JPH0987782A - 耐中性子照射合金とその用途 - Google Patents

耐中性子照射合金とその用途

Info

Publication number
JPH0987782A
JPH0987782A JP7249075A JP24907595A JPH0987782A JP H0987782 A JPH0987782 A JP H0987782A JP 7249075 A JP7249075 A JP 7249075A JP 24907595 A JP24907595 A JP 24907595A JP H0987782 A JPH0987782 A JP H0987782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
weight
neutron
irradiation
resistant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7249075A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Okada
治 岡田
Kiyotomo Nakada
清智 仲田
Takahiko Kato
隆彦 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP7249075A priority Critical patent/JPH0987782A/ja
Publication of JPH0987782A publication Critical patent/JPH0987782A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、耐中性子照射脆化に優れた原
子炉及び核融合炉用Ti基合金とその製造法を提供する
にある。 【解決手段】本発明は、Al30〜40%を含有し、平
均粒径が2μm以下であるTi合金からなる耐中性子照
射脆化合金にあり、更にMn1〜6%,Si0.1 〜1
%,V4〜16%の1種以上を含むことができ、原子炉
内部材,核融合炉用の中性子照射を受ける部材として用
いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なTi−Al
系合金からなる放射線照射下におかれる部材に係り、特
に耐中性子照射脆化に優れたTi−Al系合金とそれを
用いた新規な原子炉,核融合炉に関する。
【0002】
【従来の技術】熱中性子炉の炉心で中性子照射を受ける
構造部材は、高温高圧中での中性子照射による照射損傷
やそれに起因される照射加速応力腐食割れ(Irradiatio
n Assisted Stress Corrosion Cracking:略してIAS
CC)およびスウェリングなどを防止するために、新た
なる耐照射損傷材料が要求されている。従来、中性子照
射に曝される炉心構造物はステンレス鋼,ニッケル合
金,ジルコニウム合金などが主流であるが、将来実用化
が望まれている新規な原子炉及び核融合炉などはさらに
高レベルな中性子照射に曝される環境となるため、ステ
ンレス鋼などの現行炉内構造材料に対する中性子照射脆
化などの問題が取り上げられている。
【0003】日本金属学会第113回大会(平成5年9
月)にAl47at%を含み、平均粒径3μmのTiAl
金属間化合物の電子照射,Heイオン照射が開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、現行材料の改善だけでは核融合炉や次期原子炉の過
酷な照射環境下における信頼性を確保することは難しい
とされているため、さらに高性能な耐中性子照射材料の
開発が必要とされている。更に、前述の公知例では十分
な強度が得られない。
【0005】本発明の目的は、核融合炉や次期原子炉の
過酷な照射環境下での使用が危惧されているステンレス
鋼などの従来材に対し、高強度でかつ高照射環境下にお
ける耐中性子照射に優れる中性子照射による材料の照射
損傷を抑制することにより応力腐食割れやスウェリング
などを防止するTi−Al系合金及びその製造方法とそ
の用途を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Al30〜4
0重量%を含有し、平均粒径が2μm以下であるTi合
金からなることを特徴とする耐中性子照射脆化合金にあ
る。
【0007】本発明は、Al30〜40重量%を含有
し、Ti3Al 金属間化合物の体積率が3〜25%,平
均粒径が2μm以下であるTi合金からなることを特徴
とする耐中性子照射脆化合金にある。
【0008】本発明は、Al30〜40重量%を含有
し、Ti3Al 金属間化合物の体積率が3〜25%であ
り結晶粒の平均粒径が1000nm以下であるTi合金
であり、中性子照射を受けることを特徴とする耐中性子
照射脆化合金にある。
【0009】本発明は、Al30〜40重量%と、Mn
1〜6重量%及びSi0.1〜1 重量%及びV4〜16
重量%の1種または2種または3種を含有するTi合金
であり、中性子照射を受けることを特徴とする耐中性子
照射脆化合金にある。
【0010】本発明は、Al30〜40重量%と、Mn
1〜6重量%及びSi0.1〜1 重量%及びV4〜16
重量%の1種または2種または3種を含有し、Ti3
l 金属間化合物の体積率が3〜25%であるTi合金
からなることを特徴とする耐中性子照射脆化合金にあ
る。
【0011】本発明は、Al30〜40重量%と、Mn
1〜6重量%及びSi0.1〜0.5重量%及びV4〜1
6重量%の1種または2種または3種を含有し、Ti3
Al金属間化合物の体積率が3〜25%であり結晶粒の
平均粒径が1000nm以下であるTi合金からなるこ
とを特徴とする耐中性子照射脆化合金にある。
【0012】更に、前記Ti−Al系合金において、粉
末固化成形した後1150〜1500Kの温度範囲で50〜
80%の鍛造率の恒温鍛造を施すことを特徴とする耐中
性子照射脆化合金の製造法にある。
【0013】本発明は、中性子源パイプ,炉心支持板,
中性子計装管,制御棒挿入パイプ,シュラウド,上部格
子板,燃料集合体用被覆管,チャンネルボックスおよび
これらに関連するボルト,ナット,ピン,スプリングの
少なくとも1つが前記Ti合金からなることを特徴とす
る耐中性子照射脆化また、材料の寸法安定性に優れた原
子炉内構成部品にある。
【0014】本発明は、水冷構造を有する真空容器,セ
ラミックタイルが設けられ水冷構造を有するダイバー
タ,セラミックタイルが設けられ水冷構造を有する第1
壁およびこれらに関連するボルト,ナット,ピンの少な
くとも1つが前記Ti合金からなることを特徴とする耐
中性子照射脆化また、材料の寸法安定性に優れた核融合
装置構成部品にある。
【0015】前記の構成部品において、超塑性成形した
後、熱処理により伸びおよび強度を向上させてから最終
加工を施すことを特徴とする。
【0016】また、本発明は、前述の中性子照射に曝さ
れる構成部品の少なくとも一部を有する原子炉および核
融合炉に関する。
【0017】本発明の耐中性子照射Ti−Al系合金と
それを用いた原子炉および核融合炉炉心構成部品につい
て以下に述べる。
【0018】Ti−Al系合金は、軽量かつ優れた比強
度や高い耐用温度を有することで注目されており、ステ
ンレス鋼などに比べ中性子の吸収断面積が小さく誘導放
射能の減衰率も大きい。さらに、TiAl相は結晶格子
の規則性が強いL10型といわれるfct結晶構造を有
し照射欠陥の生成や成長を抑制する。これらの点から、
原子炉および核融合炉炉心構成部品として有効であると
の考えに基づいてなされたものである。
【0019】Ti−Al2元合金ではAl含有量により
さまざまな相が存在する。Al約23%以下ではTi3
Al 相などが存在し、約41%以上ではTiAl3
などが存在する。これらの組成範囲では延性が著しく低
下するので構造材料として実用化することが難しく、ま
た、Ti3Al 相は必ずしも耐照射損傷に優れていると
はいえないので、Al組成範囲は加工性に富んでいるT
iAl単相と(TiAl+Ti3Al )二相となるAl3
0〜40%とした。特に33〜36%が好ましい。ここ
で、Ti3Al 相をわずかに含んだ(TiAl+Ti3
Al )二相は、組織が微細化し700℃以下の低温度
領域において強度および延性が向上するため、Ti3
l 相を含む(TiAl+Ti3Al )二相になるAl
組成範囲も該当範囲とした。さらに、熱処理等などによ
りTi3Al 相の体積率も変化するので、加工性および
耐照射損傷性を考慮に入れ、Ti3Al 相の体積率を3
〜25%とするものが好ましい。また、中性子照射など
により生成した欠陥は粒界などをシンクとして消滅する
ので、Ti−Al系合金の結晶粒の平均粒径を2μm以
下、特に1000nm以下に制御することで欠陥消滅源
である粒界が増加し、照射欠陥密度は低減することがで
きる。
【0020】Mnは、Alと置換し、Mn元素がAl元
素よりアンダーサイズのため、c軸方向に伸びていたT
iAl結晶格子の結晶軸比c/aを1に近づける方向に
働く。また、Mnの添加は双晶組織の発生を促進する。
そのため、低温度領域における延性が改善される。ま
た、TiAl相の規則度をさらに高めて安定化している
ため、中性子照射下においては原子の移動を制御し転位
の成長および増殖を抑制する効果がある。6%以上の添
加はTiとAlの化合物を生成し脆化の原因となるので
添加量は1〜6%とした。特に、2〜4%が好ましい。
【0021】Siは、ある程度の量を添加することによ
りSi化合物を析出させ母相結晶粒を微細化させる働き
がある。結晶粒を微細化することにより欠陥消滅源であ
る粒界が増加し耐中性子照射損傷に有効である。さら
に、Si化合物の析出により高温強度およびクリープ強
度を改善する。Siも過剰添加は脆化の原因となるので
0.1〜1% とする。特に、0.1〜0.5%が好まし
い。
【0022】Vは、Mnと同様にAlと置換し、双晶組
織の発生を促進して双晶変形を起こし易くなる。また、
ある程度の量を添加することにより規則度を高めるため
耐中性子照射損傷に有効であると考えられる。更に、β
相を含ませることにより延性が改善される。以上のこと
からVの添加量は4〜16%とした。
【0023】粉末固化成形した後に、850〜1200
℃の温度領域で50〜80%の恒温鍛造を施すことによ
り、焼結体の密度が高まり機械的性質が向上する。ま
た、鍛造中の動的再結晶により組織の微細制御も可能と
なる。
【0024】本発明合金を成形する際に、超塑性変形を
用いることにより成形が容易になり、また、複雑な形状
のものでも組織制御しながら加工することが可能であ
る。さらに、加工した後に熱処理を施してから最終加工
することが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に用いたTi−Al系合金
材料の化学組成を表1に示す。これらのTi−Al系合
金について、中性子照射およびイオン照射による照射挙
動について検討した。
【0026】それぞれのTi−Al系合金の製造方法に
ついて簡単に説明すると以下のようである。本発明の耐
中性子照射脆化に優れたTi−Al系合金の製造方法と
しては、まず、プラズマ回転電極法(PREP法)によ
りTi−Al系合金粉末を作製した後、HIPにより1
050℃,180MPaで固化成形し、950℃で70
%の超塑性鍛造を実施した。得られた合金の平均結晶粒
径は、1150nm〜2300nmであり、鍛造後にお
いても割れなどは観察されなかった。また、素粉末をそ
れぞれの組成に配合してメカニカルアロイング法(MA
法)により合金粉末を作製した後、真空ホットプレス法
により950℃,150MPaで固化成形し、後熱処理
により粒径を300nm〜1500nmに制御した。N
o.1は鍛造後、熱処理を施したもの、No.2は固化成形
したまま及びNo.3〜16が鍛造のままのものである。
このような方法によりTi−Al系合金を作製すると粒
径を小さくすることができるとともに粒径の制御がしや
すいため、安定した強度特性および耐照射性を有するT
i−Al系合金とすることができる。
【0027】
【表1】
【0028】各Ti−Al系合金塊から圧縮試験片と組
織観察用試料を切り出し、平均結晶粒径とTi3Al 相
の体積率を測るとともに、原子炉炉内温度に近い300
℃で圧縮試験を行い0.2% 耐力と圧縮伸びを測定し
た。全ての圧縮試験は、高純度Arガス雰囲気中で行
い、ひずみ速度は1.5×10-4/sとした。Ti3Al
相の体積率はX線回折により調べた。得られた平均結晶
粒径とTi3Al 相の体積率の結果を表1に示す。30
0℃における圧縮試験で得られた0.2% 耐力と圧縮伸
びの結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表3は前述のTi−Al系合金の組織観察
用試料に対してイオン照射を行った後、欠陥集合体の大
きさおよびスウェリング量を測定した結果である。照射
試験条件は200keVのイオンを照射温度500℃で
中性子照射量換算で3×1026n/m2 相当の照射量とし、
中性子照射模擬した。比較として従来材のSUS316ステン
レス鋼についても併せて実施した。表に示すように、本
発明に係るTi−Al系合金の照射環境下における材料
特性は、従来材に比べかなり優れていることがわかる。
本発明材の欠陥集合体の大きさは、大きくても数nmで
あるのに対し、従来材では転位の成長,増殖がすすみ転
位網を形成するにまで至ったため欠陥集合体の大きさは
測定不能であった。この結果より、本発明材が照射硬化
などに優れていることが分かる。スウェリング量は、従
来材が4%を超えるのに対し、本発明材は0.01%程
度である。さらに、合金中のTi3Al相の体積率も耐
照射性に影響を与えており、Ti3Al 相の体積率は2
5%以下であることが好ましい。結晶粒径も1000n
m以下とすることが耐照射性に有効である。また、照射
組織中には、第3元素の添加による悪影響は認められな
かった。
【0031】
【表3】
【0032】以上の結果から、本発明に係るTi−Al
系合金は、従来材に比べ耐中性子照射性に優れているこ
とが判り、中性子照射環境下に曝される原子炉及び核融
合炉炉心構成部品として適用可能である。
【0033】本発明材No.1〜3および比較材14〜1
6について、材料試験炉において400℃で1×1024
n/m2(>1MeV)まで中性子照射した後、原子炉炉
内温度を模擬した300℃で圧縮試験を行った。図1
に、試験より得られた圧縮伸びの結果とAl含有量との
関係を、表2で得られているそれぞれの未照射材の結果
と共に示す。図1に示すように、Ti−Al系合金は中
性子照射によりその圧縮伸びが向上することが確認され
た。特に、Al含有量30〜40の範囲においてはその
傾向が顕著であることがわかる。また、前記実施例で確
認したようにMn,Si,Vの第3元素を添加したTi
−Al系合金は照射組織に悪影響を及ぼさないことを考
慮すると、未照射のとき得られた優れた機械的性質は照
射によりさらに向上するものと考えられる。これらのこ
とより、本発明に係るTi−Al系合金を原子炉炉内の
中性子照射環境下の構成部品に適用することは有効であ
る。
【0034】さらに、本発明材No.1については、材料
試験炉において600℃で1×1024n/m2(>1Me
V)まで中性子照射した後、核融合炉炉内温度を模擬し
た600℃で圧縮試験を行った。図2は、この試験で得ら
れた応力−ひずみ曲線を示す。前記実施例で得られた結
果と同様に、600℃の圧縮試験においても中性子照射
後の延性が向上していた。この結果より、本発明に係る
Ti−Al系合金は、核融合炉炉内の中性子照射環境下
における構成部品として高い信頼性が得られる。図3は
300℃圧縮試験による0.2% 耐力と平均結晶粒径と
の関係を示す線図である。図に示す如く、結晶粒径を小
さくすることにより強度が著しく向上することが分る。
そして、特に同じ粒径ではTiAl2元合金にSi,M
n及びVを加えたものは若干強度が低下している。合金
元素を含まない2元合金においては2300μmで70
0MPaであり、1000MPa以上にするには平均粒
径を2000nm以下で得られる。更に1500MPa
以上では平均粒径1300nm以下,2000MPa以
上では600nm以下とすることにより得られる。合金
元素を含有する合金では700MPa以上では1900
nm以下、1000MPa以上では1500nm以下、
1500MPaでは800nm以下、2000MPa以上で
は100nm以下とすることにより得られる。本実施例
においては、図中y=−0.69x+2015 の線以上
の耐力及び平均粒径とするものが好ましい。
【0035】図4は同じく0.2% 耐力とその伸び率と
の関係を示す線図である。Ti−Al2元合金に対し合
金元素を加えることにより同じ耐力に対して伸び率が高
められる。1000MPaでは15〜23%、1500
MPaでは7〜17%、2000MPaでは1〜10%
の伸びが得られる。図中、y=−66.7x+ 198
3で求められる線以上の耐力及び圧縮伸び率を有するも
のが好ましい。
【0036】図5は同じく平均結晶粒径と圧縮伸び率と
の関係を示す線図である。平均粒径を大きくすることに
より伸び率を高めることができるが、強度が低下してし
まう。図に示す如く合金元素を加えることにより平均粒
径を小さくしても高い伸び率が得られる。特に、鍛造後
の熱処理により強度及び伸び率を大幅に高められる。図
中、y=0.0106x−5.2より求められる線以上の
圧縮伸びと平均結晶粒径を有するものが好ましい。
【0037】図6は、沸騰水型軽水炉(BWR)炉心部
の概略断面斜視図である。図において、51:中性子源
パイプ,52:炉心支持板,53:中性子計装管,5
4:制御棒,55:シュラウド,56:上部格子板であ
る。これらの構造物および機器は軽水炉炉心を構成する
もので、中性子照射量が多く、228℃,7MPaの高
温高圧水中で用いられている。これら構造物および機器
を前述した組成及び製法により本発明によるTi−Al
系合金で作製することにより、中性子照射下で照射欠陥
は減少し、材料の信頼性および寿命の向上がはかれる。
図6に示すものの他に、これら構造物および機器間に使
用する部品等に本発明に係る合金を用いることで、同様
の効果が期待できる。さらに沸騰水型以外の水冷却型原
子炉の炉心部用構造物および機器に本発明に係る合金を
用いることで、同様の効果が期待できる。
【0038】更に、炉心は次の機器により構成され、本
発明に係る合金はこれらの炉内構造物にも用いることが
できる。
【0039】57:燃料集合体(チャンネルボックスお
よび燃料被覆管),58:上鏡スプレイノズル,59:
ベントノズル,60:圧力容器蓋,61:圧力容器フラ
ンジ,62:計測用ノズル,63:気水分離器,64:
シュラウドヘッド,65:給水入口ノズル,66:ジェ
ットポンプ,67:再循環水出口ノズル,68:蒸気乾
燥器,69:蒸気出口ノズル,70:給水スパージャ
ー,71:炉心スプレイ用ノズル,72:下部炉心格
子,73:再循環水出口ノズル,74:バッフル板,7
5:制御棒案内管。
【0040】また、本発明に係る合金は炉内にインター
ナルポンプを設けた新型転換炉(ABWR)および加圧
水型原子炉(PWR)にも適用できる。ABWR炉内構
造は前述のBWRのジェットポンプ16に代えて炉内に
インターナルポンプを設けたものであり、他は、BWR
とほぼ類似している。したがって、このABWRの炉内
機器および構造物に対し前述のBWRへの適用部品と同
様に本発明に係る合金が適用できる。本発明に係る合金
を用いることによりさらに信頼性および寿命を向上させ
ることができる。
【0041】図7はトカマク型核融合炉の概略断面図で
ある。図において、141:ダイバータ,146:第1
壁,137:真空容器である。これらの構造物および機
器はトカマク型核融合炉炉心を構成するもので、多量の
中性子およびプラズマから漏洩する種々の粒子線の照射
を受ける。これらの構造物および機器を本発明による前
述したTi−Al系合金で作製することにより、照射下
での照射欠陥の生成を抑制し照射脆化に対し有効であ
る。
【0042】核融合装置には、トロイダルコイル13
6,ポロイダルコイル134,真空排気装置143を備
えている。核融合装置には、他にオープン磁場系,慣性
閉込めのレーザー加熱系があり、ダイバータ141,真
空容器137,第1壁146に本発明に係る合金が適用
可能であり、信頼性および寿命を向上させることができ
る。
【0043】
【発明の効果】本発明に係るTi−Al系合金は、重量
で、Al30〜40%を含み、必要に応じてさらにMn
1〜6%及びSi0.1〜0.5%及びV4〜16%の1
種または2種または3種を含有しその他の部分はTiか
らなるものであるから、優れた比強度や高い耐用温度を
持つものであり、耐中性子照射性にも優れ構造材料とし
て必要な延性も有しているといえる。それゆえ、耐中性
子照射脆化また、材料の寸法安定性に優れたTi−Al
系合金を中性子照射環境下に曝される原子炉及び核融合
炉の炉心構成部品に適用することにより、高い信頼性が
得られるとともに材料寿命の向上による放射化材料の低
減という面においても効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】照射前と照射後のTi−Al系合金を用いて3
00℃で圧縮試験におけるAl含有量と圧縮伸びの関係
を示した図。
【図2】照射前と照射後のTi−Al系合金を用いて6
00℃で圧縮試験における応力−ひずみ曲線図。
【図3】0.2% 耐力と平均結晶粒径との関係を示す線
図。
【図4】0.2% 耐力と圧縮伸びとの関係を示す線図。
【図5】圧縮伸びと平均結晶粒径との関係を示す線図。
【図6】沸騰水型原子炉炉心の部分切断斜視図。
【図7】核融合炉の断面図。
【符号の説明】
57…燃料集合体、58…上鏡スプレイノズル、59…
ベントノズル、60…圧力容器蓋、61…圧力容器フラ
ンジ、62…計測用ノズル、63…気水分離器、64…
シュラウドヘッド、65…給水入口ノズル、66…ジェ
ットポンプ、67…再循環水出口ノズル、68…蒸気乾
燥器、69…蒸気出口ノズル、70…給水スパージャ
ー、71…炉心スプレイ用ノズル、72…下部炉心格
子、73…再循環水出口ノズル、74…バッフル板、7
5…制御棒案内管、137…真空容器、141…ダイバ
ータ、146…第1壁。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al30〜40重量%を含有し、平均粒径
    が2μm以下であるTi合金からなることを特徴とする
    耐中性子照射脆化合金。
  2. 【請求項2】Al30〜40重量%を含有し、Ti3
    l 金属間化合物の体積率が3〜25%及び平均粒径が
    2μm以下であるTi合金からなることを特徴とする耐
    中性子照射脆化合金。
  3. 【請求項3】Al30〜40重量%を含有し、Ti3
    l 金属間化合物の体積率が3〜25%であり結晶粒の
    平均粒径が1000nm以下であるTi合金からなるこ
    とを特徴とする耐中性子照射脆化合金。
  4. 【請求項4】Al30〜40重量%と、Mn1〜6重量
    %,Si0.1〜0.5重量%及びV4〜16重量%の1
    種以上とを含有するTi合金からなることを特徴とする
    耐中性子照射脆化合金。
  5. 【請求項5】Al30〜40重量%と、Mn1〜6重量
    %,Si0.1〜1 重量%及びV4〜16重量%の1種
    以上とを含有し、Ti3Al 金属間化合物の体積率が3
    〜25%であるTi合金からなることを特徴とする耐中
    性子照射脆化合金。
  6. 【請求項6】Al30〜40重量%と、Mn1〜6重量
    %,Si0.1〜1 重量%及びV4〜16重量%の1種
    以上とを含有し、Ti3Al 金属間化合物の体積率が3
    〜25%及び平均粒径が1000nm以下であるTi合
    金からなることを特徴とする耐中性子照射脆化合金。
  7. 【請求項7】Al30〜40重量%を含有するTi合金
    の粉末を固化成形した後850〜1200℃の温度範囲
    で50〜80%の鍛造率の恒温鍛造を施すことを特徴と
    する耐中性子照射脆化合金の製造法。
  8. 【請求項8】中性子源パイプ,炉心支持板,中性子計装
    管,制御棒挿入パイプ,シュラウド,上部格子板,燃料
    集合体用被覆管,チャンネルボックスおよびこれらに関
    連するボルト,ナット,ピン,スプリングの少なくとも
    1つが請求項1〜6のいずれかに記載のTi合金からな
    ることを特徴とする原子炉内構成部品。
  9. 【請求項9】中性子源パイプ,炉心支持板,中性子計装
    管,制御棒挿入パイプ,シュラウド,上部格子板,燃料
    集合体用被覆管,チャンネルボックスおよびこれらに関
    連するボルト,ナット,ピン,スプリングの少なくとも
    1つが、請求項1〜6のいずれかに記載のTi合金を超
    塑性成形した後、熱処理により伸びおよび強度を向上さ
    せてから最終加工を施すことを特徴とする耐中性子照射
    脆化また、材料の寸法安定性に優れた原子炉内構成部品
    の製造法。
  10. 【請求項10】原子炉内に中性子源パイプ,炉心支持
    板,中性子計装管,制御棒挿入パイプ,シュラウド,上
    部格子板,燃料集合体用被覆管,チャンネルボックスを
    備えた原子炉において、該原子炉の前記構成物品および
    これらに関連するボルト,ナット,ピン,スプリングの
    少なくとも1つが請求項1〜6のいずれかに記載のTi
    合金からなることを特徴とする原子炉。
  11. 【請求項11】水冷構造を有する真空容器,セラミック
    タイルが設けられ水冷構造を有するダイバータ,セラミ
    ックタイルが設けられ水冷構造を有する第1壁およびこ
    れらに関連するボルト,ナット,ピンの少なくとも1つ
    が請求項1〜6のいずれかに記載のTi合金からなるこ
    とを特徴とする耐中性子照射脆化また、材料の寸法安定
    性に優れた核融合装置構成部品。
  12. 【請求項12】水冷構造を有する真空容器,セラミック
    タイルが設けられ水冷構造を有するダイバータ,セラミ
    ックタイルが設けられ水冷構造を有する第1壁およびこ
    れらに関連するボルト,ナット,ピンの少なくとも1つ
    が、前記Ti−Al系合金からなり超塑性成形した後、
    熱処理により伸びおよび強度を向上させてから最終加工
    を施すことを特徴とする耐中性子照射脆化また、材料の
    寸法安定性に優れた核融合装置構成部品。
  13. 【請求項13】水冷構造を有する真空容器内にプラズマ
    側にセラミックタイルが設けられ水冷構造を有するダイ
    バータおよびプラズマ側にセラミックタイルが設けられ
    水冷構造を有する第1壁を備えた核融合炉において、該
    核融合炉の前記構成部品およびこれらに関連するボル
    ト,ナット,ピンの少なくとも1つが請求項1〜6のい
    ずれかに記載のTi合金からなることを特徴とする核融
    合炉。
JP7249075A 1995-09-27 1995-09-27 耐中性子照射合金とその用途 Pending JPH0987782A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7249075A JPH0987782A (ja) 1995-09-27 1995-09-27 耐中性子照射合金とその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7249075A JPH0987782A (ja) 1995-09-27 1995-09-27 耐中性子照射合金とその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0987782A true JPH0987782A (ja) 1997-03-31

Family

ID=17187639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7249075A Pending JPH0987782A (ja) 1995-09-27 1995-09-27 耐中性子照射合金とその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0987782A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003085678A1 (fr) * 2002-04-08 2003-10-16 Ngk Insulators, Ltd. Matiere pour un four de fusion nucleaire presentant d'excellentes caracteristiques a des temperatures elevees et comprenant un compose intermetallique de beryllium
US7560069B2 (en) 2002-04-08 2009-07-14 Ngk Insulators, Ltd. Material including beryllium intermetallic compound and having excellent high-temperature property applied to nuclear fusion reactor

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003085678A1 (fr) * 2002-04-08 2003-10-16 Ngk Insulators, Ltd. Matiere pour un four de fusion nucleaire presentant d'excellentes caracteristiques a des temperatures elevees et comprenant un compose intermetallique de beryllium
US7560069B2 (en) 2002-04-08 2009-07-14 Ngk Insulators, Ltd. Material including beryllium intermetallic compound and having excellent high-temperature property applied to nuclear fusion reactor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5211774A (en) Zirconium alloy with superior ductility
Lemaignan et al. Zirconium alloys in nuclear applications
KR920004679B1 (ko) 연성 지르칼로이 합금
US5254308A (en) Zirconium alloy with improved post-irradiation properties
EP0532830A2 (en) Zirconium alloy with superior ductility
EP0747497B1 (en) High corrosion resistant high strength austenitic sintered steel, manufacturing method and use thereof for nuclear reactor, nuclear fusion reactor and component thereof.
JP3218779B2 (ja) 耐中性子照射脆化に優れた構造部材及びそれに用いるオーステナイト鋼とその用途
EP0534164A2 (en) Heat-resistant nitride dispersion strengthened alloys
US5278882A (en) Zirconium alloy with superior corrosion resistance
CN1152146C (zh) 用在核反应堆中的锆-铌-锡合金及其生产方法
JPH0699781B2 (ja) 耐中性子照射脆化に優れたオーステナイト鋼及びその用途
JPH10265867A (ja) 高機能合金とその製造法及び用途
JPH0987782A (ja) 耐中性子照射合金とその用途
US3884728A (en) Thermo-mechanical treatment of zirconium alloys
JPH1088289A (ja) 高耐食性高強度Cr−Mn系オーステナイト焼結鋼とその製造方法及びその用途
EP0779936B1 (en) Zirconium alloy with tungsten and nickel
JP2000282101A (ja) 酸化物分散強化型フェライト鋼の製造方法
Schulson The strengthening of ordered Zr3Al by fast neutron irradiation
Zuev et al. Phase composition, structure, and plastic deformation localization in Zr1% Nb alloys
Besch et al. Corrosion behavior of duplex and reference cladding in NPP Grohnde
Sabol et al. Improved PWR fuel cladding
JP3449510B2 (ja) 軽水炉部品
CN114574747B (zh) 核反应堆用低活化抗辐照及耐腐蚀高熵合金及其制备方法
Vazquez et al. Mechanical tests and microstructural characterization of hydrided Zr-1 wt% Nb
Shahin Irradiation effects on mechanical and physical properties of SS304L-nanotube composites