JPH0985310A - 鋼片の連続熱間圧延方法 - Google Patents

鋼片の連続熱間圧延方法

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JPH0985310A
JPH0985310A JP8003709A JP370996A JPH0985310A JP H0985310 A JPH0985310 A JP H0985310A JP 8003709 A JP8003709 A JP 8003709A JP 370996 A JP370996 A JP 370996A JP H0985310 A JPH0985310 A JP H0985310A
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JP
Japan
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cutting
blade
steel
steel piece
slab
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Application number
JP8003709A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Takebayashi
克浩 竹林
Yoshikiyo Tamai
良清 玉井
Toshio Imae
敏夫 今江
Kunio Isobe
邦夫 磯邉
Hideyuki Nikaido
英幸 二階堂
Koichi Kamimura
浩一 上村
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランスバース方式の高周波誘導加熱を適用
する連続熱間圧延において問題となる鋼片接合部の目違
いを極力小さくする。 【解決手段】 先行鋼片の後端部と後行鋼片の先端部を
それぞれ、それを上下に挟み外周に切断刃を有するドラ
ムシャーを用いて切断し、次いで各端部を高周波誘導加
熱にて加熱、昇温し、相互に押圧して接合したのち圧延
設備に送給して連続的に熱間仕上げ圧延を行うに当た
り、先行鋼片の後端部および後行鋼片の先端部をそれぞ
れ、刃表を鋼片の表裏において互いに逆向きにした一組
の切断刃とこの切断刃の組とは刃表の向きを逆にした一
組の切断刃の合計二組の切断刃にて、各鋼片を同一方向
に移送しながら個別に切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シートバー、ス
ラブ、ビレットあるいはブルーム等の鋼片を数本から数
十本にわたってつなぎ合わせ、連続的に熱間圧延する鋼
片の連続熱間圧延方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼片を一本毎に加熱、粗圧延、仕上げ圧
延して所望の厚さになる鋼板に仕上げる、いわゆるバッ
チ式の熱間圧延ラインでは、圧延素材の噛み込み不良に
よるラインの停止を引き起こしやすく、また、素材の先
端、後端部の形状不良に起因した歩留り低下も大きい不
利があった。
【0003】このため、最近に至っては仕上げ圧延に先
立って圧延すべき鋼片の後端部、先端部をつなぎ合わ
せ、これを熱間圧延ラインに連続的に供給して圧延する
圧延方式(エンドレス圧延)が採用されるようになって
きた。
【0004】この点に関しては先行鋼片の後端部と後行
鋼片の先端部をその全面にわたって突き合わせ接合し、
その後に圧延するようにした特開昭58−122109
号公報、あるいは、熱間仕上げ圧延設備の入側にて、先
行鋼片の後端部と後行鋼片の先端部をギッャプをあけた
状態で対向配置し、この領域で鋼片の板厚方向に交番磁
界を印加、昇温し、さらに押圧して両鋼片を接合するよ
うにした特開平4−89120号公報等が参照される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような鋼片の連続
熱間圧延においては、接合の前工程として鋼片の端部に
おける不良部分をドラムシャー等のクロップシャーの如
きにて切り落とす切断工程が付加されるが、この切り落
とし工程で鋼片の端部が上方あるいは下方に反るため、
鋼片の押圧の際にそれが助長され上下にずれて接合され
る(以下このようなずれを「目違い」と記す。)不都合
があった。
【0006】ここに、切断工程にて鋼片の端部が反るの
は、クロップシャーによる切断時に切断面にモーメント
が発生するためであり、通常は同一の切断刃を使用して
先行鋼片、後行鋼片を切断するのでその反り方が正反対
になる。そして、このような状態で加熱、昇温、押圧す
ると、その反り方が上下において大きくなり実質的な接
合面積が減少するため、この工程に続く仕上げ圧延過程
で板が接合部から破断する不利があった。とくに加熱手
段として鋼片の板厚方向に交番磁界を印加して誘導加熱
を行う、いわゆるトランスバース式の誘導加熱を利用す
る場合には、加熱コイルの設置スペースを確保する必要
上、鋼片を挟圧支持するクランプを鋼片の端部から離れ
た位置で使用しなければならないが、鋼片の端部に向け
て延びる上下で一対になる挟持部を備えたクランプでは
鋼片相互の押圧過程における反りの影響が懸念された。
【0007】なお、特開平5−185111号公報に
は、圧延材の移送方向に沿って並べた上下で一対になる
二組のドラムをそれぞれ互いに逆向きに回転させるとと
もに、各対のドラムに取り付けるナイフの向きを逆にし
た構造の切断装置が、特開昭56−27719号公報お
よび特開昭56−119311号公報には、ドラム型の
シャーを異周速にして鋼片のクロップ部を切断する技術
が、さらに、特開平7−251203号公報には複数の
熱間圧延用長尺鋼材をレーザー溶接にて接合して連続熱
間圧延を行うに当たり、鋼材の端部を平面平行関係に切
断するフライングシャーを適用する技術が開示されてい
るが、これらの技術を適用しても目違いの原因となる鋼
片の反りを軽減するには至っていない。
【0008】この発明の目的は、加熱方式としてトラン
スバース方式の高周波誘導加熱を用いる場合においても
鋼片接合部の目違いを極力小さくして、接合不良や破断
等のおそれなしに安定した連続熱間圧延が実施できる方
法を提案するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】さて、発明者らは上記の
目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、先行鋼片の後
端部と後行鋼片の先端部とで反りの向きを同じにするこ
と、さらにはドラムシャーによる切断を異周速として反
りの絶対量を低減することが、所期した目的の達成に関
し極めて有効であることの知見を得た。この発明は上記
の知見に立脚するものである。すなわち、この発明は、
先行鋼片の後端部と後行鋼片の先端部をそれぞれ、それ
を上下に挟み外周に切断刃を有するドラムシャーを用い
て切断し、次いで各端部を高周波誘導加熱にて加熱、昇
温し、相互に押圧して接合したのち圧延設備に送給して
連続的に熱間仕上げ圧延を行うに当たり、先行鋼片の後
端部および後行鋼片の先端部をそれぞれ、刃表を鋼片の
表裏において互いに逆向きにした一組の切断刃とこの切
断刃の組とは刃表の向きを逆にした一組の切断刃の合計
二組の切断刃にて、各鋼片を同一方向に移送しながら個
別に切断することを特徴とする鋼片の連続熱間圧延方法
であり、この発明ではそのとき何れの切断に際しても鋼
片の表面または裏面に位置する切断刃のうち、刃裏を前
方に向けて回転する切断刃の移動速度を、刃表を前方に
向けて回転する切断刃の移動速度よりも大とする異周速
下で行うことができ、異周速切断における比率は5%以
下とする。
【0010】また、この発明は、上記の構成になる切断
を実施する当たって一基のドラムシャーで行うか、ある
いは、鋼片の移送方向に沿ってタンデムに配列した2基
のドラムシャーで行うものとする。
【0011】この発明においては、鋼片を切断した状態
における切断刃の一組についてその要部を図1に示すよ
うに、1を刃表、2を刃裏とする。また、異周速率fに
ついては図2に異周速率が正の場合につき切断刃の要部
をその軌跡とともに示したが、ドラムシャーの上下の回
転ドラムに配置された切断刃の先端につき、刃裏を前方
に向けて回転する切断刃の移動速度をVf 、刃表を前方
に向けて回転する切断刃の移動速度をVb として、f=
(Vf −Vb ) /Vb ×100(%) にて表示するものとす
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いてこの発明を具
体的に説明する。
【0013】図3に示したような従来の方式では、例え
ば鋼片の上方に配置された刃裏を前方に向けて回転する
切断刃と、鋼片の下方に配置された刃表を前面に向けて
回転する切断刃とを、移動速度を同じ(等周速)にし
て、先行鋼片の後端部および後行鋼片の先端部をそれぞ
れ切断する(図7a,b)。切断の際の切り込み直後の
状況は図4に示すとおり(先行鋼片の後端部を切断する
場合)であり、図中のO、Qは切断刃の刃先、面OP、
面QRは切断刃が鋼片を切り込む際の当たり面である。
この切断方式では、切断刃の当たり面OPとQRとが面
OQに対して前後するために、鋼片にはせん断面を中心
とする曲げモーメントM(図中の矢印)が発生し、切断
後の先行鋼片S1 の後端部は上方に向かって反る。一
方、後行鋼片の先端部を切断する場合においては、鋼片
にはせん断面を中心として同一方向に曲げモーメントが
作用するので、後行鋼片S2 の先端部は下方に向かって
反る(図7b)。したがって、先行鋼片と後行鋼片の接
合に際しては図5(a)に示すような状態になる。
【0014】そして、このような反りのある鋼片をその
まま加熱、昇温、押圧して接合すると、図5(b)に示
すような目違いを生じ、仕上げ圧延においては図5
(c)に示すように、目違い部分が母材に倒れ込み板厚
の薄い部分が生じるために圧延中に板が破断するおそれ
があることから、許容される目違い量dについては仕上
げ板厚によっても多少異なるものの、板厚の約10%以
下となるような工夫がなされていた。
【0015】この発明においては、先行鋼片および後行
鋼片の端部をそれぞれ、刃表を鋼片の表裏において互い
逆向きにした一組の切断刃とこの切断刃の組とは刃表の
向きを逆にしたもう一組の切断刃の合計で二組になる切
断刃で個別に切断するために、反りの向きが先行鋼片と
後行鋼片で同じになるので、鋼片の接合部における目違
いは大幅に軽減されることになる。
【0016】図6は、この発明を実施するのに用いて好
適なドラム型のクロップシャーである。このクロップシ
ャーは鋼片の表裏においてそれぞれ配置されるドラムd
1 ,d2 とこれらのドラムの表面で固定保持される切断
刃c1 ,c1 ′、c2 ,c2′からなり、かかる切断刃
のうちc1 ,c1 ′、c2 ,c2 ′とはそれぞれ組にな
っていて、いずれの組においても鋼片の切断状態におけ
る切断刃は刃表の向きが逆になっており、かつ、c1
1 ′とc2 ,c2 ′との刃表の向きについても逆にな
る。
【0017】同図において、ドラムd1 ,d2 はハウジ
ング(図示省略)内に設けられたドラムチャックに回転
自在に保持されていて、上側のドラムについては反時計
回りに、下側のドラムについては時計回りに回転し、先
行鋼片および後行鋼片は紙面の左側から右側へ移送され
る過程でドラムd1 ,d2 の表面において固定保持され
た切断刃c1 ,c1 ′の組とc2 ,c2 ′の組でそれぞ
れ切断される。
【0018】図7(a),(b)および図8(a),
(b)に従来のドラムシャーで鋼片を切断する場合の切
断状況とこの発明を適用して切断する場合の切断状況を
比較して示す。
【0019】同一の切断刃を用い等周速のもとで鋼片を
切断する図7 (a) ( b) の場合においては、一般に先
行鋼片の後端部を切断した場合と後行鋼片の先端部を切
断した場合とではその反り量はもちろん、反りの方向に
ついても同一にするのは難しいが、図8 (a) (b) に
示すような切断を行う場合にはそれぞれの組の切断刃の
クリアランスを調整することによって鋼片の切断の際の
反り量も軽減することができ目違いは小さくなる。
【0020】上掲図6に示したようなシャーで鋼片を切
断する場合においては、切断刃のc 1 ,c1 ′、c2
2 ′は先行鋼片、後行鋼片の何れの切断にも用いるこ
とができるが、切断に際しては反りの向きを合わせるこ
とが肝要である。
【0021】上述したとおり、先行鋼片および後行鋼片
の端部をそれぞれ切断刃c1 ,c1′、c2 ,c2 ′を
用いて切断した場合、鋼片端部における反りは図9
(a)に示すように同様の傾向になるので、その後の加
熱、昇温、押圧により図9 (b)に示すような良好な接
合が達成できる。ところで、上記の方法では、反り量に
ついては十分満足のいく程度までは軽減されされている
とはいえず、また、時として反り量にばらつきが生じる
ことから、確実性の面で若干の不安を残していた。そこ
で、発明者らはこの点を解消すべく、さらに、検討を重
ねた結果、切断に際して異周速を利用すれば、反りの絶
対量が低減できるだけでなく、ばらつきを抑制できるこ
とを新たに知見した。
【0022】例えば、先行鋼片S1 の後端部が上側に向
かって反るようにして切断する場合について図10を用
いて説明する。図10は刃裏を前方に向けて回転する切
断刃の移動速度Vf を、刃表を前方に向けて回転する切
断刃の移動速度Vb よりも大となる異周速(異周速率5
%)の下で切断する際の切り込み直後の状態を示したも
のである。異周速率を正(5%)とした場合の曲げモー
メントMは、図4で示したところの等周速で切断する際
の曲げモーメントMに比較して小さくなり抑制されるこ
とになる。これは、刃裏を前方に向けて回転する切断刃
の移動速度Vfをもう一方の切断刃の移動速度よりも大
きくしているので、切断刃の刃先Oを含む垂直面が、図
10に示す如くもう一方の切断刃の刃裏の側に位置し、
切断刃の刃先Qを含む垂直面が、もう一方の切断刃の刃
裏の側に位置し、切断刃の当たり面OPとQRが互いに
オーバーラップ(破線の範囲)することとなるためであ
り、かくして、異周速を正とした場合の反りは非常に小
さくなるのである。
【0023】これに対して、異周速率を負として切断す
る場合の曲げモーメントMは、異周速率が正の場合とは
異なり、図4に示したような状況下における切断での曲
げモーメントMに比較して大きくなる。図11は刃裏を
前方に向けて回転する切断刃の移動速度Vf を、刃裏を
前方に向けて回転する切断刃の移動速度Vb よりも小さ
くし異周速率を負(−5%)として切断した際の切り込
み直後の状態を示したものである。異周速率を負(−5
%)とした場合は、異周速率が正の場合と異なり、刃裏
を前方に向けて回転する切断刃の移動速度Vf をもう一
方の切断刃の移動速度よりも小さいので図11に示すよ
うに切断刃の刃先Oを含む垂直面がもう一方の切断刃の
刃表の側に位置し、切断刃の刃先Qを含む垂直面がもう
一方の切断刃の刃表の側に位置し、切断刃の当たり面O
PとQRが図中の破線の範囲だけ離れるために異周速率
を負とした場合には反りは等周速の場合よりも大きくな
る。以上は先行鋼片の後端部を切断する場合について説
明したものであるが、後行鋼片の先端部を切断する場合
は、刃裏を前方に向けて回転する切断刃を鋼片の下方に
配置し、刃表を前方に向けて回転する切断刃を鋼片の上
方に配置し、前者の刃先の移動速度を後者よりも大とな
る異周速にして切断すればよく、このようにして切断す
れば上反りの反り量は小さくなる。図12に先行鋼片の
後端部および後行鋼片の先端部をそれぞれ上側に反るよ
うに切断した場合の異周速率と鋼片の反り(曲率)との
関係を示す。ここに、異周速率fは前記したと同様に、
刃裏を前方に向けて回転する切断刃の移動速度をVf
刃表を前方に向けて回転する切断刃の移動速度をVb
して、f=(Vf −Vb )/Vb ×100%として求め
たものである。
【0024】このような異周速下での切断を実施するに
際して、異周速率を5%以下とすることとしたが、その
理由は、図12に示すように異周速率は大きくなればな
るほど鋼片の反り量が低減するのに有利であるものの、
5%を超えると図13で示される鋼片端部の突出量(切
断部の断面積と等しくなるような矩形を考えたときの端
面から最大突出部までの長さ)が図14の如く大きくな
り、鋼片の端部でその厚さ方向に交番磁界を印加して加
熱するトランスバース式の高周波誘導加熱を適用すると
はいっても接合不良を起こすことが懸念される (突出量
は約5mm程度が許容値になる) からであり、とくに、異
周速率を2〜3%とすると反り量を小さくし、かつ、接
合面における断面形状の劣化をも回避できることにな
る。また、後行鋼片の反りは先行鋼片の反りよりも大き
くなる傾向にあるので、先行鋼片、後行鋼片ともに異周
速で切断はするが、反りの差を小さくするために後行鋼
片を切断するときの異周速率を先行鋼片を切断するとき
の異周速率よりも大きくするのが好ましい。
【0025】図15 (a) (b) に、回転ドラムを等速
にして切断した場合の鋼片端部の形状と異周速下で切断
した場合の端部形状を比較して示す。
【0026】異周速による切断を実現するためには、回
転ドラムの回転速度を制御するか、上下の回転ドラムに
配置する切断刃の刃丈およびドラム径の少なくとも一方
を調整することによって対応する。
【0027】図16はこの発明を実施するのに用いて好
適なドラム型のクロップシャーの他の構成例を示したも
のである。このクロップシャーは鋼片の表裏においてそ
れぞれ配置され、先行鋼片の後端を切断するためのドラ
ムd1 ,d2 と、これらの表面で固定保持される切断刃
1 ,c1 ′および後行鋼片の先端を切断するためのド
ラムd3 ,d4 とこれらの表面で固定保持される切断刃
2 ,c2 ′からなっていて、かかる切断刃の組である
1 ,c1 ′とc2 ,c2 ′はいずれの組においても鋼
片の切断状態における刃表の向きが逆であり、かつ
1 ,c1 ′とc2,c2 ′との刃表の向きについても
逆になっている。
【0028】図16における番号3,4はハウジングで
あり、このハウジング3,4内に設けられたドラムチャ
ックにドラムd1 ,d2 およびd3 ,d4 がそれぞれ回
転自在に保持されていて、鋼片が紙面の左側から右側へ
移送される過程で各切断刃によって切断される。
【0029】先行鋼片および後行鋼片の端部をそれぞ
れ、切断刃c1 ,c1 ′、c2 ,c2′を用い異周速下
で切断すると、鋼片の端部の反りはその方向が同様の傾
向となりしかも反り量も極めて小さいので目違いがほと
んどない状態で加熱、昇温、押圧することができ、その
結果として圧延中に板が破断するようなことはない。
【0030】なお、上掲図6において示したドラムシャ
ーで鋼片を切断する場合には先行鋼片の後端部を切断し
てから後行鋼片の先端部を切断するまでに、後行鋼片の
切断部とドラムシャーの切断刃の位置を同期させるため
の時間的猶予が必要になるが、図16に示したようにド
ラムシャーでは先行鋼片を切断するタイミングと後行鋼
片の先端部を切断するタイミングはそれぞれドラム
1 ,d2 とd3 ,d4 で任意に定めることができるの
で、切断に要する時間の間隔を短縮できる利点がある。
【0031】図17は上掲図6に示した如き構成になる
切断装置を配置した鋼片の連続熱間圧延設備の例を示し
たものである。図中5は粗圧延機、6は先行鋼片s1
よび後行鋼片s2 の各端部を切断する切断装置、7は切
断した鋼片の端部をそれぞれ高周波誘導加熱によって加
熱、昇温し、加熱中あるいは加熱後の押圧によって両鋼
片を接合する接合装置、8はスケールブレーカ、9は接
合した鋼片を連続的に熱間仕上げ圧延する仕上げ圧延機
群である。
【0032】上記の構成になる設備において、とくに、
接合装置7の高周波加熱手段としては鋼片をその厚さ方
向に挟む上下で一対になる磁極を有し、その相互間にて
交番磁界を印加して加熱、昇温する、トランスバース式
の誘導加熱コイルを適用するが、このような誘導加熱コ
イルを採用する場合には、先にも述べたとおり、装置の
設置スペースの問題から鋼片の各端部でのクランプによ
る挟圧保持が困難になることから、かかるクランプとし
ては、先行鋼片および後行鋼片をそれぞれ上下に挟み各
鋼片の端部へ向けて突出した挟持部を有するものを適用
する。とくに、挟持部についてはより有効な加熱を実現
するため、磁束が通過する領域において鋼片の幅方向に
沿い間隔をおいて櫛歯状に切り欠いた切り欠部を設けて
おくか、これにさらに鋼片の相互にわたって差し渡す絶
縁材を設けておくのがよい。
【0033】
【実施例】実施例1 図17に示した熱間圧延設備を使用して、幅1600m
m,厚さ30mmになるシートバー(鋼種:低炭素鋼)を
下記の要領で切断、加熱、昇温、押圧して接合したの
ち、目標板厚を1.5〜5mmとする仕上げ圧延に供して
圧延中における板の破断状況について調査した。
【0034】比較例1 先行シートバーおよび後行シートバーを図3に示したよ
うな等周速のドラムシャーで切断 (先行シートバーの上
反りの曲率半径r:約2000mm、反り量d:約30m
m、反り長さL:約400mm、後行シートバーの下反り
の曲率半径r:約1000mm、反り量d:約50mm、反
り長さL:約600mm、図7参照)したのち、接合装置
によってかかる部位を約10秒間加熱、昇温(高周波誘
導加熱,加熱条件:出力1000Hz、昇温速度100℃
/秒)して接合予定面を溶融させて、次いで両シートバ
ーを押圧(押圧力:100ton f )して接合(この際の
目違い量は5〜8mm程度)しスケールブレーカを経て仕
上げ圧延(圧延条件:スタンド間の張力は前段で0.5
〜1kgf/mm2 、後段で1〜1. 5kgf/mm2 に設定、第1
〜3スタンドで圧下率30〜50%、第4〜7スタンド
で圧下率15〜30%) に供した。
【0035】その結果、仕上げ板厚が2mm以下では、圧
延機の後段のスタンド間で接合部における板の破断が多
発し、とくに、仕上げ板厚を1. 5mmとした場合では通
板可能率は90%を下回ることが判明した。
【0036】適合例1 先行シートバーおよび後行シートバーを図6に示したよ
うな等周速のドラムシャーで切断(先行シートバーの反
り状況は比較例と同じ、後行シートバーの曲率半径r:
約1000mm、反り量d:約50mm(反った向きが比較
例と反対)、反り長さL:約600mm、図9参照)した
のち、接合装置によってかかる部位を約10秒間加熱、
昇温(高周波誘導加熱、加熱条件は比較例1と同じ)し
て接合予定面を溶融させ、次いで両シートバーを押圧
(押圧力:100ton f )して接合(この際の目違い量
は0〜2mm程度)し、仕上げ板厚を1.5〜5mmとして
仕上げ圧延(圧延条件は比較例と同じ)に供した。
【0037】その結果、仕上げ板厚が1.5mmの場合に
おいても、100本のシートバーを圧延した限りにおい
ては板の破断は全く見られず安定した連続熱間圧延が実
現できることが確認できた。
【0038】適合例2 先行シートバーおよび後行シートバーを図16に示した
ような等周速のドラムシャーで切断(先行シートバー、
後行シートバーの反り状況は適合例1と同じ)したの
ち、接合装置によってかかる部位を約10秒間加熱、昇
温(高周波誘導加熱、加熱条件は比較例1と同一)して
接合予定面を溶融させ、次いで、両シートバーを押圧
(押圧力100ton f )して接合(この際の目違い量は
0〜2mm程度)し、仕上げ板厚を1.5〜5mmとして仕
上げ圧延(圧延条件は比較例1と同じ)に供した。
【0039】その結果、仕上げ板厚が1.5mmの場合に
おいても100本のシートバーを圧延した限りにおいて
は板の破断は全く見られず安定した連続熱間圧延が実施
できることが確認できた。
【0040】実施例2 図17に示した熱間圧延設備を使用して、幅1200m
m,厚さ30mmになるシートバー(鋼種:低炭素鋼)を
下記の要領で切断、加熱、昇温、押圧して接合したの
ち、目標板厚を0.8〜5mmとする仕上げ圧延に供して
圧延中における板の破断状況について調査した。
【0041】比較例2 先行シートバーおよび後行シートバーを図3に示したよ
うな等周速のドラムシャーで切断 (先行シートバーの上
反りの曲率半径r:約2000mm、反り量d:約30m
m、反り長さL:約400mm、後行シートバーの下反り
の曲率半径r:約1000mm、反り量d:約50mm、反
り長さL:約600mm、図7参照)したのち、接合装置
によってかかる部位を約10秒間加熱・昇温(高周波誘
導加熱,加熱条件:出力1000Hz、昇温速度100℃
/秒)して接合予定面を溶融させて、次いで両シートバ
ーを押圧(押圧力:75ton f )して接合(この際の目
違い量は5〜8mm程度)しスケールブレーカを経て仕上
げ圧延(圧延条件:スタンド間の張力は前段で0.5〜
1kgf/mm2 、後段で1〜1. 5kgf/mm2 に設定、第1〜
3スタンドで圧下率30〜50%、第4〜7スタンドで
圧下率15〜30%)に供した。
【0042】その結果、仕上げ板厚が2mm以下では、圧
延機の後段のスタンド間で接合部における板の破断が多
発し、とくに、仕上げ板厚を1. 5mmとした場合では通
板可能率は90%を下回ることが判明した。
【0043】適合例3 先行シートバーおよび後行シートバーを図18に示した
ようなドラムシャー (上下のドラムの回転角速度は同じ
とし、上下の切断刃の刃先までの半径rは、先行シート
バーを切断する場合でrf1/rb1=1.02 (異周速率2
%) . 後行シートバーを切断する場合で、rf2/rb2
1.04 (異周速率4%) とした。) でそれぞれ切断(先行
シートバーの反り状況:上反り、曲率0.4 m-1 (曲率半
径2500mm)、反り量25mm、突出量4mm、後行シートバー
の反り状況:上反り、曲率0.7 m-1(曲率半径1400mm)
、反り量30mm、突出量4mm) したのち、接合装置によ
ってかかる部位を約10秒間加熱、昇温(高周波誘導加
熱,加熱条件:比較例2と同じ)して接合予定面を溶融
させ、次いで両シートバーを押圧(押圧条件:75tonf
)して接合(この際の目違い量は0〜1mm程度)し、
仕上げ板厚を0.8〜5mmとして仕上げ圧延(圧延条件
は比較例2と同じ)に供した。
【0044】その結果、仕上げ板厚が0.8mmの場合に
おいても100本のシートバーを圧延した限りにおいて
は板の破断は全く見られず安定した連続熱間圧延が実施
できることが確認できた。以上の説明では切断の際の反
りの向きが上向きで、その反りを小さくする場合につい
て説明したが、反りが下向きでそれを小さくする場合も
この発明に含まれるのは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、鋼片同士を
トランスバース方式による高周波誘導加熱を適用して接
合する際に生じていた目違いを極めて小さくできるの
で、板の破断のない安定した連続熱間圧延が実施でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】切断刃の要部を示した図である。
【図2】異周速率を正とした場合の切断刃の要部の軌跡
を示した図である。
【図3】従来のドラムシャーによる切断状況を示した図
である。
【図4】等周速にて鋼片を切断する場合の説明図であ
る。
【図5】(a), (b), (c) は従来の鋼片の反りの状
況、接合状況、圧延後の鋼片の状況の説明図である。
【図6】この発明に従って鋼片を切断する場合の状況を
示した図である。
【図7】(a), (b) は従来方式に従って鋼片を切断し
た場合の説明図である。
【図8】(a), (b) はこの発明に従って鋼片を切断し
た場合の説明図である。
【図9】(a), (b) はこの発明に従う鋼片の反りの状
況と鋼片の接合状況を示した図である。
【図10】異周速率を正として鋼片を切断する場合の説
明図である。
【図11】異周速率を負として鋼片を切断する場合の説
明図である。
【図12】異周速率と反り(曲率)の関係を示した説明
図である。
【図13】切断後の鋼片端部の突出量を示した説明図で
ある。
【図14】異周速率と突出量の関係を示した説明図であ
る。
【図15】(a), (b) は等周速で切断した場合と異周
速で切断した場合の鋼片の端面形状を比較して示した図
である。
【図16】この発明を実施するのに適したドラムシャー
の他の構成例を示した図である。
【図17】連続熱間圧延設備の構成を示した図である。
【図18】適合例3で使用したドラムシャーの模式図で
ある。
【符号の説明】
1 刃表 2 刃裏 3 ハウジング 4 ハウジング 5 粗圧延機 6 切断装置 7 接合装置 8 スケールブレーカ 9 仕上げ圧延機群 d1 ドラム d2 ドラム d3 ドラム d4 ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今江 敏夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 磯邉 邦夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 二階堂 英幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 上村 浩一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先行鋼片の後端部と後行鋼片の先端部を
    それぞれ、それを上下に挟み外周に切断刃を有するドラ
    ムシャーを用いて切断し、次いで各端部を高周波誘導加
    熱にて加熱、昇温し、相互に押圧して接合したのち圧延
    設備に送給して連続的に熱間仕上げ圧延を行うに当た
    り、 先行鋼片の後端部および後行鋼片の先端部をそれぞれ、
    刃表を鋼片の表裏において互いに逆向きにした一組の切
    断刃とこの切断刃の組とは刃表の向きを逆にした一組の
    切断刃の合計二組の切断刃にて、各鋼片を同一方向に移
    送しながら個別に切断することを特徴とする鋼片の連続
    熱間圧延方法。
  2. 【請求項2】 先行鋼片、後行鋼片の何れの切断に際し
    ても鋼片の表面または裏面に位置する切断刃のうち、刃
    裏を前方に向けて回転する切断刃の移動速度を、刃表を
    前方に向けて回転する切断刃の移動速度よりも大とする
    異周速下で行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 鋼片の切断は異周速率を5%以下にして
    行う請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 二組の切断刃を用いた鋼片の切断を、一
    基のドラムシャーで行う、請求項1、2または3記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 二組の切断刃を用いた鋼片の切断を、鋼
    片の移送方向に沿ってタンデムに配列した2基のドラム
    シャーで行う、請求項1、2または3記載の方法。
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