JPH0987271A - ルイスx/a−C−グリコシド誘導体 - Google Patents

ルイスx/a−C−グリコシド誘導体

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JPH0987271A
JPH0987271A JP20535896A JP20535896A JPH0987271A JP H0987271 A JPH0987271 A JP H0987271A JP 20535896 A JP20535896 A JP 20535896A JP 20535896 A JP20535896 A JP 20535896A JP H0987271 A JPH0987271 A JP H0987271A
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JP
Japan
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group
compound
reaction
fucopyranosyl
galactopyranosyl
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JP20535896A
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English (en)
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Masaharu Hayashi
正治 林
Naoshi Imazaki
尚士 今▲崎▼
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Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】細胞接着阻害活性を有する、ルイスx/a−C
−グリコシド誘導体を提供する。 【解決手段】例えば、式 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炎症、虚血再灌流障
害、自己免疫疾患あるいは癌転移等の原因物質として知
られているルイスx及びルイスa糖鎖類の誘導体、すな
わちルイスx/a−C−グリコシド誘導体に関するもの
である。かかる誘導体は、細胞接着阻害活性を有し、こ
れらの疾患の治療および改善を目的とする医薬として有
用である。
【0002】
【従来の技術】血管内皮細胞に発現する好中球接着分子
であるE−セレクチン、血管内皮細胞及び血小板に発現
する好中球接着分子であるP−セレクチン、及びリンパ
球のホーミングレセプターであるL−セレクチンは、ル
イスx、シアリルルイスx及びシアリルルイスaなどの
糖鎖構造をリガンドとして認識することが知られている
(諸岡茂昭, 医学のあゆみ, 169,108 (1994))。例え
ば、各種の炎症性疾患の発症は、これらのセレクチンと
リガンドの結合を介した相互作用から開始することか
ら、このような接着を阻害する物質は抗炎症薬となるの
ではないかと予想されている(M. P. Bevilacqua等, Th
rombosis Haemostasis, 70, 152 (1993))。従って、糖
鎖誘導体はこれらセレクチンの関与する疾患への適応が
期待され、糖鎖の治療薬への応用が試みられている。イ
ンビボ病態モデルでも、IgG免疫複合体(M. S. Mull
igan 等, J. Exp. Med., 178, 623 (1993) )やコブラ
毒素による肺障害(M. S. Mulligan 等, Nature, 364,
149 (1993) )また心臓虚血後の再灌流障害(D.Lefer
等, J. Clin. Invest., 93, 1140 (1994) )がルイスx
誘導体により改善されていることも報告されている。よ
って、ルイスx類縁体を鍵化合物とした各種誘導体合成
研究を行ない、より優れた活性を有する誘導体を見い出
すことは、各種疾患の治療薬を創製する上で極めて重要
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
誘導体研究は還元末端部がO−グリコシドに関するもの
でしかなされていない。一方、各種疾患の治療薬を創製
する上で生体内での安定性を改善することを目的とし
て、化学的、及び生理学的により安定と考えられる誘導
体に関する研究成果の報告が、待望されている。本発明
の目的は、化学的、及び生理学的により安定なルイスx
/a−C−グリコシド誘導体、およびそれを有効成分と
してを含む医薬組成物ならびにそれらの用途を世に提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、(α−L
−フコピラノシル)−(1→3)−O−〔(β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→4)−O〕−(1,2−ジ
デオキシ−1α−アルキル−D−アラビノヘキソピラノ
ース)誘導体または(α−L−フコピラノシル)−(1
→4)−O−〔(β−D−ガラクトピラノシル)−(1
→3)−O〕−(1,2−ジデオキシ−1α−アルキル
−D−アラビノヘキソピラノース)誘導体が、セレクチ
ンと好中球との接着を阻害することを見い出し、本発明
を完成するに至った。すなわち本発明は、一般式
【化2】 〔式中、R1 はC1-C18アルキル基またはフェニルC1-
12アルキル基である。R2 は水素原子,水酸基または
式NHCOXで表されるアシルアミノ基である。式NH
COX中、XはC1-C6 アルキル基、置換もしくは無置
換のアリ−ル基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基
またはアリ−ル基もしくは芳香族複素環基を末端に有す
るC1-C6 アルキル基である。R2 が水素原子または式
NHCOXで表されるアシルアミノ基であるとき、R3
とR4 は互いに異なり、D−ガラクトピラノシル基、L
−フコピラノシル基または水素原子である。R2 が水酸
基であるとき、R3 はD−ガラクトピラノシル基であり
かつR4 はL−フコピラノシル基または水素原子である
か、R3 はL−フコピラノシル基でありかつR4 はD−
ガラクトピラノシル基または水素原子であるか、あるい
はR3 は水素原子でありかつR4 はL−フコピラノシル
基である。〕で表されるC−グリコシド誘導体に関す
る。
【0005】本発明における置換基を、以下に説明す
る。上記式中のR1 におけるC1-C18アルキル基とは、
炭素数1〜18個からなる直鎖状ないしは分枝状のアル
キル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、2−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、
3−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n
−ヘキシル基、n−ヘプチル基、4−ヘプチル基、n−
オクチル基、n−ノニル基、5−ノニル基、n−デシル
基、n−ウンデシル基、6−ウンデシル基、n−ドデシ
ル基、n−トリデシル基、7−トリデシル基、n−テト
ラデシル基、n−ペンタデシル基、8−ペンタデシル
基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、9−ヘ
プタデシル基、n−オクタデシル基等が挙げられる。ま
た、R1 におけるフェニルC1-C12アルキル基とは、末
端にフェニル基を有する炭素数1〜12個からなる直鎖
状ないしは分枝状のアルキル基であり、具体的には、ベ
ンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニ
ルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル
基、フェニルヘプチル基、フェニルオクチル基、フェニ
ルノニル基、フェニルデシル基、フェニルウンデシル
基、フェニルドデシル基等を挙げることができる。
【0006】XにおけるC1-C6 アルキル基とは、炭素
数1〜6個からなる直鎖状ないしは分枝状のアルキル基
であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
2−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、3−ペ
ンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキ
シル基等が挙げられる。また、Xにおけるアリ−ル基と
は、五員単環式、六員単環式、六員環と五員環が縮合し
た縮合多環式、あるいは六員環どうしが縮合した縮合多
環式の芳香環炭化水素基を意味する。すなわち、例えば
フェニル基等の単環式芳香族炭化水素基、例えばナフチ
ル基、アントラセニル基(アンスリル基)、フェナンス
レニル基等の縮合多環式芳香族炭化水素基を表す。Xに
おける芳香族複素環基とは、酸素原子、硫黄原子または
窒素原子を一つあるいは二つ含む五員単環式、六員単環
式、六員環と五員環が縮合した縮合多環式、あるいは六
員環どうしが縮合した縮合多環式の芳香族複素環基を表
す。すなわち、例えばフリル基、チエニル基、ピリジル
基、ピラジニル基、ベンゾ〔b〕フラニル基、ベンゾ
〔c〕フラニル基、ベンゾ〔b〕チエニル基、ベンゾ
〔c〕チエニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、
キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、
ナフチリジニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基等
が挙げられる。基を形成するにあたっての結合枝の位置
は、取り得る全ての位置より任意に選択することができ
る。
【0007】また、Xにおける置換アリール基、置換芳
香族複素環基は、以下に述べる置換基のうち1ないし数
種を、1ないし複数個、芳香環上に有している。かかる
置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、トリフルオ
ロメチル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、n−ペンチル基、3−ペンチル基、イソペ
ンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプ
チル基、4−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル
基、5−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、
6−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル
基、7−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペン
タデシル基、8−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル
基、n−ヘプタデシル基、9−ヘプタデシル基、n−オ
クタデシル基等の炭素数1〜18個の直鎖状もしくは分
枝状アルキル基、例えばシクロプロピル基、シクロブチ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘ
プチル基、シクロオクチル基、(4−シクロヘキシル)
シクロヘキシル基等の炭素数1〜18個のシクロアルキ
ル基、フェニル基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチル
オキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ
基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オク
チルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウン
デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ
基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘ
キサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデ
シルオキシ基等の炭素数1〜18個の直鎖状ないしは分
枝状アルコキシ基またはシクロアルコシキ基、フェノキ
シ基、ベンジルオキシ基、(置換ベンジル)オキシ基、
アミノ基、ベンジルアミノ基、(置換ベンジル)アミノ
基、炭素数1〜18個の直鎖状ないしは分枝状モノアル
キルアミノ基またはモノシクロアルキルアミノ基、各々
のアルキル鎖が炭素数1〜18個のジアルキルアミノ基
またはジシクロアルキルアミノ基、炭素数1〜18個の
直鎖状ないしは分枝状アルキル基および炭素数1〜18
個ののシクロアルキル基を有するアミノ基、アルキル鎖
の炭素数が1〜18個の直鎖状ないしは分枝状アルキル
ベンジルアミノ基、アルキル鎖の炭素数が1〜18個の
シクロアルキルベンジルアミノ基、例えばアセチルアミ
ノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、バレ
リルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、シクロペンタン
カルボキサミド基、ヘキサノイルアミノ基、シクロヘキ
サンカルボキサミド基、ヘプタノイルアミノ基、オクタ
ノイルアミノ基、ノナノイルアミノ基、デカノイルアミ
ノ基、ウンデカノイルアミノ基、ドデカノイルアミノ
基、トリデカノイルアミノ基、テトラデカノイルアミノ
基、ペンタデカノイルアミノ基、ヘキサデカノイルアミ
ノ基、ヘプタデカノイルアミノ基、オクタデカノイルア
ミノ基等の炭素数1〜18個の直鎖状ないしは分枝状ア
ルカノイルアミノ基(アルキルカルボキサミド基)また
はシクロアルカノイル基(シクロアルキルカルボキサミ
ド基)、例えばベンゾイルアミノ基、ナフトイルアミノ
基等の炭素数1〜10個のアロイルアミノ基、カルボキ
シル基、例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモ
イル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル
基、ペンチルカルバモイル基、シクロペンチルカルバモ
イル基、ヘキシルカルバモイル基、シクロヘキシルカル
バモイル基、ヘプチルカルバモイル基、オクチルカルバ
モイル基、ノニルカルバモイル基、デシルカルバモイル
基、ウンデシルカルバモイル基、ドデシルカルバモイル
基、トリデシルカルバモイル基、テトラデシルカルバモ
イル基、ペンタデシルカルバモイル基、ヘキサデシルカ
ルバモイル基、ヘプタデシルカルバモイル基、オクタデ
シルカルバモイル基等のアルキル部分の炭素数が1〜1
8個の直鎖状ないしは分枝状アルキルカルバモイル基
(アルキルアミノカルボニル基)またはシクロアルキル
カルバモイル基、アリールカルバモイル基、炭素数が1
〜18個の直鎖状ないしは分枝状アルキルチオ基または
シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、炭素数が1〜
18個の直鎖状ないしは分枝状アルキルスルホニル基ま
たはシクロアルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0008】さらには、Xにおけるアリ−ル基を末端に
有するC1-C6 アルキル基とは、例えば、フェニルC1-
6 アルキル基、すなわち、末端にフェニル基を有する
炭素数1〜6個からなる直鎖状ないしは分枝状のアルキ
ル基であり、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、
フェニルプロピル基、フェニルブチル基等を挙げること
ができる。Xにおける芳香族複素環基を末端に有するC
1-C6 アルキル基とは末端に芳香族複素環基を有する炭
素数1〜6個からなる直鎖状ないしは分枝状のアルキル
基である。
【0009】本発明化合物の具体例を以下に例示する。 ・(α−L−フコピラノシル)−(1→3)−O−
〔(β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O〕
−(1,2−ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビ
ノヘキソピラノース) ・(α−L−フコピラノシル)−(1→4)−O−
〔(β−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O〕
−(1,2−ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビ
ノヘキソピラノース) ・(α−L−フコピラノシル)−(1→3)−O−
(1,2−ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビノ
ヘキソピラノース) ・(α−L−フコピラノシル)−(1→4)−O−
(1,2−ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビノ
ヘキソピラノース) ・(β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O−
(1,2−ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビノ
ヘキソピラノース) ・(β−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O−
(1,2−ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビノ
ヘキソピラノース) ・(α−L−フコピラノシル)−(1→3)−O−
〔(β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O〕
−(1α−プロピル−D−アラビノヘキソピラノース) ・(α−L−フコピラノシル)−(1→4)−O−
〔(β−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O〕
−(2−アセタミド−2−デオキシ−1α−プロピル−
D−アラビノヘキソピラノース)
【0010】本発明化合物(1)は、化合物(2)よ
り、以下に記載する方法によって製造することができ
る。 〔スキームA〕
【化3】
【化4】
【化5】 〔式中、R1 およびR2 は前述と同意義を示す。R5
1-C18アルキル基、フェニルC1-C12アルキル基、C
2-C18アルケニル基、フェニルC2-C12アルケニル基、
2-C18アルキニル基またはフェニルC2-C12アルキニ
ル基である。R6はフェニル基または置換フェニル基で
ある。R7 およびR9 は、C1-C6 アルカノイル基、ア
ロイル基、ベンジル基または置換ベンジル基である。R
8 はベンジル基または置換ベンジル基である。R10およ
びR11は、水素原子、C1-C6 アルカノイル基またはア
ロイル基である。R12は水素原子、式NHCOXで表さ
れるアシルアミノ基、あるいは式OR13で表される保護
された水酸基である。式NHCOX中、Xは前述と同意
義を示す。R13、R14およびR15は、C1-C6 アルカノ
イル基またはアロイル基である。R18は、水素原子、式
NHCOXで表されるアシルアミノ基、フタルイミド基
あるいは水酸基である。R19は、水素原子、式NHCO
Xで表されるアシルアミノ基、フタルイミド基、水酸基
あるいは式OR20で表される保護された水酸基である。
式OR20中、R20はC1-C6 アルカノイル基またはアロ
イル基である。R21は水素原子、式NHCOXで表され
るアシルアミノ基、水酸基あるいは式OR20で表される
保護された水酸基である。Z1 およびZ2 は脱離基であ
る。〕
【0011】(A−1工程)化合物(2)を、ルイス酸
もしくは金属塩の存在下、脱離基Z1 を有する化合物
(3)と反応させることにより、グリコシデーション成
績体(4)を製造することができる。反応に用いるルイ
ス酸もしくは金属塩としては、トリメチルシリルトリフ
ルオロメタンスルフォネート(TMSトリフラート)、
銀トリフラート、スズトリフラート、メチルトリフラー
ト、無水トリフラート、過塩素酸トリチル、四フッ化珪
素、塩化トリメチルシラン、臭化トリメチルシラン、ヨ
ウ化トリメチルシラン、エーテル性三フッ化ホウ素、塩
化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化第一スズ、臭化第
一スズ、ヨウ化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第二ス
ズ、ヨウ化第二スズ、四塩化チタン、四臭化チタン、四
ヨウ化チタン、塩化第二鉄、臭化第二鉄、ヨウ化第二
鉄、塩化第二銅、臭化第二銅、塩化アルミニウム、臭化
アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化第二水銀、臭
化第二水銀、ヨウ化第二水銀、シアン化第二水銀、酸化
水銀、酸化銀、炭酸銀、過塩素酸銀、塩化第一銀、臭化
第一銀、ヨウ化第一銀、ケイ酸銀、四フッ化ホウ素酸
銀、銀ゼオライトなどが挙げられ、必要に応じてこれら
を組み合わせて用いることもできる。(例えば、第4版
実験化学講座、26巻、有機合成VII 、267 〜354 頁、日
本化学会編(1992)を参照のこと。) 反応は溶媒中で行うのが好ましく、用いる溶媒としては
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエ
タン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレ
ン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、ベ
ンゼン、トルエン、クロロベンゼンなどの芳香族系溶
媒、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系
溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセ
トアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロ
メタン、ニトロエタン、ニトロプロパンなどの極性非プ
ロトン性溶媒、もしくはアセトンなどが挙げられる。こ
れらは単独もしくは混合溶媒として使用される。反応に
伴って系内に生成する酸の補捉剤として、反応系内に
N,N,N' ,N' −テトラメチルウレア、ピリジン、
2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2,6−ルチジン、
2,4,6−コリジン、トリエチルアミンあるいはモレ
キュラーシーブス(MS3A,MS4AあるいはMS5
A)などを共存させてもよい。
【0012】反応は無水の条件下で行うことが望まし
く、従って、溶媒、試薬、基質、反応容器などについ
て、できる限り水分を除去したほうがよい。場合によ
り、水分除去のため、反応系内にモレキュラーシーブス
(MS3A,MS4AあるいはMS5A)または無水硫
酸カルシウムなどの脱水剤を共存させてもよい。また、
銀塩を用いる反応は、光を遮断して行ったほうがよい。
反応温度は−70℃から100℃、好ましくは−20℃
から60℃(もしくは溶媒の沸点)の範囲で選ばれる。
反応時間は主に反応温度、使用される原料化合物、試
剤、溶媒などにより左右されるが、通常1時間から5日
間である。ちなみに本反応で用いる化合物(3)上の脱
離基Z1 としては、例えばアルキルチオ基、フェニルチ
オ基、ピリジルチオ基、フェニルスルフェニル基、フェ
ニルセレニル基、イミデート基(R. R. Schmidt 等, Te
trahedron. Lett., 32, 3353 (1991) ) 、ジアルキルホ
スホリル基、あるいはジフェニルホスホリル基などを挙
げることができる。これらは、2,3,4−トリ−O−
保護−L−フコピラノース、アルキル 2,3,4−ト
リ−O−保護−L−フコピラノシド、あるいは1−O−
アシル−2,3,4−トリ−O−保護−L−フコピラノ
ースを用い、常法によって製造することができる。(例
えば、第4版実験化学講座、26巻、有機合成VII 、267
〜354 頁、日本化学会編(1992)を参照のこと。) なお化合物(2)におけるR2 が水酸基である場合で
も、これを保護することなく本グリコシル化反応を行
い、生成した2種の位置異性体を分離、精製することに
より、目的とする3位−グリコシデーション成績体を製
造することができる。本グリコシル化反応において、化
合物(3)上の2位水酸基保護基としてエーテル系保護
基あるいはアシル系保護基を適宜使い分けることによ
り、隣接基関与によるα−あるいはβ−選択的なグリコ
シル化反応を行うこともできる。尚、R18が水酸基であ
る場合にはA−2工程に先駆けて、この水酸基のアシル
化を行うことにより予め保護基を導入をしておくのが好
ましい。かかる水酸基のアシル化は、塩基の存在下、ア
シル化剤と反応させることにより、行うことができる。
アシル化剤としては、相当するカルボン酸ハライド、カ
ルボン酸無水物等を用いることができる。ハライドのハ
ロゲン原子としては塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ
る。塩基としては、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなど
の炭酸塩、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの水
酸化物、重炭酸ナトリウムや重炭酸カリウムなどの重炭
酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウ
ム、あるいはトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピ
ルエチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、1,8
−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン(DBU)
などの有機塩基等を用いることができる。反応は溶媒中
で行うのが好ましく、溶媒としては塩化メチレン、1,
2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオ
キサンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、ク
ロロベンゼンなどの芳香族系溶媒、ヘキサン、シクロヘ
キサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)、アセトニトリルなどの極性非プ
ロトン性溶媒などが挙げられる。これらは単独もしくは
混合溶媒として使用される。反応温度は−70℃から1
00℃、好ましくは0℃から60℃(もしくは溶媒の沸
点)の範囲で選ばれる。反応時間は主に反応温度、使用
される原料化合物、試剤、溶媒等により左右されるが、
通常1時間から2日間である。
【0013】(A−2工程)上記の方法により得られた
化合物(4)に対し、位置選択的な還元的開裂反応を行
うことにより、化合物(5)を得ることができる。反応
に用いる還元剤としては、シアノ水素化ほう素ナトリウ
ム、ボラン−トリエチルアミン錯塩、水素化リチウムア
ルミニウムなどが挙げられ(P. J. Garegg等, Carbohyd
ro. Res., 108, 97 (1982), P. Fugedi 等,ibid., 104,
55 (1982), P. J. Garegg 等, J. Carbohydr. Chem.,
2, 305 (1983) )、必要に応じてこれらを組み合わせて
用いることもできる。反応は酸の存在下で行うのが好ま
しく、用いる酸としては塩酸や、例えば塩化アルミニウ
ム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウムなどのルイ
ス酸が挙げられ、必要に応じてこれらを組み合わせて用
いることもできる。より温和な酸性条件下を提供する方
法としては、例えば塩化トリメチルシランと酢酸を用い
系中で塩酸を生じる手法を挙げることもできる。反応は
溶媒中で行うのが好ましく、用いる溶媒としては前記A
−1工程において例示したものが挙げられ、特にテトラ
ヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、
ジオキサンなどのエーテル系溶媒が好ましい。これらは
単独もしくは混合溶媒として使用される。
【0014】反応温度は−70℃から100℃、好まし
くは−20℃から60℃(もしくは溶媒の沸点)の範囲
で選ばれる。反応時間は主に反応温度、使用される原料
化合物、試剤、溶媒などにより左右されるが、通常1時
間から2日間である。
【0015】(A−3工程)上記の方法により得られた
化合物(5)を、ルイス酸もしくは金属塩の存在下、脱
離基Z2 を有する化合物(6)とA−1工程と同様の方
法で反応させることにより、グリコシデーション成績体
(7)を製造することができる。ちなみに本反応で用い
る化合物(6)上の脱離基Z2 としては、例えばアルキ
ルチオ基、フェニルチオ基、ピリジルチオ基、フェニル
スルフェニル基、フェニルセレニル基、イミデート基
(R. R. Schmidt 等, Tetrahedron. Lett., 32, 3353
(1991) ) 、ジアルキルホスホリル基、あるいはジフェ
ニルホスホリル基などを挙げることができる。これら
は、2,3,4,6−テトラ−O−保護−D−ガラクト
ピラノース、アルキル 2,3,4,6−テトラ−O−
保護−D−ガラクトピラノシド、あるいは1−O−アシ
ル−2,3,4,6−テトラ−O−保護−D−ガラクト
ピラノースを用い、常法によって製造することができ
る。(例えば、第4版実験化学講座、26巻、有機合成VI
I 、267 〜354 頁、日本化学会編(1992)を参照のこ
と。) 本グリコシル化反応において、化合物(6)上の2位水
酸基保護基としてエーテル系保護基あるいはアシル系保
護基を適宜使い分けることにより、隣接基関与によるα
−あるいはβ−選択的なグリコシル化反応を行うことも
できる。なお、化合物(7)のR19がフタルイミド基で
ある場合にはA−4工程に先駆けて、フタルイミド基を
脱保護し得られたアミノ基のアシル化を行うことによ
り、式NHCOX(Xは前述と同意義を示す)で表され
るアシルアミノ基へ予め変換しておくことが好ましい。
かかるフタルイミド基の脱保護反応は、例えばヒドラジ
ンやメチルアミンを用いて行うことができる(例えば、
Protective Groups in Organic Synthesis (T.W. Gree
n, P. G. M. Wuts共著、第2版、John Wiley & Sons, I
nc. (1991)) の35〜359 頁を参照のこと。) また、かかるアミノ基のアシル化は、前記のXで表され
る置換基を含むアシル化剤を用いて、A−1工程に記載
したアシル化と同様の方法で行うことができる。
【0016】(A−4工程)上記の方法により得られた
化合物(7)は、パラジウム炭素の存在下、水素添加を
行うことにより容易に脱保護を行うことができ、化合物
(8)を得ることができる。更にR5 がアルケニル基や
アルキニル基を含む場合にも、本工程において水素添加
を行うことにより、容易に相当するアルキル基へと変換
することができる。パラジウム炭素の使用量は触媒量で
よく、通常は0.001〜1当量用いる。また、水素供
給源としては、例えば水素分子、ギ酸、ギ酸アンモニウ
ム、シクロヘキセン、1,4−シクロヘキサジエン、シ
ス−デカリン等を挙げることができる。あるいは、
7 、R8 およびR9 がともに4−メトキシベンジル基
でありかつR5 がアルキル基である場合には、例えば硝
酸セリウムアンモニウム(CAN)あるいはジクロロジ
シアノキノン(DDQ)を用いても脱保護を行うことが
でき、化合物(8)を得ることができる。いずれの反応
も溶媒中で行うのが好ましく、溶媒としてはメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど
のアルコール系溶媒あるいは塩化メチレン、1,2−ジ
クロロエタンなどのハロゲン系溶媒が挙げられる。これ
らは単独もしくは混合溶媒として使用される。反応温度
は−70℃から100℃、好ましくは0℃から60℃
(もしくは溶媒の沸点)の範囲で選ばれる。反応時間は
主に反応温度、使用される原料化合物、試剤、溶媒等に
より左右されるが、通常1時間から2日間である。
【0017】(A−5工程)上記で得られた化合物
(8)の水酸基を、必要に応じて保護することにより、
化合物(9)を製造することができる。塩基の存在下で
保護基を導入する場合の親電子剤としては、カルボン酸
ハライド、カルボン酸無水物、ハロギ酸エステル、ピロ
カーボネート、スルホン酸ハライド、あるいはスルホン
酸無水物等を用いることができる。ハライドのハロゲン
原子としては塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。塩
基としては、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどの炭酸
塩、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの水酸化
物、重炭酸ナトリウムや重炭酸カリウムなどの重炭酸
塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、
あるいはトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエ
チルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、1,8−ジ
アザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン(DBU)、ヘ
キサメチルジシラザンリチウムなどの有機塩基等を用い
ることができる。中性条件下で反応せしめる場合の親電
子剤としては、イソシアネート、イソチオシアネート等
を用いることができる。縮合剤共存下で反応せしめる場
合の親電子剤としては、カルボン酸、スルホン酸、チオ
カルボン酸等を用いることができる。縮合剤としては、
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプ
ロピルカルボジイミド(DIPC)、N−エチル−N’
−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSC
I)およびその塩酸塩(WSC・HCl)、ベンゾトリ
アゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ニウムヘキサフルオロリン化物塩(BOP)、ジフェニ
ルホスホリルアジド(DPPA)等を用いることができ
る。これらは単独で、あるいはN−ヒドロキシスクシン
イミド(HONSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール(HOBt)、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,
4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOO
bt)等と組み合わせて用いる。反応は溶媒中で行うの
が好ましく、溶媒としては前記A−1工程において例示
したものが挙げられ、特に塩化メチレン、1,2−ジク
ロロエタンなどのハロゲン系溶媒が好ましい。これらは
単独もしくは混合溶媒として使用される。反応温度は−
70℃から100℃、好ましくは0℃から60℃(もし
くは溶媒の沸点)の範囲で選ばれる。反応時間は主に反
応温度、使用される原料化合物、試剤、溶媒等により左
右されるが、通常1時間から2日間である。なお、本工
程は化合物(8)の精製を目的とする工程である。それ
故、化合物(8)の精製が本工程を行う以外に他の精製
方法を用いることにより可能である場合には、本工程を
何ら行う必要はなく、先のA−4工程に引き続き、次な
るA−6工程を行うことも可能である。
【0018】(A−6工程)上記で得られた化合物
(9)を、溶媒中、塩基性条件下で加水分解することに
より、本発明化合物(1)を製造することができる。塩
基としては、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどの炭酸
塩、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの水酸化
物、重炭酸ナトリウムや重炭酸カリウムなどの重炭酸
塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、
あるいはトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエ
チルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、1,8−ジ
アザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン(DBU)、ヘ
キサメチルジシラザンリチウム、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシドなどの有機塩基等を用いるこ
とができる。反応は溶媒中で行うのが好ましく、溶媒と
してはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノールなどのアルコール系溶媒、水、ベンゼン、ト
ルエン、クロロベンゼンなどの芳香族系溶媒、塩化メチ
レン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒な
どが挙げられる。これらは単独もしくは混合溶媒として
使用される。反応温度は−70℃から100℃、好まし
くは0℃から60℃(もしくは溶媒の沸点)の範囲で選
ばれる。反応時間は主に反応温度、使用される原料化合
物、試剤、溶媒等により左右されるが、通常1時間から
2日間である。
【0019】本スキームAにおける置換基を、以下に説
明する。式中のR5 におけるC2-C18アルケニル基と
は、炭素数2〜18個からなる直鎖状ないしは分枝状の
アルケニル基であり、具体的には、ビニル基、アリル基
等が挙げられる。R5 におけるフェニルC2-C12アルケ
ニル基とは末端にフェニル基を有する、炭素数2〜12
個からなる直鎖状ないしは分枝状のアルケニル基であ
り、具体的には、フェニルビニル基、3−フェニルアリ
ル基等が挙げられる。R5 におけるC2-C18アルキニル
基とは、炭素数2〜18個からなる直鎖状ないしは分枝
状のアルキニル基であり、具体的には、エチリル基、1
−プロピリル基等が挙げられる。R5 におけるフェニル
2-C12アルキニル基とは末端にフェニル基を有する、
炭素数2〜12個からなる直鎖状ないしは分枝状のアル
キニル基であり、具体的には、フェニルエチリル基等が
挙げられる。また、R7 、R9 、R10、R11、R13、R
14、R15およびR20におけるC1-C6 アルカノイル基と
は、炭素数1〜6個からなる直鎖状あるいは分枝状アル
キルカルボニル基、もしくはシクロアルカンカルボニル
基である。具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル
基、イソバレリル基、ピバロイル基、ペンタノイル基、
イソペンタノイル基、ネオペンタノイル基、ヘキサノイ
ル基、シクロペンタンカルボニル基等が挙げられる。R
7 、R9 、R10、R11、R13、R14、R15およびR20
おけるアロイル基とは、アリールカルボニル基と同意義
であり、具体的には、ベンゾイル基、ナフトイル基等を
挙げることができる。R7 、R8 およびR9 における置
換ベンジル基とは、パラ位に置換基を有するベンジル基
であり、具体的には、パラ−メトキシベンジル基やパラ
−メチルベンジル基等が挙げられる。また、R6 におけ
る置換フェニル基とは、パラ位に置換基を有するフェニ
ル基であり、具体的には、パラ−メトキシフェニル基や
パラ−トリル基等が挙げられる。
【0020】本発明化合物のうち、R3 がL−フコピラ
ノシル基であり、R4 が水素原子である化合物も、以上
に記載したスキームAと同様の方法によって化合物
(2)より、製造することができる。但し、かかる化合
物を製造するためには、A−3工程を省略して、続くA
−4、A−5、A−6工程を行うことが望ましい。本発
明化合物のうち、R3 が水素原子であり、R4 がD−ガ
ラクトピラノシル基である化合物も、以上に記載したス
キームAと同様の方法によって化合物(2)より、製造
することができる。但し、かかる化合物を製造するため
には、A−1工程におけるグリコシル化に代えて、化合
物(2)の水酸基上に予め保護基を導入しておくのが好
ましい。かかる水酸基上へ導入する保護基としては、C
1-C6 アルカノイル基、アロイル基、ベンジル基または
置換ベンジル基が好ましく、これらはA−5工程と同様
の方法によって導入することができる。本発明化合物
(10)は、化合物(2)より、以下に記載する方法に
よって製造することができる。
【0021】〔スキームB〕
【化6】
【化7】
【化8】 〔式中、R1 、R2 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9
10、R11、R12、R13、R14、R15、R18、R19、R
21、Z1 およびZ2 は前述と同意義を示す。〕
【0022】(B−1工程)化合物(2)を、ルイス酸
もしくは金属塩の存在下、脱離基Z2 を有する化合物
(6)とA−3工程と同様の方法で反応させることによ
り、グリコシデーション成績体(11)を製造すること
ができる。なお化合物(2)におけるR18が水酸基であ
る場合でも、これを保護することなく本グリコシル化反
応を行い、生成した2種の位置異性体を分離、精製する
ことにより、目的とする3位−グリコシデーション成績
体を製造することができる。尚、R18が水酸基である場
合にはB−2工程に先駆けて、この水酸基のアシル化を
行うことにより予め保護基を導入しておくのが好まし
い。かかる水酸基のアシル化は、A−1工程に記載した
アシル化と同様の方法で行うことができる。
【0023】(B−2工程)上記の方法により得られた
化合物(11)に対し、A−2工程と同様の方法で位置
選択的な還元的開裂反応を行うことにより、化合物(1
2)を得ることができる。
【0024】(B−3工程)上記の方法により得られた
化合物(12)を、ルイス酸もしくは金属塩の存在下、
脱離基Z1 を有する化合物(3)とA−1工程と同様の
方法で反応させることにより、グリコシデーション成績
体(13)を製造することができる。尚、化合物(1
3)のR19がフタルイミド基である場合にはB−4工程
に先駆けて、フタルイミド基を脱保護し得られたアミノ
基のアシル化を行うことにより、式NHCOX(Xは前
述と同意義を示す)で表されるアシルアミノ基へ予め変
換しておくことが好ましい。かかるフタルイミド基の脱
保護反応およびかかるアミノ基のアシル化は、A−3工
程に記載した方法と同様の方法で行うことができる。
【0025】(B−4工程)上記の方法により得られた
化合物(13)を、パラジウム炭素の存在下、A−4工
程と同様の方法で水素添加を行うことにより容易に脱保
護を行うことができ、化合物(14)を得ることができ
る。更にR5 がアルケニル基やアルキニル基を含む場合
にも、本工程において水素添加を行うことにより、容易
に相当するアルキル基へと変換することができる。ある
いは、R7 、R8 およびR9 がともに4−メトキシベン
ジル基でありかつR5 がアルキル基である場合には、例
えばA−4工程と同様の方法で硝酸セリウムアンモニウ
ム(CAN)あるいはジクロロジシアノキノン(DD
Q)を用いても脱保護を行うことができ、化合物(1
4)を得ることができる。
【0026】(B−5工程)上記で得られた化合物(1
4)の水酸基を、必要に応じてA−5工程と同様の方法
で保護することにより、化合物(15)を製造すること
ができる。なお、本工程は化合物(14)の精製を目的
とする工程である。それ故、化合物(14)の精製が本
工程を行う以外に他の精製方法を用いることにより可能
である場合には、本工程を何ら行う必要はなく、先のB
−4工程に引き続き、次なるB−6工程を行うことも可
能である。
【0027】(B−6工程)上記で得られた化合物(1
5)を、A−5工程と同様の方法で、溶媒中、塩基性条
件下で加水分解することにより、本発明化合物(10)
を製造することができる。本発明化合物のうち、R3
D−ガラクトピラノシル基であり、R4 が水素原子であ
る化合物も、以上に記載したスキームBと同様の方法に
よって化合物(2)より、製造することができる。但
し、かかる化合物を製造するためには、B−3工程を省
略して、続くB−4、B−5、B−6工程を行うことが
望ましい。本発明化合物のうち、R3 が水素原子であ
り、R4 がL−フコピラノシル基である化合物も、以上
に記載したスキームBと同様の方法によって化合物
(2)より製造することができる。但し、かかる化合物
を製造するためには、B−1工程におけるグリコシル化
に代えて、化合物(2)の3位水酸基上に予め保護基を
導入しておくのが好ましい。かかる水酸基上へ導入する
保護基としては、C1-C6アルカノイル基、アロイル
基、ベンジル基または置換ベンジル基が好ましく、これ
らはB−5工程と同様の方法によって導入することがで
きる。
【0028】ところで、スキームAおよびBで用いる原
料化合物(2)は、以下に記載する方法によって製造す
ることができる。 〔スキームC〕
【化9】
【化10】 〔式中、R2 、R5 、R18は前述と同意義を示す。R16
は水素原子、式NHCOXで表されるアシルアミノ基、
フタルイミド基、または式OR17で表される保護された
水酸基である。式NHCOX中のXは前述と同意義を示
す。R17はC1-C6 アルカノイル基、アロイル基、ベン
ジル基または置換ベンジル基である。Z3は脱離基であ
る。〕
【0029】(C−1工程)脱離基Z3 を有する化合物
(16)を、ルイス酸もしくは金属塩の存在下、炭素求
核剤と反応させることにより、C−グリコシデーション
成績体(17)を製造することができる。化合物(1
6)上の脱離基Z3 としては、ハロゲン原子、置換水酸
基、置換スルフィド基等が挙げられる。ハロゲン原子と
して具体的には、塩素、臭素、フッ素等が挙げられる。
置換水酸基として具体的には、アセチルオキシ基、ベン
ゾイルオキシ基、パラ−ニトロベンゾイルオキシ基、イ
ミデート基、メトキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げら
れる。置換スルフィド基として具体的には、アルキルチ
オ基、フェニルチオ基、ピリジルチオ基等が挙げられ
る。更には、フェニルスルフェニル基、フェニルセレニ
ル基、ジアルキルホスホリル基あるいはジフェニルホス
ホニル基等も、脱離基Z3 として挙げることができる。
(Studies in Natural Products Chemistry, Vol.10, 3
37〜403, Elsevier Science Publishers (1992), M.
H. D. Postema, Tetrahedron, Vol.48, 8545 〜8599,
(1992)) なお、本反応で用いる、脱離基Z3 を有する化合物(1
6)は、3,4,6−トリ−O−保護−2−デオキシ−
D−グルコース、アルキル 3,4,6−トリ−O−保
護−2−デオキシ−D−グリコシド、1−O−アシル−
3,4,6−トリ−O−保護−2−デオキシ−D−グル
コース、2,3,4,6−テトラ−O−保護−D−グリ
コース、アルキル 2,3,4,6−テトラ−O−保護
−D−グリコシド、1−O−アシル−2,3,4,6−
テトラ−O−保護−D−グリコースを用い、常法によっ
て製造することができる(例えば、第4版実験化学講
座、26巻、有機合成VII 、267 〜354 頁、日本化学会編
(1992) を参照のこと)。反応に用いる炭素求核剤とし
ては、前記のR5 で表される置換基を含むグリニヤード
試薬、アルケニルシラン化合物、アルケニルチン化合物
あるいはアルキニルメタル化合物等が挙げられる。反応
に用いるルイス酸もしくは金属塩としては、トリメチル
シリルトリフルオロメタンスルフォネート(TMSトリ
フラート)、銀トリフラート、スズトリフラート、メチ
ルトリフラート、無水トリフラート、過塩素酸トリチ
ル、四フッ化珪素、塩化トリメチルシラン、臭化トリメ
チルシラン、ヨウ化トリメチルシラン、エーテル性三フ
ッ化ホウ素、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化第
一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ、塩化第二ス
ズ、臭化第二スズ、ヨウ化第二スズ、四塩化チタン、四
臭化チタン、四ヨウ化チタン、塩化第二鉄、臭化第二
鉄、ヨウ化第二鉄、塩化第二銅、臭化第二銅、塩化アル
ミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩
化第二水銀、臭化第二水銀、ヨウ化第二水銀、シアン化
第二水銀、酸化水銀、酸化銀、炭酸銀、過塩素酸銀、塩
化第一銀、臭化第一銀、ヨウ化第一銀、ケイ酸銀、四フ
ッ化ホウ素酸銀、銀ゼオライトなどが挙げられ、必要に
応じてこれらを組み合わせて用いることもできる。(例
えば、第4版実験化学講座、26巻、有機合成VII 、267
〜354 頁、日本化学会編(1992)を参照のこと。) なお、化合物(16)のR16がアシルアミノ基、フタル
イミド基である場合には、ルイス酸や金属塩に代えて、
2,2' −アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル
開始剤を用いることもできる。(今村ら、日本化学会第
69春季年会講演予稿集 980頁、( 1992年、京都) を参照
のこと。)
【0030】反応は溶媒中で行うのが好ましく、用いる
溶媒としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジメトキシエタン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、
塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン
系溶媒、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼンなどの芳
香族系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭
化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメ
チルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパンなど
の極性非プロトン性溶媒、もしくはアセトンなどが挙げ
られる。これらは単独もしくは混合溶媒として使用され
る。反応に伴って系内に生成する酸の補捉剤として、反
応系内にN,N,N' ,N' −テトラメチルウレア、ピ
リジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2,6−ル
チジン、2,4,6−コリジン、トリエチルアミンある
いはモレキュラーシーブス(MS3A,MS4Aあるい
はMS5A)などを共存させてもよい。反応は無水の条
件下で行うことが望ましく、従って、溶媒、試薬、基
質、反応容器などについて、できる限り水分を除去した
ほうがよい。場合により、水分除去のため、反応系内に
モレキュラーシーブス(MS3A,MS4AあるいはM
S5A)または無水硫酸カルシウムなどの脱水剤を共存
させてもよい。反応温度は−70℃から100℃、好ま
しくは−20℃から60℃(もしくは溶媒の沸点)の範
囲で選ばれる。反応時間は主に反応温度、使用される原
料化合物、試剤、溶媒などにより左右されるが、通常1
時間から5日間である。
【0031】(C−2工程)上記の方法により得られた
化合物(17)におけるR17がC1-C6 アルカノイル基
あるいはアロイル基である場合には、溶媒中、塩基性条
件下で加水分解することにより、化合物(18)を得る
ことができる。塩基としては、炭酸ナトリウムや炭酸カ
リウムなどの炭酸塩、水酸化ナトリウムや水酸化カリウ
ムなどの水酸化物、重炭酸ナトリウムや重炭酸カリウム
などの重炭酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素
二カリウム、あるいはトリエチルアミン、N,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリ
ン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン
(DBU)、ヘキサメチルジシラザンリチウム、ナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの有機塩基
等を用いることができる。また、化合物(17)におけ
るR17がベンジル基または置換ベンジル基である場合に
は、例えば、パラジウム炭素の存在下、水素添加を行う
ことにより、化合物(18)を得ることができる。パラ
ジウム炭素の使用量は触媒量でよく、通常は0.001
〜1当量用いる。また、水素供給源としては、例えば水
素分子、ギ酸、ギ酸アンモニウム、シクロヘキセン、
1,4−シクロヘキサジエン、シス−デカリン等を挙げ
ることができる。いずれの反応も溶媒中で行うのが好ま
しく、溶媒としては前記A−4工程において例示したも
のが挙げられ、これらは単独もしくは混合溶媒として使
用される。反応温度は−70℃から100℃、好ましく
は0℃から60℃(もしくは溶媒の沸点)の範囲で選ば
れる。反応時間は主に反応温度、使用される原料化合
物、試剤、溶媒等により左右されるが、通常1時間から
2日間である。
【0032】(C−3工程)上記の方法により得られた
化合物(18)に、酸触媒存在下、環状アセタール系保
護基を導入することにより、原料化合物(2)を製造す
ることができる。環状アセタール系保護試剤として具体
的には、ベンズアルデヒド、ベンズアルデヒドジメチル
アセタール、ベンズアルデヒドビス(トリメチルシリ
ル)アセタール、置換ベンズアルデヒド、置換ベンズア
ルデヒドジメチルアセタールあるいは置換ベンズアルデ
ヒドビス(トリメチルシリル)アセタール等が挙げられ
る。酸触媒としては、硫酸、パラ−トルエンスルホン
酸、カンファ−スルホン酸等が挙げられる。反応は溶媒
中で行うのが好ましく、溶媒としては溶媒としては前記
A−1工程において例示したものが挙げられ、特にジメ
チルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、
アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニ
トロエタン、ニトロプロパンなどの極性非プロトン性溶
媒が好ましい。これらは単独もしくは混合溶媒として使
用される。反応に伴って系内に生成する水の補捉剤とし
て、反応系内にオルトエステルやモレキュラーシブス
(MS3A,MS4AあるいはMS5A)等を共存させ
てもよい。反応温度は−70℃から100℃、好ましく
は0℃から60℃(もしくは溶媒の沸点)の範囲で選ば
れる。反応時間は主に反応温度、使用される原料化合
物、試剤、溶媒等により左右されるが、通常1時間から
2日間である。
【0033】本発明の医薬組成物は、多数の疾患に関連
する細胞の付着を、ブロッキングまたは阻害することが
できる。例えば、多数の炎症性疾患は、脈管内皮細胞お
よび血小板上に発現されるセレクチンに関連しており、
本発明の医薬組成物による処置が可能である。ここにお
いて、用語「炎症」は特異的および非特異的の両者の防
御系の反応を意味する。特異的防御系の反応は、抗原に
対する特異的免疫系の反応である。特異的防御系反応の
例は、抗原例えばウィルスに対して抗体の応答、および
遅延型過敏性を包含する。非特異的防御系反応は、一般
に免疫学的記憶が不可能である白血球により仲介される
炎症応答である。このような細胞は、マクロファージ、
好酸球および好中球を包含する。非特異的反応の例は、
蜂の刺創後の直ちの腫脹、バクテリアの感染部位におけ
るPMN白血球の集まり(例えば、細菌性肺炎における
肺の浸潤および腫瘍における腫の形成)を包含する。他
の処置可能な疾患としては、次のものを挙げることがで
きる。例えば、慢性関節リウマチ、虚血後の白血球仲介
組織の損傷(再灌流障害)、凍傷の損傷又はショック、
急性白血球介在肺障害、(例えば、大人の呼吸困難症候
群)、喘息、外傷性のショック、敗血症性ショック、腎
炎、急性および慢性の炎症、アトピー性皮膚炎、乾癬、
炎症性の腸の病気、種々の血小板仲介病理学的事象、ア
レローム性動脈硬化症および凝固もまた、処置すること
ができる。さらに、腫瘍の転移は、循環する癌細胞の付
着の阻害により阻害または防止することができる。この
例には結腸癌および黒色腫が包含される。また、経皮的
冠動脈形成術(PTCA)や、経皮的冠動脈血栓溶解術
(PTCR)の、術後再狭窄へも適用可能である。
【0034】本発明のルイス−x/a−C−グリコシド
誘導体を含んでなる医薬組成物について、化合物の投与
量は、例えば、特定の化合物、投与方法、処置する特定
の病気およびその程度、患者の全体の健康および状態、
および処方する医師に従い変化するのが通常である。例
えば、再灌流障害の処置のために用いる投与量として
は、体重 70 kg の患者について、1 日当たり約 50 μ
g 〜 2,000 mg の範囲である。理想的には、治療のため
の投与は、心筋梗塞または他の損傷後できるだけ早く開
始すべきである。本発明の医薬組成物は、非経口的、局
所的、経口的、または経皮的に投与される。これらの医
薬組成物は、予防的および/または治療学的処置を目的
として投与される。これらの医薬組成物は、投与方法に
依存して、種々の単位投与形態で投与することができ
る。例えば、経口的投与に適当な単位投与形態は、粉
末、錠剤、ピル、カプセル剤および糖剤を包含する。局
所的投与に適当な単位投与形態は、例えば、エアゾール
を包含する。好ましくは、本発明の医薬組成物は静脈内
に投与する。静脈内投与のための組成物は、本発明化合
物を、医薬として許容されうる担体、好ましくは水性担
体の中に溶解または懸濁した化合物の液からなる。水性
担体としては、例えば、水、緩衝化水、 0.4%の生理的
食塩水などを使用することができる。これらの組成物
は、普通の、よく知られた滅菌技術により滅菌するか、
あるいは濾過滅菌することができる。生ずる水溶液はそ
のまま包装するか、あるいは凍結乾燥することができ、
凍結乾燥した調製物は投与の前に無菌の水溶液と組み合
わせる。組成物は、近似の生理学的状態に要求されるよ
うに、医薬として許容される補助剤、例えば、pH調節剤
および緩衝剤、張度調節剤、浸潤剤など、例えば、酢酸
ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、
テリエタノールアミンオレエートなどを含有することが
できる。
【0035】本発明化合物を含有する組成物は、予防的
および/または治療的処置のために投与される。治療的
応用において、組成物は、前述したように、病気に既に
悩まされる患者に、病気およびその合併症の症状を治癒
するか、あるいは少なくとも部分的に阻止するために十
分な量で投与される。これを達成するために適切な量
は、「治療的有効投与量」として定義される。この使用
のために有効な量は、病気の程度および患者の体重およ
び全体的状態に依存するが、一般に、体重 70 kgの患者
について、1日当たり、本発明化合物を約 0.5 mg 〜約
2,000 mg の範囲であり、好ましくは、体重 70 kgの患
者について、1日当たり、本発明化合物を約 5 mg 〜約
500 mg の範囲の投与量を使用する。予防的応用におい
て、本発明の化合物を含有する組成物は、特定の病気に
感受性であるか、あるいはそうでなければその病気の危
険がある患者に投与される。このような場合の使用量
は、「予防的有効量」であると定義される。このような
使用において、正確な量は患者の健康状態および体重に
依存するが、一般に、体重 70 kgの患者について、1日
当たり、本発明化合物を約 0.5 mg 〜約 1,000 mg の範
囲であり、好ましくは、体重 70 kgの患者について、1
日当たり、本発明化合物を約 5 mg 〜約 500 mg の範囲
の投与量を使用する。本発明化合物の投与に際しては、
組成物の単一または多数の投与を実施することができ、
投与のレベルおよびパターンは処置の医者により選択さ
れる。いずれの場合においても、医薬配合物は患者を有
効に処置するために十分な量の本発明化合物を提供すべ
きである。本発明の化合物はまた、診断試薬として使用
することができる。例えば、標識した化合物を使用し
て、炎症を有することが疑われる患者において炎症また
は腫瘍の転移の区域を捜し出すことができる。このため
に、化合物は 125I, 14C またはトリチウムで標識する
ことができる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を、更に詳し
く説明する。本件実施例、参考例における化合物(
から(35)の構造式を示す。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【0037】実施例1 〔実施例1−1〕 3,4,6−トリ−O−アセチル−1,2−ジデオキシ
−1α−(2−プロペニル)−D−アラビノヘキソピラ
ノース〕()の合成 2−デオキシ−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル
−D−アラビノヘキソピラノース()(33.2 g, 100 m
mol)をアセトニトリル(400 ml)に溶解し、アリルトリメ
チルシラン(39.1 g, 300 mmol)を加え、氷冷化にて攪拌
した。この混合液に、三フッ化ほう素−ジエチルエーテ
ル錯体(62 ml, 500 mmol) を滴下した後に、室温にまで
昇温し攪拌した。反応終了確認後、反応液を濃縮し、残
渣を酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水、次いで飽和食
塩水にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥
後、濾過し、濾液を濃縮し、目的化合物( 理論量 31.
4g ) を含む残渣を得た。これは精製することなく、次
の反応に用いた。
【0038】〔実施例1−2〕 1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニル)−D−
アラビノヘキソピラノース〕()の合成 実施例1−1で得られた3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニル)−
D−アラビノヘキソピラノース〕()( 理論量 31.4
g ) をメタノール(200 ml)に溶解し、28%ナトリウム
メトキシド溶液( メタノール溶液 1.0 ml)を加え、室
温にて2時間静置した。反応終了確認後、反応液を酸性
イオン交換樹脂(DOWEX 50W-X8)にて中和し、濾過した。
この濾液を濃縮し、目的化合物( 理論量 18.8 g ) を
含む残渣を得た。これは精製することなく、次の反応に
用いた。
【0039】〔実施例1−3〕 4,6−O−ベンジリデン−1,2−ジデオキシ−1α
−(2−プロペニル)−D−アラビノヘキソピラノー
ス)()の合成 実施例1−2で得られた1,2−ジデオキシ−1α−
(2−プロペニル)−D−アラビノヘキソピラノース〕
)( 理論量 18.8 g)を含む残渣をN,N−ジメチル
ホルムアミド(100 ml)に溶解し、ベンズアルデヒドジメ
チルアセタール(30.4 g )と、 (1S) − (+) −10
−カンファースルフォン酸一水和物(1.25g) を加え、
室温にて攪拌した。反応終了確認後、系内にトリエチル
アミンを加え中和したのちに、反応液を濃縮し、残渣を
ヘキサンにて洗浄後、濾過し、目的化合物(17.7 g, 6
4.1 mmol, 収率 より3段階で 64.1 %)を白色固体と
して得た。1 H−NMR ( 270MHz, CDCl3 ) 1.89 (1H, ddd, J=5.9, 11.2, 13.2Hz, H-2a), 2.05 (1
H, m, H-2e), 2.28-2.38 (1H, m, CH2 CH=CH2), 2.51 (1
H, br s, OH), 2.56-2.67 (1H, m, CH2 CH=CH2), 3.46
(1H, dd, J=8.6, 8.9Hz, H-4), 3.61 (1H, ddd, J=4.3,
9.2, 9.9Hz, H-5), 3.70 (1H, dd, J=9.9, 9.9Hz, H-6
a), 4.03-4.14 (2H, m, H-1,3), 4.23 (1H, dd, J=4.0,
9.6Hz, H-6e), 5.06-5.16 (2H, m, CH2CH=CH2 ), 5.57
(1H, s,CHPh), 5.77 (1H, dddd, J=6.6, 7.3, 10.2, 1
7.2Hz, CH 2CH=CH2), 7.34-7.52 (5H, m, Ph)
【0040】実施例2 〔実施例2−1〕 (2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラ
ノシル)−(1→3)−O−〔4,6−O−ベンジリデ
ン−1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニル)−
D−アラビノヘキソピラノース〕()の合成 4,6−O−ベンジリデン−1,2−ジデオキシ−1α
−(2−プロペニル)−D−アラビノヘキソピラノース
)(100 mg, 0.362 mmol)をジエチルエーテル(3.5 m
l)に溶解し、トリメチルシリルトリフルオロメタンスル
フォネート(3 ul, 0.016 mmol)を加え、室温にてアルゴ
ン雰囲気下20分間攪拌した。この混合液に、室温にて
O−(2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコ
ピラノシル)トリクロロアセトイミダート()(314 m
g, 0.542 mmol)のジエチルエーテル溶液(1.0 ml)を滴下
し、60分間攪拌した。更にO−(2,3,4−トリ−
O−ベンジル−α−L−フコピラノシル)トリクロロア
セトイミダート()(210mg, 0.363 mmol)のジエチル
エーテル溶液(0.7 ml)を滴下し、90分間攪拌した。こ
の反応液を酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水、次いで
飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムに
て乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物(1
19 mg, 0.172mmol, 収率 47.4 %)を白色固体として得
た。又その立体異性体である(2,3,4−トリ−O−
ベンジル−β−L−フコピラノシル)−(1→3)−O
−〔4,6−O−ベンジリデン−1,2−ジデオキシ−
1α−(2−プロペニル)−D−アラビノヘキソピラノ
ース〕()(22 mg, 0.032 mmol, 収率 8.8 %) も白色
固体として得られた。 1H−NMR ( 270MHz, CDCl3 ) 0.96 (3H, d, J=6.6 Hz, H-6×3 of Fuc), 1.90 (1H, d
dd, J=5.9, 10.9, 13.5 Hz, H-2a of Glu), 1.97-2.04
(1H, m, H-2e of Glu), 2.25-2.36 (1H, m, CH2 CH=C
H2), 2.52-2.63 (1H, m, CH2 CH=CH2), 3.58-3.74 (4
H, m), 3,92 (1H,dd, J=3.0, 9.9Hz), 4.03 (1H, dd, J
=3.6, 9.9Hz), 4.07-4.22 (4H, m), 4.60(1H, d, J=11.
6Hz, CH2 Ph), 4.64 (1H, d, J=11.9Hz, CH2 Ph), 4.71
(1H, d,J=11.6Hz, CH2 Ph), 4.80 (1H, d, J=11.9Hz,
CH2 Ph), 4.84 (1H, d, J=10.3Hz, CH2 Ph), 4.85 (1H,
d, J=4.0Hz, H-1 of Fuc), 4.95 (1H, d, J=11.6Hz,CH
2 Ph), 5.08-5.15 (2H, m, CH2CH=CH2 ), 5.74 (1H, ddd
d, J=6.9, 6.9, 10.2, 17.2Hz, CH 2CH=CH2), 5.53 (1H,
S, CHPh), 7.20-7.48 (20H, m, Ph×4)
【0041】〔実施例2−2〕 (2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラ
ノシル)−(1→3)−O−〔6−O−ベンジル−1,
2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニル)−D−アラ
ビノヘキソピラノース〕()の合成 (2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラ
ノシル)−(1→3)−O−〔4,6−O−ベンジリデ
ン−1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニル)−
D−アラビノヘキソピラノース〕()(393 mg, 0.568
mmol)をテトラヒドロフラン(15 ml) に溶解し、室温に
てシアノ水素化ほう素ナトリウム(357 mg, 5.68 mmol)
を加えた後に、氷冷下にて10分間攪拌した。この反応
液に、氷冷下にて酢酸(0.65 ml, 11.4 mmol)、次いで塩
化トリメチルシラン(1.44 ml, 11.4 mmol)を滴下し3
0分間攪拌した。その後、反応液を室温まで昇温し、2
3時間攪拌した。反応終了確認後、氷冷下にて、飽和重
曹水を反応系へ添加した後に、室温にて酢酸エチルにて
希釈し、飽和重曹水、次いで飽和食塩水にて洗浄した。
有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて精製し、目的化合物(349 mg, 0.502 mmol, 収率
88.4 %)を黄色オイルとして得た。1 H−NMR ( 270MHz, CDCl3 ) 1.13 (3H, d, J=6.6 Hz, H-6×3 of Fuc), 1.82 (1H, d
dd, J=5.6, 10.9, 13.2 Hz, H-2a of Glu), 1.97 (1H,
ddd, J=1.7, 5.0, 13.2 Hz, H-2e of Glu), 2.22-2.32
(1H, m), 2.46-2.57 (1H, m), 3.46-3.71 (6H, m), 3.8
5-3.86 (1H, m), 3.91 (1H, dd, J=2.6, 10.2Hz), 4.04
-4.14 (3H, m), 4.52-4.67 (4H, m, CH2 Ph×4), 4.73
(1H, d, J=11.6Hz, CH2 Ph), 4.83 (1H, d, J=11.9H
z, CH2 Ph), 4.86 (1H, d, J=11.6Hz, CH2 Ph), 4.90
(1H, d, J=4.0Hz, H-1 of Fuc), 4.98 (1H, d, J=11.6H
z, CH2 Ph), 5.05-5.14 (2H, m, CH2CH=CH2 ), 5.77 (1
H, dddd, J=6.9, 7.3, 10.2, 16.9Hz, CH 2CH=CH2), 7.2
2-7.42 (20H, m, Ph×4)
【0042】〔実施例2−3〕 (2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→4)−O−〔(2,3,4
−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル)−
(1→3)−O〕−〔6−O−ベンジル−1,2−ジデ
オキシ−1α−(2−プロペニル)−D−アラビノヘキ
ソピラノース〕(10)の合成 (2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラ
ノシル)−(1→3)−O−〔6−O−ベンジル−1,
2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニル)−D−アラ
ビノヘキソピラノース〕()(86 mg, 0.124 mmol) を
ジエチルエーテル(0.4 ml)とテトラヒドロフラン(0.1 m
l)に溶解し、トリメチルシリルトリフルオロメタンスル
フォネート(1 ul, 0.005 mmol)を加え、室温にてアルゴ
ン雰囲気下20分間攪拌した。この混合液に、室温にて
O−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D
−ガラクトピラノシル)トリクロロアセトイミダート
)(92 mg, 0.187 mmol) とテトラヒドロフラン(3 d
rops) のジエチルエーテル溶液(0.4 ml)を滴下し、15
0分間攪拌した。その後更に、O−(2,3,4,6−
テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラノシル)
トリクロロアセトイミダート()(31 mg, 0.0629 mmo
l)とテトラヒドロフラン(2 drops) のジエチルエーテル
溶液(0.15 ml) を滴下し、90分間攪拌した。再び、O
−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−
ガラクトピラノシル)トリクロロアセトイミダート
)(62 mg, 0.124 mmol) とテトラヒドロフラン(2 d
rops) のジエチルエーテル溶液(0.3 ml)を滴下し、21
0分間攪拌した。この反応液を酢酸エチルにて希釈し、
飽和重曹水、次いで飽和食塩水にて洗浄した。有機層を
硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精
製し、目的化合物10(51.6 mg, 0.0503 mmol, 収率 4
0.6 %)を白色固体として得た。1 H−NMR ( 270MHz, CDCl3 ) 1.12 (3H, d, J=6.3 Hz, H-6×3 of Fuc), 1.73-1.82
(2H, m, H-2 of Glu ×2), 1.96 (3H, s, Ac), 1.96 (3
H, s, Ac), 2.00 (3H, s, Ac), 2.00 (3H, s, Ac), 2.1
1-2.24 (1H, m, CH2 CH=CH2), 2.30-2.41 (1H, m, CH2
CH=CH2), 3.63-3.71 (4H, m), 3.77-3.87 (3H, m), 3.
90-4.15 (5H, m), 4.23 (1H, dt, J=6.6,6.9Hz), 4.39
(1H, d, J=12.2Hz, CH2 Ph), 4.41 (1H, d, J=7.9Hz, H
-1 of Gal), 4.59 (1H, d, J=11.9Hz,CH2 Ph), 4.64 (1
H, d, J=11.5Hz, CH2 Ph), 4.69(1H, d, J=11.9Hz, CH
2 Ph), 4.72-4.85 (5H, m), 4.97 (1H, d, J=11.9Hz,
CH2 Ph), 5.02-5.10 (3H, m), 5.30 (1H, br d, J=3.6H
z), 5.73 (1H, dddd, J=6.9, 6.9, 10.2, 17.2Hz, CH2
CH=CH2), 7.24-7.43 (20H, m, Ph×4)
【0043】〔実施例2−4〕 (α−L−フコピラノシル)−(1→3)−O−
〔(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−
ガラクトピラノシル)−(1→4)−O〕−(1,2−
ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビノヘキソピラ
ノース)(11)の合成 (2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→
4)−O−〔(2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−
L−フコピラノシル)−(1→3)−O〕−〔6−O−
ベンジル−1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニ
ル)−D−アラビノヘキソピラノース〕(10)(217 m
g, 0.212mmol)をエタノール(14 ml) に溶解し、ぎ酸ア
ンモニウム(48 mg) 、10%Pd−C(wet. 95 mg)を加
え、1時間還流した。その後更に、ぎ酸アンモニウム(4
8mg) 、10%Pd−C(wet. 95 mg)を加え、1時間還
流した。この追加を7回繰り返した。反応終了確認後、
反応液をセライト濾過し、濾液を濃縮し、目的化合物
( 理論量 141 mg)を含む残渣を得た。これは精製する
ことなく、次の反応に用いた。
【0044】〔実施例2−5〕 (2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→4)−O−〔(2,3,4
−トリ−O−アセチル−α−L−フコピラノシル)−
(1→3)−O〕−(6−O−アセチル−1,2−ジデ
オキシ−1α−プロピル−D−アラビノヘキソピラノー
ス)(12)の合成 実施例2−4で得られた(α−L−フコピラノシル)−
(1→3)−O−〔(2,3,4,6−テトラ−O−ア
セチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−
O〕−(1,2−ジデオキシ−1α−プロピル−D−ア
ラビノヘキソピラノース)(11)( 理論量 141 mg)を
含む残渣をピリジン(10 ml) に溶解し、氷冷下にて無水
酢酸(5 ml)、4−ジメチルアミノピリジン(10 mg)を加
え、室温にて16時間攪拌した。反応終了確認後、氷冷
下にて、メタノール(5 ml)を反応系内に添加し、室温に
て30分間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチ
ルにて希釈し、飽和硫酸銅水溶液、飽和重曹水、飽和食
塩水の順で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾
燥後、濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物12(96
mg, 0.115 mmol, 収率 化合物10より2段階で 54.2
%)を白色固体として得た。1 H−NMR ( 270MHz, CDCl3 ) 0.92 (3H, t, J=6.3 Hz, CH2CH2CH3 ), 1.21 (3H, d, J=
6.6 Hz, H-6 ×3 of Fuc), 1.26-1.34 (3H, m), 1.61-
1.83 (3H, m), 1.98 (3H, s, Ac), 1.98 (3H, s, Ac),
2.07 (6H, s, Ac×2), 2.08 (3H, s, Ac), 2.12 (3H,
s, Ac), 2.16 (3H, s, Ac), 2.18 (3H, s, Ac), 3.61-
3.71 (2H, m), 3.85-3.92 (3H, m), 4.18-4.44 (4H,
m), 4.47 (1H, d, J=7.9Hz, H-1 of Gal), 4.63 (1H, d
t, J=6.3, 6.6Hz, H-1 of Glu), 4.98-5.25 (5H, m),
5.35-5.42 (2H, m)
【0045】〔実施例2−6〕 (α−L−フコピラノシル)−(1→3)−O−〔(β
−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O〕−
(1,2−ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビノ
ヘキソピラノース)(13)の合成 (2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→4)−O−〔(2,3,4
−トリ−O−アセチル−α−L−フコピラノシル)−
(1→3)−O〕−(6−O−アセチル−1,2−ジデ
オキシ−1α−プロピル−D−アラビノヘキソピラノー
ス)(12)(100 mg, 0.119 mmol)をメタノール(3 ml)
に溶解し、28%ナトリウムメトキシド溶液( メタノー
ル溶液 0.03 ml )を加え、室温にて18時間静置し
た。反応終了確認後、反応液を酸性イオン交換樹脂(DOW
EX 50W-X8)にて中和し、濾過し、濾液を濃縮した。残渣
をポリアクリルアミドゲルを用いたカラムクロマトグラ
フィーにて精製し、凍結乾燥を行い、目的化合物13(4
8 mg, 0.097 mmol, 収率 81.4 %)を白色固体として得
た。1 H−NMR ( 270MHz, D2O ) 0.80 (3H, t, J=7.3 Hz, CH2CH2CH3 ), 1.10 (3H, d, J=
6.6 Hz, H-6 ×3 of Fuc), 1.22-1.28 (3H, m), 1.58-
1.67 (2H, m), 1.82 (1H, m), 3.40 (1H, dd, J=7.6,
9.9Hz), 3.52-3.90 (14H, m), 4.35 (1H, m, H-1 of Gl
u), 4.35 (1H, d,J=7.6Hz, H-1 of Gal), 4.86 (1H, d,
J=4.0Hz, H-1 of Fuc)
【0046】実施例3 〔実施例3−1〕 (2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O−〔4,6−O−
ベンジリデン−1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロ
ペニル)−D−アラビノヘキソピラノース〕(14)の
合成 4,6−O−ベンジリデン−1,2−ジデオキシ−1α
−(2−プロペニル)−D−アラビノヘキソピラノース
)(0.82 g, 2.97 mmol) をジエチルエーテル(3.6 m
l)とテトラヒドロフラン(6 ml)に溶解し、トリメチルシ
リルトリフルオロメタンスルフォネート(23 ul, 0.119
mmol) を加え、室温にてアルゴン雰囲気下20分間攪拌
した。この混合液に、室温にてO−(2,3,4,6−
テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)
トリクロロアセトイミダート()(2.20 g, 4.47 mmo
l) のジエチルエーテル溶液(6.0 ml)を滴下し、終夜攪
拌した。この反応液を酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹
水、次いで飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸マグ
ネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的
化合物14(561 mg, 0.924 mmol, 収率 31.1 %)を白色
固体として得た。又その立体異性体である(2,3,
4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−ガラクトピラ
ノシル)−(1→3)−O−〔4,6−O−ベンジリデ
ン−1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニル)−
D−アラビノヘキソピラノース〕(15)(89.7 mg, 0.
148 mmol,収率 5.0 %) も白色固体として得られた。14 1H−NMR ( 270MHz, CDCl3 ) 1.85-2.19 (2H, m, H-2 of Glu), 1.95 (3H, s, Ac),
1.98 (3H, s, Ac), 2.05 (3H, s, Ac), 2.13 (3H, s, A
c), 2.27-2.38 (1H, m, CH2 CH=CH2), 2.53-2.64 (1H,
m, CH2 CH=CH2), 3.60-3.75 (4H, m), 3,95 (1H, dd,
J=5.9, 10.9Hz), 4.02-4.13 (3H, m), 4.22 (1H, dd,
J=4.0, 9.9Hz), 4.67 (1H, d, J=7.9Hz,H-1 of Gal),
4.98 (1H, dd, J=3.3, 10.6Hz), 5.10-5.24 (3H, m),
5.33 (1H,dd, J=1.0, 3.6Hz), 5.58 (1H, S, CHPh), 5.
76 (1H, dddd, J=6.9, 6.9, 10.6,16.8Hz, CH 2CH=CH2),
7.36-7.50 (5H, m, Ph)
【0047】〔実施例3−2〕 (2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O−〔6−O−ベン
ジル−1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニル)
−D−アラビノヘキソピラノース〕(16)の合成 (2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O−〔4,6−O−
ベンジリデン−1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロ
ペニル)−D−アラビノヘキソピラノース〕(14)(1
15 mg, 0.190 mmol)をテトラヒドロフラン(5 ml)に溶解
し、室温にてシアノ水素化ほう素ナトリウム(119 mg,
1.89 mmol) を加えた後に、氷冷下にて10分間攪拌し
た。この反応液に、氷冷下にて酢酸(0.215 ml, 3.76 mm
ol) 、次いで塩化トリメチルシラン(0.48 ml, 3.76 mm
ol)を滴下し30分間攪拌した。その後、反応液を室温
まで昇温し、4時間攪拌した。反応終了確認後、氷冷下
にて、飽和重曹水を反応系へ添加した後に、室温にて酢
酸エチルにて希釈し、飽和重曹水、次いで飽和食塩水に
て洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾
過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにて精製し、目的化合物16(95.5 mg, 0.
157 mmol, 収率 82.6 %)を白色固体として得た。1 H−NMR ( 270MHz, CDCl3 ) 1.79-2.12 (2H, m, H-2 of Glu), 1.99 (3H, s, Ac),
2.00 (3H, s, Ac), 2.05 (3H, s, Ac), 2.16 (3H, s, A
c), 2.22-2.32 (1H, m, CH2 CH=CH2), 2.49-2.60 (1H,
m, CH2 CH=CH2), 3.47-3.76 (6H, m), 3.96-4.01 (1
H, m), 4.08-4.15(3H, m), 4.53 (1H, d, J=7.9Hz, H-1
of Gal), 4.59 (2H, s), 5.02 (1H, dd,J=3.3, 10.6H
z), 5.07-5.14 (2H, m), 5.22 (1H, dd, J=7.9, 10.6H
z), 5.39-5.40 (1H, m), 5.78 (1H, dddd, J=6.9, 7.3,
9.9, 16.8Hz, CH2 CH=CH2), 7.22-7.35 (5H, m, Ph)
【0048】〔実施例3−3〕 (2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O−〔(2,3,4
−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシル)−
(1→4)−O〕−〔6−O−ベンジル−1,2−ジデ
オキシ−1α−(2−プロペニル)−D−アラビノヘキ
ソピラノース〕(17)の合成 (2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O−〔6−O−ベン
ジル−1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニル)
−D−アラビノヘキソピラノース〕(16)(160 mg,
0.263 mmol)をジエチルエーテル(0.75 ml) に溶解し、
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート(2
ul, 0.010 mmol)を加え、室温にてアルゴン雰囲気下2
0分間攪拌した。この混合液に、室温にてO−(2,
3,4−トリ−O−ベンジル−α−L−フコピラノシ
ル)トリクロロアセトイミダート()(228 mg, 0.399
mmol)のジエチルエーテル溶液(0.75 ml) を滴下し、6
0分間攪拌した。更にO−(2,3,4−トリ−O−ベ
ンジル−α−L−フコピラノシル)トリクロロアセトイ
ミダート()(152 mg, 0.263 mmol)のジエチルエーテ
ル溶液(0.5 ml)を滴下し、60分間攪拌した。この追加
を2回繰り返した。反応終了確認後、この反応液を酢酸
エチルにて希釈し、飽和重曹水、次いで飽和食塩水にて
洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過
し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにて精製し、目的化合物17とその立体異性
体である(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β
−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O−
〔(2,3,4−トリ−O−ベンジル−β−L−フコピ
ラノシル)−(1→4)−O〕−〔6−O−ベンジル−
1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニル)−D−
アラビノヘキソピラノース〕(18)との混合物(207 m
g, 0.202 mmol, 収率 76.9 %)を白色固体として得た。1 H−NMR ( 270MHz, CDCl3 ) 1.17 (3H, d, J=6.6Hz, H-6 of Fuc), 1.56-1.68 (1H,
m, H-2 of Glu), 1.82-2.08 (1H, m, H-2 of Glu), 1.9
3 (3H, s, Ac), 1.97 (3H, s, Ac), 2.01 (3H,s, Ac),
2.02 (3H, s, Ac), 2.15-2.26 (1H, m, CH2 CH=CH2),
2.41-2.51 (1H, m, CH2 CH=CH2), 3.50-3.68 (2H, m),
3.73-4.10 (10H, m), 4.37-5.19 (15H, m), 5.34-5.35
(1H, m), 5.69-5.84 (1H, m, CH 2CH=CH2), 7.21-7.43
(20H, m, Ph×4)
【0049】〔実施例3−4〕 (α−L−フコピラノシル)−(1→4)−O−
〔(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−
ガラクトピラノシル)−(1→3)−O〕−(1,2−
ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビノヘキソピラ
ノース)(19)の合成 (2,3,4,6−テトラ−
O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→
3)−O−〔(2,3,4−トリ−O−ベンジル−α−
L−フコピラノシル)−(1→4)−O〕−〔6−O−
ベンジル−1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニ
ル)−D−アラビノヘキソピラノース〕(17)とその
立体異性である(2,3,4,6−テトラ−O−アセチ
ル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O−
〔(2,3,4−トリ−O−ベンジル−β−L−フコピ
ラノシル)−(1→4)−O〕−〔6−O−ベンジル−
1,2−ジデオキシ−1α−(2−プロペニル)−D−
アラビノヘキソピラノース〕(18)との混合物(207 m
g, 0.202 mmol)をエタノール(14 ml) に溶解し、ぎ酸ア
ンモニウム(45 mg)、10%Pd−C(wet. 90 mg)を加
え、1時間還流した。その後更に、ぎ酸アンモニウム(4
5 mg) 、10%Pd−C(wet. 90 mg)を加え、1時間還
流した。この追加を6回繰り返した。この反応液をセラ
イト濾過し、濾液を濃縮し、目的化合物19とその立体
異性である(β−L−フコピラノシル)−(1→4)−
O−〔(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−
D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O〕−(1,
2−ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビノヘキソ
ピラノース)(20)( 理論量 138 mg)を含む残渣を得
た。これは精製することなく、次の反応に用いた。
【0050】〔実施例3−5〕 (2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O−〔(2,3,4
−トリ−O−アセチル−α−L−フコピラノシル)−
(1→4)−O〕−(6−O−アセチル−1,2−ジデ
オキシ−1α−プロピル−D−アラビノヘキソピラノー
ス)(21)の合成 実施例3−4で得られた(α−L−フコピラノシル)−
(1→4)−O−〔(2,3,4,6−テトラ−O−ア
セチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−
O〕−(1,2−ジデオキシ−1α−プロピル−D−ア
ラビノヘキソピラノース)(19)とその立体異性であ
る(β−L−フコピラノシル)−(1→4)−O−
〔(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−
ガラクトピラノシル)−(1→3)−O〕−(1,2−
ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビノヘキソピラ
ノース)(20)( 理論量 138 mg)を含む残渣をピリジ
ン(10ml) に溶解し、氷冷下にて無水酢酸(5 ml)、4−
ジメチルアミノピリジン(10 mg)を加え、室温にて16
時間攪拌した。反応終了確認後、氷冷下にて、メタノー
ル(5 ml)を反応系内に添加し、室温にて30分間攪拌し
た。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルにて希釈し、飽
和硫酸銅水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄し
た。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾
液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにて精製し、目的化合物21(87 mg,0.104 mmol,
収率 化合物1718より2段階で 51.7 %)を白色固
体として得た。又その立体異性体である(2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−(1→3)−O−〔(2,3,4−トリ−O−ア
セチル−β−L−フコピラノシル)−(1→4)−O〕
−(6−O−アセチル−1,2−ジデオキシ−1α−プ
ロピル−D−アラビノヘキソピラノース)(22)(11
mg, 0.013 mmol, 収率 化合物1718より2段階で
6.6 %) を白色固体として得られた。21 1H−NMR ( 270MHz, CDCl3 ) 0.95 (3H, t, J=7.3 Hz, CH2CH2CH3 ), 1.21 (3H, d, J=
6.6 Hz, H-6 ×3 of Fuc), 1.23-1.39 (4H, m), 1.72-
1.93 (2H, m), 1.97 (3H, s, Ac), 1.99 (3H, s, Ac),
2.06 (3H, s, Ac), 2.08 (3H, s, Ac), 2.08 (3H, s, A
c), 2.10 (3H, s, Ac), 2.17 (6H, s, Ac×2), 3.63 (1
H, dd, J=6.9, 7.3Hz), 3.70-3.74 (1H,m), 3.88-3.99
(3H, m), 4.08-4.22 (3H, m), 4.35 (1H, dd, J=6.3, 1
1.2Hz),4.51 (1H, d, J=7.9Hz, H-1 of Gal), 4.77 (1
H, dt, J=6.6, 6.6Hz, H-1 of Glu), 5.02 (1H, dd, J=
3.6, 10.2Hz), 5.02 (1H, d, J=4.3Hz, H-1 of Fuc),
5.11-5.22 (2H, m), 5.27-5.32 (2H, m), 5.40 (1H,
m)
【0051】〔実施例3−6〕 (α−L−フコピラノシル)−(1→4)−O−〔(β
−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O〕−
(1,2−ジデオキシ−1α−プロピル−D−アラビノ
ヘキソピラノース)(23)の合成 (2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O−〔(2,3,4
−トリ−O−アセチル−α−L−フコピラノシル)−
(1→4)−O〕−(6−O−アセチル−1,2−ジデ
オキシ−1α−プロピル−D−アラビノヘキソピラノー
ス)(21)(87 mg, 0.104 mmol) をメタノール(2.6 m
l)に溶解し、28%ナトリウムメトキシド溶液( メタノ
ール溶液0.026 ml)を加え、室温にて20時間静置し
た。反応終了確認後、反応液を酸性イオン交換樹脂(DOW
EX 50W-X8)にて中和し、濾過し、濾液を濃縮した。残渣
をポリアクリルアミドゲルを用いたカラムクロマトグラ
フィーにて精製し、凍結乾燥を行い、目的化合物23(4
9 mg, 0.099 mmol, 収率 94.9 %)を白色固体として得
た。1 H−NMR ( 270MHz, D2O ) 0.80 (3H, t, J=7.3 Hz, CH2CH2CH3 ), 1.10 (3H, d, J=
6.6 Hz, H-6 ×3 of Fuc), 1.23-1.28 (3H, m), 1.53-
1.56 (1H, m), 1.75-1.81 (2H, m), 3.42 (1H,dd, J=7.
9, 9.9Hz), 3.51-3.83 (11H, m), 3.90-3.97 (2H, m),
4.05-4.06 (1H,m), 4.26-4.28 (1H, m, H-1 of Glu),
4.35 (1H, d, J=7.9Hz, H-1 of Gal), 4.90 (1H, d, J=
4.0Hz, H-1 of Fuc)
【0052】実施例4 〔実施例4−1〕 1,2−ジデオキシ−2−フタルイミド−3,4,6−
トリ−O −アセチル−1β−(2−プロペニル)−D−
グルコピラノシド(25)の合成 2−デオキシ−2−フタルイミド−1,3,4,6−テ
トラ−O −アセチル−β−D−グルコピラノシド(
)(13.0 g, 30.1 mmol )を、アセトニトリル(105
ml)に溶解し、アリルトリメチルシラン(16 ml, 101 m
mol )を加えた後に、氷冷下にてトリメチルシリルトリ
フルオロメタンスルフォネート(0.48 ml,2.48 mmol)
を滴下した。90分後室温に昇温し終夜攪拌した。反応
終了確認後、氷冷下にて、飽和重曹水を反応系へ添加し
た後に、室温にて酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水、
次いで飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシ
ウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合
25(2.49 g, 5.42 mmol ,収率 54.3 %)を淡黄色
固体として得た。1 H-NMR (270MHz, CDCl3) 1.84 (3H, s, OAc), 2.03 (3H, s, OAc), 2.11 (3H, s,
OAc), 2.17-2.35 (2H, m, H-1'x2), 3.82 (1H, ddd, J
=2.3, 5.0, 10.2Hz, H-5), 4.14 (1H, dd, J=2.3, 12.5
Hz, H-6), 4.24 (1H, dd, J=10.2, 10.2Hz, H-2), 4.30
(1H, dd, J=5.0, 12.2Hz, H-6), 4.46 (1H, dt, J=5.
6, 10.2Hz, H-1), 4.89-4.97 (2H, m, H-3'x2), 5.13
(1H, dd, J=8.9, 10.2Hz, H-4), 5.67-5.82 (1H, m, H-
2'), 5.79(1H, dd, J=9.2, 10.2Hz, H-3), 7.73-7.85
(4H, m, Phth)
【0053】〔実施例4−2〕 1,2−ジデオキシ−2−フタルイミド−1β−(2−
プロペニル)−D−グルコピラノシド(26)の合成 1,2−ジデオキシ−2−フタルイミド−3,4,6−
トリ−O −アセチル−1β−(2−プロペニル)−D−
グルコピラノシド(25)(335 mg, 0.729 mmol)を、
メタノール(10 ml )に溶解し、28%ナトリウムメト
キシド溶液(メタノール溶液 0.1 ml )を加え、室温に
て5時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を酸性イオ
ン交換樹脂(DOWEX 50W-X8)にて中和し、濾過し、濾液
を濃縮し、目的化合物26(257 mg)を得た。これは精
製することなく、次の反応に用いた。
【0054】〔実施例4−3〕 4,6−O −ベンジリデン−1,2−ジデオキシ−2−
フタルイミド−1β−(2−プロペニル)−D−グルコ
ピラノシド(27)の合成 1,2−ジデオキシ−2−フタルイミド−1β−(2−
プロペニル)−D−グルコピラノシド(26)(257 m
g)を、アセトニトリル(6 ml)に溶解し、ベンズアル
デヒド ジメチルアセタール(0.22 ml, 1.47 mmol)及
びパラトルエンスルフォン酸一水和物(5 mg, 0.026 mm
ol)を加え、室温にて攪拌した。26時間後、更にパラ
トルエンスルフォン酸一水和物(18 mg, 0.095 mmol )
を加え、室温にて7時間攪拌した。 反応終了確認後、
反応液をトリエチルアミン(0.025ml)にて中和した後
に、反応液を濃縮し、残渣をヘキサンにて洗浄後、上ず
み液をとり除いた後に濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物27(15
0 mg, 0.356 mmol,収率 25より2段階で48.8 %)
を白色固体として得た。1 H-NMR (270MHz, CDCl3) 2.25-2.30 (2H, m, H-1'x2), 2.50 (1H, d, 8.3Hz), 3.
53-3.80 (3H, m), 4.17 (1H, dd, J=10.2, 10.2Hz), 4.
33-4.41 (2H, m), 4.62-4.69 (1H, m), 4.90-5.00 (2H,
m, H-3'x2), 5.57 (1H, s, PhCH), 5.68-5.83 (1H, m,
H-2'), 7.35-7.52 (5H, m, PhCH), 7.71-7.89 (4H, m,
NPhth)
【0055】〔実施例4−4〕 (2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O −[4,6−O −
ベンジリデン−1,2−ジデオキシ−2−フタルイミド
−1β−(2−プロペニル)−D−グルコピラノシド]
28)の合成 4,6−O −ベンジリデン−1,2−ジデオキシ−2−
フタルイミド−1β−(2−プロペニル)−D−グルコ
ピラノシド(27)(645 mg, 1.53 mmol )を、テトラ
ヒドロフラン(1.5 ml)及びジエチルエーテル(5.2 m
l)に溶解し、トリメチルシリルトリフルオロメタンス
ルフォネート(12 ul, 0.062 mmol )を加え、室温にて
アルゴン雰囲気下20分間攪拌した。この混合液に、室
温にてO −(2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−
α−D−ガラクトピラノシル)トリクロロアセトイミダ
ート()(754 mg, 1.53 mmol )のジエチルエーテル
及びテトラヒドロフランの混合溶液(3.2 ml 及び 10
滴)を滴下し、3時間攪拌した。更にO −(2,3,
4,6−テトラ−O −アセチル−α−D−ガラクトピラ
ノシル)トリクロロアセトイミダート()(754 mg,
1.53 mmol )のジエチルエーテル及びテトラヒドロフラ
ンの混合溶液(3.2 ml 及び 10 滴)を滴下し、2時間
攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチルにて希釈し、飽
和重曹水、次いで飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫
酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
し、目的化合物28(313 mg, 0.416 mmol,収率 27.2
%)を得た。1 H-NMR (270MHz, CDCl3) 1.53 (3H, s, OAc), 1.84 (3H, s, OAc), 1.92 (3H, s,
OAc), 2.07 (3H, s,OAc), 2.22-2.32 (2H, m, H-1'x
2), 3.42-3.47 (1H, m), 3.59-3.68 (1H, m), 3.76-3.8
5 (3H, m), 4.03 (1H, dd, J=8.2, 10.9Hz), 4.20-4.29
(2H, m), 4.36(1H, dd, J=4.3, 10.6Hz), 4.58 (1H,
d, J=8.3Hz, H-1 of Gal), 4.74-4.99 (5H, m), 5.18-
5.19 (1H, m), 5.57 (1H, s, Ph CH), 5.63-5.79 (1H,
m, H-2'),7.32-7.58 (5H, m, PhCH), 7.74-7.92 (4H,
m, NPhth)
【0056】〔実施例4−5〕 (2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O −[6−O −ベン
ジル−1,2−ジデオキシ−2−フタルイミド−1β−
(2−プロペニル)−D−グルコピラノシド](29
の合成 (2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O −[4,6−O −
ベンジリデン−1,2−ジデオキシ−2−フタルイミド
−1β−(2−プロペニル)−D−グルコピラノシド]
28)(80 mg, 0.106 mmol )を、テトラヒドロフラ
ン(3.1 ml)に溶解し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム
(67 mg, 1.07 mmol)を加えた後に、氷冷下にて酢酸
(0.12 ml,2.10 mmol)及びクロロトリメチルシラン
(0.27 ml, 2.13 mmol)を滴下した。30分後室温に昇
温した後に、6時間攪拌した。 反応終了確認後、氷冷
下にて、飽和重曹水を反応系へ添加した後に、室温にて
酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水、次いで飽和食塩水
にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、
濾過し、濾液を濃縮した。残渣をプレパラティブTLC
にて精製し、目的化合物29(67.8 mg, 0.0900 mmol,
収率 84.9 %)を無色オイルとして得た。1 H-NMR (270MHz, CDCl3) 1.47 (3H, s, OAc), 1.87 (3H, s, OAc), 2.03 (3H, s,
OAc), 2.13 (3H, s,OAc), 2.13-2.40 (2H, m, H-1'x
2), 3.53-3.72 (3H, m), 3.86-3.99 (3H, m), 4.06-4.2
9 (4H, m), 4.39 (1H, d, J=8.3Hz, H-1 of Gal), 4.48
-4.54 (1H, m),4.59-4.69 (2H, m), 4.76-4.81 (1H, m,
H-3'), 4.79 (1H, dd, J=3.3, 10.2Hz), 4.85-4.91 (1
H, m, H-3'), 5.13 (1H, dd, J=7.9, 10.2Hz), 5.28-5.
30 (1H,m), 5.62-5.78 (1H, m, H-2'), 7.25-7.39 (5H,
m, PhCH2), 7.75-7.91 (4H, m, NPhth)
【0057】〔実施例4−6〕 (2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O −[(2,3,4
−トリ−O −ベンジル−α−L −フコピラノシル)−
(1→4)−O ]−[6−O −ベンジル−1,2−ジデ
オキシ−2−フタルイミド−1β−(2−プロペニル)
−D−グルコピラノシド](30)の合成 (2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O −[6−O −ベン
ジル−1,2−ジデオキシ−2−フタルイミド−1β−
(2−プロペニル)−D−グルコピラノシド](29
(178 mg, 0.236 mmol)を、テトラヒドロフラン(0.8
ml)及びジエチルエーテル(0.8 ml)に溶解し、トリメ
チルシリルトリフルオロメタンスルフォネート(2 ul,
0.011 mmol)を加え、室温にてアルゴン雰囲気下7分間
攪拌した。この混合液に、室温にてO −(2,3,4−
トリ−O −ベンジル−α−L −フコピラノシル)トリク
ロロアセトイミダート()(137 mg, 0.236 mmol)の
ジエチルエーテル溶液(0.8 ml)を滴下し、2時間攪拌
した。更にトリメチルシリルトリフルオロメタンスルフ
ォネート(2 ul, 0.011 mmol)及びO −(2,3,4−
トリ−O −ベンジル−α−L −フコピラノシル)トリク
ロロアセトイミダート()(137 mg, 0.236 mmol)の
ジエチルエーテル溶液(0.8 ml)を滴下し、2時間攪拌
した。更にO−(2,3,4−トリ−O −ベンジル−α
−L −フコピラノシル)トリクロロアセトイミダート
)(137 mg, 0.236 mmol)のジエチルエーテル溶液
(0.8 ml)を滴下し、2時間攪拌した。本追加を更に1
回繰り返し、終夜攪拌した。反応終了確認後、酢酸エチ
ルにて希釈し、飽和重曹水、次いで飽和食塩水にて洗浄
した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、
濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにて精製し、目的化合物30(189 mg, 0.162 mm
ol,収率 68.4 %)を得た。1 H-NMR (270MHz, CDCl3) 1.30 (3H, d, J=6.3Hz, H-6x3 of Fuc), 1.71 (3H, s,
OAc), 1.83 (3H, s, OAc), 1.99 (3H, s, OAc), 2.00
(3H, s, OAc), 2.07-2.29 (2H, m, H-1'x2), 3.52-3.69
(3H, m), 3.76 (1H, br s), 3.87-4.29 (9H, m), 4.36
(1H, dd, J=3.6, 10.6Hz), 4.43 (2H, br s), 4.70-5.
03 (11H, m), 5.19 (2H, br d, J=3.6Hz), 5.61-5.76
(1H, m, H-2'), 7.20-7.47 (20H, m, PhCH2x4), 7.81-
7.87 (4H, m, NPhth)
【0058】〔実施例4−7〕 (β−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O −
[(2,3,4−トリ−O −ベンジル−α−L −フコピ
ラノシル)−(1→4)−O ]−[2−アミノ−6−O
−ベンジル−1,2−ジデオキシ−1β−プロピル−D
−グルコピラノシド](31)の合成 (2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O −[(2,3,4
−トリ−O −ベンジル−α−L −フコピラノシル)]−
(1→4)−O −[6−O −ベンジル−1,2−ジデオ
キシ−2−フタルイミド−1β−(2−プロペニル)−
D−グルコピラノシド](30)(182mg, 0.156 mmo
l)を、エタノール(4 ml)に溶解し、ヒドラジン一水
和物(0.12ml, 2.47 mmol)を加え、還流条件下にて1
2時間攪拌した。更にヒドラジン一水和物(0.12 ml,
2.47 mmol)を加え、還流条件下にて4時間攪拌した。
本追加を更に3回繰り返した。反応終了確認後、溶媒を
留去し、目的化合物31(理論量 136 mg )を淡黄色オ
イルとして得た。これは精製することなく、次の反応に
用いた。
【0059】〔実施例4−8〕 (2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O −[(2,3,4
−トリ−O −ベンジル−α−L −フコピラノシル)−
(1→4)−O ]−[2−アセトアミド−6−O −ベン
ジル−1,2−ジデオキシ−1β−プロピル−D−グル
コピラノシド](32)の合成 (β−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O −
[(2,3,4−トリ−O −ベンジル−α−L −フコピ
ラノシル)−(1→4)−O ]−[2−アミノ−6−O
−ベンジル−1,2−ジデオキシ−1β−プロピル−D
−グルコピラノシド](31)(理論量 136 mg )を含
む残渣を、ピリジン(9 ml)に溶解し、氷冷下にて無水
酢酸(6.0 ml)、4−ジメチルアミノピリジン(9 mg)
を加え、室温にて終夜攪拌した。反応終了確認後、氷冷
下にて、メタノール(9 ml)を反応系内へ添加し、室温
にて30分間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エ
チルで希釈し、飽和硫酸銅水溶液、ついで飽和重曹水及
び飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムに
て乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにて精製し目的化合物32
(130 mg, 0.12 mmol ,収率 化合物30より2段階で
76.9 %)を白色固体として得た。1 H-NMR (270MHz, CDCl3) 0.86 (3H, t, J=6.6Hz, (CH2) 2CH3), 1.26 (3H, d, J=
6.6Hz, H6x3 of Fuc),1.16-1.57 (4H, m, (CH2)2 CH3),
1.88 (3H, s, NHAc), 1.91 (3H, s, OAc), 1.96 (3H,
s, OAc), 2.02 (3H, s, OAc), 2.09 (3H, s, OAc), 3.1
6-3.19 (1H, m),3.46-3.51 (1H, m), 3.57 (1H, dd, J=
3.0, 10.9Hz), 3.74-3.95 (7H, m), 4.02-4.17 (3H,
m), 4.41-4.52 (3H, m), 4.68 (1H, d, J=11.2Hz, PhCH
2), 4.75 (1H, d, J=11.9Hz, Ph CH 2), 4.75 (1H, d, J
=7.9Hz, H-1 of Gal), 4.78 (1H, d, PhCH 2), 4.78 (1
H, d, Ph CH 2), 4.84 (1H, d, J=11.2Hz, Ph CH 2), 4.9
2 (1H, dd, J=3.3,, 10.6Hz), 4.99 (1H, d, J=11.8Hz,
PhCH 2), 5.14 (1H, dd, J=8.2, 10.6Hz), 5.18 (1H,
d, J=3.6Hz, H-1 of Fuc), 5.35 (1H, dd), 5.41 (1H,b
r d, J=9.6Hz,NHAc), 7.26-7.99 (20H, m, PhCH 2x4)
【0060】〔実施例4−9〕 (α−L −フコピラノシル)−(1→4)−O −
[(2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−
ガラクトピラノシル)−(1→3)−O ]−[2−アセ
トアミド−1,2−ジデオキシ−1β−プロピル−D−
グルコピラノシド](33)の合成 (2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O −[(2,3,4
−トリ−O −ベンジル−α−L −フコピラノシル)−
(1→4)−O ]−[2−アセトアミド−6−O −ベン
ジル−1,2−ジデオキシ−1β−プロピル−D−グル
コピラノシド](32)(130 mg, 0.12 mmol )を、エ
タノール(9 ml) に溶解し、ぎ酸アンモニウム(27 mg
)、10%Pd−C (wet. 54 mg)を加え、2時間還
流した。更にぎ酸アンモニウム(27 mg )、10%Pd
−C (wet. 54 mg )を加え1時間還流した。この追加
を14回繰り返した。反応終了確認後、反応液をセライ
ト濾過し、濾液を濃縮し、目的化合物33(理論量 87
mg)を白色固体として得た。これは精製することなく、
次の反応に用いた。
【0061】〔実施例4−10〕 (2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O −[(2,3,4
−トリ−O −アセチル−α−L −フコピラノシル)−
(1→4)−O ]−[2−アセトアミド−6−O −アセ
チル−1,2−ジデオキシ−1β−プロピル−D−グル
コピラノシド](34)の合成 (α−L −フコピラノシル)−(1→4)−O −
[(2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−
ガラクトピラノシル)−(1→3)−O ]−[2−アセ
トアミド−1,2−ジデオキシ−1β−プロピル−D−
グルコピラノシド](33)(理論量 87 mg)を含む残
渣を、ピリジン(6 ml)に溶解し、氷冷下にて無水酢酸
(3.0 ml)、4−ジメチルアミノピリジン(6 mg)を加
え、室温にて終夜攪拌した。反応終了確認後、氷冷下に
て、メタノール(6 ml)を反応系内へ添加し、室温にて
30分間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチル
で希釈し、飽和硫酸銅水溶液、ついで飽和重曹水及び飽
和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾
燥後、ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにて精製し目的化合物34(73 m
g, 0.082 mmol ,収率 化合物32より2段階で 68.6
%)を白色固体として得た。1 H-NMR (270MHz, CDCl3) 0.87 (3H, t, J=6.6Hz, (CH2) 2CH3), 1.26 (3H, d, J=
6.3Hz, H-6x3 of fuc),1.18-1.51 (4H, m, (CH2)2 C
H3), 1.96 (3H, s, OAc), 1.98 (3H, s, OAc), 2.04 (3
H, s, OAc), 2.08 (3H, s, OAc), 2.09 (3H, s, OAc),
2.09 (3H, s, OAc), 2.12 (3H, s, OAc), 2.17 (3H, s,
OAc), 2.19 (3H, s, OAc), 3.16 (1H, brs), 3.40 (1
H, br s), 3.73-4.02 (5H, m), 4.25 (1H, dd, J=8.6,
11.2Hz), 4.47 (1H, dd, J=10.6Hz), 4.54 (1H, dd, J=
5.9, 11.2Hz), 4.73 (1H, d, J=7.9Hz), 4.89-5.29 (7
H, m), 5.36-5.42 (2H, m)
【0062】〔実施例4−11〕 (β−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O −
[(α−L −フコピラノシル)−(1→4)−O ]−
[2−アセトアミド−1,2−ジデオキシ−1β−プロ
ピル−D−グルコピラノシド](35)の合成 (2,3,4,6−テトラ−O −アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O −[(2,3,4
−トリ−O −アセチル−α−L −フコピラノシル)−
(1→4)−O ]−[2−アセトアミド−6−O −アセ
チル−1,2−ジデオキシ−1β−プロピル−D−グル
コピラノシド](34)(73 mg, 0.082 mmol )を、メ
タノール(3.0 ml)に溶解し、28%ナトリウムメトキ
シド溶液(メタノール溶液 0.020 ml )を加え、室温に
て終夜攪拌した。反応終了確認後、反応終了確認後、反
応液を酸性イオン交換樹脂(DOWEX 50W-X8)にて中和
し、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をCosmosil
を用いたカラムクロマトグラフィーにて精製し、凍結乾
燥を行い、目的化合物35(37 mg, 0.066 mmol ,収率
81.1 %)1 H-NMR (270MHz, D2O) 0.75 (3H, t, J=6.3Hz, (CH2) 2CH3), 1.06 (3H, d, J=
6.6Hz, H-6x3 of Fuc),1.25-1.39 (4H, m, (CH2)2 C
H3), 1.91 (3H, s, NH Ac), 3.27-3.90 (17H, m),4.37
(1H, d, J=7.6Hz, H-1 of Gal), 4.72 (9H, br s, OHx
8, NHAc), 4.88 (1H, d, J=3.6Hz, H-1 of Fuc)
【0063】〔参考例1〕 2−デオキシ−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル
−D−アラビノヘキソピラノース)()の合成 市販の2−デオキシ−D−アラビノヘキソピラノース(2
5 g, 152 mmol)をピリジン(241 ml)に溶解し、氷冷下に
て無水酢酸(173 ml)を加えた後に、室温にまで昇温して
攪拌した。反応終了確認後、氷冷下にて、メタノール(7
5 ml) を反応系内に添加し、室温にて一時間攪拌した。
反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルにて希釈し、飽和硫
酸銅水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄した。
有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を
濃縮し、目的化合物( α/β=18/82, 収率 100 %
) を淡黄色オイルとして得た。 β-isomer of : 1 H−NMR ( 270MHz, CDCl3 ) 1.81-1.98 (1H, m, H-2a), 2.04 (3H, s, Ac), 2.05 (3
H, s, Ac), 2.09 (3H,s, Ac), 2.12 (3H, s, Ac), 2.35
(1H, ddd, J=2.3, 4.6, 12.2Hz, H-2e), 3.75 (1H, dd
d, J=2.3, 4.6, 9.6Hz), 4.09 (1H, dd, J=2.3, 12.2H
z), 4.33 (1H,dd, J=4.9, 12.2Hz), 4.99-5.12 (2H,
m), 5.80 (1H, dd, J=2.3, 9.9Hz, H-1)
【0064】実験例 rsE-selectinを含むDPBS液(3 ug/ml) を 96 穴プレート
に1ウェル当たり 50ulで添加し、同一のプレート上にr
sE-selectinを含まないDPBS液を加えたウェルも作り
(非特異的接着測定用)、室温で3時間放置した。その
後、DPBS/BSA液1ウェル当たり200 ulで3回洗浄し、新
たに1ウェル当たり 200 ul のDPBS/BSA液を加えて1時
間室温で放置した。DPBS/BSA液を除去した後、NWBの
み及び本発明化合物を含む培地を1ウェル当たり 40 ul
を加えた。凍結 HL-60細胞を37℃で急速に融解した後
に、4℃に冷却したNWBで1500 rpm×5 min の遠心操
作による洗浄を3回行った。この細胞をNWBで1×10
7 cells/mlに調製後、先のプレ−トに1ウェル当たり 2
0 ul加え、室温で15分間放置した。プレ−トを、プレ−
ト洗浄機に設置して、非接着性の HL-60細胞を除去し
た。なお、プレ−ト洗浄機の設定は、 slow mode, cycl
e 3(3回洗浄), soak 0 sec.( 浸漬時間0秒), 12 rows
(plate縦方向時設定) とし、また洗浄用として室温に戻
したNWBの分注量は、1回につき1ウェル当たり 200
ul とした。0.1 % NP-40 を含むクエン酸溶液を室温に
したものを1ウェル当たり 50 ul加え、5分間室温で放
置した。室温にした基質液 ( 4 mg のOPDA, 4 ul の 3
0 %H2O2 / 4 ml のクエン酸溶液) を1ウェル当たり 50
ul加え、アルミホイルで遮光して 5 〜 20 分間発色
させ、4 N H2SO4 を1ウェル当たり 50 ul加えて反応を
停止した。基質液は調製後 30 分以内で用いた。各ウェ
ルの OD490の吸光度を測定し、非特異的接着測定用ウェ
ルの OD490の吸光度を各ウェルの値から減じた。培地の
みのウェルにおける値をコントロール(100%)とし、本発
明化合物(13)、(23)または(35)を含むウェ
ルにおける接着量を %コントロールで示した。その結果
を図1、図2および図3に示す。
【0065】なお、実験材料の入手先は、以下の通り。 rsE-selectin : J. C. Poulson, J. Am. Chem. Soc., 1
17, 66-79, (1995) に記載された方法に従い、製造する
ことができる。尚、本発明者らが本実験で用いたrsE-se
lectin は、上記著者らにより分譲された物を用いた。 HL-60 : ATCC 社 DPBS(タ゛ルヘ゛ッコ フォスフェイト ハ゛ッファ-ト゛ セライン) : GIBCO 社 BSA (ウシ 血清 アルフ゛ミン) : sigma 社 HBSS (ハンクス ハ゛ランスト゛ サルト ソリュ-ション) : GIBCO 社 OPDA (オルト フェニレン シ゛アミン) : sigma 社 RPMI1640培地 : GIBCO社 ウシ胎児血清 : GIBCO社 プレート ; Immulon.2.(平底) : Dynatech Laboratorie
s 社 プレート洗浄機 ; マイクロ フ゜レート ウォッシャー : Molecular Dev
ices 社 本発明化合物は DPBS で 100 mM に調製し、 pH を 7.1
〜7.4 に調整したものを用いた。HL-60 は、RPMI1640培
地にウシ胎児血清を10% 加えた培地で培養した。RPMI16
40培地 80%+ウシ胎児血清 10%+ DMSO 10% の細胞凍結
用液を用いて1チューブ当たり1.5 ×107 cells で常法
に従って凍結し、−80℃で保存した。使用時には無菌状
態で用いた。DPBS/BSA液の組成は、 DPBS + 1% BSA で
ある。NWBの組成は、HBSS +10mM HEPES + 0.2%
glucose + 1% BSA +1mM CaCl2 である。以上2溶液
は、無菌的に調整した。クエン酸溶液は、クエン酸 2.3
3 g および Na2HPO4.12H2O 9.20 g を 500 mlの脱塩水
に溶解して調製した。本発明化合物(13)、(23
および(35)は、 5〜50 mM の濃度でrsE-selectinと
HL-60 との接着を50% 以上阻害した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はいくつかの濃度における本発明化合物
13)の接着阻害活性を示す。接着阻害活性は、試料
を含まないウェルにおける値を100%とし(コントロ
ール)、その阻害の程度を%で示した。
【図2】図2はいくつかの濃度における本発明化合物
23)の接着阻害活性を示す。接着阻害活性は、試料
を含まないウェルにおける値を100%とし(コントロ
ール)、その阻害の程度を%で示した。
【図3】図3はいくつかの濃度における本発明化合物
35)の接着阻害活性を示す。接着阻害活性は、試料
を含まないウェルにおける値を100%とし(コントロ
ール)、その阻害の程度を%で示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/70 ABR A61K 31/70 ABR ADS ADS ADU ADU AED AED C07H 5/04 C07H 5/04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中、R1 はC1-C18アルキル基またはフェニルC1-
    12アルキル基である。R2 は水素原子,水酸基または
    式NHCOXで表されるアシルアミノ基である。式NH
    COX中、XはC1-C6 アルキル基、置換もしくは無置
    換のアリ−ル基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基
    またはアリ−ル基もしくは芳香族複素環基を末端に有す
    るC1-C6 アルキル基である。R2 が水素原子または式
    NHCOXで表されるアシルアミノ基であるとき、R3
    とR4 は互いに異なり、D−ガラクトピラノシル基、L
    −フコピラノシル基または水素原子である。R2 が水酸
    基であるとき、R3 はD−ガラクトピラノシル基であり
    かつR4 はL−フコピラノシル基または水素原子である
    か、R3 はL−フコピラノシル基でありかつR4 はD−
    ガラクトピラノシル基または水素原子であるか、あるい
    はR3 は水素原子でありかつR4 はL−フコピラノシル
    基である。〕で表されるC−グリコシド誘導体。
  2. 【請求項2】 R3 がL−フコピラノシル基であり、R
    4 がD−ガラクトピラノシル基である請求項1記載のC
    −グリコシド誘導体。
  3. 【請求項3】 R2 が水素原子である請求項2記載のC
    −グリコシド誘導体。
  4. 【請求項4】 R2 が水酸基である請求項2記載のC−
    グリコシド誘導体。
  5. 【請求項5】 R2 が式NHCOXで表されるアシルア
    ミノ基である請求項2記載のC−グリコシド誘導体。
  6. 【請求項6】 R1 がC1-C18アルキル基である請求項
    3ないし請求項5いずれか1項記載のC−グリコシド誘
    導体。
  7. 【請求項7】 R1 がプロピル基である請求項6記載の
    C−グリコシド誘導体。
  8. 【請求項8】 R1 がフェニルC1-C12アルキル基であ
    る請求項3ないし請求項5いずれか1項記載のC−グリ
    コシド誘導体。
  9. 【請求項9】 R3 がD−ガラクトピラノシル基であ
    り、R4 がL−フコピラノシル基である請求項1記載の
    C−グリコシド誘導体。
  10. 【請求項10】 R2 が水素原子である請求項9記載の
    C−グリコシド誘導体。
  11. 【請求項11】 R2 が水酸基である請求項9記載のC
    −グリコシド誘導体。
  12. 【請求項12】 R2 が式NHCOXで表されるアシル
    アミノ基である請求項9記載のC−グリコシド誘導体。
  13. 【請求項13】 R1 がC1-C18アルキル基である請求
    項10ないし請求項12いずれか1項記載のC−グリコ
    シド誘導体。
  14. 【請求項14】 R1 がプロピル基である請求項13記
    載のC−グリコシド誘導体。
  15. 【請求項15】 R1 がフェニルC1-C12アルキル基で
    ある請求項10ないし請求項12いずれか1項記載のC
    −グリコシド誘導体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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