JPH0988912A - 油圧駆動機械の制御装置 - Google Patents

油圧駆動機械の制御装置

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JPH0988912A
JPH0988912A JP8085579A JP8557996A JPH0988912A JP H0988912 A JPH0988912 A JP H0988912A JP 8085579 A JP8085579 A JP 8085579A JP 8557996 A JP8557996 A JP 8557996A JP H0988912 A JPH0988912 A JP H0988912A
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pressure oil
pressure
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Yoshiyuki Shimoya
芳之 下屋
Hideki Akushichi
秀樹 悪七
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジン回転数の大きさに関係なくオペレ−タ
に常に安定した操作感覚を与えることができる装置を提
供する。 【解決手段】この発明では、同様な油圧駆動機械におい
て前記油圧アクチュエ−タを通らないように前記油圧ポ
ンプとドレインタンクとを連通する第2の圧油供給路
と、前記第2の圧油供給路に配設され、該第2の圧油供
給路の断面積を可変する可変オリフィスと、前記エンジ
ンの回転数を検出する回転数検出手段と、前記回転数検
出手段の出力に基づきエンジン回転数の低下につれて前
記第2の圧油供給路の断面積を小さくする制御を行う可
変オリフィス制御手段とを具えるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧駆動機械の制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧駆動機械において暖機運転を
行おうとする場合には、オペレ−タは作業機を駆動する
油圧アクチュエ−タを所定の方法によって固定しつつ、
操作レバ−をストロ−ク一杯に作動したまま保持する操
作を行う。これにより油圧アクチュエ−タに供給される
作動油の圧力損失を生じて、作動油温度が上昇する。
【0003】また、エンジンによって駆動される油圧ポ
ンプと油圧アクチュエ−タとの間には操作レバ−によっ
て操作、作動される操作弁が存在するが、この操作弁の
スプ−ルは各切換位置ごとに可変オリフィスを有してい
る。この可変オリフィスはその開口断面積が変化するこ
とによって油圧アクチュエ−タに供給される圧油の流量
が決定される。そしてこの可変オリフィスの断面積の大
きさは操作レバ−の操作量(操作レバ−ストロ−ク量)
に応じて定まることになる。通常の場合、操作レバ−の
ストロ−ク量が小さい場合にはストロ−ク量が所定の値
になるまで可変オリフィスの断面積は油圧アクチュエ−
タを駆動する程度には大きくならない。このため、操作
レバ−のストロ−ク量が小さいうちは操作レバ−を操作
したとしても、油圧アクチュエ−タは作動しないという
操作レバ−のデッドストロ−ク範囲が存在していた。ま
た、上記可変オリフィスは断面積が変化することによっ
てタンクにドレインされる圧油の流量の大きさも変化す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述するように従来は
暖機運転を行う場合に作業に適した作動油温度になるま
でオペレ−タが操作レバ−をストロ−クエンドで保持し
続けるという操作をする必要があったため、オペレ−タ
に著しい負担を課し、疲労を招いていた。そこで本発明
の第1発明ではオペレ−タを著しい負担を課すことなく
油圧駆動機械の暖機運転を行うことができる装置を提供
することをその目的としている。
【0005】また、前述するように油圧アクチュエ−タ
に供給される圧油の大きさが操作弁に組み込まれた可変
オリフィスの開口断面積によって決定され、この可変オ
リフィスの開口断面積が操作レバ−のストロ−クで決定
される。ここで油圧アクチュエ−タに供給される圧油の
圧力の大きさは油圧ポンプを駆動するエンジンの回転数
によって決定される。このため、エンジンか回転数が高
い場合と低い場合とで比較すると、エンジン回転数が低
い場合、油圧ポンプの吐出油の圧力が低くなり、油圧ア
クチュエ−タが駆動されない操作レバ−のデッドストロ
−ク範囲が大きくなってしまうことになる。逆にエンジ
ン回転数が高い場合は油圧ポンプの吐出油の圧力が高く
なり、操作レバ−のデッドストロ−ク範囲が小さくなっ
てしまうことになる。こうしたデッドストロ−ク範囲の
違いは操作レバ−の官能的な操作感覚に影響を与える。
エンジン回転数の大きさによって操作レバ−の操作感覚
が異なってしまうのであれば、オペレ−タに安定した操
作感覚を与えることはできず、安定した作業を行うこと
ができないことになる。そこで本発明の第2発明はエン
ジン回転数の大きさに関係なくオペレ−タに常に安定し
た操作感覚を与えることができる装置を提供することを
その目的としている。
【0006】また、前述するように油圧アクチュエ−タ
に供給される圧油の流量が操作弁に組み込まれた可変オ
リフィスの開口断面積によって決定されるとともに、油
圧ポンプからタンクにドレインされる圧油の流量も可変
オリフィスの開口断面積によって決定される。ところ
で、このタンクにドレインされる圧油の流量は油圧アク
チュエ−タにかかる負荷の大きさによっても決定され
る。このため作業の内容によっては操作レバ−のストロ
−ク途中において油圧ポンプの吐出圧油が全量タンクに
ドレインされてしまい、油圧アクチュエ−タの動作が停
止してしまい、エネルギ−ロスが増大してしまうことに
なってしまう。
【0007】そこで本発明の第3発明では油圧駆動機械
が行う作業種類が異なり、油圧アクチュエ−タにかかる
負荷が異なったとしても、エネルギ−ロスを最小限に抑
えることができる装置を提供することをその目的として
いる。
【0008】また、操作レバ−を急操作した場合には油
圧アクチュエ−タの慣性と圧油の弾性により油圧アクチ
ュエ−タの動作は振動的になり安定性に欠けるというこ
とがあった。そこで安定性を向上させるために可変オリ
フィスの開口断面積を大きくすることが考えられるが、
可変オリフィスの開口断面積を大きくするとタンクにド
レインされる圧油の流量も大きくなってしまい、エネル
ギ−ロスが大きくなるという不都合が招来することにな
る。
【0009】そこで本発明の第4発明では油圧アクチュ
エ−タの動作のダンピング特性の向上とエネルギ−ロス
の低減を同時に図ることができる装置を提供することを
その目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこでこの発明の第1発
明ではエンジンによって駆動される油圧ポンプと、該油
圧ポンプと操作レバ−によって操作される操作弁と油圧
アクチュエ−タとを連通する第1の圧油供給路とを有
し、前記操作レバ−の操作量に応じて前記油圧ポンプか
ら吐出される圧油を前記油圧アクチュエ−タに供給し
て、該油圧アクチュエ−タを駆動するようにした油圧駆
動機械において、前記油圧アクチュエ−タを通らないよ
うに前記油圧ポンプとドレインタンクとを連通する第2
の圧油供給路と、前記第2の圧油供給路に配設され、該
第2の圧油供給路の断面積を可変する可変オリフィス
と、前記油圧アクチュエ−タに供給される圧油の温度を
検出する温度検出手段と、前記温度検出手段で検出され
た圧油の温度が所定温度よりも小さい場合に、該圧油の
温度が所定温度以上になるように前記第2の圧油供給路
の断面積を小さくする制御を行う可変オリフィス制御手
段とを具えるようにしている。
【0011】また第2発明では、同様な油圧駆動機械に
おいて前記油圧アクチュエ−タを通らないように前記油
圧ポンプとドレインタンクとを連通する第2の圧油供給
路と、前記第2の圧油供給路に配設され、該第2の圧油
供給路の断面積を可変する可変オリフィスと、前記エン
ジンの回転数を検出する回転数検出手段と、前記回転数
検出手段の出力に基づきエンジン回転数の低下につれて
前記第2の圧油供給路の断面積を小さくする制御を行う
可変オリフィス制御手段とを具えるようにしている。
【0012】また第3発明では同様な油圧駆動機械にお
いて前記油圧アクチュエ−タを通らないように前記油圧
ポンプとドレインタンクとを連通する第2の圧油供給路
と、前記第2の圧油供給路に配設され、該第2の圧油供
給路の断面積を可変する可変オリフィスと、前記油圧駆
動機械の作業種類に応じて前記第2の圧油供給路の断面
積を設定し、前記作業種類を選択する選択手段と、前記
第2の圧油供給路の断面積が前記選択手段で選択された
作業種類に対応する断面積になるように前記可変オリフ
ィスを制御する制御手段とを具えるようにしている。
【0013】また第4発明では同様な油圧駆動機械にお
いて前記油圧アクチュエ−タを通らないように前記油圧
ポンプとドレインタンクとを連通する第2の圧油供給路
と、前記第2の圧油供給路に配設され、該第2の圧油供
給路の断面積を可変する可変オリフィスと、前記操作レ
バ−の操作量を検出する操作量検出手段と、前記第2の
圧油供給路の断面積が前記操作量検出手段で検出された
操作量に応じた断面積となるように前記可変オリフィス
を制御する制御手段と、前記油圧ポンプの吐出圧油の圧
力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段の出力
に基づき前記油圧ポンプの吐出圧油の圧力の上昇につれ
て前記第2の圧油供給路の断面積を大きくする制御を行
う可変オリフィス制御手段とを具えるようにしている。
または、前記圧力検出手段の出力の時間微分値に比例し
た増分を前記第2の圧油供給路の断面積に加算して制御
する可変オリフィス制御手段を具えるようにする。
【0014】
【作用】かかる第1発明の構成によれば、油圧アクチュ
エ−タに供給される圧油の温度が所定温度よりも小さく
暖機運転が十分になされていない場合に油圧ポンプとド
レインタンクとを連通する第2の油圧供給路の断面積が
小さくなるように可変オリフィスが制御される。この結
果、可変オリフィスにおいて圧力損失が生じて油温が上
昇して、やがて所定温度に達する。
【0015】また第2発明では、以下の点に着目してい
る。すなわち、エンジン回転数が小さくなるほど油圧ポ
ンプの吐出油の圧力が小さくなり、これによって操作レ
バ−のデッドストロ−ク範囲が大きくなり、逆にエンジ
ン回転数が高くなるとそれにつれて油圧ポンプの吐出圧
油が高くなり、操作レバ−のデッドストロ−ク範囲が小
さくなることになる。ここで第2の圧油供給路の断面積
を小さくすれば油圧ポンプから油圧アクチュエ−タに供
給される圧油の圧力が大きくなり、操作レバ−のデッド
ストロ−ク範囲を小さくすることができる。そこでエン
ジン回転数の低下につれて第2の圧油供給路の断面積を
小さくするように可変オリフィスを制御して、操作レバ
−のデッドストロ−ク範囲がエンジン回転数の大きさに
関係なく一定にする。また、第3発明では、作業種類に
よって油圧アクチュエ−タにかかる負荷の大きさは異な
り、この負荷の大きさに応じてタンクにドレインされる
圧油の流量が異なることに着目している。そしてこのタ
ンクにドレインされる圧油の流量は第2の圧油供給路の
断面積によって決定される。そこで予め油圧駆動機械の
作業種類に応じて第2の圧油供給路の断面積が設定され
る。そして作業種類が選択されると、第2の圧油供給路
の断面積が選択された作業種類に対応する断面積になる
ように可変オリフィスを制御すると、作業種類ごとに油
圧アクチュエ−タにかかる負荷が異なったとしてもタン
クにドレインされる圧油の流量は最適に設定することが
でき、エネルギ−ロスを最小限に抑えることができる。
また、第4発明の構成によれば、油圧ポンプの吐出油の
圧力にほぼ比例して可変オリフィスの流量が大きくなる
ので油圧ポンプの吐出圧の全領域でダンピング特性がほ
ぼ一定となる。油圧ポンプの吐出油の圧力が大きくなる
ほど可変オリフィスの開口断面積を大きくしてタンクに
ドレインされる圧油の流量を大きくしても同じダンピン
グ特性となる固定オリフィスよりも絶対量を小さくする
ことができるのでエネルギ−ロスは変わらないまま、油
圧アクチュエ−タの動作のダンピング特性が向上する。
また、油圧ポンプの吐出圧の時間微分値に比例するよう
断面積を増加する制御を行う場合も可変オリフィスの断
面積の静特性は変わらないので、エネルギ−ロスは変わ
らないままで動特性のみを変えることでダンピング特性
が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る油圧駆動機械の制御装置に実施例について説明する。
【0017】第1図は、油圧駆動機械、たとえばパワ−
ショベルに適用した実施例装置の構成を示す。
【0018】同図に示す作業機油圧回路は以下のように
構成されている。すなわち可変容量型油圧ポンプ1はエ
ンジン2によって駆動され、斜板駆動用サ−ボバルブ3
によってその斜板1aの傾転角を変化させることにより
1回転当りの吐出流量が変化される。なお、油圧ポンプ
1の吐出側の管路の圧力およびジェットセンサオリフィ
ス6の圧力がパイロット圧として斜板駆動用サ−ボバル
ブ3に加えられる。バルブ3はこれらのうち小さい方を
選択して斜板1aを傾転させる。ポンプ1の吐出圧油
は、油圧ポンプ1と操作弁4と油圧シリンダ8のシリン
ダ室とドレインタンク7とを連通する第1の圧油供給路
T1を通過するとともに、油圧ポンプ1と操作弁4と可
変オリフィス5とジェットセンサオリフィス6とドレイ
ンタンク7とを連通する第2の圧油供給路T2を通過す
る。
【0019】電気操作レバ−9は操作弁4を切り換える
操作レバ−であり、レバ−9の操作ストロ−ク量はレバ
−ストロ−ク量検出センサ9aで検出され、検出信号は
油圧装置コントロ−ラ10に加えられる。操作弁用ソレ
ノイド11は油圧装置コントロ−ラ10から加えられる
信号に応じて付勢されて操作弁4のスプ−ルを駆動す
る。可変オリフィス5は第2の圧油供給路T2の管路断
面積を可変する可変型のオリフィスであり、同断面積は
ソレノイド5aに加えられる信号に応じて変化される。
【0020】作動油温度センサ12は圧油管路の適宜箇
所に配設され、油圧シリンダ8に供給される圧油の温度
を検出する温度センサであり、同センサ12の温度検出
信号は油圧装置コントロ−ラ10に加えられる。
【0021】エンジン2には燃料噴射ポンプ13とガバ
ナ14が併設されている。ガバナ14の燃料コントロ−
ルレバ−14aはステッピングモ−タ15で駆動され、
該レバ−14aの駆動位置はポテンショメ−タ16で検
出される。スロットルダイヤル17はエンジンの目標回
転数を設定するダイヤルであり、同ダイヤル17で設定
されたスロットル信号は油圧装置コントロ−ラ10に加
えられる。回転センサ18はエンジン2の出力軸の回転
数を検出するセンサであり、同センサ18の検出回転信
号は油圧装置コントロ−ラ10およびガバナコントロ−
ラ19に加えられる。
【0022】ガバナコントロ−ラ19は回転センサ18
で検出されたエンジン回転数、油圧装置コントロ−ラ1
0から加えらえるスロットルダイヤル17の設定スロッ
トル信号、つまりエンジン2の目標回転数と、ポテンシ
ョメ−タ16で検出されるガバナ14の駆動位置とに基
づきエンジン2の出力トルクが所定のレギュレ−ション
ラインに沿って移動するようにガバナ14の駆動位置を
制御する。なお、こうしたガバナを制御する技術は公知
であり、本願の趣旨とは直接関係ないので、これ以上の
詳細な説明は避けることとする。
【0023】油圧ポンプ吐出油圧センサ20は油圧ポン
プ1の吐出側の管路に設けられ、油圧ポンプ1の吐出圧
油の圧力を検出する圧力センサであり、同センサ20の
検出信号は油圧装置コントロ−ラ10に加えられる。さ
らにモ−ド切換スイッチ21は後述するように作業モ−
ドを選択するスイッチであり、選択された作業モ−ドを
示す信号は油圧装置コントロ−ラ10に加えられる。
【0024】以下、油圧装置コントロ−ラ10では以下
の第1〜第4の制御が実行される。
【0025】1)第1の制御(暖機運転制御) この第1の制御は第1図に示す油圧シリンダ8に供給さ
れる圧油の温度を、作業をするに適切な温度に自動的か
つ迅速に移行させるための制御である。
【0026】第1の制御のフロ−チャ−トを第2図と第
3図に示す。
【0027】第2図に示すように、まず、作動油温温度
センサ12の検出信号tが取り込まれて(ステップ10
1)、検出温度tが所定温度Tset以上であるか否かが
判断される。ここで所定温度Tsetは油圧駆動機械の作
業に適した圧油の温度として設定されているものとする
(ステップ102)。ステップ102の判断結果がNO
の場合、つまり油圧シリンダ8に供給される圧油の温度
tが所定温度Tsetよりも小さいと判断された場合には
可変オリフィス5のソレノイド5aに対して第2の圧油
供給路T2の断面積を最小にするための信号を出力す
る。この結果、可変オリフィス5の絞り部の開度は最小
となり、第2の圧油供給路T2は最小の断面積となる。
ここで第2の圧油供給路T2の断面積が小さくなるにつ
れて可変オリフィス5の前後の圧力差が大きくなり、こ
のため発熱量が大きくなり、圧油の温度が上昇する。し
たがって可変オリフィス5の絞り部の開度を最小に絞る
ことによって油温tが閾値Tset以上に迅速に上昇する
(ステップ104)。一方、ステップ102の判断結果
がYESの場合には油温tが既に暖機温度に達している
ので、これ以上、油温tを上昇させる必要がなく、むし
ろ発熱によるエネルギ−ロスが大となる。そこでエネル
ギ−ロスを減少させるべく第2の圧油供給路T2の断面
積を最大にするための信号を可変オリフィス5のソレノ
イド5aに対して出力する。この結果、可変オリフィス
5の絞り部の開度は最大に開放され、第2の圧油供給路
T2は最大の断面積となる(ステップ103)。
【0028】以上のステップ101から104の処理は
油圧駆動機械が作業を行う前に行うようにすればよい。
ここで油圧駆動機械が作業開始前の状態にあることを自
動的に検出して作動油温を上昇させる実施も第3図のよ
うな手順で実施可能である。すなわち、第3図のステッ
プ201、203、204および205では第2図のス
テップ101、102、103および104と同じ処理
が実行されるとともに、ステップ203の手前で操作レ
バ−9が中立位置(ニュ−トラル)にセットされている
か否か、つまり油圧駆動機械が作業を行っていない作業
開始前であるか否かが判断される。この判断処理は油圧
装置コントロ−ラ10に入力されるセンサ9aの検出信
号に基づき行われる(ステップ202)。ステップ20
2で操作レバ−9が中立位置にセットされており、作業
を行っていない作業開始前であると判断された場合の
み、つぎのステップ203に移行され、このステップ2
03において作動油温度tが所定温度Tsetよりも小さ
い場合のみ油温を上昇させる暖機運転処理が行われるこ
とになる(ステップ203〜205)。
【0029】ここで、ステップ202の判断処理は操作
レバ−9が中立位置にセットされているか否かを判断す
る処理であるため、操作レバ−9が中立位置にあるとき
は作業開始前のみならず、油圧駆動機械が作業を休止し
ているときも含まれるから、作業を休止している場合も
同様に作動油温tが所定温度Tsetに達していないとき
に可変オリフィス5の絞り部の開口断面積を最小にし
て、作動油温を所定温度Tset以上まで上昇させる処理
が行われることになる。
【0030】このため、掘削作業等と並行して暖気運転
を行うことができるようになり、作業効率が飛躍的に向
上することとなる。
【0031】以上が第1の制御の内容である。
【0032】2)第2の制御(デッドストロ−ク制御) この第2の制御は油圧シリンダ8が作動しない操作レバ
−9のストロ−ク量の範囲をエンジン2の回転数に関係
なく一定の範囲にして、操作レバ−9の操作感覚を向上
させるための制御である。 第11図に可変オリフィス
5が存在しない従来の作業機油圧回路における操作レバ
−のストロ−ク量と可変オリフィスの等価開口面積との
関係を、また第12図に同従来技術における操作レバ−
のストロ−ク量と油圧シリンダの動作速度との関係を示
す。ここで操作弁の各切換位置に存在するオリフィスの
等価開口面積は操作レバ−のストロ−ク量に応じて第1
1図のL´1、L´2に示すごとく変化する。すなわ
ち、油圧ポンプとドレインタンクとを連通する第2の圧
油供給路の等価開口面積は操作レバ−のストロ−ク量の
大きさに応じてL´1のごとく変化する。この特性L´
1は操作弁の種類によって一義的に定まることになる。
同様に油圧ポンプと油圧シリンダとを連通する第1の圧
油供給路の等価開口面積も操作レバ−のストロ−ク量に
応じてL´2に示すごとく変化することになる。ここで
第12図に示すように操作レバ−のストロ−ク量が小さ
いうちは油圧シリンダが動作しない(シリンダのロッド
の速度が零になる)デッドストロ−ク範囲というものが
存在する。このデッドストロ−ク範囲は第2の圧油供給
路の等価開口面積によって決定される。すなわち、第2
の圧油供給路の等価開口面積が小さいほどデッドストロ
−ク範囲は小さくなる。一方、エンジンの回転数が低い
ほど油圧ポンプの吐出油の圧力が小さくなり、操作レバ
−のデッドストロ−ク範囲が大きくなってしまう。ま
た、エンジンの回転数の大きさによってデッドストロ−
ク範囲が異なる。第12図のL´3はエンジンの回転数
が高い場合の操作レバ−と油圧シリンダの動作速度との
関係を示し、L´4はエンジンの回転数が低い場合の操
作レバ−と油圧シリンダの動作速度との関係を示してい
る。これより明らかにエンジン回転数が低くなるにつれ
てデッドストロ−ク範囲が大きくなり、レバ−操作感覚
が異なってしまうことになることがわかる。そこでこの
第2の制御では、可変オリフィス5の絞り部の開口面積
をエンジン回転数が低くなるにしたがって小さくするこ
とにより、エンジン回転数が低くなるにつれてデッドス
トロ−ク範囲が大きくなることをキャンセルしてデッド
ストロ−ク範囲をエンジンの回転数に関わりなく常に一
定にするようにしている。
【0033】第4図は実施例における操作レバ−9のス
トロ−ク量と可変オリフィスの等価開口面積との関係
を、第5図は操作レバ−9のストロ−ク量と油圧シリン
ダ8の動作速度との関係を示す。ここで可変オリフィス
の等価開口面積は操作弁4のオリフィスと可変オリフィ
ス5とを合成した開口面積を意味する。
【0034】油圧装置コントロ−ラ10では操作レバ−
9と等価開口面積との関係が第4図の破線に示すように
エンジン回転数の低下につれて等価開口面積が小さくな
るような特性ラインl1、l´1…として設定される。
そこで油圧装置コントロ−ラ10は回転センサ18の出
力とセンサ9aの出力とに基づき現在のエンジン2の回
転数に応じたラインをラインl1、l´1…の中から選
び出し、この選択したライン上において操作レバ−9の
操作ストロ−ク量に対応する等価開口面積が得られるよ
うにソレノイド5aに付勢信号を出力して可変オリフィ
ス5の絞り部の開度を制御する。この結果第5図に示す
ようにデッドストロ−ク範囲はエンジン2の回転数の高
(ラインL3)、低(ラインL4)に関係なく一定とな
る。したがって、エンジン回転数が変化したとしても操
作レバ−9において常に一定の操作感覚が得られ、これ
により安定した作業を行うことができるようになる。
【0035】以上が第2の制御の内容である。
【0036】(3)第3の制御(作業モ−ド切換制御) この第3の制御は圧油がタンク7にドレインされること
によるエネルギ−ロスを作業状態に応じて低減する制御
である。
【0037】前述するように可変オリフィス5が存在し
ない従来の作業機油圧回路における操作弁の各切換位置
におけるオリフィスの等価開口面積は操作弁の種類に応
じて一義的に決まっていた(第11図のL´1参照)。
第11図のラインL´1の設定の仕方はエネルギ−ロス
低減の点からレバ−ストロ−ク途中では負荷圧が増大し
た場合には油圧ポンプの吐出油が全量、第2の圧油供給
路を通りドレインされて、油圧シリンダの作動が停止す
ることもやむをえない設定となっていた。ところで、あ
る作業種類では油圧シリンダに過大な負荷がかかる場合
には、油圧シリンダの作動を停止させるため油圧ポンプ
の吐出油を全量ドレインしても構わないが、またある作
業種類では、微操作性向上の点から油圧ポンプからタン
ク7に流れる吐出油の流量が全量ドレインしないように
することが望ましい。そこでこの実施例では油圧駆動機
械が行う作業種類を油圧ポンプ1の吐出油を全量ドレイ
ンすることが望ましい作業モ−ド1と油圧ポンプ1の吐
出油の一部をドレインすることが望ましい作業モ−ド2
とに分類し、各作業モ−ドに応じて可変オリフィス5の
絞り部の開度を異ならせることによって油圧ポンプ1の
吐出油を全量ドレインしたり、一部ドレインしたりして
いる。第6図は実施例における操作レバ−のストロ−ク
量と可変オリフィスの等価開口面積との関係を示す。こ
こで可変オリフィスの等価開口面積は操作弁4のオリフ
ィスと可変オリフィス5とを合成した開口面積を意味す
る。モ−ド切換スイッチ21では同スイッチ21をオ
ン、オフ切り換えることによってそれぞれ作業モ−ド
1、作業モ−ド2が選択される。第6図においては作業
モ−ド1、作業モ−ド2に応じてラインL5、L6が設
定されている。ここで、ライン5は可変オリフィス5の
絞り部の開度を最大にした特性であり、ラインL6は可
変オリフィス5の絞り部の開度を所定量だけ絞った特性
である。そこで油圧装置コントロ−ラ10はモ−ド切換
スイッチ21の出力と操作レバ−9の出力とに基づき選
択された作業モ−ドに応じたラインをラインL5、L6
の中から選び出し、この選択したライン上において操作
レバ−9の操作ストロ−ク量に対応する等価開口面積が
得られるようにソレノイド5aに付勢信号を出力して可
変オリフィス5の絞り部の開度を制御する。この結果、
作業モ−ド1が選択された場合には、油圧ポンプ1の吐
出油を全量ドレインすることができ、作業モ−ド2が選
択された場合には、油圧ポンプ1の吐出油を一部だけド
レインすることができ、エネルギ−ロスが増大すること
を回避することができる。
【0038】また、第7図に示すように可変オリフィス
5の絞り部の開度を操作レバ−9のストロ−ク量に関わ
りなく一定にして作業モ−ド1および作業モ−ド2の特
性L8、L9を設定するようにしてもよい。
【0039】以上が第3の制御の内容である。
【0040】4)第4の制御(ダンピング特性制御) この第4の制御は操作レバ−を急操作した場合に油圧シ
リンダ8の動作が振動的になり、安定性が損なわれるの
を除去する目的で行う制御である。 前述するように可
変オリフィス5が存在しない従来の作業機油圧回路で
は、第2の圧油供給路の等価開口面積は操作レバ−のス
トロ−ク量の大きさに応じて変化して、それは操作弁の
種類によって一義的に定まることになる。このため、操
作レバ−を急操作した場合に油圧シリンダの慣性と油の
弾性により油圧シリンダの動作が振動的になり、安定性
が損なわれる(ダンピング特性がよくない)。ここで操
作レバ−の操作中において安定性を良くするためにはオ
リフィスの開口量が大きい方がよいがエネルギ−ロスが
大きくなるという問題がある。ところで上記ダンピング
特性は油圧ポンプ1の吐出油の圧力が大きくなるほど劣
化することがわかっている。
【0041】第9図は油圧ポンプ1の吐出油の圧力PP
とオリフィスの開口面積ADとの関係を示している。同
図において実線は実施例のラインL10(操作レバ−ス
トロ−ク量が小さい場合)、L11(操作レバ−ストロ
−ク量が中程度の場合)、L12(操作レバ−ストロ−
ク量が大きい場合)を示し、点線は従来のラインL´1
0(操作レバ−ストロ−ク量が小さい場合)、L´11
(操作レバ−ストロ−ク量が中程度の場合)、L´12
(操作レバ−ストロ−ク量が大きい場合)を示してい
る。ここで実施例では可変オリフィス5の絞り部の開度
を油圧ポンプ1の吐出油の圧力PPが大きくなるにつれ
て所定の関係で大きくしている。
【0042】油圧装置コントロ−ラ10は油圧ポンプ吐
出油圧センサ20の出力とセンサ9aの出力とに基づき
現在の操作レバ−9の操作量に応じたラインをラインL
10、L11、L12の中から選び出し、この選択した
ライン上において油圧ポンプ1の吐出油の圧力PPに対
応する等価開口面積が得られるようにソレノイド5aに
付勢信号を出力して可変オリフィス5の絞り部の開度を
制御する。第10図は油圧ポンプ1の吐出油の圧力PP
とオリフィスを通過する流量QDとの関係を、従来はラ
インL´13で、実施例はラインL13で示す。同図か
ら明らかなようにポンプ吐出圧力PPがP1における可変
オリフィス5を通過する流量QDはQD2となり、従来の
流量QD1に較べて大幅に減少しているのがわかる。そし
て、油圧ポンプ1の吐出圧がさらに大きくなったとして
も可変オリフィス5を通過する流量は従来の流量よりも
大幅に小さくなるのでエネルギ−ロスを低減することが
できる。
【0043】また、圧力PPにおける従来のラインL´
13の接線l2の傾きは実施例のラインL13の傾きと
同じであるが、油圧ポンプ1の吐出圧PPが大きくなる
につれて接線の傾きが小さくなり(接線l3)、ダンピ
ング特性が劣化している。しかし実施例のラインL13
の接線の傾きは油圧ポンプ1の吐出圧が大きくなったと
しても変化せず小さくならない。このためダンピング特
性が従来のものに較べて大幅に向上することになる。
【0044】また、油圧ポンプ1の吐出圧の微分値を求
め、これに比例した分だけ可変オリフィス5の断面積を
増加させる実施も可能である。この技術によれば、所定
の周波数よりも大きいところでダンピング特性が向上
し、平均的な油圧ロスは変化しないことになる。
【0045】以上が第4の制御の内容である。
【0046】なお、第1図では、圧油供給路T2に可変
オリフィス5を設け、その絞り部の開度を可変すること
によって等価開口面積を大きさを変えるようにしている
が、第8図に示すように、第2の圧油供給路T2に、可
変オリフィス5の代わりに圧力制御弁22を配設し、該
圧力制御弁22のソレノイド22aに加えられる圧力設
定信号に応じて等価開口面積を変えるようにして、上述
した第1の制御ないし第4の制御を行うようにしてもよ
い。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によればオペ
レ−タに負担を課すことなく暖機運転を自動的かつ迅速
に行える。また、エンジンの回転数に関係なくオペレ−
タに常に安定した操作感覚を与えることができ、安定し
た作業が行える。また、油圧駆動機械が行う作業種類に
関係なくエネルギ−ロスを最小限に抑えることができ
る。また、油圧アクチュエ−タの動作のダンピング特性
とエネルギ−ロスの低減を同時に図ることができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明に係る油圧駆動機械の制御装置
の実施例装置の構成を概念的に示す図。
【図2】第3図は第1図に示す油圧装置コントロ−ラで
行われる処理手順を例示したフロ−チャ−ト。
【図3】第3図は第1図に示す油圧装置コントロ−ラで
行われる処理手順を例示したフロ−チャ−ト。
【図4】第4図は第1図に示す油圧装置コントロ−ラで
設定される操作レバ−のストロ−ク量とオリフィスの等
価開口面積との関係を示すグラフ。
【図5】第5図は第4図に示す関係にしたがってオリフ
ィスの等価開口面積が変化した場合における操作レバ−
のストロ−ク量と油圧シリンダの動作速度の関係を示す
グラフ。
【図6】第6図は第1図に示す油圧装置コントロ−ラで
設定される操作レバ−のストロ−ク量とオリフィスの等
価開口面積との関係を示すグラフ。
【図7】第7図は第1図に示す油圧装置コントロ−ラで
設定される操作レバ−のストロ−ク量とオリフィスの等
価開口面積との関係を示すグラフ。
【図8】第8図は第1図に示す可変オリフィスの替りに
圧力制御弁を使用できることを説明するために用いた
図。
【図9】第9図は油圧ポンプの吐出油の圧力とオリフィ
スの開口面積の関係を示すグラフ。
【図10】第10図は油圧ポンプの吐出油の圧力とオリ
フィスを通過する圧油の流量の関係を示すグラフ。
【図11】第11図は従来技術における操作レバ−のス
トロ−ク量とオリフィスの等価開口面積の関係を示すグ
ラフ。
【図12】第12図は第11図に示す関係にしたがって
オリフィスの等価開口面積が変化した場合における操作
レバ−のストロ−ク量と油圧シリンダの動作速度の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1…油圧ポンプ、2…エンジン、4…操作弁、5…可変
オリフィス、7…ドレインタンク、8…油圧シリンダ、
9…電気操作レバ−、9a…操作ストロ−ク量検出セン
サ、10…油圧装置コントロ−ラ、11…操作弁用ソレ
ノイド、12…作動油温センサ、18…回転センサ、2
0…油圧ポンプ吐出油圧センサ、21…モ−ド切換スイ
ッチ、T1…第1の圧油供給路、T2…第2の圧油供給
路。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】油圧駆動機械の制御装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧駆動機械の制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧駆動機械において暖機運転を
行おうとする場合には、オペレ−タは作業機を駆動する
油圧アクチュエ−タを所定の方法によって固定しつつ、
操作レバ−をストロ−ク一杯に作動したまま保持する操
作を行う。これにより油圧アクチュエ−タに供給される
作動油の圧力損失を生じて、作動油温度が上昇する。
【0003】また、エンジンによって駆動される油圧ポ
ンプと油圧アクチュエ−タとの間には操作レバ−によっ
て操作、作動される操作弁が存在するが、この操作弁の
スプ−ルは各切換位置ごとに可変オリフィスを有してい
る。この可変オリフィスはその開口断面積が変化するこ
とによって油圧アクチュエ−タに供給される圧油の流量
が決定される。そしてこの可変オリフィスの断面積の大
きさは操作レバ−の操作量(操作レバ−ストロ−ク量)
に応じて定まることになる。通常の場合、操作レバ−の
ストロ−ク量が小さい場合にはストロ−ク量が所定の値
になるまで可変オリフィスの断面積は油圧アクチュエ−
タを駆動する程度には大きくならない。このため、操作
レバ−のストロ−ク量が小さいうちは操作レバ−を操作
したとしても、油圧アクチュエ−タは作動しないという
操作レバ−のデッドストロ−ク範囲が存在していた。ま
た、上記可変オリフィスは断面積が変化することによっ
てタンクにドレインされる圧油の流量の大きさも変化す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述するように油圧ア
クチュエ−タに供給される圧油の大きさが操作弁に組み
込まれた可変オリフィスの開口断面積によって決定さ
れ、この可変オリフィスの開口断面積が操作レバ−のス
トロ−クで決定される。ここで油圧アクチュエ−タに供
給される圧油の圧力の大きさは油圧ポンプを駆動するエ
ンジンの回転数によって決定される。このため、エンジ
ンか回転数が高い場合と低い場合とで比較すると、エン
ジン回転数が低い場合、油圧ポンプの吐出油の圧力が低
くなり、油圧アクチュエ−タが駆動されない操作レバ−
のデッドストロ−ク範囲が大きくなってしまうことにな
る。逆にエンジン回転数が高い場合は油圧ポンプの吐出
油の圧力が高くなり、操作レバ−のデッドストロ−ク範
囲が小さくなってしまうことになる。こうしたデッドス
トロ−ク範囲の違いは操作レバ−の官能的な操作感覚に
影響を与える。エンジン回転数の大きさによって操作レ
バ−の操作感覚が異なってしまうのであれば、オペレ−
タに安定した操作感覚を与えることはできず、安定した
作業を行うことができないことになる。そこで本発明は
エンジン回転数の大きさに関係なくオペレ−タに常に安
定した操作感覚を与えることができる装置を提供するこ
とをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこでこの発明ではエン
ジンによって駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプと
操作レバ−によって操作される操作弁と油圧アクチュエ
−タとを連通する第1の圧油供給路とを有し、前記操作
レバ−の操作量に応じて前記油圧ポンプから吐出される
圧油を前記油圧アクチュエ−タに供給して、該油圧アク
チュエ−タを駆動するようにした油圧駆動機械におい
て、前記油圧ポンプとドレインタンクとを連通する第2
の圧油供給路と、前記第2の圧油供給路に配設され、該
第2の圧油供給路の断面積を可変する可変オリフィス
と、前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段
と、前記回転数検出手段の出力に基づきエンジン回転数
の低下につれて前記第2の圧油供給路の断面積を小さく
する制御を行う可変オリフィス制御手段とを具えるよう
にしている。
【0006】
【作用】本発明では、以下の点に着目している。すなわ
ち、エンジン回転数が小さくなるほど油圧ポンプの吐出
油の圧力が小さくなり、これによって操作レバ−のデッ
ドストロ−ク範囲が大きくなり、逆にエンジン回転数が
高くなるとそれにつれて油圧ポンプの吐出圧油が高くな
り、操作レバ−のデッドストロ−ク範囲が小さくなるこ
とになる。ここで第2の圧油供給路の断面積を小さくす
れば油圧ポンプから油圧アクチュエ−タに供給される圧
油の圧力が大きくなり、操作レバ−のデッドストロ−ク
範囲を小さくすることができる。そこでエンジン回転数
の低下につれて第2の圧油供給路の断面積を小さくする
ように可変オリフィスを制御して、操作レバ−のデッド
ストロ−ク範囲がエンジン回転数の大きさに関係なく一
定にする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る油圧駆動機械の制御装置に実施例について説明する。
【0008】第1図は、油圧駆動機械、たとえばパワ−
ショベルに適用した実施例装置の構成を示す。
【0009】同図に示す作業機油圧回路は以下のように
構成されている。すなわち可変容量型油圧ポンプ1はエ
ンジン2によって駆動され、斜板駆動用サ−ボバルブ3
によってその斜板1aの傾転角を変化させることにより
1回転当りの吐出流量が変化される。なお、油圧ポンプ
1の吐出側の管路の圧力およびジェットセンサオリフィ
ス6の圧力がパイロット圧として斜板駆動用サ−ボバル
ブ3に加えられる。バルブ3はこれらのうち小さい方を
選択して斜板1aを傾転させる。ポンプ1の吐出圧油
は、油圧ポンプ1と操作弁4と油圧シリンダ8のシリン
ダ室とドレインタンク7とを連通する第1の圧油供給路
T1を通過するとともに、油圧ポンプ1と操作弁4と可
変オリフィス5とジェットセンサオリフィス6とドレイ
ンタンク7とを連通する第2の圧油供給路T2を通過す
る。
【0010】ここで、可変オリフィス5を圧油供給路T
2上に設けるようにしているが、この圧油供給路T2の
代わりに、油圧ポンプ1の吐出口とジェットセンサオリ
フィス6とドレインタンク7とを連通する(操作弁4を
通らない)圧油供給路を配設し、この圧油供給路上に可
変オリフィス5を設けるようにしてもよい。要は、可変
オリフィス5を、油圧ポンプ1とドレインタンク7とを
連通する圧油供給路上に設けるようにすればよい。
【0011】電気操作レバ−9は操作弁4を切り換える
操作レバ−であり、レバ−9の操作ストロ−ク量はレバ
−ストロ−ク量検出センサ9aで検出され、検出信号は
油圧装置コントロ−ラ10に加えられる。操作弁用ソレ
ノイド11は油圧装置コントロ−ラ10から加えられる
信号に応じて付勢されて操作弁4のスプ−ルを駆動す
る。可変オリフィス5は第2の圧油供給路T2の管路断
面積を可変する可変型のオリフィスであり、同断面積は
ソレノイド5aに加えられる信号に応じて変化される。
【0012】作動油温度センサ12は圧油管路の適宜箇
所に配設され、油圧シリンダ8に供給される圧油の温度
を検出する温度センサであり、同センサ12の温度検出
信号は油圧装置コントロ−ラ10に加えられる。
【0013】エンジン2には燃料噴射ポンプ13とガバ
ナ14が併設されている。ガバナ14の燃料コントロ−
ルレバ−14aはステッピングモ−タ15で駆動され、
該レバ−14aの駆動位置はポテンショメ−タ16で検
出される。スロットルダイヤル17はエンジンの目標回
転数を設定するダイヤルであり、同ダイヤル17で設定
されたスロットル信号は油圧装置コントロ−ラ10に加
えられる。回転センサ18はエンジン2の出力軸の回転
数を検出するセンサであり、同センサ18の検出回転信
号は油圧装置コントロ−ラ10およびガバナコントロ−
ラ19に加えられる。
【0014】ガバナコントロ−ラ19は回転センサ18
で検出されたエンジン回転数、油圧装置コントロ−ラ1
0から加えらえるスロットルダイヤル17の設定スロッ
トル信号、つまりエンジン2の目標回転数と、ポテンシ
ョメ−タ16で検出されるガバナ14の駆動位置とに基
づきエンジン2の出力トルクが所定のレギュレ−ション
ラインに沿って移動するようにガバナ14の駆動位置を
制御する。なお、こうしたガバナを制御する技術は公知
であり、本願の趣旨とは直接関係ないので、これ以上の
詳細な説明は避けることとする。
【0015】油圧ポンプ吐出油圧センサ20は油圧ポン
プ1の吐出側の管路に設けられ、油圧ポンプ1の吐出圧
油の圧力を検出する圧力センサであり、同センサ20の
検出信号は油圧装置コントロ−ラ10に加えられる。さ
らにモ−ド切換スイッチ21は後述するように作業モ−
ドを選択するスイッチであり、選択された作業モ−ドを
示す信号は油圧装置コントロ−ラ10に加えられる。
【0016】以下、油圧装置コントロ−ラ10では以下
の第1〜第4の制御が実行される。
【0017】1)第1の制御(暖機運転制御) この第1の制御は第1図に示す油圧シリンダ8に供給さ
れる圧油の温度を、作業をするに適切な温度に自動的か
つ迅速に移行させるための制御である。
【0018】第1の制御のフロ−チャ−トを第2図と第
3図に示す。
【0019】第2図に示すように、まず、作動油温温度
センサ12の検出信号tが取り込まれて(ステップ10
1)、検出温度tが所定温度Tset以上であるか否かが
判断される。ここで所定温度Tsetは油圧駆動機械の作
業に適した圧油の温度として設定されているものとする
(ステップ102)。ステップ102の判断結果がNO
の場合、つまり油圧シリンダ8に供給される圧油の温度
tが所定温度Tsetよりも小さいと判断された場合には
可変オリフィス5のソレノイド5aに対して第2の圧油
供給路T2の断面積を最小にするための信号を出力す
る。この結果、可変オリフィス5の絞り部の開度は最小
となり、第2の圧油供給路T2は最小の断面積となる。
ここで第2の圧油供給路T2の断面積が小さくなるにつ
れて可変オリフィス5の前後の圧力差が大きくなり、こ
のため発熱量が大きくなり、圧油の温度が上昇する。し
たがって可変オリフィス5の絞り部の開度を最小に絞る
ことによって油温tが閾値Tset以上に迅速に上昇する
(ステップ104)。一方、ステップ102の判断結果
がYESの場合には油温tが既に暖機温度に達している
ので、これ以上、油温tを上昇させる必要がなく、むし
ろ発熱によるエネルギ−ロスが大となる。そこでエネル
ギ−ロスを減少させるべく第2の圧油供給路T2の断面
積を最大にするための信号を可変オリフィス5のソレノ
イド5aに対して出力する。この結果、可変オリフィス
5の絞り部の開度は最大に開放され、第2の圧油供給路
T2は最大の断面積となる(ステップ103)。
【0020】以上のステップ101から104の処理は
油圧駆動機械が作業を行う前に行うようにすればよい。
ここで油圧駆動機械が作業開始前の状態にあることを自
動的に検出して作動油温を上昇させる実施も第3図のよ
うな手順で実施可能である。すなわち、第3図のステッ
プ201、203、204および205では第2図のス
テップ101、102、103および104と同じ処理
が実行されるとともに、ステップ203の手前で操作レ
バ−9が中立位置(ニュ−トラル)にセットされている
か否か、つまり油圧駆動機械が作業を行っていない作業
開始前であるか否かが判断される。この判断処理は油圧
装置コントロ−ラ10に入力されるセンサ9aの検出信
号に基づき行われる(ステップ202)。ステップ20
2で操作レバ−9が中立位置にセットされており、作業
を行っていない作業開始前であると判断された場合の
み、つぎのステップ203に移行され、このステップ2
03において作動油温度tが所定温度Tsetよりも小さ
い場合のみ油温を上昇させる暖機運転処理が行われるこ
とになる(ステップ203〜205)。
【0021】ここで、ステップ202の判断処理は操作
レバ−9が中立位置にセットされているか否かを判断す
る処理であるため、操作レバ−9が中立位置にあるとき
は作業開始前のみならず、油圧駆動機械が作業を休止し
ているときも含まれるから、作業を休止している場合も
同様に作動油温tが所定温度Tsetに達していないとき
に可変オリフィス5の絞り部の開口断面積を最小にし
て、作動油温を所定温度Tset以上まで上昇させる処理
が行われることになる。
【0022】このため、掘削作業等と並行して暖気運転
を行うことができるようになり、作業効率が飛躍的に向
上することとなる。
【0023】以上が第1の制御の内容である。
【0024】2)第2の制御(デッドストロ−ク制御) この第2の制御は油圧シリンダ8が作動しない操作レバ
−9のストロ−ク量の範囲をエンジン2の回転数に関係
なく一定の範囲にして、操作レバ−9の操作感覚を向上
させるための制御である。 第11図に可変オリフィス
5が存在しない従来の作業機油圧回路における操作レバ
−のストロ−ク量と可変オリフィスの等価開口面積との
関係を、また第12図に同従来技術における操作レバ−
のストロ−ク量と油圧シリンダの動作速度との関係を示
す。ここで操作弁の各切換位置に存在するオリフィスの
等価開口面積は操作レバ−のストロ−ク量に応じて第1
1図のL´1、L´2に示すごとく変化する。すなわ
ち、油圧ポンプとドレインタンクとを連通する第2の圧
油供給路の等価開口面積は操作レバ−のストロ−ク量の
大きさに応じてL´1のごとく変化する。この特性L´
1は操作弁の種類によって一義的に定まることになる。
同様に油圧ポンプと油圧シリンダとを連通する第1の圧
油供給路の等価開口面積も操作レバ−のストロ−ク量に
応じてL´2に示すごとく変化することになる。ここで
第12図に示すように操作レバ−のストロ−ク量が小さ
いうちは油圧シリンダが動作しない(シリンダのロッド
の速度が零になる)デッドストロ−ク範囲というものが
存在する。このデッドストロ−ク範囲は第2の圧油供給
路の等価開口面積によって決定される。すなわち、第2
の圧油供給路の等価開口面積が小さいほどデッドストロ
−ク範囲は小さくなる。一方、エンジンの回転数が低い
ほど油圧ポンプの吐出油の圧力が小さくなり、操作レバ
−のデッドストロ−ク範囲が大きくなってしまう。ま
た、エンジンの回転数の大きさによってデッドストロ−
ク範囲が異なる。第12図のL´3はエンジンの回転数
が高い場合の操作レバ−と油圧シリンダの動作速度との
関係を示し、L´4はエンジンの回転数が低い場合の操
作レバ−と油圧シリンダの動作速度との関係を示してい
る。これより明らかにエンジン回転数が低くなるにつれ
てデッドストロ−ク範囲が大きくなり、レバ−操作感覚
が異なってしまうことになることがわかる。そこでこの
第2の制御では、可変オリフィス5の絞り部の開口面積
をエンジン回転数が低くなるにしたがって小さくするこ
とにより、エンジン回転数が低くなるにつれてデッドス
トロ−ク範囲が大きくなることをキャンセルしてデッド
ストロ−ク範囲をエンジンの回転数に関わりなく常に一
定にするようにしている。
【0025】第4図は実施例における操作レバ−9のス
トロ−ク量と可変オリフィスの等価開口面積との関係
を、第5図は操作レバ−9のストロ−ク量と油圧シリン
ダ8の動作速度との関係を示す。ここで可変オリフィス
の等価開口面積は操作弁4のオリフィスと可変オリフィ
ス5とを合成した開口面積を意味する。
【0026】油圧装置コントロ−ラ10では操作レバ−
9と等価開口面積との関係が第4図の破線に示すように
エンジン回転数の低下につれて等価開口面積が小さくな
るような特性ラインl1、l´1…として設定される。
そこで油圧装置コントロ−ラ10は回転センサ18の出
力とセンサ9aの出力とに基づき現在のエンジン2の回
転数に応じたラインをラインl1、l´1…の中から選
び出し、この選択したライン上において操作レバ−9の
操作ストロ−ク量に対応する等価開口面積が得られるよ
うにソレノイド5aに付勢信号を出力して可変オリフィ
ス5の絞り部の開度を制御する。この結果第5図に示す
ようにデッドストロ−ク範囲はエンジン2の回転数の高
(ラインL3)、低(ラインL4)に関係なく一定とな
る。したがって、エンジン回転数が変化したとしても操
作レバ−9において常に一定の操作感覚が得られ、これ
により安定した作業を行うことができるようになる。
【0027】この制御において、エンジン回転数を示す
信号は、エンジン2の出力軸の回転数を検出する回転セ
ンサ18の出力として、また、エンジン目標回転数を設
定するスロットルダイヤル17の設定スロットル信号と
して、また、ガバナ14の燃料コントロールレバー14
aの駆動位置を検出するポテンショメータ16の出力と
して、取得することができる。
【0028】以上が第2の制御の内容である。
【0029】(3)第3の制御(作業モ−ド切換制御) この第3の制御は圧油がタンク7にドレインされること
によるエネルギ−ロスを作業状態に応じて低減する制御
である。
【0030】前述するように可変オリフィス5が存在し
ない従来の作業機油圧回路における操作弁の各切換位置
におけるオリフィスの等価開口面積は操作弁の種類に応
じて一義的に決まっていた(第11図のL´1参照)。
第11図のラインL´1の設定の仕方はエネルギ−ロス
低減の点からレバ−ストロ−ク途中では負荷圧が増大し
た場合には油圧ポンプの吐出油が全量、第2の圧油供給
路を通りドレインされて、油圧シリンダの作動が停止す
ることもやむをえない設定となっていた。ところで、あ
る作業種類では油圧シリンダに過大な負荷がかかる場合
には、油圧シリンダの作動を停止させるため油圧ポンプ
の吐出油を全量ドレインしても構わないが、またある作
業種類では、微操作性向上の点から油圧ポンプからタン
ク7に流れる吐出油の流量が全量ドレインしないように
することが望ましい。そこでこの実施例では油圧駆動機
械が行う作業種類を油圧ポンプ1の吐出油を全量ドレイ
ンすることが望ましい作業モ−ド1と油圧ポンプ1の吐
出油の一部をドレインすることが望ましい作業モ−ド2
とに分類し、各作業モ−ドに応じて可変オリフィス5の
絞り部の開度を異ならせることによって油圧ポンプ1の
吐出油を全量ドレインしたり、一部ドレインしたりして
いる。第6図は実施例における操作レバ−のストロ−ク
量と可変オリフィスの等価開口面積との関係を示す。こ
こで可変オリフィスの等価開口面積は操作弁4のオリフ
ィスと可変オリフィス5とを合成した開口面積を意味す
る。モ−ド切換スイッチ21では同スイッチ21をオ
ン、オフ切り換えることによってそれぞれ作業モ−ド
1、作業モ−ド2が選択される。第6図においては作業
モ−ド1、作業モ−ド2に応じてラインL5、L6が設
定されている。ここで、ライン5は可変オリフィス5の
絞り部の開度を最大にした特性であり、ラインL6は可
変オリフィス5の絞り部の開度を所定量だけ絞った特性
である。そこで油圧装置コントロ−ラ10はモ−ド切換
スイッチ21の出力と操作レバ−9の出力とに基づき選
択された作業モ−ドに応じたラインをラインL5、L6
の中から選び出し、この選択したライン上において操作
レバ−9の操作ストロ−ク量に対応する等価開口面積が
得られるようにソレノイド5aに付勢信号を出力して可
変オリフィス5の絞り部の開度を制御する。この結果、
作業モ−ド1が選択された場合には、油圧ポンプ1の吐
出油を全量ドレインすることができ、作業モ−ド2が選
択された場合には、油圧ポンプ1の吐出油を一部だけド
レインすることができ、エネルギ−ロスが増大すること
を回避することができる。
【0031】また、第7図に示すように可変オリフィス
5の絞り部の開度を操作レバ−9のストロ−ク量に関わ
りなく一定にして作業モ−ド1および作業モ−ド2の特
性L8、L9を設定するようにしてもよい。
【0032】以上が第3の制御の内容である。
【0033】4)第4の制御(ダンピング特性制御) この第4の制御は操作レバ−を急操作した場合に油圧シ
リンダ8の動作が振動的になり、安定性が損なわれるの
を除去する目的で行う制御である。 前述するように可
変オリフィス5が存在しない従来の作業機油圧回路で
は、第2の圧油供給路の等価開口面積は操作レバ−のス
トロ−ク量の大きさに応じて変化して、それは操作弁の
種類によって一義的に定まることになる。このため、操
作レバ−を急操作した場合に油圧シリンダの慣性と油の
弾性により油圧シリンダの動作が振動的になり、安定性
が損なわれる(ダンピング特性がよくない)。ここで操
作レバ−の操作中において安定性を良くするためにはオ
リフィスの開口量が大きい方がよいがエネルギ−ロスが
大きくなるという問題がある。ところで上記ダンピング
特性は油圧ポンプ1の吐出油の圧力が大きくなるほど劣
化することがわかっている。
【0034】第9図は油圧ポンプ1の吐出油の圧力PP
とオリフィスの開口面積ADとの関係を示している。同
図において実線は実施例のラインL10(操作レバ−ス
トロ−ク量が小さい場合)、L11(操作レバ−ストロ
−ク量が中程度の場合)、L12(操作レバ−ストロ−
ク量が大きい場合)を示し、点線は従来のラインL´1
0(操作レバ−ストロ−ク量が小さい場合)、L´11
(操作レバ−ストロ−ク量が中程度の場合)、L´12
(操作レバ−ストロ−ク量が大きい場合)を示してい
る。ここで実施例では可変オリフィス5の絞り部の開度
を油圧ポンプ1の吐出油の圧力PPが大きくなるにつれ
て所定の関係で大きくしている。
【0035】油圧装置コントロ−ラ10は油圧ポンプ吐
出油圧センサ20の出力とセンサ9aの出力とに基づき
現在の操作レバ−9の操作量に応じたラインをラインL
10、L11、L12の中から選び出し、この選択した
ライン上において油圧ポンプ1の吐出油の圧力PPに対
応する等価開口面積が得られるようにソレノイド5aに
付勢信号を出力して可変オリフィス5の絞り部の開度を
制御する。第10図は油圧ポンプ1の吐出油の圧力PP
とオリフィスを通過する流量QDとの関係を、従来はラ
インL´13で、実施例はラインL13で示す。同図か
ら明らかなようにポンプ吐出圧力PPがP1における可変
オリフィス5を通過する流量QDはQD2となり、従来の
流量QD1に較べて大幅に減少しているのがわかる。そし
て、油圧ポンプ1の吐出圧がさらに大きくなったとして
も可変オリフィス5を通過する流量は従来の流量よりも
大幅に小さくなるのでエネルギ−ロスを低減することが
できる。
【0036】また、圧力PPにおける従来のラインL´
13の接線l2の傾きは実施例のラインL13の傾きと
同じであるが、油圧ポンプ1の吐出圧PPが大きくなる
につれて接線の傾きが小さくなり(接線l3)、ダンピ
ング特性が劣化している。しかし実施例のラインL13
の接線の傾きは油圧ポンプ1の吐出圧が大きくなったと
しても変化せず小さくならない。このためダンピング特
性が従来のものに較べて大幅に向上することになる。
【0037】また、油圧ポンプ1の吐出圧の微分値を求
め、これに比例した分だけ可変オリフィス5の断面積を
増加させる実施も可能である。この技術によれば、所定
の周波数よりも大きいところでダンピング特性が向上
し、平均的な油圧ロスは変化しないことになる。
【0038】以上が第4の制御の内容である。
【0039】なお、第1図では、圧油供給路T2に可変
オリフィス5を設け、その絞り部の開度を可変すること
によって等価開口面積を大きさを変えるようにしている
が、第8図に示すように、第2の圧油供給路T2に、可
変オリフィス5の代わりに圧力制御弁22を配設し、該
圧力制御弁22のソレノイド22aに加えられる圧力設
定信号に応じて等価開口面積を変えるようにして、上述
した第1の制御ないし第4の制御を行うようにしてもよ
い。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、エ
ンジンの回転数に関係なくオペレ−タに常に安定した操
作感覚を与えることができ、安定した作業が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明に係る油圧駆動機械の制御装置
の実施例装置の構成を概念的に示す図。
【図2】第3図は第1図に示す油圧装置コントロ−ラで
行われる処理手順を例示したフロ−チャ−ト。
【図3】第3図は第1図に示す油圧装置コントロ−ラで
行われる処理手順を例示したフロ−チャ−ト。
【図4】第4図は第1図に示す油圧装置コントロ−ラで
設定される操作レバ−のストロ−ク量とオリフィスの等
価開口面積との関係を示すグラフ。
【図5】第5図は第4図に示す関係にしたがってオリフ
ィスの等価開口面積が変化した場合における操作レバ−
のストロ−ク量と油圧シリンダの動作速度の関係を示す
グラフ。
【図6】第6図は第1図に示す油圧装置コントロ−ラで
設定される操作レバ−のストロ−ク量とオリフィスの等
価開口面積との関係を示すグラフ。
【図7】第7図は第1図に示す油圧装置コントロ−ラで
設定される操作レバ−のストロ−ク量とオリフィスの等
価開口面積との関係を示すグラフ。
【図8】第8図は第1図に示す可変オリフィスの替りに
圧力制御弁を使用できることを説明するために用いた
図。
【図9】第9図は油圧ポンプの吐出油の圧力とオリフィ
スの開口面積の関係を示すグラフ。
【図10】第10図は油圧ポンプの吐出油の圧力とオリ
フィスを通過する圧油の流量の関係を示すグラフ。
【図11】第11図は従来技術における操作レバ−のス
トロ−ク量とオリフィスの等価開口面積の関係を示すグ
ラフ。
【図12】第12図は第11図に示す関係にしたがって
オリフィスの等価開口面積が変化した場合における操作
レバ−のストロ−ク量と油圧シリンダの動作速度の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】 1…油圧ポンプ、2…エンジン、4…操作弁、5…可変
オリフィス、7…ドレインタンク、8…油圧シリンダ、
9…電気操作レバ−、9a…操作ストロ−ク量検出セン
サ、10…油圧装置コントロ−ラ、11…操作弁用ソレ
ノイド、12…作動油温センサ、18…回転センサ、2
0…油圧ポンプ吐出油圧センサ、21…モ−ド切換スイ
ッチ、T1…第1の圧油供給路、T2…第2の圧油供給
路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンによって駆動される油圧ポンプ
    と、該油圧ポンプと操作レバ−によって操作される操作
    弁と油圧アクチュエ−タとを連通する第1の圧油供給路
    とを有し、前記操作レバ−の操作量に応じて前記油圧ポ
    ンプから吐出される圧油を前記油圧アクチュエ−タに供
    給して、該油圧アクチュエ−タを駆動するようにした油
    圧駆動機械において、 前記油圧アクチュエ−タを通らないように前記油圧ポン
    プとドレインタンクとを連通する第2の圧油供給路と、 前記第2の圧油供給路に配設され、該第2の圧油供給路
    の断面積を可変する可変オリフィスと、 前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、 前記回転数検出手段の出力に基づきエンジン回転数の低
    下につれて前記第2の圧油供給路の断面積を小さくする
    制御を行う可変オリフィス制御手段とを具えたことを特
    徴とする油圧駆動機械の制御装置。
  2. 【請求項2】前記可変オリフィス制御手段は前記操作レ
    バ−の操作量が所定値以下の場合に前記制御を行うもの
    である請求項1記載の油圧駆動機械の制御装置。
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