JPH0989760A - ネマチック液晶素子の方位角方向のアンカリングエネルギ−測定方法 - Google Patents

ネマチック液晶素子の方位角方向のアンカリングエネルギ−測定方法

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JPH0989760A
JPH0989760A JP24938795A JP24938795A JPH0989760A JP H0989760 A JPH0989760 A JP H0989760A JP 24938795 A JP24938795 A JP 24938795A JP 24938795 A JP24938795 A JP 24938795A JP H0989760 A JPH0989760 A JP H0989760A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶セルの方位角方向のアンカリングエネル
ギ−を求めること。 【解決手段】 レ−ザ光源から放射されるレ−ザ光を偏
光子を介して偏光させた後、液晶セルに入射させ、この
液晶セルから出射したレ−ザ光を検光子を介して光透過
率Tを光検出器で測定することにより上記液晶セルの方
位角方向のアンカリングエネルギ−強度測定方法におい
て、TN液晶セル24を回転させる第1の工程と、検光子
25をTN液晶セル24より2倍の速度で同一方向に回転さ
せる第2の工程、位相差板27を挿入して、TN液晶セル
24を少しずつ回転させる毎に、検光子25をスキャンさせ
ることにより得られたψ00、ψp (1) ,ψ0 (1) 、ψp
(2),ψ0 (2) に基づいて、理論式よりツイスト角Φt
を求め、このツイスト角ΦtよりTN液晶セル24の方位
角方向のアンカリングエネルギ−Aφを求めるようにし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばツイステッ
ドネマチック液晶セルの方位角方向のアンカリングエネ
ルギ−を測定するネマチック液晶素子の方位角方向のア
ンカリングエネルギ−測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は軽量・薄型、低消費電力
などの多くの利点を有することから、小型電子機器等の
表示素子として盛んに応用されている。現在実用化され
ている液晶表示素子のほとんどはTN(Twisted Nemati
c )方式とSTN(Super Twisted Nematic )方式であ
る。
【0003】液晶表示素子の電気光学特性を改善するた
めには、界面配向の制御が重要である。液晶分子の界面
における配向方法は、比較的簡単であることから、工業
的にはラビング法が広く用いられている。このラビング
強度が背面配向に与える影響は評価することは、液晶表
示素子の特性向上のためにも重要である。界面における
方位角方向のアンカリング強度測定は、界面配向評価の
重要なパラメ−タの一つである。
【0004】方位角方向のアンカリング強度を測定する
簡易な評価方法の一つとして、図10に示したような捻
れ角測定方法がある。図10において、上下配向膜界面
のラビング方向は平行である。カイラル材を添付した液
晶を楔形セルに注入すると図10の様な配向となる。即
ち、界面アンカリング力によって液晶分子は平行配向す
るように固定されている。ここで、 Aφ/K2 =(π−2φs )/dsinψ より、アンカリング強度Aφが求められる。ここで、K
2 はツイスト弾性定数、ψは捻れ角、dはセル厚であ
る。偏光顕微鏡を用い、偏向板を回転させψ(及び
φs )を求め、上記式からアンカリング強度Aφが評価
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図10の方法は簡便な
測定方法としては優れている。しかし、測定試料として
は平行配向セルを制作しなければならず、工場において
作製されたTNセル製品自体のアンカリング強度を検査
するような用途には不向きである。また、アンカリング
強度が強い場合には、上記の方法で検出されるφs は微
小であり、偏光顕微鏡による目視は測定不可能である。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、TN液晶セルのツイスト角を求めて、
そのツイスト角より方位角アンカリングエネルギ−を演
算により求めるようにした液晶素子の方位角方向のアン
カリングエネルギ−測定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる液晶セ
ルの方位角方向のアンカリングエネルギ−測定方法は、
レ−ザ光源から放射されるレ−ザ光を偏光子を介して偏
光させた後、液晶セルに入射させ、この液晶セルから出
射したレ−ザ光を検光子を介して光透過率Tを光検出器
で測定することにより上記液晶セルの方位角方向のアン
カリングエネルギ−測定方法において、上記液晶セルを
上記レ−ザ光の光軸を中心に1回転させて上記光検出器
で検出される光透過率Tが最小とする上記液晶セルの回
転角度ψ00を求める第1の工程と、上記液晶セルと上記
検光子を上記レ−ザ光の光軸を中心に同一方向に回転速
度が1:2の比率で1回転させて上記光検出器で検出さ
れる光透過率Tが最小とする上記検光子の回転角度ψp
(1) を求める第2の工程と、上記偏光子と45度となる
様に位相差板を上記液晶セルと上記検光子との間に挿入
し、上記液晶セルを少しずつ回転させ、少しずつ回転さ
せる毎に上記レ−ザ光の光軸を中心に上記検光子を1回
転させて、上記光検出器で検出される光透過率Tが最小
とする上記検光子の回転角度ψp (2) 及びその時の上記
液晶セルの回転角度ψ0 (2) を求める第3の工程と、上
記第1の工程で求めた上記液晶セルの回転角度ψ00、上
記第2の工程で求めた上記検光子の回転角度ψp (1) 、
上記第3の工程で求めた上記検光子の回転角度ψp (2)
及びその時の上記液晶セルの回転角度ψ0 (2) に基づい
て上記液晶セルのツイスト角Φt を求める第4の工程
と、この第4の工程で求められたツイスト角Φt に基づ
いて上記液晶セルの方位角方向のアンカリングエネルギ
−を所定の計算式より求める第5の工程とを具備したこ
とを特徴とする。
【0008】請求項2に係わる液晶セルの方位角方向の
アンカリングエネルギ−測定方法は、請求項1の第4の
工程は、光透過率Tを求める一般式T(Φt ,u,
ψ0 ,ψp ,)をψ0 ,ψp でそれぞれ偏微分した式を
零とする条件より、ツイスト角Φt とuとの関係を、ツ
イスト角が90度より小さい値について算出し、上記位
相差板を挿入したことを条件に入れて上記光透過率Tを
求める一般式T(Φt ,u,ψ0 ,ψp ,)をψ0 ,ψ
p でそれぞれ偏微分した式を零とする式に、上記ツイス
ト角Φt とuとの関係を代入することにより上記液晶セ
ルの回転角度ψ0 及び上記検光子の回転角度ψp との演
算して求めるようにしたことを特徴とする。
【0009】本発明は、レ−ザ光源から放射されるレ−
ザ光を偏光子を介して偏光させた後、液晶セルに入射さ
せ、この液晶セルから出射したレ−ザ光を検光子を介し
て光透過率Tを光検出器で測定することにより液晶セル
の方位角方向のアンカリングエネルギ−測定方法におい
て、液晶セルをレ−ザ光の光軸を中心に1回転させて光
検出器で検出される光透過率Tが最小とする上記液晶セ
ルの回転角度ψ00を求め、液晶セルと検光子をレ−ザ光
の光軸を中心に同一方向に回転速度が1:2の比率で1
回転させて光検出器で検出される光透過率Tが最小とす
る検光子の回転角度ψp (1) を求め、偏光子と45度と
なる様に位相差板を液晶セルと検光子との間に挿入し、
液晶セルを少しずつ回転させ、少しずつ回転させる毎に
レ−ザ光の光軸を中心に検光子を1回転させて、光検出
器で検出される光透過率Tが最小とする検光子の回転角
度ψp (2) 及びその時の液晶セルの回転角度ψ0 (2) を
求め、求められた液晶セルの回転角度ψ00、求められた
検光子の回転角度ψp (1)、求めた検光子の回転角度ψ
p (2) 及びその時の上記液晶セルの回転角度ψ0 (2) に
基づいて上記液晶セルのツイスト角Φt を求め、このツ
イスト角Φt に基づいて液晶セルの方位角方向のアンカ
リングエネルギ−を所定の計算式より求めるようにして
いる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の一実
施の形態について説明する。
【0011】液晶分子は形状、誘電率、屈折率及び導電
率に異方性を持つ物質である。液晶に電界などの外場を
加えると、分子軸の配列転移、液晶分子の流れを伴う不
安定現象が生じる。これらが原因で、電界の加えられた
液晶の光学的物質が変化する。これを一般に液晶の電気
光学効果と呼んでいる。具体的には、ITO(IndiumTi
n Oxide)のような透明電極の被覆を施した2枚のガラ
ス基板に数μm〜10数μmの厚さで挟んでTN液晶セ
ル10を構成し、薄膜状態の液晶に対する光透過率、光
偏光面変化などで光学的変化が記述されている。
【0012】図8を参照してTN(Twisted Nematic )
効果について説明する。このTN効果は液晶ディスプレ
イの基本型とも言えるモ−ドである。TNモ−ドでは液
晶分子軸をガラス電極面に平行に配列させ、図8(A)
に示すように、一方の基板面から他方の基板面にかけて
分子軸が90°ねじれるように上下の配向処理方向を直
交させるようにしている。
【0013】そして、偏光軸が直交するように偏光板1
1a、11bを配置させた場合に、図8(A)に示すよ
うに電圧が無印加時には、TN液晶セル10の旋光性に
よって入射光は通過する。しかし、しきい値以上の電圧
を印加した場合には、図8(B)に示すように液晶分子
が電場方向に配列して旋光性はなくなるため、液晶セル
を通過した光は出射側の偏光板11bによりブロックさ
れる。
【0014】ところで、液晶セルの基板表面に物理的ま
たは化学的処理を施すことにより、液晶分子を基板に平
行な一定方向に配列しやすい方向をつくり出すことがで
きる。この方向を配向容易軸という。例えば、基板表面
をラビングすると、液晶分子はラビングした方向に配向
しやすくなる。これは、表面層において、液晶分子がこ
の方向に配列したとき、ねじれなどによる弾性エネルギ
−が最小の状態になるからである。基板表面において、
このように液晶分子配向を束縛する力をアンカリングエ
ネルギ−という。
【0015】このアンカリングエネルギ−は図9に示す
ように、その束縛方向から極角方向のアンカリングエネ
ルギ−Aθ及び方位角方向のアンカリングエネルギ−A
φとに分けられる。
【0016】本発明は前述したように液晶セルの方位角
方向のアンカリングエネルギ−Aφを測定することにあ
る。方位角方向のアンカリングエネルギ−Aφを測定す
るには、セル内での液晶分子のツイスト角Φt を測定す
れば良い。
【0017】次に、図1を参照して液晶セルの方位角方
向のアンカリングエネルギ−を測定する装置について説
明する。図1において、21はHe−Neレ−ザ−を出力す
るレ−ザ発振器である。このレ−ザ発振器21から出力
されるレ−ザ光は、チョッパ22、偏光子23を介して
TN液晶セル24に入射される。
【0018】そして、TN液晶セル24から出射される
レ−ザ光は検光子25を介して光の透過率Tを検出する
光検出器26に入射される。
【0019】また、破線で示した27はλ/4の位相差
板である。
【0020】ところで、TN液晶セル24はレ−ザ発振
器21から出力されるレ−ザ光の光軸21aを中心とし
て回転可能に構成されている。このTN液晶セル24は
所定角度ずつステッピングモ−タm1により駆動され
る。このステッピングモ−タm1の駆動はコンピュ−タ
31により制御される。
【0021】さらに、検光子25は上記TN液晶セル2
4と同じように、レ−ザ発振器21から出力されるレ−
ザ光の光軸21aを中心として回転可能に構成されてい
る。この検光子25は設定角度ずつステッピングモ−タ
m2により駆動される。このステッピングモ−タm2の駆動
はコンピュ−タ31により制御される。
【0022】また、チョッパ22はロックインアンプ3
2により制御される。
【0023】光検出器26で検出されたレ−ザ光は、ロ
ックインアンプ32で増幅された後、コンピュ−タ31
に入力される。
【0024】また、TN液晶セル24には、温度制御部
33からの制御信号が入力されて、TN液晶セル24の
温度が制御される。
【0025】また、図7を参照して座標系について説明
する。図7において、ni はTN液晶セル24の入射側
のnディレクタ、no はTN液晶セル24の出射側のn
ディレクタ、Pは偏光子23、Aは検光子25、ψ1
x軸と偏光子Pとのなす角度、ψ0 はTN液晶セル24
の入射側のni ディレクタと偏光子Pとのなす角度、ψ
p は偏光子Pと検光子Aとのなす角度、Φt はTN液晶
セル24の入射側のnディレクタni と出射側のnディ
レクタno とのなす角度、つまりツイスト角を示してい
る。
【0026】以上のように構成された測定装置を用いて
液晶セルの方位角方向のアンカリングエネルギ−を測定
する測定方法について説明する。
【0027】まず、透過率Tの理論式より、位相差板2
7を挿入しない場合に、透過率Tをψ0 ,ψp で偏微分
した場合に成立する式及び位相差板27を挿入した場合
に、透過率Tをψ0 ,ψp で偏微分した場合に成立する
式について説明する。
【0028】まず、図7に示すような座標系及び図1に
示すようなTN液晶セル24の配置の場合の透過率は公
知の手法により次式のように求められる。
【0029】T=数1 となる。
【0030】
【数1】
【0031】そして、位相差板27を挿入しない場合
に、透過率Tをψ0 ,ψp について最小化したときは、
透過率Tのψ0 での偏微分値、透過率Tのψp での偏微
分値は零になる。
【0032】つまり、数2、数3に示すような関係とな
る。
【0033】
【数2】
【0034】
【数3】
【0035】そして、位相差板27を挿入しない場合に
は、δ=0であるから、(1)式をψ0 で偏微分した値
を零とすると、数4の関係が成り立つ。
【0036】
【数4】
【0037】ここで、(4)式を満たすためには、sin
2(Φt +2ψ0 −ψp )=0を満たせば良い。
【0038】従って、数5
【数5】
【0039】なる関係が成り立つ。
【0040】また、位相差板27を挿入しない場合に
は、δ=0であるから、(1)式をψp で偏微分した値
を零とすると、数6の関係が成り立つ。
【0041】
【数6】
【0042】つまり、透過率Tをψp で極小となるとき
は、(6)式の関係が成り立つ。
【0043】次に、位相差板27を挿入したときは、ψ
1 =−π/4とし、位相差板27としてλ/4板を用い
れば、δ=π/2だから透過率Tは数7のようになる。
【0044】
【数7】
【0045】よって、2Tは数8のようになる。
【0046】
【数8】
【0047】そして、位相差板27を挿入した場合に、
TN液晶セル24を回転させて、(8)式の透過率Tを
最小するψ0 を検出した場合には、(8)式をψ0 で偏
微分したものが零になる。
【0048】つまり、数9の関係が成り立つ。
【0049】
【数9】
【0050】また、位相差板27を挿入した場合に、T
N液晶セル24を固定させて、検光子25を回転させ
て、(8)式の透過率Tを最小にするψp を検出した場
合には、(8)式をψp で偏微分したものが零になる。
【0051】つまり、数10の関係が成り立つ。
【0052】
【数10】
【0053】次に、図1の測定装置を用いて動作につい
て具体的に説明する。まず、偏光子23と検光子25と
のなす角ψp は適当に設定する。
【0054】コンピュ−タ31によりステッピングモ−
タm1が駆動されて、液晶セル24が所定角度ずつ1回
転するまで、回転制御される。このように液晶セル24
が1回転する間に、光検出器26でTN液晶セル24及
び検光子25を介する光が検出される。つまり、TN液
晶セル24を回転させることにより、TN液晶セル24
の入射側のディレクタと検光子25とのなす角度ψ0
変化させている。
【0055】このようにして、図2に示すようなT−ψ
0 特性が得られる。
【0056】図2に示すように、ψ0 =ψ00で透過率T
が極小値を持つ。このように、透過率Tを最小とする回
転角度ψ00を求めている(第1の工程)。
【0057】つまり、ψ0 =ψ00では透過率Tをψ0
偏微分した値が零となる前述した(4)式の関係が成り
立つ。
【0058】従って、透過率Tがψ0 に対して極小値を
持つψ0 =ψ00では前述したように、(5)式の関係が
成り立つ。
【0059】次に、TN液晶セル24と検光子25をレ
−ザ光の光軸を中心に同一方向に回転速度が1:2の比
率で1回転させて光検出器26で検出される光透過率T
が最小とする検光子の回転角度ψp (1) ,ψ0 (1) を求
めている(第2の工程)。
【0060】次に、(5)式の条件を満たしたまま、透
過率Tをψp で偏微分した値を零に工程に移行する。偏
光子23と検光子25との反対方向へ同じ角度ずつ回転
(ψ0 は固定)させて透過率Tを測定することを想定す
ると、ψ0 ,ψp はそれぞれ ψ′0 =ψ0 +θ …(11) ψ′p =ψp +2θ …(12) と変化する。
【0061】ここで、(11)式と(12)式は(5)
式の関係を満たしているから、θを連続的に変化させて
透過率Tが最小となるψp を求めれば良い。
【0062】ところで、レ−ザ発振器21は直線偏光な
ので、偏光子23を回転させると偏光子23を通過した
後の透過光強度が変化してしまう。そこで、本願発明で
は、偏光子23を固定し、ψ0 をθ回転させたらψp
2θだけ回転させるようにすることにより、偏光子23
と検光子25との反対方向へ同じ角度ずつ回転(ψ0
固定)させて透過率Tを測定するのと同じ状態を作り出
すことができる。
【0063】つまり、液晶セル24と検光子25とをレ
−ザ光の光軸を中心に同一方向に回転速度が1:2の比
率で回転させるようにしている。
【0064】前述したように液晶セル24と検光子25
とをレ−ザ光の光軸を中心に同一方向に回転速度が1:
2の比率で回転させるということは、(11)式と(1
2)式で現されている。この(11)式と(12)式は
(5)式の条件を満たしている。従って、液晶セル24
と検光子25とをレ−ザ光の光軸を中心に同一方向に回
転速度が1:2の比率で回転させた場合でも、光透過率
Tのψ0 での偏微分値が零の状態を保つことができる。
【0065】液晶セル24と検光子25とをレ−ザ光の
光軸を中心に同一方向に回転速度が1:2の比率で回転
させた場合でも、液晶セル24をψ00に設定した状態を
保つことができる。
【0066】このようにした状態で、透過率Tが最小と
なるψp ,ψ0 をそれぞれψp (1),ψ0 (1) とする。
【0067】次に、位相差板(λ/4板)27を挿入
し、ψ0 を少しずつ変えて、その都度ψp をスキャン
し、透過率Tを測定する。このとき、図4に示すよう
に、光透過率Tが最小となるψp ,ψ0 をそれぞれψp
(2) ,ψ0 (2) とする(第3の工程)。
【0068】ところで、位相差板(λ/4板)27を挿
入しない場合の光透過率Tのψp での偏微分値が零の理
論式は(6)式である。
【0069】この(6)式には、変数が3つ(Φt ,ψ
p ,u)ある。
【0070】従って、第2の工程で求めたψp (1) を代
入すると、ツイスト角Φt とψ0 との関係式が求まる。
【0071】ここで、ツイスト角Φt はほぼ90°であ
るため、ツイスト角Φt ′を90.0°,88.8°,88.7°,
…とそれぞれ式(6)に代入したときのu′を求める。
この演算はコンピュ−タ31での数値計算により行われ
る。
【0072】このようにして、図5のテ−ブルが完成す
る。
【0073】次に、位相差板27を挿入した場合の透過
率Tのψ0 での偏微分値が零及び透過率Tのψp での偏
微分値が零の条件より導き出された理論式は前述したよ
うに(9)式と(10)式である。
【0074】これら2つの式には、それぞれ4つの変数
(Φt ,u,ψ0 ,ψp )がある。
【0075】ここで、ツイスト角Φt とuとの関係は図
5に示したテ−ブルに記載された関係を持つ。
【0076】従って、(9)式と(10)式に図5に示
したテ−ブルのΦt ′,u′を代入し、ψ0 とψp との
関係を数値計算により求める。このようにして、求めた
結果が、図6のテ−ブルとなる。図6では、計算により
求めたψ0 ,ψp をψ0 (c),ψp (c) とする。
【0077】この図6のテ−ブルよりψp (c) のうち、
第3の工程で求めたψp (2) に一番近いψp に対応する
ツイスト角Φt が実際のツイスト角となる(第4の工
程)。
【0078】例えば、ψp (2) の値が図6のテ−ブルで
Aに一番近い場合には、そのツイスト角Φt は89.8°と
なる。
【0079】次に、ツイスト角Φt よりTN液晶セルの
方位角方向のアンカリングエネルギ−Aφを数11の理
論式より求める。
【0080】
【数11】
【0081】(11)式において、K2 はツイスト弾性
定数、dはセルギャップ、ΔΦ=(Φr −Φt )/2
(Φr は90°とする)。
【0082】以上のようにして、TN液晶セル24の方
位角方向のアンカリングエネルギ−を測定することがで
きる。
【0083】以上のように、この発明では、TN液晶セ
ル24を回転させる第1の工程、検光子25をTN液晶
セル24より2倍の速度で同一方向に回転させる第2の
工程、位相差板27を挿入して、TN液晶セル24を少
しずつ回転させる毎に、検光子25をスキャンさせるこ
とにより得られたψ00、ψp (1) ,ψ0 (1) 、ψp (2)
,ψ0 (2) に基づいて、理論式よりツイスト角Φt を
求め、このツイスト角Φt よりTN液晶セル24の方位
角方向のアンカリングエネルギ−Aφを求めるようにし
たので、TN液晶セル24にTFT(Thin Film Transi
stor)を実装した状態でも、TN液晶セル24の方位角
方向のアンカリングエネルギ−Aφを求めることができ
る。
【0084】また、図2乃至図4の透過率Tの最小値と
するψ00、ψp (1) ,ψ0 (1) 、ψp (2) ,ψ0 (2) を
求めるようにしているので、図2乃至図4の波形を他の
波形との一致を見るようなフィッテングプロセスが必要
ないので、処理が簡単とすることができる。
【0085】なお、本発明はTN液晶セルだけでなく、
STN(Super Twisted Nematic )液晶素子にも応用が
可能である。
【0086】また、図1においてはTN液晶セル24,
検光子25を別々のステッピングモ−タm1,m2で回
転させるようにしたが、モ−タをm1一つだけにし、T
N液晶セル24は減速機構で回転速度を減速させるよう
にしても良い。
【0087】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、液
晶セルのツイスト角を求めて、そのツイスト角よりアン
カリングエネルギ−を演算により求めるようにした液晶
セルの方位角方向のアンカリングエネルギ−測定方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる液晶セルの方位
角方向のアンカリングエネルギ−測定方法に用いられる
装置を示す図。
【図2】同実施の形態におけるT−ψ0 特性を示す図。
【図3】同実施の形態におけるT−ψp 特性を示す図。
【図4】同実施の形態におけるT−ψp 特性を示す図。
【図5】Φt ′−u′特性を示す図。
【図6】Φt ′,u′,ψ0 (c) ,ψp (c) 特性を示す
図。
【図7】液晶セルの座標系を示す図。
【図8】TNモ−ドの動作原理を示す図。
【図9】アンカリングエネルギ−を説明するための図。
【図10】従来の捻れ角測定法を説明するための図。
【符号の説明】
21…レ−ザ発振器、22…チョッパ、23…偏光子、
24…TN液晶セル、25…検光子、26…光検出器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レ−ザ光源から放射されるレ−ザ光を偏
    光子を介して偏光させた後、液晶セルに入射させ、この
    液晶セルから出射したレ−ザ光を検光子を介して光透過
    率Tを光検出器で測定することにより上記液晶セルの方
    位角方向のアンカリングエネルギ−測定方法において、 上記液晶セルを上記レ−ザ光の光軸を中心に回転させて
    上記光検出器で検出される光透過率Tが最小とする上記
    液晶セルの回転角度ψ00を求める第1の工程と、 上記液晶セルと上記検光子を上記レ−ザ光の光軸を中心
    に同一方向に回転速度が1:2の比率で回転させて上記
    光検出器で検出される光透過率Tが最小とする上記検光
    子の回転角度ψp (1) を求める第2の工程と、 上記偏光子と45度となる様に位相差板を上記液晶セル
    と上記検光子との間に挿入し、上記液晶セルを少しずつ
    回転させ、少しずつ回転させる毎に上記レ−ザ光の光軸
    を中心に上記検光子を1回転させて、上記光検出器で検
    出される光透過率Tが最小とする上記検光子の回転角度
    ψp (2) 及びその時の上記液晶セルの回転角度ψ0 (2)
    を求める第3の工程と、 上記第1の工程で求めた上記液晶セルの回転角度ψ00
    上記第2の工程で求めた上記検光子の回転角度ψp (1)
    、上記第3の工程で求めた上記検光子の回転角度ψ
    p (2) 及びその時の上記液晶セルの回転角度ψ0 (2) に
    基づいて上記液晶セルのツイスト角Φt を求める第4の
    工程と、 この第4の工程で求められたツイスト角Φt に基づいて
    上記液晶セルの方位角方向のアンカリングエネルギ−を
    所定の計算式より求める第5の工程とを具備したことを
    特徴とするネマチック液晶素子の方位角方向のアンカリ
    ングエネルギ−測定方法。
  2. 【請求項2】 上記第4の工程は、光透過率Tを求める
    一般式T(Φt ,u,ψ0 ,ψp ,)をψ0 ,ψp でそ
    れぞれ偏微分した式を零とする条件より、ツイスト角Φ
    t とuとの関係を、ツイスト角が90度より小さい値に
    ついて算出し、上記位相差板を挿入したことを条件に入
    れて上記光透過率Tを求める一般式T(Φt ,u,
    ψ0 ,ψp ,)をψ0 ,ψp でそれぞれ偏微分した式を
    零とする式に、上記ツイスト角Φt とuとの関係を代入
    することにより上記液晶セルの回転角度ψ0 及び上記検
    光子の回転角度ψp との演算して求めるようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載のネマチック液晶素子の方位
    角方向のアンカリングエネルギ−測定方法。
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US6300954B1 (en) 1997-09-12 2001-10-09 Meiryo Tekunika Kabushiki Kaisha Methods and apparatus for detecting liquid crystal display parameters using stokes parameters
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