JPH0989975A - 多端子送電線の事故点標定装置 - Google Patents

多端子送電線の事故点標定装置

Info

Publication number
JPH0989975A
JPH0989975A JP24188095A JP24188095A JPH0989975A JP H0989975 A JPH0989975 A JP H0989975A JP 24188095 A JP24188095 A JP 24188095A JP 24188095 A JP24188095 A JP 24188095A JP H0989975 A JPH0989975 A JP H0989975A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
current
fault
sampled
accident
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24188095A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Nakano
明良 中野
Kazuo Nishijima
一夫 西島
Mitsuru Nakamura
満 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP24188095A priority Critical patent/JPH0989975A/ja
Publication of JPH0989975A publication Critical patent/JPH0989975A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Locating Faults (AREA)
  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サンプリング移相ずれしている電流情報と電
圧情報とでも簡単に同期サンプリングして標定演算でき
る多端子送電線の事故点標定装置を提供すること。 【構成】 各端の同期サンプリングされた事故電流IF
のサンプリング位相差θ0をθ0演算部23で求め、事故
点標定装置設置端でサンプリングされた事故電流IF
のサンプリング位相差θ0’をθ0’演算部24で求め、
これらの移相差θ0,θ0’からサンプリング時間差θ
(=θ0−θ0’)をθ演算部25で求め、事故点標定装
置設置端でサンプリングされた事故電圧VFをθ移相部
26でこのサンプリング時間差θだけ移相して電圧情報
F’を得、電流情報IFと電圧情報VF’を用いて事故
点標定演算部27で事故点の標定演算を行なうようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多端子送電線の事故点標
定装置に係り、特に多端子送電系統において、各端から
電気情報を入力し、事故点の標定を行う事故点標定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多端子送電系統における事故点の
標定演算方式としては、回線間差電流方式と、多端子イ
ンピーダンス方式と、簡易インピーダンス方式が使用さ
れている。
【0003】回線間差電流方式は、ある基点からみた事
故点までの電圧降下が1号線側でみたものと、2号線側
でみたものとが等しいことに着目したものであり、適用
条件として平行回線が存在すればよく、各端子の電流ベ
クトル量と、各区間長と、各区間インピーダンスと、線
路接続状態情報(遮断器情報)をデータとして使用す
る。
【0004】また、多端子インピーダンス方式は、本装
置設置端の電圧信号を線路単位長当たりの電圧降下量で
除し、分岐線路の電流補正を行って事故点までの距離を
算出するものであり、本装置設置端の電圧と各端の電流
ベクトル量と、各区間長と、各区間インピーダンスと、
線路接続状態情報(遮断器情報)をデータとして使用す
る。
【0005】さらに、簡易インピーダンス方式は、多端
子インピーダンス方式と同様に本装置設置端の電圧信号
を線路単位長当たりの電圧降下量で除し、事故点までの
距離を算出するものであるが、データ伝送停止などによ
り途中の分岐回線の電流情報が得られないとき、本装置
設置端で電流・電圧情報のみを収集して標定演算を行な
う方式であり、本装置設置端の電圧情報および電流情報
と、各区間長と、各区間インピーダンスをデータとして
使用する。
【0006】図2は多端子送電系統における上記各方式
による事故点標定を説明するための結線図である。
【0007】図2において、1は交流電源、2は事故点
標定装置11が設置された自端、3は相手端であり、自
端2と相手端3の間には第1区間4と第2区間5からな
る平行2回線が存在している。6は分岐点8A,8Bで
上記平行2回線に接続されている第1分岐線7の分岐端
である。9A〜9Gは変流器、10A〜10Fは遮断
器、11はデータ収集・標定方式切換部12と第一標定
演算部13、第二標定演算部14、第三標定演算部15
からなる事故点標定装置、16は親端(データ収集部)
17と第一子端18、第二子端19からなる多端子送電
保護リレー、20は変成器である。
【0008】まず、回線間差電流方式による事故点標定
について説明する。
【0009】図2に示す多端子送電系統において、各遮
断器10A〜10Fが閉状態のとき、P点で事故が発生
した場合、各端に設けられた変流器9A〜9Fからの各
電流情報が多端子送電線保護リレー16の各子端18,
19を介して親端17に集められ、これが事故点標定装
置11のデータ収集・標定方式切換部12に伝送され
て、線路接続状態情報(遮断器情報)によって選択され
た回線間差電流方式の第一標定演算部13により事故点
の標定演算が行なわれる。
【0010】図2に示す多端子送電系統において第一区
間4の線路インピーダンスをZ1、第2区間5の線路イ
ンピーダンスをZ2、第1分岐線7の線路インピーダン
スをZ3とし、また、第2区間5の亘長を1とした場
合、この第2区間5の亘長に対する分岐点8Aから事故
点Pまでの比をxとすると、キルヒホッフの第二法則に
より、数1が成立する。
【0011】 Z111+xZ2(I11+I31)=(1−x)Z221−Z222+Z112 …………(数1) この数1を変形して数2を得る。
【0012】 x=〔Z2(I21−I22)−Z1(I11−I12)〕 /Z2(I11+I21+I31) …………(数2) ここで、自端2から事故点PまでのインピーダンスZF
は ZF=Z1+xZ2 …………(数3) であり、また、 I12=−(I22+I32) …………(数4) であるから、これらの数2、数3、数4よりZFを求め
ると数5となる。
【0013】 ZF=[Z1〔(I21−I22)+(I31−I32)〕+Z2(I21−I22)] /(I11+I21+I31) (Ω)…………(数5) これより第2区間5の単位長さ当たりのインピーダンス
をZ2U(Ω/km)、第1区間4の亘長をL1とする
と、自端2から事故点Pまでの距離LFは数6のように
なる。
【0014】 LF=L1+Im(ZF−Z1)/Im(Z2U)(km) …………(数6) 但し、Im( )は虚数成分を表す。
【0015】次に多端子送電系統における多端子インピ
ーダンス方式と簡易インピーダンス方式による事故点標
定を説明する。
【0016】図2に示す多端子送電系統において遮断器
10Cが切時に事故が発生した場合、線路接続状態情報
(遮断器情報)によって多端子インピーダンス方式の第
二標定演算部14が選択され、事故点の標定演算が行な
われる。
【0017】事故点標定装置11の設置端である自端2
に設けられた変成器20からの電圧情報Vと各端の電流
情報Iからオームの法則により、自端2から事故点Pま
でのインピーダンスを求める。まずab相事故の場合、
分岐点8Aから事故点PまでのインピーダンスをZF
とすると、ZF’は自端2の電圧Vabと分岐点8Aの電
圧Vab’(=Z1×I11)から求めることができる。
【0018】 ZF’=(Vab−Vab’)/Iab(Ω) …………(数7) 但し、Iabは事故時の線間電流であり、a相とb相の差
電流から求めることができるが、短絡事故と地絡事故で
は事故点標定演算に使用する電圧・電流成分は異なる。
【0019】よって、第2区間5の単位長さ当たりのイ
ンピーダンスをZ2U(Ω/km)、第1区間4の亘長を
1とすると、自端2から事故点Pまでの距離LFは数8
のようになる。
【0020】 LF=L1+Im(ZF’)/Im(Z2U)(km) …………(数8) 但し、Im( )は虚数成分を表す。
【0021】これは、演算の考え方として、単純にオー
ムの法則で計算すると、事故点抵抗(実数成分)の大き
さが直接誤差となって出てくるため、この影響を受けな
いようにリアクタンス成分(無効成分)だけで演算を行
ない、多端子送電系統のように分岐負荷や分岐電源など
系統が複雑になると、誤差が大きくなるため分岐回線の
電流補正演算を行う必要がある。この分岐回線の電流補
正演算は、例えば昭和63年電気学会全国大会論文No.
1233「超高圧送電線保護用PCM電流差動リレー装
置の実用化」などによる周知の方法で行なう。
【0022】上記したように、データ伝送停止などによ
り途中の分岐回線などの電流情報が得られない場合は、
簡易インピーダンス方式の第三標定演算部15が選択さ
れ、自端2に設けられた変流器9Gからの電流情報と変
成器20からの電圧情報を用いて事故点の標定演算が行
なわれる。
【0023】簡易インピーダンス方式の演算式は多端子
インピーダンス方式と同様に数7と数8を使用するが、
演算式に使用する電流情報として各端の電流情報の代り
に自端2の電流情報を用いる点で異なる。
【0024】また、多端子インピーダンス方式を使用す
る場合、事故点標定装置設置端での電流情報について、
各端の同期サンプリングされた瞬時値データと、事故点
標定装置設置端でサンプリングされた瞬時値データとが
同期していないため、多端子送電線保護リレーによりサ
ンプリングされた瞬時値データ(各端電流情報)と、事
故点標定装置設置端でサンプリングされた瞬時値データ
(事故点標定装置設置端の電圧情報)を使用して標定演
算ができないという問題点がある。サンプリング同期補
正としては、平成4年電気学会全国大会論文No.13
31に記載されているように、送電線路インピーダンス
を全区間均一と仮定し、各平行2回線端子の差電流に単
回線電源分岐電流の分流分を補正することにより、多端
子送電系統においても各端子の差電流の大きさのみを用
いて、標定演算が可能となるため、全端子非同期サンプ
リングでもよいとしたり、平成6年電気学会全国大会論
文No.1542に記載されているように、故障のない
健全時の各端子の電流情報と、電圧情報から端子間の非
同期サンプリングによる位相差を補正している。
【0025】なお、上記した各標定演算方式の切換選択
や、各標定演算はマイクロコンピュータによって行なわ
れる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】多端子送電線の事故点
標定装置において、多端子インピーダンス方式を使用す
る場合、事故点標定装置設置端での電流情報について、
各端の同期サンプリングされた瞬時値データと、事故点
標定装置設置端でサンプリングされた瞬時値データとが
同期していないため、多端子送電線保護リレーによりサ
ンプリングされた瞬時値データ(各端の電流情報)と、
事故点標定装置設置端でサンプリングされた瞬時値デー
タ(事故点標定装置設置端の電圧情報)を使用して標定
演算ができないという問題がある。
【0027】したがって、本発明の目的は、サンプリン
グ位相ずれしている電流情報と電圧情報とでも簡単に同
期サンプリングして標定演算できる多端子送電線の事故
点標定装置を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、各端の電流データと事故点標定装置設置
端の電圧データを用いて事故点を標定する多端子送電線
の事故点標定装置において、各端の同期サンプリングさ
れた電流瞬時値データと、事故点標定装置設置端でサン
プリングされ、上記各端の電流瞬時値データと同期サン
プリングされていない電流瞬時値データとのサンプリン
グ時間差を求める手段と、上記各端の電流瞬時値データ
または事故点標定装置設置端でサンプリングされた電圧
瞬時値データのいずれか一方のデータを上記サンプリン
グ時間差だけ移相して他方のデータのサンプリングに同
期サンプリングしたデータに変換する手段と、この手段
で変換された上記一方のデータと上記他方のデータを用
いて事故点を標定する手段とを備えたことを特徴とし、
また、平行2回線が存在していることを条件に各端の同
期サンプリングされた電流瞬時値データを用いて事故点
を標定する第1の事故点標定手段と、各端の電流データ
と事故点標定装置設置端の電圧データを用いて事故点を
標定する第2の事故点標定手段と、事故点標定装置設置
端の電流データと電圧データを用いて事故点を標定する
第3の事故点標定手段とを備え、平行2回線が存在して
いるときには上記第1の事故点標定手段を選択し、平行
2回線が存在していないときには上記第2の事故点標定
手段を選択し、各端の電流データが得られないときには
上記第3の事故点標定手段を選択して事故点を標定する
ようにした多端子送電線の事故点標定装置において、上
記第2の事故点標定装置は、各端の同期サンプリングさ
れた電流瞬時値データと、事故点標定装置設置端でサン
プリングされ、上記各端の電流瞬時値データと同期サン
プリングされていない電流瞬時値データとのサンプリン
グ時間差を求める手段と、上記各端の電流瞬時値データ
または事故点標定装置設置端でサンプリングされた電圧
瞬時値データのいずれか一方のデータを上記サンプリン
グ時間差だけ移相して他方のデータのサンプリングに同
期サンプリングしたデータに変換する手段と、この手段
で変換された上記一方のデータと上記他方のデータを用
いて事故点を標定する手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0029】
【作用】本発明は、上記したような構成にしたので、各
端の同期サンプリングされた電流瞬時値データと、事故
点標定装置設置端でサンプリングされ、上記各端の電流
瞬時値データと同期サンプリングされていない電流瞬時
値データとのサンプリング時間差を求め、各端の同期サ
ンプリングされた電流瞬時値データまたは事故点標定装
置設置端でサンプリングされた電圧瞬時値データのいず
れか一方のデータを上記サンプリング時間差だけ移相し
て他方のデータのサンプリングに同期サンプリングした
データに変換することができ、したがって、サンプリン
グ移相ずれしている電流情報と電圧情報を使って事故点
の標定を行なうことができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。
【0031】この実施例では図2に示す事故点標定装置
11における第二標定演算部14の前段に図1に示すよ
うなサンプリング時間差補正回路21が挿入されてい
る。
【0032】ここで、IFは多端子送電線保護リレー1
6により各端同期サンプリングされた事故時電流、
F’は変流器9Gによりサンプリングされた事故点標
定装置設置端の事故時電流、VFは変成器20によりサ
ンプリングされた事故点標定装置設置端の事故時電圧
で、これらは事故点標定装置11のデータ収集・標定方
式切換部12を介してサンプリング時間差補正回路21
に入力する。
【0033】電流情報IFと電流情報IF’はフィルタ2
2A〜22Cに通して、歪波から高調波を除去し、基本
波にする。
【0034】フィルタ22Bを通った電流情報IFはθ0
演算部23に入力し、ここでIF波形における零クロス
点から最初のサンプリング点までの位相差θ0が求めら
れ、フィルタ22Cを通った電流情報IF’はθ0’演算
部24に入力し、ここでIF’波形における零クロス点
から最初のサンプリング点までの位相差θ0’が求めら
れ、さらに求められた両位相差θ0,θ0’からθ演算部
25においてサンプリング時間差θ(=θ0−θ0’)が
求められる。
【0035】次に、θ移相部26において、求められた
サンプリング時間差θを用いて電圧情報VFをθだけ移
相して電圧情報VF’を得、これらのサンプリング同期
補正された電圧情報VF’とフィルタ22Aを通った電
流情報IFを用い、事故点標定演算部27において、従
来と同様に、数7と数8を使用して事故点の標定演算を
行ない、さらに分岐線路の電流補正演算を行なう。
【0036】図3において、IFは多端子送電線保護リ
レー16により各端で同期サンプリングされた事故時電
流、IF’は変流器29から入力された事故点標定装置
設置端の事故時電流、IF”はIF’をサンプリング時間
差θだけ移相した電流波形である。
【0037】電流情報IFは、多端子送電線保護リレー
により各端で同期サンプリングされた瞬時値データの基
本波波形で、t1、t2、t3、t4、……は、そのそれぞ
れのサンプリング時点であり、Nをサンプリング番号と
した場合のサンプリングデータをIF(N)とする。また、
電流情報IF’は、事故点標定装置設置端でサンプリン
グされた瞬時値データの基本波波形で、t1’、t2’、
3’、t4’、……はそのそれぞれのサンプリング時点
であり、Nをサンプリング番号とした場合のサンプリン
グデータをIF(N)’とする。
【0038】また、実際のこれら2つの瞬時値データと
も事故点標定装置設置端での事故時電流であるが、サン
プリング時間差があるため同時にサンプリングされず、
同一波形として扱うことができない。このため、電流情
報IFとIF’のサンプリング移相を一致させるために、
数9を使用する。
【0039】 IF(N)”=Imsin(ωt+θ) =cosθ・Imsinωt+sinθ・Imcosωt =cosθ・Imsinωt +sinθ・Imsin(ωt+90°) =cosθ・IF(N)’+sinθ・IF(N+3)’ …………(数9) (N=1,2,3,…………) ここで、IF(N)”はIF’のサンプリングデータ
F(N)’をサンプリング時間差θだけ移相したサンプリ
ングデータで、数9はサンプリング間隔30°で、I
F(N)’とIF(N+3)’とのサンプリング時間差は90°で
ある場合のθ移相演算式であり、サンプリング時間差θ
は、多端子送電線保護リレーにより、各端で同期サンプ
リングされた事故時電流波形IFにおいて零クロス点か
ら最初のサンプリングデータまでの位相差θ0と、事故
点標定装置設置端でサンプリングされた事故時電流波I
F’において零クロス点から最初のサンプリングデータ
までの位相差θ0’から求めることができる。
【0040】このように、IF(N)”を求めることによ
り、電流情報IFとIF’のサンプリング位相を一致させ
ることができる。
【0041】図4は本発明の事故点標定装置のサンプリ
ング時間差補正方法の一例を示すフローチャートであ
る。
【0042】まず、ステップn10において、多端子送
電線保護リレーにより各端同期サンプリングされた事故
時電流IFを入力し、フィルタに通して高調波成分を除
去し、基本波成分のみとする。ステップn11におい
て、得られた波形の隣合うサンプリングデータ(当該サ
ンプリングデータIF(N)とこれより一つ前のサンプリン
グデータIF(N-1))が同符号か?を判断し、同符号なら
ステップn12でサンプリング番号を一つ増やし、異符
号ならばステップn13において、隣合うサンプリング
データを記憶し、このサンプリングデータを数10に代
入して位相差θ0(N)を演算する。
【0043】 θ0(N)=|IF(N)|/(|IF(N)|+|IF(N-1)|)…………(数10) (N=1,2,3,…………) ここで、θ0(N)は多端子送電線保護リレーにより、各端
同期サンプリングされた事故時電流波形IFにおいて零
クロス点から最初のサンプリングデータまでの位相差
で、IF(N)は、Nをサンプリング番号とした場合のIF
のサンプリングデータである。同様にして、ステップn
18において。事故点標定装置設置端でサンプリングさ
れた事故時電流IF’を入力し、フィルタに通して高調
波成分を除去し、基本波成分のみとする。ステップn1
9において、得られた波形の隣合うサンプリングデータ
(当該サンプリングデータIF(N)’とこれにより一つ前
のサンプリングデータIF(N-1)’)が同符号か?を判断
し、同符号ならステップn20において、サンプリング
番号を一つ増やし、異符号ならばステップn21におい
て、隣合うサンプリングデータを記憶し、このサンプリ
ングデータを数11に代入して位相差θ0(N)’を演算す
る。
【0044】 θ0(N)’=|IF(N)’|/(|IF(N)’|+|IF(N-1)’|)…(数11) (N=1,2,3,…………) ここで、θ0(N)’は事故点標定装置設置端でサンプリン
グされた事故時電流波IF’において零クロス点から最
初のサンプリングデータまでの位相差で、IF(N)’は、
Nをサンプリング番号とした場合のIF’のサンプリン
グデータである。
【0045】次に、ステップn14において、数10に
より得られた、多端子送電線保護リレーにより各端同期
サンプリングされた事故時電流波形IFにおいて零クロ
ス点から最初のサンプリングデータまでの位相差θ0(N)
と、数11により得られた、事故点標定装置設置端でサ
ンプリングされた事故時電流波形IF’において零クロ
ス点から最初のサンプリングデータまでの位相差
θ0(N)’を数12に代入してサンプリング時間差θ(N)
を演算(n14)する。
【0046】 θ(N)=|θ0(N)−θ0(N)’| ……………………(数12) (N=1,2,3,…………) ここで、θ(N)はサンプリング時間差θのNをサンプリ
ング番号とした場合のサンプリングデータである。ステ
ップn15においては。このようにして得られたそれぞ
れのサンプリングデータθ(N)を1サイクル分総和し、
平均化してサンプリング時間差θを求める。
【0047】次に、ステップn16において、得られた
サンプリング時間差θを使って数13により電圧情報V
F(事故点標定装置設置端の事故時電圧)を移相して電
圧情報VF’を求める。
【0048】 VF(N)’=cosθ・VF(N)+sinθ・VF(N+3)…………(数13) (N=1,2,3,…………) 数13はサンプリング間隔30°であり、VF(N)とV
F(N+3)とのサンプリング時間差は90°である場合のθ
移相演算式である。
【0049】また、電流情報を移相せずに電圧情報を移
相したのは、事故点標定演算において多端子の送電系統
を対照にしているため、事故時電流情報が複数あるのに
対して事故時電圧情報は一つだけであるので、事故時電
圧情報を移相する方が有利であるからであり、電圧情報
の代りに電流情報を移相してもよいことは勿論である。
【0050】そして、ステップn17において、多端子
送電線保護リレーにより各端同期サンプリングされた事
故時電流情報と、事故点標定装置端でサンプリングされ
た事故時電圧情報をサンプリング時間差θだけ移相した
事故時電圧情報から事故点標定演算を行う。
【0051】図5は本発明の事故点標定装置のサンプリ
ング時間差補正方法の他の例を示すフローチャートであ
る。
【0052】まず、多端子送電線保護リレーにより各端
同期サンプリングされた事故時電流情報IFを入力し、
フィルタに通して高調波成分を除去し、基本波成分のみ
とする。
【0053】次に、事故点標定装置設置端でサンプリン
グされた事故時電流情報IF(N)’を数9を使って移相す
る。移相した事故時電流情報をIF(N)”とし、得られた
事故時電流情報IF(N)、IF(N)”を数14に代入し、演
算する(ステップn31)。
【0054】 δI(N)=|IF(N)−IF(N)”| …………………(数14) (N=1,2,3,…………) ここで、δI(N)は事故時電流情報IF(N)、IF(N)’の
差分であり、得られたそれぞれのサンプリングデータδ
(N)を1サイクル分総和し、平均化し、その平均化さ
れた値をδIとする。これを、ステップn30〜n33
において、移相角−30°から+30°まで1°おきに
繰返し計算し、ステップn34において、δIの最小値
とその時の移相角を検出する。
【0055】これにより得られた移相角をサンプリング
時間差θとし、ステップn35で数13を使って事故時
電圧情報を移相し、ステップn36で事故点標定演算を
行なう。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各端の同期サンプリングされた電流瞬時値データと、事
故点標定装置設置端でサンプリングされ、上記各端の電
流瞬時値データと同期サンプリングされていない電流瞬
時値データとのサンプリング時間差を求め、各端の同期
サンプリングされた電流瞬時値データまたは事故点標定
装置設置端でサンプリングされた電圧瞬時値データのい
ずれか一方のデータを上記サンプリング時間差だけ移相
して他方のデータのサンプリングに同期サンプリングし
たデータに変換するようにしたので、サンプリング移相
ずれしている電流情報と電圧情報を簡単に同期サンプリ
ングして事故点の標定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の事故点標定装置で使用するサンプリン
グ時間差補正回路のブロック図である。
【図2】本発明が適用される事故点標定装置を備えた多
端子送電系統の結線図である。
【図3】本発明の事故点標定装置で使用する各電流情報
の波形図である。
【図4】本発明の事故点標定装置におけるサンプリング
時間差補正方法の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の事故点標定装置におけるサンプリング
時間差補正方法の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 事故点標定装置設置端 3 相手端 4 第1区間 5 第2区間 6 分岐端 7 第1分岐線 9A〜9G 変流器 10A〜10F 遮断器 11 事故点標定装置 12 データ収集・標定方式切換部 13 回線間差電流方式による第一標定演算部 14 多端子インピーダンス方式による第二標定演算部 15 簡易インピーダンス方式による第三標定演算部 16 多端子送電線保護リレー 20 変成器 21 サンプリング時間差補正回路 22A〜22C フィルタ P 事故点 IF 各端同期サンプリングされた事故電流 IF’ 事故点標定装置設置端でサンプリングされた事
故電流 VF 事故点標定装置設置端でサンプリングされた事故
電圧 VF’ VFをサンプリング時間差θだけ移相した電圧情

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各端の電流データと事故点標定装置設置
    端の電圧データを用いて事故点を標定する多端子送電線
    の事故点標定装置において、各端の同期サンプリングさ
    れた電流瞬時値データと、事故点標定装置設置端でサン
    プリングされ、上記各端の電流瞬時値データと同期サン
    プリングされていない電流瞬時値データとのサンプリン
    グ時間差を求める手段と、上記各端の電流瞬時値データ
    または事故点標定装置設置端でサンプリングされた電圧
    瞬時値データのいずれか一方のデータを上記サンプリン
    グ時間差だけ移相して他方のデータのサンプリングに同
    期サンプリングしたデータに変換する手段と、この手段
    で変換された上記一方のデータと上記他方のデータを用
    いて事故点を標定する手段とを備えたことを特徴とする
    多端子送電線の事故点標定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記各端の同期サン
    プリングされた電流瞬時値データおよび上記事故点標定
    装置端でサンプリングされた電流瞬時値データとして事
    故時の電流データを用いることを特徴とする多端子送電
    線の事故点標定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記事故時の電流デ
    ータは歪波成分を除去した基本波成分であることを特徴
    とする多端子送電線の事故点標定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、上記各端の同期サン
    プリングされた電流瞬時値データは多端子送電線保護リ
    レーから得ることを特徴とする多端子送電線の事故点標
    定装置。
  5. 【請求項5】 平行2回線が存在していることを条件に
    各端の同期サンプリングされた電流瞬時値データを用い
    て事故点を標定する第1の事故点標定手段と、各端の電
    流データと事故点標定装置設置端の電圧データを用いて
    事故点を標定する第2の事故点標定手段と、事故点標定
    装置設置端の電流データと電圧データを用いて事故点を
    標定する第3の事故点標定手段とを備え、平行2回線が
    存在しているときには上記第1の事故点標定手段を選択
    し、平行2回線が存在していないときには上記第2の事
    故点標定手段を選択し、各端の電流データが得られない
    ときには上記第3の事故点標定手段を選択して事故点を
    標定するようにした多端子送電線の事故点標定装置にお
    いて、上記第2の事故点標定装置は、各端の同期サンプ
    リングされた電流瞬時値データと、事故点標定装置設置
    端でサンプリングされ、上記各端の電流瞬時値データと
    同期サンプリングされていない電流瞬時値データとのサ
    ンプリング時間差を求める手段と、上記各端の電流瞬時
    値データまたは事故点標定装置設置端でサンプリングさ
    れた電圧瞬時値データのいずれか一方のデータを上記サ
    ンプリング時間差だけ移相して他方のデータのサンプリ
    ングに同期サンプリングしたデータに変換する手段と、
    この手段で変換された上記一方のデータと上記他方のデ
    ータを用いて事故点を標定する手段とを備えたことを特
    徴とする多端子送電線の事故点標定装置。
JP24188095A 1995-09-20 1995-09-20 多端子送電線の事故点標定装置 Pending JPH0989975A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24188095A JPH0989975A (ja) 1995-09-20 1995-09-20 多端子送電線の事故点標定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24188095A JPH0989975A (ja) 1995-09-20 1995-09-20 多端子送電線の事故点標定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0989975A true JPH0989975A (ja) 1997-04-04

Family

ID=17080921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24188095A Pending JPH0989975A (ja) 1995-09-20 1995-09-20 多端子送電線の事故点標定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0989975A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100349622B1 (ko) * 1999-10-29 2002-08-22 한국수력원자력 주식회사 영상전류 위상비교방식을 이용한 배전계통 고장구간 판단장치 및 방법
JP2020118602A (ja) * 2019-01-25 2020-08-06 株式会社近計システム 故障点標定装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100349622B1 (ko) * 1999-10-29 2002-08-22 한국수력원자력 주식회사 영상전류 위상비교방식을 이용한 배전계통 고장구간 판단장치 및 방법
JP2020118602A (ja) * 2019-01-25 2020-08-06 株式会社近計システム 故障点標定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Benmouyal et al. Superimposed quantities: Their true nature and application in relays
Mechraoui et al. A new principle for high resistance earth fault detection during fast power swings for distance protection
CN103226176A (zh) 一种配电网单相接地故障选线方法
WO2010004757A1 (ja) 事故点標定方法および事故点標定装置
Moravej et al. Gabor transform-based fault location method for multi-terminal transmission lines
CN105467268A (zh) 电力配电网络中的接地故障的方向检测
US4636909A (en) Digital impedance relay
Sidhu et al. A power transformer protection technique with stability during current transformer saturation and ratio-mismatch conditions
CN109997287B (zh) 用于故障方向检测的方法和控制系统
CN102082420B (zh) 输电线路的纵差保护方法
JPH0989975A (ja) 多端子送電線の事故点標定装置
Marković et al. Development of new measuring systems based on symmetric components in electric networks
JP4921246B2 (ja) 地絡距離継電器
JP2018163066A (ja) 故障点標定装置
Abdollahzadeh et al. Delayless extraction of instantaneous symmetrical components in power system fault conditions
Diniş et al. Power factor measuring device using microcontroller for single-phase consumers
JPS6152613B2 (ja)
CN207281185U (zh) 一种三相电系统的缺相检测电路
Radojević et al. Effective two-terminal numerical algorithm for overhead lines protection
Donolo et al. Generator protection overcomes current transformer limitations
Kumar et al. High speed differential protection of series-shunt compensated transmission line using phaselet
Takani et al. Analysis and evaluation of multi-terminal fault location using actual fault data
JP3503491B2 (ja) 平行2回線送電線の地絡故障点標定装置
Agrawal An investigation into a method of detecting the fault induced high frequency voltage signals of EHV transmission lines for protection applications
Istrate et al. Assessment of two single-end fault location algorithms in an ATP approach