JPH0980157A - 放射線計測装置及び検出器電圧設定方法 - Google Patents

放射線計測装置及び検出器電圧設定方法

Info

Publication number
JPH0980157A
JPH0980157A JP23562495A JP23562495A JPH0980157A JP H0980157 A JPH0980157 A JP H0980157A JP 23562495 A JP23562495 A JP 23562495A JP 23562495 A JP23562495 A JP 23562495A JP H0980157 A JPH0980157 A JP H0980157A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
applied voltage
output current
radiation detector
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23562495A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Honma
隆男 本馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP23562495A priority Critical patent/JPH0980157A/ja
Publication of JPH0980157A publication Critical patent/JPH0980157A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】1線式のイオンチェンバを用いて測定誤差を抑
制した放射線計測装置を構成すること。 【解決手段】使用済み燃料集合体を装荷する機構部21
と、機構部内に設置される複数の一線式放射線検出器2
2と、一線式放射線検出器22に動作電圧を印加する複
数の高圧電源33と、一線式放射線検出器22の出力電
流を測定する測定部25と、測定部25からの信号を処
理する信号処理部26と、一線式放射線検出器22の印
加電圧対出力電流特性の測定データに基づいて出力電流
が少ない一線式放射線検出器22には小電圧を印加する
ように対応する高圧電源33の出力電圧を設定し、出力
電流が多い一線式放射線検出器22には高電圧を印加す
るように対応する高圧電源33の出力電圧を設定する印
加電圧設定手段46,50とから構成された放射線計測
装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電プラン
ト、核燃料再処理プラント等における放射線計装システ
ムの計測装置に係り、特に核燃料再処理施設等における
使用済み燃料集合体からの放射線を計測する放射線計測
装置及び一線式放射線検出器の検出器電圧設定方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】使用済み燃料集合体からの放射線を計測
する放射線計測装置は、放射線検出器、使用済み燃料集
合体及び放射線検出器を装荷する機構部、放射線検出器
からの信号を計測する測定部、測定部からの測定データ
を処理する信号処理部から構成される。
【0003】使用済み燃料集合体の放射線計測法には、
グロスガンマ線測定法、放出中性子測定法、ガンマ線ス
ペクトル測定法等がある。グロスガンマ線測定法は使用
済み燃料集合体の軸方向の放射線を測定し、放出中性子
測定法及びガンマ線スペクトル測定法は使用済み燃料集
合体の軸方向中央付近の放射線を測定する。
【0004】使用済み燃料集合体のグロスガンマ線測定
法は、使用済み燃料集合体が高放射線量であることから
放射線検出器としてイオンチェンバが用いられる。ま
た、使用済み燃料集合体の軸方向の放射線を測定するこ
とから使用済み燃料集合体軸方向の両側に多数の放射線
検出器が配列され、例えば片側20体、両側で合計40
体の放射線検出器が設置される。
【0005】ここで、使用済み燃料集合体の放射線検出
器に使用されるイオンチェンバには1線式と2線式のも
のがある。図8は、1線式イオンチェンバを用いて使用
済み燃料集合体のグロスガンマ線測定系を構成した計測
装置を示している。1線式イオンチェンバ1は使用済み
燃料集合体2から放出される高いレベルの放射線を検出
し、電離作用により放射線レベルに比例した放射線信号
電流Is を発生させる。ケーブル3は放射線検出器1か
らの信号電流Is を直流増幅器4に伝送させる。高圧電
源5は放射線検出器1へ電離作用を発生させるために供
給する電源である。帰還回路6は直流増幅器4の帰還回
路を形成するもので、直流増幅器4へ入力される電流を
電圧変換させて直流増幅器4より出力させる。信号処理
回路7は直流増幅器4からの信号を取り込み内部にて演
算処理して外部へ信号出力させる。
【0006】この様にグロスガンマ線測定法は検出チャ
ンネル数が多いことから、放射線検出器1と測定部との
接続ケーブルは、出来るだけ少ない本数にすることが望
ましい。計測装置が使用される環境条件(水中10m
下、高放射線下)を考慮するとケーブル数が2倍になる
2線式のイオンチェンバより1線式のイオンチェンバの
方が適している。
【0007】しかし、1線式のイオンチェンバを用いて
測定系を構成した場合、検出器電極とケーブルには高電
圧が印加されるため、放射線検出器及びケーブルの絶縁
抵抗によりリーク電流IL が発生する。リーク電流IL
が大きな測定誤差となる。放射線検出器から出力される
信号電流の測定可能な下限は、測定誤差10%以下で測
定するためには、放射線検出器1とケーブル3の絶縁抵
抗を最良に保ったとしても、約3×10-10 A程度であ
る。使用済み燃料集合体のグロスガンマ線測定系では使
用されるイオンチェンバの感度は約1×10-11 A程度
であり、使用済み燃料集合体からの放射線レベルが1〜
105 R/hr程度であることから、イオンチェンバか
らの信号電流範囲は約10-11 A〜10-6Aとなり、1
線式のイオンチェンバは採用できないことになる。
【0008】リーク電流IL に比例した測定誤差につい
て以下に概略を示す。イオンチェンバへの印加電圧Vs
は、イオンチェンバの形状・寸法、封入ガスの種類、ガ
ス圧等により異なるが、測定する放射線レベルの範囲が
1〜105 R/hrとすると、図10に示すイオンチェ
ンバの照射線量による印加電圧対出力電流特性より約3
00〜400Vとなる。一例として、照射線量測定範囲
が、1〜105 R/hrにおける最適印加電圧としてV
s が300Vの場合について求めてみる。
【0009】イオンチェンバ及びケーブルの絶縁抵抗R
L は、約1012〜1013Ω程度である。いま、絶縁抵抗
L を最良の1013Ωとして、リーク電流IL を求める
と(1)式となる。
【0010】 IL =Vs /RL =300/1013=3×10-11 A (1) 一方、放射線信号電流Is は、イオンチェンバの検出感
度より求められ、その検出感度Sは、おおよそ1×10
-11 A/R/hrである。また、使用済み燃料集合体か
らの放射線量Eは1〜105 R/hr程度であり、一例
として1R/hrの場合について、放射線信号電流Is
を求めると(2)式となる。
【0011】 Is =S×E=1×10-11 ×1=10-11 A (2) 以上より、(1)式及び(2)式で求めたリーク電流I
L と、放射線信号電流Is とを比べると、リーク電流I
L は放射線信号電流Is の3倍にもなっており、使用済
み燃料集合体からの放射線信号電流Is を測定すること
は非常に困難であることが分かる。
【0012】一方、2線式のイオンチェンバを用いた場
合は、リーク電流による測定誤差を防ぐことができる。
図9は、2線式イオンチェンバを用いて使用済み燃料集
合体のグロスガンマ線測定系を構成した計測装置の構成
例が示されている。
【0013】2線式イオンチェンバ8は信号電極と高圧
電極とを有している。信号電極と信号ケーブル9には、
増幅器4の入力電位差VCSが印加される。また、高圧電
極と高圧ケーブル10には、高圧電源11の出力電圧が
印加される。
【0014】高圧電極と高圧ケーブル10の絶縁抵抗に
より発生するリーク電流ILHは、絶縁抵抗を1012Ω、
高圧出力を300Vとすると、3×10-10 Aであり、
高圧電源11の出力電流容量(数mA)に比べ無視でき
る値である。
【0015】信号電極と信号ケーブル9の絶縁抵抗によ
り発生するリーク電流IL は、絶縁抵抗を1012Ω、V
CSを最大30mVとすると、3×10-14 Aであり、イ
オンチェンバからの信号電流下限10-11 Aに比べ無視
できる。
【0016】しかし、使用済み燃料集合体のグロスガン
マ線測定法の測定系は測定チャンネル数が多く、計測装
置が使用される環境条件が上記した通りのものであるの
で、イオンチェンバと測定部とを接続する接続ケーブル
が1線式に比べ2倍の本数が必要となる計測装置では、
これらを実装する機構部が大型となり、コスト大とな
る。また、接続ケーブルが増えることにより、測定装置
の信頼性、メンテナンス性も低下する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このように、使用済み
燃料集合体のグロスガンマ線測定系は、1)チャンネル
数が多い、2)放射線検出器1が水中約10m下に設置
される、3)放射線検出器1と測定部間の接続ケーブル
3が長い、ことから放射線検出器1と測定部との接続ケ
ーブル3はできるだけ少ない本数にすることが、メンテ
ナンス性及びコスト面から計測装置を製品化する上で求
められる。従って、放射線検出器として2線式のイオン
チェンバより1線式のイオンチェンバを用いた方が各段
によい。
【0018】しかしながら、1線式のイオンチェンバを
用いた場合は、放射線検出器1とケーブル3に使用済み
燃料集合体からの放射線測定範囲をカバーするための最
適な電圧が印加されることから、放射線検出器1及びケ
ーブル3のリーク電流IL が大きくなり、測定すべき使
用済み燃料集合体からの放射線量Eに比例した放射線検
出器1からの放射線信号電流IS を正確に測定すること
ができず、また使用済み燃料集合体からの放射線量Eが
少ない場合には測定不可能であった。
【0019】従って、これまでの技術では1線式のイオ
ンチェンバで測定可能な放射線検出器1からの放射線信
号電流IS の下限は、測定誤差を例えば10%以下とす
ると、3×10-10 A程度であった。使用済み燃料集合
体のグロスガンマ線測定系での放射線検出器1からの放
射線信号電流IS は、約10-11 A〜10-6Aであるこ
とから、1線式のイオンチェンバでは測定できず、2線
式のイオンチェンバを用いた測定系構成としなければな
らないという矛盾が生じていた。
【0020】本発明は、以上のような実情に鑑みてなさ
れたもので、1線式での低レベル側測定電流を拡大する
ことにより、1線式のイオンチェンバを適用可能にし、
水中に設置される放射線検出器と大気中に設置される測
定部間を接続するケーブルの本数を削減して、計測装置
の小型化及び装置のメンテナンス性の向上、製品化コス
トの低減を図ると共に、1線式のイオンチェンバを用い
た測定系において放射線検出器及びケーブルの絶縁抵抗
により生ずるリーク電流IL による測定誤差を無くして
測定することのできる放射線計測装置及び放射線検出器
の検出器電圧設定方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために以下のような手段を講じた。請求項1に対
応する本発明は、使用済み燃料集合体を水中に浸漬し、
当該使用済み燃料集合体から放射される放射線レベルを
計測する放射線計測装置において、前記使用済み燃料集
合体を装荷する機構部と、この機構部内に設置される複
数の一線式放射線検出器と、これら一線式放射線検出器
に動作電圧を印加する複数の高圧電源と、前記一線式放
射線検出器の出力電流を伝送する信号ケーブルと、前記
一線式放射線検出器から前記信号ケーブルを通って送ら
れてくる出力電流を測定する測定部と、この測定部から
の信号を処理する信号処理部と、前記一線式放射線検出
器の印加電圧対出力電流特性の測定データに基づいて、
出力電流が少ない一線式放射線検出器には小電圧を印加
するように対応する高圧電源の出力電圧を設定し、出力
電流が多い一線式放射線検出器には高電圧を印加するよ
うに対応する高圧電源の出力電圧を設定する印加電圧設
定手段とを備える。
【0022】本発明の放射線計測装置によれば、以上の
ような手段を講じたことにより、一線式放射線検出器か
らの出力電流が小さい時には、該検出器に印加する電圧
が小さくなることから、一線式放射線検出器と信号ケー
ブルとの絶縁抵抗により発生するリーク電流IL が小さ
くなり、使用済み燃料集合体からの照射線量測定範囲の
下限である1R/hrにおいても測定可能となる。
【0023】請求項2に対応する本発明は、使用済み燃
料集合体を水中に浸漬し、当該使用済み燃料集合体から
放射される放射線レベルを計測する放射線計測装置にお
いて、前記使用済み燃料集合体を装荷する機構部と、こ
の機構部内に設置される複数の一線式放射線検出器と、
これら一線式放射線検出器に動作電圧を印加する複数の
高圧電源と、前記一線式放射線検出器の出力電流を伝送
する信号ケーブルと、前記一線式放射線検出器から前記
信号ケーブルを通って送られてくる出力電流を測定する
測定部と、この測定部からの信号を処理する信号処理部
と、運転員から前記一線式放射線検出器に対する印加電
圧が指示入力される入力手段と、この入力手段から入力
された印加電圧に対する測定誤差を該当する一線式放射
線検出器の印加電圧対出力電流特性の測定データ及び印
加電圧対リーク電流特性の測定データを参照して演算す
る測定誤差演算手段と、この測定誤差演算手段で計算し
た測定誤差と前記印加電圧対出力電流特性とを表示させ
る表示手段と、最終的に確定した印加電圧を該当する一
線式放射線検出器の高圧電源に設定する印加電圧設定手
段とを備える。
【0024】本発明の放射線計測装置によれば、一線式
放射線検出器の使用済み燃料集合体からの照射線量によ
る印加電圧対出力電流特性データと、予め測定してある
リーク電流特性とから、設定した印加電圧での測定誤差
が分かることから、運転員により最適な印加電圧と、そ
の印加電圧での測定誤差とを確認しながら任意に設定す
ることができるため、より少ない測定誤差で測定可能と
なる。
【0025】請求項3に対応する本発明は、上記した放
射線計測装置において、前記一線式放射線検出器とその
出力電流を伝送する信号ケーブルとによる絶縁抵抗をR
L 、当該一線式放射線検出器への印加電圧をVとし、絶
縁抵抗RL 及び印加電圧Vで表されるIL ’(=V/R
L )に許容差αを加えた値(IL ’±α)と、使用済み
燃料集合体が機構部に装荷されていないときの印加電圧
対リーク電流特性から得られるリーク電流IL とを比較
して異常診断を行う異常診断手段を備えた。
【0026】本発明の放射線計測装置によれば、リーク
電流IL は一線式放射線検出器及び信号ケーブルとによ
る絶縁抵抗RL と印加電圧Vとにより求められるIL
に許容差αを加味して異常診断するため、誤った印加電
圧は設定されず、信頼性のある測定が可能となる。
【0027】請求項4に対応する本発明は、使用済み燃
料集合体を装荷する機構部と、この機構部内に設置され
る複数の一線式放射線検出器と、これら一線式放射線検
出器に動作電圧を印加する複数の高圧電源と、前記一線
式放射線検出器の出力電流を伝送する信号ケーブルと、
前記一線式放射線検出器から前記信号ケーブルを通って
送られてくる出力電流を測定する測定部と、この測定部
からの信号を処理する信号処理部とを備えた放射線計測
装置における電圧設定方法において、前記機構部に使用
済み燃料集合体を装荷する前に、低照射線量の印加電圧
対出力電流特性におけるプラトー範囲の第1の印加電圧
1 を出力電圧として前記高圧電源に設定して第1の印
加電圧V1 に対する前記一線式放射線検出器のリーク電
流IL1を測定し、前記機構部に使用済み燃料集合体を装
荷する前に、高照射線量の印加電圧対出力電流特性にお
けるプラトー範囲の第2の印加電圧V2 を出力電圧とし
て前記高圧電源に設定して第2の印加電圧V2 に対する
前記一線式放射線検出器のリーク電流IL2を測定し、前
記機構部に使用済み燃料集合体を装荷した状態で、第1
の印加電圧V1 を前記高圧電源に設定して前記一線式放
射線検出器の出力電流I1 を測定し、前記機構部に使用
済み燃料集合体を装荷した状態で、第2の印加電圧V2
を前記高圧電源に設定して前記一線式放射線検出器の出
力電流I2 を測定し、出力電流I2 が出力電流I1 にリ
ーク電流IL2を加えた値よりも大きい場合には前記高圧
電源に第2の印加電圧V2 を設定し、出力電流I2 が出
力電流I1 にリーク電流IL2を加えた値よりも小さい場
合には第1の印加電圧V1 を前記高圧電源に設定する。
【0028】本発明の検出器電圧設定方法によれば、一
線式放射線検出器の使用済み燃料集合体からの照射線量
測定範囲下限における印加電圧V1 と照射線量測定範囲
上限における印加電圧V2 を一線式放射線検出器にそれ
ぞれ印加して、それら印加電圧に対応した出力電流との
関係を、照射線量測定範囲上限時のリーク電流IL2を加
味して判定し、印加電圧をV1 またはV2 に設定して測
定するため、より少ない測定誤差で測定可能となる。
【0029】請求項5に対応する本発明は、上記した検
出器電圧設定方法において、前記機構部に使用済み燃料
集合体を装荷する前に前記高圧電源に設定する印加電圧
を第1〜第nの印加電圧V1 、V2 、…Vn にして、そ
れぞれの印加電圧に対するリーク電流IL1、IL2、…I
Lnを測定し、前記機構部に使用済み燃料集合体を装荷し
た状態で、第1〜第nの印加電圧V1 、V2 、…Vn
設定条件が成立するまで順に印加して対応する出力電流
1 ,I2 、…In を測定し、Im ≦Im-1 +ILm(m
は1≦m≦nの整数)の設定条件が成立すれば、該チャ
ンネルの一線式放射線検出器に印加すべき印加電圧とし
て対応する高圧電源に印加電圧Vm-1 を設定し、前記設
定条件が成立するまで印加電圧Vm を順にシフトしてい
きIn >In-1 +ILnとなったところで当該チャンネル
の高圧電源に印加電圧Vn を設定するようにした。
【0030】本発明によれば、一線式放射線検出器に印
加する電圧数点を増加して測定するため、さらに少ない
測定誤差で測定可能となる。請求項6に対応する本発明
は、上記した検出器電圧設定方法において、前記一線式
放射線検出器とその出力電流を伝送する信号ケーブルと
による絶縁抵抗をRL 、当該一線式放射線検出器への印
加電圧をVm (mはm≦nの整数)とし、絶縁抵抗RL
及び印加電圧Vm で表されるILm’=Vm /RL に許容
差αを加えた値とリーク電流ILmとを比較して異常診断
を行うようにした。本発明によれば、誤った印加電圧が
設定されなくなり、信頼性のある測定が可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本実施形態に係る使用済み燃料集合体の放
射線計測装置の全体構成について、図1及び図2を参照
して説明する。
【0032】図1は使用済み燃料集合体の放射線計測装
置の全体構成を示している。水中プール内に設置された
機構部は側面図を示している。機構部21は、施設水中
ピットの水面下、約10〜15mに設置される。この機
構部21に使用済み燃料集合体1及び複数の1線式イオ
ンチェンバ22が装荷されている。イオンチェンバ22
からの信号伝送ケーブル23は、大気中に設置される計
測盤24まで引かれている。イオンチェンバ22は、使
用済み燃料集合体2からの放射線を検出するものであ
り、放射線量を電気信号に変換して出力する。信号伝送
ケーブル23はイオンチェンバ22と測定部25間を接
続するためのもので、イオンチェンバ22からの信号を
測定部25に伝送させる。信号伝送ケーブル23は一部
が水中に浸漬されるため、図示していないが、ステンレ
ス製のフレキシブルチューブ内に収納されている。
【0033】計測盤24は、イオンチェンバ22からの
出力電流を測定するための測定部24と信号処理部25
より構成される。イオンチェンバ22から引き出された
信号伝送ケーブル23の一端部は測定部25に接続され
ている。
【0034】図2は、この放射線計測装置のシステム構
成を示している。同図は、イオンチェンバ22を20チ
ャンネル構成とした場合を示している。個々の測定チャ
ンネル毎に1本の信号伝送ケーブル23が設けられ、そ
れぞれの信号伝送ケーブル23が計測盤24にチャンネ
ル数設けられた測定部25に接続されている。個々の測
定部25と信号処理部26との間では相互に信号の授受
が行えるようになっている。
【0035】図3は、1チャンネルの測定部25と信号
処理部26との構成を示している。測定部25は、イオ
ンチェンバ22からの放射線レベルに比例した直流電流
S を増幅して電圧変換する直流増幅器31と、帰還回
路32と、イオンチェンバ22へ電離作用を発生させる
ための電源を供給する高圧電源33と、次段の信号処理
部26の入力側チャンネル選択回路以降を高圧電源33
の重畳から外すため絶縁増幅器34とから構成されてい
る。
【0036】信号処理部26は、入力側チャンネル選択
回路41と、A/D変換器42と、メモリ回路43と、
DO回路44と、レンジ切替設定回路45と、高圧電源
出力設定回路46と、出力側チャンネル選択回路47と
を備えている。これら構成要素は一部を除いて内部バス
を介してCPU50に接続されている。内部バスにはD
I回路48、入力装置49、表示制御回路51、表示装
置52等が接続されている。
【0037】入力側チャンネル選択回路41は、チャン
ネル1からチャンネル20までの測定部25からの信号
をコントローラであるCPU50からの信号により、チ
ャンネル選択する。レンジ切替設定回路45は、測定部
25からの信号を、5デカードにも渡り、その測定範囲
内で高精度に測定するため、帰還回路32のレンジ切替
設定を行うものである。高圧電源出力設定回路46は、
各チャンネルの高圧電源33の出力を、リーク電流IL
の影響が少なくなる電圧に設定するためのものである。
【0038】次に、以上のように構成された本実施形態
の動作について説明する。図4は、全チャンネルの高圧
電源33に対して適切な出力電圧を設定するまでの手順
を示している。
【0039】まず、使用済み燃料集合体2を施設内の燃
料仮置きピットよりクレーンにて機構部21内に装荷す
る。使用済み燃料集合体2が機構部21に装荷された
ら、全チャンネルについてイオンチェンバ22の印加電
圧対出力電流特性を測定する。印加電圧対出力電流特性
の測定時にイオンチェンバ22へ印加する電圧設定は予
めメモリ回路43に対して行っておく。CPU50がメ
モリ回路43に記憶させてある値を読出して、高圧電源
33に設定する電圧を例えば0〜400Vの間で可変さ
せる。各設定電圧がイオンチェンバ22に印加されたと
きの出力電流値を入力選択回路41、A/D変換器42
を介してメモリ回路43に記憶する。この結果、メモリ
回路43には照射線量により図10に示すような印加電
圧対出力電流特性のデータが保存されることになる。
【0040】図10に示すように、イオンチェンバ22
は照射線量に対応して印加電圧対出力電流の特性が異な
る。照射線量が高くなるのに応じて出力電流が飽和する
印加電圧が高くなる特性である。例えば、照射線量測定
範囲の上限が105 R/hrの場合は、出力電流が十分
に飽和する電圧として300V程度の電圧を設定するこ
とになる。
【0041】次に、全チャンネルについて印加電圧対出
力電流特性が測定されたならば、各チャンネルの飽和出
力電流IS と印加電圧設定基準とを比較する。印加電圧
設定基準は3×10-10 Aに定める。
【0042】イオンチェンバ22の感度を1×10-11
A/R/hrとした場合、測定された飽和出力電流IS
が3×10-10 A以上であれば、図10に示すように照
射線量測定範囲の上限である105 R/hrでの出力電
流飽和電圧V2 を当該チャンネルの設定電圧とする。イ
オンチェンバ22への印加電圧を照射線量測定範囲の上
限である105 R/hrでの出力電流飽和電圧V2 に設
定することにより、イオンチェンバ22とケーブル23
の絶縁抵抗を1013Ωとし、設定電圧V2 を300Vと
した場合、リーク電流IL2は3×10-11 Aとなる。従
って、照射線量での出力電流3×10-10 Aに対し、1
0%以下の誤差で測定できることになる。 また、測定
された飽和出力電流IS が3×10-10 Aよりも少ない
場合には、イオンチェンバ22の印加電圧を照射線量が
30R/hrでの出力電流飽和電圧V1 に設定する。こ
れにより、設定電圧V1 を10Vとした場合、リーク電
流IL1は1×10-12 Aとなり、照射線量測定範囲下限
での出力電流1×10-11Aに対し、10%以下の誤差
で測定できることになる。
【0043】このようにして、全チャンネルについてイ
オンチェンバ22の設定電圧V1 、V2 が決まったなら
ば、CPU50から指令して各チャンネルの高圧電源3
3にそれぞれ対応する設定電圧V1 、V2 を設定する。
全チャンネルの高圧電源33に設定電圧V1 、V2 を設
定してから、各チャンネルについて放射線計測を実行す
る。
【0044】このように本実施形態によれば、全チャン
ネルについて印加電圧対出力電流特性を測定し、各チャ
ンネルの飽和出力電流IS と印加電圧設定基準とを比較
してチャンネル毎にイオンチェンバ22の設定電圧V
1 、V2 を設定したので、1線式イオンチェンバからの
出力電流が小さくてもリーク電流を小さくすることがで
き、使用済み燃料集合体からの照射線量測定範囲の下限
である1R/hrにおいても10%以下の誤差で測定で
きる。
【0045】(第2の実施形態)第2の実施形態に係る
放射線計測装置は、前述した第1の実施形態と同じシス
テム構成である。チャンネル毎のイオンチェンバ22へ
の印加電圧の設定の仕方が相違する。ここでは、全チャ
ンネルの高圧電源33に対して適切な出力電圧を設定す
るまでの動作について説明する。
【0046】図5は、本実施形態において行う全チャン
ネルの高圧電源33に対して適切な出力電圧を設定する
までの手順を示している。使用済み燃料集合体2が機構
部21に装荷される前に、全チャンネルについてイオン
チェンバ22の印加電圧対リーク電流特性を測定する。
まず、予めメモリ回路43に記憶させてある値で、印加
電圧を例えば0〜400Vまで可変させ、その時のリー
ク電流IL を測定する。測定したリーク電流IL をチャ
ンネル毎にメモリ回路43に記憶する。
【0047】次に、使用済み燃料集合体2が機構部21
に装荷する。使用済み燃料集合体2を装荷した状態で、
第1の実施形態と同様にして、全チャンネルについてイ
オンチェンバ22の印加電圧対出力電流特性を測定す
る。測定した印加電圧対出力電流特性をチャンネル毎に
メモリ回路43に記憶する。
【0048】メモリ回路43からリーク電流IL 及び印
加電圧対出力電流特性のデータを読出してチャンネル毎
に対応させて表示装置52の画面に表示させる。表示装
置52に対する表示制御は表示制御装置51が行う。運
転員は、表示装置24の画面に表示された印加電圧対出
力電流特性とリーク電流とのデータを見ながら測定誤差
を低減できると考えられる印加電圧を設定する。
【0049】運転員による印加電圧の設定は入力装置4
9からDI回路48を介してCPU50に与えられる。
CPU50は、運転員から印加電圧が各チャンネルを指
定して設定されたら、その設定された印加電圧での測定
誤差をリーク電流IL と出力電流IS とから演算する。
また、測定誤差の演算結果を表示装置24の画面に表示
するように表示制御装置51に指示を与える。
【0050】以上のようにして、最終的に決定した各チ
ャンネルの設定電圧が高圧電源出力設定回路46から対
応するチャンネルの高圧電源33に設定させる。また、
イオンチェンバ22の印加電圧対リーク電流特性の測定
で得られたリーク電流IL を以下の処理により異常診断
する。すなわち、イオンチェンバ22及びケーブル23
による絶縁抵抗RL とイオンチェンバ22への印加電圧
Vとによりリーク電流IL ’(=V/RL )を信号処理
部26のCPU56が演算して求め、許容差αを加味し
てIL =IL ’±αを判定する。許容差αを逸脱する場
合は、イオンチェンバ22またはケーブル23が異常で
あると診断し、表示装置52に異常警報を出力する。こ
こで、絶縁抵抗RL は、定められた試験電圧(例えばD
C100V)で測定された値であり、信号処理部26の
メモリ回路43に予め入力しておく。
【0051】このように本実施形態によれば、使用済み
燃料集合体2が機構部21に装荷される前に全チャンネ
ルについてイオンチェンバ22の印加電圧対リーク電流
特性を測定し、使用済み燃料集合体2を装荷した状態で
全チャンネルについて印加電圧対出力電流特性を測定
し、両測定データを表示装置52に表示して運転員に任
意の設定電圧を入力させるようにしたので、個々のチャ
ンネルについて印加電圧対出力電流特性とリーク電流と
に応じた任意の設定電圧を設定させるることができる。
【0052】また本実施形態によれば、運転員が測定誤
差の確認を行いながら印加電圧を設定できるので、より
少ない測定誤差となる印加電圧を各チャンネル毎に設定
することができる。
【0053】また本実施形態によれば、オンチェンバ2
2の印加電圧対リーク電流特性の測定で得られたリーク
電流IL を異常診断するので、誤った印加電圧が設定さ
れるのを防止することができ、信頼性の高い測定が可能
となる。
【0054】(第3の実施形態)第3の実施形態に係る
放射線計測装置は、前述した第1の実施形態と同じシス
テム構成である。第1の実施形態とはチャンネル毎のイ
オンチェンバ22への印加電圧の設定の仕方が相違して
いる。ここでは、全チャンネルの高圧電源33に対して
適切な出力電圧を設定するまでの動作について説明す
る。
【0055】図6は、本実施形態において行う全チャン
ネルの高圧電源33に対して適切な出力電圧を設定する
までの手順を示している。測定範囲の下限となる照射線
量(1R/hr)に対する印加電圧対出力電流特性のプ
ラトー範囲での最適な印加電圧V1 と、測定範囲の上限
となる照射線量(105 R/hr)に対する印加電圧対
出力電流特性のプラトー範囲での最適な印加電圧V2
が予め与えられる。事前に全イオンチェンバの設計条件
を基にして上記印加電圧V1 ,V2 を計算にて求めてお
く。
【0056】使用済み燃料集合体2が機構部21に装荷
される前に、全チャンネルの高圧電源33に、照射線量
測定範囲の下限(1R/hr)での印加電圧対出力電流
特性のプラトー範囲での最適な印加電圧V1 を設定す
る。高圧電源出力設定回路46がチャンネルの高圧電源
33の出力電圧をV1 に設定し、印加電圧V1 に対する
各チャンネルの出力であるリーク電流IL1を入力選択回
路41を介して選択的に取り込みメモリ回路43に記憶
する。
【0057】次に、全チャンネルの高圧電源33に、照
射線量測定範囲の上限(105 R/hr)での印加電圧
対出力電流特性のプラトー範囲での最適な電圧V2 を設
定する。すなわち、高圧電源出力設定回路46がチャン
ネルの高圧電源33の出力電圧をV2 に設定する。そし
て、全チャンネルについて印加電圧V2 に対する各チャ
ンネルの出力であるリーク電流IL2を入力選択回路41
を介して選択的に取り込みメモリ回路43に記憶する。
【0058】次に、使用済み燃料集合体2を機構部21
に装荷した後、全チャンネルのイオンチェンバ22への
印加電圧をV1 に設定して、全チャンネルの出力電流I
1 を測定する。続いて、全チャンネルのイオンチェンバ
22への印加電圧をV2 に設定して出力電流I2 を測定
する。
【0059】CPU50は、これら測定したデータをメ
モリ回路43から読出し、各チャンネルについてI2
1 +IL2が成立するか否か判断する。この条件式が成
立すれば、イオンチェンバ22への印加電圧をV2 に設
定する。また、上記条件式が成立しない場合、即ちI2
≦I1 +IL2ならばイオンチェンバ22への印加電圧を
1 に設定する。
【0060】以上のようにして、最終的に決定した各チ
ャンネルの設定電圧を高圧電源出力設定回路46から対
応するチャンネルの高圧電源33に設定した後、本来の
放射線測定を実施する。
【0061】また、イオンチェンバ22の印加電圧対リ
ーク電流特性の測定で得られたリーク電流IL1,IL2
以下の処理により異常診断する。即ち、イオンチェンバ
22及びケーブル23による絶縁抵抗RL とイオンチェ
ンバ22への印加電圧V1 ,V2 とにより基準値IL1
=V1 /RL ,IL2’=V2 /RL をCPU50が演算
して求める。そして、基準値IL1’、IL2’に許容差α
を加味してIL1=I’±α、IL2=IL2’±αを判
定する。
【0062】リーク電流IL1,IL2が許容差αを逸脱す
る場合は、イオンチェンバ22またはケーブル23が異
常であると診断し、表示装置52に異常警報を出力す
る。このように本実施形態によれば、イオンチェンバ2
2の使用済み燃料集合体2からの照射線量測定範囲下限
における印加電圧V1 と照射線量測定範囲上限における
印加電圧V2 をイオンチェンバ22に与え、それらの出
力電流の関係を照射線量測定範囲上限時のリーク電流I
L2を加味して判定し、印加電圧をV1 またはV2 に設定
して測定するため、より少ない測定誤差で測定可能とな
る。
【0063】(第4の実施形態)第4の実施形態に係る
放射線計測装置は、前述した第1の実施形態と同じシス
テム構成である。チャンネル毎のイオンチェンバ22へ
の印加電圧の設定の仕方が相違する。ここでは、全チャ
ンネルの高圧電源33に対して適切な出力電圧を設定す
るまでの動作について説明する。
【0064】図7は、本実施形態において行う全チャン
ネルの高圧電源33に対して適切な出力電圧を設定する
までの手順を示している。第3の実施形態では、全チャ
ンネルの高圧電源33の設定電圧を決めるのに当たり、
照射線量測定範囲下限における印加電圧V1 と照射線量
測定範囲上限における印加電圧V2 とでリーク電流及び
出力電流を測定しているが、この実施形態では下限及び
上限の2つの印加電圧V1 、V2 だけでなく、下限及び
上限の間の多数の印加電圧V1 、V2 、…Vn を設定し
て、それぞれの印加電圧に対応したリーク電流IL1、I
L2、…ILnを測定する。この測定データはメモリ回路4
3に記憶する。
【0065】次に、機構部21に使用済み燃料集合体2
を装荷した後、上記した第3の実施形態と同様にして、
各イオンチェンバ22に対して下限側から順番に2つの
印加電圧V1 、V2 を設定して全チャンネルについて出
力電流I1 、I2 を測定し、測定データをメモリ回路4
3に記憶する。
【0066】CPU50では、これら測定データをメモ
リ回路43から読出し、各チャンネル毎に出力電流I
1 、I2 及びリーク電流IL2より判定を行う。この判定
の結果、I2 ≦I1 +IL2ならばイオンチェンバ22へ
の最終的な印加電圧をV1 に設定する。
【0067】一方、I2 >I1 +IL2ならば当該チャン
ネルのイオンチェンバ22への印加電圧をV3 に設定し
て、出力電流I3 を測定する。そして、該チャンネルの
出力電流I2 ,I3 及びリーク電流IL3より判定を行
う。I3 ≦I2 +IL3ならばイオンチェンバ22への最
終的な印加電圧をV2 に設定する。Im >Im-1 +ILm
の条件式が成立する限り、イオンチェンバ22への印加
電圧を上限側へ1つシフトさせていき出力電流Im を測
定し、同様の判定を実行する。
【0068】そして、m=nとなったならば、即ち当該
チャンネルについて上限の印加電圧Vn が印加され、I
n >In-1 +ILnとなったところで、当該チャンネルに
ついて最終的な印加電圧をVn に設定する。他のチャン
ネルについても同様の処理を実行して個々に最終的な印
加電圧を設定する。
【0069】以上のようにして、最終的に決定した各チ
ャンネルの設定電圧を高圧電源出力設定回路46から対
応するチャンネルの高圧電源33に設定した後、本来の
放射線測定を実施する。
【0070】また、イオンチェンバ22の印加電圧対リ
ーク電流特性の測定で得られたリーク電流ILmを以下の
処理により異常診断する。すなわち、イオンチェンバ2
2及びケーブル23による絶縁抵抗RL とイオンチェン
バ22への印加電圧Vm とにより基準値ILm’(=Vm
/RL )をCPU50が演算して求め、許容差αを加味
してILm=ILm’±αを判定する。mを1≦m≦nの範
囲で順に変化させて同様の判定を繰り返す。許容差αを
逸脱する場合は、イオンチェンバ22又はケーブル23
が異常であると診断し、表示装置52に異常警報を出力
する。
【0071】このように本実施形態によれば、上記第3
の実施形態において、イオンチェンバ22に印加する電
圧の数点を変えて設定して測定するため、さらに少ない
測定誤差で測定可能となる。
【0072】なお、使用済み燃料集合体2が機構部21
に装荷された時に測定するイオンチェンバ22の印加電
圧対出力電流特性及び使用済み燃料集合体2が機構部2
1に装荷される前に測定するイオンチェンバ22の印加
電圧対リーク出力電流特性は、測定時のイオンチェンバ
22へ印加する電圧をチャンネル個々に電圧を可変して
測定しても、また、全チャンネル一緒に電圧を可変して
もよい。本発明は上記実施形態に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施可
能である。
【0073】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、1
線式のイオンチェンバを用いた計測装置にて構成するこ
とが可能となり、次のような種々の効果を奏する。 (1)イオンチェンバと測定部間のケーブルが2線式の
イオンチェンバを用いた場合に比べて1/2となり、計
測装置の信頼性向上、メンテナンス性向上、小型化及び
コスト低減化が図れる。 (2)1線式のイオンチェンバを用いた時のリーク電流
の影響を無くして、精度の高い放射線測定を行うことが
できる。 (3)リーク電流の異常診断を行っていることから、信
頼性のある放射線測定を行う事ができる。 (4)使用済み燃料集合体の放射線計測装置に限らず、
放射線検出器としてイオンチェンバを用いた一般的な放
射線計測装置でも同様に、リーク電流の影響を無くして
精度高い放射線測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る放射線計測装置の全体構
成図である。
【図2】第1の実施形態に係る放射線計測装置のシステ
ム構成図である。
【図3】第1の実施形態における1チャンネルの測定部
及び信号処理回路の回路構成図である。
【図4】第1の実施形態における印加電圧設定のための
手順を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態における印加電圧設定のための
手順を示すフローチャートである。
【図6】第3の実施形態における印加電圧設定のための
手順を示すフローチャートである。
【図7】第4の実施形態における印加電圧設定のための
手順を示すフローチャートである。
【図8】1線式イオンチェンバを用いた測定系の構成図
である。
【図9】2線式イオンチェンバを用いた測定系の構成図
である。
【図10】印加電圧対出力電流特性を示す図である。
【符号の説明】
1…使用済み燃料集合体、21…機構部、22…1線式
イオンチェンバ、23…信号伝送ケーブル、24…計測
盤、25…測定部、26…信号処理部、31…直流増幅
器、32…帰還回路、33…高圧電源、34…絶縁増幅
器、41…入力側チャンネル選択回路、42…A/D変
換器、43…メモリ回路、45…レンジ切替設定回路、
46…高圧電源出力設定回路、47…出力側チャンネル
選択回路、50…CPU、52…表示装置。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済み燃料集合体を水中に浸漬し、当
    該使用済み燃料集合体から放射される放射線レベルを計
    測する放射線計測装置において、 前記使用済み燃料集合体を装荷する機構部と、この機構
    部内に設置される複数の一線式放射線検出器と、これら
    一線式放射線検出器に動作電圧を印加する複数の高圧電
    源と、前記一線式放射線検出器の出力電流を伝送する信
    号ケーブルと、前記一線式放射線検出器から前記信号ケ
    ーブルを通って送られてくる出力電流を測定する測定部
    と、この測定部からの信号を処理する信号処理部と、前
    記一線式放射線検出器の印加電圧対出力電流特性の測定
    データに基づいて、出力電流が少ない一線式放射線検出
    器には小電圧を印加するように対応する高圧電源の出力
    電圧を設定し、出力電流が多い一線式放射線検出器には
    高電圧を印加するように対応する高圧電源の出力電圧を
    設定する印加電圧設定手段とを具備したことを特徴とす
    る放射線計測装置。
  2. 【請求項2】 使用済み燃料集合体を水中に浸漬し、当
    該使用済み燃料集合体から放射される放射線レベルを計
    測する放射線計測装置において、 前記使用済み燃料集合体を装荷する機構部と、この機構
    部内に設置される複数の一線式放射線検出器と、これら
    一線式放射線検出器に動作電圧を印加する複数の高圧電
    源と、前記一線式放射線検出器の出力電流を伝送する信
    号ケーブルと、前記一線式放射線検出器から前記信号ケ
    ーブルを通って送られてくる出力電流を測定する測定部
    と、この測定部からの信号を処理する信号処理部と、運
    転員から前記一線式放射線検出器に対する印加電圧が指
    示入力される入力手段と、この入力手段から入力された
    印加電圧に対する測定誤差を該当する一線式放射線検出
    器の印加電圧対出力電流特性の測定データ及び印加電圧
    対リーク電流特性の測定データを参照して演算する測定
    誤差演算手段と、この測定誤差演算手段で計算した測定
    誤差と前記印加電圧対出力電流特性とを表示させる表示
    手段と、最終的に確定した印加電圧を該当する一線式放
    射線検出器の高圧電源に設定する印加電圧設定手段とを
    具備したことを特徴とする放射線計測装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の放射線計測装置におい
    て、 前記一線式放射線検出器とその出力電流を伝送する信号
    ケーブルとによる絶縁抵抗をRL 、当該一線式放射線検
    出器への印加電圧をVとし、絶縁抵抗RL 及び印加電圧
    Vで表されるIL ’=V/RL に許容差αを加えた値
    (IL ’±α)と、印加電圧対リーク電流特性から得ら
    れるリーク電流IL とを比較して異常診断を行う異常診
    断手段を具備したことを特徴とする放射線計測装置。
  4. 【請求項4】 使用済み燃料集合体を装荷する機構部
    と、この機構部内に設置される複数の一線式放射線検出
    器と、これら一線式放射線検出器に動作電圧を印加する
    複数の高圧電源と、前記一線式放射線検出器の出力電流
    を伝送する信号ケーブルと、前記一線式放射線検出器か
    ら前記信号ケーブルを通って送られてくる出力電流を測
    定する測定部と、この測定部からの信号を処理する信号
    処理部とを備えた放射線計測装置における検出器電圧設
    定方法において、 前記機構部に使用済み燃料集合体を装荷する前に、低照
    射線量により印加電圧対出力電流特性のプラトー範囲で
    の第1の印加電圧V1 を出力電圧として前記高圧電源に
    設定して第1の印加電圧V1 に対する前記一線式放射線
    検出器のリーク電流IL1を測定し、 前記機構部に使用済み燃料集合体を装荷する前に、高照
    射線量による印加電圧対出力電流特性のプラトー範囲で
    の第2の印加電圧V2 を出力電圧として前記高圧電源に
    設定して第2の印加電圧V2 に対する前記一線式放射線
    検出器のリーク電流IL2を測定し、 前記機構部に使用済み燃料集合体を装荷した状態で、第
    1の印加電圧V1 を前記高圧電源に設定して前記一線式
    放射線検出器の出力電流I1 を測定し、 前記機構部に使用済み燃料集合体を装荷した状態で、第
    2の印加電圧V2 を前記高圧電源に設定して前記一線式
    放射線検出器の出力電流I2 を測定し、 出力電流I2 が出力電流I1 にリーク電流IL2を加えた
    値よりも大きい場合には前記高圧電源に第2の印加電圧
    2 を設定し、出力電流I2 が出力電流I1にリーク電
    流IL2を加えた値よりも小さい場合には第1の印加電圧
    1 を前記高圧電源に設定することを特徴とする検出器
    電圧設定方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の検出器電圧設定方法にお
    いて、 前記機構部に使用済み燃料集合体を装荷する前に前記高
    圧電源に設定する印加電圧を第1〜第nの印加電圧V
    1 、V2 、…Vn にして、それぞれの印加電圧に対する
    リーク電流IL1、IL2、…ILnを測定し、 前記機構部に使用済み燃料集合体を装荷した状態で、第
    1〜第nの印加電圧V1 、V2 、…Vn を設定条件が成
    立するまで順に印加して対応する出力電流I1 ,I2
    …In を測定し、 Im ≦Im-1 +ILm(mは1≦m≦nの整数)の設定条
    件が成立すれば、該チャンネルの一線式放射線検出器に
    印加すべき印加電圧として対応する高圧電源に印加電圧
    m-1 を設定し、前記設定条件が成立するまで印加電圧
    m を順にシフトしていきIn >In-1 +ILnとなった
    ところで当該チャンネルの高圧電源に印加電圧Vn を設
    定することを特徴とする検出器電圧設定方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5記載の検出器電圧
    設定方法において、 前記一線式放射線検出器とその出力電流を伝送する信号
    ケーブルとによる絶縁抵抗をRL 、当該一線式放射線検
    出器への印加電圧をVm (mは1≦m≦nの整数)と
    し、絶縁抵抗RL 及び印加電圧Vm で表されるILm’=
    m /RL に許容差αを加えた値とリーク電流ILmとを
    比較して異常診断を行うことを特徴とする検出器電圧設
    定方法。
JP23562495A 1995-09-13 1995-09-13 放射線計測装置及び検出器電圧設定方法 Pending JPH0980157A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23562495A JPH0980157A (ja) 1995-09-13 1995-09-13 放射線計測装置及び検出器電圧設定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23562495A JPH0980157A (ja) 1995-09-13 1995-09-13 放射線計測装置及び検出器電圧設定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0980157A true JPH0980157A (ja) 1997-03-28

Family

ID=16988775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23562495A Pending JPH0980157A (ja) 1995-09-13 1995-09-13 放射線計測装置及び検出器電圧設定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0980157A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2561346B1 (en) * 2010-04-19 2020-07-01 Rapiscan Systems, Inc. Radioactive/nuclear threat monitoring using long detectors

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2561346B1 (en) * 2010-04-19 2020-07-01 Rapiscan Systems, Inc. Radioactive/nuclear threat monitoring using long detectors

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1390771B1 (en) Fuel cell voltage monitoring
Knobloch et al. Design of a high speed, high resolution thermometry system for 1.5 GHz superconducting radio frequency cavities
US4211926A (en) Tomographic imaging system
JP5085197B2 (ja) 起動領域モニタシステム検査試験装置
JPH0856160A (ja) Adコンバータの異常検出装置
US5448173A (en) Triple-probe plasma measuring apparatus for correcting space potential errors
JPH0980157A (ja) 放射線計測装置及び検出器電圧設定方法
JP2007285990A (ja) 原子炉出力監視装置及びその監視方法
JP2001133503A (ja) ノイズ検知方法及びこれを用いたメンテナンスシステム
JPS5817377A (ja) フラットケ−ブルの導通検査装置
JP2768793B2 (ja) 原子炉の出力領域中性子モニタ
US4529936A (en) Supply circuit including a pair of amplifying channels for an eddy current probe with two windings
JPS61155887A (ja) 放射線測定装置
JPS635859B2 (ja)
SU800904A1 (ru) Устройство дл контрол правильностиМОНТАжА
JPH0225159B2 (ja)
JPH0316635B2 (ja)
Power et al. Beam current measurements for LEDA
JPH0577277B2 (ja)
Yanagida et al. Installation of the Spring-8 linac BPM system
JPH0643244A (ja) 宇宙線計測装置
JPH051429B2 (ja)
JPS62231628A (ja) X線断層撮影装置
JPH1026668A (ja) 校正装置および中性子束測定装置
JPS599594A (ja) 放射線監視装置