JPH0977936A - 樹脂組成物、その製造方法及び成形品 - Google Patents

樹脂組成物、その製造方法及び成形品

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JPH0977936A
JPH0977936A JP23362695A JP23362695A JPH0977936A JP H0977936 A JPH0977936 A JP H0977936A JP 23362695 A JP23362695 A JP 23362695A JP 23362695 A JP23362695 A JP 23362695A JP H0977936 A JPH0977936 A JP H0977936A
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resin
resin composition
polystyrene
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JP23362695A
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Shinichiro Imanishi
慎一郎 今西
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はスチレン系樹脂の改良に関するもの
であり、耐油性、耐衝撃性、耐薬品性、透明性に優れた
樹脂組成物を提供することにある。 【解決手段】 (A)ビニル芳香族化合物(例;スチレ
ン、α−メチルスチレン)を主成分としてシアン化ビニ
ル化合物(例;アクリロニトリル)、(メタ)アクリル
酸エステル(例;メタクリル酸メチル)、マレイミド
(例;n−フェニルマレイミド)と共重合して得られる
重合体と、(B)熱可塑性ポリウレタン、(C)カルボ
キシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基から選択され
る少なくとも1種の官能基を有し(A)成分のポリスチ
レン系樹脂と相容あるいは親和性の高い樹脂共重合体、
および(D)多官能性イソシアネートからなる、耐油
性、耐衝撃性、耐薬品性、透明性に優れる熱可塑性成形
材料であり、さらに本発明は、上記各成分を慣用の混合
装置、好ましくは押出機内で180〜240℃の範囲の
温度および0.5〜10分間の滞留時間において一緒に
溶融混練する熱可塑性成形材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐油性、耐衝撃性、
耐薬品性、透明性に優れたポリスチレン系樹脂とポリウ
レタンとを成分に有する熱可塑性成形材料およびその製
造方法に関する。さらに詳しくはポリスチレン系樹脂と
熱可塑性ポリウレタンとを主成分とし、特定の官能基を
有しポリスチレン系の樹脂と相容性あるいは親和性の良
好な樹脂との多官能性イソシアネートとを相容化剤とし
て用いた、成形品の表面状態、透明性が良好でかつ成形
収縮率が低い熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン系樹脂は成形収縮率が低
く、印刷性、メッキ性が良好でかつ安価であるために広
範な分野において利用されているが、耐薬品性、耐摩擦
磨耗性が低く、その利用分野が限定されている。
【0003】ポリスチレンの耐衝撃強度を改良するため
にゴム質重合体にスチレン系単量体をグラフト重合させ
ることがおこなわれてきた。しかし、ゴム成分とスチレ
ン系重合体マトリックスとの屈折率の差により、ポリス
チレン系樹脂の持つ透明性が損なわれる。アクリル系の
ゴムにグラフト共重することによって透明性の改善をね
らったものもあるが、まだ、その透明性は十分ではな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、ポリスチ
レン系樹脂の透明性、剛性を損なうことなく、衝撃強度
と耐薬品性とを改善された特性を有する熱可塑性成形材
料を提供すべく鋭意検討した結果、特定の官能基を有し
ポリスチレン系樹脂と相容性あるいは親和性の良好な樹
脂と多官能性イソシアネートを一定割合で配合すること
により目的が達せられることを見いだした。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は
(A)ポリスチレン系樹脂(水酸基、アミノ基、カルボ
キシル基、エポキシ基から選択される少なくとも1種以
上の官能基を分子鎖中に有するポリスチレン系樹脂を除
く)51〜95重量%、(B)熱可塑性ポリウレタン4
9〜5重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して (C)水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基
から選択される少なくとも一種以上の官能基を分子鎖中
に有するポリスチレン系樹脂あるいは(メタ)アクリル
酸エステル系樹脂0.5〜10重量部 (D)多官能性イソシアネート0.1〜5重量部配合す
ることにより、成形性、透明性に優れた樹脂組成物を提
供することである。
【0006】また、上記各成分を混練装置内で180〜
240℃の温度で0.5〜10分混練することにより樹
脂組成物を製造する方法を提供することにある。
【0007】また、上記樹脂組成物を成形して成る成型
品を提供することである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いる(A)成分として
のポリスチレン系樹脂(ただし、水酸基、アミノ基、カ
ルボキシル基、エポキシ基から選択される少なくとも1
種以上の官能基を分子鎖中に有するポリスチレン系樹脂
を除く)とは、スチレンを主体としてラジカル重合反応
あるいは、イオン重合反応により得られるものであり、
工業的には塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等
により得られるものがいずれも使用できる。
【0009】本発明(A)成分として用いられるポリス
チレン系樹脂にはスチレンあるいはα−アルキルスチレ
ンと(メタ)アクリル酸エステル、ビニルシアン化合
物、マレイミドとの共重合体が挙げられる。スチレンと
共重合可能な(メタ)アクリル酸エステル、ビニルシア
ン化合物としては、メチルアタクリレート、エチルアク
リレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アクロ
リロニトリル等が挙げられる、しかし水酸基、アミノ
基、カルボキシル基、エポキシ基から選択される少なく
とも1種以上の官能基を有する単量体は除かれる。これ
らの共重合可能な他のビニル化合物は、1種または2種
以上で併用することができる。これら共重合可能な他の
ビニル化合物はスチレン系重合体中、好ましくは70重
量%以下の割合で共重合される。
【0010】本発明の成形材料を透明にするにはAS
(アクリロニトリル−スチレン共重合体)あるいはメタ
クリル酸メチル−スチレン共重合体であることが好まし
い。スチレンの単独重合体では屈折率が1.59と高い
ために、熱可塑性ポリウレタンとの屈折率マッチングが
困難になる。
【0011】このポリスチレン系樹脂は機械的強度およ
び成形性を考慮して、その数平均分子量は10,000
〜1,000,000のものが好ましい。
【0012】(A)成分にはスチレンのような芳香族炭
化水素と共役ジエンとの共重合体の水素添加物も含まれ
ていてよい。芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合体、
例えば、スチレン−ブタジエンブロックあるいはランダ
ム共重合体、スチレン−イソプレンブロックランダム共
重合体に水素添加したスチレン−エチレン−プロピレン
−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン
−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0013】本発明に用いられる(B)成分としての熱
可塑性ポリウレタンは(a)数平均分子量500〜2,
000の2個以上の水酸基を有する高分子化合物と
(b)イソシアネート基と反応するような活性水素を2
個以上有する分子量500以下の化合物と(c)有機ジ
イソシアネートとを反応させて得られるものである。
【0014】(a)と(c)との2成分とからなる熱可
塑性ポリウレタンも場合によっては用いることができ
る。
【0015】前記2個以上の水酸基を有する高分子化合
物(a)としては炭素数2〜8の飽和脂肪酸グリコール
グリシジルと炭素数4〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸
もしくは芳香族ジカルボン酸との縮合、またはアルキレ
ングリコールとラクトンとの共重合等によって得られる
ポリエステルグリコール類を用いることができる。
【0016】また、炭素数2〜4のアルキレンオキシド
の縮合、アルキレンオキシドとアルキレングリコールと
の縮合、テトラヒドロフラン等の開環重合などによって
得られるポリアルキンエーテルグリコール類の他、ジヒ
ドロキシポリエステルアミド類、ジヒドロキシポリアセ
タール類またはジヒドロキシポリアルキレン類も同様に
用いることができる。
【0017】これらのうち、カプロラクトンの開環重合
によって調製されるポリカプロラクトンジオールが好適
である。
【0018】また、イソシアネート基と反応しうる分子
量の500以下の活性水素を少なくとも2個含有する化
合物(b)としては炭素数2〜5の飽和脂肪族グリコー
ル、または1,4−キシリレングリコール、フェニレン
ビス(β−ヒドロキシエチルエーテル)等の芳香族グリ
コール等を単独または併用して用いることができる。さ
らに水または3価のアルコール、例えば、トリメチロー
ルプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン等をごく
少量の範囲で前記グリコール類と併用することができ
る。
【0019】さらに、有機ジイソシアネート(c)とし
ては一般にポリウレタン樹脂の製造に用いられる有機ジ
イソシアネートのいずれでも使用出来る。例えば、2,
4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4′
−ジフェイルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェイルエタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジ
イソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,
4′−ジイイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソ
シアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′
−ジイイソシアネート、o−,m−またはp−キシリレ
ンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジ
イソシアネートまたはこれらと類似のジイソシアネート
類あるいはこれらの二量体ジイソシアネートのうち、1
種または2種以上の混合物から選ぶことができる。
【0020】これらの有機イソシアネート類中、特に好
適なのは4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
が挙げられる。
【0021】本発明に用いる(C)成分としての水酸
基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基から選ばれ
る少なくとも一種以上の官能基を分子鎖中に有するポリ
スチレン系樹脂あるいは(メタ)アクリル酸エステル系
樹脂は、これらの官能基を有する単量体とスチレン系単
量体及び/又は(メタ)アクリル酸エステル系単量体と
共重合体することにより得られる。これらの官能基を有
する単量体としてはカルボキシル基含有不飽和化合物、
酸無水物基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化
合物、水酸基含有不飽和化合物、アミノ基含有不飽和化
合物を用いることができる。
【0022】カルボキシル基含有不飽和化合物として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
桂皮酸、イタコン酸、マレイン酸などがあり、好ましく
はアクリル酸、メタクリル酸である。これらは単独また
は2種以上組み合せて用いることができる。
【0023】酸無水物基含有不飽和化合物としては、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、クロロ無水マレイン
酸、無水シトラコン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸等があり、特に好ましい不飽和酸無
水物は無水マレイン酸である。
【0024】エポキシ基含有不飽和化合物とは、分子中
にオレフィンおよびエチレン系不飽和化合物と共重合し
うる不飽和基と、エポキシ基をそれぞれ有する化合物で
ある。具体的にはグリシジル(メタ)アクリレート、イ
タコン酸グリシジルエステル類、ブテンカルボン酸エス
テル類、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリル
グリシジルエーテル、スチレン−グリシジルエーテル、
3,4−エポキシブテン、3,4−エポキシ−3−メチ
ル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、
3,4−エポキシ−3−メチルペンテン、5,6−エポ
キシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシ
ド、p−グリシジルスチレン等が挙げられる。これらは
単独または2種以上組み合せて用いることができる。好
ましいエポキシ基含有不飽和化合物はグリシジル(メ
タ)アクリレートである。
【0025】水酸基含有不飽和化合物とは少なくとも一
個の不飽和結合を有し、かつ水酸基を有する化合物であ
る。この代表的なものとしては、二重結合を有するアル
コール、三重結合を有するアルコール、一価または二価
の不飽和カルボン酸と非置換二価アルコールとのエステ
ル、該不飽和カルボン酸の非置換三価アルコールとのエ
ステル、非置換四価アルコールとのエステル、および非
置換五価以上のアルコールとのエステルが挙げられる。
【0026】これらのうち、具体的には3−ヒドロキシ
−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−
4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキ
シ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プ
ロペン、5−ヒドロキシ−2−ペンテン、1,4−ヒド
ロキシ−2−ブテン、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエ
チルクロトネート、2,3,4,5,6−ペンタヒドロ
キシヘキシル(メタ)アクリレート、2,3,4,5−
テトラヒドロキシペンチル(メタ)アクリレートが挙げ
られる。これらは単独または2個以上組み合せて用いる
ことができる。好ましい水酸基含有不飽和化合物として
は2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレートが挙げられる。
【0027】アミノ基含有不飽和化合物とはアミノ基ま
たは置換アミノ基を有するビニル系単量体である。具体
例としてはアクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
メタクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルア
ミノエチル酸のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキ
ルエステル系誘導体類、N−ビニルジエチルアミン、お
よびN−アセチルビニルアミン等のビニルアミン系誘導
体類、アリルアミン、メタクリルアミン等のN−メチル
アリルアミン等のアリルアミン系誘導体類、アクリルア
ミドおよびN−メチルアクリルアミド等のアクリルアミ
ド系誘導体およびp−アミノスチレン等のアミノスチレ
ン類等が挙げられる。なかでも、アクリルアミド、アリ
ルアミド、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸ア
ミノプロピルおよびアミノスチレン等が特に好ましく用
いられる。これらのアミノ基または置換アミノ基含有不
飽和化合物は単独または2種以上組み合せて用いること
ができる。
【0028】上記各種官能基含有単量体の使用量は
(C)成分中に0.1〜30重量%の範囲で使用するこ
とが好ましい。
【0029】本発明における(D)成分として用いられ
る多官能性イソシアネートは、分子中にイソ(チオ)シ
アネート基を2個以上有する化合物である。好ましく
は、ジイソシアネートまたはジイソチオシアネート化合
物またはそれらの二量体、三量体である。例えば、4,
4´−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,
4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、または
これらに対応するジイソチオシアネート及び、これらの
二量体、三量体、更には、イソシアネート基(−NO
C)がなんらかの形で保護されている化合物等いずれも
使用出来るが、溶融処理等の変色等の諸性質、あるい
は、取扱上の安全性を考慮すると、4,4´−メチレン
ビス(フェニルイソシアネート)、イソホロンジイソシ
アネート、1,5−ナフタレンビス(フェニルイソシア
ネート)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート並びに、これらの二量体、三量体等の
変性体が特に好ましい。
【0030】(A)成分と(B)成分との配合比率は5
1〜95/49〜5の範囲において任意に選択できる。
(A)成分の比率が51重量%に満たない場合には成形
性・加工性が不十分であり、95重量%を越えると耐衝
撃性、耐薬品性等の改良効果がわずかである。
【0031】(C)成分の添加量は(A)+(B)成分
の総量100重量部に対して0.5〜10重量部であ
る。0.5重量部に満たない場合は相容化効果が不十分
であり、10重量部を越える場合には樹脂組成物が高価
になり、また、余分な(C)成分がブリードアウトした
り、溶融粘度の異常低下を招いたりして加工時に支障を
きたす。
【0032】(D)成分の添加量は(A)+(B)成分
の総量100重量部に対して0.5〜5重量部であり、
0.5重量部に満たない場合には相容化効果が不十分で
あり、期待される物性が達成されない。また、5重量部
を越える場合には樹脂組成物が高価になり、また、変性
樹脂同士の異常反応を招きやすいので、その場合にはゲ
ル化や溶融粘度上昇といった加工時に支障を生じるよう
な事態となる。
【0033】また、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、
電気的性質等の目的に応じてガラス繊維、カーボン繊維
等の繊維状、その他の充填剤を配合することができる。
【0034】また、本発明組成物には酸化防止剤、熱安
定剤、紫外線吸収剤、着色剤、離型剤その他通常の添加
剤を添加することができる。補助的に少量の熱可塑性樹
脂を添加することもできる。
【0035】本発明の熱可塑性樹脂組成物の調製は種々
の公知の方法で可能であるが、少なくとも(A)、
(B)、(C)および(D)四成分共存下で溶融混練す
ることが必要であるが、その他の成分を同時に併用混合
してもよくまた、別に添加してもよい。180〜240
℃の範囲の温度および0.5〜10分間の滞留時間にお
いて溶融混練することによって製造できる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】参考例1(水酸基含有スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体(C−1)の調製) 撹拌機付きのオートクレーブに水450部、ポリビニル
アルコール2部を仕込み、次にドデシルメルカプタン1
部、ラウロリルパーオキサイド2部を溶解したスチレン
150部、メタクリル酸メチル153部、メタクリル酸
−2−ヒドロキシエチル19部よりなるモノマー混合物
を撹拌下に仕込んだ。次に昇温して90℃で7時間の重
合を行い、更に115℃に昇温して3時間の追加重合を
行った。冷却・脱水して平均粒径0.5mmのビーズ状
重合体を得た。このサンプルの数平均分子量は約7万で
あった。NMRから確認したスチレン/メタクリル酸メ
チル/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルの組成比は
およそ50/48/2であった。
【0038】実施例1〜3 (A)スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(メタク
リル酸メチル含量60重量%、重量平均分子量16万ダ
イセル化学工業(株)MAS30)、(B)熱可塑性ポ
リウレタン(日本ミラクトラン社E580PNAT、ポ
リカプロラクトンベースのポリウレタン)、(C)水酸
基含有スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(C−
1)、(D)イソフォロンジイソシアネート二量体、三
量体(ダイセルヒュルス社、T1890およびBF15
40)を表1に示す割合で混合し、設定温度210℃
で、内径30mmの二軸押出し機を用いてスクリュー回
転数120rpmで溶融混練し、ペレット化した。滞留
時間は3〜4分であった。
【0039】サンプルはインジェクション成形加工し、
下記の機械物性評価を行った。
【0040】ノッチ付きアイゾッド耐衝撃強度;JIS
K−7110に準拠 透明性;JIS K−6714に準拠 引張り強度;ASTM D638に準拠 表面剥離試験;引張り試験片表面に粘着テープを貼りつ
け、これを瞬間的に引きはがし、成形片の表面剥離の有
無を目視にて判定した。
【0041】収縮率;ASTM引張り試験片の一定方向
の寸法を正確に測定し、対応する金属金型寸法との差
(%)を以て、収縮率とした。
【0042】これらの結果を表1に示した。
【0043】比較例1〜3 スチレン−メタクリル酸メチル共重合体単独、熱可塑性
ポリウレタンとスチレン−メタクリル酸メチル共重合体
との2成分系とした以外は、実施例1〜3と同様の方法
で組成物を調製し、成形して評価した。結果は表1に併
記した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】スチレン系樹脂と熱可塑性ポリウレタン
とを主成分とする組成物に本発明で示す成分を配合する
ことにより、耐衝撃性に優れかつ透明性の高い材料が得
られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリスチレン系樹脂(水酸基、アミ
    ノ基、カルボキシル基、エポキシ基から選択される少な
    くとも1種以上の官能基を分子鎖中に有するポリスチレ
    ン系樹脂を除く)51〜95重量%、(B)熱可塑性ポ
    リウレタン49〜5重量%からなる樹脂組成物100重
    量部に対して (C)水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基
    から選択される少なくとも一種以上の官能基を分子鎖中
    に有するポリスチレン系樹脂あるいは(メタ)アクリル
    酸エステル系樹脂0.5〜10重量部 (D)多官能性イソシアネート0.1〜5重量部配合す
    ることを特徴とする成形性、透明性に優れた樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】(A)ポリスチレン系樹脂(水酸基、アミ
    ノ基、カルボキシル基、エポキシ基から選択される少な
    くとも1種以上の官能基を分子鎖中に有するポリスチレ
    ン系樹脂を除く)51〜95重量%、(B)熱可塑性ポ
    リウレタン49〜5重量%からなる樹脂組成物100重
    量部に対して (C)水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基
    から選択される少なくとも一種以上の官能基を分子鎖中
    に有するポリスチレン系樹脂あるいは(メタ)アクリル
    酸エステル系樹脂0.5〜10重量部 (D)多官能性イソシアネート0.1〜5重量部を混合
    装置内で180〜240℃の範囲の温度および0.5〜
    10分間の滞留時間において溶融混練することを特徴と
    する成形性、透明性に優れた樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の樹脂組成物を成形してなる
    成形品。
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