JPH0990144A - 希土類元素添加マルチコア光ファイバの製造方法 - Google Patents

希土類元素添加マルチコア光ファイバの製造方法

Info

Publication number
JPH0990144A
JPH0990144A JP7249006A JP24900695A JPH0990144A JP H0990144 A JPH0990144 A JP H0990144A JP 7249006 A JP7249006 A JP 7249006A JP 24900695 A JP24900695 A JP 24900695A JP H0990144 A JPH0990144 A JP H0990144A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
core
rare earth
earth element
flame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7249006A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyuki Imoto
克之 井本
Tadakatsu Shimada
忠克 島田
Kazuo Kamiya
和雄 神屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd, Hitachi Cable Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP7249006A priority Critical patent/JPH0990144A/ja
Publication of JPH0990144A publication Critical patent/JPH0990144A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 マルチコア母材の製造歩留りが高く、マルチ
コア光ファイバの励起が効率的になり、損失の少ない希
土類元素添加マルチコア光ファイバの製造方法。 【解決手段】 本発明による希土類元素添加マルチコア
光ファイバの製造方法は、同心多重管バーナーに酸水素
火炎を形成し、この火炎中にけい素のハロゲン化物より
なるガラス形成原料ガスとドーパントとなる元素を含む
ハロゲン化物および有機希土類元素化合物を供給し、そ
の火炎加水分解によって生成するシリカガラス微粒子を
坦体上に堆積して得られる多孔質シリカ母材を高温で焼
結してコア母材を形成し、このコア母材上に所定量のク
ラッドガラスを形成し、このクラッドガラス付きコア母
材の複数本を束ねて石英管内に挿入し、これらを加熱合
体して希土類元素添加マルチコア光ファイバ母材を製造
してこの光ファイバ母材を加熱延伸し、線引きすること
を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は希土類元素添加マル
チコア光ファイバの製造方法、特には光通信の分野にお
いて利用される希土類元素添加マルチコア光ファイバの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コアが希土類元素を含有するガラ
スにより構成されている励起用光ファイバが光通信シス
テムの一部品として利用されている。光通信システムに
おいて、長距離伝送によって減衰した光信号の増幅は、
光信号を一旦電気信号に変換して電気的増幅をしたの
ち、再度光信号に変換する方法が実施されている。しか
しながら、このような方法では、高速性が求められる大
容量通信の中継には制限が有るうえ、システムが複雑に
なるといった問題点が有り、最近では光信号を電気信号
に変換することなく直接光信号を増幅することが出来る
光増幅器が利用されつつある。
【0003】この、光増幅器はコアにEr、Nd、Pr
などの希土類元素を添加したもので、これは前記励起用
光ファイバに入射された励起光で活性元素が励起され、
その誘導放出によりそこを通過する信号光を直接増幅す
るものであり、近年その光増幅器の研究が活発化してい
る。光増幅器の主要構成部品としては、図7に示すよう
に、励起用光ファイバ11の他に、希土類元素を励起する
ための励起光源12、励起光源を駆動するための電源回
路、励起光源からの励起光13と信号光14を励起用光ファ
イバ11に入射させるための光合波器15、励起光13または
信号光14の反射光を除去するための光アイソレータ16、
17、増幅された信号光の中に含まれる励起光を除去する
ための光バンドパスフィルタ18などがあるが、このもの
は波長1.55μm帯の信号光14をErを添加した励起用光
ファイバ11のコア内を伝搬させると共に、光合波器15を
介して波長1.48μmまたは0.98μmの励起光源12を駆動
して励起光13も励起用光ファイバ11に伝搬させることに
より、信号光14を数百倍から一万倍程度に増幅して信号
光19を得るようにされている。
【0004】また、これについては高速伝送ために、1
本のファイバ中に複数の波長の信号を送る波長多重伝送
方式が検討されているが、波長多重伝送方式に用いられ
る光増幅器は、増幅の波長特性が小さいものが求められ
ていることから、これにはコアにAl、P、B等の元素
を添加して波長依存性を小さくしたり、損失の波長依存
性のあるフィルターを増幅器の系内に挿入し、波長依存
性を補正する方法が検討されている。なお、一本のファ
イバ中に複数本のコアを持つマルチコアファイバは、帯
域特性が非常に小さいことから注目されており、このマ
ルチコアファイバの製造法としては、希土類元素を添加
したコア部と所定の量のクラッド部を有するコア母材を
複数本、クラッド管に入れ加熱合体させるジャケッティ
ング法により光ファイバ母材を作り、これを加熱延伸
し、線引きする方法が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このコア母材の製造法
としては、図4に示すようにガラス形成原料としてのケ
イ素化合物を酸水素火炎中に送り、この火炎加水反応で
生成したシリカガラス微粒子を堆積して多孔質シリカ母
材を作り、この多孔質シリカ母材を希土類元素化合物の
溶液に浸漬して希土類元素化合物を多孔質シリカ母材に
含浸させ、ついでこれを高温で焼結し、透明ガラス化す
るという方法が提案されている(特公昭 58-3980号公報
参照)。しかしこの方法では容易に希土類元素をシリカ
ガラス中にドープできるという利点を持っているが、反
面表面近傍に多くの希土類元素がトラップされ、得られ
たコア母材の表面の希土類元素濃度が高く、結晶化し易
く問題となっていた(図5参照)。このため、ジャケッ
ティングにおいて、コア母材とクラッド管を加熱合体さ
せる時に泡が発生するなどの理由から歩留りが悪くなる
という不利があり、この泡の発生原因はその多くがコア
母材中のコア部とクラッド部の界面で発生する結晶が原
因であり、この結晶化は上記の様にコア部表面層の希土
類元素の量が多いためであることが判ったし、またマル
チコア用母材を作製する場合に複数のコア母材を使用す
ることから、単一のコアの光ファイバ母材を作製する場
合よりも泡の発生が多くなり、より歩留りの低下の起る
ことも判った。なお、希土類元素を添加したコア部の上
には所定量のクラッドを形成することが必要とされる
が、従来の方法ではコア部を形成したのちにクラッド部
が形成されるのでこの際コア部とクラッド部の界面に構
造不整損失やOH基の拡散により、損失の増加が生じ、
特性を劣化させていることも判った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、問題点を解決した希土類元素添加マルチコア光ファ
イバの製造方法に関するものであり、これは同心多重管
バーナーに水素ガス、酸素ガスを供給して酸水素火炎を
形成し、この火炎中にけい素のハロゲン化物よりなるガ
ラス形成原料ガスとドーパントとなる元素を含むハロゲ
ン化物および有機希土類元素化合物を供給し、その火炎
加水分解によって生成するシリカガラス微粒子を坦体上
に堆積して得られる多孔質シリカ母材を高温で焼結して
コア母材を形成し、このコア母材上に所定量のクラッド
ガラスを形成し、このクラッドガラス付きコア母材の複
数本を石英管内に挿入し、これらを加熱合体して希土類
元素添加マルチコア光ファイバ母材を製造し、ついでこ
の光ファイバ母材を加熱延伸し、線引きすることを特徴
とする希土類元素添加マルチコア光ファイバの製造方
法、および2本の同心多重管バーナーを用意し、一方の
同心多重管バーナーに水素ガス、酸素ガスを供給して酸
水素火炎を形成し、この火炎中にけい素のハロゲン化物
よりなるガラス形成原料ガスとドーパントとなる元素を
含むハロゲン化物および有機希土類元素化合物を供給し
火炎加水分解によって生成するシリカガラス微粒子を堆
積し、この上に他方の同心多重管バーナーに水素ガス、
酸素ガスを供給して酸水素火炎を形成し、この火炎中に
けい素のハロゲン化物よりなるガラス形成原料ガスを供
給し火炎加水分解によって生成するシリカガラス微粒子
を堆積し、得られる多孔質コア母材を焼結しクラッドガ
ラス付きコア母材を形成し、このクラッドガラス付きコ
ア母材の複数本を石英管内に挿入し、加熱合体し希土類
元素添加マルチコア光ファイバ母材を製造し、ついでこ
の光ファイバ母材を加熱延伸し、線引きすることを特徴
とする希土類元素添加マルチコア光ファイバの製造方法
である。
【0007】すなわち、本発明者らはコア母材製造時に
おけるコアの外周部の希土類元素添加量を抑えコア中の
添加量を均一として、結晶化を防ぐことによって泡の発
生を抑えて歩留りの低下を防止すると共に、コア部とク
ラッド部の加熱合体時における界面の不整や不純物の拡
散による損失増を防止する希土類元素添加マルチコア光
ファイバの製造方法を開発すべく種々検討した結果、コ
ア母材を同心多重管バーナーに形成した酸水素火炎中
に、ガラス形成原料ガスとドーパントとなる元素の化合
物および昇華性の有機希土類元素化合物を供給し、ここ
に生成するシリカガラス微粒子を坦体上に堆積して、希
土類元素を添加した多孔質シリカ母材を作り、これを高
温で焼結するという方法で製造すると、このものはコア
母材中の希土類元素の濃度分布が半径方向で均一とな
り、表面が結晶化することが無くなるし、このコア母材
上にクラッドを形成すると、コア部とクラッド部の界面
にOH基の除かれた希土類元素添加クラッド付光ファイ
バ母材が得られることを見出すと共に、この複数本を束
ねてマルチコア光ファイバ母材とし、これを石英管とジ
ャケティングしてから、これを加熱延伸し、線引きすれ
ば構造不整損失の増加を抑制した希土類元素添加光ファ
イバを得ることができることを確認して本発明を完成さ
せた。以下にこれをさらに詳述する。
【0008】本発明は上記した方法による希土類元素添
加マルチコア光ファイバの製造方法に関するものであ
る。しかし、従来法による希土類元素添加マルチコア光
ファイバの製造は図4に示した製造工程によって行なわ
れるもので、この場合における多孔質ガラス母材に対す
る希土類元素の添加はガラス形成原料としてのけい素化
合物を酸水素火炎中に送り、この火炎加水分解で発生し
たシリカガラス微粒子を坦体上に堆積して多孔質シリカ
母材を作り、この多孔質シリカ母材を希土類元素化合物
の溶液に浸漬して希土類元素化合物を多孔質シリカ母材
に含浸させ、ついでこれを高温で焼結して透明ガラス化
するという方法で行なわれており、これには希土類元素
をシリカガラス中に容易にドープできるという利点が与
えられるが、これには図5に示したように表面近傍に多
くの希土類元素がトラップされるので、得られるコア母
材はその表面の希土類元素濃度が高くなり、結晶化し易
くなるという問題点がある。
【0009】したがって、このようにして得られたコア
部材を図6(a)に示したように複数本束ねて、これを
石英管の中に入れてジャケッティングして希土類元素添
加光ファイバ母材を作ると、ジャケッティング時にコア
が変形し、図6(b)に示したようにコアが円形でなく
なるという不利が発生する。
【0010】これに対し、本発明による希土類元素添加
マルチコア光ファイバの製造方法は図1に示した製造工
程によるもので、これは前記したように酸水素火炎中に
けい素化合物とドーパント元素化合物および昇華性の有
機希土類元素化合物を供給し、これらの火炎加水分解で
生成したドーパント元素と希土類元素を含んだシリカガ
ラス微粒子を坦体上に堆積して多孔質シリカ母材を作
り、これを焼結してコア母材を作成するもので、このよ
うにして得られたコア母材中の希土類元素の濃度分布は
図2に示したように半径方向で均一になり、表面が結晶
化することがなくなるので、この上に所定の厚みでクラ
ッドを形成させた希土類元素添加クラッド付ファイバ母
材はコア部とクラッド部の界面にOH基のないものにな
る。なおコア用多孔質シリカ母材製造の際、他のバーナ
ーよりシリカガラス微粒子を発生させ、これをコア用多
孔質母材のまわりに堆積してクラッド用多孔質シリカ層
を形成した多孔質母材を製造し、これを焼結したもので
もよい。
【0011】なお、ここに使用されるコア母材は石英を
主原料とするもので、これに増幅のための希土類元素を
添加したものとされ、この希土類元素は例えばEr、N
d、Prなどとすればよく、この添加量は石英部材に対
して 100〜1,500ppmの範囲とすればよいが、このものは
それが屈折率の高いものとすることが好ましいことか
ら、屈折率制御剤としてのGeなどを添加したものとす
ることがよい。
【0012】この希土類元素添加クラッド付ファイバ母
材はこの複数本を束ねて、これを石英管内に挿入し、加
熱してジャケッティングすると、このものは泡の発生の
少ないものとなるので、歩留りが向上するし、コア部と
クラッド部における界面の不整や不純物の拡散による損
失増もなくなるという有利性が与えられ、この場合には
コアの形状が安定していて変形することもないので、し
たがってこれを加熱延伸し、線引きすればすぐれた物性
をもつ希土類元素添加光ファイバを容易に得ることがで
きる。
【0013】また、この場合における複数本のコア部材
と石英管とのジャケッティングは例えば図3に示した装
置で行えばよく、これはコア部材を石英管に挿入したの
ちこの石英管4を回転させながらバーナー5で加熱して
この片端を封止し、ついで管内を減圧に保ち、バーナー
を移動させながら複数本のコア部材と石英管をコラプス
してジャケッティングすればよく、これによれば目的と
するマルチコア光ファイバ母材を容易に得ることができ
る。
【0014】なお、このようにして作られたマルチコア
光ファイバ母材からマルチコア光ファイバを製造するの
は公知の方法で行えばよく、したがってこれは上記した
方法で作られたマルチコア光ファイバ母材を電気炉中で
加熱延伸し、ついでこれを線引き器を用いて所望の太さ
に線引きすればよい。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施の形態を実施
例をあげて説明する。 実施例1 石英同心多重管バーナーに水素ガス 4.2リットル/分、
酸素ガス7リットル/分を供給して酸水素炎を形成さ
せ、このバーナーの中心ノズルに四塩化けい素と四塩化
ゲルマニウムとをそれぞれ0.18リットル/分のアルゴン
ガスをキャリアガスとして供給したが、この時このガス
を 200℃に加熱されている三塩化アルミニウムの入った
蒸発皿に吹き込んで昇華により発生した三塩化アルミニ
ウムガスを同伴させた。他方、この酸水素火炎バーナー
には、この酸水素火炎形成用の水素ガス 4.2リットル/
分をトリスシクロペンタジェニルエルビニウムガスをこ
の水素ガスで搬送し、このガスを上記したガラス形成用
原料ガス、ドーパントガスとは別のノズルを経て上記の
酸水素火炎バーナーに供給した。
【0016】ついで、この酸水素火炎バーナーに供給さ
れた上記ガラス形成用原料ガス、ドーパントガスおよび
有機エルビウム化合物の混合ガスをこの火炎中で火炎加
水分解させ、ここに発生したドーパントのGeおよびエ
ルビウムを含有したシリカガラス微粒子を坦体上に8時
間堆積成長させたところ、外径45mm、長さ 300mmで重さ
が150g、平均かさ密度0.314g/cm3である多孔質シリカコ
ア母材が得られた。つぎにこれを脱水焼結したところ、
シリカコア母材が得られたので、このコア母材のエルビ
ウムの半径方向分布をEPMAでしらべたところ、図2
に示したように半径方向に均一にエルビウムが分布して
いた。
【0017】また、このコア母材についてはこの上に石
英部材からなるクラッドガラスを形成し、これを延伸
し、この2mmφ、300mmLのコア母材7本を束ねて、これ
を径が8mmの石英管に挿入し、図3に示した装置を用い
て7本のコア部材と石英管をジャケッティングして希土
類元素添加マルチコア光ファイバ母材を作製し、この光
ファイバ母材を加熱延伸し、線引きしたところ、径が 1
25μmのエルビウム添加マルチコア光ファイバが得られ
た。このものは泡の発生が認められず、不良品が生じな
かったので歩留りは向上した。また、このものの光増幅
特性を図7の装置を用いて行なった所、良好な結果が得
られた。
【0018】実施例2 2本の同心多重管バーナーを用意し、第1の石英同心多
重管バーナーに水素ガス 4.2リットル/分、酸素ガス7
リットル/分を供給して酸水素炎を形成させ、このバー
ナーの中心ノズルに四塩化けい素と四塩化ゲルマニウム
とをそれぞれ0.18リットル/分のアルゴンガスをキャリ
アガスとして供給したが、この時このガスを 200℃に加
熱されている三塩化アルミニウムの入った蒸発皿に吹き
込んで昇華により発生した三塩化アルミニウムガスを同
伴させた。他方、この酸水素火炎バーナーには、この酸
水素火炎形成用の水素ガス 4.2リットル/分をトリスシ
クロペンタジェニルエルビニウムガスをこの水素ガスで
搬送し、このガスを上記したガラス形成用原料ガス、ド
ーパントガスとは別のノズルを経て上記の酸水素火炎バ
ーナーに供給した。
【0019】ついで、この酸水素火炎バーナーに供給さ
れたガラス形成用原料ガス、ドーパントガスの四塩化ゲ
ルマニウムおよび有機エルビウム化合物の混合ガスをこ
の火炎中で火炎加水分解させ、ここに発生したドーパン
トのGeおよびエルビウムを含有したシリカガラス微粒
子を坦体上に堆積させた。さらに第2の石英同心多重管
バーナーに水素ガス12リットル/分、酸素ガス25リット
ル/分を供給して酸水素炎を形成させ、このバーナーの
中心ノズルに四塩化けい素を 0.4リットル/分のアルゴ
ンガスをキャリアガスとして供給し、この酸水素火炎バ
ーナーに供給されたガラス形成用原料ガスをこの火炎中
で火炎加水分解させ、ここに発生したクラッド用シリカ
ガラス微粒子を上記第1のバーナーで形成したコア用多
孔質シリカコア母材上に堆積させた。
【0020】この堆積反応を8時間継続したところ、外
径60mm、長さ 300mmで重さが300g、平均かさ密度 0.035
4g/cm3である多孔質シリカコア母材が得られたので、こ
れを脱水焼結してクラッド付コア母材とし、このものの
OH基の半径方向分布をIRでしらべたところ、このコ
アクラッド界面にはOH基は認められなかった。つぎに
このクラッド付コア母材を2mmφ、300mmLに加工し、こ
れらを7本束ねて、これを石英管内に挿入し、図3に示
した装置を用いてこれらのコア母材と石英管をジャケッ
ティングしてエルビウム添加マルチコア光ファイバ母材
を作製し、これを加熱延伸し、線引きしたところ、径が
125μmであるエルビウム添加光ファイバが得られた。
このものは泡の発生が認められず、不良品が生じなかっ
たので、歩留りが向上した。また、このものの光増幅特
性を図7の装置を用いて調べた所、良好な結果が得られ
た。
【0021】
【発明の効果】本発明は希土類元素添加マルチコア光フ
ァイバの製造方法に関するものであるが、従来法におい
てはコア母材の表面における希土類元素の濃度が高く、
結晶し易いことからマルチコア母材の製造歩留りが非常
に悪かったが、本発明によればコア母材中の希土類元素
の濃度分布が半径方向で均一となり、表面が結晶化する
ことがないので、歩留りが向上するし、中心部分の希土
類元素の濃度が従来法に比べて増加するので、このマル
チコア光ファイバを励起したときの励起が効率的になる
という有利性が与えられ、クラッドを形成するときにO
H基の吸収の少ない低損失のファイバが得られ、増幅特
性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による希土類元素添加マルチコア光ファ
イバ製造法の工程図を示したものである。
【図2】本発明により得られたコア材の希土類元素濃度
分布図を示したものである。
【図3】石英管中にマルチコア光ファイバをジャケッテ
ィングする装置の縦断面図を示したものである。
【図4】従来法による希土類元素添加マルチコア光ファ
イバ製造法の工程図を示したものである。
【図5】従来法で得られたコア材の希土類元素濃度分布
図を示したものである。
【図6】(a)は従来法で得られた希土類元素添加マル
チコア光ファイバ母材の横断面図、(b)はこのものの
コア形状の横断面図を示したものである。
【図7】従来公知の光増幅器の主要部品構成の縦断面図
を示したものである。
【符号の説明】
1…コア母材 2…コア 3…クラッド 4…石英管 5…バーナー 11…励起用光ファイバ 12…励起光源 13…励起光 14,19…信号光 15…光合波器 16,17…光アイソレーター 18…光バンドパスフィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神屋 和雄 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同心多重管バーナーに水素ガス、酸素ガ
    スを供給して酸水素火炎を形成し、この火炎中にけい素
    のハロゲン化物よりなるガラス形成原料ガスとドーパン
    トとなる元素を含むハロゲン化物および有機希土類元素
    化合物を供給し、その火炎加水分解によって生成するシ
    リカガラス微粒子を坦体上に堆積して得られる多孔質シ
    リカ母材を高温で焼結してコア母材を形成し、このコア
    母材上に所定量のクラッドガラスを形成し、このクラッ
    ドガラス付きコア母材の複数本を石英管内に挿入し、こ
    れらを加熱合体して希土類元素添加マルチコア光ファイ
    バ母材を製造し、ついでこの光ファイバ母材を加熱延伸
    し、線引きすることを特徴とする希土類元素添加マルチ
    コア光ファイバの製造方法。
  2. 【請求項2】 2本の同心多重管バーナーを用意し、一
    方の同心多重管バーナーに水素ガス、酸素ガスを供給し
    て酸水素火炎を形成し、この火炎中にけい素のハロゲン
    化物よりなるガラス形成原料ガスとドーパントとなる元
    素を含むハロゲン化物および有機希土類元素化合物を供
    給し火炎加水分解によって生成するシリカガラス微粒子
    を堆積し、この上に他方の同心多重管バーナーに水素ガ
    ス、酸素ガスを供給して酸水素火炎を形成し、この火炎
    中にけい素のハロゲン化物よりなるガラス形成原料ガス
    を供給し火炎加水分解によって生成するシリカガラス微
    粒子を堆積し、得られる多孔質コア母材を焼結しクラッ
    ドガラス付きコア母材を形成し、このクラッドガラス付
    きコア母材の複数本を石英管内に挿入し、これらを加熱
    合体して希土類元素添加マルチコア光ファイバ母材を製
    造し、ついでこの光ファイバ母材を加熱延伸し、線引き
    することを特徴とする希土類元素添加マルチコア光ファ
    イバの製造方法。
JP7249006A 1995-09-27 1995-09-27 希土類元素添加マルチコア光ファイバの製造方法 Pending JPH0990144A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7249006A JPH0990144A (ja) 1995-09-27 1995-09-27 希土類元素添加マルチコア光ファイバの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7249006A JPH0990144A (ja) 1995-09-27 1995-09-27 希土類元素添加マルチコア光ファイバの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0990144A true JPH0990144A (ja) 1997-04-04

Family

ID=17186614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7249006A Pending JPH0990144A (ja) 1995-09-27 1995-09-27 希土類元素添加マルチコア光ファイバの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0990144A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11385401B2 (en) 2019-12-04 2022-07-12 Alcon Inc. Multi-core optical fiber with reduced bubble formation

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11385401B2 (en) 2019-12-04 2022-07-12 Alcon Inc. Multi-core optical fiber with reduced bubble formation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3202919B2 (ja) シングルモード光伝送ファイバ及びその製造方法
EP3001834B1 (en) A process for fabrication of ytterbium doped optical fiber
US4082420A (en) An optical transmission fiber containing fluorine
KR20090089359A (ko) 모재 제작방법, 모재, 광섬유 및 증폭기
JP2013147421A (ja) 希土類がドープされた光ファイバ
US4161505A (en) Process for producing optical transmission fiber
JPH04300219A (ja) 希土類元素ド−プ石英ガラスの製造方法
US6474106B1 (en) Rare earth and alumina-doped optical fiber preform process
US7079738B2 (en) Method for manufacturing a glass doped with a rare earth element and fiber for optical amplification using the same
EP2108624B1 (en) Rare-earth-doped optical fiber, optical fiber amplifier, and method of manufacturing a preform for such a fiber
JPH0990144A (ja) 希土類元素添加マルチコア光ファイバの製造方法
JP4875301B2 (ja) 希土類添加光ファイバ母材の製造方法
JPH04300218A (ja) 希土類元素ド−プ石英ガラスの製造方法
JPH0990145A (ja) 希土類元素添加マルチコア光ファイバの製造方法
JPH05330831A (ja) 希土類元素ドープ石英ガラスの製造方法
JPH0492825A (ja) 光導波路
JPH0421536A (ja) 希土類元素ドープガラスの製造方法
JP2628944B2 (ja) 希土類元素添加光ファイバの製法
JPH10167746A (ja) 光ファイバ用母材の製造方法
JPH0769666A (ja) 希土類元素添加光ファイバの製造方法
JP2004091261A (ja) エルビウム添加光ファイバ
JPH05279050A (ja) 希土類元素ド−プ石英ガラスの製造方法
JPH03252320A (ja) 石英ガラスの製法
JPS63248732A (ja) 光フアイバ母材の製造方法
JPH0585759A (ja) 希土類元素ド−プ石英ガラスの製造方法