JPH0987298A - ダニ抗原に対するモノクローナル抗体及びその用途 - Google Patents
ダニ抗原に対するモノクローナル抗体及びその用途Info
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- JPH0987298A JPH0987298A JP7273699A JP27369995A JPH0987298A JP H0987298 A JPH0987298 A JP H0987298A JP 7273699 A JP7273699 A JP 7273699A JP 27369995 A JP27369995 A JP 27369995A JP H0987298 A JPH0987298 A JP H0987298A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は Der f I に特異的で,かつ特定部
位を認識するモノクローナル抗体を使用することによ
り,従来のアレルゲン同定,定量系の問題点を解決し,
免疫学的に塵中の Der f I を高感度かつ簡便に同定,
定量することを目的とする。 【解決手段】 コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides f
arinae)由来の抗原Derf I の部分ペプチドを哺乳類に
免疫して得られる,Der f I を選択的に認識しIgGに
属する抗Der f I モノクローナル抗体。該抗体を産生す
るハイブリドーマセルライン。該抗体を標識して得られ
る標識抗体。Der f I の検出あるいは定量方法。
位を認識するモノクローナル抗体を使用することによ
り,従来のアレルゲン同定,定量系の問題点を解決し,
免疫学的に塵中の Der f I を高感度かつ簡便に同定,
定量することを目的とする。 【解決手段】 コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides f
arinae)由来の抗原Derf I の部分ペプチドを哺乳類に
免疫して得られる,Der f I を選択的に認識しIgGに
属する抗Der f I モノクローナル抗体。該抗体を産生す
るハイブリドーマセルライン。該抗体を標識して得られ
る標識抗体。Der f I の検出あるいは定量方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,ダニ抗原に対する
モノクローナル抗体,特にコナヒョウヒダニ(Dermatop
hagoides farinae) の主要アレルゲンである Der f I
に特異的なモノクローナル抗体,その抗体の産生セルラ
イン,モノクローナル抗体を用いた免疫学的検出法およ
び定量法に関するものである。
モノクローナル抗体,特にコナヒョウヒダニ(Dermatop
hagoides farinae) の主要アレルゲンである Der f I
に特異的なモノクローナル抗体,その抗体の産生セルラ
イン,モノクローナル抗体を用いた免疫学的検出法およ
び定量法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハウスダスト(室内塵)は気管支喘息,
アレルギー性鼻炎などの重要なアレルゲンであるが,そ
のアレルゲンは主としてダニに由来しているといわれ
(坂本.化学と生物 Vol.26, No.2, 1988),ハウスダス
トの皮膚テスト陽性者の9割以上はダニでも陽性である
といわれる(早川, 信田 日本臨床 45巻 8号 1987)。
アレルゲンの起源として重要なダニはコナヒョウヒダニ
(Dermatophagoides farinae)やヤケヒョウヒダニ(De
rmatophagoides pteronysinuss)である(T. Miyamoto
et al., J.Allergy 42, 14, 1968) 。
アレルギー性鼻炎などの重要なアレルゲンであるが,そ
のアレルゲンは主としてダニに由来しているといわれ
(坂本.化学と生物 Vol.26, No.2, 1988),ハウスダス
トの皮膚テスト陽性者の9割以上はダニでも陽性である
といわれる(早川, 信田 日本臨床 45巻 8号 1987)。
アレルゲンの起源として重要なダニはコナヒョウヒダニ
(Dermatophagoides farinae)やヤケヒョウヒダニ(De
rmatophagoides pteronysinuss)である(T. Miyamoto
et al., J.Allergy 42, 14, 1968) 。
【0003】コナヒョウヒダニには,アレルゲン活性を
持つ Der f I(分子量 24,000),Der f II(分子量15,0
00〜16,000) という2つの主要タンパク(H. Yasueda,
Int.Arch. Allergy ppl. Immunol., 81, 214, 1986)の
ほか, さまざまな分子量の複数のアレルゲンが存在して
いる。Der f I はおもにダニ糞中, Der f II はダニ虫
体中(含死体,破片)に含有されている。 一般的にア
レルギーの治療は起因アレルゲンを同定することが治療
上最も重要で,臨床上ではアレルゲンの回避などの患者
指導等が有効(坂本,化学と生物, Vol.26. No.2, 198
8) で,患者の生活環境中に存在するダニアレルゲンの
同定と量の測定が必要となる。これについては, 従来よ
りさまざまなハウスダスト中のダニアレルゲン検出法が
提案されてきている。しかし,アルコール抽出した塵中
のダニ排泄物由来タンパク質と芳香族ジアゾ化合物との
呈色反応(特開昭60−135844,特開昭60−1
71459,特開昭61−59261)では検出方法が
複雑すぎる。またダニアレルゲンの存在を確認するのみ
で,アレルゲンの同定や定量は実施できない。小動物の
体液と化学薬品との呈色反応(特開昭62−29682
8,特開昭62−296829)では操作は簡単ではあ
るがダニ以外の小動物も検出されてしまい,ダニアレル
ゲンの同定,定量ができない。またダニ虫体抽出物を動
物に免疫して得られた抗血清による検出方法(特開昭6
3−191961)では,塵中のダニの生体の検出,定
量はできるが死体や破片や糞の検出や定量については不
明であり,またアレルゲンの同定,定量はできない。
持つ Der f I(分子量 24,000),Der f II(分子量15,0
00〜16,000) という2つの主要タンパク(H. Yasueda,
Int.Arch. Allergy ppl. Immunol., 81, 214, 1986)の
ほか, さまざまな分子量の複数のアレルゲンが存在して
いる。Der f I はおもにダニ糞中, Der f II はダニ虫
体中(含死体,破片)に含有されている。 一般的にア
レルギーの治療は起因アレルゲンを同定することが治療
上最も重要で,臨床上ではアレルゲンの回避などの患者
指導等が有効(坂本,化学と生物, Vol.26. No.2, 198
8) で,患者の生活環境中に存在するダニアレルゲンの
同定と量の測定が必要となる。これについては, 従来よ
りさまざまなハウスダスト中のダニアレルゲン検出法が
提案されてきている。しかし,アルコール抽出した塵中
のダニ排泄物由来タンパク質と芳香族ジアゾ化合物との
呈色反応(特開昭60−135844,特開昭60−1
71459,特開昭61−59261)では検出方法が
複雑すぎる。またダニアレルゲンの存在を確認するのみ
で,アレルゲンの同定や定量は実施できない。小動物の
体液と化学薬品との呈色反応(特開昭62−29682
8,特開昭62−296829)では操作は簡単ではあ
るがダニ以外の小動物も検出されてしまい,ダニアレル
ゲンの同定,定量ができない。またダニ虫体抽出物を動
物に免疫して得られた抗血清による検出方法(特開昭6
3−191961)では,塵中のダニの生体の検出,定
量はできるが死体や破片や糞の検出や定量については不
明であり,またアレルゲンの同定,定量はできない。
【0004】近年,ダニ主要アレルゲン Der f I に対
するモノクローナル抗体(P. W. Heymann et al., J. A
llergy Clin. Immunol., 83 (6), 1055-1067 (1989);
P. W.Heymann and M. D. Chapman, Clinical Reviews i
n Allergy, 8, 51-68 (1990);A. E. Thomas and M. D.
Chapmann, J. Allergy Clin. Immunol., 80(6), 755-77
5 (1987); 山井 孝夫 et al, Prog. Med., 12 (8), 20
24-2029 (1992)) 及びDer f II に対するモノクローナ
ル抗体(特開平5-207892)が開示され,抗 Der fI モノ
クローナル抗体を用いた Der f I の検出及び定量が可
能となった(H. Yasueda, et al., Clin. Exp. Allergy
24 (11), 1030-1035 (1994)) 。
するモノクローナル抗体(P. W. Heymann et al., J. A
llergy Clin. Immunol., 83 (6), 1055-1067 (1989);
P. W.Heymann and M. D. Chapman, Clinical Reviews i
n Allergy, 8, 51-68 (1990);A. E. Thomas and M. D.
Chapmann, J. Allergy Clin. Immunol., 80(6), 755-77
5 (1987); 山井 孝夫 et al, Prog. Med., 12 (8), 20
24-2029 (1992)) 及びDer f II に対するモノクローナ
ル抗体(特開平5-207892)が開示され,抗 Der fI モノ
クローナル抗体を用いた Der f I の検出及び定量が可
能となった(H. Yasueda, et al., Clin. Exp. Allergy
24 (11), 1030-1035 (1994)) 。
【0005】ダニアレルギーの治療においてはダニアレ
ルゲンエキスを用いた減感作療法が行われるのが一般的
である。減感作療法については投与アレルゲンの確定,
精製が望まれている(江田 日本臨床 44巻 臨時増刊
号 1986)。この点に関して,従来の虫体, または糞その
ものを免疫した哺乳類から作成されたポリクローナル抗
体の系では,抗体の特異性についてははっきりしていな
い。
ルゲンエキスを用いた減感作療法が行われるのが一般的
である。減感作療法については投与アレルゲンの確定,
精製が望まれている(江田 日本臨床 44巻 臨時増刊
号 1986)。この点に関して,従来の虫体, または糞その
ものを免疫した哺乳類から作成されたポリクローナル抗
体の系では,抗体の特異性についてははっきりしていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は Der f I に
特異的で,かつ特定部位を認識するモノクローナル抗体
を使用することにより上記のようなアレルゲン同定,定
量系の問題点を解決し,免疫学的に塵中の Der f I を
高感度かつ簡便に同定,定量することを目的とするもの
である。
特異的で,かつ特定部位を認識するモノクローナル抗体
を使用することにより上記のようなアレルゲン同定,定
量系の問題点を解決し,免疫学的に塵中の Der f I を
高感度かつ簡便に同定,定量することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,Der f I
に特異的なモノクローナル抗体を作成し,これを用いて
免疫学的測定法の検討を行った。その結果,本発明に関
わるモノクローナル抗体は Der f I 測定試薬として極
めて有用であることを見出し,本発明に到達した。即
ち,本発明は Der f I に対して特異的に結合しうるモ
ノクローナル抗体を用いることを特徴とする試料中の D
er f I の同定,定量,測定方法である。
に特異的なモノクローナル抗体を作成し,これを用いて
免疫学的測定法の検討を行った。その結果,本発明に関
わるモノクローナル抗体は Der f I 測定試薬として極
めて有用であることを見出し,本発明に到達した。即
ち,本発明は Der f I に対して特異的に結合しうるモ
ノクローナル抗体を用いることを特徴とする試料中の D
er f I の同定,定量,測定方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のモノクローナル抗体は,
公知の細胞融合法により製造できる。さらに詳細には,
本発明のモノクローナル抗体は次の(1) 〜(4) の工程,
即ち, (1) 抗体産生細胞調製工程 (2) 融合, スクリーニング,クローニング工程 (3) ハイブリドーマ培養工程 (4) 必要に応じて行われる精製工程 を実施することによって得られる。以下,各工程につい
て詳細に説明する。
公知の細胞融合法により製造できる。さらに詳細には,
本発明のモノクローナル抗体は次の(1) 〜(4) の工程,
即ち, (1) 抗体産生細胞調製工程 (2) 融合, スクリーニング,クローニング工程 (3) ハイブリドーマ培養工程 (4) 必要に応じて行われる精製工程 を実施することによって得られる。以下,各工程につい
て詳細に説明する。
【0009】(1) 抗体産生細胞調製工程 抗 Der f I 抗体産生細胞は Der f I の部分ペプチドを
抗原とし, この抗原をBalb/c マウスまたは A/Jマウス
に十分免疫したひ臓より採取できる。Der f I部分ペプ
チドをマウス1頭あたり10ー100μg となるようフロイン
トの完全アジュバントまたは不完全アジュバントを等量
混ぜて腹腔内に投与することを2〜4週間の間隔で繰り
返す。血液中の抗体価が十分にあがっていることを確認
し, アジュバントなしで同量を尾静脈または腹腔内に投
与し最終免疫とする。最終免疫から2〜5日後,マウス
のひ臓から抗体産生細胞を採取する。
抗原とし, この抗原をBalb/c マウスまたは A/Jマウス
に十分免疫したひ臓より採取できる。Der f I部分ペプ
チドをマウス1頭あたり10ー100μg となるようフロイン
トの完全アジュバントまたは不完全アジュバントを等量
混ぜて腹腔内に投与することを2〜4週間の間隔で繰り
返す。血液中の抗体価が十分にあがっていることを確認
し, アジュバントなしで同量を尾静脈または腹腔内に投
与し最終免疫とする。最終免疫から2〜5日後,マウス
のひ臓から抗体産生細胞を採取する。
【0010】(2) 融合,スクリーニング,クローニング
工程 融合は融合促進剤の存在下,上記マウス抗体産生細胞な
らびに公知のマウス骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)を公
知の方法にて混合することにより行うことができる。一
般にマウスミエローマ細胞は,ハイブリドーマ選択培地
で生育できず,かつ,それ自身が抗体を産生しないもの
が好ましい。このようなマウスミエローマ細胞として
は,マウスミエローマ細胞P3−NS1−1−Ag4−
1(以下NS−1と略記する),Sp−2/O−Ag1
4(以下SP−2と略記する) あるいはこれと同様のも
のがあげられる。
工程 融合は融合促進剤の存在下,上記マウス抗体産生細胞な
らびに公知のマウス骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)を公
知の方法にて混合することにより行うことができる。一
般にマウスミエローマ細胞は,ハイブリドーマ選択培地
で生育できず,かつ,それ自身が抗体を産生しないもの
が好ましい。このようなマウスミエローマ細胞として
は,マウスミエローマ細胞P3−NS1−1−Ag4−
1(以下NS−1と略記する),Sp−2/O−Ag1
4(以下SP−2と略記する) あるいはこれと同様のも
のがあげられる。
【0011】両細胞の比は通常ミエローマ細胞1に対し
て抗体産生細胞1〜20の比率で行なう。細胞融合促進剤
としては例えばポリエチレングリコールが用いられ,好
ましくは分子量1000〜7500のものがよく用いられる。ハ
イブリドーマの培養は,例えば融合促進剤を洗浄除去し
ハイブリドーマ選択用培地に懸濁したハイブリドーマの
100〜200μlずつを96Wellプレートに播き,約37℃にお
いて5%炭酸ガス−空気中で行うことができる。
て抗体産生細胞1〜20の比率で行なう。細胞融合促進剤
としては例えばポリエチレングリコールが用いられ,好
ましくは分子量1000〜7500のものがよく用いられる。ハ
イブリドーマの培養は,例えば融合促進剤を洗浄除去し
ハイブリドーマ選択用培地に懸濁したハイブリドーマの
100〜200μlずつを96Wellプレートに播き,約37℃にお
いて5%炭酸ガス−空気中で行うことができる。
【0012】目的とするハイブリドーマのスクリーニン
グは培養液中の抗体価を測定することにより行う。即
ち,Der f I を結合させ, さらにウシ血清アルブミンに
てブロッキングしたアッセイプレートの各ウェルにハイ
ブリド−マの十分生育した培地の上清を加え,充分イン
キュベートし,プレート内で抗原抗体反応をさせた後,
上清を除去洗浄する。さらに,これにビオチン化抗マウ
スIgG抗体を作用させ洗浄後,アビジン化アルカリフ
ォスファターゼを作用させ洗浄後,基質となるp−ニト
ロフェニルホスフェートを加えて呈色させる。抗体産生
陽性のハイブリドーマについて限界希釈法にてクローニ
ングし,目的の単一のハイブリドーマを調製できる。
グは培養液中の抗体価を測定することにより行う。即
ち,Der f I を結合させ, さらにウシ血清アルブミンに
てブロッキングしたアッセイプレートの各ウェルにハイ
ブリド−マの十分生育した培地の上清を加え,充分イン
キュベートし,プレート内で抗原抗体反応をさせた後,
上清を除去洗浄する。さらに,これにビオチン化抗マウ
スIgG抗体を作用させ洗浄後,アビジン化アルカリフ
ォスファターゼを作用させ洗浄後,基質となるp−ニト
ロフェニルホスフェートを加えて呈色させる。抗体産生
陽性のハイブリドーマについて限界希釈法にてクローニ
ングし,目的の単一のハイブリドーマを調製できる。
【0013】(3) ハイブリドーマ培養工程 前工程で得たクローン化ハイブリド−マを in vitro ま
たは in vivo で培養すれば目的のモノクローナル抗体
が産生できる。in vitro での培養は, 例えば96Wellプ
レ−ト中で数個のハイブリド−マの培養から始め,徐々
にスケ−ルアップすることにより行うことができる。ま
た,in vivo での培養は,例えば,融合細胞の増殖を容
易にさせるためのプリスタン(2, 6, 10,14-テトラメチ
ルペンタデカン:アルドリッチ社) 処理をしたマウスに
ハイブリド−マを腹腔内に接種することによって実施で
きる。7〜15日後にはモノクロ−ナル抗体を含む腹水が
蓄積される。
たは in vivo で培養すれば目的のモノクローナル抗体
が産生できる。in vitro での培養は, 例えば96Wellプ
レ−ト中で数個のハイブリド−マの培養から始め,徐々
にスケ−ルアップすることにより行うことができる。ま
た,in vivo での培養は,例えば,融合細胞の増殖を容
易にさせるためのプリスタン(2, 6, 10,14-テトラメチ
ルペンタデカン:アルドリッチ社) 処理をしたマウスに
ハイブリド−マを腹腔内に接種することによって実施で
きる。7〜15日後にはモノクロ−ナル抗体を含む腹水が
蓄積される。
【0014】(4) 精製工程 必要によって行われる精製工程は,前工程で得られたモ
ノクロ−ナル抗体を通常の物理化学的手法,例えば塩
析,遠心分離,透析,イオン交換クロマトグラフィ−等
の手段を組み合わせることによりおこなうことができる
が,モノクロ−ナル抗体の抗体サブクラスがIgG1で
ある場合は,他のサブクラスのようにプロテインAカラ
ムによる吸着, 溶出では回収率が悪いので, プロテイン
Gカラムによる吸着, 溶出の方が回収率が高く, かつ,
簡便である。本発明においては,以上の方法により,De
r f I の特定部位を認識するモノクロ−ナル抗体を得
た。
ノクロ−ナル抗体を通常の物理化学的手法,例えば塩
析,遠心分離,透析,イオン交換クロマトグラフィ−等
の手段を組み合わせることによりおこなうことができる
が,モノクロ−ナル抗体の抗体サブクラスがIgG1で
ある場合は,他のサブクラスのようにプロテインAカラ
ムによる吸着, 溶出では回収率が悪いので, プロテイン
Gカラムによる吸着, 溶出の方が回収率が高く, かつ,
簡便である。本発明においては,以上の方法により,De
r f I の特定部位を認識するモノクロ−ナル抗体を得
た。
【0015】
【作用】以上のようにして得られた Der f I に対して
部位特異的に結合し得るモノクロ−ナル抗体は結合部位
が明らかな抗体であるので,例えば巻き直し後に立体構
造が変わったり,部分分解したりした Der f I 由来の
タンパクとも結合可能である。従って,該モノクローナ
ル抗体を用いる検出方法は極めて検出感度が高い。さら
に,公知の免疫測定法,例えばより簡便なウェスタン・
ブロッティング法などによる Der f I の検出も可能と
なった。
部位特異的に結合し得るモノクロ−ナル抗体は結合部位
が明らかな抗体であるので,例えば巻き直し後に立体構
造が変わったり,部分分解したりした Der f I 由来の
タンパクとも結合可能である。従って,該モノクローナ
ル抗体を用いる検出方法は極めて検出感度が高い。さら
に,公知の免疫測定法,例えばより簡便なウェスタン・
ブロッティング法などによる Der f I の検出も可能と
なった。
【0016】例えば,通常よく用いられるアクリルアミ
ドゲルに Der f I の存在の有無を知りたいサンプルを
チャージし,SDS存在下の緩衝液中で電気泳動を行
う。泳動終了後に,ゲルから蛋白をPVDF膜(Millipore
社製)に転写し,転写された膜をアルブミンでブロッキ
ングする。しかる後に上記の抗体を適当な濃度になるよ
う加えて一定時間反応させる。十分洗浄して余分な抗体
を除去し,そこへ酵素,例えばパーオキシダーゼなどで
標識した抗マウスIgG抗体を加えてさらに一定時間反応
させる。その後再度洗浄して余分な標識抗体を除去す
る。これら一連の処理を終了したPVDF膜を薄型のバット
に移し,酵素の基質である過酸化水素と発色剤,例えば
4−クロロ−1−ナフトールを加えて発色させる。これ
により,対照として Der f I の標準品を同時に泳動し
ておけば,同じ泳動距離にバンドが検出されるので,調
べたサンプル中に該アレルゲンが存在するかどうかを確
認できる。
ドゲルに Der f I の存在の有無を知りたいサンプルを
チャージし,SDS存在下の緩衝液中で電気泳動を行
う。泳動終了後に,ゲルから蛋白をPVDF膜(Millipore
社製)に転写し,転写された膜をアルブミンでブロッキ
ングする。しかる後に上記の抗体を適当な濃度になるよ
う加えて一定時間反応させる。十分洗浄して余分な抗体
を除去し,そこへ酵素,例えばパーオキシダーゼなどで
標識した抗マウスIgG抗体を加えてさらに一定時間反応
させる。その後再度洗浄して余分な標識抗体を除去す
る。これら一連の処理を終了したPVDF膜を薄型のバット
に移し,酵素の基質である過酸化水素と発色剤,例えば
4−クロロ−1−ナフトールを加えて発色させる。これ
により,対照として Der f I の標準品を同時に泳動し
ておけば,同じ泳動距離にバンドが検出されるので,調
べたサンプル中に該アレルゲンが存在するかどうかを確
認できる。
【0017】
【発明の効果】本発明により Der f I に対して部位特
異的に結合し得るモノクローナル抗体並びに該抗体産生
ハイブリドーマ(工業技術院生命工学工業技術研究所,
受託番号 FERM P-15028)が得られた。さらに本発明の
方法で Der f I は10ng/mlという低濃度でも高感度に検
出可能である。本方法は,Der f I 及び Der f I 由来
のタンパク質に特異的な測定方法であり, 化学反応を用
いる従来の方法より極めて簡便であり,またコナヒョウ
ヒダニを免疫して得られたポリクローナル抗体を用いた
従来の方法よりも, 極めて高感度に特異的に Der f I
を検出測定することが可能となった。また, 本発明によ
り得られたモノクローナル抗体を使用することにより,
試料中より Der f I を簡便に高純度に精製することが
可能となった。また,本発明のモノクローナル抗体はダ
ニアレルギー患者の血清中のIgE抗体の結合部位の解析
に応用でき,ダニアレルギーの減感作治療にも大いに有
用である。
異的に結合し得るモノクローナル抗体並びに該抗体産生
ハイブリドーマ(工業技術院生命工学工業技術研究所,
受託番号 FERM P-15028)が得られた。さらに本発明の
方法で Der f I は10ng/mlという低濃度でも高感度に検
出可能である。本方法は,Der f I 及び Der f I 由来
のタンパク質に特異的な測定方法であり, 化学反応を用
いる従来の方法より極めて簡便であり,またコナヒョウ
ヒダニを免疫して得られたポリクローナル抗体を用いた
従来の方法よりも, 極めて高感度に特異的に Der f I
を検出測定することが可能となった。また, 本発明によ
り得られたモノクローナル抗体を使用することにより,
試料中より Der f I を簡便に高純度に精製することが
可能となった。また,本発明のモノクローナル抗体はダ
ニアレルギー患者の血清中のIgE抗体の結合部位の解析
に応用でき,ダニアレルギーの減感作治療にも大いに有
用である。
【0018】
【実施例】次の実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。ただし,本発明はこれに限定されるものではな
い。 実施例1 抗 Der f I モノクローナル抗体の調製 抗 Der f I モノクローナル抗体の調製は,以下に示す
ような方法で行った。 イ) 免疫 Der f I 分子中のアミノ酸配列の中で,N−末端から92
ー110番目に相当するペプチドを合成機(MPS350型,Adva
nced ChemTech 社製)を用いMAP法(タム(J.P. Tam),
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 85, 5409-5413, 198
8)で該ペプチドを8個保有するペプチドを合成した。
精製した後,ペプチドシーケンサー(Applied Biochemi
cal 社製,473A型)にてアミノ酸配列を確認した。
明する。ただし,本発明はこれに限定されるものではな
い。 実施例1 抗 Der f I モノクローナル抗体の調製 抗 Der f I モノクローナル抗体の調製は,以下に示す
ような方法で行った。 イ) 免疫 Der f I 分子中のアミノ酸配列の中で,N−末端から92
ー110番目に相当するペプチドを合成機(MPS350型,Adva
nced ChemTech 社製)を用いMAP法(タム(J.P. Tam),
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 85, 5409-5413, 198
8)で該ペプチドを8個保有するペプチドを合成した。
精製した後,ペプチドシーケンサー(Applied Biochemi
cal 社製,473A型)にてアミノ酸配列を確認した。
【0019】本ペプチドを 100μg/100μl となるよ
うに等量のフロイント完全アジュバント(FCA Difco
社)と混合乳化し,Balb/cマウス(♂)の腹腔に1頭あ
たり100μgとなるように混合乳化物を投与する。約2
〜4週間のインターバルで同量の Der f I 部分ペプチ
ドをフロイント不完全アジュバント(FIA Difco社)に
混合乳化したものを腹腔に5回追加免疫した。最終免疫
は細胞融合の3日前に予め血中抗体価が陽性になること
を確認したマウスについて Der f I 部分ペプチド100μ
gを含むPBSを腹腔に投与した。
うに等量のフロイント完全アジュバント(FCA Difco
社)と混合乳化し,Balb/cマウス(♂)の腹腔に1頭あ
たり100μgとなるように混合乳化物を投与する。約2
〜4週間のインターバルで同量の Der f I 部分ペプチ
ドをフロイント不完全アジュバント(FIA Difco社)に
混合乳化したものを腹腔に5回追加免疫した。最終免疫
は細胞融合の3日前に予め血中抗体価が陽性になること
を確認したマウスについて Der f I 部分ペプチド100μ
gを含むPBSを腹腔に投与した。
【0020】ロ) 細胞の調製 最終免疫の3日後にマウスのひ臓を摘出し, ひ細胞を10
%ウシ胎児血清を含むRPMI培地 (FLOW Lab. Co., L
TD. 以下RPMIと略記する) 中に分散させ,200m/sス
テンレスメッシュで濾過した後, ウシ胎児血清を含まな
いRPMI(以下−RPMIと略記する)で3回洗浄し
た。融合パートナーであるマウスの骨髄腫細胞(ミエロ
ーマ)としてはNS−1を用いた。これを予め8−アザ
グアニン30μg/mlを添加したRPMIで細胞融合の約
1週間前まで培養し, その後RPMIで培養した対数増
殖期のものを−RPMIで3回洗浄した。
%ウシ胎児血清を含むRPMI培地 (FLOW Lab. Co., L
TD. 以下RPMIと略記する) 中に分散させ,200m/sス
テンレスメッシュで濾過した後, ウシ胎児血清を含まな
いRPMI(以下−RPMIと略記する)で3回洗浄し
た。融合パートナーであるマウスの骨髄腫細胞(ミエロ
ーマ)としてはNS−1を用いた。これを予め8−アザ
グアニン30μg/mlを添加したRPMIで細胞融合の約
1週間前まで培養し, その後RPMIで培養した対数増
殖期のものを−RPMIで3回洗浄した。
【0021】ハ) 細胞融合及び抗体産生ハイブリドーマ
の選択 ひ細胞1〜2x 108 cells とミエローマを約5:1の割
合で混合し, 遠心後ペレットとした。これにポリエチレ
ングリコール(PEG4000 関東化学)50%を含む−RPM
I 1mlを加えて1分間攪拌し, さらに1分間攪拌後, −
RPMI 8mlを8分間かけて添加攪拌し, RPMI 10m
lを加えて遠心し, ペレットをひ細胞が5x 106/ml とな
るように懸濁し,100μlずつ96ウェルプレート(住友ベ
ークライト) に播種した。翌日からヒポキサンチン0.1m
M,アミノプテリン0.4μM,チミジン16μM を含むRP
MI(以下 HAT培地と略記する)を各ウェルに 100μl
添加し, その後約1〜2週間 HAT培地をハイブリドーマ
のコロニーが出現するまで100μl ずつ交換した。ハイ
ブリドーマのコロニーがウェルに出現した時点で抗Der
f I 抗体の検出を行い, 陽性であったウェルの細胞につ
いて限界希釈を実施し, ヒポキサンチン0.1mM,チミジ
ン16μM を含むRPMIでの培養期間を経た後,コロニ
ーが出現しているウェルについて抗 Der f I 抗体の検
出を確認後,2回目の限界希釈を実施し, クローニング
を行った。こうして抗 Der f I モノクローナル抗体産
生ハイブリドーマを得た。
の選択 ひ細胞1〜2x 108 cells とミエローマを約5:1の割
合で混合し, 遠心後ペレットとした。これにポリエチレ
ングリコール(PEG4000 関東化学)50%を含む−RPM
I 1mlを加えて1分間攪拌し, さらに1分間攪拌後, −
RPMI 8mlを8分間かけて添加攪拌し, RPMI 10m
lを加えて遠心し, ペレットをひ細胞が5x 106/ml とな
るように懸濁し,100μlずつ96ウェルプレート(住友ベ
ークライト) に播種した。翌日からヒポキサンチン0.1m
M,アミノプテリン0.4μM,チミジン16μM を含むRP
MI(以下 HAT培地と略記する)を各ウェルに 100μl
添加し, その後約1〜2週間 HAT培地をハイブリドーマ
のコロニーが出現するまで100μl ずつ交換した。ハイ
ブリドーマのコロニーがウェルに出現した時点で抗Der
f I 抗体の検出を行い, 陽性であったウェルの細胞につ
いて限界希釈を実施し, ヒポキサンチン0.1mM,チミジ
ン16μM を含むRPMIでの培養期間を経た後,コロニ
ーが出現しているウェルについて抗 Der f I 抗体の検
出を確認後,2回目の限界希釈を実施し, クローニング
を行った。こうして抗 Der f I モノクローナル抗体産
生ハイブリドーマを得た。
【0022】ニ) モノクローナル抗体の産生 クローニングされたモノクローナル抗体産生ハイブリド
ーマはRPMIで増殖させた後, 予め2週間前に0.5ml のプ
リスタンを腹腔に投与したBalb/cマウスの腹腔に,1頭
あたり106 〜107cellsで移植した。約2週間後に溜った
腹水を回収し,これよりモノクローナル抗体を精製し
た。
ーマはRPMIで増殖させた後, 予め2週間前に0.5ml のプ
リスタンを腹腔に投与したBalb/cマウスの腹腔に,1頭
あたり106 〜107cellsで移植した。約2週間後に溜った
腹水を回収し,これよりモノクローナル抗体を精製し
た。
【0023】ホ) モノクローナル抗体の精製 腹水を10,000rpm 20分間遠心して沈殿物を除き,0.3μm
の滅菌フィルター(マイレスク0.3μm ミリポア社)で
濾過した濾液についてLowry 法によりタンパク濃度を測
定した。タンパク量として100 〜150mg 分の濾液を市販
のプロテインGカラムキット(Mab Trap G ファルマシ
ア社)処理し, 吸着画分をPBSに透析し,SDS-PAGE電
気泳動し,CBB 染色でシングルバンドであることを確認
後, 精製モノクローナル抗体とした。
の滅菌フィルター(マイレスク0.3μm ミリポア社)で
濾過した濾液についてLowry 法によりタンパク濃度を測
定した。タンパク量として100 〜150mg 分の濾液を市販
のプロテインGカラムキット(Mab Trap G ファルマシ
ア社)処理し, 吸着画分をPBSに透析し,SDS-PAGE電
気泳動し,CBB 染色でシングルバンドであることを確認
後, 精製モノクローナル抗体とした。
【0024】得られたモノクローナル抗体産生ハイブリ
ドーマセルラインのうち,1種類について通商産業省工
業技術院生命工学工業技術所に寄託した。受託番号は次
の通りである。 寄託者が付した識別のための表示 受託番号 12F1 FERM P-15028 ヘ)酵素標識抗体の作製 上記ホ)で精製した抗体12F1を市販のパーオキシダ
ーゼ標識キット(Immuno-Link TM HRP,Cambridge Re
search Biochemicals 社製)を用い標識した。方法は,
キット添付の使用説明書に従っておこなった。
ドーマセルラインのうち,1種類について通商産業省工
業技術院生命工学工業技術所に寄託した。受託番号は次
の通りである。 寄託者が付した識別のための表示 受託番号 12F1 FERM P-15028 ヘ)酵素標識抗体の作製 上記ホ)で精製した抗体12F1を市販のパーオキシダ
ーゼ標識キット(Immuno-Link TM HRP,Cambridge Re
search Biochemicals 社製)を用い標識した。方法は,
キット添付の使用説明書に従っておこなった。
【0025】実施例2 Der f I の定量 Der f I, Der f II をそれぞれ0〜2000ng/ml の範囲で
各濃度に調製し,その溶液を96穴マイクロタイタープレ
ートに50μlずつ加えて,4℃で一晩放置した。洗浄し
た後,3%BSA溶液にてブロッキングした。ブロッキン
グしたプレートの各ウェルに上記実施例1のホ)で得ら
れた精製抗体12F1のPBS溶液(100μg/ml)を50μl
加え, 37℃にて3時間反応させた。反応後,充分洗浄
し、結合せずに残っている抗体12F1を除去した。次
にヤギ由来パーオキシダーゼ標識抗マウスIgG 抗体を反
応させた。洗浄により余分の酵素標識抗マウス抗体を除
去した。しかる後に,基質である過酸化水素と発色剤で
あるオルトフェニレンジアミンをウェルに加え室温で10
分間反応させた後,2N硫酸で反応を停止し、490nmの
吸光度を測定した。抗 Der f I 抗体12F1は,Der f
II には全く反応せずバックグラウンドと同じ吸光度を
示したのに対し,Der f I に対しては,20ng/ml 以上の
濃度で発色した。定量範囲は,50〜1000ng/ml の範囲で
あった。
各濃度に調製し,その溶液を96穴マイクロタイタープレ
ートに50μlずつ加えて,4℃で一晩放置した。洗浄し
た後,3%BSA溶液にてブロッキングした。ブロッキン
グしたプレートの各ウェルに上記実施例1のホ)で得ら
れた精製抗体12F1のPBS溶液(100μg/ml)を50μl
加え, 37℃にて3時間反応させた。反応後,充分洗浄
し、結合せずに残っている抗体12F1を除去した。次
にヤギ由来パーオキシダーゼ標識抗マウスIgG 抗体を反
応させた。洗浄により余分の酵素標識抗マウス抗体を除
去した。しかる後に,基質である過酸化水素と発色剤で
あるオルトフェニレンジアミンをウェルに加え室温で10
分間反応させた後,2N硫酸で反応を停止し、490nmの
吸光度を測定した。抗 Der f I 抗体12F1は,Der f
II には全く反応せずバックグラウンドと同じ吸光度を
示したのに対し,Der f I に対しては,20ng/ml 以上の
濃度で発色した。定量範囲は,50〜1000ng/ml の範囲で
あった。
【0026】実施例3 Der f I の検出 コナヒョウヒダニ虫体抽出物凍結乾燥標品を1mg/ml と
なるように蒸留水に溶解し,その10μlに倍濃度のSDSサ
ンプルバッファー(1.52g Tris, 20ml グリセリン, 2
g SDS, 2mlの2−メルカプトエタノール, 1mgのブロ
モフェノールブルーを水40mlに溶解させ, 1N塩酸でpH
6.8とし,水で100mlとした)10μlを加え沸騰水浴中で
3分間加熱した。冷却後,16%濃度のアクリルアミドゲ
ル(厚み1mm, TEF Corporation 製)のサンプルウェル
に10μlチャージし,SDS-PAGE用緩衝液中で,18mAの定
電流下で100分間泳動させた。他のウェルには標準品と
して虫体より精製した Der f I 及びIIを同様の処理を
して泳動させた。泳動後,ゲル上の分離した蛋白をPVDF
膜に電気的に転写した。転写したPVDF膜を洗浄しSDS を
除去した後に,3%BSA でブロッキングし,上記実施例
1のヘ)に記載したパーオキシダーゼ標識した抗 Der f
I 抗体(12F1)を加え室温で3時間反応させた。
反応後,反応せずに残っている抗体を洗浄にて除去し
た。その後,基質である過酸化水素及び発色剤である4
−クロロナフトールを加え Der f I の検出を行った。
標準品である Der f I とダニ凍結乾燥標品中の Der f
I の位置にのみバンドが認められたが,標準品 Der f I
I 及びダニ凍結乾燥標品中のDerf II の位置はもちろん
のこと,Der f I 以外の位置にバンドは全く認められな
かった。
なるように蒸留水に溶解し,その10μlに倍濃度のSDSサ
ンプルバッファー(1.52g Tris, 20ml グリセリン, 2
g SDS, 2mlの2−メルカプトエタノール, 1mgのブロ
モフェノールブルーを水40mlに溶解させ, 1N塩酸でpH
6.8とし,水で100mlとした)10μlを加え沸騰水浴中で
3分間加熱した。冷却後,16%濃度のアクリルアミドゲ
ル(厚み1mm, TEF Corporation 製)のサンプルウェル
に10μlチャージし,SDS-PAGE用緩衝液中で,18mAの定
電流下で100分間泳動させた。他のウェルには標準品と
して虫体より精製した Der f I 及びIIを同様の処理を
して泳動させた。泳動後,ゲル上の分離した蛋白をPVDF
膜に電気的に転写した。転写したPVDF膜を洗浄しSDS を
除去した後に,3%BSA でブロッキングし,上記実施例
1のヘ)に記載したパーオキシダーゼ標識した抗 Der f
I 抗体(12F1)を加え室温で3時間反応させた。
反応後,反応せずに残っている抗体を洗浄にて除去し
た。その後,基質である過酸化水素及び発色剤である4
−クロロナフトールを加え Der f I の検出を行った。
標準品である Der f I とダニ凍結乾燥標品中の Der f
I の位置にのみバンドが認められたが,標準品 Der f I
I 及びダニ凍結乾燥標品中のDerf II の位置はもちろん
のこと,Der f I 以外の位置にバンドは全く認められな
かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 結城 敏文 東京都大田区大森北2−13−1 アサヒビ ール株式会社中央研究所内 (72)発明者 奥村 康 東京都大田区大森北2−13−1 アサヒビ ール株式会社中央研究所内
Claims (7)
- 【請求項1】コナヒョウヒダニ (Dermatophagoides far
inae) 由来の抗原 Der f I の部分ペプチドを哺乳類に
免疫して得られる, Der f I を選択的に認識しIgGに
属する抗 Der f I モノクローナル抗体。 - 【請求項2】請求項1記載のモノクローナル抗体を産生
するハイブリドーマセルライン。 - 【請求項3】請求項1記載のモノクローナル抗体を酵
素,蛍光色素,化学発光物質またはラジオアイソトープ
のいずれかもしくはその組み合わせにより標識して得ら
れる標識抗体。 - 【請求項4】請求項1記載のモノクローナル抗体を用い
てダニ抗原またはダニが存在すると考えられる試料中か
ら Der f I を検出あるいは定量する方法。 - 【請求項5】免疫源として使用する Der f I の部分ペ
プチドがN末端から92番目〜110番目のアミノ酸残
基からなる請求項1記載のモノクローナル抗体。 - 【請求項6】請求項5記載のモノクローナル抗体を産生
するハイブリドーマセルライン。 - 【請求項7】12F1(受託番号 FERM P-15028)であ
る請求項6記載のハイブリドーマセルライン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7273699A JP3060159B2 (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | ダニ抗原に対するモノクローナル抗体及びその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7273699A JP3060159B2 (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | ダニ抗原に対するモノクローナル抗体及びその用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0987298A true JPH0987298A (ja) | 1997-03-31 |
JP3060159B2 JP3060159B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=17531328
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7273699A Expired - Fee Related JP3060159B2 (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | ダニ抗原に対するモノクローナル抗体及びその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3060159B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006135071A1 (ja) | 2005-06-17 | 2006-12-21 | Japan Science And Technology Agency | 環境中のアレルゲンの測定方法及び簡易アレルゲン定量キット |
WO2012090582A1 (ja) | 2010-12-28 | 2012-07-05 | サンスター技研株式会社 | 環境中の生物由来アレルゲンの測定方法および生物由来アレルゲン簡易測定キット |
-
1995
- 1995-09-28 JP JP7273699A patent/JP3060159B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006135071A1 (ja) | 2005-06-17 | 2006-12-21 | Japan Science And Technology Agency | 環境中のアレルゲンの測定方法及び簡易アレルゲン定量キット |
US8012708B2 (en) | 2005-06-17 | 2011-09-06 | Japan Science And Technology Agency | Method for determination of allergen in environment and kit for simple quantification of allergen |
WO2012090582A1 (ja) | 2010-12-28 | 2012-07-05 | サンスター技研株式会社 | 環境中の生物由来アレルゲンの測定方法および生物由来アレルゲン簡易測定キット |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3060159B2 (ja) | 2000-07-10 |
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