JPH0981216A - 象限突起補正パラメータ決定装置 - Google Patents
象限突起補正パラメータ決定装置Info
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- JPH0981216A JPH0981216A JP23277995A JP23277995A JPH0981216A JP H0981216 A JPH0981216 A JP H0981216A JP 23277995 A JP23277995 A JP 23277995A JP 23277995 A JP23277995 A JP 23277995A JP H0981216 A JPH0981216 A JP H0981216A
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Abstract
の全ての切削条件において、象限突起を低減することは
出来ないという課題。 【解決手段】工作機械における制御情報としての、切削
送り速度(F)と切削円弧半径(R)との全部又は一部
を入力するための入力手段と、それら入力された切削送
り速度(F)と切削円弧半径(R)とを速度・半径情報
として格納するメモリ手段30と、加工対象で発生する
象限突起を抑制または除去するためのパラメータを、前
記格納された速度・半径情報を利用して決定するための
バックラッシ加速量決定部40とを備える。
Description
象において発生する象限突起を抑制又は除去するための
象限突起補正パラメータ決定装置に関する。
御でサーボモータの回転により送り軸を駆動し、加工対
象が載置されたテーブルを移動させる構造を備える。従
って、サーボモータの回転方向を反転させる場合、送り
軸や送りネジのバックラッシや、各部の摩擦等の影響に
より、テーブルの移動方向は、即座には切り変わらな
い。
するとき、即ち、例えば、円弧切削を行なう際に、象限
が切り替わるときに、加工対象の切削面に、いわゆる象
限突起と呼ばれる突起や食い込みや段差等が生じ、加工
精度が低下する。これは、換言すれば、テーブルの実際
の動きが、サーボモータに与えられた位置指令に対し
て、時間的な遅れを伴うこと等に起因するものである。
ーボモータの反転時に、バックラッシ量を出来るだけ短
時間の内に除去し、上記象限突起の発生を軽減しようと
するいわゆるバックラッシ加速機能が知られている。
を備えた従来のNC装置の制御系の略示ブロック図を、
図10に示す。
機械の組立段階で予め設定されたバックラッシ加速量等
が固定値として利用されている。
来のNC装置の制御系の構成及び動作を説明する。
1と、後述する位置検知信号4とを得て、減算処理を行
ないその結果を出力する。位置制御部5は、減算部2か
らの出力を得て、位置制御のための処理を行ない、その
処理結果を速度指令信号6として出力する。位置検出部
3は、テーブル(図示省略)の位置情報を検出し、それ
を上記位置検知信号4として減算部2にフィードバック
する。
ードバック信号としての速度信号9とが供給される。更
に、加減算部7には、サーボモータ(図示省略)の反転
時に所定のタイミングで、予め定められたバックラッシ
加速量10が、所定の期間だけ供給される。加減算部7
は、これら供給された各種信号を加減算処理し、その結
果を出力する。速度検出部8は、パルスコーダ(図示省
略)を介してサーボモータの回転量を得て送り速度を検
出して、それを速度信号9として上記加減算部7へ供給
する。
に基づいて、速度制御処理を行ない、サーボモータの回
転駆動を制御する。
送り軸のX,Y方向の各々に対応する値が設定されてい
る。又、上記所定の期間を規定する値として、いわゆる
バックラッシ加速回数が設定されている。
ッシ加速回数等の各種設定値は、NC装置のメモリの所
定のアドレスに格納されている。
ラッシ加速量10を、バックラッシ加速回数の期間(図
11参照)、速度指令信号6に加算することで、上記象
限突起の発生を軽減出来る構成となっている。
ような従来の構成では、次のような課題があった。
定するために、NC工作機械の製造組立段階において、
極めて煩雑な作業と、手間がかかるといった点である。
は、切削対象となる材料を変えながら、即ち、切削送り
速度を変えながら真円切削を繰り返し行う必要があっ
た。
材料が、例えば、アルミニュウム材料の場合に対応)の
場合と、低速(切削対象が、例えば、鋳物の場合に対
応)の場合の何れの場合でも、出来る限り加工精度に対
する要求仕様を満たす切削が行える様にとの観点から、
バックラッシ加速量の値等を試行錯誤による調整を行な
いながら、幾度も真円切削を行わなければならないとい
った欠点があった。
ラッシ加速量の値では、極めて標準的な切削条件におい
てのみ、精度良く切削が行えるものの、高速切削では象
限突起が発生し、又、低速切削では逆に喰い込みが発生
していた。又、切削円弧半径によっても象限突起の発生
状況(象限突起の程度の大小等)が変わるといった問題
があった。
度加工の要求がますます高まってきたため、簡単な調整
作業でしかも、低速加工から高速加工までの全ての切削
条件において、象限突起を低減したいといった要望が生
じた。しかしながら、その要望を満たす手段が未だな
く、象限突起の発生を全ての切削条件において簡単な作
業で低減することは出来ないといった課題があった。
のような課題を考慮して、切削送り速度や切削円弧半径
が変わっても、従来に比べてより一層簡単に、しかもよ
り効果的に象限突起を低減することが出来る象限突起補
正パラメータ決定装置を提供することである。
作機械における制御情報としての、切削送り速度(F)
と切削円弧半径(R)との全部又は一部を入力するため
の入力手段と、それら入力された切削送り速度(F)と
切削円弧半径(R)とを速度・半径情報として格納する
メモリ手段と、加工対象で発生する象限突起を抑制また
は除去するためのパラメータを、前記格納された速度・
半径情報を利用して決定するためのパラメータ決定手段
とを備えた象限突起補正パラメータ決定装置である。
手段は、前記速度・半径情報から円弧切削における加速
度(F2/R)を求める加速度演算部を備え、その加速
度演算部により前記加速度を求め、その求めた加速度を
少なくとも用いる象限突起補正パラメータ決定装置であ
る。
手段は、前記求めた加速度を、予め定められた複数のグ
ループの内、何れのグループに分類すべきかを所定基準
に基づいて判定する判定部と、その判定により分類先と
なった前記グループに対応して予め定められた演算式に
対して、前記速度・半径情報及び/又は前記求めた加速
度を用いて演算処理を実行し、前記パラメータを決定す
るための演算処理部と、を備えた象限突起補正パラメー
タ決定装置である。
る制御情報としての、切削送り速度(F)と切削円弧半
径(R)との全部又は一部を入力し、メモリ手段が、そ
れら入力された切削送り速度(F)と切削円弧半径
(R)とを速度・半径情報として格納し、パラメータ決
定手段が、加工対象で発生する象限突起を抑制または除
去するためのパラメータを、前記格納された速度・半径
情報を利用して決定する。
て、図面を用いて説明する。
限突起補正パラメータ決定装置を用いたNC装置の制御
系の構成を示す、略示ブロック図であり、同図を参照し
ながら、実施の本形態の構成を説明する。
のものは、同じ符号を付し、その説明を省略する。
内容と相違する主なるところは、図1に示した様に、本
発明の象限突起補正パラメータ決定装置の一形態として
のバックラッシ加速機能部15が設けられている点であ
る。
モリ部30と、バックラッシ加速量決定部40と、移動
方向検出部50を備えている。
ら入力された加工プログラムの中に記述された、後述す
る最適値書き込み指令G314に含まれる切削送り速度
(F)と切削円弧半径(R)を格納し、更に、バックラ
ッシ加速回数格納用のアドレス31とバックラッシ加速
量格納用のアドレス32等を有するメモリ手段である。
又、メモリ手段30には、後述する演算式の係数や定
数、微調整用倍率等の値を格納するためのデータテーブ
ル33を有している(図4参照)。ここで、図4は、バ
ックラッシ加速量の微調整倍率の値、バックラッシ加速
量の標準値、低速グループ用として使用する演算式の係
数と定数、中速グループ用として使用する演算式の係数
と定数、そして高速グループ用として使用する演算式の
係数と定数がそれぞれ格納されるアドレス(D2100
〜D2130)と、それら各値の関係を表した図表であ
る。
象で発生する象限突起を抑制または除去するためのパラ
メータとしてのバックラッシ加速量を、切削送り速度
(F)と切削円弧半径(R)を利用して決定するための
手段である。又、バックラッシ加速量決定部40は、本
発明のパラメータ決定手段に対応する手段であり、加速
度演算部41と、判定部42と、演算処理部43とを内
蔵している。
における加速度(F2/R)を、メモリ手段30に格納
されている切削送り速度(F)と切削円弧半径(R)を
用いて求める手段である。判定手段42は、加速度演算
部41により求められた加速度を、予め定められた3つ
のグループ(高速、中速、低速)の内、何れのグループ
に分類すべきかを、その求められた加速度の値の大きさ
に基づいて判定するための手段である。又、演算処理部
43は、判定手段42の判定により分類先となったグル
ープに対応して、予め定められた演算式に対して、加速
度演算部41により求められた加速度を用いて演算処理
を実行し、上記パラメータとしてのバックラッシ加速量
を決定するための手段である。この演算式は、上記各グ
ループ毎に、X軸方向と、Y軸方向との各々のバックラ
ッシ加速量が求められるように設定されている(図2
(a)、(b)参照)。象限突起は、NC工作機械の送
りに関係するメカ的機構(例えば、ボールねじや移動テ
ーブル等の送り系)によっても変わってくるので、各演
算式は、送り系毎に最適の値が得られる様に用意されて
いる。図2(a)に示す演算式は、送り系Aを備えたN
C工作機械に対して使用するものであり、同図(b)
は、送り系Bを備えたNC工作機械に対して使用するも
のである。又、同図(a)の演算式中の、ax1、bx1〜
ay3、by3は、係数及び定数を表している。同図(b)
の演算式中の、cx1、dx1〜cy3、dy3についても同様
である。
量が適切なタイミングで、加減算部7に供給されるよう
に、減算部2の出力から移動方向を検出し、象限の切り
変わりを検知して、その検知結果をメモリ手段30に入
力するものである。
するテーブル(図示省略)を移動させるための駆動手段
であり、速度制御部11に接続されたサーボアンプ70
からの出力によって、回転駆動される。パルスコーダ8
0は、サーボモータの回転量を検出して、その結果を速
度検出部8へ供給するためのものである。
動作を図3等を参照しながら説明する。図3は、実施の
本形態の動作を説明するためのフロー図である。
の組立時における、微調整用倍率の設定等に関する動作
を述べる。
ついて説明する。
て使用される演算式(図2(a)、(b)参照)は、上
述したようにNC工作機械が同じ送り系を有している限
り、同一の演算式を用い、送り系が異なれば、演算式を
変える必要がある。即ち、各演算式は、送り系の種類毎
に最適な値が得られる様に用意されている点は既に述べ
た通りである。
得られる計算上の最適値と、各NC工作機械における現
実の最適値との間には、各NC工作機械毎に微妙な相違
がある。微調整用倍率は、この各装置毎の相違を簡単な
作業で調べ、計算上の最適値を、更に各装置に適した値
に調整するために利用する値である。
入力・変更を、図5に示す専用の[バックラッシ(%)]
画面を見ながら、キーボードを操作しカーソルの移動等
により、X軸とY軸のそれぞれについて行なう。
シ(%)の表示画面を表すものであり、X軸とY軸のそ
れぞれの微調整用倍率として、共に標準値100%が入
力されている場面を示している。この微調整用倍率の値
は、演算処理部43により求められた理論値を大きくし
たり、あるいは小さくしたりするための倍率を百分率で
表している。この値は、全ての切削条件下において、同
様に用いられる(図3に示す、ステップ7参照)。又、
この値の設定範囲は、両軸とも0%〜200%である。 (3)微調整用倍率の仮設定が完了した後、アルミニウ
ム材料を切削対象として、実施の本形態のバックラッシ
加速機能15を用いて、高速で真円切削を行なう。尚、
このバックラッシ加速量の演算動作の詳細については、
後述する。 (4)上述の高速度真円切削の加工精度を測定して(図
6(b)参照)、要求されている仕様を満足しているか
否かを判定する。 (5)仕様を満足していない場合は、上記(2)に戻っ
て、微調整用倍率を変更して、上記(2)〜(4)の動
作を繰り返す。
率が確定し、その値が、データテーブル33に格納され
る。これにより、微調整用倍率の設定作業が完了する。
シ加速量の演算結果を上記のようにして求めた微調整用
倍率により調整して、高速真円切削を実行し、その加工
精度を測定した結果を示す図である。又、同図(a)
は、比較のために、従来の方法で設定されたバクラッシ
ュ加速量(X=200,Y=170)を用いて、高速真
円切削を実行し、その加工精度を測定した結果を示す図
である。
F=10000mm/分、切削円弧半径R=50mmと
した。又、バックラッシ加速回数は、両者ともX=3
0,Y=20であり、パルスコーダ検出単位は、0.2
マイクロメートルである。
(a)に示されたものに比べて、象限突起(図中A,
B,C,Dで指示したところに対応)の発生がより一層
抑圧されていることを示している。そのために、図6
(b)の方が、同図6(a)に比べて、加工精度もより
一層高精度であることがわかる。
て、X軸、Y軸についての微調整用倍率を調整するだけ
で、高速真円切削はもちろんのこと、切削送り速度や切
削円弧半径の異なる、全ての切削条件に対して、高精度
の仕様を満足することが可能となり、従来に比べて、調
整作業やその為に行なう切削回数等を簡素化出来る。
演算動作>上述のようにして微調整用倍率が予め設定さ
れたNC装置を、ユーザ段階で実際に使用する場合にお
いて、図1に示すバックラッシ加速機能部15の動作
を、図3のフロー図を用いて説明する。
効に機能させるためには、加工中に象限が切り替わると
ころで、その象限突起の低減を行おうとするところの切
削送り速度(F)及び切削円弧半径(R)の値を、入力
手段16から加工プログラムにより入力しておく必要が
ある。これら入力された各種値は、図1に示すメモリ手
段30に格納されている。
に、バックラッシ加速量決定部40が動作を開始した場
合、先ず、切削送り速度(F)及び切削円弧半径(R)
の値の有無が判定される。
進む。
プ100へ進み、アラームが出され、ユーザに入力作業
のやり直しを促す。
プ200へ進み、予め機種毎に設定されて所定のメモリ
に格納されている標準値を読みだして、バックラッシ加
速量として、メモリ手段30内のバックラッシ加速量格
納用アドレス32に書き込む。
切削送り速度(F)及び切削円弧半径(R)の値を用い
て、象限が変わるところにおける加速度(F2/R)が
演算されて、その演算結果がステップ3に送られる。
2での演算結果に対して、予め定められた3つのグルー
プ(高速、中速、低速)の内、何れのグループに分類す
べきかを、その演算結果の値に基づいて判定する。ここ
で、分類の基準は、次の通りである。 (1)100000<F2/Rの場合は、高速グループ
に分類して、ステップ4に進む。又、(2)10000
≦F2/R≦100000の場合は、中速グループに分
類して、ステップ5に進む。又、(3)F2/R<10
000の場合は、低速グループに分類して、ステップ6
に進む。
F2/Rの値が、判定手段42により高速グループに分
類された場合、高速グループに対応して設定されている
X軸方向とY軸方向の各演算式(図2(a)参照)に対
して、ステップ2で求めた加速度F2/Rの値を代入
し、バックラッシ加速量を計算して、その計算結果をス
テップ7に出力する。
F2/Rの値が、判定手段42により中速グループに分
類された場合、中速グループに対応して設定されている
X軸方向とY軸方向の各演算式に対して、ステップ4の
場合と同様にしてバックラッシ加速量を計算して、その
計算結果をステップ7に出力する。
F2/Rの値が、判定手段42により低速グループに分
類された場合、低速グループに対応して設定されている
X軸方向とY軸方向の各演算式に対して、ステップ4の
場合と同様にしてバックラッシ加速量を計算して、その
計算結果をステップ7に出力する。
何れかで計算されたX軸方向及びY軸方向の各バックラ
ッシ加速量に対して、データテーブル33に格納されて
いる微調整用倍率を掛け合わせて、その結果を出力す
る。このようにして、微調整用倍率の加味されたバック
ラッシ加速量は、メモリ手段30のバックラッシ加速量
格納用アドレス32に書き込まれる。
値として、X軸方向用に30、Y軸方向用に20が、バ
ックラッシ加速回数格納用アドレス31に書き込まれて
いる。
シ加速機能部15は、移動方向検出部50からの出力に
基づいて、上記アドレス32等に書き込まれたバックラ
ッシ加速量を適切なタイミングでバックラッシ加速回数
の時間、加減算部7に供給するものである。
削送り速度(F)及び切削円弧半径(R)の値を用い
て、各々の切削条件に応じて、最適な値をバックラッシ
加速量として計算するので、全ての切削円弧半径におけ
る、低速から高速の全ての切削送り速度において、象限
突起の発生を効果的に抑制できて、高精度な加工が実現
出来る。
としない加工の場合は、ステップ200へ進むように構
成することにより、従来と同様に、一定の標準値による
象限突起の補正が可能である。
る低速グループに分類される加工例と、比較用としての
従来の方法による加工例を示す(但し、同図(a)、
(b)ともにF=100mm/分、R=10mm)。そ
の他、各種測定条件及び、比較用の加工例のバックラッ
シ加速量等は、図6(a)、(b)で説明した場合と同
様である。何れの加工例についても、実施の本形態によ
れば、従来に比べて、象限突起の発生がより一層抑制さ
れており、高精度加工が実現されていることがわかる。
他の形態として利用される加工プログラムの一例を図8
を参照しながら説明する。
め設定されたNC装置を、ユーザが、所定の加工プログ
ラムを利用して動作させる場合について説明する。
加工プログラム中で、最適値書き込み指令としてのG3
14指令を使用することにより実行できる。このG31
4命令には、象限が切り替わるところの切削送り速度
(F)及び切削円弧半径(R)の値が付加される。
2000 R30.;のように表された最適値書き込み
指令は、次のことを意味する命令である。
分となり、実際にX軸あるいはY軸の移動する切削円弧
半径がR=30mmとなる予定の、象限の切り替わると
ころにおける、実施の本形態のバックラッシ加速機能の
実行を指示するものである。
実行することで、上述したバックラッシ加速機能部15
の動作と同様の動作が行われる。
必要としない加工の場合は、図8の標準値書き込み指令
94で示すように、G314;の指令を行なうことによ
って、バックラッシ加速量を一定の標準値に戻すことが
可能となる。この指令により、従来と同様の一定の標準
値による象限突起の補正が実行される。
の、それぞれについて、上限の値をクランプ値として予
め設定しておき、加速度演算部41により加速度を計算
する際に用いるFとRの値に制限を加えるようにしても
よい。即ち、FとRの値を各々のクランプ値と比較し
て、もしもクランプ値を越える場合は、その越える値に
代えて、そのクランプ値そのものを用いて、上記加速度
を計算するものである。このように、最初に入力された
FとRの値が、クランプ値より大きい場合でも、最適な
バックラッシ加速量が計算出来る。
ラッシ加速量を設定する方法が、経験的知識や試行錯誤
に基づくものであったことは既に述べた通りである。
形態からも明らかなように、象限突起の発生が、象限の
切り替わるところでの加速度と関係していることを見い
出した点に特徴がある。しかも、その加速度の大きさに
よって、象限突起の発生量が変化することに着目して、
加速度の値に応じて最適なバックラッシ加速量を求める
ことが可能な演算式を導き出した点等も従来との大きな
相違点である。
一形態では、工作機械における制御情報としての、切削
送り速度(F)と切削円弧半径(R)との一部を入力す
る場合について、即ち、象限が切り替わるところにおけ
る切削送り速度(F)と切削円弧半径(R)を入力する
場合について説明したが、これに限らず例えば、象限が
切り替わるか否かにかかわらず、入力された全ての切削
送り速度(F)と切削円弧半径(R)に対して、それぞ
れ加速度(F2/R)を一旦求め、その内、象限の切り
替わるところにおいて必要となる加速度(F2/R)を
利用して象限突起補正パラメータ(バックラッシ加速
量)を決定する構成であってもよい。
上記実施の一形態ではメモリ手段に格納された切削送り
速度(F)と切削円弧半径(R)から、象限の切り替わ
るところにおける加速度(F2/R)を求める加速度演
算部等を用いる場合について説明したが、これに限らず
例えば、図9に示す様に、上記FとRの値に応じて、最
適のバックラッシ加速量を設定するためのバックラッシ
加速量テーブルを予め備える構成でもよい。この場合の
最適なバックラッシ加速量は、上記の演算式を利用して
求めたものでもよいし、あるいは、経験則や試行錯誤に
より決めたものでもよい。又、図9に示す図表のような
2次元配列に限らず、加速度(F2/R)の一次元配列
によるバックラッシ加速量テーブルを予め備える構成で
もよい。これらの場合、バックラッシ加速量テーブルか
ら適切なバックラッシ加速量が選択されるものである。
度演算部により前記加速度を求め、その求めた加速度を
少なくとも用いる場合として、上記実施の一形態では、
加速度をグループの分類に利用し、更に演算処理部にお
いてもその加速度を前記パラメータの決定に利用する場
合について説明したが、これに限らず例えば、演算処理
部では、加速度に代えて切削送り速度(F)と切削円弧
半径(R)を利用する構成でもよい。
一形態では加速度の値を高速・中速・低速の3グループ
に分類する場合について説明したが、これに限らず例え
ば、高速・低速の2グループに分類してもよいし、ある
いはそれ以上のグループに分類してももちろんよい。
起を抑制または除去するためのパラメータとして、上記
実施の一形態では、サーボモータの回転速度を制御対象
とするバックラッシ加速量(象限突起補正パラメータ)
を用いる場合について説明したが、これに限らず例え
ば、サーボモータの回転制御を行なうタイミング、ある
いはその回転制御を行なう期間(バックラッシ加速回
数)、あるいはサーボモータの回転トルク等の何れか一
つ、またはそれらの組み合せを制御対象とする象限突起
補正パラメータを決定し利用する構成でもよい。
装置は、上記実施例では、送り軸の方向としてX,Yす
なわち、X−Y平面をテーブルの移動平面とする場合に
ついて説明したが、これに限らず例えばY−Z平面、あ
るいはZ−X平面等他の平面に対しても全く同様に適用
でき、同様の効果を発揮する。
は、象限突起の低減を行なおうとするところの切削送り
速度(F)及び切削円弧半径(R)の値を、速度・半径
情報として加工プログラム中のG314の最適書き込み
指令と共に、入力する手段である場合について説明し
た。この速度・半径情報は、加工プログラムに通常の制
御情報として記述された全ての切削送り速度及び切削円
弧半径の値とは別個に、記述されるものである。しかし
上記実施例の構成に限らず例えば、加工プログラムに通
常の制御情報として記述された全ての切削送り速度及び
切削円弧半径の値の中から、NC装置の所定のソフトウ
エアにより、あるいは、所定の回路構成により、象限の
切り替わるところの切削送り速度(F)及び切削円弧半
径(R)を、自動的に抽出する様にしてもよい。
を利用するなどして、象限の切り替わりの有無が自動的
に判定される。そして、象限の切り替わりが有るとの判
定が出たところの切削送り速度(F)及び切削円弧半径
(R)を自動的に選び出し、その選び出されたFとRの
値を用いて、バックラッシ加速量(象限突起補正パラメ
ータ)を決定する構成であってもよい。
使用するFとRを、上述したように別個に入力する必要
がない。又、これによれば、連続する切削送り中に、象
限が切り替わる場合でも、それら各象限の切り替わりに
ついて最適なバックラッシ加速量を決定することが可能
となる。更に、一般には、制御情報の切削円弧半径
(R)が加工ワークの半径で指定されるため、上記実施
例の最適書き込み指令においてFとRを加工プログラム
に記述する場合、そのRの値は、送り軸の動きに対応す
る切削円弧半径(加工プログラムで指定した加工ワーク
の半径に、工具半径を加味した値に相当)とする必要が
あるため、いちいち計算する必要がある。図8では、G
02で指定したR20(R=20mmを意味する)に対
して、工具半径の10mmを加算して得た値、即ち30
mmをG314の最適値書き込み指令91でR30とし
て設定している。しかし、上記構成によれば、バックラ
ッシ加速量の決定に必要な、送り軸の動きに対応する切
削円弧半径を自動的に計算出来るので、入力上の手間が
より一層簡略化出来る。
発明は、切削送り速度や切削円弧半径が変わっても、従
来に比べてより一層簡単に、象限突起を低減することが
出来るという長所を有する。
ラメータ決定装置を用いたNC装置の制御系の略示ブロ
ック図
た図表 (b):実施の他の形態で使用する演算式を表した図表
倍率の値や、各演算式の係数と定数等がそれぞれ格納さ
れるアドレスと、それら各値の関係を表した図表
ッシ(%)の表示画面を表す図
たバックラッシ加速量を用いて、高速真円切削を実行し
その加工精度を測定した結果を示す図 (b);実施の本形態のバックラッシ加速量を利用し
て、高速真円切削を実行しその加工精度を測定した結果
を示す図
例を示す図 (b);実施の本形態による低速グループに分類される
加工例を示す図
る加工プログラムの一例を表す説明図
り速度(F)と切削円弧半径(R)の値に応じて、最適
のバックラッシ加速量を設定するためのバックラッシ加
速量テーブルを表した図表
置の制御系の略示ブロック図
クラッシ加速量と、バックラッシ加速回数を表した図
Claims (3)
- 【請求項1】 工作機械における制御情報としての、切
削送り速度(F)と切削円弧半径(R)との全部又は一
部を入力するための入力手段と、 それら入力された切削送り速度(F)と切削円弧半径
(R)とを速度・半径情報として格納するメモリ手段
と、 加工対象で発生する象限突起を抑制または除去するため
のパラメータを、前記格納された速度・半径情報を利用
して決定するためのパラメータ決定手段と、を備えたこ
とを特徴とする象限突起補正パラメータ決定装置。 - 【請求項2】 前記パラメータ決定手段は、前記速度・
半径情報から円弧切削における加速度(F2/R)を求
める加速度演算部を備え、その加速度演算部により前記
加速度を求め、その求めた加速度を少なくとも用いるこ
とを特徴とする請求項1記載の象限突起補正パラメータ
決定装置。 - 【請求項3】 前記パラメータ決定手段は、前記求めた
加速度を、予め定められた複数のグループの内、何れの
グループに分類すべきかを所定基準に基づいて判定する
判定部と、その判定により分類先となった前記グループ
に対応して予め定められた演算式に対して、前記速度・
半径情報及び/又は前記求めた加速度を用いて演算処理
を実行し、前記パラメータを決定するための演算処理部
と、を備えたことを特徴とする請求項2記載の象限突起
補正パラメータ決定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23277995A JP3520142B2 (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | 象限突起補正パラメータ決定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23277995A JP3520142B2 (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | 象限突起補正パラメータ決定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0981216A true JPH0981216A (ja) | 1997-03-28 |
JP3520142B2 JP3520142B2 (ja) | 2004-04-19 |
Family
ID=16944614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23277995A Expired - Fee Related JP3520142B2 (ja) | 1995-09-11 | 1995-09-11 | 象限突起補正パラメータ決定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3520142B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010098822A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Fanuc Ltd | サーボモータ制御装置 |
US8818549B2 (en) | 2009-08-24 | 2014-08-26 | Jtekt Corporation | Controller for machine tool and five-axis simultaneous control machine tool controlled thereby |
WO2022124150A1 (ja) * | 2020-12-08 | 2022-06-16 | スター精密株式会社 | 工作機械 |
-
1995
- 1995-09-11 JP JP23277995A patent/JP3520142B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
JP2010098822A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Fanuc Ltd | サーボモータ制御装置 |
US8818549B2 (en) | 2009-08-24 | 2014-08-26 | Jtekt Corporation | Controller for machine tool and five-axis simultaneous control machine tool controlled thereby |
WO2022124150A1 (ja) * | 2020-12-08 | 2022-06-16 | スター精密株式会社 | 工作機械 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3520142B2 (ja) | 2004-04-19 |
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