JPH0976417A - 金属表面を有する液晶ポリマーシート積層体及び接着性表面を有する液晶ポリマーシート積層体 - Google Patents

金属表面を有する液晶ポリマーシート積層体及び接着性表面を有する液晶ポリマーシート積層体

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JPH0976417A
JPH0976417A JP7259389A JP25938995A JPH0976417A JP H0976417 A JPH0976417 A JP H0976417A JP 7259389 A JP7259389 A JP 7259389A JP 25938995 A JP25938995 A JP 25938995A JP H0976417 A JPH0976417 A JP H0976417A
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和彦 大橋
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    • H05K1/0313Organic insulating material
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 金属層と液晶ポリマーシートとが強固に結合
した金属表面を有する液晶ポリマーシート積層体を提供
するとともに、金属に対して強い接着力を示す接着性表
面を有する液晶ポリマーシート積層体を提供する。 【解決手段】 サーモトロピック液晶ポリマーからなる
か又はサーモトロピック液晶ポリマーを含むポリマーア
ロイからなる液晶ポリマー層と、その液晶ポリマー層の
少なくとも一方の面に積層された熱可塑性樹脂多孔質体
層との熱圧着体からなり、該液晶ポリマー層のポリマー
の一部が多孔質体層内に存在する少なくとも一部の空孔
内に侵入した構造を有し、両者の層が剥離強度0.5k
g/cm以上で接合している液晶ポリマーシート積層体
と、その積層体の多孔質体層表面に剥離強度0.5kg
/cm以上で接合されている金属層とから構成する金属
表面を有する液晶ポリマーシート積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属表面を有する
液晶ポリマーシート積層体及び接着性表面を有する液晶
ポリマーシート積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーモトロピック液晶ポリマー(本明細
書では単に液晶ポリマーとも言う)は、高強度、高耐
熱、低線膨張率、高絶縁、低吸湿、高ガスバリアー性等
の優れた性質を持っており、すでに射出成形部品や繊維
等として実用化されている。また、液晶ポリマーを用い
たIC用のプリント配線基板の開発も検討されている。
ところで、液晶ポリマーは接着性が悪く、液晶ポリマー
に金属を接着させることが困難で、金属層と液晶ポリマ
ー層とが強固に結合した製品を得ることは非常に困難で
ある。液晶ポリマー層の表面に銅箔等の導電性金属層を
強固に結合させたものは、プリント配線基板材料として
有利に適用し得ることは明らかであるが、現在のとこ
ろ、このような製品は未だ開発されていない。液晶ポリ
マーシートの接着性を向上させる方法として、重クロム
酸、硫酸等の酸処理により表面改質する方法が提案され
ているが(特開平3−505230号)、液晶ポリマー
は元来耐薬品性にすぐれているため、このような薬品処
理によっては接着性の十分な改質表面を得ることはでき
ない。また、プラズマ処理や、機械的摩耗処理による表
面処理でも、接着性の十分な改質表面を得ることはでき
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属層と液
晶ポリマーシートとが強固に結合した金属表面を有する
液晶ポリマーシート積層体を提供するとともに、金属に
対して強い接着力を示す接着性表面を有する液晶ポリマ
ーシート積層体を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、サーモトロピック液
晶ポリマーからなるか又はサーモトロピック液晶ポリマ
ーを含むポリマーアロイからなる液晶ポリマー層と、そ
の液晶ポリマー層の少なくとも一方の面に積層された熱
可塑性樹脂多孔質体層との熱圧着体からなり、該液晶ポ
リマー層のポリマーの一部が多孔質体層内に存在する少
なくとも一部の空孔内に侵入した構造を有し、両者の層
が剥離強度0.5kg/cm以上で接合している液晶ポ
リマーシート積層体と、その積層体の多孔質体層表面に
剥離強度0.5kg/cm以上で接合されている金属層
とから構成されていることを特徴とする金属表面を有す
る液晶ポリマーシート積層体が提供される。また、本発
明によれば、サーモトロピック液晶ポリマーからなるか
又はサーモトロピック液晶ポリマーを含むポリマーアロ
イからなる液晶ポリマー層と、その液晶ポリマー層の少
なくとも一方の面に積層された熱可塑性樹脂多孔質体層
との熱圧着体からなり、該液晶ポリマー層のポリマーの
一部が多孔質体層内に存在する少なくとも一部の空孔内
に侵入した構造を有し、両者の層が剥離強度0.5kg
/cm以上で接合している液晶ポリマーシート積層体
と、その積層体の熱可塑性樹脂多孔質体層に積層及び/
又は含浸されている接着性樹脂層とから構成されている
ことを特徴とする接着性表面を有する液晶ポリマーシー
ト積層体が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いるサーモトロピック
液晶ポリマーとしては、従来公知の各種のものを用いる
ことができる。本発明で用いる好ましい液晶ポリマー
は、その融点が250℃以上、好ましくは280℃以上
のものである。液晶ポリマーの融点の上限は特に制約さ
れないが、通常、380℃程度である。このような液晶
ポリマーとしては、例えば、芳香族ジオール、芳香族カ
ルボン酸、ヒドロキシカルボン酸等のモノマーから合成
される、溶融時に液晶性を示す芳香族ポリエステルがあ
り、その代表的なものとしては、パラヒドロキシ安息香
酸(PHB)とテレフタル酸とビフェノールからなる第
1のタイプのもの(下記式1)、PHBと2,6−ヒド
ロキシナフトエ酸からなる第2のタイプのもの(下記式
2)、PHBとテレフタル酸とエチレングリコールから
なる第3のタイプのもの(下記式3)がある。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】
【化3】
【0009】これらの液晶ポリマーは、ガラスファイバ
ーやアルミナファイバー、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニア等の充填剤や、難燃剤、可塑剤等を適量
含有することができる。
【0010】本発明では、液晶ポリマーを単独で用いる
代わりに、液晶ポリマーを含むポリマーアロイを用いて
も良い。この場合、液晶ポリマーと混合あるいは化学結
合させるアロイ用ポリマーとしては、融点200℃以
上、好ましくは280〜380℃のポリマー、例えば、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステ
ル、ポリアリレート等が使用可能であるが、これらのも
のに限定されない。液晶ポリマーと前記アロイ用ポリマ
ーの混合割合は、重量比で、10:90〜90:10が
好ましく、より好ましくは30:70〜70:30であ
る。ポリマーアロイの融点は、250℃以上、好ましく
は280〜380℃である。このような液晶ポリマーを
含むポリマーアロイは、充填剤、相溶化剤、可塑剤、難
燃剤等を適量含有することができる。液晶ポリマーを含
むポリマーアロイも液晶ポリマーによるすぐれた特性を
保有する。
【0011】本発明で用いる熱可塑性樹脂多孔質体フィ
ルムとしては、融点240℃以上、好ましくは280〜
420℃の従来公知の各種のものが用いられる。このよ
うな多孔質体フィルムを形成する熱可塑性樹脂として
は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチ
レン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ
化塩化エチレン等のフッ素樹脂の他、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテ
ルサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリエステ
ル等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂のうち、フッ
素樹脂は、その高い耐熱性によって熱圧着温度を高くす
ることができ、使用する液晶ポリマーを広く選択できる
ので好ましい。本発明で用いる好ましい多孔質体フィル
ムは、耐熱性、耐薬品性、低誘電特性等の点で延伸多孔
質フッ素樹脂フィルム、特に、延伸多孔質ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)フィルムである。多孔質体
フィルムにおけるその平均細孔径は、0.05〜5μ
m、好ましくは0.2〜1μmであり、その空孔率は1
0〜95%、好ましくは50〜85%である。熱可塑性
樹脂多孔質体フィルムは、発泡法や、溶媒抽出法、固相
延伸法、フィブリル化法等の従来公知の方法で得ること
ができる。
【0012】本発明の金属表面及び/又は接着性樹脂表
面を有する液晶ポリマーシート積層体は、液晶ポリマー
層と、その少なくとも一方の表面に積層された熱可塑性
樹脂多孔質体層との熱圧着体からなる積層体シートを基
材シートとして用いて製造される。図1に本発明で基材
シートとして用いる積層体シートの1例についての断面
構成図を示す。図1において、Aは液晶ポリマー又は液
晶ポリマーを含むポリマーアロイからなる液晶ポリマー
層を示す。B−1及びB−2は熱可塑性樹脂多孔質体層
を示す。多孔質体層B−1及びB−2は同一又は異った
ものであることができる。
【0013】液晶ポリマー層Aと多孔質体層B−1又は
B−2との間の剥離強度は0.5kg/cm以上であ
り、通常、0.8kg/cm以上、好ましくは1.0k
g/cm以上である。液晶ポリマー層Aの厚さは、通
常、5μm以上で、好ましくは10μm〜3mm程度で
あるが、製品の用途に応じて適宜選定される。多孔質体
層B−1又はB−2の厚さは、一般に液晶ポリマー層A
の厚さよりも薄く、通常、500μm以下で、好ましく
は1〜300μm、更に好ましくは10〜100μmで
あるが、製品の用途に応じて適宜選定される。また、多
孔質体層B−1又はB−2の厚さは、液晶ポリマー層A
の厚さに対して5〜80%、好ましくは10〜50%の
厚さに規定するのがよい。
【0014】図2に本発明で用いる積層体シートの他の
例についての断面構成図を示す。図2において、Aは液
晶ポリマー又は液晶ポリマーを含むポリマーアロイから
なる液晶ポリマー層を示し、Bは熱可塑性樹脂多孔質体
層を示す。液晶ポリマー層Aと多孔質体層Bとの間の剥
離強度は0.5kg/cm以上であり、通常、0.8k
g/cm以上、好ましくは1.0kg/cm以上であ
る。液晶ポリマー層Aの厚さは、通常、5μm以上、好
ましくは10μm〜3mmであるが、製品の用途に応じ
て適宜選定される。多孔質体層Bの厚さは、一般に液晶
ポリマー層Aの厚さよりも薄く、通常、500μm以
下、好ましくは1〜300μm、更に好ましくは10〜
100μmであるが、製品の用途に応じて適宜選定され
る。一般的には、多孔質体層Bの厚さは、液晶ポリマー
層Aの厚さの5〜80%、好ましくは10〜50%の厚
さにするのがよい。
【0015】本発明で用いる積層体シートにおいて、液
晶ポリマー層Aの融点は多孔質体層Bの融点、好ましく
は軟化点より低いことが必要である。液晶ポリマーは一
般の熱可塑性樹脂とは異なり、非常に結晶性の高いもの
であることから、これを加熱すると、実質的な軟化状態
を示すことなく、固体状態から高流動性の粘性液体に変
化する。従って、全体が液晶ポリマーからなる液晶ポリ
マーシートは、延伸処理することのできないものであ
る。しかしながら、図1及び図2に示したような熱可塑
性樹脂多孔質体フィルムとの積層体の形態では、液晶ポ
リマーシートが溶融しても、この溶融物は、溶融してい
ない多孔質体によってそのシート形状が保持されるの
で、延伸処理が可能となる。
【0016】また、本発明で用いる積層体シートにおい
て、液晶ポリマー層と多孔質体層とはその接触界面で熱
融着しているが、本発明の場合、液晶ポリマーシートの
ポリマーの一部は、多孔質体フィルム内に存在する少な
くとも一部の空孔内に侵入した構造を有し、これにより
両者の層は強固に接着(接合)する。両者の層の接着力
は、多孔質体へのポリマーの侵入量(多孔体中への液晶
ポリマーの含浸量)が多い程強くなる。本発明の場合、
多孔質体へのポリマーの侵入量は、多孔質体空孔容積の
3%以上、好ましくは10〜90%、より好ましくは4
0〜60%である。このようにして液晶ポリマー層と多
孔質体層とが融着した積層体シートは、両者の層の剥離
強度の高いもので、その取扱い時や延伸処理等の加工時
において、両者の層が容易に剥離するようなことはな
い。
【0017】次に、本発明で用いる積層体シートの製造
方法について詳述する。図1に示した積層構造のシート
を製造するには、液晶ポリマーシートAの両方の表面に
多孔質体フィルムB−1及びB−2をそれぞれ加圧下及
び加熱下で接触させ、少なくとも表面部が溶融した状態
の液晶ポリマーシートAと未溶融状態の多孔質体フィル
ムB−1、B−2とを熱圧着させる。この場合、液晶ポ
リマーシートAは、2つの多孔質体フィルムB−1、B
−2により、両側から挟まれていることから、その表面
部のみに限らず、全体が溶融状態であってもよい。この
ような熱圧着により、液晶ポリマーシートAの溶融物
は、多孔質体フィルムB内の空孔内に侵入し、多孔質体
内の空孔容積の少なくとも一部が液晶ポリマーシートの
溶融物(ポリマー)によって含浸(充填)される。多孔
質体の空孔容積内への液晶ポリマーシート溶融物の侵入
量は、積層体シートの熱圧着における圧力によって調節
することができ、その圧力が高くなる程、多くなる。次
に、前記のようにして熱圧着された積層体シートは冷却
され、これにより、液晶ポリマーシート積層体が得られ
る。この積層体は、必要に応じ、その寸法安定性を向上
させるために、熱処理することができる。
【0018】前記のようにして積層体シートを製造する
場合、その熱圧着装置としては、一対の熱圧着ロール
や、熱プレス装置が用いられる。熱圧着ロールを用いる
場合、図3に示すように、液晶ポリマーシートAと2枚
の多孔質体フィルムB−1、B−2を一対の熱圧着ロー
ル1、1の間の間隙部(クレアランス)に供給し、この
熱圧着ロール間の間隙部で熱圧着した後、冷却する。こ
の場合、液晶ポリマーシートAの両側に多孔質体フィル
ムB−1、B−2を供給する。液晶ポリマーシートAは
固体シート又は押出機のT−ダイから押出された溶融物
シート等であることができる。一方、プレス装置を用い
る場合、そのプレス装置の底板上に第1の多孔質体フィ
ルムを敷設し、その上に液晶ポリマーシートを重ね、そ
の上に第2の多孔質体フィルムを重ね、その上から上板
で所定時間加圧して熱圧着した後、冷却する。この場
合、底板及び/又は上板を加熱し、液晶ポリマーシート
の少なくとも表面部を溶融させる。
【0019】図2に示した積層構造のシートは、一対の
熱圧着ロールを用いて製造することができる。この熱圧
着ロールを用いて積層体シートを製造するには、先ず、
図4に示すように、一対の熱圧着ロール1、1のロール
間に形成される間隙部に、液晶ポリマーシートAと、案
内ロール2で案内される多孔質体フィルムBを供給し、
ロール間隙部において熱圧着する。この場合、多孔質体
フィルムBに接触する側のロールを加熱ロールとし、液
晶ポリマーシートAは、この加熱ロールにより、多孔質
体フィルムBを介して加熱され、その表面部が溶融し、
同時に、ロール間の圧縮力により圧着される。このよう
な熱圧着により、液晶ポリマーシートAの溶融物は、多
孔質体フィルムBの内部に存在する少なくとも一部の空
孔内に侵入し、多孔質体内の空孔容積の少なくとも一部
が液晶ポリマーシートの溶融物によって含浸される。多
孔質体の空孔容積内への液晶ポリマーシート溶融物の侵
入量は、積層体シートの熱圧着における圧力によって調
節することができ、その圧力が高くなる程、多くなる。
次に、前記のようにして熱圧着された積層体シートは冷
却ロールにより冷却され、これにより、液晶ポリマーシ
ート積層体が得られる。
【0020】また、本発明による図2に示した積層構造
のシートは、図3において、多孔質体フィルムB−1及
びB−2のうちの一方を、熱可塑性樹脂無孔体フィルム
とすることにより製造することができる。即ち、液晶ポ
リマーシートAの一方の表面に多孔質体フィルムB及び
他方の表面に無孔質体フィルムCをそれぞれ加圧下及び
加熱下で接触させ、少なくとも表面部が溶融した状態の
液晶ポリマーシートAに未溶融状態の多孔質体フィルム
B及び無孔質体フィルムCを熱圧着させる。この場合、
液晶ポリマーシートAは、多孔質体フィルムBと無孔質
体フィルムCにより、両側から挟まれていることから、
その表面部のみに限らず、全体が溶融状態であってもよ
い。このような熱圧着により液晶ポリマーシートAの溶
融物は多孔質体フィルムB内の空孔内に侵入し、多孔質
体内の空孔容積の少なくとも一部が液晶ポリマーシート
の溶融物によって含浸(充填)される。次に、前記のよ
うにして熱圧着された積層体シートは冷却された後、そ
の無孔質体フィルムが剥離される。この場合の無孔質体
フィルムの剥離は、液晶ポリマーシートの溶融物が侵入
するための空孔を有しないことから、容易に行うことが
できる。このようにして、図2に示した積層構造の液晶
ポリマーシート積層体を得ることができる。
【0021】さらに、図2に示した積層構造のシート
は、熱プレス装置を用いて製造することができる。熱プ
レス装置を用いる場合、熱プレス装置の底板の上に多孔
質体フィルムBを敷設し、その上に液晶ポリマーシート
Aを重ね、その上から直接又は熱可塑性樹脂無孔質体フ
ィルムCを介して上板を用いて所定時間熱圧着した後、
冷却する。この場合、液晶ポリマーシートAを上板によ
り直接加圧するときには、底板のみを加熱し、この加熱
された底板により多孔質体フィルムBを介して液晶ポリ
マーシートAを加熱し、その多孔質体フィルムに接触す
る側のシートAの表面部のみを溶融させる。一方、液晶
ポリマーシートAを熱可塑性樹脂無孔質体フィルムCを
介して上板により加圧するときには、底板又は上板ある
いは両方を加熱し、液晶ポリマーシートA全体を溶融さ
せることができる。このようにして形成された、一方の
面に多孔質体フィルムBが積層され、他方の面に無孔質
体フィルムCが積層された積層体において、その無孔質
体フィルムCは容易に剥離することができる。従って、
この無孔質体フィルムCを剥離することによって、図2
に示した構造の液晶ポリマーシート積層体を得ることが
できる。
【0022】前記のようにして得られる積層体は、これ
を2軸延伸処理するのが好ましい。液晶ポリマーは、配
向性の強いもので、押出機のT−ダイから溶融押出さ
れ、冷却された液晶ポリマーシートは、未延伸物でもそ
の液晶の大部分がその押出方向(MD方向)に配向して
いる。従って、このような一方向に配向した液晶ポリマ
ーシートは、そのMD方向の物性と、MD方向に対して
垂直方向(幅方向、TD方向)の物性との間に大きな差
異を生じ、使用性の悪いものである。本発明によれば、
この問題は、液晶ポリマーシートを積層体の形態で2軸
延伸処理することにより解決することができ、これによ
り、MD/TD方向の物性バランスの改善された液晶ポ
リマー延伸物を得ることができる。積層体を2軸延伸す
るには、積層体をその多孔質体フィルムは実質的に溶融
せずに液晶ポリマーシートを溶融させる温度条件下で、
2軸方向、即ち、その液晶ポリマーの配向と同じ方向
(MD方向)へ延伸するとともに、それとは垂直方向
(TD方向)へ延伸する。この場合、MD方向への延伸
倍率は1〜10倍、好ましくは1〜5倍であり、TD方
向への延伸倍率は1.5〜20倍、好ましくは3〜15
倍である。また、TD方向への延伸倍率は、MD方向へ
の延伸倍率の1.0〜5.0倍、好ましくは1.5〜
3.0倍に規定するのがよい。延伸装置としては、従来
公知の2軸延伸装置を用いることができる。
【0023】前記2軸延伸で得られた積層体延伸物は、
これを冷却し、溶融状態の液晶ポリマーフィルムを冷却
固化し、積層体延伸物を得る。この延伸物はMD/TD
方向の物性バランスの改善されたもので、使用性におい
てすぐれたものである。図1に示す両面に多孔質体フィ
ルムが熱圧着された液晶ポリマーシート積層体の延伸物
を得るには、前記のようにして、2種の多孔質体フィル
ムを用いて形成した液晶ポリマーシート積層体を2軸延
伸すればよい。一方、図2に示す片面に多孔質体フィル
ムが熱圧着された液晶ポリマー積層体は、前記のように
して、多孔質体フィルムと無孔質体フィルムを用いて形
成された液晶ポリマーシート積層体を2軸延伸し、冷却
した後、その無孔質体フィルムを剥離すればよい。前記
した液晶ポリマーシート積層体及びその2軸延伸物(以
下、これらを単に積層体とも言う)は、その一方の面又
は両方の面に多孔質体層を有するものである。この多孔
質体層は、液層ポリマーシートとは異なり、熱可塑性樹
脂からなるため、接着性の良好なものであり、また加圧
成形、ブロー成形、絞り成形等の熱的2次成形の可能な
ものである。
【0024】本発明においては、前記積層体又はその2
軸延伸物に対して、金属層を形成し、金属表面を有する
液晶ポリマーシート積層体製品とすることができる。こ
の場合の金属層は、積層体の多孔質体層表面に形成さ
れ、その厚さは、通常、2mm以下で、好ましくは10
0Å〜100μm、更に好ましくは5〜50μm程度で
ある。金属には、各種の金属及び合金が包含される。こ
のようなものには、たとえば、銅、銀、鉄、ニッケル、
コバルト、アルミニウム、金、白金、パラジウム、イン
ジウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル/コバルト合
金等が挙げられる。金属層を形成する方法としては、従
来公知の各種の方法が適用され、接着剤による接着法、
無電解めっき法、金属蒸着法、スパッタリング法等が挙
げられる。金属層を接着剤により接着させる場合、その
接着剤には熱硬化性樹脂系接着剤及び熱可塑性樹脂系接
着剤等が包含され、従来公知の各種のものを用いること
ができる。このような接着剤としては、熱硬化性樹脂系
接着剤に関しては、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂
系、シリコン樹脂系、シアネート樹脂系、ビスマレイミ
ドトリアジン樹脂系、アリル化ポリフェニレンエーテル
樹脂系、ホルムアルデヒド樹脂系、不飽和ポリエステル
樹脂系が挙げられる。熱可塑性樹脂系接着剤に関して
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリエーテルサルファイド、ポリエーテルエ
ーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、テトラフルオロエ
チレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフ
ルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体
等が挙げられる。また、フレキシブル性を出すために、
ウレタン系、アクリル系、ゴム系、エポキシ系等の可撓
性接着剤を用いることもできる。前記接着剤は、ガラス
ファイバー、アルミナファイバー、シリカ、アルミナ、
ジルコニア等の充填剤や、可塑剤、難燃剤等の補助成分
を含有することができる。このような接着剤は、液状、
フィルム状等の形態で用いられる。前記接着剤を用いて
積層体の多孔質体層表面に金属フィルムを接着する方法
としては、従来公知の方法を用いることができる。例え
ば、液状接着剤を用いる場合には、これをその多孔質体
表面に塗布した(この場合、液状接着剤を多孔質体内部
に一部又は全て、含浸させてもよい)後、金属フィルム
を重ね、必要に応じて加圧、加熱する。また、フィルム
状接着剤を用いる場合には、その多孔質体表面上にフィ
ルム状接着剤を重ね、その上に金属フィルムを重ね、熱
圧着する。このような接着法においては、接着剤の一部
は、多孔質体層内部に存在する空孔内に侵入するため、
金属フィルムと多孔質体層の間に介在する接着剤層は、
多孔質体層に対して強固に接着する。接着剤層の厚さ
は、通常、100μm以下であり、好ましくは1〜50
μmである。
【0025】本発明においては、前記積層体又はその2
軸延伸物に対して、接着性樹脂層を形成し、接着性表面
を有する液晶ポリマーシート積層体製品とすることがで
きる。この場合の接着性樹脂層は、積層体の多孔質体層
表面に形成され(この場合、液状接着剤を多孔質体内部
に一部又は全て、含浸させてもよい)、その厚さは、通
常、100μm以下で、好ましくは1〜50μmであ
る。本明細書で言う接着性樹脂層は、金属フィルムや、
樹脂フィルム、セラミックス板等の固体表面に接合し得
る樹脂層を意味するもので、熱硬化性樹脂層、熱可塑性
樹脂層、粘着樹脂層等が包含される。熱硬化性樹脂層
は、前記した熱硬化性樹脂を積層体の多孔質体表面に塗
布し、熱処理してB−ステージ化(半硬化)させるかさ
せずに形成することができ、熱可塑性樹脂層は、前記し
た熱可塑性樹脂の溶融物を塗布し、冷却することにより
形成することができ、粘着性樹脂層は、樹脂系粘着剤を
塗布することにより形成することができる。このような
接着性表面を有する液晶ポリマーシート積層体製品に
は、プリプレグ、ボンディングシート、カバーレイフィ
ルム、絶縁テープ等が包含される。本発明による金属表
面を有する液晶ポリマーシート積層体は、前記した接着
性表面を有する液晶ポリマーシート積層体のその接着性
表面に金属フィルムを重ねて圧着又は熱圧着することに
より形成することができる。本発明の積層体は、液晶ポ
リマーシートを含むことから、寸法安定性、耐熱性、フ
レキシブル性等にすぐれており、特に、電子分野におけ
る各種基板用材料として有利に用いられる。この場合の
基板には、単層板及び多層積層板が含まれ、プリント基
板、プリント配線板、金属張り積層板、銅張り積層板等
が挙げられる。また、これらの基板は、リジット板又は
フレキシブル板(フレキシブルプリント配線板、ICフ
ィルムキャリアテープ等)であることができる。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0027】実施例1 サーモトロピック液晶ポリエステル(住友化学工業社
製、スミカスーパーE7000)を、単軸押出機(スク
リュー径:50mm)内で溶融させ、その押出機先端の
Tダイ(リップ長さ:500mm、リップクリアラン
ス:1mm、ダイ温度:320℃)よりシート状に押出
し、この溶融状態の液晶ポリマーフィルムAの両側に、
発泡法により形成された厚さ25μmの多孔質ポリエー
テルサルホン(PES)フィルムB−1、B−2を各積
層し、ロール間クリアランスを250μmに設定した一
対の熱圧着ロール(ロール温度:330℃、ロール周
速:2m/分、直径:200mm、幅:600mm)を
用いて熱圧着した後、一対の冷却ロール(直径:50m
m、温度:150℃)を通して冷却した。次に、このよ
うにして得た積層体フィルムを、2軸延伸機にかけて2
軸延伸した後、冷却し、次いで260℃で10分間熱処
理し、厚さ70μmの液晶ポリマーフィルム積層体延伸
物を得た。前記2軸延伸は、延伸温度:315℃、延伸
速度:10%/秒、全延伸倍率:3倍、MD方向:1.
2倍、TD方向:2.5倍の条件で実施された。前記の
ようにして得られた積層体において、液晶ポリマーのP
ES多孔質体フィルム内部への侵入深さは約10μm
(PES多孔質体フィルム内の空孔容積の40%が液晶
ポリマーで含浸)であり、そのPES多孔質体フィルム
の剥離強度は1.5kg/cm以上と高いものであっ
た。次に、前記のようにして得た積層体の両面に、ポリ
イミド樹脂ワニスをディップコータを用いて塗布(塗布
速度:2m/分)し、180℃で10分間乾燥して、塗
布厚:15μm、総厚:100μmのプリプレグ(接着
性シート)を得た。なお、前記ポリイミドワニスは、ポ
リイミド(三井石油化学社製、テクノマイトN−202
0):100重量部、メチルエチルケトン(MEK):
40重量部、N−メチル−2−ピロリドン(NMP):
60重量部からなるものである。また、ポリイミドワニ
スは、PES多孔質体フィルム内に残存する空孔容積の
全部に侵入した(即ち、ポリイミドワニスの残存空孔含
浸率:100%)。次に、前記プリプレグ両面に、ホッ
トプレス機を用いて、厚さ35μmの電解銅箔(古河サ
ーキットホイル社製、GTS)を、温度:200℃、時
間:90分、圧力:10kg/cm2の条件で熱圧着し
て、厚さ100μmの銅張り積層板を得た。
【0028】実施例2 サーモトロピック液晶ポリエステル(住友化学工業社
製、スミカスーパーE7000)を、単軸押出機(スク
リュー径:50mm)内で溶融させ、その押出機先端の
Tダイ(リップ長さ:500mm、リップクリアラン
ス:1mm、ダイ温度:320℃)よりシート状に押出
し、冷却して厚さ250μmの液晶ポリマーフィルムA
を得た。この液晶ポリマーフィルムAの両側に、厚さ4
0μmの多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)フィルムB−1、B−2(平均細孔径:0.2μ
m、空孔率:80%)を積層し、一対のロール(温度:
330℃、ロール周速:2m/分)を有するラミネータ
で熱圧着した後、一対の冷却ロール(直径:50mm、
温度:150℃)を通して冷却した。次に、このように
して得た積層体フィルムを、2軸延伸機にかけて2軸延
伸した後、冷却し、次いで260℃で10分間熱処理し
て、厚さ70μmの両面にPTFE多孔質体フィルムが
熱圧着された液晶ポリマーフィルム延伸物を得た。前記
2軸延伸は、延伸温度:315℃、延伸速度:10%/
分、全延伸倍率:3倍、MD方向:1.2倍、TD方
向:2.5倍の条件で実施された。また、前記のように
して得られた両面にPTFE多孔質体フィルムが熱圧着
された液晶ポリマーフィルム延伸物において、PTFE
多孔質体フィルム内への液晶ポリマーの含浸深さは約1
0μm(PTFE多孔質体の空孔容積の25%が液晶ポ
リマーで含浸)であり、そのPTFE多孔質体フィルム
の剥離強度は1.5kg/cm以上と高いものであっ
た。次に、この積層体に実施例1で示したポイリミド樹
脂ワニスを実施例1と同様にして塗布乾燥して、厚さ1
5μmの接着性樹脂層を有する総厚100μmのプリプ
レグを得た。次に、このプリプレグの両面に実施例1と
同様にして電解銅箔を熱圧着し、厚さ100μmの銅張
り積層板を得た。
【0029】実施例3 実施例2で得られた厚さ70μmの積層体延伸物の両面
に、ウレタン系エポキシ樹脂ワニスを塗布し、140℃
で10分間乾燥して、残存空孔含浸率:100%、塗布
層の厚さ:15μm、総厚:100μmのプリプレグを
得た。次に、このプリプレグの両面に、加熱ロールを用
いて、厚さ35μmの電解銅箔を、線圧:50kg/c
m、温度:160℃、ロール周速:1m/分の条件で熱
圧着し、フレキシブル性の良好な銅張り積層板を得た。
なお、前記ウレタン系エポキシ樹脂ワニスは、ウレタン
結合とアミノ基を有する化合物(チッソ社製、リクソン
ボンド Uα−0372A):100重量部、ノボラッ
クエポキシ樹脂(ダウケミカル日本社製、DEN43
8):30重量部、メチルエチルケトン:30重量部、
ジメチルホルムアミド:50重量部からなるものであ
る。
【0030】実施例4 実施例2で得たプリプレグ5枚と、実施例2で得た銅張
り積層板上に回路を形成した基板4枚とを交互に重ね、
その積層板の表面に厚さ18μmの電解銅箔(古河サー
キットフォイル社製 GTS)を重ね、500×500
mmのピンラミネーション用の金型を用いて、温度:2
00℃、圧力:20kg/cm2、時間:90分の条件
で熱圧着し、厚さ1mmの10層の多層プリント配線基
板を得た。次に、この基板に、直径:0.4mmのスル
ーホールメッキと基板表面のパターンエッチングの加工
を行い、熱衝撃試験(MIL−STD−202F−10
2A:−65℃ 30分、125℃ 30分)を行った
結果300サイクル以上に耐えるプリント配線基板であ
ることが確認出来た。
【0031】実施例5 実施例2で得たプリプレグ5枚と、回路を形成した厚さ
100μmのガラスエポキシコア材(FR4 三菱ガス
化学社製 EL−170)4枚とを交互に重ね、その積
層体表面に厚さ18μmの電解銅箔(古河サーキットフ
ォイル社製 GTS)を重ねて500×500mmのピ
ンラミネーション用の金型を用い加熱加圧成形(温度1
80℃×90分、圧力20kg/cm2)し、厚さ1.
0mmの10層の多層プリント配線基板を得た。その基
板に直径0.4mmのスルーホールメッキと基板表面の
パターンエッチング加工を行い、熱衝撃試験(MIL−
STD−202F−102A:−65℃ 30分、12
5℃ 30分)を行った結果300サイクル以上に耐え
るプリント配線基板である事が確認出来た。
【0032】実施例6 実施例2で得られた厚さ70μmのPTFE多孔質体フ
ィルムが積層された液晶ポリマーフィルム延伸物を35
mm幅にスリットし、このフィルムの片面の中央の27
mmに熱可塑性ポリイミドフィルム(三井東圧化学社製
レグルス−U)を圧着ロール(ロール周速1m/mi
n)を用いて加熱圧着し、接着層の厚さ50μm、総厚
さ120μmの接着シートを得た。このフィルムの両端
に連続のスプロケット孔を打ち抜きによりあけた。さら
にこのスプロケット孔を頼りにスプロケット孔5個に1
個の間隔でフィルム中央にデバイス孔を打ち抜きにより
あけた。接着剤の塗布された面に電解銅箔35μm(三
井金属鉱業社製、VLP)を加熱加圧ロールを用いて接
着した。エッチングによりパット間隔200μmの回路
を形成した後、すずメッキを行いICフィルムキャリア
テープを作製した。このICフィルムキャリアテープに
TAB法によりデバイスをインナーボンディングし、エ
ポキシ樹脂によりポッティング封止し、リールに巻き取
った。さらにこのリールを実装機に取り付け、プリント
配線板にアウターボンディングした。これらの工程を行
ったが精度は良好で確実なICの実装が行えた。
【0033】比較例1 サーモトロピック液晶ポリエステル(住友化学工業社
製:スミカスーパーE7000)を、単軸押出機(スク
リュー径50mm)とインフレーション方式回転ダイ
(ダイ孔径100mm、ブロー比1.2、ダイリップ回
転数7rpm、ダイ温度320℃、2層押出)によりフ
ィルム押出を行い、エアーブローにより冷却の後、焼成
(260℃×10分)し厚さ70μmの液晶ポリマーフ
ィルムを得た。このフィルムに実施例1で示したポリイ
ミド樹脂ワニスをディップコーターを用いて塗布(スピ
ード2m/分)し、乾燥(180℃、10分)して塗布
厚さ15μm、総厚さ100μmのプリプレグ(接着シ
ート)を得た。このシートの両面にホットプレス機を用
いて厚さ35μmの電解銅箔(古河サーキットフォイル
社製 CTS)を加熱加圧接着(200℃、2時間)し
て銅張り積層板を得た。
【0034】比較例2 比較例1で得られた液晶ポリマーフィルムに酸素ガス圧
1×10-2Torr、高周波電力100Wで1分間のプ
ラズマ処理を行った後、比較例1と同様にして銅張り積
層板を得た。 実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2の
評価結果を表1に示す。
【0035】測定方法 銅箔引き剥がし強度 JIS−C−6481 半田耐熱 JIS−C−6481 線膨張率 熱機械分析装置(セイコー電子
工業社製、TMA100)
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の金属表面を有する液晶ポリマー
シート積層体は、その金属層が強固に接合したもので、
電子工業分野における各種基板材料として有利に用いる
ことができる。また、本発明の接着性表面を有する液晶
ポリマーシート積層体は、接着性樹脂層が強固に接合し
たもので、金属フィルムやプラスチックフィル、セラミ
ックス板等の粉体表面に接着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶ポリマーシート積層体の1例についての断
面構成図を示す。
【図2】液晶ポリマーシート積層体の他の例についての
断面構成図を示す。
【図3】図1の液晶ポリマーシート積層体の製造方法の
概略を示す説明図である。
【図4】図2の液晶ポリマーシート積層体の製造方法の
概略を示す説明図である。
【符号の説明】
1 熱圧着ロール 2 案内ロール A 液晶ポリマー層 B、B−1、B−2 多孔質体層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーモトロピック液晶ポリマーからなる
    か又はサーモトロピック液晶ポリマーを含むポリマーア
    ロイからなる液晶ポリマー層と、その液晶ポリマー層の
    少なくとも一方の面に積層された熱可塑性樹脂多孔質体
    層との熱圧着体からなり、該液晶ポリマー層のポリマー
    の一部が多孔質体層内に存在する少なくとも一部の空孔
    内に侵入した構造を有し、両者の層が剥離強度0.5k
    g/cm以上で接合している液晶ポリマーシート積層体
    と、その積層体の多孔質体層表面に剥離強度0.5kg
    /cm以上で接合されている金属層とから構成されてい
    ることを特徴とする金属表面を有する液晶ポリマーシー
    ト積層体。
  2. 【請求項2】 該積層体シートが、2軸延伸物である請
    求項1の積層体。
  3. 【請求項3】 該熱可塑性樹脂多孔質体層が、多孔質構
    造のフッ素樹脂フィルムである請求項1又は2の積層
    体。
  4. 【請求項4】 サーモトロピック液晶ポリマーからなる
    か又はサーモトロピック液晶ポリマーを含むポリマーア
    ロイからなる液晶ポリマー層と、その液晶ポリマー層の
    少なくとも一方の面に積層された熱可塑性樹脂多孔質体
    層との熱圧着体からなり、該液晶ポリマー層のポリマー
    の一部が多孔質体層内に存在する少なくとも一部の空孔
    内に侵入した構造を有し、両者の層が剥離強度0.5k
    g/cm以上で接合している液晶ポリマーシート積層体
    と、その積層体の熱可塑性樹脂多孔質体層に積層及び/
    又は含浸されている接着性樹脂層とから構成されている
    ことを特徴とする接着性表面を有する液晶ポリマーシー
    ト積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006156099A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Mitsubishi Electric Corp 加湿器およびその製造方法
JP2008103559A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Japan Gore Tex Inc 電子回路基板の製造方法
US8784682B2 (en) 2010-03-29 2014-07-22 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Thermosetting composition and printed circuit board using the same
CN112566364A (zh) * 2020-11-24 2021-03-26 中国科学技术大学 无胶粘层热塑性液晶聚合物高频基板及其制备方法和应用

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