JPH0985907A - 積層体およびそれに用いるポリプロピレン系樹脂フィルム - Google Patents

積層体およびそれに用いるポリプロピレン系樹脂フィルム

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JPH0985907A
JPH0985907A JP23620695A JP23620695A JPH0985907A JP H0985907 A JPH0985907 A JP H0985907A JP 23620695 A JP23620695 A JP 23620695A JP 23620695 A JP23620695 A JP 23620695A JP H0985907 A JPH0985907 A JP H0985907A
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Japan
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resin
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polyethylene
laminate
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JP23620695A
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English (en)
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Fujio Kurose
富士夫 黒瀬
Motohiro Enokida
元博 榎田
Koichi Ito
伊藤  公一
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NIMURA KAGAKU KOGYO KK
Original Assignee
NIMURA KAGAKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アンカーコート処理や改質樹脂添加を行なうこ
となくポリプロピレン系樹脂フィルムにポリエチレン系
樹脂を接着してなる、ラミネート強度およびヒートシー
ル性の高い積層体の提供を目的とする。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂フィルムと、その
一側と接着するポリエチレン系樹脂とを含むフィルム状
の積層体であって、前記ポリプロピレン系樹脂フィルム
が一層または複層からなるとともに少なくとも前記ポリ
エチレン系樹脂と接着する層が実質的にシンジオタクテ
ィック構造のポリプロピレンを30重量%以上含有する
樹脂からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ポリプロピレン
系樹脂フィルムとその一側と接着するポリエチレン系樹
脂とを含むフィルム状の積層体およびそれに好適なポリ
プロピレン系樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】立体規則性がアイソタクティック構造の
ポリプロピレン(以下IPPという。)フィルムは、透
明性、剛性および耐湿性等に優れるため、従来より包装
材として多用されている。しかし、前記IPP単独では
耐寒性、耐衝撃性および低温シール性等に劣るため、そ
れらの性質を補うべく他の樹脂をIPPに積層(ラミネ
ート)して、包装材に適する積層体とされることが多
い。そのIPPに積層される樹脂としてはポリエチレン
系樹脂が一般的であり、さらに必要に応じてそのポリエ
チレン系樹脂に他の樹脂が積層されることもある。
【0003】しかし、異種材質を組み合わせた場合、層
間の接着性(ラミネート性)が十分でないのが一般的で
あり、IPPフィルムにおいても例外ではなかった。し
たがって、前記ポリエチレン系樹脂をIPPフィルムに
積層しようとしても容易に接着せず、その接着性(ラミ
ネート性)を改良するため、以下のような手段が取られ
ている。
【0004】その主な手段として、ポリエチレン系樹脂
をIPPフィルムに積層する工程において、まずIPP
フィルムの表面に有機チタネート系、ポリエステル系、
ポリエチレンイミン系などの接着剤を塗布(以下アンカ
ーコートという。)した後、ポリエチレン系樹脂を積層
する方法がある。その他、IPPフィルムの製造時に前
記アンカーコートを行なったり、接着性を改善するため
の改質樹脂を練り込んだり、ポリエチレン系樹脂と接着
し易い樹脂を積層したりすることもある。
【0005】しかしながら、前記のように、ポリエチレ
ン系樹脂の積層工程時あるいはIPPフィルムの製造時
にアンカーコートを行なう場合には、そのアンカーコー
トのための塗布工程が必要になるため、煩雑になる問題
がある。一方、改質樹脂を練り込む場合には高価な改質
樹脂が余分に必要となり、ポリエチレン系樹脂と接着し
易い樹脂を積層する場合には、その積層工程が別途必要
となる等の問題がある。
【0006】また、前記のようにしてポリエチレン系樹
脂をIPPフィルムに積層して得られた積層体どうし
を、IPPフィルムを対向させてヒートシールすると、
積層体の用途によっては、ヒートシール性が十分とは言
いがたいことがあり、より強度の高いヒートシール性が
求められることもあった。
【0007】さらに、IPPフィルムに積層されたポリ
エチレン系樹脂に、耐熱性および強度に優れる二軸延伸
ポリプロピレンフィルム(以下OPPフィルムとい
う。)を積層した積層体にあっては、OPPフィルムと
その反対側のIPPフィルムとが同様の融点(通常16
0℃程度)を有するIPPから形成されると、ヒートシ
ールを確実にしようとする場合、ヒートシール時にOP
Pフィルムが熱変形し易く、その逆にOPPフィルムに
熱変形を生じないようにヒートシールすると、そのヒー
トシールが不完全になり易く、実用性に欠ける問題があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記の問
題点をことごとく解決するためになされたもので、アン
カーコート処理や改質樹脂の添加を行なうことなくポリ
プロピレン系樹脂フィルムとポリエチレン系樹脂を強固
に積層接着してなる、ヒートシール性の高い積層体と、
それに好適なポリプロピレン系樹脂フィルムを提供しよ
うとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の目的
達成のために種々の研究を行なった結果、シンジオタク
ティック構造のポリプロピレン(以下SPPという。)
がポリエチレン系樹脂に対して極めて親和性の高いこと
を見出し、本発明をするに至ったのである。
【0010】まず積層体に係る発明は、ポリプロピレン
系樹脂フィルムと、その一側と接着するポリエチレン系
樹脂とを含むフィルム状の積層体であって、前記ポリプ
ロピレン系樹脂フィルムが一層または複層からなるとと
もに少なくとも前記ポリエチレン系樹脂と接着する層が
実質的にシンジオタクティック構造のポリプロピレンを
30重量%以上含有する樹脂からなることを特徴とす
る。
【0011】前記ポリプロピレン系樹脂フィルムにおけ
る実質的にシンジオタクティック構造のポリプロピレン
を含有する樹脂からなる層とポリエチレン系樹脂との接
着は、接着性を向上する改質剤の添加や、接着面にアン
カーコートを施すことなく、十分な接着強度(ラミネー
ト強度)が得られる。しかも、そのポリプロピレン系樹
脂フィルムとポリエチレン系樹脂との十分な接着性によ
って、この積層体のヒートシール強度も増大するように
なる。
【0012】一方、ポリプロピレン系樹脂フィルムに係
る発明は、前記積層体のポリプロピレン系樹脂フィルム
の一例として好適なものである。その構成は、一側がポ
リエチレン系樹脂と接着するようにして使用される複層
のポリプロピレン系樹脂フィルムであって、前記ポリエ
チレン系樹脂と接着される層が実質的にシンジオタクテ
ィック構造のポリプロピレンを30重量%以上含有する
樹脂からなり、他方、前記ポリエチレン系樹脂とは反対
側となる層が融点140℃未満のポリプロピレン系樹脂
からなることを特徴とする。
【0013】このポリプロピレン系樹脂フィルムを用い
て前記OPPフィルムを有する積層体を構成し、その積
層体を用いて融点140℃未満のポリプロピレン系樹脂
どうしを対向させてヒートシールすれば、ヒートシール
温度をOPPフィルムの融点よりも十分低い温度にでき
るため、OPPフィルムに影響を与えることなくヒート
シールすることができる。なお、前記ポリエチレン系樹
脂とは反対側となる層の融点は、前記のように140℃
未満が好ましいが、特には110℃以上140℃未満と
するのが好ましい。そうすれば、このポリプロピレン系
樹脂フィルムを用いて形成した前記積層体を食品等の包
装材として使用する場合、高温殺菌等の最中に、対向し
ているポリプロピレン系樹脂フィルムどうしが高温殺菌
等の熱で全面溶着するおそれもない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の積層体は、ポリプロピレ
ン系樹脂フィルムと、その一側と接着するポリエチレン
系樹脂とを含むフィルム状からなるもので、表面にOP
Pフィルム等を有していてもよい。
【0015】本発明の積層体において使用するポリプロ
ピレン系樹脂フィルムは、一層または複層からなるもの
で、一層からなる場合は全体が実質的にシンジオタクテ
ィック構造のポリプロピレンを30重量%以上含有する
樹脂のフィルムからなり、また複層からなる場合には、
少なくともポリエチレン系樹脂と接着する側の層が実質
的にシンジオタクティック構造のポリプロピレンを30
重量%以上含有する樹脂のフィルムからなる。
【0016】前記実質的にシンジオタクティック構造の
ポリプロピレンを30重量%以上含有する樹脂は、残り
の樹脂成分がIPPで構成される。その場合、SPPの
量が30重量%より少なくなるとポリエチレン系樹脂と
の接着性が大きく低下し、SPPを含有させた効果が十
分発揮できなくなる。特に良好な接着性が得られるの
は、SPPの量が50重量%以上の場合で、100重量
%の場合に最も接着力が大きくなる。したがって、SP
Pの配合量を100〜30重量%(IPPを0〜70重
量%)、特に好ましくは100〜50重量%(IPPを
0〜50重量%)の範囲で調整することにより、SPP
を含有する層とポリエチレン系樹脂との接着力を強から
弱へ適宜の強度に調整することができる。
【0017】実質的にシンジオタクティック構造を有す
るポリプロピレンとしては、13C−NMRで測定したシ
ンジオタクティックペンタット分率が0.70以上の立
体規則性を有するものが好ましく利用できる。なお、こ
のようなシンジオタクティック構造を有するポリプロピ
レンの一例として、三井東圧化学株式会社製、製品番号
SPH−0401を挙げることができる。
【0018】本発明の積層体におけるポリプロピレン系
樹脂フィルムには、SPPを含有する樹脂からなる単独
の無延伸あるいは二軸延伸フィルム、基層がIPP、被
覆層(ポリエチレン系樹脂との接着側の層)が前記SP
Pを含有する樹脂からなる複合無延伸あるいは複合二軸
延伸フィルム等が含まれる。さらにポリプロピレン系樹
脂フィルムが、ポリエチレン系樹脂フィルムを挟んだ状
態であってもよい。
【0019】また、本発明の積層体におけるポリプロピ
レン系樹脂フィルムとして、請求項2に記載したもの、
すなわち、ポリエチレン系樹脂と接着される層が実質的
にシンジオタクティック構造のポリプロピレンを30重
量%以上含有する樹脂からなり、他方、前記ポリエチレ
ン系樹脂とは反対側の層が融点140℃未満のポリプロ
ピレン系樹脂からなるポリプロピレン系樹脂フィルムを
用いることは、好ましい例である。この場合、融点14
0℃未満のポリプロピレン系樹脂はIPPからなるもの
であってもよい。
【0020】本発明におけるポリプロピレン系樹脂フィ
ルムには、その製膜性、加工適性などを向上させるため
に通常使用される、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、有機系滑剤、無機系滑剤、充填剤、顔
料、耐候剤、造核剤等あらゆる種類の添加剤や、石油樹
脂、ロジン、エチレン系、ブテン系等のポリプロピレン
以外の樹脂を、本発明の特性を損なわない範囲で配合す
る事ができる。
【0021】また、本発明におけるポリプロピレン系樹
脂フィルムとしてSPPを30重量%以上含有する樹脂
とIPPの複合フィルムを使用する場合には、IPP層
に上記配合剤以外にSPPを配合する事もできる。
【0022】さらに本発明におけるポリプロピレン系樹
脂フィルムには、公知のコロナ処理や火炎処理等の表面
処理を施してもよい。また、前記ポリプロピレン系樹脂
フィルムの製造法には限定無く、キャスト法、逐次二軸
延伸法、同時二軸延伸法など公知の方法を用いて、単層
または二層以上の複合フィルムをを製膜することができ
る。
【0023】一方、本発明で用いるポリエチレン系樹脂
としては、各種密度、各種メルトフローインデックス
(MFI)を有する高密度ポリエチレン(HDPE)、
中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン
(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレ
ンとアクリル酸エチルの共重合体(EEA)等を使用で
きる。また、そのポリエチレン系樹脂の積層方法に限定
は無く、共押出法、押出ラミネート法等を使用できる。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
に限定されるものではない。 〔実施例1〕シンジオタクティックペンタット分率が
0.793からなるSPP(SPH−0401、三井東
圧株式会社製)のペレットを押出機に導き、厚さ20μ
の無延伸SPPフィルムを製膜した。また、ポリエチレ
ン(三菱ポリエチLS31、三菱化学株式会社製)のペ
レットを押出機に導き、前記無延伸SPPフィルムに接
着剤を用いることなく20μのポリエチレンフィルムを
積層して、二層のフィルム状積層体を製造した。
【0025】〔比較例1〕ポリプロピレンがアイソタク
ティック構造からなるエチレン−プロピレン系共重合体
(FM821、チッソ石油化学株式会社製)のペレット
を押出機に導き、厚さ20μの無延伸IPPフィルムを
製膜した。また、このIPPフィルム上に前記実施例と
同じポリエチレンを接着剤を用いることなく押出し積層
して二層のフィルム状積層体を製造した。
【0026】〔比較例2〕比較例1においてIPPフィ
ルムの表面に接着剤としてポリエチレンイミン0.1g
/m2 を塗布し、その接着剤層上にポリエチレンを押出
し積層して二層のフィルム状積層体を製造した。
【0027】〔比較例3〕比較例1で使用したエチレン
−プロピレン系共重合体ペレットに、MFIが4g/1
0minのLLDPEペレットを60/40の重量割合
で配合した混合物を押出機に導き、無延伸IPPフィル
ムを製膜した。そして、そのIPPフィルムに比較例1
と同じポリエチレンを、接着剤を用いることなく押出し
積層して二層のフィルム状積層体を製造した。
【0028】前記実施例1、比較例1ないし比較例3の
積層体を、各々15mm巾に切り、TENSILON型
引張試験機を用いて200mm/minの引張速度で層
間強度(ラミネート強度)を測定した。その結果を表1
に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示すように、本発明の実施例1はS
PPフィルムとポリエチレンフィルム間に接着剤が介在
しないにもかかわらず、十分なラミネート強度があっ
た。
【0031】〔実施例2〕実施例1で使用したSPPと
比較例1で使用したエチレン−プロピレン系共重合体ペ
レット(IPP)を用いて、SPP/IPP=5/15
μの無延伸フィルムを製膜し、一方、OPPフィルムと
して二軸延伸ポリプロピレンフィルム(太閤FOR#2
0、二村化学工業株式会社製)にポリエチレンイミン
0.1g/m2 塗布し、ポリエチレン(三菱ポリエチL
S31、三菱化学株式会社製)を10μ押し出すことに
よって、OPP/PE/SPP/IPPからなる本発明
の積層体を得た。なお、このIPPの融点は、示差走査
熱量計を使用して吸熱ピーク温度を測定したところ13
7℃であった。
【0032】〔比較例4〕実施例2におけるSPP/I
PPフィルムに代えて、比較例1で製膜したIPPフィ
ルムを用い、他は実施例2と同様にしてOPP/PE/
IPPの積層体を形成した。
【0033】前記実施例2および比較例4について、ヒ
ートシーラー(テスター産業株式会社製)により150
℃、1秒、2kg/cm2 の条件でヒートシールし、1
5mm巾の試験片を切り取り、TENSILON型引張
試験機を用いて200mm/minの引張速度でヒート
シール強度を測定した。測定結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2からわかるように、実施例2の積層体
は比較例4の積層体に対し、ヒートシール強度が3倍強
であった。
【0036】〔実施例3〕実施例1で使用したSPPを
押出機に導き、一方、密度0.910g/cm3、MF
Iが4g/10minのLLDPEを別の押出機に導い
て、それぞれ混練した後、二層のダイスを用いて厚み構
成がSPP/LLDPE/SPP=5/30/5μの共
押出無延伸フィルムを製膜し、本発明の積層体を得た。
【0037】〔比較例5〕比較例1で使用したエチレン
−プロピレン系共重合体(IPP)のペッレットを用い
て、厚さ40μの無延伸フィルムを製膜した。
【0038】〔比較例6〕実施例3において、SPPの
代わりに比較例1で使用したエチレン−プロピレン系共
重合体(IPP)のペレットを用いて積層体を製造し
た。
【0039】実施例3、比較例5および6について、ヒ
ートシール強度テスト、衝撃テストおよび再生テストを
行なった。ヒートシール強度テストは前記と同様にして
行なった。衝撃テストは、ダートインパクトテスターを
使用して23℃での衝撃強度を測定した。また、再生テ
ストについては、実施例3、比較例5および6の積層体
またはフィルムを造粒機にて再びペレット化し、その後
押出機に導いて40μの無延伸フィルムを製膜し、ゲル
の有無を判定した。そしてゲル有の場合×、無の場合〇
とした。その結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】表3から明らかなように、本発明に係る実
施例3の積層体については、ヒートシール強度および衝
撃強度が高かった。また再生テストも良好であり、IP
P等の樹脂原料に添加して再利用することが可能とな
る。
【0042】〔比較例7〕ポリプロピレンがアイソタク
ティック構造からなるポリプロピレン系重合体ペレット
(FD141−C、チッソ石油化学株式会社製)を押出
機に導き、縦方向に延伸し、IPPからなるOPPフィ
ルムを製膜する。一方、実施例1で使用したSPPを他
の押出機に導き、前記IPPからなるOPPフィルム上
に押し出して二層とした後、横延伸し、OPP(IP
P)/SPP=30/5μの二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムからなる積層体を形成した。
【0043】〔実施例4〕比較例7で得たOPP(IP
P)/SPP=30/5μの二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムのSPP側に、ポリエチレン(三菱ポリエチLS
31、三菱化学株式会社製)を10μの厚みで押し出す
ことによって、OPP/SPP/PEからなる本発明の
積層体を得た。
【0044】前記実施例4および比較例7について、そ
れぞれポリエチレン層を対向させてヒートシールした場
合のヒートシール強度を前記と同様にして測定した。測
定結果は表4に示すとおり、実施例4のほうが比較例7
に対して5倍のヒートシール強度を有していた。
【0045】
【表4】
【0046】〔比較例8〕実施例2におけるエチレン−
プロピレン系共重合体ペレット(IPP)を、ポリプロ
ピレンがアイソタクティック構造からなるポリプロピレ
ン系重合体ペレット(FM121−B、チッソ石油化学
株式会社製)に代えて積層体を製造した。この比較例8
におけるIPPの融点を示差走査熱量計を使用して測定
したところ163℃であった。
【0047】前記比較例8について、前記と同様にして
ヒートシール強度を測定し、前記実施例2のヒートシー
ル強度と比較した。結果は、表5に示すとおり、実施例
2が2500g/15mmであるのに対し、10g/1
5mmであった。これは、OPPが熱変形しないように
ヒートシール温度を150℃としたため、比較例8にお
けるヒートシール面のIPP(融点163℃)がほとん
ど溶着しないことによる。
【0048】
【表5】
【0049】次にこの発明において、前記ポリエチレン
系樹脂と接着する層のSPPの含有割合を変化させた試
験体を作製し、TENSILON型引張試験機(200
mm/min)でヒートシール強度を測定した。前記試
験体は、実施例1と同じSPP(SPH−401)と、
比較例1と同じIPP(FM821)とを、互いの割合
を変化させて混合し、厚さ20μに製膜した無延伸フィ
ルムに、厚さ30μのポリエチレン(三菱ポリエチLS
31)フィルムを、東洋精機製熱傾斜試験機にて、1
秒、2kg/cm2 の条件でヒートシールしたものを用
いた。測定結果を表6に示す。この表6に示すとおり、
SPPが30重量%、特には50重量%以上となると、
ヒートシール強度が大きく増大するのがわかる。
【0050】
【表6】
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の積層体に
よれば、アンカーコート処理や改質剤の添加等を行なう
ことなく、ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリエチレ
ン系樹脂間のラミネート強度を高くできる。そのため、
積層体の製造(ラミネート)が容易となるばかりか、経
済的であるという優れた効果が得られる。しかも、本発
明の積層体は、ヒートシール性も高いため、包装材等に
も好適である。
【0052】また、本発明のポリプロピレン系樹脂フィ
ルムを前記積層体に使用すれば、ヒートシール時にOP
Pフィルムが熱変形するおそれがないため、確実にヒー
トシールすることができるのみならず、OPPの熱変形
による使用上の問題も生じることがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 公一 愛知県海部郡大治町大字西条字笠見立1番 地1号 二村化学工業株式会社名古屋工場 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂フィルムと、その
    一側と接着するポリエチレン系樹脂とを含むフィルム状
    の積層体であって、前記ポリプロピレン系樹脂フィルム
    が一層または複層からなるとともに、少なくとも前記ポ
    リエチレン系樹脂と接着する層が、実質的にシンジオタ
    クティック構造のポリプロピレンを30重量%以上含有
    する樹脂からなることを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 一側がポリエチレン系樹脂と接着するよ
    うにして使用される複層のポリプロピレン系樹脂フィル
    ムであって、前記ポリエチレン系樹脂と接着される層
    が、実質的にシンジオタクティック構造のポリプロピレ
    ンを30重量%以上含有する樹脂からなり、他方、前記
    ポリエチレン系樹脂とは反対側となる層が融点140℃
    未満のポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする
    ポリプロピレン系樹脂フィルム。
JP23620695A 1995-07-14 1995-08-21 積層体およびそれに用いるポリプロピレン系樹脂フィルム Pending JPH0985907A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006056128A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Mitsui Chemicals Inc ポリオレフィン系化粧シート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006056128A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Mitsui Chemicals Inc ポリオレフィン系化粧シート

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