JPH097928A - アライメント装置及びアライメント方法 - Google Patents

アライメント装置及びアライメント方法

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JPH097928A
JPH097928A JP17285495A JP17285495A JPH097928A JP H097928 A JPH097928 A JP H097928A JP 17285495 A JP17285495 A JP 17285495A JP 17285495 A JP17285495 A JP 17285495A JP H097928 A JPH097928 A JP H097928A
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JP17285495A
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Inventor
Masahiko Yasuda
雅彦 安田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マスク上のマークの位置変更に起因するアラ
イメント時間及びアライメント誤差の増大を防止するこ
と。 【構成】 各層のレチクルには、いずれもウエハ上の第
2マーク形成可能領域Waに対応するレチクル上の領域
全長に渡る同一領域AAに同一の第1マークAu が形成
されている。このため、いずれかの層の露光時に、何等
かの事情により、ウエハ上の第2マークWMu の打ち変
えが行なわれても、次の層のウエハとレチクルRの位置
合わせは、当該層のレチクル上の第1マークAu を何等
変更することなく行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アライメント装置及び
アライメント方法に係り、更に詳しくは、半導体集積回
路、液晶基板、薄膜磁気ヘッドの製造工程、特にリソグ
ラフィー工程における複数マスク(レチクル)のパター
ン像を感光基板上に順次重ねて投影する露光装置に用い
られるアライメント装置及びアライメント方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の大型化やパターンの微細化
に伴い、投影露光装置に対する性能向上の要求は年々厳
しくなっている。このような要求に応えるには、より広
フィールド、より高分解能な投影レンズとともに、より
高精度なアライメント装置の開発が不可欠である。
【0003】従来から知られている高精度なアライメン
ト方法の一つとして、レチクル(マスク)上のマークと
ウエハ上の各ショット領域のマークとを逐次検出してア
ライメントと焼き付けを行う、TTR(スルー・ザ・レ
チクル)アライメント方式のダイ・バイ・ダイ露光モー
ドが挙げられる。
【0004】この種のアライメント方式では、例えば特
開平4−45512号公報で開示されているように、予
め位置関係が定められた、ウエハ上の各ショット領域に
前もって形成されたマークWmとレチクル上のマークR
mとを同時に検出し、アライメントを行う。従って、各
レイア(層)に用いられる複数のレチクルR(各レイア
を形成するために使用される複数のレチクルR)の各々
には、図8に示されるように、ウエハ上のマークWmに
対応する位置(例えば、パターン領域PAを区画する遮
光体ESBの外側の所定の位置)に一対のマルチバーマ
ークから成るマークRmが形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術では、一つのショット領域のマークWmに
対して、一つのレチクル上のマークRmを対応させてい
るため、リソグラフィー工程のレイア(層)に応じてシ
ョット領域のマークWmを打ち換えて使う際には(前回
の露光の際に、アライメントに使用したWmとは異なる
位置に、新たにWmを露光により形成して使う際に
は)、打ち換えたマークの位置に合せてレチクル上のマ
ークRmの位置も同時に変えてやる必要があり、このマ
ークRmの位置変更が面倒であると共に位置変更後のマ
ークRmに誤差が生じ易くなるという不都合があった。
【0006】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その目的は、特にマスク上のマークの位置変更を不
要として、マークの打ち変えに起因するアライメント誤
差の発生を回避することができるアライメント装置及び
アライメント方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
複数のマスクのパターン像を感光基板上に順次重ねて投
影する露光装置に用いられ、第1の波長特性の光で照明
された前記マスクのパターン像を前記感光基板上に結像
投影する投影光学系と、前記マスク上の第1マークが形
成された第1マーク領域と前記投影光学系とを介して前
記第1の波長特性と異なる第2の波長特性の光を前記感
光基板上の第2マークが形成された前記第1マーク領域
に対応する第2マーク領域に照射すると共に、前記第1
マーク領域から生じる光情報と前記第2マーク領域から
生じる光情報とを同時に検出する検出手段とを備えたア
ライメント装置において、前記複数のマスクには、いず
れも前記感光基板上の第2マーク形成可能領域に対応す
る前記マスク上の領域全長に渡る同一領域に同一の第1
マークが形成されていることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、第1の波長特性の
光で照明されたマスクのパターン像を感光基板上に結像
投影する投影光学系を備え、複数のマスクを順次取り替
え、各マスクのパターン像を前記投影光学系を用いて感
光基板上に順次重ねて投影する露光装置に用いられるア
ライメント方法であって、前記各マスクには、いずれも
前記感光基板上の第2マーク形成可能領域に対応する前
記マスク上の領域全長に渡る同一領域に同一の第1マー
クが予め形成されており、前記マスク上の第1マークが
形成された第1マーク領域と前記投影光学系とを介して
前記第1の波長特性と異なる第2の波長特性の光を前記
第1マークに対応する基準板上の第1基準マークに照射
すると共に、前記第1マーク領域から生じる光情報と前
記第1基準マークから生じる光情報とを同時に検出する
第1の工程と;前記第1の工程と並行してマスク上の第
3マークが形成された第3マーク領域と前記投影光学系
とを介して前記第1の波長特性の光を基準板上の第2基
準マークに照射すると共に、前記第3マーク領域から生
じる光情報と前記第2基準マークから生じる光情報とを
同時に検出する第2の工程と;前記マスク上の第1マー
クが形成された第1マーク領域と前記投影光学系とを介
して前記第2の波長特性の光を前記感光基板上に形成さ
れた1又は2以上の第2マークに照射すると共に、前記
第1マーク領域から生じる光情報と前記第2マークから
生じる光情報とを同時に検出し、この検出結果と前記第
2の工程で得られた検出結果とに基づいて、前記感光基
板とマスクとのアライメントを行なう第3の工程とを含
む。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明によれば、2回目以後の露
光時に、検出手段では、マスク上の第1マークが形成さ
れた第1マーク領域と投影光学系とを介して第1の波長
特性と異なる第2の波長特性の光を感光基板上の第2マ
ークが形成された前記第1マーク領域に対応する第2マ
ーク領域に照射すると共に、第1マーク領域から生じる
光情報と第2マーク領域から生じる光情報とを同時に検
出する。このようにして、各マーク領域から生じる光情
報に基づいて感光基板とマスクとの位置合わせが行なわ
れる。このような感光基板とマスクとの位置合わせが、
第1の波長特性の光で照明された各層を形成するための
マスクのパターン像が投影光学系により感光基板上に結
像投影される前に行なわれる。
【0010】この場合において、いずれかの層を形成す
るための露光時に、何等かの事情により、感光基板上の
第2マークの打ち変えが行なわれても、各層を形成する
ためのマスクには、いずれも感光基板上の第2マーク形
成可能領域に対応するマスク上の領域全長に渡る同一領
域に同一の第1マークが形成されていることから、次の
露光の際(次の層を形成するための露光の際)、感光基
板とマスクの位置合わせは、当該層のマスク上の第1マ
ークを何等変更することなく行なうことができる。
【0011】請求項2記載の発明によれば、第1の工程
において、各層のマスクには、いずれも感光基板上の第
2マーク形成可能領域に対応するマスク上の領域全長に
渡る同一領域に同一の第1マークが予め形成されてい
る。
【0012】第1層目の露光が終了し、第2層目以後の
露光時には、第2の工程において、マスクを取り替え、
マスク上の第1マークが形成された第1マーク領域と投
影光学系とを介して第1の波長特性と異なる第2の波長
特性の光を第1マークに対応する基準板上の第1基準マ
ークに照射すると共に、第1マーク領域から生じる光情
報と前記第1基準マークから生じる光情報とを同時に検
出し、これと並行してマスク上の第3マークが形成され
た第3マーク領域と投影光学系とを介して第1の波長特
性の光を基準板上の第2基準マークに照射すると共に、
第3マーク領域から生じる光情報と第2基準マークから
生じる光情報とを同時に検出する。
【0013】即ち、第2の波長特性の光の下での基準板
上の第1基準マークとマスク上の第1マークから生じる
光情報の検出がマスク及び投影光学系を介して同時に行
なわれ、これと並行して第1の波長特性の光(露光光)
の下での基準板上の第2基準マークとマスク上の第3マ
ークから生じる光情報の検出がマスク及び投影光学系を
介して同時に行なわれる。これにより、第1の波長特性
の光の下での投影光学系の第3マーク位置におけるオフ
セット量の計測、いわゆるベースライン計測が行なわれ
る。
【0014】第3の工程において、マスク上の第1マー
クが形成された第1マーク領域と投影光学系とを介して
第2の波長特性の光を感光基板上に前層露光時までに形
成された1又は2以上の第2マークに照射すると共に、
第1マーク領域から生じる光情報と第2の波長特性の光
が照射された第2マークから生じる光情報とを同時に検
出し、この検出結果と第2の工程で得られた検出結果
(ベースライン計測の結果)を考慮して感光基板とマス
クとのアライメントを行なう。
【0015】従って、請求項1記載の発明と同様に、何
等かの事情により、ある層の露光時に感光基板上の第2
マークの打ち変えが行なわれても、次の層を形成する際
の感光基板とマスクのアライメント(位置合わせ)は、
当該層のマスク上の第1マークを何等変更することなく
行なうことができ、しかもベースライン計測が行なわれ
ているので、第3工程ではより正確なアライメントが行
なわれる。
【0016】これに加え、2層目以後を形成するための
マスクと感光基板とのアライメントは、その層のマスク
上の第1マークが形成された第1マーク領域と投影光学
系とを介して前層露光時までに感光基板上に形成された
第2マークが存在する第2マーク領域に第2の波長特性
の光を照射することにより行なわれる。従って、その層
と関係が密接な層における感光基板上に形成された第2
マークを選択してその第2マークが存在する第2マーク
領域にのみ第2の波長特性の光を照射して第1マーク領
域から生じる光情報とこの特定の第2マーク領域から生
じる光情報とを同時に検出し、この検出した情報に基づ
いてその層のマスクと感光基板とを位置合わせすること
が可能となる。すなわち、マスク上の第1マークが、全
てのウエハ上の第2マークに対応できるように作られて
いるため、これから露光しようとする層と既に形成され
た他の層との意味合いに応じて、これから露光しようと
する層に対して位置合わせすることが最も望ましい他の
層に形成された第2マークを選択することが可能とな
る。
【0017】あるいは、それまでに感光基板上に形成さ
れた全ての第2マークが存在する全ての第2マーク領域
に第2の波長特性の光を照射して第1マーク領域から生
じる光情報と全ての第2マーク領域から生じる光情報と
を同時に検出し、この検出した情報に基づいてその層を
形成するためのマスクと感光基板とを位置合わせしても
良い。
【0018】
【実施例】以下、本発明に係るアライメント装置が適用
された一実施例の縮小投影型露光装置(ステッパー)に
ついて、図1ないし図7に基づいて説明する。
【0019】図1には、一実施例に係る縮小投影型露光
装置10の構成が概略的に示されている。この縮小投影
型露光装置10は、図1の紙面に直交する基準平面内を
2次元方向(X、Y方向)に移動するXYステージST
と、このXYステージSTの上方に配置されその光軸A
Xが前記基準平面にほぼ直交する投影光学系としての投
影レンズPLと、この投影レンズPLの上方に配置され
たマスクとしてのレチクルRと、このレチクルRの微動
調整系と、XYステージ移動制御系と、検出手段として
の別波長TTR(スルーザレチクル)アライメント系1
2と、露光光TTRアライメント系14と、レチクルR
の上方に45°に斜設されたダイクロイックミラーDM
と、主制御装置16と、を備えている。
【0020】XYステージSTは、モータ18によって
基準平面内をX、Y方向に移動されるようになってお
り、このXYステージST上には感光基板としてのウエ
ハWと基準板FP(これについては、後述する)とが保
持されている。このXYステージSTの座標位置はレー
ザ干渉計20によって逐次計測される。このXYステー
ジSTの位置決めは、レーザ干渉計20の計測値をモニ
タしてモータ18を駆動するステージドライバ回路22
によって行われる。即ち、本実施例では、モータ18、
レーザ干渉計20、及びステージドライバ回路22によ
って、XYステージ移動制御系が構成されている。
【0021】ステージドライバ回路22は主制御装置1
6からの指令に基づいてXYステージSTの移動や位置
決めを制御する。
【0022】前記投影レンズPLは、露光用照明系(図
示省略)から露光光(第1の波長特性の光)がダイクロ
イックミラーDMで反射され、光軸AXに沿って進んで
くると、その露光光で照明されたレチクルRのパターン
像をウエハW上に結像投影する。なお、ダイクロイック
ミラーDMは、露光光をほぼ90%以上反射させて、レ
チクルRのパターン領域PA(図2参照)へ向かわせ
る。
【0023】レチクルRは2次元(X,Y,θ方向)に
微小移動するレチクルステージRS上に保持され、レチ
クルステージRSは駆動部24によって位置決めされ
る。即ち、本実施例では、レチクルステージRSと駆動
部24とによって、レチクル微動調整系が構成されてい
る。駆動部24も主制御装置16からの指令に基づいて
レチクルステージRSの移動を制御する。
【0024】ここで、レチクルR上のアライメントマー
クの構成について、図2に基づいて説明する。図2に示
されるように、レチクルRの回路パターン領域PAの外
周には一定幅の遮光帯ESBが形成されているが、この
遮光帯ESBのやや外側に、所定長さの第1マークAu
、Ad 、Al 、Ar がそれぞれ形成されている。これ
らの第1マークAu 、Ad 、Al 、Ar は、一定間隔で
遮光帯ESBに沿って配置された多数のバーマーク(格
子マーク)から構成されている。この内、第1マークA
u 、Ad は、X方向のアライメントに使用され、第1マ
ークAl 、Ar はY方向のアライメントに使用される。
【0025】また、パターン領域PAの中心Rccを通る
X軸方向の延長線上には、第1マークAl 、Ar の外側
で中心Rccに対して対象となる位置に、後述するベース
ライン計測の際に露光光TTRアライメント系14で検
出するための十字線状の第3マークRMl とRMr とが
設けられている。
【0026】以上説明した各種のレチクルマークは、本
実施例ではいずれの層(レイヤー)用のレチクルRにも
予め同一位置に形成されている。
【0027】次に、別波長TTRアライメント系12に
ついて、図1に基づいて説明する。この別波長TTRア
ライメント系12は、実際には、ダイクロイックミラー
DMの上方に4眼(対物レンズの数)で構築されるが
(図7参照)、図1ではそのうち1眼(対物レンズOB
Ju )に相当する系のみが示されている。
【0028】図1において、別波長TTRアライメント
系12は、駆動部26、対物レンズOBJu 、ミラーM
1 、レーザ光源28、2光束化周波シフターユニット3
0、ビームスプリッタ32、集光レンズ(逆フーリエ変
換レンズ)34、参照格子36、光電素子38、ビーム
スプリッタ40、集光レンズ系42、ビームスプリッタ
43、レチクル用基準格子板44、視野絞り46、光電
素子48、ミラー50、集光レンズ52、光電素子5
4、及び位相差計測ユニット56を含んで構成されてい
る。
【0029】ここで、この別波長TTRアライメント系
12について構成各部の作用と共に説明する。
【0030】テレセントリックな対物レンズOBJu と
ミラーM1 とは、金物58に保持され、駆動部26によ
ってX、Y方向に移動する。対物レンズOBJu はダイ
クロイックミラーDMと干渉しないように、かつレチク
ルRに対してその光軸が垂直になるように配置される。
【0031】別波長アライメント用の照明光(第2の波
長特性の光)は、ヘリウム−ネオン、又はアルゴンイオ
ン等のレーザ光源28から直線偏光ビームLBとして射
出され、2光束化周波シフターユニット30に入射す
る。2光束化周波シフターユニット30内には、ビーム
LBを2つに分割し、分割された2つのビームのそれぞ
れに高周波変調(周波数シフト)を加える2つのAOM
(音響光学変調器)60A、60Bや周波数シフトされ
た各ビームを収れんする小レンズ62A、62B等が設
けられている。AOM60Aは周波数f1 (例えば80
MHZ )でドライブされ、その1次回析ビームLB1 が
小レンズ62Aを介して取り出され、AOM60Bは周
波数f2 (例えば80.03MHZ )でドライブされ、
その1次回析ビームLB2 が小レンズ62Bを介して取
り出される。2本のビームLB1 、LB2 の各主光線は
アライメント系の光軸AXaと平行に、かつ対称に定め
られ、ビームスプリッタ32でともに2つに分けられ
る。ビームスプリッタ32を通過した分割ビームLr1、
Lr2は、集光レンズ34によって後側焦点面で交差する
平行光束に変換される。その後側焦点面には参照格子3
6が配置され、ここには2つのビームLr1、Lr2の交差
角と波長とに応じたピッチの干渉縞が作られる。この干
渉縞は2つのビームLr1、Lr2の周波数差Δf(30K
HZ )に応じた速度で参照格子36上を一方向に移動す
る。参照格子36上には、干渉縞のピッチと等しいピッ
チの透過型の回析格子が縞と平行に設けられている。従
って、参照格子36からは、ビームLr1と同方向に進む
ビームLr1の0次光とビームLr2から作られた1次光と
の干渉光DR1 と、ビームLr2と同方向に進むビームL
r2の0次光とビームLr1から作られた1次光との干渉光
DR2 とが発生し、光電素子38はこれら干渉光DR1
、DR2 の光量を検出する。ここで干渉光DR1 、D
R2 は周波数差Δf(30KHZ )、すなわちビート周
波数で正弦波状に強度変化し、光電素子38からの出力
信号SRは30KHZ の交流信号になる。この信号SR
がアライメントの時の位相比較の基準信号となる。
【0032】これを更に詳述すると、2本のビームLB
1 、LB2 は小レンズ62A、62Bの作用によってレ
ンズ34の前側焦点面と一致したフーリエ面(以下、説
明の便宜上「面EPa」という)にそれぞれ集光される
ビームウエストが形成される。ビームLr1、Lr2はレン
ズ34からそれぞれ平行光束となって参照格子36上で
交差する。なお、ビームLr1、Lr2の面EPaの内での
位置は、アライメント系の光軸AXaを挟んで対称に定
められ、光軸AXaからの距離がビームLr1、Lr2の参
照格子36に対する入射角θを決定する。
【0033】ここで一般的な解析理論に従うと、波長λ
のコヒーレント光とピッチPgの一次元回析格子とによ
って決まる±1次回析光の0次光に対する回析角αは、
sinα=λ/Pgによって一義的に決まる。そこでビ
ームLr1の0次光(干渉光DR1 )に対して1次回析光
の回析角αが丁度2θになるように参照格子36の格子
ピッチPgを設定してやると、その1次回析光はビーム
Lr2の0次光(干渉光DR2 )と同軸に発生する。この
時、参照格子36上にできる干渉縞のピッチは格子ピッ
チPgと等しくなる。
【0034】また光電素子38は、実際には、2つの干
渉光DR1 、DR2 を個別に受光する2つの受光面を有
し、各受光面からの光電信号が図示しない加算器によっ
てアナログ的に加算され、基準信号SRとして出力され
ている。
【0035】一方、ビームスプリッタ32で反射された
2本のビームLm1、Lm2は、さらにビームスプリッタ4
0で反射され、ミラーM1 を介して対物レンズOBJu
に入射する。対物レンズOBJu は2本のビームLm1、
Lm2を空間中の面IPで交差する平行光束に変換する。
面IPは、レチクルRから投影レンズPLの光軸AX方
向に軸上色収差量ΔLだけ離れており、アライメント用
照明ビームLBの波長(λZ )のもとではウエハW、又
は基準板FPと共役な面である。面IPで交差した2本
のビームLm1、Lm2は、レチクルR上の第1マークAu
が形成された第1マーク領域AAでは互いに分離した領
域Aua、Aubを通り(図3、図4参照)、投影レンズP
Lの瞳EPでビームウエストになった後、基準板FP
(又はウエハW)上では再び平行光束になって交差す
る。
【0036】図3は、ビームLm1、Lm2の様子を示す光
路図であり、対物レンズOBJu の前側焦点面は前述し
た面EPaと一致しており、2つのビームLm1、Lm2は
そこでビームウエストになる。対物レンズOBJu から
射出した2本のビームLm1、Lm2はともに平行光束とな
って面IP、すなわち対物レンズOBJu の後側焦点面
で交差する。その後、ビームLm1はレチクルR上に形成
された第1マークAuの一部の格子マークAu1(図4参
照)が形成された所定領域Auaを照射するとともに透明
部を通過して投影レンズPLに入射し、再び平行光束と
なって基準板FP上の第1基準マークFu(又はウエハ
W上の第2マークWMu )内の格子を斜めに照射する。
【0037】ビームLm2も同様にして、レチクルR上に
形成された第1マークAu の一部の格子マークAu2が形
成された所定領域Aubを照射するとともに透明部を通過
して基準板FP上の第1基準マークFu(又はウエハW
上の第2マークWMu )内の格子をビームLm1と光軸A
Xに対して対称な方向から斜めに照射する。
【0038】この図3に示されるように、2本のビーム
Lm1、Lm2は瞳空間(対物レンズOBJu と小レンズ6
2A、62Bとの間、及び投影レンズPLの内部)では
収れん光束であるとともに主光線が光軸AXaと平行に
なり、像空間(対物レンズOBJu と投影レンズPLの
間、及び投影レンズPLと基準板FP、又はウエハWと
の間)では平行光束であるとともに主光線が焦点面(像
面)で交差する。
【0039】さて、基準板FP上の第1基準マークFu
からは、垂直方向に干渉光BTが生ずる。干渉光BT
は、ビームLm1の照射により第1基準マークFuから垂
直に発生した1次回析光と、ビームLm2の照射により第
1基準マークFuから垂直に発生した1次回析光とが干
渉したものであり、像空間では平行光束である。この干
渉光BTは投影レンズPLの瞳EPの中心でビームウエ
ストに収れんした後、レチクルRの第1マーク領域AA
内の中央の透明部(領域Aua、Aubの間)を平行光束と
なって通過し、対物レンズOBJu の光軸AXaに沿っ
て逆進する。干渉光BTは対物レンズOBJu の前側焦
点面、すなわち投影レンズPLの瞳EPと共役な面EP
aの中心で再びビームウエストに収れんし、図1中のミ
ラーM1 、ビームスプリッタ40の順に受光系の方へ戻
る。
【0040】ウエハ上の第2マークWMu は、アライメ
ント用波長のもとでは、図4の第1マーク領域AA内の
領域Aua、Aubとの間のWMu'の部分に位置する。な
お、図4に示されるように、第1マークAu は、ウエハ
W上の第2マークWMu の形成可能領域(打ち変えられ
る可能性がある領域)Wa に対応するレチクルR上の領
域全長に渡って形成されている。他の第1マークAd 、
Al 、Ar についても同様である。
【0041】2本のビームLm1、Lm2は第1マークAu
が形成された第1マーク領域AA中の図4に示される矩
形領域AuaとAubのそれぞれを矩形形状で別々に照明す
るが、矩形領域AuaとAubのパターン領域PA側に隣接
した透明部をそれぞれ通過したビームLm1、Lm2は、前
述の如く、ウエハマークWMu を照射する。このマーク
WMu から垂直に発生する干渉光BTはレチクルR上で
は図4の部分WMu'を通って対物レンズOBJu へ戻
る。
【0042】さて、図3において、ビームLm1、Lm2が
第1マークAu の一部Au1、Au2をそれぞれ照射する
と、0次光D01、D02とともに高次回析光が反射してく
る。本実施例では、ビームLm1(Lm2)の第1マークA
u の一部Au1(Au2)への入射角θ’に対して1次回析
光の0次光D01(D02)に対する回析角が丁度2θ’に
なるように、第1マークAu のピッチを定める。それに
よって、第1マークAuの一部Au1からはビームLm1の
光路をそのまま逆進する1次回析光D11(周波数シフト
f1 )が発生し、第1マークAuの一部Au2からはビー
ムLm2の光路をそのまま逆進する1次回析光D12(周波
数シフトf2 )が発生する。従ってこれら1次回折光D
11、D12も干渉光BTとともに対物レンズOBJu を介
して受光系へ戻る。
【0043】ここで、図1に戻って説明すると、干渉光
BTと1次回析光D11,D12はビームスプリッタ40を
透過して集光レンズ系42に入射する。レンズ系42は
逆フーリエ変換レンズでもあり、干渉光BTと1次回析
光D11、D12をともに平行光束に変換するとともに、そ
の焦点面(像共役面)でそれらを交差させる。レンズ系
42を通った各ビームはビームスプリッタ43で2つに
分けられ、透過した方はレチクル用基準格子板44に達
し、反射した方は視野絞り46に達する。基準格子板4
4と視野絞り46はともに面IP(基準板FP、又はウ
エハWとの共役面)と共役である。従って、基準格子板
44では、1次回析光D11、D12が交差し、その交差領
域内には干渉縞ができる。この干渉縞は当然、ビート周
波数Δf(30KHZ )で一次元に流れている。
【0044】そこで、図5(A)に示されるように、ク
ロム層で覆われた基準格子板44上に透過型の回折格子
44Aを設け、この格子44Aから同軸に発生する回折
光同士の干渉光BTrを光電素子48で受光する。
【0045】これを更に詳述すると、基準格子板44は
像共役であるため、面IP、ウエハマークWMu (又は
基準板FP表面)と共役であり、干渉光BTも1次回折
光D11、D12とともに入射してくる。しかしながらウエ
ハマークWMu と第1マークAu の領域Aua、Aub内に
存在する部分Au1、Au2とはX−Y平面内で横ずれして
配置されているため、基準格子板44上では図5(A)
に示されるように、2つの1次回折光D11、D12が交差
する格子44Aの横の部分(遮光部)44Bに干渉光B
Tが戻ってくる。
【0046】従って、基準格子板44上での格子44A
の位置や大きさを、第1マークAuの大きさと合せてお
くだけで、ウエハマークWMu からの干渉光BTを遮光
することができる。
【0047】基準格子板44の格子44Aを照明した1
次回折光D11、D12の各0次光BT0 は光電素子23か
らはずれるように進み、格子44Aから垂直に発生する
1次回折光同士の干渉光BTrのみが光電素子48に受
光される。この方式は図3中に示したウエハマークWM
u からの干渉光BTの取り方と同じであって、この場
合、ウエハマークWMu 又は格子44Aの格子ピッチ
は、そこの上にできる干渉縞のピッチの丁度2倍になっ
ている。
【0048】こうして光電素子48に受光された干渉光
BTrはビート周波数Δf(30KHZ )で正弦波状に
強度変化しており、光電素子48の出力信号Smは、参
照格子36を基準とした第1マークAu のピッチの方向
の変位量に応じて基準信号SRに対する位相差がリニア
に変化する交流信号となる。
【0049】一方、ビームスプリッタ43で反射された
干渉光BTと1次回折光D11、D12は視野絞り46に達
するが、この絞り46は図5(B)に示されるように干
渉光BTのみを通す開口部46Aが形成されていて、2
つの1次回折光D11、D12は遮光部46Bで遮蔽され
る。
【0050】視野絞り46を通過した干渉光BTはミラ
ー50、集光レンズ52を介して光電素子54に達す
る。光電素子54は干渉光BTの強度変化に応じた出力
信号Swを発生する。この信号Swもビート周波数Δf
で正弦波状にレベル変化する交流信号となり、ウエハW
上のマークWMu 、又は基準板FP上の第1基準マーク
Fuの参照格子36に対する偏位量に比例して基準信号
SRに対する位相が変化する。
【0051】以上の基準信号SR、出力信号Sm、Sw
のそれぞれは位相差計測ユニット56に入力し、位相差
計測ユニット56は基準信号SRに対する出力信号Sm
の位相差φmと、基準信号SRに対する出力信号Swの
位相差φwとを求め、さらにその差Δφ=φm−φwを
算出する。本実施例の場合、基準板FP(又はウエハ
W)上での回折格子ピッチが、そこに作られる干渉縞ピ
ッチの2倍になっているため、位相差Δφの1周期(±
180°)は回折格子ピッチの1/2(±1/4ピッ
チ)に対応している。この位相差Δφに基づいて位相差
計測ユニット56はウエハステージST、又はレチクル
ステージRSの位置補正量(位置ずれ量)ΔX、ΔYを
算出し、その値を主制御装置16へ送る。
【0052】次に、露光光TTRアライメント系14に
ついて説明する。この露光光TTRアライメント系14
は、実際には対物レンズOBr 、OBl に相当する系の
2つが設けられるが(図7参照)、図1では対物レンズ
OBr に相当する系(レチクルR上の第3マークRMr
を検出するための系)のみが示されている。
【0053】この露光光TTRアライメント系14は、
ミラーM2 、対物レンズOBr 、ビームスプリッタ6
4、レンズ系66、照明視野絞り68、コンデンサレン
ズ70、ファイバー72、結像用レンズ74、ビームス
プリッタ76、及びCCD撮像素子78A、78Bから
なる。
【0054】これをさらに詳述すると、ファイバー72
は露光波長の照明光(第1の波長特性の光)を射出し、
コンデンサレンズ70を介して絞り68を一様に照射す
る。絞り68の開口を通った照明光はレンズ系66、ビ
ームスプリッタ64を介して対物レンズOBr に入射
し、さらにミラーM2 で垂直に折り曲げられた後レチク
ルRの第3マークRMr を含む局所領域を照射する。
【0055】ここで絞り68はレチクルRと共役であ
り、レチクルR上には絞り68の開口像が結像する。ま
たビームスプリッタ64はテレセントリックな対物レン
ズOBr の前側焦点面、すなわち投影レンズPLの瞳E
Pと共役な面の近傍に配置され、対物レンズOBr から
戻ってくる光の一部を結像用レンズ74の方へ反射す
る。CCD撮像素子78A、78Bの受光面は対物レン
ズOBr 、結像用レンズ74によってレチクルRと共益
であり同時に投影レンズPLを介してウエハW、又は基
準板FPとも共役である。なお、ファイバー72の射出
端は投影レンズPLの瞳EPと共役に配置されケーラー
照明が行われる。
【0056】さて、CCD素子78A、78Bは、それ
ぞれ水平走査線がX方向とY方向になるように、互いに
90°回されており、十字線状の第3マークRMr のX
方向の位置計測とY方向の位置計測とを別々に行う。こ
れは通常のCCD素子では、水平方向と垂直方向の画素
分解能が異なるため、単一のCCD素子で水平方向と垂
直方向の両方のマーク像のずれを検出したときの分解能
の違いをさけるためで画像処理ユニット80は、CCD
素子78A、78Bのそれぞれからの画像信号(ビデオ
信号)を入力して、基板板FP上の第2基準マークFM
r とレチクルR上のマークRMr との位置ずれ量を検出
し、この位置ずれ量の情報を主制御装置16に送る。
【0057】以上の構成の他に、ウエハW上のグローバ
ルアライメントマーク、レジスト層中の潜像、あるいは
基準板FP上の各基準マークを検出するオフ・アクシス
方式のグローバルマーク検出系82と、その処理ユニッ
ト84とが設けられている。
【0058】次に、基準板FP上の各マーク配置及び各
マークの観察方法について、図6に基づいて説明する。
【0059】この基準板FP上には、X方向の左右に二
重十字線状の第2基準マークFMr、FMl が設けられ
ている。この2つの第2基準マークFMr 、FMl の中
心間距離はレチクルR上の第3マークRMr 、RMl の
中心間距離に投影倍率(1/M)を乗じた値と等しく定
められる。従って、基準板FPの中心Fccをレチクル中
心Rccの投影点と合致させると、マークFMr の二重線
の間にレチクルマークRMr が位置した状態で、それら
が同時に露光光TTRアライメント系の対物レンズOB
r によって観察され、マークFMl の二重線の間にレチ
クルマークRMl が位置した状態で、それらが同時に露
光光TTRアライメント系の対物レンズOBJl によっ
て観察される。
【0060】さらに基準板FP上には、その中心Fccと
レチクル中心Rccとを合致させたとき、4つの別波長T
TRアライメント系12の対物レンズOBJu 、OBJ
d 、OBJr 、OBJl (図7参照)の可動範囲の各々
に対応した位置、及び大きさになるように回折格子を刻
線した第1基準マークFu 、Fd 、Fr 、Fl が設けら
れている。例えば、第1基準マークFu としては、ウエ
ハW上の第2マークMWuと同じに、X方向に一定ピッ
チで刻線された格子群が形成され、レチクルR上の第1
マークAu とのX方向の相対位置ずれの検出に使われ
る。他の第1基準マークFd 、Fr 、Fl についても同
様である。
【0061】本実施例の場合は、各層用のレチクルRに
は、第1マークAu 、Ad 、Ar 、Al が、図2に示さ
れる位置と同一の位置に予め設けられているので、レチ
クルRが交換されても、第1マークAu と第1基準マー
クFu のX方向のずれ、第1マークAd と第1基準マー
クFd のX方向のずれ、第1マークAr と第1基準マー
クFr のY方向のずれ、第1マークAl と第1基準マー
クFl のY方向のずれを4眼(OBJu 、OBJd 、O
BJr 、OBJl )で同時に検出することができる。
【0062】また、図6中で、左右の第1基準マークF
r とFl を構成する複数の格子はY方向に関して一対一
に対応しており、上下の第1基準マークFu とFd を構
成する複数の格子はX方向に関して一対一に対応してい
る。
【0063】次に、上述の縮小投影型露光装置10を構
成する露光光TTRアライメント系14と別波長TTR
アライメント系12とのベースライン計測を説明する。
【0064】初めに、任意のレチクル(例えば図2)を
レチクルステージRS上にセットし、露光光TTRアラ
イメント系14のCCD素子78A、78Bを用いて、
レチクルマーク(第3マーク)RMr 、RMl と基準板
FPの第2基準マークFMr、FMl を撮像すること
で、レチクルアライメントを行う。なお、このとき、図
7に示されるように、第3マークRMr の位置に対物レ
ンズOBr が配置され、第3マークRMl の位置に対物
レンズOBl が配置される。
【0065】次に、図7に示されるように、4つの別波
長TTRアライメント系12の対物レンズOBJu 、O
BJd 、、OBJr 、OBJl (金物11)を、各第1
マークAu 、Ad 、Ar 、Al のそれぞれに対応した位
置にセットした後、基準板FP上の各基準マークFu 、
Fd 、Fr 、Fl を用いて各方向での2つのビームLm
1、Lm2の照射位置のずれや、2つのビームLm1、Lm2
のテレセン誤差をチェックする。そのチェックが終了す
ると、その位置で4つの別波長TTRアライメント系1
2のそれぞれがレチクルRと基準板FPとの相対位置ず
れ量を求める。すなわち第1基準マークFu (及びFd
)とレチクルマーク(第1マーク)Au (及びAd)と
のX方向のずれ量と、第1基準マークFr (及びFl )
とレチクルマークAr (及びAl)とのY方向のずれ量
を位相差計測ユニット56を介して検出する。
【0066】主制御装置16は、検出されたずれ量に基
づいて駆動部24、又はステージドライバー回路22を
制御して、レチクルステージRS、又はXYステージS
Tをサーボ駆動する。本実施例の別波長TTRアライメ
ント系12は、レチクルマーク(第1マーク)と第1基
準マークとが静止した状態であっても、その相対位置ず
れ量が逐次計測できるヘテロダイン方式であるため、位
相差計測ユニット56は逐次、位置ずれ量に応じた情報
(X方向、Y方向のシフト、回転方向のずれ量)を出力
し続ける。
【0067】従って、4つの別波長TTRアライメント
系12の位相差計測ユニット56によって計測されたす
べての位相差Δφが零(又は一定値)になるように、レ
チクルRと基準板FPとがアライメントされ続ける。
【0068】この別波長TTRアライメントの間、露光
光TTRアライメント系14の画像処理ユニット80は
第3マークRMr と第2基準マークFMr とのX、Y方
向の位置ずれ量(ΔXr、ΔYr)と、第3マークRM
l と第2基準マークFMl とのX、Y方向の位置ずれ量
(ΔXl、ΔYl)とを逐次(一定時間間隔で)出力し
続ける。ただし、ディストーションが大きい場合は、設
計値でそれによるずれ量を予めオフセット量として加え
ておく。
【0069】こうして露光光TTRアライメント系14
で求められるずれ量(ΔXr、ΔYr)、(ΔXl、Δ
Yl)は、別波長と露光光波長とのアライメント位置
(マークAu 、Ad、Ar 、Al)でのディストーショ
ン差の平均に相当する。ここでさらに具体的に述べる
と、計測ユニット56によってレチクルマークAu
(基準マークFu )とAd(基準マークFd )の2つを
検出した結果、それらの位相差Δφがともに零になって
いたとき、画像処理ユニット80が検出した位置ずれ量
(ΔXr、ΔYr)、(ΔXl、ΔYl)を記憶するこ
とを複数回行ない、その記憶した結果を平均化すること
でレチクルRと基準板FPとのディストーション差によ
る総合的なアライメント誤差(X、Y、θ方向)が求め
られる。
【0070】本実施例の場合、別波長TTRアライメン
ト系12の4眼で同時にレチクルRと基準板FPとをア
ライメントするため、アライメントの結果として、レチ
クルRと基準板FPとは、別波長による投影レンズPL
のディストーション特性に応じて、僅かにX方向、Y方
向、θ方向の誤差をもつ。この誤差は第1マークAu、
Ad 、Ar 、Al の位置が変わらない限り、一定のオフ
セットと考えてよい。そこで露光光TTRアライメント
系14でマークRMr 、RMl と基準マークFMr 、F
Ml とのずれ量を検出すると、そのずれ量には、露光光
のもとでの投影レンズのマークRMr 、RMl の位置に
おけるディストーション量を含んだX、Y、θ方向のオ
フセット量が計測されることになる。
【0071】従って、以後実際に別波長TTRアライメ
ント系12でウエハW上のショットをアライメントする
ときには、そのオフセット量だけずれた位置が真のアラ
イメント達成位置になるように、レチクルステージR
S、又はXYステージSTを制御すれば良い。上記X、
Y、θ(回転)方向のディストーション差によるオフセ
ット量は主制御装置16内でユニット80からのずれ量
情報に基づいて算出され、そのレチクルRが再アライメ
ントされたり、交換されたりするまで記憶される。
【0072】最後に、本実施例の縮小投影型露光装置1
0による本発明に係るアライメント方法について説明す
る。
【0073】いわゆるステップアンドリピート方式で露
光光によりウエハW上の全てのショット領域に第1層用
のレチクルRのパターンの投影露光が終了すると、レチ
クルRを第2層目用のものに交換する。
【0074】次いで、上述したベースライン計測を実行
した後、ステップアンドリピート方式で2層目の露光を
開始するが、各ショットの露光に先立つアライメントの
際に別波長TTRアライメント系12で、ウエハW上の
各ショットに付された第2マークとレチクル上の第1マ
ークを用いてダイ・バイ・ダイ方式でアライメントが実
行される。この際、前述したX、Y、θ(回転)方向の
ディストーション差によるオフセット量だけずれた位置
にアライメントすることにより、真のアライメントが行
なわれる。
【0075】このようにして、第2層目の露光が終了す
ると、第3層目以降の処理が行なわれるが、各層でレチ
クル交換→ベースライン計測→ステップアンドリピート
方式の露光(上記ダイ・バイ・ダイ方式アライメントを
含む)の順序で繰り返し処理が行なわれる。
【0076】ここで、2層目以降のいずれかの層、例え
ば第5層の露光時に、何等かの事情により、ウエハW上
の第2マークWMu (WMd 、WMr 、WMl )の打ち
変えが行なわれた場合を考えてみる。
【0077】本実施例では、前述した如く、各層のレチ
クルRには、いずれもウエハW上の第2マークWMu
(WMd 、WMr 、WMl )の形成可能領域(第2マー
ク形成可能領域)に対応するレチクルR上の領域全長に
渡る第1マーク領域に同一の第1マークAu (Ad 、A
r 、Al )が形成されている。
【0078】このため、第6層のステップアンドリピー
ト方式の露光の際には、これに先立って上述した如くベ
ースライン計測が行なわれ、当該層のレチクルR上の第
1マークAu (Ad 、Ar 、Al )を何等変更すること
なく、露光中のダイ・バイ・ダイ方式アライメントを容
易に行なうことができる。ここで、事前にベースライン
計測が行なわれているため、ダイ・バイ・ダイ方式アラ
イメントを高精度に行なうことができる。
【0079】また、レチクルR上の第1マークAu 、A
d 、Ar 、Al は、ウエハW上の第2マークが形成され
得る第2マーク形成可能領域のほぼ全部をカバーするよ
うに形成されているので、ウエハW上の第2マークを、
形成された層や位置にかかわらず、自由に選択すること
ができる。例えば、第4層目と第5層目のアライメント
が重要である場合に、第4層目の露光時にウエハW上の
第2マークWMu (WMd 、WMr 、WMl )の打ち変
えを行ない、第5層目の露光の際に、第4層目に打ち変
えられたウエハW上の第2マークWMu (WMd 、WM
r 、WMl )と当該第5層目のレチクルR上の第1マー
クとを用いて第5層目のレチクルRとウエハWの各ショ
ットとのダイ・バイ・ダイ方式アライメントを行なえば
良い。
【0080】あるいは、上記のように、第4層目と第5
層目のアライメントが特に重要でない場合には、レチク
ルRの交換後、第2層目、第3層目のダイ・バイ・ダイ
方式アライメントの際に使用した第1層目に形成された
ウエハW上の第2マークと当該第5層目のレチクルR上
の第1マークとを用いてダイ・バイ・ダイ方式アライメ
ントを行なっても良い。
【0081】さらに、場合によっては、それまでにウエ
ハW上の互いに異なる層に形成された複数あるいは全て
の第2マークの各々と当該層のレチクルR上の第1マー
クとを用いてダイ・バイ・ダイ方式アライメントを複数
回行ない、複数のアライメント結果の平均をとるように
してもよい。
【0082】なお、上記実施例では、特開昭63−28
3129号公報で開示されたように、回折格子を用いた
2光束干渉式の別波長TTRアライメント系を検出手段
として用いる場合を例示したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、その他の形式(テレビカメラ等を使
った像検出方式、マークとレーザスポットとを相対移動
させて、マークからの散乱、回折光を受光するスポット
スキャン方式)のものでも全く同じように適用し得る。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアラ
イメント装置及びアライメント方法によれば、いずれか
の層の露光時に、何等かの事情により、感光基板上の第
2マークの打ち変えが行なわれても、次の層の感光基板
とマスクの位置合わせは、当該層のマスク上の第1マー
クを何等変更することなく行なうことができる。ま
た、、マスク上の第1マークの形成が容易であり、しか
も位置変更を行なう場合に比較して第1マークそのもの
に起因する誤差を抑制できるという従来にない優れた効
果がある。
【0084】特に、本発明に係るアライメント方法によ
れば、ベースライン計測が行なわれているので、露光時
にはより正確なアライメントを行なうことができ、しか
も露光時のアライメントに際しては、必要に応じて感光
基板上の第2マークを選択することができるという効果
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係る縮小投影型露光装置の構成を示
す図である。
【図2】図1の装置に使用されるレチクルの一例を示す
平面図である。
【図3】図1の別波長TTRアライメント系の作用を詳
細に説明するための図である。
【図4】ウエハ上の第2マークとレチクル上の第2マー
クとの関係及び別波長TTRアライメント系による光の
経路等を説明するための図である。
【図5】(A)はレチクル用基準格子板を示す平面図、
(B)はウエハ用視野絞りを示す平面図である。
【図6】基準板上のマーク配置を示す平面図である。
【図7】ベースライン計測時における別波長TTRアラ
イメント系と露光波長TTRアライメント系との配置を
示す概略斜視図である。
【図8】従来例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 縮小投影型露光装置(露光装置) 12 別波長TTRアライメント系(検出手段) R レチクル(マスク) W ウエハ(感光基板) PL 投影レンズ(投影光学系) FP 基準板 Au 、Ad 、Al 、Ar 第1マーク AA 第1マーク領域 WMu 第2マーク Fu 、Fd 、Fl 、Fr 第1基準マーク FMr 、FMl 第2基準マーク RMl 、RMr 第3マーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/30 525M

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のマスクのパターン像を感光基板上
    に順次重ねて投影する露光装置に用いられ、第1の波長
    特性の光で照明された前記マスクのパターン像を前記感
    光基板上に結像投影する投影光学系と、前記マスク上の
    第1マークが形成された第1マーク領域と前記投影光学
    系とを介して前記第1の波長特性と異なる第2の波長特
    性の光を前記感光基板上の第2マークが形成された前記
    第1マーク領域に対応する第2マーク領域に照射すると
    共に、前記第1マーク領域から生じる光情報と前記第2
    マーク領域から生じる光情報とを同時に検出する検出手
    段とを備えたアライメント装置において、 前記複数のマスクには、いずれも前記感光基板上の第2
    マーク形成可能領域に対応する前記マスク上の領域全長
    に渡る同一領域に同一の第1マークが形成されているこ
    とを特徴とするアライメント装置。
  2. 【請求項2】 第1の波長特性の光で照明されたマスク
    のパターン像を感光基板上に結像投影する投影光学系を
    備え、複数のマスクを順次取り替え、各マスクのパター
    ン像を前記投影光学系を用いて前記感光基板上に順次重
    ねて投影する露光装置に用いられるアライメント方法で
    あって、 前記マスクには、いずれも前記感光基板上の第2マーク
    形成可能領域に対応する前記マスク上の領域全長に渡る
    同一領域に同一の第1マークが予め形成されており、 前記マスク上の第1マークが形成された第1マーク領域
    と前記投影光学系とを介して前記第1の波長特性と異な
    る第2の波長特性の光を前記第1マークに対応する基準
    板上の第1基準マークに照射すると共に、前記第1マー
    ク領域から生じる光情報と前記第1基準マークから生じ
    る光情報とを同時に検出する第1の工程と;前記第1の
    工程と並行してマスク上の第3マークが形成された第3
    マーク領域と前記投影光学系とを介して前記第1の波長
    特性の光を基準板上の第2基準マークに照射すると共
    に、前記第3マーク領域から生じる光情報と前記第2基
    準マークから生じる光情報とを同時に検出する第2の工
    程と;前記マスク上の第1マークが形成された第1マー
    ク領域と前記投影光学系とを介して前記第2の波長特性
    の光を前記感光基板上に形成された1又は2以上の第2
    マークに照射すると共に、前記第1マーク領域から生じ
    る光情報と前記第2マークから生じる光情報とを同時に
    検出し、この検出結果と前記第2の工程で得られた検出
    結果とに基づいて、前記感光基板とマスクとのアライメ
    ントを行なう第3の工程とを含むアライメント方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100728948B1 (ko) * 2001-09-05 2007-06-15 주식회사 하이닉스반도체 오버레이 측정 키
CN111948901A (zh) * 2020-08-18 2020-11-17 上海华力微电子有限公司 掩膜版及其制备方法

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