電性液晶表示素子。
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