JPH0977154A - ライニング蓋及びその製法 - Google Patents

ライニング蓋及びその製法

Info

Publication number
JPH0977154A
JPH0977154A JP7233605A JP23360595A JPH0977154A JP H0977154 A JPH0977154 A JP H0977154A JP 7233605 A JP7233605 A JP 7233605A JP 23360595 A JP23360595 A JP 23360595A JP H0977154 A JPH0977154 A JP H0977154A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
flange
groove
powder
lining
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7233605A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3582171B2 (ja
Inventor
Akio Takeuchi
紀生 竹内
Masaki Morotomi
正樹 諸冨
Toshinori Moriga
俊典 森賀
Takeshi Takenouchi
健 竹之内
Seishichi Kobayashi
誠七 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP23360595A priority Critical patent/JP3582171B2/ja
Publication of JPH0977154A publication Critical patent/JPH0977154A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3582171B2 publication Critical patent/JP3582171B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D83/00Containers or packages with special means for dispensing contents
    • B65D83/14Containers or packages with special means for dispensing contents for delivery of liquid or semi-liquid contents by internal gaseous pressure, i.e. aerosol containers comprising propellant for a product delivered by a propellant
    • B65D83/38Details of the container body

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Containers And Packaging Bodies Having A Special Means To Remove Contents (AREA)
  • Closures For Containers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ライナー材が熱可塑性樹脂粉体の溶融成形で
形成され、缶への巻締乃至締結性や密封性、耐腐食性及
び耐ストレスクラッキングに優れたライニング蓋及びこ
のライニング蓋を環境汚染等の問題を生じることなしに
高生産性を以て製造する方法を提供する。 【解決手段】 周囲に巻締乃至締結用フランジを備えた
金属製蓋体と該フランジ部の溝にライニングされたライ
ナー材とからなるライニング蓋において、前記ライナー
材は熱可塑性樹脂粉体の溶融成形で形成され且つ前記ラ
イナー材はフランジ部の外周側端縁で最も薄く、溝中央
部に向けて厚くなり、しかもフランジ部外周側端縁に対
向するフランジ部内周面の部分を越えて溝の反対側に延
びているライニング蓋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアゾール缶等に使用
するライニング蓋及びその製法に関するもので、より詳
細には、ライナー材が熱可塑性樹脂粉体の溶融成形で形
成され、缶への巻締乃至締結性や密封性、耐腐食性及び
ストレスクラッキングに優れたライニング蓋及びこのラ
イニング蓋を環境汚染等の問題を生じることなしに高生
産性を以て製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エアゾール缶のノズルは、マウンテイン
グカップと呼ばれるライニング蓋に取り付けて使用され
ている。このマウンテイングカップは金属製蓋体の周囲
に巻締乃至締結用フランジが形成され、このフランジ部
の溝にライナー材がライニングされたものである。
【0003】ライナー材としては従来ゴムが使用されて
おり、ゴムを芳香族系溶剤に溶解し、この溶液をスピン
コートしてライナー層を形成させる。しかしながら、こ
の方法では、塗布時に溶媒が作業環境に揮散し、環境衛
生の点で好ましくない。また、所定形状のライナー層を
形成させるのにも熟練と人手が必要であり、更にライナ
ー層の乾燥等にも長時間を必要とし、生産性の点でも未
だ不満足のものである。
【0004】エアゾール缶用マウンテイングカップに、
溶剤を使用することなしにライナー材を施すことも既に
知られており、米国特許第4547948号明細書に
は、筒状のガスケット材料をマンドレルから引き出し、
これをカッターで切り出して蓋体の巻締乃至締結用フラ
ンジの溝にはめ込むことが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法は、溶剤を
使用せずにライナー材を蓋に施すことができるので、作
業環境を汚染しないという点では優れているものの、施
すライナー材の厚みの分布を形成できないという不都合
がある。即ち、缶胴端部のカール部或いは眼鏡蓋のカー
ル部をマウンテイングカップの溝部に円滑に導入し、固
定するためには、フランジ部の外周側端縁で薄く、溝中
央部で厚くなるような厚みの分布を有することが望まし
いが、上記の従来法では、このような厚みの分布を形成
させることが不可能である。
【0006】従って、本発明の目的は、ライナー材が熱
可塑性樹脂粉体の溶融成形で形成され、缶への巻締乃至
締結性や密封性、耐腐食性及び耐ストレスクラッキング
に優れたライニング蓋及びこのライニング蓋を環境汚染
等の問題を生じることなしに高生産性を以て製造する方
法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、周囲に
巻締乃至締結用フランジを備えた金属製蓋体と該フラン
ジ部の溝にライニングされたライナー材とからなるライ
ニング蓋において、前記ライナー材は熱可塑性樹脂粉体
の溶融成形で形成され且つ前記ライナー材はフランジ部
の外周側端縁で最も薄く、溝中央部に向けて厚くなり、
しかもフランジ部外周側端縁に対向するフランジ部内周
面の部分を越えて溝の反対側に延びていることを特徴と
するライニング蓋が提供される。
【0008】本発明によればまた、金属製蓋体の周囲の
巻締乃至締結用フランジ部に、熱可塑性樹脂粉体を供給
し、該粉体の充填層を成形治具で加圧しながら該蓋体を
加熱して、該樹脂粉体をライニング形状に仮固着させ、
次いで成形治具での加圧を解除した状態で粉体を溶融固
化させることを特徴とするライニング蓋の製法が提供さ
れる。
【0009】本発明のライニング蓋において、ライナー
材表面の径方向断面が内周側の辺が外周側の辺に比して
長い非対称V字型或いはU字型形状となっていること
が、巻締乃至締結性、密封性及び耐腐食性の点で好まし
く、このライナー形状は、径方向断面が内周側の辺が外
周側の辺に比して長い非対称V字型となった作用部先端
を有する成形治具を用いることにより形成できる。V字
型或いはU字型形状の底がフランジ部のほぼ溝中央部の
上方に100乃至1500μmの厚みで設けられている
のがよい。また、フランジ部外周側端縁に対向するフラ
ンジ部内周面の基準部分でのライナー層の厚みが10乃
至500μm、前記フランジ部内周面基準部分からの延
長部分の長さが0.1乃至4mmの範囲にあるのが上記
目的に好都合である。
【0010】本発明は、一般のライニング蓋に広く適用
できるが、エアゾール缶用マウンテイングカップに特に
有用であり、また、ライナー材として、熱可塑性樹脂粉
体一般を使用しうるが、低密度ポリエチレンを使用する
のが特に有利である。
【0011】粉体を仮固着させるための金属製蓋体の加
熱には、高周波誘導加熱を用いるのが短時間の加熱で仮
固着を確実に行える点で有利である。
【0012】
【作用】本発明では、ライニング蓋のライナー材を熱可
塑性樹脂粉体の溶融成形で形成することが顕著な特徴で
ある。即ち、熱可塑性樹脂を粉体の形で使用することに
より、溶剤を使用する場合の環境汚染の問題を解消し、
溶剤コストの削減及び溶剤処理のためのコストの削減が
可能となり、更にライナー中の残留溶媒の悪影響も回避
できる。
【0013】また、熱可塑性樹脂を粉体の形で用いるこ
とにより、粉体の流動性と成形性とを利用して、蓋の巻
締乃至締結用フランジ内に、所定の厚みの分布及び形状
のライナー材を形成することが可能となり、これは、従
来のフィルム状ライナー材を使用する場合には認められ
ない顕著な特徴である。
【0014】本発明のライニング蓋におけるライナー材
は、フランジ部の外周側端縁で最も薄く、溝中央部に向
けて厚くなり、しかもフランジ部外周側端縁に対向する
フランジ部内周面の部分を越えて溝の反対側に延びてい
る形状を有する。一層具体的には、ライナー材表面の径
方向断面が内周側の辺が外周側の辺に比して長い非対称
V字型或いはU字型形状となっている。また、V字型或
いはU字型形状の底がフランジ部の溝中央部の上方に位
置している。
【0015】上記のライナー材のV字型乃至U字型形状
により、巻締乃至締結(クリンチ)に際して、缶胴カー
ル部或いは眼鏡蓋のカールがライニング蓋の巻締乃至締
結用フランジの溝中央部に確実且つ円滑に案内されて挿
入されることになる。また、このライナー材は、粉体の
充填層の溶融成形で形成されているから、V字型或いは
U字型形状の底がフランジ部の溝中央部の上方に100
乃至1500μmの厚みとなるように設けることがで
き、ライナー材を蓋と胴との巻締乃至締結部に充満させ
て確実な密封を行うことができる。更に、エアゾール缶
用マウンテイングカップにおいて特に重要な部分はフラ
ンジ部の内周側の部分であり、この部分が露出している
と、巻締乃至締結(クリンチ)に際して、この部分の塗
膜に傷が入りやすく、密封不良、経時漏洩、金属の腐食
や内容物への金属溶出等が生じるが、本発明では、ライ
ナー材がフランジ部外周側端縁に対向するフランジ部内
周面の部分を越えて溝の反対側に迄延びているので、優
れた密封性、耐経時漏洩性、耐腐食性が得られるもので
ある。また、粉体で成形し、溶融固着を行っているの
で、内部に応力が残留しがたく、水蒸気や溶剤雰囲気下
においてもストレスクラッキングを生じないという利点
があり、これは従来技術として挙げたスリーブガスケッ
トに対する顕著な利点である。
【0016】ライナー材の溶融成形は、金属製蓋体の周
囲の巻締乃至締結用フランジ部に熱可塑性樹脂粉体を供
給して行うが、本発明では、粉体の充填層を成形治具で
加圧しながら蓋体を加熱して、樹脂粉体をライニング形
状に仮固着させ、次いで成形治具での加圧を解除した状
態で粉体を溶融固化させる。
【0017】先ず、粉体の充填層を成形治具で加圧する
ことにより、粉体の成形性を利用して、巻締乃至締結用
フランジの溝内で粉体を所定のライナー形状に近い形に
成形することができる。しかしながら、成形治具を取り
去った場合型くずれを生じるので、本発明では蓋体を加
熱して、樹脂粉体をライニング形状に仮固着させる。こ
れにより、この蓋内の仮固着粉体層は、蓋から成形治具
を取り除いても、或いは蓋の移送を行っても型くずれを
することがない。溝内の粉体層を、成形治具で押圧する
ことは、所定の形状への成形のみならず、粉体層のゆる
みを除去して、粉体粒子間の熱伝導率を高め、空隙を排
除して、仮固着状態を良好にするためにも極めて有効で
ある。
【0018】一般に、粉体の充填層を圧縮することは小
さい圧力では困難なことが多いが、本発明では、径方向
断面が内周側の辺が外周側の辺に比して長い非対称V字
型となった作用部先端を有する成形治具を用いることに
より、所定形状への成形が容易となるばかりではなく、
粉体充填層の押圧による圧縮が容易となる。
【0019】蓋体の加熱は任意の手段で行いうるが、金
属製蓋体の加熱を高周波誘導加熱により行うと、加熱を
短時間の内に、また冷却も短時間の内に行われ、しかも
加熱機構も蓋体の外部に設ければよいので、作業性の上
で有利である。
【0020】次いで成形治具での加圧を解除した状態で
粉体を溶融し、冷却固化させる。これにより、粉体樹脂
粒子は、完全に溶融一体化して、所定形状のライナー材
層となる。溶融処理に際して、熱可塑性樹脂は若干流動
して、粉体成形層の形状がV字型である場合にもU字型
に近い形状になることが多い。
【0021】
【実施例】
[ライニング蓋]本発明のライニング蓋(マウンテイン
グカップ)の一例を示す図1において、このライニング
蓋1は、金属製蓋体2とライナー材層3とから成ってい
る。この具体例(マウンテイングカップ)の金属製蓋体
2は、リング状外周凹部4及びリング状内周凸部5を備
え、両者の間には内周側壁6が、リング状外周凹部4の
外周には外周側壁7が形成されている。外周側壁7の上
端は巻締乃至締結用フランジ8に接続されている。リン
グ状内周凸部5及び内周側壁7で規定される部分がバル
ブ収容部9であり、リング状内周凸部5の中央はパイプ
(後述する)用の貫通孔15となっている。
【0022】巻締乃至締結用フランジ8は全体として半
長円状の径方向断面形状をしており、下向きに開口した
溝10の形となっている。この溝10の中に熱可塑性樹
脂のライナー材層3が形成されている。このライナー材
層3は、フランジの外周側端縁11において最も薄く、
溝中央12に向けて厚くなるように形成されており、フ
ランジ部外周側端縁11に対向するフランジ部内周面の
部分を越えて溝8の反対側に外周側壁7に沿って延びて
いる延長長辺13を有することが一つの特徴である。即
ち、ライナー材3の表面の径方向断面が、内周側の辺、
即ち延長長辺13が外周側の辺14に比して長い非対称
V字型或いはU字型形状となっていることが了解されよ
う。
【0023】[ライニング蓋の用途−エアゾール缶]本
発明のライニング蓋1は、マウンテイングカップとして
エアゾール缶の製造に使用される。エアゾール缶の一例
の概略構造を分解して示す図2において、この缶体は、
缶胴部材20、該缶胴部材の底部に巻締乃至締結部を介
して設けられる底蓋(コンケーブ・ボトム)21、缶胴
部材の頂部に巻締部を介して設けられる目金蓋(ドーム
ド・トップ)22、及び目金蓋に締結部を介して載架さ
れるバルブ保持マウンティング・カップ1から成ってい
る。
【0024】缶胴部材20は、缶胴素材を円筒状に成形
し、その両側端部を接合して側部継目23を形成し且つ
その両開口端部を外方に折曲げてフランジ24及び25
を形成させることにより製造される。側部継目23は、
例えば溶接、接着剤による接合或いはハンダ付け等の公
知の手段で形成することができる。
【0025】底蓋21は、上向きに凸のドーム部26と
該ドーム部の周囲に設けられた溝27とから形成され
る。このドーム部26はエアゾール缶内の圧力によって
底蓋21が下向きに突出変形するのを防止するためのも
のであり、溝27の寸法は、缶胴部材のフランジ25が
嵌合するようなものである。この溝25の内部には、そ
れ自体公知の密封用ゴム組成物(図示せず)が、それ自
体公知のライニング手段により施されている。缶胴部材
20と底蓋21とは、フランジ25を溝27内に嵌合さ
せ、それ自体周知の二重巻締を行うことにより締結させ
る。
【0026】目金蓋22は、環状壁28と、該環状壁の
外周部(下端周辺部)に形成された溝29と、該環状壁
の内周部(上端周辺部)に形成されたビード乃至カール
部30とから成っている。この環状壁28は円錐台状或
いはその断面が上に凸な曲線形状を有しており、ビード
30によって規定される上方部開口の径は一般に25.4mm
である。目金蓋22の溝29の寸法は、この溝29に缶
胴部材の上方フランジ24が嵌合するようなものであ
り、この溝29にも密封用ライニングが施されており、
フランジ24と溝29とは二重巻締により締結されてい
る。
【0027】バルブ保持マウンティングカップ1は、図
1において既に説明したとおり、下向きに凸なカップの
形状をしており、その周辺には前述した目金蓋のビード
30に嵌合する溝状のフランジ部8が設けられ、且つそ
の中央部にはそれ自体公知のバルブ31が保持されてい
る。バルブ31の導入側には可撓性ディップ・チューブ
32がエアゾール缶の底部近傍に達するように延びてお
り、一方バルブ31の排出側に位置するパイプ33が上
下動可能に且つマウンティング・カップ1を突き抜けて
設けられている。パイプ33の先端には吐出孔34を備
えたアクチュエータ35が設けられている。マウンティ
ング・カップ1の溝10に前述したライナー3が設けら
れていて、目金蓋22のビード30をこの溝に嵌合さ
せ、クリンチすることにより密封が行われている。
【0028】サイドシーム缶胴部材及び底蓋の代わり
に、図3に示すとおり、シームレス缶胴20を使用する
こともでき、このシームレス缶胴は、それ自体公知の方
法、例えば、缶用素材の絞り−深絞り加工、衝撃押し出
し加工、絞り−しごき加工等により製造される。
【0029】[金属製蓋体]本発明に用いる金属製蓋体
は、耐圧性を有する任意の金属素材から形成されてい
る。適当な金属素材は、表面処理鋼板及びアルミ等の軽
金属板である。耐圧強度の点で、表面処理鋼板が有利で
あり、中でも加工性の点で錫メッキ鋼板が有利に使用さ
れる。他に、電解クロム酸処理鋼板、クロメート処理ニ
ッケルメッキ鋼板、クロメート処理鉄・錫合金メッキ鋼
板、クロメート処理錫・ニッケル合金メッキ鋼板、クロ
メート処理鉄・錫・ニッケル合金メッキ鋼板、クロメー
ト処理アルミニウムメッキ鋼板等を用いることもでき
る。
【0030】ブリキ素材として、電気スズメッキ鋼板の
うち、リフローブリキ板もノーリフロー(マット)ブリ
キ板の何れも使用できる。スズメッキ量は、特に制限さ
れないが、加工性や耐食性の点で、1.12乃至11.2 g/
2 のものがよい。錫メッキ層の上には、クロメート層
等の表面処理層が設けられていることが望ましい。ま
た、錫メッキ層と鋼基体との間には、錫−鉄合金層が形
成されていることが耐腐食性の点で望ましい。
【0031】表面処理鋼板の厚みは、エアゾール缶とし
ての用途から、一般に0.15乃至0.50mm、特に
0.18乃至0.40mmの範囲にあるべきであり、上
記範囲よりも小さいと耐圧性が不十分であり、上記範囲
よりも厚いと、容器が重くなり、加工も困難となるので
好ましくない。
【0032】一方、軽金属板としては、所謂純アルミニ
ウム板の他にアルミニウム合金板が使用される。耐腐食
性と加工性との点で優れたアルミニウム合金板は、M
n:0.2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量
%、Zn:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.
15乃至0.25重量%、残部がAlの組成を有するも
のである。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、ク
ロム量が20乃至300mg/m2 となるようなクロム
酸処理或はクロム酸/リン酸処理が行われていることが
望ましい。軽金属板の場合には0.15乃至0.40m
mの厚みを有するのがよい。
【0033】上記金属板の表面には、金属の腐食を防止
し、また金属の内容物中への溶出を防止するための樹脂
被覆を設ける。この目的のための保護塗膜としては、従
来缶の内面保護に用いられている公知の熱硬化性樹脂塗
料、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒ
ド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムア
ルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アル
キド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビ
スマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬
化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂、或いは
熱可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル
−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、
飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これら
の樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せでも使用され
る。
【0034】また、樹脂被覆としては、熱可塑性樹脂フ
ィルムを使用することもでき、これを金属板上にラミネ
ートしたものを蓋体の製造に用いる。フィルムとして
は、例えば、二軸延伸PETフィルムを使用することが
でき、エチレンテレフタレート単位のみから成るホモポ
リエステルの他に、改質エステル反復単位の少量を含む
改質PETフィルムが使用される。用いるPETの分子
量は、フィルム形成能を有するような範囲であり、固有
粘度[η]が0.7以上であるのがよい。
【0035】ライナー材を施す溝部の塗膜は、用いるラ
イナー材に密着性、特に熱接着性を示す塗膜であるのが
よい。この目的のために、金属製蓋体の少なくとも溝部
には、無水マレイン酸変性オレフィン樹脂のような酸変
性オレフィン樹脂や酸化ポリエチレン等の極性基を有す
る変性オレフィン樹脂を塗料中に含有させておくことが
有効である。変性オレフィン樹脂を塗料固形分当たり
0.1乃至10重量%程度含有させることが望ましい。
【0036】[ライナー材]本発明では、ライナー材と
して、熱可塑性樹脂の粉体を使用する。ライナー用熱可
塑性樹脂としては、蓋体に粉体として施すことができ、
蓋体上で密封に必要な形状に成形され、必要なクッショ
ン性と柔軟性を有するものが使用され、柔軟性のある比
較的低融点或いは低軟化点の熱可塑性樹脂が適当であ
る。これらのライナー形成用樹脂としては、オレフィン
樹脂、例えば低−、中−、高−密度のポリエチレン、線
状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピ
レン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリブテン−
1、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、
エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−
1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレ
ン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイ
オノマー)或いはこれらのブレンド物等のオレフィン系
樹脂が適当である。
【0037】上記オレフィン樹脂は、他のエラストマ
ー、例えば、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、SBR,NBR、
熱可塑性エラストマーとのブレンド物で使用することも
できる。
【0038】本発明の目的に特に適したライナー材樹脂
は、低密度ポリエチレン(LDPE)であり、密度が
0.9乃至1.0g/cm3 、メルトフローレートが
0.1乃至30g/10minのLDPEが適当であ
る。
【0039】上記LDPEは、柔軟性とクッション性と
に優れているばかりではなく、融点が低く、比較的低温
での仮固着処理及び溶融処理が可能であり、ライナーへ
の成形処理が容易で、しかも塗膜等を熱で損傷しないと
いう点及びエアゾール缶としたとき、室温でのクリープ
が小さく耐漏洩性の点でも優れている。
【0040】熱可塑性樹脂の粉体としては、一般に粒径
の任意のものを使用できるが、前述した範囲の厚いライ
ニング層を形成させるという見地からは、顕微鏡による
平均粒径が50乃至300μm、特に100乃至200
μmの比較的粒度の大きいものを使用するのがよい。粉
体の粒子形状は、不定形でも、球状或いはダイス状等の
定形粒子であってもよいが、粉体成形性の点では、不定
形の粒子が好ましい。
【0041】上記熱可塑性樹脂の粉体には、所望により
公知の配合剤を配合することができる。例えば、充填
剤、補強剤、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、接着
剤、滑剤等をそれ自体公知の処方に従って配合すること
ができる。
【0042】[ライニング蓋の製法]本発明によるライ
ニング蓋の製造工程を説明するための図4において、金
属製蓋体2は搬送機構40により、粉体の供給工程に送
られる。粉体の供給工程Aには、回転チャック41、樹
脂粉体を収容するホッパー42、振動フィダー43及び
供給ノズル44が配置されている。金属製蓋体2は回転
チャック41に保持されて回転し、金属製蓋体の溝内に
ノズル44を経て粉体45が振動下に定量供給される。
【0043】粉体45が供給された金属製蓋体2は、搬
送機構46により、成形加熱工程Bに送られる。成形加
熱工程Bには、非磁性材料から成る支持台47と、粉体
充填層45を成形するための成形治具48と、成形治具
を加圧するための加圧機構49と、支持台上の金属製蓋
体2を加熱するための高周波誘導加熱コイル50と、コ
イル50に高周波電流を供給するための高周波電源51
とが設けられている。先ず、金属製蓋体内の粉体を成形
治具48で所定の形状に押圧成形し、次いでこの状態
で、高周波誘導加熱コイル50に高周波電流を供給し、
金属製蓋体2を加熱し、その中の粉体を所定形状に仮固
着させる。
【0044】仮固着された粉体54層を備えた金属製蓋
体を、溶融工程Cに供給する。溶融工程Cには、粉体層
を加熱するためのオーブン52とオーブン52内を通る
搬送機構53とから成っており、仮固着された粉体層を
溶融一体化して、所定の形状のライニング層を形成さ
せ、溶融処理が終了した蓋体は冷却され、ライナー層の
固化が行われる。
【0045】粉体の供給に使用するノズルの形状を説明
するための図5において、このノズル44は、ロート状
の内部形状を有しており、円筒部56と、倒立円錐体部
分57と、これに接続されたオリフィス部分58とから
成っている。熱可塑性樹脂の粉体、特に不定形樹脂の粒
子は供給が困難なものであるが、上記ロート形状のノズ
ルと、振動とを組み合わせることにより円滑な供給が可
能となる。
【0046】ノズルのオリフィス部分58の径d及び円
錐体部分57のテーパ角度αには、用いる熱可塑性樹脂
粉体の粒径及び安息角に対応して、一定の好適範囲があ
り、LDPEの粒径50乃至200μm及び安息角50
乃至60度の粒子に対しては、径dは2乃至3mm及び
テーパ角度αは40乃至60度が適当である。
【0047】上記ノズルは、振動機構(振動フィーダ
ー)と組み合わせることにより、粉体の定量供給を行
う。粉体に加える振動数及び振幅に関しても最適範囲が
あり、上記例についていえば、1乃至500Hzの振動
数及び0.05乃至2mm程度の振幅が適当である。
【0048】熱可塑性樹脂粉体の供給量は、ライニング
蓋の大きさ等によっても変化するが、一例として、径2
4mmのマウンテイングカップの場合、0.2乃至0.
35g/1個、特に0.25乃至0.3g/1個程度の
量が適当である。本発明の粉体ライニング法によれば、
蓋当たりの樹脂の供給量を調節することも容易であると
いう利点がある。粉体の供給量の調節は、前記ノズルと
振動フィーダーとの組み合わせでは、一定振動条件下で
の樹脂の流量が一定になるという特徴を利用して、振動
のON−OFF制御により、供給量を一定にすることが
できる。勿論、樹脂供給量の制御は、この方法に限定さ
れず、供給前或いは供給後の粉体の重量或いは容量を計
算して行うことも可能である。
【0049】金属製蓋体の巻締乃至締結用フランジの溝
への樹脂の供給を一様に行うために、蓋体を回転させな
がら樹脂粉体の供給を行うのがよく、前記マウンテイン
グカップの場合、40乃至80rpm、特に50乃至7
0rpm程度の回転が適当である。即ち、回転数があま
り少ないと周方向に一様に樹脂粉体を供給することが困
難となり、一方、回転数があまり多いと樹脂粉体の周囲
への飛散が大きくなるが、上記範囲では、円滑な一様供
給が可能となる。また、フランジの溝に沿って円周上に
配置された複数個のノズルから樹脂粉体の供給を行うの
もよい。この場合、ノズルは円周上に均等に配置するの
がよい。前記マウンティングカップの場合、2個から1
80個、好ましくは4個から90個のノズルを配置する
のがよい。ノズルの断面形状は、円形、直線状長孔、円
弧状長孔、螺旋状長孔など、任意の形状を用いることが
できる。蓋体を静止させて樹脂粉体を供給してもよく、
回転させて樹脂粉体を供給してもよい。
【0050】加圧加熱工程に使用する成形治具の詳細な
構造を示す図6(断面図)及び図7(先端部拡大図)に
おいて、この成形治具48は、円盤状の基部59と、基
部59の下方面に設けられたリング部60とから成って
いる。リング部60の先端(下端)には、内周側の辺6
1が外周側の辺62に比して長い非対称V字型となった
作用部先端63が形成されている。リング部60の内径
Diは金属製蓋体2の外周側壁7(図1)の外径よりも
若干大きい径を有するものであり、一方リング部60の
外径Doは金属製蓋体2のフランジ部外周側端縁11
(図1)の内径よりも若干小さい径を有するものであ
る。かくして、成形治具48のリング部60は金属製蓋
体2の巻締乃至締結用フランジの溝内に挿入しうること
が了解されよう。図示する成形治具の具体例では、非対
称V字型先端63は、金属製蓋体2の溝中央部12より
もやや外周側に位置するように形成されており、内周側
長辺61と外周側短辺62との傾斜角度が極端に異なる
ことのないようにされている。これらの傾斜角度は、粉
体充填層への賦形性とライニング層の厚みとに密接に関
係する。即ち、傾斜角度があまり大きいと樹脂充填層に
十分に食い込ませることが困難となり、成形性が低下す
る。一方上記角度が小さくなると、樹脂充填層への食い
込みが大きく成りすぎるために溝中央部での厚みが減少
する傾向が認められる。このため、傾斜角度(β、γ)
は、一般に20乃至40゜、特に25乃至35゜の範囲
にあることが望ましい。
【0051】一例として、径24mmのマウンテイング
カップに好適に使用される成形治具の諸寸法は次のとお
りである。 リング部内径Di 24.5mm リング部外径Do 31.6mm 作用部先端径Dc 28.4mm 内周側長辺の角度(β) 27.8゜ 外周側短辺の角度(γ) 38.4゜
【0052】上記形状の成形治具を使用することによ
り、粉体充填層に治具を十分に食い込ませ、所定のライ
ニング形状を形成させることができる。成形治具に印加
する荷重は、樹脂充填層の面積によっても相違するが、
一般に5乃至70kgfの範囲がよく、上記具体例のマ
ウンテイングカップの場合、40乃至50kgの荷重が
適当である。
【0053】粉体層を成形治具で加圧した状態で、金属
製蓋体を加熱する。この蓋体の加熱を高周波誘導加熱コ
イルを使用して行うと、極めて短時間の内に所定のライ
ニングすべき部分を選択的に加熱できるので有利であ
る。勿論加熱の程度は、粉体の金属製蓋体への仮固着が
行われ、粉体層の崩壊乃至型くずれが防止でき、粉体と
成形治具との融着が防止される程度のものであればよ
い。一般に、0.1乃至5秒、特に0.1乃至2秒程度
の短時間の加熱で十分であり、高周波としては、10k
Hz乃至200kHzの高周波が使用され、コイルへの
入力は、蓋1個当たり、1.0乃至10kw程度が適当
である。
【0054】樹脂粉体層の成形及び仮固着を行った蓋体
を、加熱し、樹脂粒子相互を溶融一体化させる。この溶
融処理は、樹脂の融点乃至軟化点以上の温度で行う。樹
脂の融点乃至軟化点とは、樹脂の融点が明確であるとき
には一義的に融点を意味し、樹脂の融点が明確でない場
合には樹脂の軟化点を意味する。樹脂の融点乃至軟化点
(T)を基準として、T+5℃乃至T+100℃の温度
で加熱処理を行うのが好ましい。加熱には、熱風循環
炉、赤外線加熱炉、高周波誘導加熱、誘電加熱等の任意
の手段を使用することができる。最後に、加熱後の蓋を
冷却乃至放冷して、本発明のライニング蓋が得られる。
【0055】図8に、かくして製造される本発明のライ
ニング蓋の巻締乃至締結用フランジ部の断面構造の拡大
図を示す。図8には、24mm径のマウンテイングカッ
プに、密度0.925g/cm3 、メルトフローレート
22g/10min及び平均粒径150μmの不定形粒
子状のLDPEを、供給量を変化させて、0.25g
(A)、0.3g(B)及び0.35g(C)とし、図
6及び図7の成形治具で押圧して仮固着を行い、その後
溶融して得られるライニングの断面形状を示している。
【0056】この図8から、ライナー材表面の径方向断
面形状は、樹脂の若干の溶融流動により、V字型からや
やU字型に移行した形状となっており、また前記V字型
或いはU字型の底は溝中央部に近づいているが、何れ
も、フランジ部の外周側端縁11で最も薄く、溝中央部
12に向けて厚くなり、しかもフランジ部外周側端縁1
1に対向するフランジ部内周面の基準部分16を越えて
溝の反対側に延びている形状を有する。樹脂の充填量が
増大するほど、溝中央部分12のライナー層の厚みが大
きくなっており、フランジ部内周面基準部分16でのラ
イナー層の厚みも大きくなり、しかもフランジ部内周面
基準部分16からの延長部分17の長さも長くなってい
る。
【0057】ライナー材のV字型或いはU字型形状の底
がフランジ部のほぼ溝中央部の上方に100乃至150
0μm、特に300乃至1000μmの厚みで設けられ
ているのがよく、またフランジ部内周面基準部分16で
のライナー層の厚みは10乃至500μm、特に100
乃至200μmの範囲、更にフランジ部内周面基準部分
16からの延長部分17の長さは、0.1乃至4mm,
特に1乃至4mmの範囲にあることが、巻締乃至締結部
の密封性及び耐腐食性の点で好適である。
【0058】[実施例1]機械的粉砕法により作製され
た非球形状ポリエチレン粉末(LDPE、平均粒径15
0μm、安息角60度)を用いて、エアゾール缶用マウ
ンテイングカップのフランジ部に本発明の方法によりラ
イニングを施した。図5に示したようなアルミニウム製
の供給ノズル(オリフィス径2.5mm、テーパー角度
50度、円筒部長さ10mm)にモーターで回転するカ
ムを介して振動(6Hz、振幅2mm)を供給ノズル上
部に振動方向が垂直方向になるように4秒間与えて、粉
末を0.3g供給した。供給ノズルはマウンテイングカ
ップのフランジ部上方に位置し、マウンテイングカップ
は60rpmで回転させた。次に図6のような成形治具
により押圧(48kgf)しながら、高周波誘導加熱装
置(出力3.0kw,2秒間)によりフランジ部を加熱
して粉末を仮固着させ、その後オーブン(180℃、1
0分)により溶融固着させてライニングを行った。この
マウンテイングカップをエポキシ樹脂に埋め込み、断面
を観察したところ、好適形状のライニング層が得られ
た。さらに、原液にエタノール、プロペラントにジメチ
ルエーテルとLPGの2種類を用いて常法により充填し
て、該マウンテイングカップを目金とクリンチしてエア
ゾール缶を100缶製作したところ、すべての缶で所定
の性能が得られ、漏洩はみられなかった。
【0059】[比較例1]実施例1と同様に、非球形状
のポリエチレン粉末(LDPE,平均粒径150μm、
安息角60度)を、マウンテイングカップのフランジ部
に充填し、成形治具を使わずにそのままオーブンにて溶
融固着を行った。これにより作成されたライニング蓋
は、ライナー材が該フランジ部内周面基準部分からの延
長部分の長さがなく、また、フランジ部のほぼ溝中央部
でのライナー材の厚さは円周方向に不均一であり、好適
形状のライニング層が得られなかった。実施例1と同様
に、該マウンティングカップを目金とクリンチしてエア
ゾール缶を100缶製作したところ、すべての缶で漏洩
が見られ、所定の性能が得られなかった。
【0060】[比較例2]実施例1と同様に、非球形状
のポリエチレン粉末(LDPE、平均粒径150μm、
安息角60度)を、マウンテイングカップのフランジ部
に充填し、成形治具により押圧(48kgf)して、高
周波誘導加熱装置による仮固着をせずに治具による押圧
を解除して、オーブン(180℃、10分)による溶融
固着を行った。これにより作成されたライニング蓋は、
フランジ部の溝中央部や、内壁面でライナー材の厚さが
円周方向に不均一であり、好適形状のライニング層が得
られなかった。実施例1と同様に、該マウンテイングカ
ップを目金とクリンチしてエアゾール缶を100缶製作
したところ、すべての缶で漏洩が見られ、所定の性能が
得られなかった。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、ライナー材を熱可塑性
樹脂粉体の溶融成形で形成することにより、缶への巻締
乃至締結性や密封性及び耐腐食性に優れたライニング蓋
を環境汚染等の問題を生じることなしに高生産性を以て
製造することができる。
【0062】即ち、熱可塑性樹脂を粉体の形で用いるこ
とにより、粉体の流動性と成形性とを利用して、蓋の巻
締乃至締結用フランジ内に、所定の厚みの分布及び形状
のライナー材を形成することが可能となる。特に、本発
明のライニング蓋におけるライナー材は、フランジ部の
外周側端縁で最も薄く、溝中央部に向けて厚くなり、し
かもフランジ部外周側端縁に対向するフランジ部内周面
の部分を越えて溝の反対側に延びている形状、一層具体
的には、ライナー材表面の径方向断面が内周側の辺が外
周側の辺に比して長い非対称V字型或いはU字型形状と
なった形状となっているため、巻締乃至締結(クリン
チ)に際して、缶胴カール部或いは眼鏡蓋のカールがラ
イニング蓋の巻締乃至締結用フランジの溝中央部に確実
且つ円滑に案内されて挿入され、巻締乃至締結性に優れ
ている。更に、エアゾール缶用マウンテイングカップに
おいて特に重要な部分はフランジ部の内周側の部分であ
り、この部分が露出していると、巻締乃至締結(クリン
チ)に際して、この部分の塗膜に傷が入りやすく、密封
不良、経時漏洩、金属の腐食や内容物への金属溶出等が
生じるが、本発明では、ライナー材がフランジ部外周側
端縁に対向するフランジ部内周面の部分を越えて溝の反
対側に迄延びているので、優れた密封性、耐経時漏洩
性、耐腐食性が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のライニング蓋(マウンテイングカッ
プ)の一例を示す断面図である。
【図2】エアゾール缶の一例の概略構造を分解して示す
側面断面図である。
【図3】図2で使用するシームレス缶胴の一例を示す側
面断面図である。
【図4】本発明によるライニング蓋の製造工程を説明す
るための工程図である。
【図5】粉体の供給に使用するノズルの形状を示す断面
図である。
【図6】加圧加熱工程に使用する成形治具の詳細な構造
を示す断面図である。
【図7】図6の成形治具の先端部拡大図である。
【図8】本発明のライニング蓋の実施例の巻締乃至締結
用フランジ部の断面構造の拡大図である。
【符号の説明】
1 ライニング蓋 2 金属製蓋体 3 ライナー材層 4 リング状外周凹部 5 リング状内周凸部 6 内周側壁 7 外周側壁 8 巻締乃至締結用フランジ 9 バルブ収容部 10 溝 11 フランジ部外周側端縁 12 溝中央部 13 内周側の辺 14 外周側の辺 15 パイプ用貫通孔 16 フランジ部内周面の基準部分 17 フランジ部内周面基準部分からの延長部分 20 缶胴部材 21 底蓋(コンケーブ・ボトム) 22 目金蓋(ドームド・トップ) 23 側部継目 24及び25 フランジ 26 ドーム部 27 溝 28 環状壁 29 溝 30 ビード乃至カール部 31 バルブ 32 可撓性ディップ・チューブ 33 パイプ 34 吐出孔 35 アクチュエータ 40 搬送機構 41 回転チャック 42 ホッパー 43 振動フィダー 44 供給ノズル 45 粉体 46 搬送機構 47 支持台 48 成形治具 49 加圧機構 50 高周波誘導加熱コイル 51 高周波電源 52 オーブン 53 搬送機構 56 ノズルの円筒部 57 ノズルの倒立円錐体部分 58 オリフィス部分 59 成形治具の円盤状の基部 60 リング部 61 作用部の内周側辺 62 作用部の外周側辺 63 作用部先端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 誠七 神奈川県横浜市栄区犬山町52−8

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲に巻締乃至締結用フランジを備えた
    金属製蓋体と該フランジ部の溝にライニングされたライ
    ナー材とからなるライニング蓋において、前記ライナー
    材は熱可塑性樹脂粉体の溶融成形で形成され且つ前記ラ
    イナー材はフランジ部の外周側端縁で最も薄く、溝中央
    部に向けて厚くなり、しかもフランジ部外周側端縁に対
    向するフランジ部内周面の部分を越えて溝の反対側に延
    びていることを特徴とするライニング蓋。
  2. 【請求項2】 ライナー材表面の径方向断面が内周側の
    辺が外周側の辺に比して長い非対称V字型或いはU字型
    形状となっている請求項1記載のライニング蓋。
  3. 【請求項3】 V字型或いはU字型形状の底がフランジ
    部のほぼ溝中央部の上方に100乃至1500μmの厚
    みで設けられている請求項2記載のライニング蓋。
  4. 【請求項4】 フランジ部外周側端縁に対向するフラン
    ジ部内周面の基準部分でのライナー層の厚みが10乃至
    500μm、前記フランジ部内周面基準部分からの延長
    部分の長さが0.1乃至4mmの範囲にある請求項1乃
    至3のいずれかに記載のライニング蓋。
  5. 【請求項5】 金属製蓋体がエアゾール缶用マウンテイ
    ングカップである請求項1記載のライニング蓋。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂が低密度ポリエチレンまた
    は線状低密度ポリエチレンである請求項1記載のライニ
    ング蓋。
  7. 【請求項7】 金属製蓋体の周囲の巻締乃至締結用フラ
    ンジ部に、熱可塑性樹脂粉体を供給し、該粉体の充填層
    を成形治具で加圧しながら該蓋体を加熱して、該樹脂粉
    体をライニング形状に仮固着させ、次いで成形治具での
    加圧を解除した状態で粉体を溶融固化させることを特徴
    とするライニング蓋の製法。
  8. 【請求項8】 金属製蓋体の加熱を高周波誘導加熱によ
    り行う請求項7記載の製法。
  9. 【請求項9】 成形治具は径方向断面が内周側の辺が外
    周側の辺に比して長い非対称V字型となった作用部先端
    を有するものである請求項7記載の製法。
JP23360595A 1995-09-12 1995-09-12 ライニング蓋及びその製法 Expired - Fee Related JP3582171B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23360595A JP3582171B2 (ja) 1995-09-12 1995-09-12 ライニング蓋及びその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23360595A JP3582171B2 (ja) 1995-09-12 1995-09-12 ライニング蓋及びその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0977154A true JPH0977154A (ja) 1997-03-25
JP3582171B2 JP3582171B2 (ja) 2004-10-27

Family

ID=16957675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23360595A Expired - Fee Related JP3582171B2 (ja) 1995-09-12 1995-09-12 ライニング蓋及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3582171B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007050411A (ja) * 2005-08-12 2007-03-01 Toyo Seikan Kaisha Ltd マウンティングカップの成形方法および成形装置並びにマウンティングカップ
JP2007091263A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Dainippon Ink & Chem Inc 容器蓋およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007050411A (ja) * 2005-08-12 2007-03-01 Toyo Seikan Kaisha Ltd マウンティングカップの成形方法および成形装置並びにマウンティングカップ
JP2007091263A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Dainippon Ink & Chem Inc 容器蓋およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3582171B2 (ja) 2004-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3819085A (en) Lap side seam of metal, tubular body and method for making same
US4379008A (en) Method and apparatus for sealing cardboard containers
US4625892A (en) Polyolefin tank within a metallic tank
CN101395067A (zh) 容器
EP2321189B1 (en) Easy-open container and container coating
JPH0319880B2 (ja)
US6189744B1 (en) Containers
GB2028781A (en) Vessel closure and process for preparation thereof
JPH0977154A (ja) ライニング蓋及びその製法
JPS6158106B2 (ja)
JP3721613B2 (ja) 粉体によるライニング方法
KR890001587B1 (ko) 주상(周狀)측면 이음매를 가지는 금속제 용기 및 그 제조방법
JP4030137B2 (ja) イージーピール容器およびその製造方法
US4783233A (en) Metallic container having a circumferential bonded portion and process for production thereof
EP0120072A1 (en) FLOOR PLATE AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF.
GB2093754A (en) Method for sealing a plastics material to a metal substrate
KR890004339B1 (ko) 금속제 병용 접착제
KR890002740B1 (ko) 금속제 용기
GB2120200A (en) Lidded containers
US20030198537A1 (en) Method for inhibiting delamination of a polymeric coating from a container body
JPS62184833A (ja) 耐食性エアゾ−ル容器の製造方法
CZ100898A3 (cs) Způsob uzavírání kovové nádoby a obalová nádoba obsahující upravený a balený výrobek
JPH0230947B2 (ja) Kaifuyoinamitsupuseikeiyoki
JPH01317747A (ja) 金属−プラスチック複合蓋の製造方法
JPS6220099B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040706

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040719

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080806

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100806

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100806

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110806

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110806

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120806

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120806

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120806

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees