JP2002326163A - ブラスト装置用ノズル - Google Patents
ブラスト装置用ノズルInfo
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- JP2002326163A JP2002326163A JP2001129614A JP2001129614A JP2002326163A JP 2002326163 A JP2002326163 A JP 2002326163A JP 2001129614 A JP2001129614 A JP 2001129614A JP 2001129614 A JP2001129614 A JP 2001129614A JP 2002326163 A JP2002326163 A JP 2002326163A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 加工処理速度を上げることができるととも
に、粉粒体と気体からなる噴流の噴射を安定化して、噴
流による加工を均一に行うことが可能なブラスト装置用
ノズルを提供する。 【解決手段】 噴射口2の出口周囲に、該噴射口2を囲み
噴射方向前方が開口した周囲壁3を設け、噴射口2から気
体と粉粒体の混合物を噴流として噴射した際に、噴流と
周囲壁3との間の空間に渦を発生させることが可能な形
状に周囲壁3を形成してブラスト装置用ノズル1を構成し
た。
に、粉粒体と気体からなる噴流の噴射を安定化して、噴
流による加工を均一に行うことが可能なブラスト装置用
ノズルを提供する。 【解決手段】 噴射口2の出口周囲に、該噴射口2を囲み
噴射方向前方が開口した周囲壁3を設け、噴射口2から気
体と粉粒体の混合物を噴流として噴射した際に、噴流と
周囲壁3との間の空間に渦を発生させることが可能な形
状に周囲壁3を形成してブラスト装置用ノズル1を構成し
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サンドブラスト装
置等で粉粒体を噴射するために用いられる、ブラスト装
置のノズルに関するものである。
置等で粉粒体を噴射するために用いられる、ブラスト装
置のノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、研削材などの粉粒体を圧縮空
気などの気体と共にノズルの先端から高速で噴射するサ
ンドブラスト装置が公知である。ブラスト装置はノズル
先端から噴射される粉粒体を被加工体の表面に噴射し
て、各種の加工を施すのに用いられている。
気などの気体と共にノズルの先端から高速で噴射するサ
ンドブラスト装置が公知である。ブラスト装置はノズル
先端から噴射される粉粒体を被加工体の表面に噴射し
て、各種の加工を施すのに用いられている。
【0003】ブラスト装置を用いた加工の1例として、
電子基板に孔明け加工を施した後、研削材を該基板の表
面に噴射して、孔の内部のバリを取ることを試みた。こ
のとき加工効率を上げるためにラインのスピードを上げ
て、基板表面に研削材を噴射した場合に、研削のムラが
発生し均一な加工を行うことが困難になる。この原因を
検討したところ、以下のような原因によるものと考え
た。
電子基板に孔明け加工を施した後、研削材を該基板の表
面に噴射して、孔の内部のバリを取ることを試みた。こ
のとき加工効率を上げるためにラインのスピードを上げ
て、基板表面に研削材を噴射した場合に、研削のムラが
発生し均一な加工を行うことが困難になる。この原因を
検討したところ、以下のような原因によるものと考え
た。
【0004】一般に噴流は周囲空気の吸引に起因する大
規模変動が必ず生成されるため、その挙動は不安定であ
る。この大規模変動は、特に噴流の発達領域で著しい。
ブラスト装置のノズル先端から噴射した粉粒体の噴流
も、一般の噴流と同様の性質を持つため、大規模変動に
よって挙動が不安定になる。特に粉粒体の粒子径が小さ
くなると、噴流としての性質がより強く出るために、こ
の不安定さは大きくなると考えられる。
規模変動が必ず生成されるため、その挙動は不安定であ
る。この大規模変動は、特に噴流の発達領域で著しい。
ブラスト装置のノズル先端から噴射した粉粒体の噴流
も、一般の噴流と同様の性質を持つため、大規模変動に
よって挙動が不安定になる。特に粉粒体の粒子径が小さ
くなると、噴流としての性質がより強く出るために、こ
の不安定さは大きくなると考えられる。
【0005】基板の孔明け後のバリ取りに用いるブラス
ト装置の研削材として使用する粉粒体は、孔の直径の三
分の一以下の粒子径のものが用いられる。上記の基板の
孔の直径としては100〜150μm程度であると、研削材は
粒子径が50〜30μm以下のものを使用することになる。
研削材の粒子径がこのくらい小さくなると、大規模変動
による影響がかなり大きくなっているものと考えられ
る。その結果、噴流がきわめて不安定な状態になり、研
削材を基板表面に噴射させた場合に加工ムラとなって現
れてしまう。
ト装置の研削材として使用する粉粒体は、孔の直径の三
分の一以下の粒子径のものが用いられる。上記の基板の
孔の直径としては100〜150μm程度であると、研削材は
粒子径が50〜30μm以下のものを使用することになる。
研削材の粒子径がこのくらい小さくなると、大規模変動
による影響がかなり大きくなっているものと考えられ
る。その結果、噴流がきわめて不安定な状態になり、研
削材を基板表面に噴射させた場合に加工ムラとなって現
れてしまう。
【0006】上記のように、ブラスト装置で使用する研
削材に用いられる粉粒体は、近年ますます粒子径の小さ
いものが使用されるようになってきている。そのため、
ブラスト装置において、噴流の大規模変動を防止して安
定した噴射を行うことは重要な課題である。
削材に用いられる粉粒体は、近年ますます粒子径の小さ
いものが使用されるようになってきている。そのため、
ブラスト装置において、噴流の大規模変動を防止して安
定した噴射を行うことは重要な課題である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題に
鑑みなされたものであり、ブラスト装置において、加工
処理速度を上げることができるとともに、粉粒体と気体
からなる噴流の噴射を安定化して、噴流による加工を均
一に行うことが可能なブラスト装置のノズルを提供する
ことを目的とする。
鑑みなされたものであり、ブラスト装置において、加工
処理速度を上げることができるとともに、粉粒体と気体
からなる噴流の噴射を安定化して、噴流による加工を均
一に行うことが可能なブラスト装置のノズルを提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)気体に粉
粒体を混合し噴流として噴射するブラスト装置用ノズル
において、噴射口の出口周囲に該噴射口を囲み噴射方向
側が開口した周囲壁が設けられ、噴流の周囲と該周囲壁
の間の空間に渦を発生させることが可能な形状であるこ
とを特徴とするブラスト装置用ノズル、(2)周囲壁の形
状が、噴射口から噴射方向に広がった形状である上記
(1)記載のブラスト装置用ノズル、(3)周囲壁の断面形状
が、外方に膨らむ湾曲形状である上記(1)又は(2)記載の
ブラスト装置用ノズル、(4)噴射口の形状が、スリット
状である上記(1)〜(3)のいずれか1に記載のブラスト装
置用ノズル、を要旨とするものである。
粒体を混合し噴流として噴射するブラスト装置用ノズル
において、噴射口の出口周囲に該噴射口を囲み噴射方向
側が開口した周囲壁が設けられ、噴流の周囲と該周囲壁
の間の空間に渦を発生させることが可能な形状であるこ
とを特徴とするブラスト装置用ノズル、(2)周囲壁の形
状が、噴射口から噴射方向に広がった形状である上記
(1)記載のブラスト装置用ノズル、(3)周囲壁の断面形状
が、外方に膨らむ湾曲形状である上記(1)又は(2)記載の
ブラスト装置用ノズル、(4)噴射口の形状が、スリット
状である上記(1)〜(3)のいずれか1に記載のブラスト装
置用ノズル、を要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明ブラスト装置用ノズ
ルの1例を示す外観斜視図である。図1に示すように、ブ
ラスト装置用ノズル1は噴射口2の出口周囲に、該噴射口
2を囲み噴射方向前方が開口した周囲壁3を設けてなるも
のである。この周囲壁3は噴射口から気体と粉粒体の混
合物を噴流として噴射した際に、噴流と周囲壁3との間
に渦を発生させる空間を形成するためのものである。
ルの1例を示す外観斜視図である。図1に示すように、ブ
ラスト装置用ノズル1は噴射口2の出口周囲に、該噴射口
2を囲み噴射方向前方が開口した周囲壁3を設けてなるも
のである。この周囲壁3は噴射口から気体と粉粒体の混
合物を噴流として噴射した際に、噴流と周囲壁3との間
に渦を発生させる空間を形成するためのものである。
【0010】周囲壁3の形状は、噴射口2から噴射される
噴流に対して、噴流の側面に位置し、噴流と周囲壁3の
間の空間をぐるぐると回るような渦が形成される形状で
あれば特に限定されない。好ましい周囲壁3の形状は、
上記の渦が噴流をとり囲み該噴流と周囲壁3との間でド
ーナツ状あるいはドーナツを扁平にした状態をとなる形
状である。このような周囲壁3の形状は、渦が効果的に
発生し、噴流の安定性がより高くなる。
噴流に対して、噴流の側面に位置し、噴流と周囲壁3の
間の空間をぐるぐると回るような渦が形成される形状で
あれば特に限定されない。好ましい周囲壁3の形状は、
上記の渦が噴流をとり囲み該噴流と周囲壁3との間でド
ーナツ状あるいはドーナツを扁平にした状態をとなる形
状である。このような周囲壁3の形状は、渦が効果的に
発生し、噴流の安定性がより高くなる。
【0011】図1及び図2に示す態様のノズルは、スリッ
ト状の噴射口を有するノズルであって、具体的な周囲壁
3の形状として、開口面が楕円形状になるように形成し
た例である。この態様では図2(a)に示すように、周囲壁
3のスリット状の噴射口2の短手側となる幅方向の断面形
状を、外側に膨らむように湾曲する形状として形成し
た。また、同図(b)に示すようにスリットの長手方向の
両端側の周囲壁3の断面形状を、外側に膨らむ湾曲形状
に形成したものである。このような周囲壁3が外側に膨
らむ湾曲形状は、噴流の周囲に渦巻く渦が、もっともス
ムーズに発生する形状であり、上記の噴流周囲に発生す
る渦以外の渦が発生するおそれが小さい。上記の渦以外
の多くの渦は、噴流を不安定にするおそれがある。
ト状の噴射口を有するノズルであって、具体的な周囲壁
3の形状として、開口面が楕円形状になるように形成し
た例である。この態様では図2(a)に示すように、周囲壁
3のスリット状の噴射口2の短手側となる幅方向の断面形
状を、外側に膨らむように湾曲する形状として形成し
た。また、同図(b)に示すようにスリットの長手方向の
両端側の周囲壁3の断面形状を、外側に膨らむ湾曲形状
に形成したものである。このような周囲壁3が外側に膨
らむ湾曲形状は、噴流の周囲に渦巻く渦が、もっともス
ムーズに発生する形状であり、上記の噴流周囲に発生す
る渦以外の渦が発生するおそれが小さい。上記の渦以外
の多くの渦は、噴流を不安定にするおそれがある。
【0012】スリット状の噴射口を用いた場合の周囲壁
3の形状を図3に示す。この場合の周囲壁3は例えば、開
口面が、図3(a)に示すように楕円形状、同図(b)に示す
ように方形状、同図(c)に示すようにスリットの幅方向
(短手方向)側を直線状としスリットの長さ方向(長手方
向)側を半楕円形状とした、方形と半楕円とを組み合せ
た形状に形成することができる。
3の形状を図3に示す。この場合の周囲壁3は例えば、開
口面が、図3(a)に示すように楕円形状、同図(b)に示す
ように方形状、同図(c)に示すようにスリットの幅方向
(短手方向)側を直線状としスリットの長さ方向(長手方
向)側を半楕円形状とした、方形と半楕円とを組み合せ
た形状に形成することができる。
【0013】また周囲壁3の形状は、図2(a)及び図6(a)
に示すように、噴射口2から噴射方向(矢印P方向)の先
方に行くに従って外側に広がるように開口した形状であ
ることが好ましい。また図6(b)に示す如き、周囲壁3が
噴射口2から噴射方向の先方に行っても外側に広がらな
い形状の場合、渦が発生可能であり噴流の安定化効果は
得られるが、この場合に別の渦が発生するおそれがある
ため、図2(a)及び図6(a)に示すように、噴射方向に広が
る形状に形成することが好ましい。
に示すように、噴射口2から噴射方向(矢印P方向)の先
方に行くに従って外側に広がるように開口した形状であ
ることが好ましい。また図6(b)に示す如き、周囲壁3が
噴射口2から噴射方向の先方に行っても外側に広がらな
い形状の場合、渦が発生可能であり噴流の安定化効果は
得られるが、この場合に別の渦が発生するおそれがある
ため、図2(a)及び図6(a)に示すように、噴射方向に広が
る形状に形成することが好ましい。
【0014】以上説明した態様では、ノズルの形状とし
てスリット状のものを使用する場合について説明した
が、本発明はスリット状の噴射口を備えるノズルのみな
らず、ノズルの断面形状が丸、楕円等の噴射口を有する
ノズルにも利用可能である。スリット状のノズルは、被
噴射体が平板状の被加工品である場合、加工効率に優れ
るという利点がある。
てスリット状のものを使用する場合について説明した
が、本発明はスリット状の噴射口を備えるノズルのみな
らず、ノズルの断面形状が丸、楕円等の噴射口を有する
ノズルにも利用可能である。スリット状のノズルは、被
噴射体が平板状の被加工品である場合、加工効率に優れ
るという利点がある。
【0015】周囲壁3の大きさは、噴射口2の大きさ、形
状等に応じて適宜決めることができる。要するに上記し
た渦が発生する大きさであればよい。一例を挙げると、
例えば幅が0.3mm、長さが64mmのスリット状の噴射口の
場合、噴射口2と周囲壁3との間隔は5mm〜120mm程度に形
成することができる。またこの場合の周囲壁3の高さ
(噴射口から、噴射方向端部までの長さ、図4における
距離C)は、ノズル幅(ノズルがスリット状の場合はスリ
ット幅)の10倍以上に形成することが望ましい。上記の
大きさに形成した周囲壁3を備えるノズルの場合、周囲
壁3の先端から被噴射体5との間隔(図4における距離D)
は、3mm〜50mmの範囲で使用することが好ましい。
状等に応じて適宜決めることができる。要するに上記し
た渦が発生する大きさであればよい。一例を挙げると、
例えば幅が0.3mm、長さが64mmのスリット状の噴射口の
場合、噴射口2と周囲壁3との間隔は5mm〜120mm程度に形
成することができる。またこの場合の周囲壁3の高さ
(噴射口から、噴射方向端部までの長さ、図4における
距離C)は、ノズル幅(ノズルがスリット状の場合はスリ
ット幅)の10倍以上に形成することが望ましい。上記の
大きさに形成した周囲壁3を備えるノズルの場合、周囲
壁3の先端から被噴射体5との間隔(図4における距離D)
は、3mm〜50mmの範囲で使用することが好ましい。
【0016】周囲壁3の材質は特に限定されず、粉粒体
の種類、ブラスト装置の用途等に応じて適宜選択でき
る。例えば耐摩耗性が要求される場合には金属の内側に
ウレタン樹脂を積層したものなどが用いられる。周囲壁
3は、噴射口2が位置しているノズル先端部分に、別体に
形成したものを適宜手段で取り付けて形成してもよい
し、また噴射口2が設けられているノズル部品と周囲壁3
とを一体に形成しても、いずれでもよい。
の種類、ブラスト装置の用途等に応じて適宜選択でき
る。例えば耐摩耗性が要求される場合には金属の内側に
ウレタン樹脂を積層したものなどが用いられる。周囲壁
3は、噴射口2が位置しているノズル先端部分に、別体に
形成したものを適宜手段で取り付けて形成してもよい
し、また噴射口2が設けられているノズル部品と周囲壁3
とを一体に形成しても、いずれでもよい。
【0017】本発明の装置で用いられる粉粒体として
は、砂、アルミナ、炭化ケイ素等の粉末、ガラスビー
ズ、微小鋼球等の研削材などが挙げられる。粉粒体の粒
子径は、特に限定されないが、本発明のノズルにおいて
特に安定化効果の大きいのは、数十μm以下の粒子であ
る。
は、砂、アルミナ、炭化ケイ素等の粉末、ガラスビー
ズ、微小鋼球等の研削材などが挙げられる。粉粒体の粒
子径は、特に限定されないが、本発明のノズルにおいて
特に安定化効果の大きいのは、数十μm以下の粒子であ
る。
【0018】本発明のノズルを用いたブラスト装置は、
各種のブラスト処理に最適に用いられる。
各種のブラスト処理に最適に用いられる。
【0019】
【実施例】実施例 幅0.3mm×長さ64mmのスリットノズルに図1及び図2に示
す形状の周囲壁を取り付けたノズルを用いて、噴射距
離:30mm、静圧:0.2MPa、ノズル移動速度:0.5m/min、噴
射量:500g/minで、被噴射体として銅板を用いて表面を
研削した。その結果、研削処理した部分は均一でムラの
ない良好なものであった。
す形状の周囲壁を取り付けたノズルを用いて、噴射距
離:30mm、静圧:0.2MPa、ノズル移動速度:0.5m/min、噴
射量:500g/minで、被噴射体として銅板を用いて表面を
研削した。その結果、研削処理した部分は均一でムラの
ない良好なものであった。
【0020】比較例 実施例のノズルの周囲壁を設けなかった以外は実施例と
同様にノズルを作成し、研削を行った。その結果、研削
処理した部分の一部に研削のムラが見られた。
同様にノズルを作成し、研削を行った。その結果、研削
処理した部分の一部に研削のムラが見られた。
【0021】
【作用】以下、本発明のブラスト装置用ノズルの作用機
構について説明する。本発明において、噴射口2の周囲
に設けらた周囲壁3は、噴射口2から噴射される噴流に対
して、周囲の空気が吸引されるのを妨害する役割を持
つ。噴流の周囲の空気が噴流に吸引されてしまうと、噴
流の周囲に渦は形成されない。すなわち、図4に示すよ
うにノズル1から噴流4を被噴射体5に噴射すると周囲壁3
の内部には噴流4と周囲壁3との間に2つの渦6(6A、6B)が
形成される(2つというのは、図示した断面部分に限っ
て見た場合であり、実際には全体として見ると、噴流を
中心としてそれを取り巻くように立体的なドーナツ状に
形成されている)。またノズルから噴射された空気と粉
粒体の混合流体は周囲壁3端部と被噴射体4との間にある
隙間7から被噴射体5の表面に沿う壁噴流となって流出す
る。
構について説明する。本発明において、噴射口2の周囲
に設けらた周囲壁3は、噴射口2から噴射される噴流に対
して、周囲の空気が吸引されるのを妨害する役割を持
つ。噴流の周囲の空気が噴流に吸引されてしまうと、噴
流の周囲に渦は形成されない。すなわち、図4に示すよ
うにノズル1から噴流4を被噴射体5に噴射すると周囲壁3
の内部には噴流4と周囲壁3との間に2つの渦6(6A、6B)が
形成される(2つというのは、図示した断面部分に限っ
て見た場合であり、実際には全体として見ると、噴流を
中心としてそれを取り巻くように立体的なドーナツ状に
形成されている)。またノズルから噴射された空気と粉
粒体の混合流体は周囲壁3端部と被噴射体4との間にある
隙間7から被噴射体5の表面に沿う壁噴流となって流出す
る。
【0022】噴流4はその周囲に形成される渦6(6A、6B)
によって、粉粒体の水平方向(噴射方向と直交する方
向)の運動が妨げられるために安定化する。図5(a)、
(b)は、水平方向断面内の噴流の速度分布を示すもので
あり、図5(a)は従来のノズル先端に周囲壁3のないノズ
ルを用いた場合を示し、同図(b)は本発明の周囲壁3を設
けたノズルを用いた場合を示す。図5において、横軸は
スリットの幅方向の位置を示し、縦軸は噴流の噴射速度
を示す。
によって、粉粒体の水平方向(噴射方向と直交する方
向)の運動が妨げられるために安定化する。図5(a)、
(b)は、水平方向断面内の噴流の速度分布を示すもので
あり、図5(a)は従来のノズル先端に周囲壁3のないノズ
ルを用いた場合を示し、同図(b)は本発明の周囲壁3を設
けたノズルを用いた場合を示す。図5において、横軸は
スリットの幅方向の位置を示し、縦軸は噴流の噴射速度
を示す。
【0023】図5(a)に示すように、周囲壁3が設けられ
ていない場合の速度分布Sは噴射口2の幅方向に対して、
噴射口2の中央から端部まで平坦に近い分布を持つ。こ
れに対し周囲壁3を設けた場合の速度分布Tは同図(b)に
示すように、噴流の両側に形成される渦(図中Qで示す)
の存在により、噴流の幅が狭まりかつ速度分布も急峻に
なる。更に実質的にブラスト加工に利用可能な加工幅も
広がる。
ていない場合の速度分布Sは噴射口2の幅方向に対して、
噴射口2の中央から端部まで平坦に近い分布を持つ。こ
れに対し周囲壁3を設けた場合の速度分布Tは同図(b)に
示すように、噴流の両側に形成される渦(図中Qで示す)
の存在により、噴流の幅が狭まりかつ速度分布も急峻に
なる。更に実質的にブラスト加工に利用可能な加工幅も
広がる。
【0024】このように噴流の周囲にドーナツ状の渦が
形成されることで、2次元ノズル上流側の流れの変動、
ならびにノズル出口の長手方向に必ず形成される縦渦に
起因する微小変動分は、噴流と渦の間の拡散作用によっ
て緩和されるために、噴流は安定化される。この安定な
噴流にのって研削材等の粉粒体は分散流の状態で混入さ
れると、被噴射体の表面に一様に噴出されることにな
り、ムラのない均一な加工を行うことが可能である。
形成されることで、2次元ノズル上流側の流れの変動、
ならびにノズル出口の長手方向に必ず形成される縦渦に
起因する微小変動分は、噴流と渦の間の拡散作用によっ
て緩和されるために、噴流は安定化される。この安定な
噴流にのって研削材等の粉粒体は分散流の状態で混入さ
れると、被噴射体の表面に一様に噴出されることにな
り、ムラのない均一な加工を行うことが可能である。
【0025】
【発明の効果】本発明は、噴射口の出口周囲に該噴射口
を囲み噴射方向側が開口した周囲壁を設け、周囲壁を噴
流の周囲に渦を発生可能な形状としたことにより、ブラ
スト装置のノズルより粉粒体を安定した状態で噴射する
ことができる。そのため、ブラスト加工をムラなく均一
に行うことができるとともに、ラインスピードを上げた
り、粉粒体の粒子径が小さくなった場合であっても、均
一な加工を行うことができるという効果が得られる。
を囲み噴射方向側が開口した周囲壁を設け、周囲壁を噴
流の周囲に渦を発生可能な形状としたことにより、ブラ
スト装置のノズルより粉粒体を安定した状態で噴射する
ことができる。そのため、ブラスト加工をムラなく均一
に行うことができるとともに、ラインスピードを上げた
り、粉粒体の粒子径が小さくなった場合であっても、均
一な加工を行うことができるという効果が得られる。
【0026】また従来の周囲壁の設けられていない噴射
ノズルの場合、被噴射体の表面に衝突した粉粒体はラン
ダムに散乱してしまうが、本発明では被噴射体に衝突し
た粉粒体は、周囲壁内部の渦により周囲壁内部を循環し
て、噴射した粉粒体の一部は何度か被噴射体に衝突する
ため、単位時間あたりの加工効率が向上すると共に、粉
粒体の使用量が減少するため処理コストも低減する。
ノズルの場合、被噴射体の表面に衝突した粉粒体はラン
ダムに散乱してしまうが、本発明では被噴射体に衝突し
た粉粒体は、周囲壁内部の渦により周囲壁内部を循環し
て、噴射した粉粒体の一部は何度か被噴射体に衝突する
ため、単位時間あたりの加工効率が向上すると共に、粉
粒体の使用量が減少するため処理コストも低減する。
【図1】本発明のブラスト装置用ノズルの1例を示す外観
斜視図である。
斜視図である。
【図2】(a)は図1のA-A線縦断面図であり、(b)は図1のB-
B線水平断面図である。
B線水平断面図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明ブラスト装置用ノズルの態様
を示し、噴射方向からみた正面図である。
を示し、噴射方向からみた正面図である。
【図4】本発明ノズルの作用を説明するための図であ
り、周囲壁の内部に発生する渦を示す説明図である
り、周囲壁の内部に発生する渦を示す説明図である
【図5】渦が噴流の速度分布に与える効果を示すもので
あり、(a)は周囲壁がない場合の速度分布を示すグラフ
であり、(b)は周囲壁を設けた場合の速度分布を示すグ
ラフである。
あり、(a)は周囲壁がない場合の速度分布を示すグラフ
であり、(b)は周囲壁を設けた場合の速度分布を示すグ
ラフである。
【図6】周囲壁の他の例を示す、噴射方向の縦断面図で
ある。
ある。
1 ブラスト装置用ノズル 2 噴射口 3 周囲壁 4 噴流 5 被噴射体 6(6A、6B) 渦 7 周囲壁端部と被噴射体との間にある隙間
Claims (4)
- 【請求項1】 気体に粉粒体を混合し噴流として噴射す
るブラスト装置用ノズルにおいて、噴射口の出口周囲に
該噴射口を囲み噴射方向側が開口した周囲壁が設けら
れ、噴流の周囲と該周囲壁の間の空間に渦を発生させる
ことが可能な形状であることを特徴とするブラスト装置
用ノズル。 - 【請求項2】 周囲壁の形状が、噴射口から噴射方向に
広がった形状である請求項1記載のブラスト装置用ノズ
ル。 - 【請求項3】 周囲壁の断面形状が、外方に膨らむ湾曲
形状である請求項1又は2記載のブラスト装置用ノズル。 - 【請求項4】 噴射口の形状が、スリット状である請求
項1〜3のいずれか1に記載のブラスト装置用ノズル。
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JP2001129614A JP2002326163A (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | ブラスト装置用ノズル |
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JP2001129614A JP2002326163A (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | ブラスト装置用ノズル |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006346833A (ja) * | 2005-06-20 | 2006-12-28 | Yamashita Rubber Co Ltd | ブラスト方法 |
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-
2001
- 2001-04-26 JP JP2001129614A patent/JP2002326163A/ja active Pending
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