JPH0978462A - 親水性繊維及びその加工品 - Google Patents

親水性繊維及びその加工品

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JPH0978462A
JPH0978462A JP15640096A JP15640096A JPH0978462A JP H0978462 A JPH0978462 A JP H0978462A JP 15640096 A JP15640096 A JP 15640096A JP 15640096 A JP15640096 A JP 15640096A JP H0978462 A JPH0978462 A JP H0978462A
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optical semiconductor
fiber
hydrophilic
photo
hydrophilic fiber
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JP15640096A
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Inventor
Makoto Hayakawa
信 早川
Atsushi Kitamura
厚 北村
Toshiya Watabe
俊也 渡部
Makoto Chikuni
真 千国
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光半導体の作用によって表面が親水化されて
いて、汚れの落ちやすい、あるいは汚れの付きにくい親
水性繊維及びその加工品を提供する。 【解決手段】 本発明の繊維は光半導体を含む表面層を
有し、光半導体励起光の照射を受けて表面が親水性を示
す。また本発明の繊維加工品は、上述の親水性繊維から
なるマット、モップ、雑巾、タオル、衣類、幕、布等で
ある。繊維が十分に親水性の表面を有していれば、疎水
性の汚れは繊維表面に付着しない。一方、親水性の汚れ
は繊維表面に付着するが、水すすぎあるいは軽く擦る程
度で汚れが落ちる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性を有する繊
維及びその加工品(マット等)に関する。特には、光半
導体の作用によって表面が親水化されていて、汚れの落
ちやすい、あるいは汚れの付きにくい親水性繊維及びそ
の加工品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ワイピングクロスにおいて
は、黒ずみ汚れの解消のために、極性官能基による表面
修飾や、プラズマ処理により、クロスを構成する繊維を
親水化することが提案されている(特開平2−2392
2)。しかし、このような方法では、繊維表面の親水性
は黒ずみ汚れの付着とともに失われ、長期にその特性を
維持することはできない。
【0003】また、特開平8−74171には、「繊維
布巾に酸化チタン光触媒が樹脂バインダーで固定されて
なる繊維布巾」が開示されている。この繊維布巾では、
イソ吉草酸やメチルメルカプタン等の低分子有機化合物
を分解できる可能性はあるが、油脂汚れ(オレイン酸グ
リセリド等)等の高分子有機化合物を分解しうる物は、
繊維、樹脂バインダー自体をも劣化させてしまうため、
工業的な実現性に乏しく、かつ塵芥、泥汚れ等の固着の
場合には、それらを酸化分解させることは事実上不可能
なため、対応できない。すなわち、特開平8−7417
1に開示された繊維布巾では消臭機能に対応できる可能
性はあるが、実用上の防汚機能を実現しうる余地はほと
んどないといえる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
上記事情に鑑み、長期にわたり汚れの落ち易さ、あるい
は汚れの付着しにくさを維持しうる繊維及びその加工品
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の繊維は光半導体を含む表面層を有し、光半
導体励起光の照射を受けて表面が親水性を示すことを特
徴とする。
【0006】また本発明の繊維加工品は、上述の親水性
繊維からなるマット、モップ、雑巾、タオル、衣類、
幕、布等である。
【0007】繊維が十分に親水性の表面を有していれ
ば、疎水性の汚れ(油脂、カーボンブラック、煤煙等)
は、水の存在下では繊維表面に付着しない。また、水が
存在しない時に付着した汚れについても、水すすぎ、軽
く擦る程度で汚れが落ちる。一方、親水性の汚れ(泥汚
れ、塵芥等)は繊維表面に付着するが、水すすぎあるい
は軽く擦る程度で汚れが落ちる。
【0008】本発明者は、光半導体を光励起すると光半
導体の表面が高度に親水化されることを発見した。すな
わち、光半導性チタニアを紫外線で光励起したところ、
水との接触角が10°以下、より詳しくは5°以下、特
に約0°になる程度に表面が高度に親水化されること、
及び、光の照射により高度の親水性が維持・回復される
こと、さらには特定条件下では一旦高度に親水化された
状態が3週間以上暗所にあっても維持されることを発見
した。
【0009】光半導体のバンドギャップエネルギーより
高いエネルギーの波長をもった光を充分な照度で充分な
時間照射すると、光半導体含有層の表面は超親水性を呈
するに至る。光半導体の光励起によって起こる表面の超
親水化現象は、現在のところ、必ずしも明確に説明する
ことはできない。光半導体による超親水化現象は、光半
導体の化学反応への応用に関する分野において従来知ら
れている光触媒的酸化還元反応による物質の光分解とは
必ずしも同じではないように見受けられる。この点に関
し、光触媒的酸化還元反応に関する従来の定説は、光励
起により電子−正孔対が生成し、生成した電子は表面酸
素を還元してスーパーオキサイドイオン(O2 -)を生成
し、正孔は表面水酸基を酸化して水酸ラジカル(・O
H)を生成し、これらの高度に反応性の活性酸素種(O
2 -や・OH)の酸化還元反応によって物質が分解される
というものであった。
【0010】しかしながら、光半導体による超親水化現
象は、少なくとも2つの点において、物質の光触媒的分
解に関する従来の知見と合致しない。第一に、従来の定
説では、ルチルや酸化錫のような光半導体は、伝導体の
エネルギー準位が十分に高くないため、還元反応が進行
せず、その結果、伝導体に光励起された電子が過剰とな
り、光励起により生成した電子−正孔対が酸化還元反応
に関与することなく再結合すると考えられていた。これ
に対して、光半導体による超親水化現象は、ルチルや酸
化錫のような光半導体でも起こることが確認された。
【0011】第二に、従来、光触媒性酸化還元反応によ
る物質の分解は光半導体層の膜厚が少なくとも100nm
以上でないと起こらないと考えられている。これに対し
て、光半導体による超親水化は、光触媒含有層の膜厚が
数nmのオーダーでも起こることが観察された。
【0012】したがって、明確には結論できないが、光
半導体による超親水化現象は、光触媒的酸化還元反応に
よる物質の光分解とはやや異なる現象であると考えられ
る。しかしながら、光半導体のバンドギャップエネルギ
ーより高いエネルギーの光を照射しなければ表面の超親
水化は起こらないことが確認された。おそらくは、光半
導体の励起により生成した伝導電子と正孔によって光半
導体含有層の表面に極性が付与され水が水酸基(OH
- )の形で化学吸着され、さらにその上に物理吸着水層
が形成されて、表面が超親水性になると考えられる。
【0013】光励起により光半導体含有層の表面が一旦
高度に親水化されたならば、基材を暗所に保持しても、
表面の親水性はある程度の期間持続する。時間の経過に
伴い表面水酸基に汚染物質が吸着され、表面が次第に超
親水性を失った時には、再び光励起すれば超親水性は回
復する。
【0014】光半導体含有層を最初に超親水化するため
には、光半導体のバンドギャップエネルギーより高いエ
ネルギーの波長をもった任意の光源を利用することがで
きる。チタニアのように光励起波長が紫外線領域に位置
する光半導体の場合には、光半導体含有層で被覆された
基材に太陽光が当たるような条件では、太陽光に含まれ
る紫外線を好適に利用することができる。屋内や夜間に
は、人工光源により光半導体を光励起することができ
る。後述するように、光半導体含有層がシリカ配合チタ
ニアからなる場合には、蛍光灯に含まれる微弱な紫外線
でも容易に親水化することができる。
【0015】光半導体含有層の表面が一旦超親水化され
た後には、比較的微弱な光によって超親水性を維持し、
或いは、回復させることができる。例えば、チタニアの
場合には、超親水性の維持と回復は、蛍光灯のような室
内照明灯に含まれる微弱な紫外線でも充分に行うことが
できる。
【0016】光半導体含有層は非常に薄くしても超親水
性を発現し、特に金属酸化物からなる光触媒半導体材料
は充分な硬度を有するので、光半導体含有層は充分な耐
久性と耐摩耗性を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】光半導体 本発明の親水性繊維に使用する光半導体としては、チタ
ニア(TiO2 )が最も好ましい。チタニアは、無害で
あり、化学的に安定であり、かつ、安価に入手可能であ
る。さらに、チタニアはバンドギャップエネルギーが高
く、従って、光励起には紫外線を必要とし、光励起の過
程で可視光を吸収しないので、補色成分による発色が起
こらない。
【0018】チタニアとしてはアナターゼとルチルのい
ずれも使用することができる。アナターゼ型チタニアの
利点は、非常に細かな微粒子を分散させたゾルを市場で
容易に入手することができ、非常に薄い薄膜を容易に形
成することができることである。ルチル型チタニアはア
ナターゼ型よりも伝導帯準位が低いが、光触媒による超
親水化の目的に使用することができる。基材をチタニア
からなる光半導体コーティングで被覆し、チタニアを紫
外線によって光励起すると、水が水酸基(OH- )の形
で表面に化学吸着され、さらにその上に物理吸着水層が
形成されて、その結果、表面が超親水性になると考えら
れる。
【0019】本発明の使用可能な他の光半導体として
は、ZnO、SnO2 、SrTiO3、WO3 、Bi2
3 、Fe23 のような金属酸化物がある。これらの
金属酸化物は、チタニアと同様に、表面に金属元素と酸
素が存在するので、表面水酸基(OH- )を吸着しやす
いと考えられる。また、光触媒の粒子をシリカ等の光半
導体でない金属酸化物と混合してもよい。特に、シリカ
又は酸化錫に光半導体を配合した場合には、表面を高度
に親水化することができる。
【0020】そのようなシリカ配合チタニアからなる光
半導体層の作製方法の一例として、無定型シリカの前駆
体(例えば、テトラエトキシシラン、テトライソプロポ
キシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブト
キシシラン、テトラメトキシシラン、等のテトラアルコ
キシシラン;それらの加水分解物であるシラノール;又
は平均分子量3,000以下のポリシロキサン)と結晶
性チタニアゾルとの混合物を基材の表面に塗布し、必要
に応じて加水分解させてシラノールを形成した後、室温
又は必要に応じて加熱してシラノールを脱水縮重合に付
すことにより、チタニアが無定型シリカで結着された光
半導体層を形成する。
【0021】光半導体含有シリコーン塗料 水との接触角が0°になる程度の超親水性を呈する光半
導体層を形成する更に他の好ましいやり方は、未硬化の
若しくは部分的に硬化したシリコーン(オルガノポリシ
ロキサン)又はシリコーンの前駆体からなる塗膜形成要
素に光半導体の粒子を分散させてなる組成物を用いるこ
とである。この組成物を基材の表面に塗布し(基材その
ものをこの組成物で作ってもよい)、塗膜形成要素を硬
化させた後、光半導体を光励起すると、シリコーン分子
のケイ素原子に結合した有機基は光半導体の光触媒作用
により水酸基に置換され、光半導体含有層の表面は超親
水化される。
【0022】上記2つのやり方には、幾つかの利点があ
る。光半導体含有シリコーン塗料は常温又は比較的低温
で硬化させることができる。光半導体を含有したこのコ
ーティング組成物は、表面の超親水化を要する既存の基
材に、ディッピング、刷毛塗り、スプレーコーティン
グ、ロールコーティング含浸等により必要に応じ何時で
も塗布することができる。また後者の方法においては光
半導体の光励起による超親水化は、太陽光のような光源
でも容易に行うことができる。
【0023】光半導体含有シリコーン組成物はシロキサ
ン結合を有するので、光半導体(光触媒)の光酸化作用
に対する充分な対抗性を有する。光半導体含有シリコー
ン塗料からなる光半導体性コーティングの更に他の利点
は、表面が一旦超親水化された後には、暗所に保持して
も長期間超親水性を維持し、かつ、蛍光灯のような室内
照明灯の光でも超親水性を回復することである。
【0024】塗膜形成要素としては、メチルトリクロル
シラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプ
ロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチ
ルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチル
トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチ
ルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシ
シラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピル
トリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、
n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイ
ソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシ
ラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルト
リブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n
−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソ
プロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラ
ン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロ
ムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシル
トリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシ
ラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタ
デシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロム
シラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オ
クタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリ
イソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブト
キシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリ
ブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラ
ン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシ
ラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキ
シジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチ
ルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフ
ェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロル
シラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチ
ルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラ
ン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラ
ン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシ
ラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブト
キシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルト
リブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、
ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロプロピル
トリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシ
ラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリ
フルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプ
ロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピ
ルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシ
シラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポ
キシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブ
トキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソ
プロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキ
シシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシラン;及び、それらの部分加水分解物;及びそれら
の混合物を使用することができる。
【0025】シリコーン塗膜の良好な硬度と平滑性を確
保するためには、3次元架橋型シロキサンを10モル%
以上含有させるのが好ましい。さらに、良好な硬度と平
滑性を確保しながら塗膜の充分な可撓性を提供するため
には、2次元架橋型シロキサンを60モル%以下含有さ
せるのが好ましい。また、シリコーン分子のケイ素原子
に結合した有機基が光励起により水酸基に置換される速
度を速めるには、シリコーン分子のケイ素原子に結合す
る有機基がn−プロピル基若しくはフェニル基からなる
シリコーンを使用するのが好ましい。シロキサン結合を
有するシリコーンに替えて、シラザン結合を有するオル
ガノポリシラザン化合物を使用することも可能である。
【0026】抗菌増強剤の添加 繊維への光半導体コーティング(あるいは混入)にはA
g、Cu、Znのような金属をドーピングすることがで
きる。光半導体にAg、Cu、又はZnをドーピングす
るためには、光半導体粒子の懸濁液にこれらの金属の可
溶性塩を添加し、得られた溶液を用いて光半導体含有層
を形成することができる。或いは、光半導体含有層を形
成後、これらの金属の可溶性塩を塗布し、光照射により
光還元析出させてもよい。
【0027】Ag、Cu、又はZnでドーピングされた
光半導体含有層は、表面に付着した細菌を死滅させるこ
とができる。さらに、この光半導体含有層は、黴、藻、
苔のような微生物の成長を抑制する。従って、マットや
モップ等の繊維加工品の表面を長期間にわたって清潔に
保つ一助となる。
【0028】紫外線光源としては、蛍光灯、白熱電灯、
メタルハライドランプ、水銀ランプのような室内照明灯
を使用することができる。太陽光にさらされる条件で
は、有利なことに太陽光に含まれる紫外線により光半導
体は自然に光励起される。
【0029】光励起は、表面の水との接触角が約10°
以下、好ましくは約5°以下、特に約0°になるまで行
い、或いは行わせることができる。一般には、0.00
1mW/cm2の紫外線照度で光励起すれば、数日で水との接
触角が約0°になるまで超親水化することができる。地
表に降り注ぐ太陽光に含まれる紫外線の照度は約0.1
〜1mW/cm2であるから、太陽光にさらせばより短時間で
表面を超親水化することができる。
【0030】繊維の表面を降雨により自己浄化(セルフ
クリーニング)したり、汚染物質の付着を防止するに際
しては、紫外線或いは可視光で光励起可能な光半導体で
光半導体含有層を形成することができる。光半導体含有
層で被覆された親水性繊維からなる物品を屋外に配置
し、太陽光の照射と降雨にさらせば、それだけで自己浄
化が達成される。また、屋内にあるマット等の繊維の汚
れは、水濯ぎや水洗時に軽く擦る程度で落ちるようにな
る。さらに、水膜が一様に形成されるようになるので短
時間で乾燥できるようになると考えられる。
【0031】光半導体含有層がチタニア含有シリコーン
で形成されている場合には、シリコーン分子のケイ素原
子に結合した表面有機基が充分な量だけ水酸基に置換さ
れるに充分な照度で光触媒を光励起するのが好ましい。
このための最も有利な方法は、太陽光を利用することで
ある。表面が一旦高度に親水化された後は、親水性は夜
間でも持続する。再び太陽光にさらされる度に親水性は
回復され、維持される。
【0032】本発明の繊維又は加工品を使用者に提供す
るに際しては、繊維又は加工品を予め超親水化しておく
のが望ましい。
【0033】本発明の親水性繊維においては、上記表面
層が繊維基体へのコーティング層であって、該表面層と
基体との間に光耐蝕性の中間層を有することとしてよ
い。繊維基体が光半導体の光酸化還元反応作用に弱い場
合には、繊維基体をこの中間層でガードして、繊維基体
の劣化を防止することができる。
【0034】本発明の親水性繊維においては、繊維基体
中に光半導体を混入することもできる。例えば合成繊維
のコンパウンド中に光半導体の微粒子を混入させておけ
ば、繊維中に光半導体が分散した繊維を得ることができ
る。
【0035】本発明の一態様の親水性繊維は、シランカ
ップリング剤でコーティングされた酸化チタン粒子が混
入された繊維であって;該繊維の表面においては酸化チ
タンのコーティングの一部が除去されて酸化チタン粒子
が露出しており、光半導体励起光の照射を受けて表面が
親水性を示す。酸化チタンがと繊維基体との間にはシラ
ンカップリング剤が存在しているので、酸化チタンの光
酸化還元反応がブロックされ、繊維基体を保護すること
ができる。一方、表面部の酸化チタンは、大気と接触す
る表面部のコーティングが除去されているので光触媒作
用は阻害されない。ここでコーティングの一部を除去す
る方法は、化学的なエッチング処理等が好適に利用でき
る。特にシランカップリング剤はアルカリ溶解しやすい
ので、処理液にはアルカリ溶液を用いるのが好ましい。
【0036】本発明の一態様の親水性繊維にあっては、
上記光半導体を含む表面層が、親水性を示すにもかかわ
らず、光酸化還元反応はほとんど生じない程度以下の光
触媒活性しか有しない。或いは、上記繊維中の光半導体
が親水性を示すにもかかわらず、光酸化還元反応はほと
んど生じない程度以下の光触媒活性しか有しない。つま
り、繊維基体の劣化は起こさないで、繊維の親水性のみ
を確保するとの意味である。また、光半導体の光酸化還
元反応により鉄等の有色イオンが繊維表面に析出して汚
れるのを防止するとの意味もある。
【0037】このような考え方(弱酸化還元性親水化)
は、光半導体による複合材表面の親水化現象と、光半導
体による光酸化還元反応とが基本的に異なる現象である
という発見に基づくものである。この発見に基づいて、
本発明者は光半導体薄膜の設計上光酸化還元反応はほと
んど示さないが、親水化現象を示す構成が存在すること
を遂に見出したのである。
【0038】弱酸化還元性親水化の第一態様は、光半導
体の伝導帯のエネルギー準位を、水素生成準位を0eV
とした場合に、正の値に位置するようにすることであ
る。光酸化還元反応に関する従来の定説は、光励起によ
り伝導電子−正孔対が生成し、次いで生成した伝導電子
による還元反応と正孔による酸化反応が同時に促進され
て進行するというものであった。従って、光半導体の伝
導帯のエネルギー準位の下端が負側に充分高くない酸化
錫やルチルは、伝導電子による還元反応が進行しにく
く、正孔による酸化反応のみが促進されやすい構造であ
るが、このような構造では伝導電子が過剰となり、光励
起により生成した電子−正孔対が酸化還元反応に関与す
ることなく再結合するため、実際には酸化反応も還元反
応もほとんど生じない。しかしながら、光励起による親
水化現象は進行するのである。
【0039】光半導体の光酸化還元反応が有機物の分解
に利用される場合、その分解反応は環境中の水や酸素を
利用して行われる。すなわち、光励起により生成した伝
導電子は酸素を還元してスーパーオキサイドイオン(O
2 -)を生成し、正孔は水酸基を酸化して水酸ラジカル
(・OH)を生成し、これらの高度に反応性の活性酸素
種(O2 -や・OH)の酸化還元反応により有機物が分解
される。従って、有機物を有効に光酸化還元分解するた
めには、正孔を生成する価電子帯上端のエネルギー準位
が水酸基が電子を放出する酸素生成準位(+0.82e
V)より正側に位置し、かつ伝導電子が生成する伝導帯
下端のエネルギー準位が水素が電子を放出して酸素側に
供与する水素生成準位(0eV)より負側に位置させれ
ばよいことになる。故に、逆に、有機物を有効に光酸化
還元分解させないためには、価電子帯上端のエネルギ
ー準位を酸素生成準位(+0.82eV)より負側に位
置させるか、あるいは伝導帯下端のエネルギー準位を
水素生成準位(0eV)より正側に位置させればよいこ
とになる。
【0040】光半導体の光酸化還元反応が水中の金属イ
オンの析出に利用される場合には、光励起により生成し
た伝導電子により金属イオンが還元析出される(同時に
正孔は水中の水酸基を酸化して水酸ラジカル(・OH)
を生成すると考えられる。)。従って、例えば鉄イオン
を水中から有効に析出除去するためには、伝導電子が生
成する伝導帯下端のエネルギー準位が鉄生成準位(−
0.44eV)より負側に位置する必要がある。故に、
逆に、金属イオンを水中から析出させないためには、伝
導帯下端のエネルギー準位を金属生成準位より正側に位
置させればよいことになる。貴金属を除外すれば金属の
生成準位は水素生成準位より負側にあるので、結局、伝
導帯下端のエネルギー準位を水素生成準位(0eV)よ
り正側に位置させればよいことになる。これに使用可能
な伝導帯のエネルギー準位の下端が水素生成準位を0e
Vとした場合に正の値に位置する光半導体としては、酸
化錫、三酸化タングステン、三酸化二ビスマス、酸化第
二鉄、ルチル型酸化チタン等の金属酸化物が挙げられ
る。
【0041】以上のことから、樹脂の分解、水中溶存金
属イオンの析出を抑えつつ、光親水化させる1つの方法
として、光半導体の伝導帯のエネルギー準位を、水素生
成準位を0eVとした場合に、正の値に位置する方法が
あることがわかる。
【0042】弱酸化還元性親水化の第二態様は、基材表
面に光半導体と光半導体でない親水性物質を含有させた
層を形成し、かつ、光半導体はほとんど外気に接してい
ない状態にする。このような状態では光半導体の光励起
により生成した伝導電子及び正孔のうちのほとんどは表
面まで拡散せず、水、酸素、金属イオン等の表面反応種
と接触する確率が激減し、故に光酸化還元反応は抑制さ
れる。そして、励起光照度1mW/cm2以下で、かつ充分な
耐摩耗性を発揮しうる程度に、膜厚が薄い及び/又は光
半導体粒子含有率が低い塗膜において生成する伝導電子
及び正孔量のもとではほとんど光酸化還元反応は生じな
い程度まで抑制可能となる。にも拘らず、光親水化反応
は進行するのである。
【0043】弱酸化還元性親水化の第三態様は、基材表
面に光半導体と光半導体の光酸化還元反応を阻害する物
質を含有させた層を形成する。その機構は明らかではな
いが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミナ、ジ
ルコニア、シリカ、酸化アンチモン、無定型酸化チタン
は光半導体による光酸化還元性能を弱める(「酸化チタ
ン」、技報堂(1991))。そして、励起光照度1mW/cm2
以下で、かつ充分な耐摩耗性を発揮しうる程度に膜厚が
薄い及び/又は光半導体粒子含有率が低い塗膜において
生成する伝導電子及び正孔量のもとではほとんど光酸化
還元反応は生じない程度まで抑制可能となる。しかし、
層中にこれら物質が含有されても後述するように光親水
化反応は進行するのである。
【0044】弱酸化還元性親水化の第二、第三態様で
は、膜厚は薄い方が好ましい。好ましくは1μm 以下、
より好ましくは0.2μm 以下がよい。そうすれば、基
材に固定される光半導体の絶対量を低減することがで
き、より光酸化還元性を低めることができる。また耐摩
耗性も向上する。さらに特に0.2μm 以下では、光半
導体を含有する薄膜の透明性を確保しやすく、下地の意
匠性や透明性を維持できる。
【0045】弱酸化還元性親水化の第二態様では、光半
導体含有量は、光半導体含有層に対して好ましくは5〜
80重量%、より好ましくは10〜50重量%程度にす
るのがよい。光半導体含有量が少ない程光酸化還元性を
低めることができるからである。但し、光親水化現象も
光半導体の光励起現象に基づいた現象なので約5%以上
は含有されている必要はある。
【0046】弱酸化還元性親水化の第二、第三態様で
は、励起波長以下の波長光の照度は、好ましくは0.0
001〜1mW/cm2、より好ましくは0.001〜1mW/c
m2程度がよい。励起波長以下の波長光の照度が低い程、
生成する電子−正孔対の量が減少するので光酸化還元性
を低めることができるからである。但し、光親水化現象
も光半導体の光励起現象に基づいた現象なので約0.0
001mW/cm2以上の励起光照度を要する。
【0047】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明する。実施例1 ポリエステル繊維の布に、シリコーン樹脂の光耐蝕性中
間層を介して光半導体層を形成した。具体的には次のと
おりである。 (1)光耐蝕性中間層形成 a)シリコーン感圧粘着剤の調製 SiO2 単位から成るオルガノポリシロキサン樹脂を得
るために次の手順で調製した。35%の濃塩酸125g
と水432gを三ツ口フラスコに入れ、滴下ロートから
ケイ酸ナトリウム261gを徐々に滴下しながら撹拌
し、さらにイソプロピルアルコール225gを加えた。
約10分後(CH3)3 SiClを111gを加え、80
℃で1時間還流させ、後に冷却した。これにキシレン2
00gを加え、分液ロートにて水層を分離した。これに
イソプロピルアルコールを60g加え、135℃で溶媒
を一部除去し、固形分50重量%になるようにした。こ
のオルガノポリシロキサン樹脂溶液を〔A〕液とする。
その後、この〔A〕液120gにキシレン20gと約2
00万センチストークスの粘度を有する両末端がヒドロ
キシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンガム60g
を加え、約4時間ゆっくり撹拌しながら均一に溶解して
135,000センチストークスのシリコーン感圧粘着
剤溶液〔B〕を調製した。
【0048】b)処理液の調製と下処理 前記a)で調製した感圧粘着剤〔B〕3.3重量部とC
2 =CHSi(OCH3)3 0.5重量部、トルエン9
95.2重量部を用いて処理液を調製した。この処理液
を用い糊抜き精練をしたポリエステル100%のトリコ
ット地(20×20cm)を10秒間浸漬後、ローラーで
絞り率100%に絞り、室温で乾燥させ20日間放置し
た。
【0049】(2)光半導体層形成 上記(1)の処理によりシリコーン膜を付けた繊維
(布)を、具体的には以下のようにして、無定型シリカ
と酸化チタンが重量比1で混合された液を塗布し、その
後加熱硬化させた。
【0050】エタノールの溶媒86重量部に、テトラエ
トキシシランSi(OC25)4 (和光純薬、大阪)6
重量部と純水6重量部とテトラエトキシシランの加水分
解抑制剤として36%塩酸2重量部を加えて混合し、シ
リカコーティング溶液を調製した。混合により溶液は発
熱するので、混合液を約1時間放置冷却した。この溶液
をフローコーティング法により上記布地の表面に塗布
し、80℃の温度で乾燥させた。乾燥に伴い、テトラエ
トキシシランは加水分解を受けてまずシラノールSi
(OH)4になり、続いてシラノールの脱水縮重合により
無定型シリカの薄膜が布地繊維の表面に形成された。
【0051】次に、テトラエトキシシラン(和光純薬)
0.69gとアナターゼ型チタニアゾル(日産化学、T
A−15、平均粒径0.01μm )1.07gとエタノ
ール29.88gと純水0.36gを混合し、コーティ
ング溶液を調製した。このコーティング溶液をスプレー
コーティング法により布地の表面に塗布した。この布地
を約20分間約150℃の温度に保持することにより、
テトラエトキシシランを加水分解と脱水縮重合に付し、
アナターゼ型チタニア粒子が無定型シリカのバインダー
で結着されたコーティングを布地繊維の表面に形成し
た。チタニアとシリカの重量比は1であった。
【0052】実施例2 実施例1の(1)と同様にしてポリエステル繊維の布に
光耐蝕性中間層を形成した。次に、上記(1)の処理に
よりシリコーン膜を付けた繊維(布)を、具体的には以
下のようにして、無定型シリカと酸化チタンが重量比1
で混合された液を塗布し、その後加熱硬化させた。
【0053】光触媒を含有する高分子塗料により布地を
被覆した。塗料の塗膜形成要素が光触媒の光酸化作用に
よって劣化するのを防止するため、塗膜形成要素として
シリコーンを選んだ。より詳しくは、アナターゼ型チタ
ニアゾル(日産化学、TA−15)と“グラスカ”のA
液(シリカゾル)を混合し、エタノールで希釈後、さら
に“グラスカ”のB液を添加し、チタニア含有塗料用組
成物を調製した。この塗料用組成物の組成は、シリカゾ
ル11重量部、トリメトキシメチルシラン33重量部、
チタニアゾル56重量部であった。この塗料用組成物を
布地の表面に塗布し、150℃の温度で硬化させ、アナ
ターゼ型チタニア粒子がシリコーン塗膜中に分散された
トップコートを形成した。
【0054】次に、布地にBLB蛍光灯を用いて0.5
mW/cm2の照度で5日間紫外線を照射した。この布地の表
面の水との接触角を接触角測定器(ERMA社製)で測
定したところ、驚いたことに、接触角の読みは3°未満
であった。
【0055】比較例 上記実施例1で光耐蝕性中間層を形成しただけのもの
(光半導体層無)を比較例とした。
【0056】評価 汚れ除去性 上記布表面を1週間、紫外線照度0.3mW/cm2のBLB
ランプで照射した後、オレイン酸グリセリドを3cc滴下
し、水に浸漬し、軽く擦り恒量に達するまで乾燥させ
て、水での処理前後の重量変化を調べた。その結果を表
2に示す。実施例では、汚れの除去率が100%であっ
たのに対して、比較例では12%と低かった。
【0057】
【表1】
【0058】光酸化分解性 次に、各実施例及び比較例についての光酸化還元性能を
調べるため、メチルメルカプタンの光分解性能を調べ
た。紫外線を透過可能な石英ガラス製の容積11リッタ
ーのデシケータ内にそれぞれの試料を配置し、メチルメ
ルカプタンを含有する窒素ガスをメチルメルカプタンの
濃度が3ppm になるように注入した。試料から8cmの距
離のところに4WのBLB蛍光灯(三共電気製)を配置
し、0.3mW/cm2の紫外線照度で紫外線を照射した。3
0分後にデシケータ内のガスを採取し、ガスクロマトグ
ラフによりメチルメルカプタン濃度を測定し、メチルメ
ルカプタンの除去率を求めた。結果を表2(光酸化分解
性)に示す。表2からわかるように、実施例1、2につ
いても光分解性能がかなり抑制された。
【0059】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、光半導体の作用によって表面が親水化されていて、
汚れの落ちやすい、あるいは汚れの付きにくい親水性繊
維及びその加工品を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 13/513 D06M 13/50 (72)発明者 渡部 俊也 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 千国 真 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光半導体を含む表面層を有し、光半導体
    励起光の照射を受けて表面が親水性を示すことを特徴と
    する親水性繊維。
  2. 【請求項2】 光半導体及びシリコーン樹脂を含む表面
    層を有し、光半導体の光触媒作用により、表面のシリコ
    ーン分子のシリコン原子に結合した有機基が水酸基に置
    換されていることを特徴とする親水性繊維。
  3. 【請求項3】 光半導体及び無定型シリカを含む表面層
    を有し、光半導体励起光の照射を受けて表面が親水性を
    示すことを特徴とする親水性繊維。
  4. 【請求項4】 光半導体が混入されており、光半導体励
    起光の照射を受けて表面が親水性を示すことを特徴とす
    る親水性繊維。
  5. 【請求項5】 シランカップリング剤でコーティングさ
    れた酸化チタン粒子が混入された繊維であって;該繊維
    の表面においては酸化チタンのコーティングが除去され
    て酸化チタン粒子が露出しており、 光半導体励起光の照射を受けて表面が親水性を示すこと
    を特徴とする親水性繊維。
  6. 【請求項6】 上記表面層が繊維基体へのコーティング
    層であって、該表面層と基体との間に光耐蝕性の中間層
    を有する請求項1、2又は3記載の親水性繊維。
  7. 【請求項7】 上記光半導体を含む表面層が、親水性を
    示すにもかかわらず、光酸化還元反応はほとんど生じな
    い程度以下の光触媒活性しか有しない請求項1、2又は
    3記載の親水性繊維。
  8. 【請求項8】 上記繊維中の光半導体が親水性を示すに
    もかかわらず、光酸化還元反応はほとんど生じない程度
    以下の光触媒活性しか有しない請求項4又は5記載の親
    水性繊維。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8いずれか1項記載の親水性
    繊維からなるマット。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8いずれか1項記載の親水
    性繊維からなるモップ。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8いずれか1項記載の親水
    性繊維からなる雑巾。
  12. 【請求項12】 請求項1〜8いずれか1項記載の親水
    性繊維からなるタオル。
  13. 【請求項13】 請求項1〜8いずれか1項記載の親水
    性繊維からなる衣類。
  14. 【請求項14】 請求項1〜8いずれか1項記載の親水
    性繊維からなる幕。
  15. 【請求項15】 請求項1〜8いずれか1項記載の親水
    性繊維からなる布。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09100437A (ja) * 1995-10-05 1997-04-15 Yamagata Pref Gov Techno Porisu Zaidan 塗料組成物
JP2000110064A (ja) * 1998-07-31 2000-04-18 Toray Ind Inc 機能性を有する繊維構造物
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