JPH0985540A - 放電加工装置及びその方法 - Google Patents

放電加工装置及びその方法

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JPH0985540A
JPH0985540A JP24765295A JP24765295A JPH0985540A JP H0985540 A JPH0985540 A JP H0985540A JP 24765295 A JP24765295 A JP 24765295A JP 24765295 A JP24765295 A JP 24765295A JP H0985540 A JPH0985540 A JP H0985540A
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electrode
machining
electric discharge
pulse
workpiece
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JP24765295A
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Takashi Yuzawa
隆 湯澤
Takuji Magara
卓司 真柄
Akihiro Goto
昭弘 後藤
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Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電加工を高速で行った場合に、加工と同時
に電極被膜を形成することにより、電極消耗量を大幅に
低減させること。 【解決手段】 水系加工液5を介在させて、電極1と被
加工物3との間にパルス放電加工を行う放電加工装置に
おいて、前記電極として加工液噴出口を有する黄銅電極
を用い、休止期間を電流パルス幅の2倍以下のパルスを
発生させる制御部16と、電極の噴出口より加工液を1
0kgf/cm2 以上の高圧で噴出させる加工液供給部
17を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速で放電加工を
行う際に電極消耗量を大幅に低減させる放電加工装置及
びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金型や高精度の部品を放電加工する場
合、電極の消耗がそのまま被加工物に転写されるため、
電極消耗が少ない超低消耗条件で加工する必要がある。
このような低消耗加工を行うには、一般に、電流ピーク
値に対してパルス幅を大きくすれば良いことが知られて
いる。しかし、低消耗を追求する余りパルス幅を所定以
上に大きくすると、加工速度は急激に低下することにな
る。
【0003】加工速度の高速化は、水系加工液中におい
て高電流ピーク値の短いパルス幅によって行い、電極と
被加工物との間、即ち、極間に与える放電エネルギを増
大させれば良いことが知られている。ただし、このとき
の電極消耗は、高ピーク電流と電流パルスの急激な立上
がりにより急速に悪化(増加)する。このため、このよ
うな高速加工は、一般に、電極消耗が許容できるワイヤ
放電加工機に多用されてきた。これを形彫放電加工機に
使用する場合には、消耗量をある程度無視できるような
単純穴加工のみに用いるのが一般的である。
【0004】一方、この種の技術に関する特許公報をみ
てみると、特開平2−109634号公報がある。この
公報に掲載の技術では、高速の加工条件に限らず、電極
消耗比を減少させるために、使用する電極表面に対し
て、メッキや溶射等により導電性の被膜を生成する方法
を採用している。ここで、従来の放電加工装置の構造に
ついて説明する。図13は従来の被膜電極を使用した型
彫放電加工機としての放電加工装置の構造を示す説明図
である。図において、1Aは加工用電極となる電極で、
メッキや溶射等により導電性の被膜を形成した被膜電極
となっている。3は被加工物、5は被膜電極からなる電
極1Aの一部及び被加工物3を浸漬する水系加工液、6
は水系加工液5を収容する加工槽である。7は被加工物
3を取付けた加工槽6を移動するXクロステーブル、8
はXクロステーブル7を移動するYクロステーブル、9
はXクロステーブル7を駆動するためのアクチュエー
タ、10はYクロステーブル8を駆動するためのアクチ
ュエータ、11は電極1Aの上下方向の駆動を行うアク
チュエータである。15は電極1Aと被加工物3で形成
される間隙にパルス状電流を供給するための加工用電源
部である。なお、図13の放電加工装置の加工動作につ
いては、電極1Aと被加工物3との間に水系加工液5を
介在させ、電極1Aと被加工物3との間にパルス電圧を
印加して放電加工を行うものであり、その仔細な動作説
明は公知であるから省略する。この種の電極1Aは、放
電加工前に別の工程で電極1Aに、予め、被膜を生成し
たものである。このように何らかの材質により被膜を形
成した電極1Aを用いることによって、高速条件等の電
極消耗量が増大する条件においても、電極表面の被膜効
果により、消耗をある程度抑えることができる。
【0005】更に、特開平5−345228号公報に
は、単純形状の電極を利用し、電極消耗補正制御を行う
ことにより、高精度な輪郭形状加工を行う技術が開示さ
れている。その原理を図14に示す。図14は前記公報
に掲載の単純形状の電極により放電加工装置により高精
度な輪郭形状加工を行う説明図である。図において、1
Bは所定の径を有する円柱状の電極、3は被加工物であ
る。この公報に掲載の輪郭形状加工は、電極1Bを回転
させた状態で、横方向に移動する放電加工を行い、被加
工物3に所望の形状の加工を行うものである。従来の方
法は、電極1Bの側面部分を用いた被加工物3の横輪郭
加工であるが、この公報に掲載の方法では、電極1Bの
底面部分の放電により、層状に被加工物3を除去する動
作を繰返しながら所望の深さに加工を行うものである。
この場合、有消耗条件の利用を前提とし、電極1Bの電
極底面部をある程度積極的に消耗させることにより、逆
に、電極底面エッジ部分をシャープに維持し、その結
果、高精度の加工を可能とするものである。ただし、有
消耗条件を利用しているため、この技術では、電極1B
の消耗量を補正しながら加工する必要がある。
【0006】このような輪郭形状加工方法の場合、電極
消耗による形状誤差を考慮する必要がないため、加工速
度のみを追求すれば良いことになる。即ち、形状精度に
関する限り、電極消耗をあまり考慮する必要はない。し
かし、有消耗条件を利用しているため、加工途中に頻繁
に電極1Bを交換する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、前述の単純形
状の電極1Bを利用して単純深穴加工を行う場合の電極
消耗補正制御を前提とした輪郭形状加工においては、電
極消耗量が大幅に増加したとしても、加工速度を重視す
る傾向にあることから、一回の輪郭形状加工中において
も電極1Bを複数回交換する必要がある。即ち、通常の
部品加工における単純深穴加工の場合、加工速度の上昇
を目指して、前述のような条件で加工を行うと、総電極
消耗量が大きくなり、必然的に電極交換を頻繁に行う必
要性がでてくる。
【0008】このとき、電極交換回数を減少させるため
に、電極1B自体を単純に長くして対応する方法も考え
られるが、電極1Bの長さが増大すればするほど、電極
1Bの垂直精度をだすことが難しくなり、必然的に加工
精度も低下することになる。また、そのような電極1B
を回転させた場合、偏心による影響が極めて大きくな
り、電極先端が振動しないようにするためのガイドが必
要となってくる。更に、電極長さが放電加工装置の大き
さに直接影響するため現実的でない。
【0009】当然、この種の輪郭放電加工においても、
電極1Bは一本で済ませるのが望ましい。しかし、加工
速度を上昇させるために、極間に与える放電エネルギを
増加させ、かつ、電極1Bの消耗量を増大させる条件で
は、単純形状の電極1Bを用いて幅広い面積の形状加工
を行う場合、電極長さが消耗により短くなるため、加工
途中に新しい電極1Bに交換する必要が生じる。加工途
中で電極1Bを交換することは、交換時間の必要性だけ
でなく、電極1Bの位置決め時間も必要となる。このた
め、総加工時間として、これらの電極交換時間に要する
時間を積算する必要性がでてくることから、加工途中の
電極交換はできるだけ避ける必要がある。また、加工途
中に電極交換を行う場合には、電極消耗量を常に把握も
しくは推定し、適切な交換時期を決定する必要がある。
【0010】一般に、電極交換回数を最小限にするに
は、電極消耗が最小になるような条件または電極消耗が
最小になるような方法で加工する必要がある。加工液に
油を用いる場合では、パルス幅を長くして超低消耗条件
で加工を行っているが、その加工速度の向上には限界が
ある。しかし、単純穴加工や電極消耗補正を行った形状
加工の場合には、その加工の特性上、電極消耗よりも加
工速度を重視するため、パルス幅を長くするような低消
耗条件で加工を行っていない。また、電極消耗を考慮し
ないため、水をベースとした不燃性液や純水を加工液と
して用いた加工も可能となる。このため、電極消耗の増
大には妥協しているのが現状である。
【0011】また、前者のように、電極消耗比を単純に
減少させるには、使用の電極1Aに対してメッキや溶射
等による導電性の被膜を生成する方法がある。このよう
な、図13に示す被膜電極からなる電極1Aを使用する
ことにより、高速加工条件で電極消耗が増大するときで
も、被膜効果により消耗をある程度抑えることができ
る。ただし、問題点としては、放電加工の前段階で、予
め、電極に対して被膜を形成しておく必要性がある。
【0012】単純電極を用いた輪郭加工の場合には、安
価な既製品として存在するパイプ電極が使用できるとい
う経済的メリットが存在する。しかし、それを被膜電極
とする場合には、電極被膜形成のための前処理工程が必
要となり、電極1Aがコスト的に高価になり、経済的メ
リットがなくなる。更に、電極表面にどんなに厚く被膜
を形成したとしても、単純電極による輪郭加工の場合に
は、一本の電極で加工できる総加工面積が非常に大きく
なるため、いかに消耗量を減少させたとしても加工途中
において、電極被膜が消耗によって消滅してしまう。そ
のため、加工初期の段階において電極低消耗が実現でき
たとしても、加工途中における被膜の欠落により、急激
に電極消耗が増大してしまう。
【0013】このような電極消耗補正を行う輪郭形状加
工の加工途中における電極消耗の変化は、極めて都合の
悪いものとなり、正確な消耗補正を行うことが不可能に
なる。即ち、被膜電極を用いて電極消耗を低減させる方
法を用いる場合には、表面被膜が欠落した時点で電極交
換を行う必要が出てくるが、このときでは、被膜電極が
被膜を有しない電極となっており、それを再び被膜電極
とする場合には、電極1Aの形状が変化してしまうこと
から、加工中において常に電極被膜が保たれた状態を継
続する手法を講じなければ実用に供し得ない。
【0014】そこで、加工速度を重視し、電極消耗比が
極端に増大してしまう条件においても、電極交換の手間
や、そのための交換時期の決定方法の必要性等を考慮に
いれた場合、電極消耗はできるだけ少ないことが望まれ
る。それらの対処方法の一つとして、電極表面に被膜を
付与することが考えられるが、加工時間が長期化する
と、その被膜も欠落してしまい、電極交換の際の電極形
状の違いが問題になり、交換時期の決定方法等が必要と
なる。
【0015】ここで、加工速度と電極消耗比との関係
を、一般的な放電加工装置の特性からみてみる。図15
は一般的な放電加工装置において休止期間を減少させた
ときの加工速度と電極消耗比との関係を示した特性図
で、(a)は休止期間−加工速度特性、(b)は休止期
間−電極消耗比特性である。一般に、パルスの休止期間
τを変化させた場合の加工速度及び電極消耗比の推移
は、次のようになる。加工速度を増大させるため、パル
スの休止期間τを短縮させていくと、加工速度は上昇す
るものの、このときの電極消耗比は70%から90%と
大きい。更に、休止期間τを短くした場合、前回の放電
により加工間隙間に加工屑等が止まった状態にあり、そ
の加工屑に放電が発生したり、それによって短絡したり
し、極間短絡が頻発し、放電加工が継続できなくなるた
め、加工速度の上昇はそれ以上望むことができない。
【0016】そこで、本発明では、電極消耗が大きくな
る条件においても、電極被膜形成という前処理を行うこ
となく、常に加工と同時に電極表面に被膜を形成し続
け、加工速度を高速に維持し、かつ、電極消耗比を大幅
に改善することを課題とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる放電加
工装置は、電極と被加工物との間に水系加工液を介在さ
せ、かつ、前記電極と被加工物との間にパルス電圧を印
加して放電加工を行う放電加工装置において、前記水系
加工液を噴出する噴出口を有する電極と、前記パルス電
圧の休止期間を電流パルス幅の2倍以下として繰返しパ
ルスを発生させるパルス発生手段と、前記電極の噴出口
より水系加工液を10kgf/cm2 以上の高圧で噴出
させる加工液供給手段とを具備するものである。
【0018】請求項2にかかる放電加工装置は、更に、
前記電極と前記被加工物間の短絡を検出する短絡検出手
段と、前記短絡検出手段で短絡発生頻度の演算を行う演
算手段と、前記演算手段の短絡発生頻度の結果から、前
記パルス電圧の休止期間と前記水系加工液の噴出圧を決
定するパルス及び加工液設定手段とを具備するものであ
る。
【0019】請求項3にかかる放電加工装置は、前記演
算手段によって短絡頻度が一定以下と判定されたとき、
前記電極と前記被加工物の間に供給する水系加工液の圧
力を2kgf/cm2 以下に減少させるものである。
【0020】請求項4にかかる放電加工装置は、更に、
前記電極と前記被加工物間に印加するパルス数を計測す
るカウンタと、前記カウンタで計数された一定パルス数
毎に、繰返し印加する前記パルス電圧の休止期間を変化
させる繰返しパルス調整手段とを具備するものである。
【0021】請求項5にかかる放電加工装置は、前記水
系加工液を噴出する噴出口を有する電極は、黄銅電極と
したものである。
【0022】請求項6にかかる放電加工方法は、電極と
被加工物との間に水系加工液を介在させ、かつ、前記電
極と被加工物との間にパルス電圧を印加して放電加工を
行う放電加工方法において、前記水系加工液を噴出する
水系加工液を高圧で噴出させると共に、前記パルス電圧
の休止期間を電流パルス幅の2倍以下として繰返しパル
スを印加し、放電加工を行うものである。
【0023】請求項7にかかる放電加工方法は、更に、
前記放電加工を行う際の前記電極と前記被加工物間の短
絡を検出し、その短絡発生頻度の演算を行い、短絡発生
頻度の結果から、前記パルス電圧の休止期間と前記水系
加工液の噴出圧を決定するものである。
【0024】請求項8にかかる放電加工方法は、前記短
絡頻度が一定以下と判定されたとき、前記電極と前記被
加工物の間に供給する水系加工液の圧力を減少させるも
のである。
【0025】請求項9にかかる放電加工方法は、更に、
前記電極と前記被加工物間に印加するパルス数を計測
し、前記計数された一定パルス数毎に、繰返し印加する
前記パルス電圧の休止期間を変化させるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の放電加工装置及び
その方法の実施の形態について、図を用いて説明する。
なお、図中、従来例及び各実施の形態と同一符号及び記
号は従来例及び各実施の形態の構成部分と同一または相
当する構成部分を示すものである。
【0027】実施の形態1.図1は本発明の第一実施形
態を示す放電加工装置の全体構成図である。図におい
て、1は加工用電極となる電極で、その中央部には加工
液を噴出する噴出口1aが形成されている。2は電極1
に加工液を供給可能な電極ホルダ、3は被加工物であ
る。4は本実施の形態の電極1の加工面に常時形成され
ている被膜である。5は電極1の一部及び被加工物3を
浸漬する水系加工液、6は水系加工液5を収容する加工
槽である。7は被加工物3を取付けた加工槽6を移動す
るXクロステーブル、8はXクロステーブル7を移動す
るYクロステーブル、9はXクロステーブル7を駆動す
るためのアクチュエータ、10はYクロステーブル8を
駆動するためのアクチュエータ、11は電極1の上下方
向の駆動を行うアクチュエータである。12は加工槽6
から水系加工液5を排出するための排出管、13は加工
槽6に水系加工液5を供給するための供給管、14は電
極1と被加工物3の間に高圧で加工液を供給したり、も
しくは吸引するための管であり、電極1の中央部の噴出
口1aに接続されている。15は電極1と被加工物3で
形成される間隙にパルス状電流を供給するための加工用
電源部、16は加工用電源部15のマイクロコンピュー
タからなる制御部である。17は加工液供給部であり、
図示しない加工液タンクや加工液供給用のモータ等で構
成されている。なお、制御部16は、加工用電源部15
の制御の他に、後述する電極1に加工液を供給する噴出
(吸引)用ポンプ37を駆動制御する回転数制御回路3
8を制御する。即ち、制御部16は前記パルス電圧の休
止期間を電流パルス幅の関係で調節でき、前記電極1に
水系加工液を噴出する噴出口1aより水系加工液5を高
圧で噴出させる制御を行っている。また、18は短絡検
出部で、電極1と被加工物3の間に放電が発生せず、電
圧を印加しても短絡状態となることを検出し、それを制
御部16に入力する。
【0028】図2は本発明の第一実施形態を示す放電加
工装置の加工液供給部17の詳細図である。図におい
て、30は加工槽6に収容されている水系加工液5を受
ける1次タンク、31は1次タンク30からの水系加工
液5を濾過するフィルタ用ポンプ、32は水系加工液5
を濾過するフィルタ、33は濾過した水系加工液5を収
容する2次タンク、34はイオン交換フィルタ用ポン
プ、35はイオン交換樹脂フィルタ、36は水系加工液
5を加工槽6に供給する加工液供給ポンプ、37は水系
加工液5を2次タンク33から吸引し、電極1に加工液
を供給する噴出(吸引)用ポンプ、38は制御部16の
出力で駆動制御される回転数制御回路である。
【0029】次に、本実施の形態の加工液供給部17の
動作を説明する。加工槽6に収容された水系加工液5
は、排出管12を通って1次タンク30に送られる。1
次タンク30中の水系加工液5は、フィルタ用ポンプ3
1によって吸引され、フィルタ32を介して2次タンク
33に送られる。フィルタ32で濾過された水系加工液
5は、一定の比抵抗を保持するようにイオン交換フィル
タ用ポンプ34を用いて、イオン交換樹脂フィルタ35
を循環させている。加工槽6への新しい水系加工液5
は、加工液供給ポンプ36を用いて、2次タンク33よ
り供給管13を介して供給される。一方、極間、即ち、
電極1の中央部に形成された噴出口1aに供給する高圧
加工液の供給は、高出力の噴出用ポンプ37を用いてい
る。この噴出用ポンプ37は、回転数制御回路38に接
続されており、制御部16からの信号によって設定され
た回転数により、加工液の噴出圧を任意の圧力に変更可
能になっている。また、回転方向を反転させることによ
り、極間の水系加工液5を吸引し、逆流することもでき
る。
【0030】図3は本発明の第一実施形態を示す放電加
工装置の加工用電源部15の詳細図である。図におい
て、16aはスイッチング素子FET1 を駆動するドラ
イバであり、制御部16の出力で制御される。E1 は放
電加工を行う主電源、E2 は極間に印加するパルスの立
下りを急峻にする補助電源、C1 は主電源E1 の容量に
加工エネルギが左右されないように補償するコンデン
サ、また、C2 は定常状態で補助電源E2 の電圧が充電
されるコンデンサ、C3 は定常状態で主電源E1 及び補
助電源E2 の電圧の和が充電されるコンデンサである。
FET1 及びFET2 は電界効果型トランジスタ(MO
S−FET)等のスイッチング素子、D1 乃至D3は循
環防止用のダイオードである。そして、R1 及びR2 は
抵抗である。COMP1は比較回路で、コンデンサC2
の端子間電圧が、図示しない所定の高い閾値電圧よりも
大きいとき、FET2 をオンとし、また、所定の低い閾
値電圧よりも小さくなったとき、FET2 をオフとする
ヒステリシスを持っている。
【0031】例えば、比較回路COMP1の高い閾値電
圧が補助電源E2 よりも低い電圧に設定されていれば、
その高い閾値電圧になったとき、比較回路COMP1が
スイッチング素子FET2 をオンとし、抵抗R2 を介し
てコンデンサC2 の電荷を放電させ、コンデンサC2 の
電圧が比較回路COMP1の低い閾値電圧以下になった
とき、スイッチング素子FET2 がオフとなり、再度、
コンデンサC2 を充電させる。即ち、コンデンサC2 の
両端の電圧は、比較回路COMP1で設定した閾値電圧
間を変化する鋸歯状波となる。なお、比較回路COMP
1の閾値電圧が補助電源E2 よりも大きく、通常、閾値
電圧はE2 ±2〜5[V]程度に設定され、ヒステリシ
ス幅が2〜5[V]程度になっている。したがって、後
述するスイッチング素子FET1 のオフによって発生す
る放電回路のインダクタンスに蓄積されたエネルギを放
出する際に、急激に、放電を停止させるべく作用する。
【0032】この加工用電源部15は、次のように動作
する。まず、スイッチング素子FET1 がオフのとき、
主電源E1 によってコンデンサC1 が充電され、また、
コンデンサC2 には補助電源E2 の電圧が充電され、各
々電源電圧と同電位となる。コンデンサC3 は主電源E
1 及び補助電源E2 の電圧が充電され、E1 +E2 の電
圧となる。ここで、スイッチング素子FET1 がオンと
なると、主電源E1 及びコンデンサC1 から、電極1、
被加工物3、ダイオードD1 、スイッチング素子FET
1、主電源E1 及びコンデンサC1 の放電回路が形成さ
れ、電極1と被加工物3に放電が発生する。このときの
電流パルスの立上りは形成された回路のインダクタンス
で決定される。
【0033】また、スイッチング素子FET1 がオフと
なると、回路のインダクタンスのため、放電電流は継続
しようとし、電極1から被加工物3、ダイオードD1 、
ダイオードD2 、抵抗R1 及び補助電源E2 から電極1
の放電継続回路が形成され、放電継続回路のインダクタ
ンスが有するエネルギーの放出が継続され、そのエネル
ギーは主に抵抗R1 で消費される。このとき、放電継続
回路のインダクタンスが有するエネルギーの一部はコン
デンサC2 の充電に供され、コンデンサC2 の電圧が上
昇する。これによって、比較回路COMP1がスイッチ
ング素子FET2 をオンとし、抵抗R2 を介してコンデ
ンサC2 の電荷を放電させ、同時に、ダイオードD2 か
らの電流の一部、即ち、放電継続回路のインダクタンス
が有するエネルギーの一部は抵抗R2 で消費される。し
たがって、スイッチング素子FET1 がオン・オフ制御
されると、立上り及び立下りの急峻なパルスによって放
電加工が行われる。なお、本来、電極1と被加工物3間
に印加する電圧パルスと、電極1と被加工物3間に流れ
る電流パルスとは、時間的にずれ、即ち、位相差を有し
ているが、両者の違いよって本発明の要旨を左右するも
のではないから、説明が容易であり、理解し易さから、
間隙に印加する電圧パルスと電流パルスは時間的な遅れ
がないという前提で説明する。
【0034】図4は本発明の第一実施形態を示す放電加
工装置の加工用電源部15で得られる電流パルス波形の
説明図である。スイッチング素子FET1 が制御部16
によってオン、オフ制御され、スイッチング素子FET
1 のオンのときの主電源E1 及びコンデンサC1 から、
電極1、被加工物3、ダイオードD1 、スイッチング素
子FET1 、主電源E1 及びコンデンサC1 の放電回路
が有するインダクタンスで電流パルスPi の立上りが決
定され、そのピーク値Ip はスイッチング素子FET1
のオンの継続時間tp で決定される。また、電極1から
被加工物3、ダイオードD1 、ダイオードD2 、抵抗R
1 及び補助電源E2 から電極1の放電継続回路によっ
て、電流パルスPiの立下りが決定される。また、電流
パルスPi 間の休止期間τは、スイッチング素子FET
1 のオンの繰返しのタイミングによって決定される。ま
た、パルス幅Pw はスイッチング素子FET1 のオンの
継続時間tp による立上り時間と立下り時間の和によっ
て近似される。
【0035】図5は本発明の第一実施形態を示す放電加
工装置の短絡検出部18の回路例である。図において、
R3 は電極1と被加工物3の間に放電が発生したとき
と、放電が発生しないときを判定するダミー抵抗で、比
較的高い抵抗値のものであり、電極1と被加工物3の間
に接続されている。また、ダミー抵抗R3 の一端は他端
から電位を検出するために接地している。ダミー抵抗R
3 の他端から比較回路COMP2にその両端の電圧降下
を入力し、それを所定の閾値(10[V])と比較し、
通常の放電が発生しているとき、電極1と被加工物3の
間電圧が25[V]程度で、短絡したとき、10[V]
以下の電圧となるから、比較回路COMP2の出力とし
て短絡の発生時には“H”を得る。即ち、短絡検出部1
8は、電極1と被加工物3の間に放電が発生せず、電圧
を印加しても短絡状態となることを検出し、それを制御
部16に出力する。電極1と被加工物3の間、即ち、極
間には短絡現象に基づく放電集中が発生するため、極間
短絡を検出することにより、加工状態の認識を行うこと
ができる。つまり、極間の短絡頻度が一定以下と認識し
た場合、通常放電が行われていると推定することができ
る。
【0036】図6は本発明の第一実施形態を示す放電加
工装置の制御部16で実行するプログラムのフローチャ
ートである。まず、この実施の形態における放電加工装
置の電源の投入によって、このプログラムがリードされ
る。ステップS1でイニシャライズされ、ステップS2
で各条件を入力する。各種条件の入力を完了し、図示し
ないスタートキーを操作することにより、ステップS3
でそれが判定される。なお、入力する本実施の形態の放
電加工装置としては、例えば、電極1と被加工物3の間
に加工用電源部15より、300[A]以上の高ピーク
で、更に、ピーク値とパルス幅の比が100[A/μ
S]以上の電流パルスを与えることが可能で、また、パ
ルスの休止期間τを任意に変更できる。更に、噴射口1
aから加工液を噴出させ、その液圧量も可変である。こ
こで説明する本実施の形態では、電流パルスPi は電流
ピーク値Ip が880[A]、パルス幅Pw が7.7
[μS]である。また、他の加工条件は、 電極材質:黄銅 電極形状:円筒φ10(噴射口φ5) 被加工物:SK−3 極性:電極(マイナス)、被加工物(プラス) 加工液比抵抗:100kΩ・cm である。特に、本実施の形態では、まず、休止期間τと
パルス幅Pw の関係を、 休止期間τ<2×パルス幅Pw となる条件を設定し、短絡の頻発及びそれに伴う放電集
中を増加させた。なお、休止期間τ<2×パルス幅Pw
は、図8に示すパルス幅と休止期間の比を変更させた場
合と極間へ供給する加工液圧を変更した場合の電極被膜
の厚さがどのように変化を示す特性図から、実用的な範
囲を特定したものである。
【0037】次に、ステップS4では所定の休止期間τ
の経過を判定し、休止期間τが経過するまでステップS
4に止まり、ステップS4で所定の休止期間τの経過を
判定すると、ステップS5でパルス幅Pw を決定する継
続時間tp の経過を判定する。ステップS5で継続時間
tp の経過が判定されるまで、ステップS6でスイッチ
ング素子FET1 をオンとする。スイッチング素子FE
T1 がオンとなると、主電源E1 及びコンデンサC1 か
ら、電極1、被加工物3、ダイオードD1 、スイッチン
グ素子FET1 、主電源E1 及びコンデンサC1 の放電
回路が形成され、電極1と被加工物3に放電が発生す
る。なお、電流パルスの立上りは形成された放電回路の
インダクタンスで決定される。そして、ステップS7で
短絡検出部18からの出力が“H”であるか“L”であ
るかを所定のメモリに記憶する。即ち、電極1と被加工
物3の間に放電が発生せず、電圧を印加しても短絡状態
となったとき、“H”、また、電極1と被加工物3の間
に放電が発生したとき、“L”を記憶しておく。ステッ
プS5で継続時間tp の経過を判定すると、ステップS
8でスイッチング素子FET1 をオフとする。スイッチ
ング素子FET1 がオフとなると、回路のインダクタン
スにより放電を継続しようとし、電極1から被加工物
3、ダイオードD1 、ダイオードD2 、抵抗R1 及び補
助電源E2 から電極1の放電継続回路が形成されるか
ら、放電継続回路のインダクタンスによって電流パルス
の立下りが決定される。また、ステップS9でスイッチ
ング素子FET1 をオンした回数を計数する。ステップ
S10で短絡検出部18からの出力が“H”であるか
“L”であるかを記憶したメモリによって、電極1と被
加工物3の間に放電が発生せず、電圧を印加しても短絡
状態となったときの“H”の回数、電極1と被加工物3
の間に放電が発生したときの“L”の回数を演算する。
ステップS11で短絡検出部18からの出力の、電極1
と被加工物3の間に放電が発生せず、電圧を印加しても
短絡状態となったときの“H”の回数、電極1と被加工
物3の間に放電が発生したときの“L”の回数の演算値
に対応して、前記パルス電圧の休止期間τを変更し、ま
た、電極1の噴出口1aより水系加工液の噴出圧力を調
整する。このとき、短絡検出部18からの出力による短
絡状態となったときの“H”の回数、放電が発生したと
きの“L”の回数の演算値、前記パルス電圧の休止期間
τ、電極1の噴出口1aより水系加工液5の噴出圧力と
の関係は、図示しないマップに特性を設定しておき、そ
のマップから任意の値を選択するものである。
【0038】このように、パルスの休止期間τを電流パ
ルスのパルス幅Pw の2倍以下、即ち、休止期間τ<2
×パルス幅Pw とし、短絡の頻発及びそれに伴う放電集
中を増加させ、それによって、極間においてアークが発
生し、放電加工が中断する前に、噴出圧10kgf/c
2 の高圧噴流により短絡を解消させる。このとき、短
絡解消時に飛散した溶融スラッジが電極面に溶着され、
電極1の面が被加工物3によって被膜される。このよう
に、電極面に被膜面が形成されるとき、電極1の消耗が
低下することとなる。また、高速条件による加工が進行
し、被膜された電極面が急激に消耗したとしても、電極
面への被膜は同時に行われ、低消耗効果が持続する。
【0039】図7は本発明の第一実施形態における電極
被膜形成時の平均電流値に対する加工速度と電極消耗比
とを示す特性図で、(a)は平均電流値−加工速度特性
及び(b)は平均電流値−電極消耗比特性である。ここ
で、休止期間τを休止期間τ<2×パルス幅Pw の範囲
で減少させることにより、平均電流値を増加させたとき
の、加工速度及び電極消耗比との関係を示すと、休止期
間τが相対的に減少することにより、本来なら短絡の頻
発により加工が停止してしまう状況においても、加工速
度は順調に増加し、更に、電極消耗比は電極面への被膜
効果により、急激に減少可能であることがわかる。
【0040】加工液中において電極1と被加工物3との
間に、短パルスで高ピークの電流パルスを与えることに
より高速放電加工を行う場合、前記加工液として水系加
工液5を用いるとともに、電極1として黄銅電極を用い
て、休止期間τを電流パルス幅の2倍以下に保つことに
より、極間短絡を頻発させ、更に、電極1の加工液噴出
穴より、加工液を10kgf/cm2 以上の高圧で噴出
させることによって、加工屑を介した極間短絡の解消
と、加工電極面への溶融した加工屑による被膜を同時に
行うことが可能である。このため、高速加工と同時に電
極被膜による低消耗化を実現した放電加工を行うことが
できる。電極面への被膜は加工と同時に行われるため、
電極消耗により被膜が欠落しても常に新しい被膜によっ
て電極面が覆われる。
【0041】加工と同時に形成される電極被膜は、被膜
の厚さは各種条件を変更することにより変化させること
ができる。図8は本発明の第一実施の形態におけるパル
ス幅Pw と休止期間τの比(DutyFuctor )を変更させ
た場合と、極間へ供給する加工液圧を変更した場合に、
電極被膜の厚さがどのように変化を示す特性図で、
(a)はDuty Fuctor −被膜厚さ特性及び(b)は噴出
圧力−被膜厚さ特性である。図8はパルス幅Pw /休止
期間τの比を大きくした場合と、極間へ供給する加工液
圧を大きくした場合に、電極被膜の厚さがどのように変
化するかを示したものである。パルス幅Pw /休止期間
τの分母が小さくなることは、休止期間τが短くなるこ
とを意味し、休止期間τが短くなると被膜厚さは厚くな
る。また、電極1の噴出口1aより、加工液を10kg
f/cm2 以上の高圧で噴出させることによって、被膜
厚さは厚く形成されるが、更に、上昇すると、電極被膜
が形成されなくなる。即ち、各種条件により電極被膜の
厚さを変化させることができる。電極1の噴出口1aか
らの10kgf/cm2 以上の高圧で噴出される加工液
を必要としていることがわかる。
【0042】このとき、加工中において被膜厚さを調整
するには、リアルタイムに現在の電極表面の膜厚を知る
必要がある。電極表面への被膜は、極間の短絡減少に基
づく放電集中により被膜が形成される。このため、加工
中の被膜厚さを知るには、極間の短絡頻度を測定し、そ
のデータに基づき被膜厚さの計算を行えば良い。図9は
本発明の第一実施形態における短絡頻度と電極表面に形
成される被膜厚さの関係を示した特性図である。図に示
すように、短絡頻度が増加すると、それに従って被膜厚
さが厚くなる。しかし、短絡頻度が所定以上に増加する
と、短絡の状態に左右され、単純に短絡の頻度のみで計
数した場合には被膜厚さが不均一となる。
【0043】このように、本実施の形態の放電加工装置
は、電極1と被加工物3との間に水系加工液5を介在さ
せ、かつ、電極1と被加工物3との間にパルス電圧を印
加して放電加工を行う放電加工装置において、パルス電
圧の休止期間τを電流パルス幅Pw の2倍以下として繰
返しパルスを発生させる加工用電源部15及び制御部1
6からなるパルス発生手段と、電極1に水系加工液5を
噴出する噴出口1aを配設し、噴出口1aより水系加工
液5を10kgf/cm2 以上の高圧で噴出させる加工
液供給部17及び制御部16からなる加工液供給手段と
を具備するものであり、これを請求項に対応した実施の
形態とすることができる。
【0044】本実施の形態の放電加工装置は、電極1と
被加工物3との間に水系加工液5を介在させ、かつ、電
極1と被加工物3との間にパルス電圧を印加して放電加
工を行う放電加工方法において、前記水系加工液5を噴
出する水系加工液を10kgf/cm2 以上の高圧で噴
出させると共に、パルス電圧の休止期間τを電流パルス
幅の2倍以下として繰返しパルスを印加し、放電加工を
行う放電加工方法とすることができる。
【0045】したがって、パルスの休止期間τを電流パ
ルスのパルス幅Pw の2倍以下とし、短絡の頻発及びそ
れに伴う放電集中を増加させ、それによって、極間にお
いてアークが発生し、放電加工が中断する前に、噴出圧
10kgf/cm2 の高圧噴流により短絡を解消させ、
短絡解消時に飛散した溶融スラッジが電極面に溶着さ
れ、電極1の面が被加工物3によって被膜される。この
ように、電極面に被膜面が形成されるとき、電極1の消
耗が低下することとなる。また、高速条件による加工が
進行し、被膜された電極面が急激に消耗したとしても、
電極面への被膜は同時に行われ、低消耗効果が持続す
る。故に、放電加工時に極間短絡が頻発し、高圧の加工
液噴出で加工屑を介した極間短絡が解消され、加工電極
面へ溶融した加工屑による被膜が形成され、特に、高速
放電加工のときに、溶融した加工屑の被膜が加工電極面
へ形成され、電極消耗比が大幅に減少する。
【0046】本実施の形態においては、更に、電極1と
被加工物3間の短絡を検出する短絡検出部18からなる
短絡検出手段と、短絡検出部18からなる短絡検出手段
で短絡発生頻度の演算を行うステップS10からなる演
算手段と、演算手段の短絡発生頻度の結果から、パルス
電圧の休止期間と水系加工液の噴出圧を決定するステッ
プS11からなるパルス及び加工液設定手段とを具備す
るものであり、これを請求項に対応する実施の形態とす
ることができる。また、これは、更に、放電加工を行う
際の電極1と被加工物3間の短絡を検出し、その短絡発
生頻度の演算を行い、短絡発生頻度の結果から、前記パ
ルス電圧の休止期間と前記水系加工液の噴出圧を決定す
る放電加工方法とすることができる。
【0047】したがって、前者の実施の形態の効果に加
えて、放電加工時に極間短絡が頻発し、高圧の加工液の
噴出によって加工屑を介した極間短絡の解消と、加工電
極面への溶融した加工屑による被膜が形成され、更に、
極間短絡頻度に応じて加工パルスの休止期間τ及び加工
液の噴出圧を変更することにより、電極面への被膜量の
制御を行うことができる。高速放電加工時に、溶融した
加工屑の被膜が加工電極面へ形成され、更に、極間短絡
頻度に応じて加工パルスの休止期間τ及び加工液の噴出
圧を変更することにより、電極面への被膜量の制御を行
えるため、電極消耗量の制御を行える。
【0048】ところで、前述した高圧噴流は、被膜形成
のための重要なファクターではあるが、通常の放電加工
時においては、逆に、電極消耗比を増加させる要因とな
る。そのため、被膜形成過程においては、高圧噴流は欠
かせないものの、放電時においては、極間に供給する加
工液圧を減少させた方が、加工特性の向上には効果的で
ある。この被膜形成過程は、極間には短絡現象に基づく
放電集中が発生するため、極間短絡を検出することによ
り、加工状態の認識を行うことができる。つまり、極間
の短絡頻度が一定以下と認識した場合、通常放電が行わ
れていると考えて良い。この現象を積極的に使用したも
のが、次の事例である。
【0049】図10は本発明の第二実施形態を示す放電
加工装置の制御部16で実行するプログラムのフローチ
ャートである。基本的動作は図6の実施の形態と同じで
あるから簡単に説明する。
【0050】ステップS1でイニシャライズされ、ステ
ップS2で各条件を入力し、各種条件の入力を完了し、
図示しないスタートキーを操作したことがステップS3
で判定される。ステップS4では所定の休止期間τの経
過を判定し、ステップS4で所定の休止期間τの経過を
判定すると、ステップS5でパルス幅Pw を決定する継
続時間tp の経過を判定する。ステップS5で継続時間
tp の経過が判定されるまで、ステップS6でスイッチ
ング素子FET1 をオンとする。そして、ステップS7
で短絡検出部18からの出力を記憶しておく。ステップ
S5で継続時間tp の経過を判定すると、ステップS8
でスイッチング素子FET1 をオフとし、ステップS9
でスイッチング素子FET1 をオンした回数を計数す
る。ステップS9Aで短絡検出部18から得た短絡検出
によって、短絡頻度の演算を行い、更に、短絡頻度が所
定の閾値のn以上であるか判定し、短絡頻度が所定の閾
値のn以上のときには、ステップS9Cでは、極間へ供
給する噴出圧を10kg/cm2 以上とし、また、ステ
ップS9Aで短絡頻度が所定の閾値のn以上でないと判
定したとき、ステップS9Bで高圧を極間に与え続ける
場合と比較して、電極消耗量を減少させる。極間へ供給
する噴出圧を2kg/cm2 以下に減少させ、常に、高
圧を極間に与え続ける場合と比較して、電極消耗量を減
少させる。その後、ステップS10で短絡検出部18か
らの出力が“H”であるか“L”であるかを記憶したメ
モリによって、電極1と被加工物3の間に放電が発生せ
ず、電圧を印加しても短絡状態となったときの“H”の
回数、電極1と被加工物3の間に放電が発生したときの
“L”の回数を演算する。ステップS11で短絡検出部
18からの出力の、電極1と被加工物3の間に放電が発
生せず、電圧を印加しても短絡状態となったときの
“H”の回数、電極1と被加工物3の間に放電が発生し
たときの“L”の回数の演算値に対応して、前記パルス
電圧の休止期間τを変更し、また、電極1の噴出口1a
より水系加工液の噴出圧力を調整する。
【0051】このように、本実施の形態では、ステップ
S10からなる演算手段によって短絡頻度が一定n未満
と判定されたとき、電極1と被加工物3の間に供給する
水系加工液5の圧力を2kgf/cm2 以下に減少させ
るものであり、これを請求項に対応する実施の形態とす
ることができる。したがって、極間の短絡検出部18か
ら得た短絡検出によって、短絡頻度の演算を行い、更
に、短絡頻度からのデータに基づいて、極間へ供給する
噴出圧の変更を行い、電極1が所望の被膜厚に制御する
ことができる。特に、本実施の形態では、極間短絡頻度
が一定n未満のときには、検出信号に基づいて、極間へ
供給する噴出圧を2kg/cm2 以下に減少させ、常
に、高圧を極間に与え続ける場合と比較して、電極消耗
量を減少させることができる。勿論、本実施の形態で
は、ステップS9A乃至ステップS9Cで短絡頻度が所
定の閾値のn以上であるか判定して、短絡頻度が所定の
閾値のn以上のときに極間へ供給する噴出圧を10kg
/cm2 以上とし、短絡頻度が所定の閾値のn以上でな
いとき極間へ供給する噴出圧を2kg/cm2 以上とす
るものであるが、ステップS10及びステップS11で
これを設定しても、同一の結果が得られる。
【0052】本実施の形態では、更に、極間短絡頻度が
一定以下のときには、検出信号に基づいて、極間へ供給
する噴出圧を2kg/cm2 以下に減少させた。その結
果、常に、高圧を極間に与え続ける場合と比較して、電
極消耗量を減少させることができた。本実施の形態の放
電加工装置に対して、更に、制御部16によって短絡頻
度がn未満と判定されたとき、電極1と被加工物3の間
に供給する水系加工液5の圧力を2kgf/cm2 以下
に減少させるものであるから、前述の実施の形態の効果
に加えて、放電加工時に極間短絡が発生していないとき
に加工液の噴出圧を低く変更することで、電極消耗量
が、更に、減少する。また、これは、短絡頻度が一定n
未満と判定されたとき、電極1と被加工物3の間に供給
する水系加工液5の圧力を2kgf/cm2 以下に減少
させる放電加工方法とすることができる。
【0053】本実施の形態は、放電パルス数を計数し、
一定パルス数ごとに放電パルスの休止期間τの設定を変
更するものである。図11は本発明の第三実施形態を示
す放電加工装置の制御部16で実行するプログラムのフ
ローチャートである。基本的動作は図6の実施の形態と
同じであるから簡単に説明する。また、図12は本実施
の形態における群パルスの発生を制御する説明図であ
る。図12に示すように、放電パルス数Nをマイクロコ
ンピュータ内臓のカウンタにより計測し、設定された一
定パルス毎に休止期間τを一時的に変更することで、群
パルスを発生させることができる。前述した群パルスに
より適切な休止を入れることによって、更に、安定な加
工と電極への均一な被膜形成を両立させる効果が得られ
る。
【0054】ステップS1でイニシャライズされ、ステ
ップS2で各条件を入力し、各種条件の入力を完了し、
図示しないスタートキーを操作したことがステップS3
で判定される。ステップS4では所定の休止期間τの経
過を判定し、ステップS4で所定の休止期間τの経過を
判定すると、ステップS5でパルス幅Pw を決定する継
続時間tp の経過を判定する。ステップS5で継続時間
tp の経過が判定されるまで、ステップS6でスイッチ
ング素子FET1 をオンとする。そして、ステップS7
で短絡検出部18からの出力を記憶しておく。ステップ
S5で継続時間tp の経過を判定すると、ステップS8
でスイッチング素子FET1 をオフとし、ステップS9
でスイッチング素子FET1 をオンした回数を計数す
る。ステップS9Dで電極1と被加工物3との間に供給
した電流パルスPi の数を計数し、そのパルス数が所定
の閾値のN以上であるか判定し、パルス数が所定の閾値
のN以上のときには、ステップS9Fで電流パルスPi
の供給休止を通常の休止期間τよりも大きい休止期間τ
o と大きくし、電流パルスPi の計数が所定の閾値のN
以上でないと判定したとき、ステップS9Eで電流パル
スPi の供給休止を通常の休止期間τとする。その後、
ステップS10で短絡検出部18からの出力が“H”で
あるか“L”であるかを記憶したメモリによって、電極
1と被加工物3の間に放電が発生せず、電圧を印加して
も短絡状態となったときの“H”の回数、電極1と被加
工物3の間に放電が発生したときの“L”の回数を演算
する。ステップS11で短絡検出部18からの出力の、
電極1と被加工物3の間に放電が発生せず、電圧を印加
しても短絡状態となったときの“H”の回数、電極1と
被加工物3の間に放電が発生したときの“L”の回数の
演算値に対応して、前記パルス電圧の休止期間τを変更
し、また、電極1の噴出口1aより水系加工液5の噴出
圧力を調整する。
【0055】このように、放電加工時に極間短絡が頻発
し、高圧の加工液の噴出で、極間短絡の解消され、しか
も、加工電極面へ溶融した加工屑による被膜が形成さ
れ、群パルスと休止期間の割合を変化させることによ
り、加工状態の安定化と電極面への均一な被膜形成が行
われる。
【0056】この実施の形態の放電加工装置は、前述の
何れかの実施の形態の放電加工装置に対して、更に、電
極1と被加工物3間に印加するパルス数を計測するカウ
ンタステップS9からなるカウンタと、ステップS9か
らなるカウンタで計数された一定パルス数N毎に、繰返
し印加する前記パルス電圧の休止期間τを変化させるス
テップS9D乃至ステップS9Fからなる繰返しパルス
調整手段とを具備するものであり、これは請求項に対応
する実施の形態である。また、これは、電極1と被加工
物3間に印加するパルス数を計測し、前記計数された一
定パルス数N毎に、繰返し印加する前記パルス電圧の休
止期間τを変化させることを特徴とする放電加工方法と
することができる。したがって、前述の何れかの実施の
形態の放電加工装置に記載の効果に加えて、放電加工時
に極間短絡が頻発し、高圧の加工液噴出で、極間短絡の
解消と、加工電極面への溶融した加工屑による被膜が形
成され、群パルスと休止期間の割合を変化させることに
より、加工状態の安定化と電極面への均一な被膜形成が
行われる。高速放電加工時に、溶融した加工屑の被膜が
加工電極面へ形成され、群パルスと休止期間の割合を変
化させることにより、加工状態の安定化と電極面への均
一な被膜形成が行われるため、加工中の電極消耗量が一
定となる。
【0057】ところで、上記実施例では、加工液を水系
加工液とするものであるが、本発明を実施する場合に
は、加工電極面への溶融した加工屑による被膜が形成さ
れる媒体であればよい。
【0058】
【発明の効果】以上のように、請求項1の放電加工装置
は、電極と被加工物との間に水系加工液を介在させ、か
つ、前記電極と被加工物との間にパルス電圧を印加して
放電加工を行う放電加工装置において、前記水系加工液
を噴出する噴出口を有する電極より水系加工液を10k
gf/cm2 以上の高圧で噴出させ、前記パルス電圧の
休止期間を電流パルス幅の2倍以下として繰返しパルス
を発生させるものである。したがって、パルスの休止期
間をパルス幅の2倍以下とし、短絡の頻発及びそれに伴
う放電集中を増加させ、極間においてアークが発生して
放電加工が中断する前に、噴出圧10kgf/cm2
高圧噴流により短絡を解消させ、短絡解消時に飛散した
溶融スラッジが電極面に溶着され、電極の面が被加工物
によって被膜される。このように電極面に被膜面が形成
されるとき、電極の消耗が低下することとなる。また、
高速条件による加工が進行し、被膜された電極面が急激
に消耗したとしても、電極面への被膜は同時に行われ、
低消耗効果が持続する。故に、放電加工時に極間短絡が
頻発し、高圧の水系加工液の噴出で加工屑を介した極間
短絡が解消し、加工電極面へ溶融した加工屑による被膜
が形成され、特に、高速放電加工のときに、溶融した加
工屑の被膜が加工電極面へ形成され、電極消耗比が大幅
に減少する。
【0059】請求項2の放電加工装置は、請求項1記載
の放電加工装置に対して、更に、前記電極と前記被加工
物間の短絡を検出し、検出した短絡発生頻度の演算を行
い、短絡発生頻度の結果から前記パルス電圧の休止期間
と前記水系加工液の噴出圧を決定するものである。した
がって、請求項1の効果に加えて、放電加工時に極間短
絡が頻発し、高圧の加工液噴出で、加工屑を介した極間
短絡の解消と、加工電極面への溶融した加工屑による被
膜が形成され、更に、極間短絡頻度に応じて加工パルス
の休止期間及び加工液の噴出圧を変更することにより、
電極面への被膜量の制御を行うことができる。また、高
速放電加工時に、溶融した加工屑の被膜が加工電極面へ
形成され、更に、極間短絡頻度に応じて加工パルスの休
止期間及び加工液の噴出圧を変更することにより、電極
面への被膜量の制御を行えるため、電極消耗量の制御を
行える。
【0060】請求項3の放電加工装置は、請求項2記載
の放電加工装置に対して、更に、前記演算手段によって
短絡頻度が一定以下と判定されたとき、前記電極と前記
被加工物の間に供給する水系加工液の圧力を2kgf/
cm2 以下に減少させるものであるから、請求項2の効
果に加えて、放電加工時に極間短絡が発生していないと
きに加工液の噴出圧を低くすることで、電極消耗量が、
更に、減少する。
【0061】請求項4の放電加工装置は、請求項1乃至
請求項3の何れか1つに記載の放電加工装置に対して、
更に、前記電極と前記被加工物間に印加するパルス数を
計測し、計数された一定パルス数毎に、繰返し印加する
前記パルス電圧の休止期間を変化させるものである。し
たがって、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の
効果に加えて、放電加工時に極間短絡が頻発し、高圧の
加工液噴出で、極間短絡の解消と、加工電極面への溶融
した加工屑による被膜が形成され、群パルスと休止期間
の割合を変化させることにより、加工状態の安定化と電
極面への均一な被膜形成が行われる。高速放電加工時
に、溶融した加工屑の被膜が加工電極面へ形成され、群
パルスと休止期間の割合を変化させることにより、加工
状態の安定化と電極面への均一な被膜形成が行われるた
め、加工中の電極消耗量が一定となる。
【0062】請求項5の放電加工装置は、請求項1乃至
請求項4の何れか1つに記載の放電加工装置に対して、
更に、前記水系加工液を噴出する噴出口を有する電極
は、黄銅電極としたものであるから、電極の製造が容易
である。
【0063】請求項6の放電加工方法は、電極と被加工
物との間に水系加工液を介在させ、かつ、前記電極と被
加工物との間にパルス電圧を印加して放電加工を行う放
電加工方法において、前記水系加工液を噴出する噴出口
を有する電極より、例えば、好適には、水系加工液を1
0kgf/cm2 以上の高圧で噴出させ、前記パルス電
圧の休止期間を電流パルス幅の2倍以下として繰返しパ
ルスを発生させるものである。したがって、パルスの休
止期間をパルス幅の2倍以下とし、短絡の頻発及びそれ
に伴う放電集中を増加させ、極間においてアークが発生
して放電加工が中断する前に、例えば、噴出圧10kg
f/cm2 の高圧噴流により短絡を解消させ、短絡解消
時に飛散した溶融スラッジが電極面に溶着され、電極の
面が被加工物によって被膜される。このように電極面に
被膜面が形成されるとき、電極の消耗が低下することと
なる。また、高速条件による加工が進行し、被膜された
電極面が急激に消耗したとしても、電極面への被膜は同
時に行われ、低消耗効果が持続する。故に、放電加工時
に極間短絡が頻発し、高圧の水系加工液の噴出で加工屑
を介した極間短絡が解消し、加工電極面へ溶融した加工
屑による被膜が形成され、特に、高速放電加工のとき
に、溶融した加工屑の被膜が加工電極面へ形成され、電
極消耗比が大幅に減少する。
【0064】請求項7の放電加工方法は、請求項6記載
の放電加工方法に対して、更に、前記電極と前記被加工
物間の短絡を検出し、検出した短絡発生頻度の演算を行
い、短絡発生頻度の結果から前記パルス電圧の休止期間
と前記水系加工液の噴出圧を決定するものである。した
がって、請求項6の効果に加えて、放電加工時に極間短
絡が頻発し、高圧の加工液噴出で、加工屑を介した極間
短絡の解消と、加工電極面への溶融した加工屑による被
膜が形成され、更に、極間短絡頻度に応じて加工パルス
の休止期間及び加工液の噴出圧を変更することにより、
電極面への被膜量の制御を行うことができる。また、高
速放電加工時に、溶融した加工屑の被膜が加工電極面へ
形成され、更に、極間短絡頻度に応じて加工パルスの休
止期間及び加工液の噴出圧を変更することにより、電極
面への被膜量の制御を行えるため、電極消耗量の制御を
行える。
【0065】請求項8の放電加工方法は、請求項7記載
の放電加工方法に対して、更に、前記演算手段によって
短絡頻度が一定以下と判定されたとき、前記電極と前記
被加工物の間に供給する水系加工液の圧力を、例えば、
好適な値としては2kgf/cm2 以下に減少させるも
のであるから、請求項7の効果に加えて、放電加工時に
極間短絡が発生していないときに加工液の噴出圧を低く
することで、電極消耗量が、更に、減少する。
【0066】請求項9の放電加工方法は、請求項6乃至
請求項8の何れか1つに記載の放電加工方法に対して、
更に、前記電極と前記被加工物間に印加するパルス数を
計測し、計数された一定パルス数毎に、繰返し印加する
前記パルス電圧の休止期間を変化させるものである。し
たがって、請求項6乃至請求項8の何れか1つに記載の
効果に加えて、放電加工時に極間短絡が頻発し、高圧の
加工液噴出で、極間短絡の解消と、加工電極面への溶融
した加工屑による被膜が形成され、群パルスと休止期間
の割合を変化させることにより、加工状態の安定化と電
極面への均一な被膜形成が行われる。また、高速放電加
工時に、溶融した加工屑の被膜が加工電極面へ形成さ
れ、群パルスと休止期間の割合を変化させることによ
り、加工状態の安定化と電極面への均一な被膜形成が行
われるため、加工中の電極消耗量が一定となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一実施形態を示す放電加工
装置の全体構成図である。
【図2】 図2は本発明の第一実施形態を示す放電加工
装置の加工液供給部の詳細図である。
【図3】 図3は本発明の第一実施形態を示す放電加工
装置の加工用電源部の詳細図である。
【図4】 図4は本発明の第一実施形態を示す放電加工
装置の加工用電源部で得られる電流パルス波形の説明図
である。
【図5】 図5は本発明の第一実施形態を示す放電加工
装置の短絡検出部の回路例である。
【図6】 図6は本発明の第一実施形態を示す放電加工
装置の制御部で実行するプログラムのフローチャートで
ある。
【図7】 図7は本発明の第一実施形態における電極被
膜形成時の平均電流値に対する加工速度と電極消耗比と
を示す特性図である。
【図8】 図8は本発明の第一実施形態におけるパルス
幅と休止期間の比を変更させた場合と極間へ供給する加
工液圧を変更した場合に電極被膜の厚さがどのように変
化を示す特性図である。
【図9】 図9は本発明の第一実施形態における短絡頻
度と電極表面に形成される被膜厚さの関係を示した特性
図である。
【図10】 図10は本発明の第二実施形態を示す放電
加工装置の制御部で実行するプログラムのフローチャー
トである。
【図11】 図11は本発明の第三実施形態を示す放電
加工装置の制御部で実行するプログラムのフローチャー
トである。
【図12】 図12は本発明の第三実施形態を示す放電
加工装置における群パルスの発生を制御する説明図であ
る。
【図13】 図13は従来の被膜電極を使用した型彫放
電加工機としての放電加工装置の構造を示す説明図であ
る。
【図14】 図14は従来の単純形状の電極により放電
加工装置により高精度な輪郭形状加工を行う説明図であ
る。
【図15】 図15は一般的な放電加工装置において休
止期間を減少させたときの加工速度と電極消耗比との関
係を示した特性図である。
【符号の説明】
1 電極、3 被加工物、5 水系加工液 、6 加工
槽、15 加工用電源部、16 制御部、17 加工液
供給部、18 短絡検出部、38 回転数制御回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極と被加工物との間に水系加工液を介
    在させ、かつ、前記電極と前記被加工物との間にパルス
    電圧を印加して放電加工を行う放電加工装置において、 前記パルス電圧の休止期間を電流パルス幅の2倍以下と
    して繰返しパルスを発生させるパルス発生手段と、 前記電極に水系加工液を噴出する噴出口を配設し、前記
    噴出口より水系加工液を10kgf/cm2 以上の高圧
    で噴出させる加工液供給手段とを具備することを特徴と
    する放電加工装置。
  2. 【請求項2】 更に、前記電極と前記被加工物間の短絡
    を検出する短絡検出手段と、 前記短絡検出手段で短絡発生頻度の演算を行う演算手段
    と、 前記演算手段の短絡発生頻度の結果から、前記パルス電
    圧の休止期間と前記水系加工液の噴出圧を決定するパル
    ス及び加工液設定手段とを具備することを特徴とした請
    求項1記載の放電加工装置。
  3. 【請求項3】 前記演算手段によって短絡頻度が一定以
    下と判定されたとき、前記電極と前記被加工物の間に供
    給する水系加工液の圧力を2kgf/cm2以下に減少
    させることを特徴とした請求項2に記載の放電加工装
    置。
  4. 【請求項4】 更に、前記電極と前記被加工物間に印加
    するパルス数を計測するカウンタと、 前記カウンタで計数された一定パルス数毎に、繰返し印
    加する前記パルス電圧の休止期間を変化させる繰返しパ
    ルス調整手段とを具備することを特徴とする請求項1乃
    至請求項3の何れか1つに記載の放電加工装置。
  5. 【請求項5】 前記水系加工液を噴出する噴出口を有す
    る電極は、黄銅電極としたことを特徴とする請求項1乃
    至請求項4の何れか1つに記載の放電加工装置。
  6. 【請求項6】 電極と被加工物との間に水系加工液を介
    在させ、かつ、前記電極と被加工物との間にパルス電圧
    を印加して放電加工を行う放電加工方法において、 前記水系加工液を噴出する水系加工液を高圧で噴出させ
    ると共に、前記パルス電圧の休止期間を電流パルス幅の
    2倍以下として繰返しパルスを印加し、放電加工を行う
    ことを特徴とする放電加工方法。
  7. 【請求項7】 更に、前記放電加工を行う際の前記電極
    と前記被加工物間の短絡を検出し、その短絡発生頻度の
    演算を行い、短絡発生頻度の結果から、前記パルス電圧
    の休止期間と前記水系加工液の噴出圧を決定することを
    特徴とする請求項6に記載の放電加工方法。
  8. 【請求項8】 前記短絡頻度が一定以下と判定されたと
    き、前記電極と前記被加工物の間に供給する水系加工液
    の圧力を減少させることを特徴とした請求項7に記載の
    放電加工方法。
  9. 【請求項9】 更に、前記電極と前記被加工物間に印加
    するパルス数を計測し、前記計数された一定パルス数毎
    に、繰返し印加する前記パルス電圧の休止期間を変化さ
    せることを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れか1
    つに記載の放電加工方法。
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