JPH0981920A - 非接触式磁気ヘッド摩耗量計測装置 - Google Patents

非接触式磁気ヘッド摩耗量計測装置

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JPH0981920A
JPH0981920A JP23524995A JP23524995A JPH0981920A JP H0981920 A JPH0981920 A JP H0981920A JP 23524995 A JP23524995 A JP 23524995A JP 23524995 A JP23524995 A JP 23524995A JP H0981920 A JPH0981920 A JP H0981920A
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JP
Japan
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magnetic head
magnetic
head
wear amount
measurement
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Application number
JP23524995A
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English (en)
Inventor
Seiichi Sakai
誠一 酒井
Akiyuki Yoshida
昭行 吉田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • A Measuring Device Byusing Mechanical Method (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非接触式で高精度なヘッド摩耗量を環境温度に
影響されることなく計測できるようにする。 【解決手段】磁気ヘッド20と対向し、かつ磁気テープ
14のラップ角α外に非接触状態で磁気センサ30が配
置され、この磁気センサは発振回路40の発振素子の一
部として使用されると共に、磁気ヘッドが磁気センサと
対向する回転位置での磁気回路の磁気抵抗は磁気ヘッド
のドラム面からの突出量によって変化することに着目
し、この磁気抵抗の変化を発振周波数の変化として捉え
ることによって、磁気ヘッドの摩耗量を計測する。磁気
抵抗変化を捉えているので高精度にヘッド突出量したが
ってヘッド摩耗量を計測できる。非接触式であるため被
測定磁気ヘッドを損傷するおそれもない。可変発振回路
には温度補償手段70が付いている。これで環境温度に
影響されることなくヘッド摩耗量を計測できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビデオテープレ
コーダなどのように磁気ヘッドを使用した回転ドラム装
置などに適用して好適な非接触式磁気ヘッド摩耗量計測
装置に関する。
【0002】詳しくは回転磁気ヘッド装置に対して非接
触式に磁気センサを配し、磁気ヘッドとこの磁気センサ
との間の総合的な磁気抵抗の変化によって、磁気ヘッド
の摩耗量を非接触式に精度よく計測できるようにすると
共に、温度補償手段によって温度補償しながらヘッド摩
耗量の計測を行なうことによって環境温度に依存しない
正確なヘッド摩耗量計測を実現したものである。
【0003】
【従来の技術】ビデオテープレコーダ(VTR)、デー
タレコーダ、ディジタルオーディオテープレコーダ(D
AT)などのように、磁気ヘッドを搭載した回転ドラム
装置を使用するAV機器では、磁気テープに磁気ヘッド
を接触させて走行させるものであるから、長時間のテー
プ走行によって磁気ヘッドのうちテープ摺動部分が摩耗
する。
【0004】その摩耗量が数10ミクロンに達すると、
通常の磁気ヘッドでは磁気ヘッドギャップを形成する領
域(ヘッドデプス)がなくなってしまうので、ヘッドデ
プスが完全になくなる直前まで摩耗すると記録再生に支
障をきたす場合がある。ヘッドデプスが完全に消滅する
までヘッド摺動部が摩耗すると最悪の状態となり、信号
を記録したり、再生することができない。
【0005】この場合において、信号再生中にヘッド摩
耗量が数10ミクロンに達してしまったようなときに
は、テープからの再生信号がゼロになるので、磁気ヘッ
ドの異常を即座に知ることができる。
【0006】しかし信号の記録中に、ヘッド摩耗量が数
10ミクロンに達してしまったようなときには、信号を
正常に記録できなくなるおそれがある。この異常事態は
記録した信号を再生しないと確認できない。したがって
このようなAV機器を特に業務用として使用する場合に
は重要な情報の記録洩れが発生する。このような事態は
避けなければならない。
【0007】そのため、特に業務用AV機器ではヘッド
摩耗量を監視し、摩耗量が規定量に達したときは、ユー
ザに警告し、保守・点検を促すようにした方が好まし
い。そのためにはヘッド摩耗量を計測する必要がある
が、この計測装置としては接触式による測定装置と、非
接触式な測定装置が考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】磁気ヘッド摩耗量計測
装置を接触式に構成する場合には、測定すべき磁気ヘッ
ドに対して計測子などの計測治具が接触するように取り
付けられる関係で、被測定磁気ヘッドのテープ摺動面に
傷が付いたり、最悪の場合には被測定磁気ヘッドを破損
するおそれがある。また計測子の取り付け方によっては
計測結果にばらつきが生じ、計測制度への影響も見逃す
ことができない。
【0009】非接触式に摩耗量を計測する場合には接触
式のような問題は発生しない。非接触式では光を用いて
ヘッド摩耗量が計測される。この場合レーザ光などを用
い、このレーザ光を集光して被測定磁気ヘッドのテープ
摺動面に正確に照射する必要があるから、レーザ光学系
の配置、調整などが非常に面倒になる。光学系を使用す
る関係で計測装置自体が嵩むことに加え、回転ドラム装
置への組立には相当な神経を使うことになる。
【0010】一方、磁気ヘッドに対向して非接触状態で
磁気センサを配し、この磁気センサを可変発振素子とし
て使用するように構成すると、磁気センサを含めた磁気
ヘッドとの総合的な磁気抵抗が磁気ヘッドのヘッド突出
量に応じて変化する。
【0011】そこで、この磁気抵抗の変化を発振周波数
の変化として捉えることができればヘッド突出量の変化
分をこの磁気抵抗の変化分から計測できるので、これに
よってヘッド摩耗量を計測できることになる。可変発振
回路は半導体素子を有するので環境温度によって変化す
るので、温度補償を行なうことでより正確なヘッド摩耗
量を高精度に計測できる。
【0012】以上の点を考慮してこの発明では、非接触
式にヘッド摩耗量を計測できるようにすると共に、環境
温度に影響されることなく高精度にヘッド摩耗量を計測
できるようにしたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、請求項1に記載した発明は、磁気ヘッドが取り付け
られた回転磁気ヘッド装置と対向し、かつ磁気テープの
ラップ角外に非接触状態で磁気センサが配置され、この
磁気センサは可変発振回路素子の一部として使用され、
上記磁気ヘッドが上記磁気センサと対向する回転位置で
の発振周波数の変化によって上記磁気ヘッドの摩耗量が
計測されるようになされると共に、上記可変発振回路に
は温度補償手段が設けられたことを特徴とする。
【0014】回転磁気ヘッド装置として回転ドラムが使
用され、磁気ヘッドが取り付けられていないドラム面が
磁気センサに対向したときの発振周波数を基準にして温
度補償が行なわれる。
【0015】回転ドラム面を使用しないときは、回転磁
気ヘッド装置に磁気テープと接触しないダミーヘッドが
取り付けられ、このダミーヘッドが磁気センサに対向し
たときの発振周波数を基準にして温度補償が行なわれ
る。
【0016】可変発振回路の容量素子としては可変容量
素子が使用され、基準温度での発振周波数に対応したレ
ベルを基準レベルとして発振周波数の変換レベルと比較
され、このレベル比較出力によって可変容量素子が制御
されて可変発振回路の温度補償が行なわれる。
【0017】磁気センサはコ字状コアと、その巻き溝に
巻かれた検出コイルとで構成され、コアに形成された巻
き溝の幅は、磁気ヘッドのギャップ幅よりも広く、磁気
ヘッドの幅よりも狭くなされる。
【0018】磁気ヘッドが磁気センサに対向したときの
回転位置での、これら磁気ヘッドと磁気センサを含む総
合的な磁気抵抗の値は、ヘッドが摩耗するにつれ磁気セ
ンサとの対向間隙の幅が変化するに伴って変化する。こ
の磁気抵抗分の変化をインダクタンスの変化として捉え
る。インダクタンスは発振回路素子の一部であるため、
インダクタンスが変化するとその発振周波数も変化す
る。ヘッド摩耗量と発振周波数の変動とは互いに関連し
ているので、ヘッド摩耗量がゼロのときの発振周波数を
メモリしておき、その後の発振周波数の変動を監視すれ
ば計測時点でのヘッド摩耗量を知ることができる。ヘッ
ド摩耗量が規定量(規定値)を越えたとき、ユーザへの
警告が行なわれる。こうすることによって、信号を記録
中に突然信号が記録されなくなるような不慮の事態を未
然に回避できる。
【0019】回転磁気ヘッド装置の回転位置基準を示す
基準信号に基づいて磁気センサと対向する磁気ヘッドの
回転位置が検出される。回転方向に対して互いに段差を
もって複数の磁気ヘッドが取り付けられているときに
は、これらを単一の磁気センサでカバーできるように、
つまり磁気センサの磁気空隙内に複数の磁気ヘッドが総
て含まれるように、磁気センサの大きさ(厚み)が選ば
れる。
【0020】
【発明の実施の形態】続いて、この発明に係る非接触式
磁気ヘッド摩耗量計測装置の実施の一形態を上述したV
TRに搭載された回転ドラム装置に適用した場合につ
き、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】図3はこの発明の説明に供する非接触式磁
気ヘッド摩耗量計測装置10の概念図であって、回転磁
気ヘッド装置12にはガイドピン16によって規定され
る所定のラップ角αをもって磁気テープ14が回転ドラ
ム(図示はしない)にヘリカル状に巻き付けられ、搭載
された磁気ヘッド20で情報が磁気テープ14に記録さ
れ、またこれより再生される。
【0022】回転磁気ヘッド装置12の所定位置にはベ
ース22が取り付けられ、ここに磁気ヘッド20が載置
固定される。磁気ヘッド20はドラム面から規定量だけ
突出した状態で取り付けられる。信号巻線24はヘッド
コア23の両脚に巻き付けられる。
【0023】回転磁気ヘッド装置12のドラム面12
a、詳細には磁気ヘッド20のヘッド摺動面と所定の間
隙βを隔て、かつテープラップ角αにかからない位置、
例えば図示するようにラップ角αがほぼ180°である
ときには、90°離れた位置に磁気センサ30が配置さ
れる。磁気センサ30はコ字状のコア31と、その巻き
溝31aに巻き付けられた検出コイル32とで構成され
る。磁気センサ30に巻き付けられた検出コイル32は
後述する可変発振回路(OSC)の発振素子の一部とし
て機能する。
【0024】回転ドラム装置が図4のように下ドラム3
2が固定で、上ドラム34のみが回転するように構成さ
れているときは、この上ドラム34が回転磁気ヘッド装
置12としても機能する。そして、このときは下ドラム
32に設けられた断面L字状の取り付け部材38に上述
した磁気センサ30が、上ドラム34の磁気ヘッド20
と対向するように取り付け固定される。
【0025】これに対し、図5のように中ドラム(回転
ドラム)36を有し、これに磁気ヘッド20が取り付け
られると共に、その上下ドラム32,34が固定された
構成の回転ドラム装置を使用する場合には、上下ドラム
32,34の間に取り付けられたコ字状の取り付け部材
38に磁気センサ30が取り付け固定される。
【0026】磁気ヘッド20は図6Aに示すように一対
のコア23と、信号巻線24とで構成され、テープ摺動
面25aを含むテープ摺動部25は図6Bに示すように
切欠された構成となされている。コア23は、同図Bに
示すように磁性体のみで構成されている単層コアであっ
ても、同図Cに示すように中間部にメタル23bを配
し、その上下に非磁性体(セラミック)を配した積層型
コアであってもよい。
【0027】磁気ヘッド20は回転しているので、1回
転のなかには磁気ヘッド20が磁気センサ30と対向し
ている状態とそうでない状態が発生する。磁気ヘッド2
0が図3のように磁気センサ30と対向した状態では、
この磁気ヘッド20と磁気センサ30とによって構成さ
れる磁気回路は図7のようになる。
【0028】図7に示す等価回路にあって、Raはテー
プ摺動部25の磁気抵抗を、Rbはバックコア(ヘッド
摺動部25以外のコア23)23aの磁気抵抗を示す。
同様に磁気センサ30の検出コイル32の抵抗分をRc
で示す。また両者が対向しているときの磁気空隙36に
おける磁気抵抗をRd,Reで示す。ここに磁気抵抗R
d,Reはコ字状コア31の両脚とテープ摺動部25と
の間の磁気抵抗である。
【0029】テープ摺動部25が摩耗すると、テープ摺
動部25の厚みが減少するので磁気抵抗Raが変化す
る。同時にテープ摺動部25と磁気センサ30との対向
間隙長も変化するので、これによって磁気抵抗Rd,R
eも変化する。したがって磁気センサ30から磁気ヘッ
ド20側を見た総合的な磁気抵抗の値がヘッド摩耗によ
って変化することになる。
【0030】この磁気抵抗の変化によるインダクタンス
の変化が可変発振回路に導かれる。図8はこの発明に係
る非接触式磁気ヘッド摩耗量計測装置10の回路系の概
要を示す。可変発振回路40は発振用増幅素子であるト
ランジスタなどで構成された増幅段42を有し、本例で
はこの増幅段42に対する並列帰還路にLC素子が発振
素子として接続される。容量素子であるコンデンサ44
と並列に可変インダクタンス素子46が接続される。こ
の可変インダクタンス素子46が、図7に示す総合的な
インダクタンスLxを示す。
【0031】インダクタンスLxが変動すると、それに
伴って発振周波数が変動し、その発振出力は計測回路5
0に導かれて周波数に比例したレベル(例えば電圧レベ
ル)に変換される。例えばカウンタを利用して発振周波
数がカウントされ、そのカウント値に応じた電圧に変換
される。発振周波数に比例した計測データは後段の摩耗
量算出手段52に供給される。
【0032】摩耗量算出手段52内にはCPUが備えら
れ、得られた計測データに基づいて磁気ヘッド20の摩
耗量が算出される。算出された摩耗量などのデータはメ
モリ54にストアされる他、表示手段56に供給されて
算出値などが表示される。
【0033】この処理とは別に、摩耗量が規定値以上に
なったとき、警報手段などの告知手段(図示はしない)
を作動させて、このまま放置すると情報を正しく記録で
きないおそれがあり、直ちにヘッドの交換をすべきこと
をユーザに知らせることもできる。規定値としては例え
ばヘッドデプスの深さが消滅する直前の値に選ぶことが
できる。例えばヘッドデプスの深さが25ミクロン程度
であるときには20ミクロン程度を規定値として選ぶこ
とができる。
【0034】図8の計測処理は、例えば装置の電源が投
入された直後に行なうことができる。通常500〜10
00時間使用すると数10ミクロン摩耗し、記録再生に
支障をきたすことが経験的に判っているので、この使用
時間を目安にしてその直前から計測処理を実行するよう
にソフトウエアを構築してもよい。この計測処理とは別
に摩耗量の増加に伴って記録電流の値を小さくするよう
な制御を行い、限界摩耗量(ヘッドデプスの深さに近い
値)が検出されたとき初めてヘッド交換を行なうように
することもできる。
【0035】摩耗量の計測はドラム全周にわたって実施
することもできれば、磁気ヘッド20が磁気センサ30
に対峙する区間だけ実施することもできる。何れの場合
であっても図3に示すようにドラム回転軸に回転検出手
段(例えばパルス発電機PG)58を取り付け、ここか
ら得られるドラム1回転につき1個のPGパルスを基準
にしてドラムの回転位置が検出される。これは、PGパ
ルスの得られるタイミングとドラムに取り付けられた磁
気ヘッド20の取り付け位置との関係が判っており、両
者の相対的位置関係が予め明らかであるからである。
【0036】図3に示すように、上述した磁気センサ3
0を構成するコア31に形成される巻き溝31aの幅W
aは磁気ヘッド20のギャップgの幅Wbよりも大き
く、ヘッド自体の幅Wcよりも狭く選ばれている。これ
は上述したように磁気センサ30と磁気ヘッド20との
間で磁気空隙を作り、なおかつ磁気ヘッド20のヘッド
摺動面25aの摩耗によって、磁気ヘッド20と磁気セ
ンサ30とで構成される磁気抵抗の値が変わるようにす
るためである。これらの具体的数値の一例を挙げると、
以下の通りである。
【0037】 Wa=250μm、Wb=0.5μm、Wc=1.5mm 巻き溝31aの幅Waが磁気ヘッド20のギャップgの
幅Wbよりも狭かったり(実際このような形状は不可能
であるが)、ヘッド自体の幅Wcよりも広いと、ヘッド
摩耗量を磁気抵抗の変化として正確に捉えることができ
なくなるからである。対向間隙βは検出感度に影響を与
えるから、最適な間隙値が選ばれる。
【0038】この発明のように磁気センサ30を利用し
てその磁気抵抗の変化からヘッド摩耗量を計測するよう
に構成した場合には、対向間隙βを設計値通りとなるよ
うに取り付け位置を微調整するだけで、高精度な摩耗量
計測を実現できる。実験によれば±1μmの精度でヘッ
ド摩耗量を計測(予測を含む)できることが確認され
た。特に積層型コアを使用した磁気ヘッドのときは±0
μmの精度でヘッド摩耗量を計測できることが確認され
た。磁気センサ30自体は超小型素子であり、それ以外
は回路部品であるため計測装置規模が非常に小さなもの
となる。
【0039】図3に示す回転磁気ヘッド装置12におい
て、これに搭載された磁気ヘッド20は説明の便宜上1
個の場合を示してある。実際には数個の磁気ヘッド20
が回転方向に対して特定の間隔を保持して配置されてい
るのが普通である。このように複数の磁気ヘッドが取り
付けられているときの各ヘッド摩耗量を計測する場合で
あっても、磁気センサとしては単一の磁気センサを使用
できた方が、計測精度上、構成上得策である。
【0040】図9はこのような点を考慮した計測装置1
0の概念図である。図の例は回転方向に対して4個の磁
気ヘッド20A〜20Dが互いに所定の段差をもって配
置された例である。ドラムの端面を基準にすると図10
のように基準となる磁気ヘッド20Aに対してそれぞれ
m2,m3,m4の段差をもって同一構成の磁気ヘッド
20B,20C,20Dが配置される。ga,gb,g
c,gdはそれぞれのギャップを示す。ギャップga〜
gdの上下両端部には周知のようにガラス材27a〜2
7dが充填されている。
【0041】これら複数の磁気ヘッド20に対向して配
置される磁気センサ30は図11に示すように構成され
る。磁気ヘッド20の厚み(回転ドラムの軸方向)をH
aとすると、磁気ヘッド20Aから20Dまでの厚みH
bは、 Hb=Ha+m4 となる。したがって磁気センサ30の厚みHcは、全て
の磁気ヘッド20をカバーできるように、 Hc≧Hb のように選ばれる。こうすれば、1個の磁気センサ30
だけで全ての磁気ヘッド20に対するヘッド摩耗量を計
測できる。どの位置にある磁気ヘッド20に対する摩耗
量計測であるかを知るために、上述したPGパルスが使
用される。PGパルスの発生タイミングと各磁気ヘッド
の位置関係は一義的に決まるからである。
【0042】磁気センサ30の厚みを上述したような値
Hcに選ぶと、測定すべき磁気ヘッド20A〜20Dに
よって磁気空隙の磁気抵抗Rc,Rdが相違し、計測精
度が異なってしまうようにも考えられるが、実際には殆
ど差がない。これはコア31そのものの磁気抵抗が小さ
いからであると考えられる。
【0043】上述した可変発振回路40は半導体素子を
有するので、周囲の環境温度によってその発振周波数が
変動する。どの程度変動するかを以下に示す。まず、図
12に示すように恒温槽62内に磁気ヘッド20、磁気
センサ30そして可変発振回路40をそれぞれ収納す
る。この状態で恒温槽62の内部温度を変える。例えば
10℃間隔で−5℃から45℃まで内部温度を変化させ
ると、そのときの発振周波数は図13に示すような曲線
となった。
【0044】図13からも明らかなように、常温(25
℃)での発振周波数f25がボトムとなるような放物線を
描く。このように環境温度の変化に伴って発振周波数f
も変動したのでは、正確な摩耗量計測は不可能である。
上述したAV機器では電源を入れてからの時間が長くな
るにしたがって装置の内部温度が上昇するから、電源投
入時と電源遮断直前とでは、摩耗量算出結果に大きな差
が生ずるおそれがある。
【0045】ヘッド摩耗量の計測値の精度を向上させる
ためには、この環境温度の変化にも対応できる計測装置
であることが好ましい。そこでこの発明では図3に示し
たような磁気抵抗の変化を捉えて非接触式にヘッド摩耗
量を計測すると共に、さらに温度補償を考慮した計測装
置を提案するものである。
【0046】図1と図2はそれぞれ温度補償機能を持っ
たこの発明に係る非接触式磁気ヘッド摩耗量計測装置1
0の具体例である。図3と同様にこの発明においても、
回転磁気ヘッド装置12と対向し、しかもラップ各α以
外の任意の位置に所定の間隙βを保持して磁気センサ3
0が配される。磁気センサ30は可変発振回路40の発
振素子の一部を構成する。磁気ヘッド20が磁気センサ
30に対向したときの総合的な磁気抵抗の変化に応じて
変化する発振周波数によって最終的にヘッド突出量、換
言すればヘッド摩耗量が計測されることは上述した通り
である。
【0047】この発明ではこの構成に加えてさらに環境
温度によって発振周波数が変動しないような温度補償手
段100が設けられ、同じく磁気センサ30から得られ
る温度補償情報に基づいてフィードバック制御される。
【0048】ここで、温度補償のための発振周波数の算
出は、記録再生に使用される磁気ヘッド20そのものを
使用することはできない。使用時間とともにヘッドが摩
耗してしまうからである。そこで、磁気ヘッド20が存
在しないドラム面12aと磁気センサ30が対向してい
るときに、温度補償用を行なうための発振周波数の計測
処理を行なうようにしたのが図1の例である。
【0049】図1に示すように温度補償手段100の制
御ループ内には可変発振回路40が接続される。可変発
振回路40に設けられた容量素子44として可変容量素
子が使用される。この例では可変容量ダイオード(バリ
キャップ)が使用される。
【0050】計測回路50はディジタル計測回路として
構成され、このディジタル計測回路50から出力され
た、そのときの発振周波数に対応する計測データ(ディ
ジタルデータ)がD/A変換器102に供給されてアナ
ログレベル(例えば電圧)に変換される。
【0051】温度補償手段100で使用される発振周波
数は磁気ヘッド20によって影響されない区間でのもの
で、例えば図のように磁気ヘッド20が反対側の位置に
あるときに得られる発振周波数が使用される。この発振
周波数の変換アナログレベルが基準レベルREFとレベ
ル比較器104で比較される。基準レベルREFは常温
(25℃)のときに得られる発振周波数f25(図13)
のときのアナログレベルに相当する値に設定することが
できる。
【0052】レベル比較器104から得られる比較出力
によって可変容量ダイオード44の容量値が制御され
て、温度変動に拘らず常温時の発振周波数f25が維持さ
れるように制御される。温度補償動作は間欠的に行なう
こともできれば、ヘッド摩耗量計測期間中は連続的に行
なうこともできる。磁気ヘッド20が存在しないドラム
面12aが磁気センサ30に対向しているかどうかは、
PGパルスの出力タイミングから判断できることは明か
である。
【0053】磁気ヘッド20が存在しないドラム面12
aを利用する代わりに、記録再生用のヘッドとは別にダ
ミーのヘッドHDを使用することもできる。図2はその
例である。そのためには温度補償用として使用されるこ
のダミーヘッドHDをドラム周面から突出しないように
ヘッド突出量が調整される。使用中ダミーヘッドHDが
摩耗しないようにするためである。
【0054】ダミーヘッドHDが磁気センサ30と対向
したときの発振周波数の値を読み取り、そのときの値が
基準レベルREFとなるようなフィードバック制御が行
なわれるのは図1の場合と同じである。ダミーヘッドH
Dが磁気センサ30に対向する回転タイミングはPGパ
ルスを基準にして判断される。それ以外の構成は図1と
同じであるので、説明は割愛する。
【0055】図1,図2あるいは図3などで示した計測
装置10はディジタル処理が好適である。その具体例を
図14以下に示す。図14はディジタル処理の概念図で
あって、計測回路50がディジタル処理系として構成さ
れる。そのため、この計測回路50には基準クロック源
68が設けられ、これからの基準クロックCKに基づい
てディジタル処理がなされる。
【0056】ディジタル処理する場合、ドラム1回転に
対してn分割し、n分割ごとに得られる計測データのう
ち、実際に磁気ヘッド20が位置する分割領域の計測デ
ータに基づいてヘッド摩耗量が算出される。例えば図1
5に示すようにドラム1回転を256(2の8乗)に分
割して求める。
【0057】図16はこのような分割計測を行なうため
のディジタル計測回路50の具体例である。端子50a
には可変発振回路40の発振出力(周波数はf25)Fa
(図17E)が供給され、端子50bには基準クロック
源68からのクロックCK(同図C)が供給される。端
子58aにはドラム1回転につき1個出力されるPGパ
ルス(同図A)を微分したパルスFd(同図B)が与え
られる。
【0058】クロックCKは分周回路72で、ドラム1
回転につき256個のパルス(分周パルス)が得られる
ような分周比をもって分周される。分周回路72にはリ
セットパルスとしてPG微分パルスFdが供給されてい
るので、ドラムの回転に同期した分周パルスPa(同図
D)が得られる。
【0059】発振出力Faは微分回路71で微分され、
その微分パルスPb(同図F)がカウンタ73に供給さ
れる。カウンタ73からはリセット後に入力した微分パ
ルスPbのうち、1番目のパルスが入力したタイミング
に第1のカウンタパルスP1(同図G)が出力され、m
番目のパルスが入力したタイミングに第2のカウンタパ
ルスPm(同図H)が出力される。カウンタ73には分
周パルスPaがリセットパルスとして供給されているの
で、カウンタパルスP1,Pmはそれぞれ分周パルスP
aに同期したパルスとなる。
【0060】カウンタパルスP1,Pmはフリップフロ
ップ回路74のセットパルスおよびリセットパルスとし
て供給されるので、発振出力Faのm個分に相当する幅
をもつ計測ウインドーパルスM(同図I)が得られる。
この計測ウインドーパルスMiはドラム1回転に付き2
56個得られる。
【0061】計測ウインドーパルスMiは計測カウンタ
75に供給され、計測ウインドーのパルス幅だけ、カウ
ンタ75に供給されたクロックCKの数がカウントされ
る。発振周波数によって計測ウインドーのパルス幅が違
うので計測出力Xiの値も違ってくる。計測出力Xiは
ラッチ回路76でラッチされる。そのため、第2のカウ
ンタパルスPmが1ビットのシフトレジスタ77に供給
されて、第2のカウンタパルスPmより僅かに遅れたラ
ッチパルスPr(同図J)が生成され、このラッチパル
スPrで計測終了後の計測出力Xiがラッチされる。計
測ウインドーパルスM0のとき計測出力X0がラッチさ
れ、M1のときX1がラッチされるがごときである(同図
K)。
【0062】また、この計測出力Xiがどの位置(磁気
センサ30を基準にしたときのドラム回転位置)での出
力であるかを知るため、分周パルスPaがドラム回転位
置(計測角位置)を示すアドレスカウンタ78に供給さ
れる。ドラム1回転を256に分割したときは8ビット
のカウンタが使用される。そしてカウンタ78より得ら
れる計測角アドレスAiがラッチ回路79でラッチされ
る(同図L)。ラッチパルスは上述と同じパルスPrが
使用される。
【0063】したがって計測ウインドーパルスM0のと
きには計測角アドレスA0(00000000)と計測
出力X0がそれぞれ対応する出力端子52a,52bに
得られ、例えば計測ウインドーパルスM255のときには
計測角アドレスA255(11111111)とそのとき
の計測出力X255が得られることになる。
【0064】これらの計測データ(計測角アドレスAi
と計測出力Xi)が図14に示す摩耗量算出手段52に
供給され、磁気ヘッド20が位置する区間に対応する計
測データに基づいてドラム面からのヘッド突出量が算出
される。初期ヘッド突出量(メモリ54にストアされて
いる)と、計測したヘッド突出量から磁気ヘッド20の
摩耗量が予測される。
【0065】初期ヘッド突出位置から何点かの突出位置
を予め定め、それぞれの位置での発振周波数を求めるこ
とによって、ヘッド突出量と発振周波数との関係を予測
する。この予測カーブと、現に算出されたヘッド突出量
とを用いてヘッド摩耗量が算出されることになる。
【0066】上述したように磁気ヘッド20の幅Wcが
2.5mm位であるときには、図18に示すように角度
に換算するとおよそ2.5°に相当する。ドラム1回転
を256分割すると、計測角γはおよそ1.4°とな
る。その結果、計測ウインドーパルスMi2個分からの
計測出力Xiでヘッド突出量が算出されることになる。
【0067】しかし、この計算はあくまで磁気ヘッド2
0のコア端面と計測ウインドーパルスMiのタイミング
が一致しているときの例であって、それらのタイミング
が揃っていないときには少なくとも3個の計測出力Xi
に基づいてヘッド突出量が算出されることになる。
【0068】多数の計測出力Xiに基づいてヘッド突出
量を算出できた方が摩耗量の計測精度が高まることは明
かである。つまり計測分解能が向上する。図19以下は
計測分解能を高めて高精度にヘッド摩耗量を計測できる
ようにした例である。以下に説明する例は、図19に示
すようにドラム1回転を256分割し、それらをさらに
16分割してドラム1周について、トータル(256×
16)個の計測出力Xiを求め、それらよりヘッド摩耗
量を算出するようにした例である。
【0069】ドラム1回転を256分割し、それらをさ
らに16分割する方法として、以下説明する例は256
分割に対応した計測周期パルスTiを利用した場合であ
って、これをドラム1回転につき1/16だけ順次シフ
トさせることによって、ドラム16回転で、丁度256
×16個の計測データを得ることができる。
【0070】図20は上述した処理を実現するためのデ
ィジタル計測回路50の具体例を示す。端子50bに供
給されるクロックCKが分周回路72に供給されて第1
の分周パルスPa(図21B)が形成され、これがさら
に第2の分周回路83に供給されてドラム1回転につき
256パルス分だけ出力される計測周期パルスTi(同
図F)が形成される。
【0071】端子50aには発振出力Faが与えられ、
これが微分回路71で微分されて発振微分パルスPb
(同図H)が形成され、この発振微分パルスPbがカウ
ンタ73に供給されて第1と第2のカウンタパルスP1
とPmが生成される(同図I,K)。カウンタ73には
計測周期パルスTiがリセットパルスとして与えられて
いるのでカウンタパルスP1,Pmは計測周期パルスT
iに同期したものとなっている。
【0072】カウンタパルスP1,Pmは後段のフリッ
プフロップ回路74に与えられて同図Lに示すような計
測ウインドーパルスMiが形成される。このパルスMi
も256個生成されることになる。計測カウンタ75で
は計測ウインドーパルスMiの区間内に供給されるクロ
ックCKの数がカウントされ、そのカウント値である計
測出力Xi(同図M)がラッチ回路76でラッチされ
る。同図Oに示すラッチパルスPrは1ビットシフト用
のシフトレジスタ77で生成されたものが使用される。
【0073】一方、端子58aに供給されたPG微分パ
ルスFd(同図A)はアドレス形成用のカウンタ82に
供給される。上述したようにドラム1回転を256分割
したそれぞれの計測角に対してさらに16分割して計測
が行なわれるが、この16分割するときの各分割点のド
ラム回転に同期したアドレスを付すためにカウンタ82
が設けられている。したがってこのカウンタ82は4ビ
ットカウンタで構成され、図22A〜Cのようにドラム
1回転につきアドレスデータ内容が1だけ順次更新さ
れ、16回転で元のアドレスデータU0に戻る。
【0074】上述した第1の分周パルスPaはさらにシ
フトレジスタ81に供給され、16パルス分のシフトパ
ルスPcが生成される(同図C)。このシフトパルスP
cは単位計測角を16分割するために使用される位相シ
フトパルスであって、ドラム1回転につき16パルスだ
け出力される。位相シフトパルスPcはPG微分パルス
Fdに同期して得られ、常に同じタイミングに位相シフ
トパルスPcが出力される。
【0075】図21Cに示すようにこの位相シフトパル
スPcは4ビットのディジタルデータであって、これが
ドラム回転アドレスUiと共に計測基準パルス形成手段
90に供給される。
【0076】図23はこの形成手段90の具体例であっ
て、端子90aを通して位相シフトパルスPcが4ビッ
トカウンタ91に与えられて、順次1ビットづつ更新さ
れるディジタルデータが出力され、これが一致回路92
において端子90bより与えられたドラム回転アドレス
Uiとそのデータ内容が比較される。例えば、図21
C,Dのようにドラム1回転目であるときにはドラム回
転アドレスUiは「0000」であるのに対して、位相
シフトパルスPcは初期値「0000」から1パルスご
とにデータ内容(ビットデータ)が順次更新されるか
ら、この場合には最初の1パルス目の位相シフトパルス
Pc「0000」のときだけ、両データ内容が一致す
る。
【0077】この一致パルスによってゲート回路93が
開き、入力した位相シフトパルスPcそのものがゲート
される。したがって図21C,Dで示すようにドラム回
転アドレスUiが「0000」であるときは最初のパル
スタイミングで計測基準パルスR0(図21E)が出力
される。2回転目では図25C,D,Eに示すように、
ドラム回転アドレスは「0001」になるので、このと
きは2パルス目の位相シフトパルスPc「0001」が
得られるタイミングに計測基準パルスR1が出力され
る。これによって1回目の計測基準パルスR0に対しこ
の2回目の計測基準パルスR1は1パルス分だけシフト
されて出力されることが判る。したがって計測角γで言
えば1/16だけずれた位置が計測基準パルスR1の位
置となる。
【0078】図20に示すように計測基準パルスRiは
分周回路83にそのリセットパルスとして供給されるの
で、計測基準パルスRiが入力してから分周動作が行な
われるようになり、これで計測基準パルスRiに同期し
て計測周期パルスTiが生成されることが判る。
【0079】その結果、図21の場合(ドラム1回転
目)では0番目の位相シフトパルスPcに同期して計測
基準パルスRiが生成され、これと計測ウインドーパル
スMiの関係は図24A,Eのようになる。
【0080】同様に図25の場合(ドラム2回転目)で
は1番目の位相シフトパルスPcに同期して計測基準パ
ルスRiが生成され、そのときの計測ウインドーパルス
Miとの関係は図24B,Fのようになる。そして、ド
ラム16回転目では15番目の位相シフトパルスPcに
同期して計測基準パルスR15が生成されるので、図24
D,Hの関係が得られる。
【0081】このように計測基準パルスRi、したがっ
て計測周期パルスTiの生成タイミングがドラム回転に
よって順次シフトすることによってドラムの計測位置が
同じ計測角γの中でも徐々にシフトされるので、16回
転目になると計測角γを16等分したそれぞれの位置で
の計測データXiが得られる。
【0082】分周パルスTiは計測角アドレス用カウン
タ84にも供給されて1回転256アドレス(計測角ア
ドレス)Liが生成される。このカウンタ84は計測基
準パルスRiによってリセットされるから、ドラム1回
転ごとにアドレスの生成が繰り返される。計測角アドレ
スLiはラッチ回路85でラッチされ、この計測角アド
レスLiを使用することによって現在の計測データXi
がどの計測角でのデータであるかを判別できる。
【0083】計測基準パルスRiはさらにラッチ回路8
6に供給され、ドラム回転アドレスUiの内容がラッチ
され、これはさらにラッチパルスPrによって再度ラッ
チされる。ラッチ回路87でラッチされたドラム回転ア
ドレスUiによって何回転目の計測データであるかを判
別できる。したがって端子52a,52b,52cに得
られる計測データXi、ドラム回転アドレスUiおよび
計測角アドレスLiによって、ドラム1周を256×1
6個に設定した計測位置のどの位置におけるデータが摩
耗量算出手段52に与えられているかを確実に判別でき
る。
【0084】この発明に係るヘッド摩耗量計測装置は、
上述したように回転磁気ヘッドを持つ装置であればその
全てに適用できることは明かである。
【0085】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る非接触式
磁気ヘッド摩耗量計測装置では、回転磁気ヘッド装置と
は非接触状態で磁気センサを配置し、この磁気センサを
含む磁気回路の磁気抵抗の変化を検出することによっ
て、磁気ヘッドのドラム面からの突出量、したがってヘ
ッド摩耗量を計測するようにしたものである。
【0086】これによれば、接触子などを使用した接触
式計測装置に比べ被測定磁気ヘッドの損傷を未然に防止
できる。またレーザ光などを使用した非接触計測装置と
は異なり、磁気抵抗変化によってヘッド摩耗量を計測す
るようにしたので、計測精度が高く、しかも計測装置自
体小型化できるので、その取り付け位置に制約を受ける
ことなく搭載できる特徴を有する。したがってドラム径
の小さな回転ドラム装置に対しても容易に適用できる。
【0087】さらにこの発明では可変発振回路として温
度補償機能のついた可変発振回路を使用するようにした
ものである。これによれば環境温度が変動したとしても
常に常温での発振周波数となるように制御できるので、
環境温度が変動したときでも常に正しいヘッド摩耗量を
計測できる。その結果環境温度に影響を受けない高精度
なヘッド摩耗量計測を実現できる特徴を有する。計測デ
ータの処理もディジタル式であるため回路系の小型化、
高精度化を図れるなどの特徴を有する。したがってこの
発明はVTR,DAT,データレコーダなどのAV機器
に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る温度補償付きの非接触式磁気ヘ
ッド摩耗量計測装置の一例を示す要部の系統図である。
【図2】この発明に係る温度補償付きの非接触式磁気ヘ
ッド摩耗量計測装置の他の例を示す要部の系統図であ
る。
【図3】この発明の説明に供する非接触式磁気ヘッド摩
擦量計測装置の概要を示す概念図である。
【図4】回転磁気ヘッド装置の一例を示す構成図であ
る。
【図5】回転磁気ヘッド装置の一例を示す構成図であ
る。
【図6】被計測用磁気ヘッドの構成図である。
【図7】磁気ヘッドと磁気センサを含めた等価磁気回路
図である。
【図8】非接触式磁気ヘッド摩擦量計測装置の一形態を
示す系統図である。
【図9】複数の磁気ヘッドを使用したときの図1と同様
な概念を示す概念図である。
【図10】図7の展開図である。
【図11】図7を側面から見た配置図である。
【図12】環境温度変化に伴う周波数変動測定装置の図
である。
【図13】温度と発振周波数との関係を示す特性図であ
る。
【図14】ディジタル式磁気ヘッド摩擦量計測装置の概
念図である。
【図15】ドラム1周に対する計測角の関係を示す図で
ある。
【図16】非接触式磁気ヘッド摩擦量計測装置で使用さ
れる計測回路の一例を示す系統図である。
【図17】その動作説明図である。
【図18】磁気ヘッドと計測範囲の関係を示す図であ
る。
【図19】計測の高分解能化の説明図である。
【図20】そのためのディジタル計測回路の一例を示す
系統図である。
【図21】その動作説明用の波形図である。
【図22】ドラムアドレス生成例を示す波形図である。
【図23】計測基準パルス形成手段の系統図である。
【図24】位相シフトによる高分解能化のための動作波
形図である。
【図25】ディジタル計測説明用波形図である。
【符号の説明】
10 計測装置 12 回転磁気ヘッド装置 14 テープ 20 磁気ヘッド 30 磁気センサ 40 可変発振回路 44 可変容量ダイオード 50 計測回路 52 摩擦量算出手段 54 メモリ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドが取り付けられた回転磁気ヘ
    ッド装置と対向し、かつ磁気テープのラップ角外に非接
    触状態で磁気センサが配置され、 この磁気センサは可変発振回路素子の一部として使用さ
    れ、 上記磁気ヘッドが上記磁気センサと対向する回転位置で
    の発振周波数の変化によって上記磁気ヘッドの摩耗量が
    計測されるようになされると共に、 上記可変発振回路には温度補償手段が設けられたことを
    特徴とする非接触式磁気ヘッド摩耗量計測装置。
  2. 【請求項2】 上記回転磁気ヘッド装置として回転ドラ
    ムが使用され、 上記磁気ヘッドが取り付けられていないドラム面が上記
    磁気センサに対向したときの発振周波数を基準にして温
    度補償が行なわれるようになされたことを特徴とする請
    求項1記載の非接触式磁気ヘッド摩耗量計測装置。
  3. 【請求項3】 上記回転磁気ヘッド装置には磁気テープ
    と接触しないダミーヘッドが取り付けられ、 このダミーヘッドが上記磁気センサに対向したときの発
    振周波数を基準にして温度補償が行なわれるようになさ
    れたことを特徴とする請求項1記載の非接触式磁気ヘッ
    ド摩耗量計測装置。
  4. 【請求項4】 上記可変発振回路の容量素子として可変
    容量素子が使用されると共に、 基準温度での発振周波数に対応したレベルを基準レベル
    として発振周波数の変換レベルと比較するレベル比較器
    を有し、 このレベル比較出力によって上記可変容量素子が制御さ
    れて上記可変発振回路の温度補償が行なわれるようにな
    されたことを特徴とする請求項1記載の非接触式磁気ヘ
    ッド摩耗量計測装置。
  5. 【請求項5】 上記磁気センサはコ字状コアと、その巻
    き溝に巻かれた検出コイルとで構成され、 上記巻き溝の幅は、上記磁気ヘッドのギャップ幅よりも
    広く、磁気ヘッドの幅よりも狭くなされたことを特徴と
    する請求項1記載の非接触式磁気ヘッド摩耗量計測装
    置。
  6. 【請求項6】 磁気ヘッドが取り付けられた回転磁気ヘ
    ッド装置と対向し、かつ磁気テープのラップ角外に非接
    触状態で配置され、可変発振回路素子の一部として使用
    される磁気センサと、上記磁気ヘッドが上記磁気センサ
    と対向する回転位置での発振周波数の変化によって上記
    磁気ヘッドの摩耗量に対応する計測データが出力される
    ディジタル計測手段と、 この計測データに基づいて磁気ヘッドの摩耗量を算出す
    る摩耗量算出手段とで構成されたことを特徴とする非接
    触式磁気ヘッド摩耗量計測装置。
  7. 【請求項7】 上記ディジタル計測手段では、回転磁気
    ヘッド装置の1回転をn分割して各分割点での発振出力
    を求め、 これらの発振出力から磁気ヘッドの摩耗量が検出される
    ようになされたことを特徴とする請求項6記載の非接触
    式磁気ヘッド摩耗量計測装置。
  8. 【請求項8】 上記回転磁気ヘッド装置の1回転をn分
    割した信号に基づいてこれをさらにm分割することによ
    って、n×m個の発振出力を求め、 この発振出力から磁気ヘッドの摩耗量が検出されるよう
    になされたことを特徴とする請求項6記載の非接触式磁
    気ヘッド摩耗量計測装置。
JP23524995A 1995-09-13 1995-09-13 非接触式磁気ヘッド摩耗量計測装置 Pending JPH0981920A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113997122A (zh) * 2021-11-17 2022-02-01 武汉理工大学 一种刀具磨损监测方法及系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113997122A (zh) * 2021-11-17 2022-02-01 武汉理工大学 一种刀具磨损监测方法及系统
CN113997122B (zh) * 2021-11-17 2024-03-26 武汉理工大学 一种刀具磨损监测方法及系统

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