JPH0985625A - 液体噴射ノズル及びそのノズルの製造方法並びにそのノズルを用いた応力改善装置 - Google Patents
液体噴射ノズル及びそのノズルの製造方法並びにそのノズルを用いた応力改善装置Info
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- JPH0985625A JPH0985625A JP24123095A JP24123095A JPH0985625A JP H0985625 A JPH0985625 A JP H0985625A JP 24123095 A JP24123095 A JP 24123095A JP 24123095 A JP24123095 A JP 24123095A JP H0985625 A JPH0985625 A JP H0985625A
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- orifice
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Abstract
(57)【要約】
【目的】キャビテーション気泡を用いた応力改善装置に
用いられる噴射ノズルの作用効果を向上する。 【構成】水室1と、前記水室1にオリフィス4を介して
連通したスロート5と、前記スロート5に連通した拡散
室16とを備えた液体噴射ノズル10において、前記ス
ロート5の途中に複数の流路を構成する円孔オリフィス
6を備えたことを特徴とした液体噴射ノズル10。 【効果】水室1に圧送した高圧水2が円孔オリフィス6
を通過する際に多量のキャビテーション気泡がスロート
5の流路断面方向に広く分布して発生し、広く分布させ
た多量のキャビテーション気泡7を含むジェット水8を
噴射ノズル10から噴出させることができ、キャビテー
ション気泡を用いた応力改善の作用効果を向上すること
ができる。
用いられる噴射ノズルの作用効果を向上する。 【構成】水室1と、前記水室1にオリフィス4を介して
連通したスロート5と、前記スロート5に連通した拡散
室16とを備えた液体噴射ノズル10において、前記ス
ロート5の途中に複数の流路を構成する円孔オリフィス
6を備えたことを特徴とした液体噴射ノズル10。 【効果】水室1に圧送した高圧水2が円孔オリフィス6
を通過する際に多量のキャビテーション気泡がスロート
5の流路断面方向に広く分布して発生し、広く分布させ
た多量のキャビテーション気泡7を含むジェット水8を
噴射ノズル10から噴出させることができ、キャビテー
ション気泡を用いた応力改善の作用効果を向上すること
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料に存在する残
留応力を改善するピーニング処理に用いられる流体噴射
ノズルと、そのノズルの製造方法と、そのノズルを用い
た応力改善装置の技術分野に属する。
留応力を改善するピーニング処理に用いられる流体噴射
ノズルと、そのノズルの製造方法と、そのノズルを用い
た応力改善装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】液体噴射ノズルを用いたピーニング処理
による金属の表面強化法として特開昭59−193215号公報
(第一の引例)には、液体中の金属に高圧高流速の液体
をノズルから噴射して、発生するキャビテーション気泡
の圧潰衝撃力を利用して金属の表面をピーニング処理す
る技術が開示されている。
による金属の表面強化法として特開昭59−193215号公報
(第一の引例)には、液体中の金属に高圧高流速の液体
をノズルから噴射して、発生するキャビテーション気泡
の圧潰衝撃力を利用して金属の表面をピーニング処理す
る技術が開示されている。
【0003】液中で使用する高圧,高速のジェット噴流
用のノズルについては、特開昭59−25681 号公報(第二
の引例)に開示されている。
用のノズルについては、特開昭59−25681 号公報(第二
の引例)に開示されている。
【0004】液中ジェット噴流の流速を増すために、円
形,楕円,矩形のうちのいずれかの断面を有するオリフ
ィス及びオリフィスの下流にオリフィスの軸心に対して
20度から60度の角度で広がる拡散室を備えた液中噴
射ノズルが開示されている。適正なオリフィスに続く噴
出孔の長さとしては、オリフィスの直径の4倍から20
倍としている。
形,楕円,矩形のうちのいずれかの断面を有するオリフ
ィス及びオリフィスの下流にオリフィスの軸心に対して
20度から60度の角度で広がる拡散室を備えた液中噴
射ノズルが開示されている。適正なオリフィスに続く噴
出孔の長さとしては、オリフィスの直径の4倍から20
倍としている。
【0005】これにより液中ジェット噴流の流速損失が
低減され、ジェット噴流を速く、遠くまで到達させるこ
とが可能となる。
低減され、ジェット噴流を速く、遠くまで到達させるこ
とが可能となる。
【0006】また、特開平4−240073 号公報(第三の引
例)には、キャビテーション気泡の押潰圧力によって試
料表面の残留応力を改善する方法が開示されている。
例)には、キャビテーション気泡の押潰圧力によって試
料表面の残留応力を改善する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記で述べた第一の引
例では、高圧,高流速の液体を噴射する具体的手段につ
いては述べられていない。
例では、高圧,高流速の液体を噴射する具体的手段につ
いては述べられていない。
【0008】第二の引例では、ジェット噴流の減衰を低
く押さえることを主目的としており、キャビテーション
気泡を得るための手段は開示されていない。
く押さえることを主目的としており、キャビテーション
気泡を得るための手段は開示されていない。
【0009】第三の引例では、キャビテーション気泡を
発生させるためのノズルの一例は開示されているが、こ
のノズルでの残留応力改善量は、150MPa程であ
り、実用には足りない。
発生させるためのノズルの一例は開示されているが、こ
のノズルでの残留応力改善量は、150MPa程であ
り、実用には足りない。
【0010】また、これらの各引例では、試料への改善
効果の範囲拡大の手段については開示されていない。
効果の範囲拡大の手段については開示されていない。
【0011】本発明の第1目的は、水中環境で金属材料
表面をピーニングして圧縮残留応力を生成することによ
り、前もって存在している引張残留応力を従来以上に効
果的に改善するに好適なピーニング処理用の流体噴射ノ
ズルを提供するものであり、同じく第2目的は、第1目
的を達成するための流体噴射ノズルの製造方法を提供す
ることにあり、同じく第3目的は、水中環境で金属材料
表面をピーニングして圧縮残留応力を生成することによ
り、前もって存在している引張残留応力を従来以上に効
果的に改善するに好適な応力改善装置を提供することに
ある。
表面をピーニングして圧縮残留応力を生成することによ
り、前もって存在している引張残留応力を従来以上に効
果的に改善するに好適なピーニング処理用の流体噴射ノ
ズルを提供するものであり、同じく第2目的は、第1目
的を達成するための流体噴射ノズルの製造方法を提供す
ることにあり、同じく第3目的は、水中環境で金属材料
表面をピーニングして圧縮残留応力を生成することによ
り、前もって存在している引張残留応力を従来以上に効
果的に改善するに好適な応力改善装置を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1目的を達成
するための第1の手段は、水室と、前記水室にオリフィ
スを介して連通したスロートと、前記スロートに連通し
た噴出口とを備えた液体噴射ノズルにおいて、前記スロ
ートの途中に複数の流路を構成する構造物を備えたこと
を特徴とした液体噴射ノズルである。
するための第1の手段は、水室と、前記水室にオリフィ
スを介して連通したスロートと、前記スロートに連通し
た噴出口とを備えた液体噴射ノズルにおいて、前記スロ
ートの途中に複数の流路を構成する構造物を備えたこと
を特徴とした液体噴射ノズルである。
【0013】同じく第2の手段は、水室と、前記水室に
オリフィスを介して連通したスロートと、前記スロート
に連通した噴出口とを備えた液体噴射ノズルにおいて、
前記水室と前記噴出口との間に複数のスロートを備えた
ことを特徴とした液体噴射ノズルである。
オリフィスを介して連通したスロートと、前記スロート
に連通した噴出口とを備えた液体噴射ノズルにおいて、
前記水室と前記噴出口との間に複数のスロートを備えた
ことを特徴とした液体噴射ノズルである。
【0014】本発明の第2目的を達成するための第3の
手段は、ノズル本体内に、水室と、前記水室にオリフィ
スを介して連通したスロートと、前記スロートに連通し
て噴出口とを設けて製造した液体噴射ノズルの製造方法
において、前記ノズル本体を複数のコンポーネントと前
記スロートの途中に挿入される円孔オリフィスとに分割
して製造し、前記スロートの途中に前記円孔オリフィス
を装備した上で、前記複数のコンポーネント一体に結合
して前記ノズル本体内に前記円孔オリフィスを包含させ
て製造して成る液体噴射ノズルの製造方法である。
手段は、ノズル本体内に、水室と、前記水室にオリフィ
スを介して連通したスロートと、前記スロートに連通し
て噴出口とを設けて製造した液体噴射ノズルの製造方法
において、前記ノズル本体を複数のコンポーネントと前
記スロートの途中に挿入される円孔オリフィスとに分割
して製造し、前記スロートの途中に前記円孔オリフィス
を装備した上で、前記複数のコンポーネント一体に結合
して前記ノズル本体内に前記円孔オリフィスを包含させ
て製造して成る液体噴射ノズルの製造方法である。
【0015】本発明の第3目的を達成するための第4の
手段は、流体噴射ノズルを移動自在に支持した駆動装置
と、前記液体噴射ノズルに流体を供給するポンプとを備
えた応力改善装置において、前記流体噴射ノズルが前記
第1の手段又は前記第2の手段の液体噴射ノズルである
ことを特徴とした応力改善装置である。
手段は、流体噴射ノズルを移動自在に支持した駆動装置
と、前記液体噴射ノズルに流体を供給するポンプとを備
えた応力改善装置において、前記流体噴射ノズルが前記
第1の手段又は前記第2の手段の液体噴射ノズルである
ことを特徴とした応力改善装置である。
【0016】
【作用】第1,第2の手段によれば、水室に圧送した高
圧水がスロートを複数の流路で通過する際に多量のキャ
ビテーション気泡がスロートの流路断面方向に広く分布
して発生し、広く分布させた多量のキャビテーション気
泡を含むジェット水を噴射ノズルから噴出させることが
でき、キャビテーション気泡を用いた応力改善の作用効
果を向上するのに寄与できる。
圧水がスロートを複数の流路で通過する際に多量のキャ
ビテーション気泡がスロートの流路断面方向に広く分布
して発生し、広く分布させた多量のキャビテーション気
泡を含むジェット水を噴射ノズルから噴出させることが
でき、キャビテーション気泡を用いた応力改善の作用効
果を向上するのに寄与できる。
【0017】第3の手段によれば、第1の手段によるノ
ズルを、分割して個々に製造したうえで、一体に組み立
てることで、容易に製造することができる。
ズルを、分割して個々に製造したうえで、一体に組み立
てることで、容易に製造することができる。
【0018】第4の手段によれば、第1の手段又は第2
の手段による噴射ノズルを移動させて用いて応力改善対
象物の形状に対応して広範囲に応力改善作業を行える作
用が得られる。
の手段による噴射ノズルを移動させて用いて応力改善対
象物の形状に対応して広範囲に応力改善作業を行える作
用が得られる。
【0019】
【実施例】第1実施例は、図1に示すとおりである。
【0020】図1において、ポンプからホースを通して
高圧水2を受ける水室1には、ホースを接続するいため
の螺子3が加工されている。
高圧水2を受ける水室1には、ホースを接続するいため
の螺子3が加工されている。
【0021】この水室1には、オリフィス4を備えた円
管状の流路としてスロート5が接続され、そのスロート
5が円錐状の拡散室16に接続されている。
管状の流路としてスロート5が接続され、そのスロート
5が円錐状の拡散室16に接続されている。
【0022】スロート5の途中部分には、スロート5の
流路断面を複数に分割して複数の流路を構成するための
円孔オリフィス6が装備されている。
流路断面を複数に分割して複数の流路を構成するための
円孔オリフィス6が装備されている。
【0023】この円孔オリフィス6は図1の(a)図,
図5で示す様に、オリフィス5の径よりも小径の管状部
材11の外周に4枚のフィン状の隔壁12を等角度間隔
で固定して製造される。
図5で示す様に、オリフィス5の径よりも小径の管状部
材11の外周に4枚のフィン状の隔壁12を等角度間隔
で固定して製造される。
【0024】図1の噴射ノズル10は、次の様にして製
造される。
造される。
【0025】図5の様に、ノズル本体の一部に水室1と
オリフィス4とスロート5の一部とを加工し、さらに
は、円孔オリフィス6の装着孔24の一部及びノズル本
体の他部を螺合するための内周螺子26を加工して第1
のコンポーネント22を製造する。
オリフィス4とスロート5の一部とを加工し、さらに
は、円孔オリフィス6の装着孔24の一部及びノズル本
体の他部を螺合するための内周螺子26を加工して第1
のコンポーネント22を製造する。
【0026】ノズル本体の他部には、円孔オリフィス6
の装着孔24の他部とスロート5の他部と円錐状の拡散
室16とを加工し、更には、前述の内周螺子26と螺合
する外周螺子27が外周囲に加工して第2のコンポーネ
ント23を製造する。
の装着孔24の他部とスロート5の他部と円錐状の拡散
室16とを加工し、更には、前述の内周螺子26と螺合
する外周螺子27が外周囲に加工して第2のコンポーネ
ント23を製造する。
【0027】第1のコンポーネント22に設けた装着孔
25に円孔オリフィス6を挿入する。
25に円孔オリフィス6を挿入する。
【0028】その後に、第2のコンポーネント23を第
1コンポーネント22に加工した第2コンポーネント2
3の装着孔25に互いの螺子26,27を噛み合わせて
螺合する。
1コンポーネント22に加工した第2コンポーネント2
3の装着孔25に互いの螺子26,27を噛み合わせて
螺合する。
【0029】このようにして、第1のコンポーネント2
2と第2のコンポーネント23と円孔オリフィス6とで
噴射ノズル10を製造する。
2と第2のコンポーネント23と円孔オリフィス6とで
噴射ノズル10を製造する。
【0030】製造された噴射ノズル10には、スロート
5の途中で管状部材11内の流路と、管状部材11の外
周囲と隔壁12とで囲われた4流路との計5流路が円孔
オリフィス6という構造物により構成される。
5の途中で管状部材11内の流路と、管状部材11の外
周囲と隔壁12とで囲われた4流路との計5流路が円孔
オリフィス6という構造物により構成される。
【0031】これらの5流路はスロート5の中央とその
周囲とに分散して配置されることになる。
周囲とに分散して配置されることになる。
【0032】噴射ノズル10の製造に当たっては、図6
で示すように、第1のコンポーネント22に外周螺子2
7を第2コンポーネントに内周螺子26とを加工して互
いに噛み合わせ螺合させることで噴射ノズル10を製造
しても良く、その際には、円孔オリフィス6の装着孔2
4は第1のコンポーネント22側に全部加工して設けて
も良い。
で示すように、第1のコンポーネント22に外周螺子2
7を第2コンポーネントに内周螺子26とを加工して互
いに噛み合わせ螺合させることで噴射ノズル10を製造
しても良く、その際には、円孔オリフィス6の装着孔2
4は第1のコンポーネント22側に全部加工して設けて
も良い。
【0033】このような噴射ノズル10に、20MPa
から100MPa、好ましくは40MPaから80MP
a、より好ましくは50MPaから70MPaの圧力に
ポンプ等で昇圧した高圧流体、好ましくは高圧水2をホ
ースに通して供給して、その高圧水2を水室1に流入さ
せると、高圧水2が水室1からオリフィス4を通過して
スロート5に入り圧力は減圧して及び乱流を引き起こし
てキャビテーション現象が生じてキャビテーション気泡
が発生する。
から100MPa、好ましくは40MPaから80MP
a、より好ましくは50MPaから70MPaの圧力に
ポンプ等で昇圧した高圧流体、好ましくは高圧水2をホ
ースに通して供給して、その高圧水2を水室1に流入さ
せると、高圧水2が水室1からオリフィス4を通過して
スロート5に入り圧力は減圧して及び乱流を引き起こし
てキャビテーション現象が生じてキャビテーション気泡
が発生する。
【0034】高圧水2は水室1からスロート5に入って
から、すぐに円孔オリフィス6に当たって5流路に分流
して行く。
から、すぐに円孔オリフィス6に当たって5流路に分流
して行く。
【0035】その5流路の各流路断面はオリフィス4や
スロート5の流路断面よりも狭いので更に減圧して及び
乱流を引き起こしてキャビテーション現象が生じてキャ
ビテーション気泡がさらに発生する。
スロート5の流路断面よりも狭いので更に減圧して及び
乱流を引き起こしてキャビテーション現象が生じてキャ
ビテーション気泡がさらに発生する。
【0036】高圧水2は、その5流路を抜け出すときに
も乱流を引き起こすから、キャビテーション現象が生じ
てキャビテーション気泡がさらに発生する。
も乱流を引き起こすから、キャビテーション現象が生じ
てキャビテーション気泡がさらに発生する。
【0037】その5流路はスロート5の中央とその周囲
に分散しているから、その5流路からでてきたキャビテ
ーション気泡はスロート5の流路断面の全面に広く分散
し、発生する気泡数も多いから、気泡密度も高くなる。
に分散しているから、その5流路からでてきたキャビテ
ーション気泡はスロート5の流路断面の全面に広く分散
し、発生する気泡数も多いから、気泡密度も高くなる。
【0038】このように、多量のキャビテーション気泡
7が広く分散した状態の高圧水2は、遂には、スロート
5から拡散室16に通り多量のキャビテーション気泡7
を含んだ主ジェット水8として金属体9の表面に向けて
噴出されて行く。
7が広く分散した状態の高圧水2は、遂には、スロート
5から拡散室16に通り多量のキャビテーション気泡7
を含んだ主ジェット水8として金属体9の表面に向けて
噴出されて行く。
【0039】拡散室16でも圧力変化と主ジェット水周
囲の乱流を引き起こしながら、金属体表面にキャビテー
ション気泡を含んだ高圧水2が衝突してその気泡の押潰
衝撃力が発生し、その発生した衝撃力で、単に高圧水2
をぶつけたときに比較して、金属体表面に低圧水で強力
なピーニングを施工する。
囲の乱流を引き起こしながら、金属体表面にキャビテー
ション気泡を含んだ高圧水2が衝突してその気泡の押潰
衝撃力が発生し、その発生した衝撃力で、単に高圧水2
をぶつけたときに比較して、金属体表面に低圧水で強力
なピーニングを施工する。
【0040】スロート5の途中に円孔オリフィス6を装
着することにより、高圧水2の流勢の低下を招きやす
が、円孔オリフィス6による5流路の集計流路断面積が
流量を含め流勢をそこなわないように極力広く確保し
て、多量に発生したキャビテーション気泡が多量に金属
体方向に運ばれるようにする。
着することにより、高圧水2の流勢の低下を招きやす
が、円孔オリフィス6による5流路の集計流路断面積が
流量を含め流勢をそこなわないように極力広く確保し
て、多量に発生したキャビテーション気泡が多量に金属
体方向に運ばれるようにする。
【0041】このことにより、ノズルからの噴出流量を
確保するとともに高圧水2を発生するためのポンプ圧力
の高騰を抑制乃至は低下させている。
確保するとともに高圧水2を発生するためのポンプ圧力
の高騰を抑制乃至は低下させている。
【0042】このように本実施例では、多くのキャビテ
ーション気泡を広く分散させてノズルから噴出する水流
に同伴させることができるので、金属体表面の応力改善
領域が広く且つ短時間に効率良く改善できる。
ーション気泡を広く分散させてノズルから噴出する水流
に同伴させることができるので、金属体表面の応力改善
領域が広く且つ短時間に効率良く改善できる。
【0043】その際、ポンプへの要求圧力も極力低く抑
制することができる。
制することができる。
【0044】図2の例は、第2実施例を示しており、第
2実施例は以下のとおりである。
2実施例は以下のとおりである。
【0045】図2において、ポンプからホースを通して
高圧水2を受ける水室1には、ホースを接続するいため
の螺子3が加工されている。
高圧水2を受ける水室1には、ホースを接続するいため
の螺子3が加工されている。
【0046】この水室1には、オリフィス4を備えた円
管状の流路としてスロート5が接続され、そのスロート
5が円錐状の拡散室16に接続されている。
管状の流路としてスロート5が接続され、そのスロート
5が円錐状の拡散室16に接続されている。
【0047】スロート5の途中部分には、スロート5の
流路断面を複数に分割して複数の流路を構成するための
多重管円孔オリフィス17が装備されている。
流路断面を複数に分割して複数の流路を構成するための
多重管円孔オリフィス17が装備されている。
【0048】この多重管円孔オリフィス17は図7で示
す様に、内側円孔オリフィスと外側円孔オリフィスとの
組み合わせで構成される。
す様に、内側円孔オリフィスと外側円孔オリフィスとの
組み合わせで構成される。
【0049】この外側円孔オリフィスは図2,図7で示
す様に、オリフィス4の径よりも小径の管状部材11の
外周に4枚のフィン状の隔壁12を等角度間隔で固定し
て製造される。
す様に、オリフィス4の径よりも小径の管状部材11の
外周に4枚のフィン状の隔壁12を等角度間隔で固定し
て製造される。
【0050】また、内側円孔オリフィスは、長さにおい
ても径においても前記管状部材11よりも小さい管状部
材13の外周に4枚のステー14を等角度間隔で固定し
て製造される。
ても径においても前記管状部材11よりも小さい管状部
材13の外周に4枚のステー14を等角度間隔で固定し
て製造される。
【0051】この外側円孔オリフィスは、軸心方向に二
分割されており、一方には、ステーを挿入して取付ける
溝30が管状部材11に設けられている。
分割されており、一方には、ステーを挿入して取付ける
溝30が管状部材11に設けられている。
【0052】二分割された外側円孔オリフィスの一方に
内側円孔オリフィスをステー14が溝30に挿入されて
固定される迄差し込み、次に二分割された外側円孔オリ
フィスの他方を前記一方に合わせてステー14を挾み込
むように組み合わせられ、内外両側の円孔オリフィス左
端(流路入り口)は互いに段違いにされ、右端(流路出
口)は一致させてある。
内側円孔オリフィスをステー14が溝30に挿入されて
固定される迄差し込み、次に二分割された外側円孔オリ
フィスの他方を前記一方に合わせてステー14を挾み込
むように組み合わせられ、内外両側の円孔オリフィス左
端(流路入り口)は互いに段違いにされ、右端(流路出
口)は一致させてある。
【0053】図2の噴射ノズル10は、次の様にして製
造される。
造される。
【0054】図7のように、ノズル本体の一部に水室1
とオリフィス4とスロート5の一部とを加工し、さらに
は、多重管円孔オリフィス17の装着孔24の一部及び
ノズル本体の他部を螺合するための装着孔25と内周螺
子26を加工して第1のコンポーネント22を製造す
る。
とオリフィス4とスロート5の一部とを加工し、さらに
は、多重管円孔オリフィス17の装着孔24の一部及び
ノズル本体の他部を螺合するための装着孔25と内周螺
子26を加工して第1のコンポーネント22を製造す
る。
【0055】ノズル本体の他部には、多重管円孔オリフ
ィス17の装着孔の他部とスロート5の他部と円錐状の
拡散室16とを加工し、更には、前述の内周螺子26と
螺合する外周螺子27が外周囲に加工して第2のコンポ
ーネント23を製造する。
ィス17の装着孔の他部とスロート5の他部と円錐状の
拡散室16とを加工し、更には、前述の内周螺子26と
螺合する外周螺子27が外周囲に加工して第2のコンポ
ーネント23を製造する。
【0056】第1のコンポーネント22に設けた装着孔
24に多重管円孔オリフィスを挿入する。
24に多重管円孔オリフィスを挿入する。
【0057】その後に、第2のコンポーネント23を第
1コンポーネント22に加工した第2コンポーネントの
装着孔25に互いの螺子26,27を噛み合わせて螺合
する。
1コンポーネント22に加工した第2コンポーネントの
装着孔25に互いの螺子26,27を噛み合わせて螺合
する。
【0058】このようにして、第1のコンポーネント2
2と第2のコンポーネント23と多重管円孔オリフィス
17とで噴射ノズル10を製造する。
2と第2のコンポーネント23と多重管円孔オリフィス
17とで噴射ノズル10を製造する。
【0059】製造された噴射ノズル10には、スロート
5の途中で両管状部材11,13で囲われた環状断面の
1流路と、管状部材13の外周囲と隔壁12とで囲われ
た4流路と、及び管状部材13内の1流路との合計6流
路が多重管円孔オリフィス17という構造物により構成
される。
5の途中で両管状部材11,13で囲われた環状断面の
1流路と、管状部材13の外周囲と隔壁12とで囲われ
た4流路と、及び管状部材13内の1流路との合計6流
路が多重管円孔オリフィス17という構造物により構成
される。
【0060】これらの6流路はスロート5の中央とその
周囲とに分散して配置されることになる。
周囲とに分散して配置されることになる。
【0061】噴射ノズル10の製造に当たっては、図8
で示すように、第1のコンポーネント22に外周螺子2
7と第2コンポーネント23の内周螺子26とを加工し
て互いに噛み合わせ螺合させることで噴射ノズル10を
製造しても良く、その際には、多重管円孔オリフィス1
7の装着孔25は第1のコンポーネント22側に全部加
工して設けても良い。
で示すように、第1のコンポーネント22に外周螺子2
7と第2コンポーネント23の内周螺子26とを加工し
て互いに噛み合わせ螺合させることで噴射ノズル10を
製造しても良く、その際には、多重管円孔オリフィス1
7の装着孔25は第1のコンポーネント22側に全部加
工して設けても良い。
【0062】この噴射ノズル10に、20MPaから1
00MPa、好ましくは40MPaから80MPa、よ
り好ましくは50MPaから70MPaの圧力にポンプ
で昇圧した高圧流体、好ましくは高圧水2をホースに通
して供給し、末広がりの拡散室16から金属体に向けて
主ジェット8を噴射して衝突させる。
00MPa、好ましくは40MPaから80MPa、よ
り好ましくは50MPaから70MPaの圧力にポンプ
で昇圧した高圧流体、好ましくは高圧水2をホースに通
して供給し、末広がりの拡散室16から金属体に向けて
主ジェット8を噴射して衝突させる。
【0063】高圧水2の一部はスロート5の最内側の最
も径の狭くなった管状部材13内を通り圧力低下と乱流
を起こしキャビテーション気泡を発生させる。
も径の狭くなった管状部材13内を通り圧力低下と乱流
を起こしキャビテーション気泡を発生させる。
【0064】また、残りの高圧水2は外側の管状部材1
1内を通り圧力低下と乱流を起こしキャビテーション気
泡を発生させる。
1内を通り圧力低下と乱流を起こしキャビテーション気
泡を発生させる。
【0065】更に他の残りの高圧水2は管状部材11と
隔壁12で囲われた流路を通り圧力低下と乱流を起こし
キャビテーション気泡を発生させる。
隔壁12で囲われた流路を通り圧力低下と乱流を起こし
キャビテーション気泡を発生させる。
【0066】いずれの流路の高圧水2も多重管円孔オリ
フィス17を出るときにも乱流を引き起こしてキャビテ
ーション気泡を発生させる。
フィス17を出るときにも乱流を引き起こしてキャビテ
ーション気泡を発生させる。
【0067】多重管円孔オリフィス17による流路のう
ち、最も外周側の流路は内側のものより径は大きく、圧
力低下は大きくとれない。
ち、最も外周側の流路は内側のものより径は大きく、圧
力低下は大きくとれない。
【0068】しかし、圧力低下の小さい分でだけ流入抵
抗は小さくなり大きい流量が得られ、ポンプによる発生
圧力を高めなくとも良い。
抗は小さくなり大きい流量が得られ、ポンプによる発生
圧力を高めなくとも良い。
【0069】また、多重管円孔オリフィス17による流
路のうち、最も内側の流路が短くなるため、多重管での
管摩擦損失も軽減されるから、尚一層ポンプの負担が少
なくて良く、ポンプ圧力の高圧化を抑制することができ
る。
路のうち、最も内側の流路が短くなるため、多重管での
管摩擦損失も軽減されるから、尚一層ポンプの負担が少
なくて良く、ポンプ圧力の高圧化を抑制することができ
る。
【0070】複数の流路でキャビテーション気泡が多量
に発生し、複数の流路がスロート5の流路断面方向に分
散しているから、その気泡が広く分散して主ジェット水
8により運ばれる。
に発生し、複数の流路がスロート5の流路断面方向に分
散しているから、その気泡が広く分散して主ジェット水
8により運ばれる。
【0071】多重管円孔オリフィス17はオリフィス5
よりも総流路面積は広く、多重管円孔オリフィス17を
採用した割には主ジェット水8の流量が多く、金属体9
に運ばれるキャビテーション気泡の量も増加する。
よりも総流路面積は広く、多重管円孔オリフィス17を
採用した割には主ジェット水8の流量が多く、金属体9
に運ばれるキャビテーション気泡の量も増加する。
【0072】従来形状のノズルでは、気泡が噴流中心に
固まり、施工範囲が狭かったが、上記のノズルによって
噴流中心の気泡が広範囲に分散されてることにより、施
工範囲を拡大することができる。
固まり、施工範囲が狭かったが、上記のノズルによって
噴流中心の気泡が広範囲に分散されてることにより、施
工範囲を拡大することができる。
【0073】このように広範囲に渡ってキャビテーショ
ン気泡を増加させて金属体9に当てることができるか
ら、キャビテーション気泡の押潰衝撃力を用いたピーニ
ング処理が短時間に効率良く施工できる。
ン気泡を増加させて金属体9に当てることができるか
ら、キャビテーション気泡の押潰衝撃力を用いたピーニ
ング処理が短時間に効率良く施工できる。
【0074】図3は第3実施例を示しており、第3実施
例による噴射ノズルは以下のとおりである。
例による噴射ノズルは以下のとおりである。
【0075】図3において、ポンプからホースを通して
高圧水2を受ける水室1には、ホースを接続するいため
の螺子3が加工されている。
高圧水2を受ける水室1には、ホースを接続するいため
の螺子3が加工されている。
【0076】この水室1には、オリフィス4を備えた円
管状の流路としてスロート5が接続され、そのスロート
5が円錐状の拡散室16に接続されている。
管状の流路としてスロート5が接続され、そのスロート
5が円錐状の拡散室16に接続されている。
【0077】スロート5の途中部分には、スロート5の
流路断面を複数に分割して複数の流路を構成するための
円孔オリフィス18が装備されている。
流路断面を複数に分割して複数の流路を構成するための
円孔オリフィス18が装備されている。
【0078】この円孔オリフィス18は図9で示す様
に、オリフィス4の径よりも小径の管状部材11の外周
に4枚のフィン状の隔壁12を等角度間隔で固定して製
造され、第1実施例の場合と製造方法は同じで、形状も
隔壁12の大きさが異なるだけで他は同じである。
に、オリフィス4の径よりも小径の管状部材11の外周
に4枚のフィン状の隔壁12を等角度間隔で固定して製
造され、第1実施例の場合と製造方法は同じで、形状も
隔壁12の大きさが異なるだけで他は同じである。
【0079】図3の噴射ノズル10は、次の様にして製
造される。
造される。
【0080】図9のように、ノズル本体の一部に水室1
とオリフィス4とスロート5の一部とを加工し、さらに
は、そのスロート5の一部に連通してスロート5の流路
断面よりも大径の前室19を加工し、さらには、その前
室19に連通してその前室19よりも大径な円孔オリフ
ィス18の装着孔24及び円孔オリフィス18の装着孔
24を加工し、更にノズル本体の他部を螺合するための
内周螺子26とを加工して第1のコンポーネント22を
製造する。
とオリフィス4とスロート5の一部とを加工し、さらに
は、そのスロート5の一部に連通してスロート5の流路
断面よりも大径の前室19を加工し、さらには、その前
室19に連通してその前室19よりも大径な円孔オリフ
ィス18の装着孔24及び円孔オリフィス18の装着孔
24を加工し、更にノズル本体の他部を螺合するための
内周螺子26とを加工して第1のコンポーネント22を
製造する。
【0081】円孔オリフィス18からこの前室19空間
への出口は軸心に対する角度8度以上で急激に広がる空
間構造としてある。
への出口は軸心に対する角度8度以上で急激に広がる空
間構造としてある。
【0082】ノズル本体の他部には、前記前室19と同
径の後室20と、その後室20に連通させてスロート5
の他部と、そのスロート5の他部に連通させて円錐状の
拡散室16とを加工し、更には、前述の内周螺子26と
螺合する外周螺子27が外周囲に加工して第2のコンポ
ーネント23を製造する。
径の後室20と、その後室20に連通させてスロート5
の他部と、そのスロート5の他部に連通させて円錐状の
拡散室16とを加工し、更には、前述の内周螺子26と
螺合する外周螺子27が外周囲に加工して第2のコンポ
ーネント23を製造する。
【0083】第1のコンポーネント22に設けた装着孔
24に円孔オリフィス18を挿入する。
24に円孔オリフィス18を挿入する。
【0084】その後に、第2のコンポーネント23を第
1コンポーネント22に加工した第2コンポーネント2
3の装着孔25に互いの螺子26,27を噛み合わせて
螺合する。
1コンポーネント22に加工した第2コンポーネント2
3の装着孔25に互いの螺子26,27を噛み合わせて
螺合する。
【0085】このようにして、第1のコンポーネント2
2と第2のコンポーネント23と円孔オリフィス18と
で噴射ノズル10を製造する。
2と第2のコンポーネント23と円孔オリフィス18と
で噴射ノズル10を製造する。
【0086】噴射ノズル10の製造に当たっては、図1
0で示すように、第1のコンポーネント22に外周螺子
27を第2コンポーネント23に内周螺子26とを加工
して互いに噛み合わせ螺合させることで噴射ノズル10
を製造しても良い。
0で示すように、第1のコンポーネント22に外周螺子
27を第2コンポーネント23に内周螺子26とを加工
して互いに噛み合わせ螺合させることで噴射ノズル10
を製造しても良い。
【0087】製造された噴射ノズル10には、スロート
5の途中で管状部材11内の流路と、管状部材11の外
周囲と隔壁12とで囲われた4流路との計5流路が円孔
オリフィス18という構造物により構成される。
5の途中で管状部材11内の流路と、管状部材11の外
周囲と隔壁12とで囲われた4流路との計5流路が円孔
オリフィス18という構造物により構成される。
【0088】これらの5流路はスロート5の中央とその
周囲とに分散して配置されることになる。
周囲とに分散して配置されることになる。
【0089】このため、第1実施例と同じ作用効果が得
られる。
られる。
【0090】第1実施例と異なる点は、構造上前室19
と後室20とが存在している点にあり、その事により次
のような作用効果が追加される。
と後室20とが存在している点にあり、その事により次
のような作用効果が追加される。
【0091】即ち、水室1に、20MPaから100M
Pa、好ましくは40MPaから80MPa、より好ま
しくは50MPaから70MPaの圧力に昇圧した高圧
流体、好ましくは高圧水2を供給し、拡散室16から金
属体9に向けて主ジェット水8を噴射して衝突させる。
Pa、好ましくは40MPaから80MPa、より好ま
しくは50MPaから70MPaの圧力に昇圧した高圧
流体、好ましくは高圧水2を供給し、拡散室16から金
属体9に向けて主ジェット水8を噴射して衝突させる。
【0092】その際、高圧水2は水室1から円孔オリフ
ィス18を通り圧力低下を起こしキャビテーション気泡
を発生させる。
ィス18を通り圧力低下を起こしキャビテーション気泡
を発生させる。
【0093】発生したキャビテーション気泡と高圧水2
は前室に達する。
は前室に達する。
【0094】円孔オリフィス11から前室19への急激
な流路の広がりによってキャビテーション気泡及び水流
は前室19内のほぼ静止している流体の中に、噴流とな
って流入し、周囲の流体と混合して渦をつくりキャビテ
ーション気泡の発生及び発生したキャビテーション気泡
の成長を活発にさせる。
な流路の広がりによってキャビテーション気泡及び水流
は前室19内のほぼ静止している流体の中に、噴流とな
って流入し、周囲の流体と混合して渦をつくりキャビテ
ーション気泡の発生及び発生したキャビテーション気泡
の成長を活発にさせる。
【0095】また、前室19から円孔オリフィス18を
通る高圧水2流とキャビテーション気泡はここで圧力の
低下を受けて更に活発なキャビテーション気泡の発生と
成長を行う。
通る高圧水2流とキャビテーション気泡はここで圧力の
低下を受けて更に活発なキャビテーション気泡の発生と
成長を行う。
【0096】この後発生、若しくは成長したキャビテー
ション気泡は後室20に流入して圧力変化と渦を引き起
こしオリフィス5部を通り、ここでもキャビテーション
気泡の発生と成長を行う。
ション気泡は後室20に流入して圧力変化と渦を引き起
こしオリフィス5部を通り、ここでもキャビテーション
気泡の発生と成長を行う。
【0097】この発生と成長は拡散室16にいたるスロ
ート5でも発生する。
ート5でも発生する。
【0098】このようにしてキャビテーション気泡の発
生と成長を多数繰り返すことにより、金属体9の表面層
への放出キャビテーション気泡を多量且つ広範囲に分散
させる。
生と成長を多数繰り返すことにより、金属体9の表面層
への放出キャビテーション気泡を多量且つ広範囲に分散
させる。
【0099】このことにより、広範囲に渡ってキャビテ
ーション気泡を増加させて金属体9に当てることができ
るから、キャビテーション気泡の押潰衝撃力を用いたピ
ーニング処理が短時間に効率良く施工できる。
ーション気泡を増加させて金属体9に当てることができ
るから、キャビテーション気泡の押潰衝撃力を用いたピ
ーニング処理が短時間に効率良く施工できる。
【0100】図4に示した第4実施例は、以下の構成を
備える。
備える。
【0101】図4において、ポンプからホースを通して
高圧水2を受ける水室1には、ホースを接続するいため
の螺子3が加工されている。
高圧水2を受ける水室1には、ホースを接続するいため
の螺子3が加工されている。
【0102】この水室1には、オリフィス4を備えた円
管状の流路として複数のスロート21に接続され、その
スロート21が円錐状の拡散室16に接続されている。
管状の流路として複数のスロート21に接続され、その
スロート21が円錐状の拡散室16に接続されている。
【0103】本実施例で水室1に、20MPaから10
0MPa、好ましくは40MPaから80MPa、より
好ましくは50MPaから70MPaの圧力にポンプで
昇圧した高圧流体、好ましくは高圧水2を供給し、複数
あるスロート21をそれぞれ通過させ、拡散室16から
金属体9に向けて主ジェット水8を噴射して衝突させ
る。
0MPa、好ましくは40MPaから80MPa、より
好ましくは50MPaから70MPaの圧力にポンプで
昇圧した高圧流体、好ましくは高圧水2を供給し、複数
あるスロート21をそれぞれ通過させ、拡散室16から
金属体9に向けて主ジェット水8を噴射して衝突させ
る。
【0104】高圧水2が各スロート21を通過する際に
は、圧力低下を起こし、出入り口部で乱流が生じて、キ
ャビテーション気泡を発生させる。
は、圧力低下を起こし、出入り口部で乱流が生じて、キ
ャビテーション気泡を発生させる。
【0105】設けた5本のスロート21の本数分、一本
のスロート5に比べてキャビテーション気泡の発生量が
増えるため、金属体9の表面層の応力改善効果が高めら
れる。
のスロート5に比べてキャビテーション気泡の発生量が
増えるため、金属体9の表面層の応力改善効果が高めら
れる。
【0106】また、スロート21の本数が増えるため、
高圧水2の通過する断面積が増加する。
高圧水2の通過する断面積が増加する。
【0107】このため、流入抵抗が減少して流量の増加
となるので、多量に発生したキャビテーション気泡をよ
り多く金属体9まで運ぶことができ、一層応力改善効果
が高められる。
となるので、多量に発生したキャビテーション気泡をよ
り多く金属体9まで運ぶことができ、一層応力改善効果
が高められる。
【0108】更に、5本のスロート21が分散している
から、噴流の流路が複数になり、全体の噴流内にキャビ
テーション気泡が拡散されやすい。
から、噴流の流路が複数になり、全体の噴流内にキャビ
テーション気泡が拡散されやすい。
【0109】従来形状のノズルでは、気泡が噴流中心に
固まり、施工範囲が狭かったが、上記のノズルによって
噴流中心の気泡が広範囲に分散され、分散されることに
より気泡の密度が低減することを気泡を複数のスロート
21を用いて多量に生成することで抑制乃至は逆に増加
させて、施工範囲を拡大することができる。
固まり、施工範囲が狭かったが、上記のノズルによって
噴流中心の気泡が広範囲に分散され、分散されることに
より気泡の密度が低減することを気泡を複数のスロート
21を用いて多量に生成することで抑制乃至は逆に増加
させて、施工範囲を拡大することができる。
【0110】このことにより、広範囲に渡ってキャビテ
ーション気泡を増加させて金属体に当てることができる
から、キャビテーション気泡の押潰衝撃力を用いたピー
ニング処理が短時間に効率良く施工できる。
ーション気泡を増加させて金属体に当てることができる
から、キャビテーション気泡の押潰衝撃力を用いたピー
ニング処理が短時間に効率良く施工できる。
【0111】そして、この実施例では、スロート21を
複数本孔あけ加工により製造すれば良いから、各種円孔
オリフィスを採用するものに比べて製造が容易で、流動
抵抗も少なくてポンプの負担が軽減される。
複数本孔あけ加工により製造すれば良いから、各種円孔
オリフィスを採用するものに比べて製造が容易で、流動
抵抗も少なくてポンプの負担が軽減される。
【0112】図11は、これまでに述べた各実施例の噴
射ノズル10を用いたピーニング方法を実施するための
装置と方法に関する実施例を示したものである。
射ノズル10を用いたピーニング方法を実施するための
装置と方法に関する実施例を示したものである。
【0113】噴射ノズル10は、これまでに述べた各実
施例の噴射ノズルの一つを用いる。噴射ノズル10を備
えたノズルヘッド43を所定の空間軌跡で移動可能なX
−Y−Z駆動装置42に取り付け、噴射ノズル10に送
る水の水質を調整する調質漕44,調質漕44の水を噴
射ノズル10に高圧水2として送る高圧ポンプ41、こ
れらの各装置を制御する総合制御装置40で構成されて
いる。
施例の噴射ノズルの一つを用いる。噴射ノズル10を備
えたノズルヘッド43を所定の空間軌跡で移動可能なX
−Y−Z駆動装置42に取り付け、噴射ノズル10に送
る水の水質を調整する調質漕44,調質漕44の水を噴
射ノズル10に高圧水2として送る高圧ポンプ41、こ
れらの各装置を制御する総合制御装置40で構成されて
いる。
【0114】本例によれば、応力改善対象とする金属体
9の形状に合わせて、噴射距離と噴射ノズル10の走行
速度及び横行ピッチ,施工時間,噴射圧力等適正な施工
条件で、噴射ノズル10を金属体9の処理面に沿って移
動させて広範囲に且つ多量のキャビテーション気泡を用
いて効率良く実施することができる。
9の形状に合わせて、噴射距離と噴射ノズル10の走行
速度及び横行ピッチ,施工時間,噴射圧力等適正な施工
条件で、噴射ノズル10を金属体9の処理面に沿って移
動させて広範囲に且つ多量のキャビテーション気泡を用
いて効率良く実施することができる。
【0115】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、キャビテーシ
ョン気泡を同伴させて流体を噴出するノズルにおいて、
その気泡を多量に且つ広範囲に分散させて噴出させるこ
とができるから、応力改善作業に用いればその作業が短
時間に効率良く施工できる。
ョン気泡を同伴させて流体を噴出するノズルにおいて、
その気泡を多量に且つ広範囲に分散させて噴出させるこ
とができるから、応力改善作業に用いればその作業が短
時間に効率良く施工できる。
【0116】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、噴射ノズルの製造が容易で且つ抵
抗も少なく成るという効果が得られる。
による効果に加えて、噴射ノズルの製造が容易で且つ抵
抗も少なく成るという効果が得られる。
【0117】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
による噴射ノズルの製造方法が提供できる。
による噴射ノズルの製造方法が提供できる。
【0118】請求項4の発明によれば、請求項1又は請
求項2の発明による噴射ノズルを移動させて用いて応力
改善対象物の形状に対応して広範囲に応力改善作業を短
時間に効率良く施工できる。
求項2の発明による噴射ノズルを移動させて用いて応力
改善対象物の形状に対応して広範囲に応力改善作業を短
時間に効率良く施工できる。
【図1】本発明の第1実施例による噴射ノズルを示して
おり、(a)図は断面図を、(b)図は(a)図のA−
A矢視断面の要部拡大図である。
おり、(a)図は断面図を、(b)図は(a)図のA−
A矢視断面の要部拡大図である。
【図2】本発明の第2実施例による噴射ノズルを示して
おり、(a)図は断面図を、(b)図は(a)図のB−
B矢視断面の要部拡大図である。
おり、(a)図は断面図を、(b)図は(a)図のB−
B矢視断面の要部拡大図である。
【図3】本発明の第3実施例による噴射ノズルの断面図
である。
である。
【図4】本発明の第4実施例による噴射ノズルを示して
おり、(a)図は断面図を、(b)図は(a)図の右側
面図である。
おり、(a)図は断面図を、(b)図は(a)図の右側
面図である。
【図5】図1に示した噴射ノズルの分解組立要領図であ
る。
る。
【図6】図1に示した噴射ノズルの他の分解組立要領図
である。
である。
【図7】図2に示した噴射ノズルの分解組立要領図であ
る。
る。
【図8】図2に示した噴射ノズルの他の分解組立要領図
である。
である。
【図9】図3に示した噴射ノズルの分解組立要領図であ
る。
る。
【図10】図3に示した噴射ノズルの他の分解組立要領
図である。
図である。
【図11】本発明の実施例による応力改善装置のシステ
ム構成図である。
ム構成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 眞琴 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 大高 正▲廣▼ 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 天野 和雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 林 英策 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 清水 禎人 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 守中 廉 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 佐藤 一教 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 バ ブコック日立株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】水室と、前記水室にオリフィスを介して連
通したスロートと、前記スロートに連通した噴出口とを
備えた液体噴射ノズルにおいて、前記スロートの途中に
複数の流路を構成する構造物を備えたことを特徴とした
液体噴射ノズル。 - 【請求項2】水室と、前記水室にオリフィスを介して連
通したスロートと、前記スロートに連通した噴出口とを
備えた液体噴射ノズルにおいて、前記水室と前記噴出口
との間に複数のスロートを備えたことを特徴とした液体
噴射ノズル。 - 【請求項3】ノズル本体内に、水室と、前記水室にオリ
フィスを介して連通したスロートと、前記スロートに連
通して噴出口とを設けて製造した液体噴射ノズルの製造
方法において、前記ノズル本体を複数のコンポーネント
と前記スロートの途中に挿入される円孔オリフィスとに
分割して製造し、前記スロートの途中に前記円孔オリフ
ィスを装備した上で、前記複数のコンポーネント一体に
結合して前記ノズル本体内に前記円孔オリフィスを包含
させて製造して成る液体噴射ノズルの製造方法。 - 【請求項4】流体噴射ノズルを移動自在に支持した駆動
装置と、前記液体噴射ノズルに流体を供給するポンプと
を備えた応力改善装置において、前記流体噴射ノズルが
請求項1又は請求項2の液体噴射ノズルであることを特
徴とした応力改善装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24123095A JPH0985625A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 液体噴射ノズル及びそのノズルの製造方法並びにそのノズルを用いた応力改善装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP24123095A JPH0985625A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 液体噴射ノズル及びそのノズルの製造方法並びにそのノズルを用いた応力改善装置 |
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JPH0985625A true JPH0985625A (ja) | 1997-03-31 |
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ID=17071145
Family Applications (1)
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JP24123095A Pending JPH0985625A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 液体噴射ノズル及びそのノズルの製造方法並びにそのノズルを用いた応力改善装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1995
- 1995-09-20 JP JP24123095A patent/JPH0985625A/ja active Pending
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CN107717687B (zh) * | 2017-10-19 | 2023-08-01 | 浙江工业大学 | 一种基于空化效应的气液固三相磨粒流抛光工具 |
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