JPH097587A - アルカリ蓄電池用正極 - Google Patents

アルカリ蓄電池用正極

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JPH097587A
JPH097587A JP7154207A JP15420795A JPH097587A JP H097587 A JPH097587 A JP H097587A JP 7154207 A JP7154207 A JP 7154207A JP 15420795 A JP15420795 A JP 15420795A JP H097587 A JPH097587 A JP H097587A
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graphite powder
graphite
positive electrode
nickel
powder
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Application number
JP7154207A
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English (en)
Inventor
Hirohisa Hiraki
博久 平木
Osamu Kaita
理 貝田
Hiroyuki Tokumasu
弘幸 徳舛
Hiroki Takeshima
宏樹 竹島
Tetsuhisa Sakai
哲久 酒井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 充放電サイクル回数の大きい長寿命のアルカ
リ蓄電池用の正極を提供する。 【構成】 水酸化ニッケル粉末75重量部、コバルト粉
末6重量部、ニッケル粉末2重量部、補強剤としてアク
リロニトリル系単繊維0.8重量部、結着剤としてスチ
レン−ブタジエン共重合体の濃度3重量%のディスパー
ジョン水溶液をこの樹脂が水酸化ニッケルに対して3.
5重量部になるように加えてペ−ストとし、これにエッ
ジ面の量が0.42m2 /gで平均粒径が19μmのグ
ラファイト粉末を水酸化ニッケルに対して4重量部加
え、このペ−ストを開口度53%の鉄製でニッケルメッ
キを施したパンチングメタル板からなる支持体に塗着乾
燥し、幅33mm、長さ190mmに裁断し、リ−ド板
を取り付けてペ−スト式ニッケル極とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル−カドミウム
蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−亜鉛蓄電池
などのアルカリ蓄電池に用いる正極に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ニッケル−カドミウム蓄電池やニッケル
−水素蓄電池などのアルカリ蓄電池が機器用や移動機器
用として実用化されている。これらに用いられるニッケ
ル極としては、まずポケット式が生まれ、高放電で長寿
命の焼結式電極と密閉型電池の出現でニッケル−カドミ
ウム蓄電池の広範囲な実用化が進んだ。焼結式電極は極
板の正極の活物質の保持体(支持体)として、ニッケル
粉末、例えば電解ニッケルの粉末や、還元ニッケルの粉
末、カーボニッケル粉末などを焼成して微細な多数の空
隙を有する多孔体を作製し、これを支持体としてこの微
細な孔の中に水酸化ニッケルなどの活物質などを充填し
て電極として用いたものである。しかしながら機器から
の要望に対する高容量化には限界があり、ニッケル極の
活物質などの支持体としてより多孔度の大きい発泡状や
繊維状の金属支持体が開発され、いわゆる高容量タイプ
のニッケル−カドミウム蓄電池が出現した。さらに高エ
ネルギー密度と低公害を特徴にニッケル−水素蓄電池が
開発され、実用化されてきた。しかしコストに関しては
さらに改善が求められている。その一例として、ペース
ト式ニッケル極がある。これは活物質である水酸化ニッ
ケル粉末に導電剤を混合し、集電体であり、支持体であ
るスクリーン、エキスパンドメタル、パンチングメタル
などの多孔性導電体板にシート状に塗布・圧着したもの
であり、高価な3次元多孔体を用いないので安価であ
り、活物質も多く充填できるため高容量化が可能であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルカリ蓄電池の正極
の活物質である水酸化ニッケルは充電、放電いずれの状
態でも電子伝導性があまり良くなく、充放電の繰り返し
で電極が膨潤する傾向がある。ニッケルないしはニッケ
ルメッキした金属からなる支持体を用いたいわゆるニッ
ケル極が広く使われるようになったのは活物質保持体と
して焼結基板の発明により、活物質を3次元構造の小さ
な孔の内に保持して、支持体との接触を保って利用率を
向上出来たからである。その後実用化した発泡状や繊維
状の多孔体なども基本的には同じで3次元構造にしてそ
の孔の内に活物質を保持している。
【0004】ところが焼結式や発泡式、繊維式いずれの
多孔体も課題は高容量化と低廉化であり、これら3次元
多孔体の代わりにスクリーン、エキスパンドメタル、パ
ンチングメタルなどの安価な2次元の支持体に水酸化ニ
ッケルに導電剤と結着剤を加えて支持体の両面から塗布
して圧着してシ−ト状に加工して得られるペースト式正
極が広く研究されている。スクリーンは目の細かい網目
状の孔が開いているシート状金属薄板であり、また、エ
キスパンドメタルは薄い金属板に小さな多数の不連続な
切目を入れてそれを切目と直角方向に引き伸ばすことに
よってその切目が開かれて多数の孔を生じさせた金属板
である。パンチングメタルはその名の通り、パンチング
により金属板に微細な孔を多数開けた薄い金属板であ
る。これらの素材は特に限定するものではないが一般的
にはいずれも鉄にニッケルメッキしたものが用いられて
いる。
【0005】ところで活物質である水酸化ニッケルは、
電池反応を生じさせる物質であるが導電性が極めて悪い
ため、せっかく生じた電子を電極まで集電する事ができ
ない。従って、ペースト式その他の活物質の導電剤とし
て、グラファイトや更にそれに加えて金属コバルトなど
が用いられており、このグラファイトはニッケル極の利
用率を上げるのに比較的優れている。ところが、充放電
を繰り返すとグラファイトは酸化されて正極の容量が低
下し、電解液の苛性アルカリが炭酸アルカリに転化して
性能が低下する欠点を有している。アルカリ蓄電池の容
量は正極の容量に規制されるので、容量の大きな正極を
用いることは電池寿命が長く、充放電回数の大きい容量
の大きなアルカリ蓄電池を作製する上で極めて重要な要
件となる。
【0006】そこで本発明は、容量の大きい、すなわち
充放電サイクル回数の大きい長寿命のアルカリ蓄電池用
の正極を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のアルカリ蓄電池用正極は、アルカリ蓄電池
の正極の活物質の導電剤として、グラファイト粉末の粉
末粒子表面にエッジ面の量が少ないグラファイト粉末を
用いたことを特徴とする。
【0008】本発明の前記アルカリ蓄電池用正極に於い
ては、グラファイト粉末として、グラファイト粉末粒子
表面における基底面とエッジ面の合計量に対するエッジ
面の存在比率とグラファイト粉末粒子の比表面積の積が
1.0m2 /g以下であるグラファイト粉末を用いるこ
とが好ましい。
【0009】また、本発明の前記アルカリ蓄電池用正極
に於いては、グラファイト粉末として、グラファイト粉
末粒子表面における基底面とエッジ面の合計量に対する
エッジ面の存在比率とグラファイト粉末粒子の比表面積
の積が0.5m2 /g以下であるグラファイト粉末を用
いることが好ましい。
【0010】また、本発明の前記アルカリ蓄電池用正極
に於いては、グラファイト粉末として、粉末粒子の平均
粒子径が0.5〜5μmのグラファイト粉末を用いるこ
とが好ましい。
【0011】図3にグラファイトのエッジ面、基底面を
説明するために、グラファイト結晶の基本的な構造を模
式的な斜視図で示した。グラファイト結晶の基本的な構
造は六角網目状に結ばれた炭素原子10の作る基底面1
1が、規則正しく積み重なった層状構造になっており、
基底面内の炭素原子は共有結合で強く結ばれており、一
方積み重なった層面間の結合は弱いファンデルワールス
力によっている。この基底面11に対する垂直方向の面
をエッジ面12と呼ぶ。
【0012】ところで通常用いられている実際のグラフ
ァイト粉末の粒子は、図3で示したような基本的なグラ
ファイト構造を持つ微細な結晶子が、特定の方位に配向
することなく集合した等方性の多結晶体を粉末にしたも
のであり、従ってグラファイト粉末の粒子の表面にはか
なりのエッジ面が存在する事になる。グラファイトの酸
化は後述する様にエッジ面で生じやすい。
【0013】従って本発明で用いるエッジ面の量が少な
いグラファイトとしては、例えば、基本的なグラファイ
ト構造を持つ微細な結晶子が、特定の方位に配向するよ
うに結晶した高配向グラファイトの粉末などが挙げられ
る。このようなエッジ面の量が少ない高配向グラファイ
トは、例えば厚さ10〜100μm(一般に薄い方が容
易にグラファイト化しやすい。)の芳香族ポリイミドや
ポリオキサジアゾールのフィルムを延伸して配向させた
配向フィルムを所望の大きさに裁断し、重ね合わせ、こ
の重ね合わせたフィルムをグラファイト製の容器に収納
し、窒素ガスあるいはアルゴンガスなどの不活性ガス中
で予備焼成炉を用いておよそ400〜600℃で原料高
分子を熱分解し、酸素、水素、窒素などの炭素以外の元
素のほとんどを分解ガスとして系の外へ放出して炭素前
駆体を製造し、この炭素前駆体を約2600〜3000
℃で好ましくは圧力を印加して加圧下で加熱処理するこ
とによって得る事ができる。同様なエッジ面の量が少な
い薄いフィルム状のグラファイトシートを得るには上記
の方法に於いて、原料高分子フィルムを重ね合わせずに
単体のまま、また、従って圧力を印加しないで無加圧下
で同様な熱処理を行う事によって得られている。この様
なエッジ面の量の少ないグラファイトの製法は、例えば
ナショナルテクニカルレポート Vol.40, N
o.1, Feb. 1994 第74〜80頁(松下
電器産業株式会社発行)に星敏春らによって発表されて
いるが、本発明で用いるグラファイト粉末は、エッジ面
の量が少ないグラファイト粉末であれば、必ずしもこの
方法によって製造されたグラファイトに限られるもので
はない。粉末にするにはこれらの方法によって得られた
ブロック状またはシート状のグラファイトを適宜の手段
で粉砕して用いれば良い。
【0014】なお、グラファイトのエッジ面の量は以下
のように見積もっている。レーザーラマン分光法による
カーボンのラマンスペクトルを図1に示したが、図1の
曲線1は高配向性グラファイトのラマンスペクトルを示
したものである。図1の曲線1に示すように平面構造
(基底面)に起因するラマン振動である1580cm-1
のスペクトルが観察される。しかし、アモルファスカー
ボンでは、図1の曲線2に示すようにこれらのスペクト
ル以外に1360cm-1のスペクトルが得られる。この
スペクトルはグラファイトの乱層構造すなわち主にエッ
ジ面に起因するラマン振動だと考えられている。このこ
とから基底面に起因する1580cm-1とエッジ面に起
因する1360cm-1の強度比を求めることにより、グ
ラファイト表面の基底面とエッジ面の存在比率を見積も
ることができる。すなわち、基底面に起因する1580
cm-1のラマンスペクトルの強度をaとし、エッジ面に
起因する1360cm-1のラマンスペクトルの強度をb
とすると、グラファイト表面に現れている基底面とエッ
ジ面の合計量に対するとエッジ面の存在比率はb/(a
+b)で表される。さらに、そのグラファイト粉末の粒
子自体の比表面積を掛け合わせることによりグラファイ
ト粒子表面のエッジ面の量に相当する値が求められる。
本発明ではこの値をエッジ面の量(m2 /g)として用
いている。
【0015】本発明においては、グラファイト粒子表面
のエッジ面の量、すなわち、グラファイトの基底面とエ
ッジ面の合計量に対するエッジ面の存在比率とグラファ
イト粉末粒子の比表面積の積が好ましくは1.0m2
g以下、より好ましくは0.5m2 /g以下のグラファ
イト粉末を用いることが好ましい。
【0016】グラファイト粉末の粒子の大きさとしては
特に限定するものではないが、導通性を良好に保ち、活
物質中に均一に分散させるには、平均粒径が0.5〜5
μmのグラファイト粉末を用いることが好ましく、特に
平均粒径が1〜3μmのグラファイト粉末を用いること
がより好ましい。
【0017】正極の活物質としては、通常水酸化ニッケ
ル(Ni(OH)2 )が用いられる。そしてペーストに
するにはこの活物質に、導電材として本発明で用いる特
定のグラファイト粉末と、結着剤、その他導通性を更に
補助するためのコバルト金属粉末やその他の添加剤など
が配合されて用いられる。
【0018】特に限定するものではないが、通常、水酸
化ニッケル(Ni(OH)2 )が70〜90重量%、好
ましくは75〜80重量%程度、導電材として本発明で
用いる特定のグラファイト粉末が5〜12重量%、好ま
しくは7〜10重量%程度、結着剤が2〜3重量%程
度、残りが、コバルト金属粉末やニッケル金属粉末、そ
の他の添加剤などの割合で用いられる。
【0019】結着剤としては、かかるペーストを作成す
る際に用いられているものが用いられ、具体的な例を挙
げるとすれば、例えばスチレン−ブタジエンラバー(S
BR)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂な
どが好適に用いられる。
【0020】正極の支持体すなわち正極の活物質を含む
ペーストなどの保持体としては、前述した焼結式や発泡
式、繊維式などの3次元多孔体状の支持体やスクリー
ン、エキスパンドメタル、パンチングメタルなどの安価
な2次元の支持体のいずれを用いてもよいが、特にスク
リーン、エキスパンドメタル、パンチングメタルなどの
安価な2次元の支持体を用いる事が、支持体自体が安価
であるばかりでなく、正極の活物質を含むペーストなど
の支持体への付着工程も極めて容易で手間がかからなく
なり、製造コストを下げることができる点で好ましく用
いられる。
【0021】
【作用】グラファイトのアルカリ電解液中での酸化は、
【0022】
【化1】
【0023】に従うとされている。充電電位領域でのグ
ラファイトの酸化は、基底面の炭素原子とエッジ面の炭
素原子を比較してみると、基底面ではπ電子が表面を覆
っているのに対し、エッジ面は結合が切れて結合手が余
った状態になっていると考えられるため反応性に富んで
おり、エッジ面で酸化が起こる。この酸化により炭酸イ
オン量が増加する。炭酸イオンが増加すると電解液の導
電性が低下し、充放電による可逆反応である電池反応が
生じにくくなる。したがって、本発明では基底面に比べ
て活性なエッジ面の量が少ないグラファイトを用いるこ
とでグラファイトと電解液の水酸基の反応を抑え、グラ
ファイトを酸化されにくくする。このことで電池特性の
劣化を引き起こす電解液中の炭酸イオンの増加を抑え、
容量低下を少なくして寿命を長くすることができる。す
なわち耐酸化性を有するグラファイトとは、粉末粒子表
面にエッジ面の量が少ない構造のグラファイトであり、
このようなグラファイト粉末を用いることにより寿命が
長いアルカリ蓄電池を提供し得る正極を提供することが
できる。
【0024】そしてグラファイト粉末粒子表面における
基底面とエッジ面の合計量に対するエッジ面の存在比率
とグラファイト粉末粒子の比表面積の積が1.0m2
g以下であるグラファイト粉末を用いることにより、グ
ラファイト粉末の酸化がより生じにくくなり、更に充放
電回数の大きいサイクル寿命の長いアルカリ蓄電池を提
供し得る正極を提供することができる。
【0025】そして更にグラファイト粉末粒子表面にお
ける基底面とエッジ面の合計量に対するエッジ面の存在
比率とグラファイト粉末粒子の比表面積の積が0.5m
2 /g以下であるグラファイト粉末を用いることによ
り、グラファイト粉末の酸化が更に一層生じにくくな
り、更に飛躍的に充放電回数の大きいサイクル寿命の長
いアルカリ蓄電池を提供し得る正極を提供することがで
きる。
【0026】また、グラファイト粉末が、粉末粒子の平
均粒子径が0.5〜5μmのグラファイト粉末を用いる
本発明の好ましい態様とすることにより、活物質中にグ
ラファイト粉末を均一に分散させることができ、また、
正極の導通性を良好に保ち、導電性の優れた正極とする
ことができる。尚、グラファイト粉末の平均粒子径が余
りに大きくなり過ぎると、導通性を保つことが困難にな
る傾向にあり、一方、平均粒子径が余りに小さくなり過
ぎた場合には、活物質中にグラファイト粉末を均一に分
散させることが困難になり、したがって導通性が低下す
る傾向にある。
【0027】
【実施例】以下に本発明の理解をより一層容易にするた
め、実施例や比較例を挙げて更に説明するが、本発明は
これらの実施例のみに限定されるものではない。なお実
施例では正極の例として最も良く用いられるニッケル正
極を用いたものを例として記載するが、他の正極でも同
様である。
【0028】(実施例1)ニッケル極を以下のようにし
て作成した。厚さ0.17mm、孔径1.8mm、開口
度53%の鉄製でニッケルメッキを施したパンチングメ
タル板を支持体とする。これに市販の水酸化ニッケル粉
末75重量部、コバルト粉末6重量部それに導電体とし
て、ニッケル粉末2重量部、補強剤としてアクリロニト
リル系単繊維0.8重量部、結着剤としてスチレン−ブ
タジエン共重合体の濃度3重量%のディスパージョン水
溶液をこの樹脂が水酸化ニッケルに対して3.5重量部
になるように加えてペ−ストとする。これにグラファイ
ト粉末(平均粒径が19μmの鱗片状人造黒鉛)を水酸
化ニッケルに対して4重量部加えた。このペ−ストを前
記支持体に塗着し、0.7mmのスリットを通して加圧
し平滑化した。その後120℃で1時間乾燥した。得ら
れた電極はエンボス加工を施したロ−ラープレス機を3
回通して厚さ0.7mmに調整した。このようにして得
られたペ−スト式ニッケル極を幅33mm、長さ190
mmに裁断し、リ−ド板をスポット溶接により取り付け
た。相手極として公知のペ−スト式MmNi系水素吸蔵
合金極、親水処理ポリプロピレン不織布セパレ−タを用
いて密閉形ニッケル−水素電池を構成した。添加したグ
ラファイト粉末のアルゴンレーザーを用いたラマンスペ
クトルを測定し、1360cm-1と1580cm-1のピ
ーク強度から、エッジ面の存在比率を求めると0.11
であった。また窒素を用いたBET吸着法によるグラフ
ァイト粉末の比表面積を求めると、3.8m2 /gであ
った。この2つの値を掛け合わせてエッジ面の量を見積
もると、0.11×3.8=0.42であった。この電
池をAとする。
【0029】尚、電解液として比重1.27の苛性カリ
水溶液に25g/lの水酸化リチウムを溶解して用い
た。電池はSubC型とし、公称容量は2.8Ahであ
る。 (実施例2)実施例1と同様な作製法で電池を作製し
た。グラファイト粉末として平均粒径が20μmの球状
の人造黒鉛からなるグラファイト粉末を用いた。添加し
たグラファイト粉末のアルゴンレーザーを用いたラマン
スペクトルを測定し、1360cm-1と1580cm-1
のピーク強度からエッジ面の存在比率を求めると0.1
2であった。また窒素を用いたBET吸着法によるグラ
ファイト粉末の比表面積を求めると、7.42m2 /g
であった。この2つの値を掛け合わせてエッジ面の量を
見積もると、0.12×7.42=0.89であった。
その他は実施例1と同様の構成とした。この電池をBと
する。
【0030】(比較例1)実施例1と同様な作製法で電
池を作製した。グラファイト粉末として平均粒径が15
μmの球状の人造黒鉛からなるグラファイト粉末を用い
た。添加したグラファイト粉末のアルゴンレーザーを用
いたラマンスペクトルを測定し、1360cm-1と15
80cm-1のピーク強度からエッジ面の存在比率を求め
ると、エッジ面の存在比率は0.19であった。また窒
素を用いたBET吸着法によるグラファイト粉末の比表
面積を求めると、12.9m2 /gであった。この2つ
の値を掛け合わせてエッジ面の量を見積もると、0.1
9×12.9=2.46であった。その他は実施例1と
同様の構成とした。この電池をCとする。
【0031】(比較例2)実施例1と同様な作製法で電
池を作製した。グラファイト粉末として平均粒径が10
μmの薄片状の人造黒鉛からなるグラファイト粉末を用
いた。添加したグラファイト粉末の、アルゴンレーザー
を用いたラマンスペクトルを測定し、1360cm-1
1580cm-1のピーク強度からエッジ面の存在比率を
求めると、エッジ面の存在比率は0.22であった。ま
た窒素を用いたBET吸着法によるグラファイト粉末の
比表面積を求めると、20.6m2 /gであった。この
2つの値を掛け合わせてエッジ面の量を見積もると、
0.22×20.6=4.53であった。その他は実施
例1と同様の構成とした。この電池をDとする。
【0032】各電池の1C充放電試験による充放電回数
を調べ、エッジ面との関係を表1と図2に示した。充放
電回数には、容量が50%になるまでの回数を示してい
る。
【0033】
【表1】
【0034】図2より明らかなようにエッジ面の量が少
ないグラファイトを添加した電池ほどサイクル寿命が長
い。見積もったエッジ面の量が、1m2 /gを超すと充
放電回数の低下が激しくなることから、電池Aと電池B
が好ましく特に電池Aが好ましいのでエッジ面の存在比
率に、表面積を掛けたエッジ面の量が、好ましくは1.
0m2 /g以下、より好ましくは0.5m2 /g以下に
なるグラファイトを添加したニッケル極を用いた電池の
寿命が長くなることがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明のアルカリ蓄電池用の正極は、そ
の活物質の導電剤として粒子表面にエッジ面の量の少な
い構造を持つグラファイト粉末を用いることにより、グ
ラファイト粉末が酸化されにくくなり、容量の大きい、
充放電サイクル回数の大きな長寿命のアルカリ蓄電池を
提供でき、アルカリ蓄電池用の正極として有用である。
【0036】そして本発明のアルカリ蓄電池用の正極に
おいて、グラファイト粉末粒子表面における基底面とエ
ッジ面の合計量に対するエッジ面の存在比率とグラファ
イト粉末粒子の比表面積の積が1.0m2 /g以下であ
るグラファイト粉末を用いる本発明の好ましい態様とす
ることにより、グラファイト粉末の酸化がより生じにく
くなり、更に充放電回数の大きいサイクル寿命の長いア
ルカリ蓄電池を提供でき、アルカリ蓄電池用正極として
極めて有用である。
【0037】更に本発明のアルカリ蓄電池用の正極にお
いて、グラファイト粉末粒子表面における基底面とエッ
ジ面の合計量に対するエッジ面の存在比率とグラファイ
ト粉末粒子の比表面積の積が0.5m2 /g以下である
グラファイト粉末を用いる本発明の好ましい態様とする
ことにより、グラファイト粉末の酸化が更に一層生じに
くくなり、更に飛躍的に充放電回数の大きいサイクル寿
命の長いアルカリ蓄電池を提供でき、アルカリ蓄電池用
正極として極めて有用である。
【0038】また、本発明のアルカリ蓄電池用の正極に
おいて、グラファイト粉末が、粉末粒子の平均粒子径が
0.5〜5μmのグラファイト粉末を用いる本発明の好
ましい態様とすることにより、活物質中にグラファイト
粉末を均一に分散させることができ、また、正極の導通
性を良好に保ち、導電性の優れたアルカリ蓄電池用の正
極を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カーボンのラマンスペクトルを示す図。
【図2】グラファイト粉末のエッジ面の量と充放電回数
の関係を示す図。
【図3】グラファイト結晶の基本的な構造を示す模式的
な斜視図。
【符号の説明】
1 高配向性グラファイトのラマンスペクトルを示す曲
線 2 アモルファスカーボンのラマンスペクトルを示す曲
線 10 炭素原子 11 基底面 12 エッジ面
フロントページの続き (72)発明者 竹島 宏樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 酒井 哲久 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ蓄電池の正極の活物質の導電剤
    として、グラファイト粉末の粉末粒子表面にエッジ面の
    量が少ないグラファイト粉末を用いたことを特徴とする
    アルカリ蓄電池用正極。
  2. 【請求項2】 グラファイト粉末が、グラファイト粉末
    粒子表面における基底面とエッジ面の合計量に対するエ
    ッジ面の存在比率とグラファイト粉末粒子の比表面積の
    積が1.0m2 /g以下であるグラファイト粉末である
    請求項1に記載のアルカリ蓄電池用正極。
  3. 【請求項3】 グラファイト粉末が、グラファイト粉末
    粒子表面における基底面とエッジ面の合計量に対するエ
    ッジ面の存在比率とグラファイト粉末粒子の比表面積の
    積が0.5m2 /g以下であるグラファイト粉末である
    請求項1に記載のアルカリ蓄電池用正極。
  4. 【請求項4】 グラファイト粉末が、粉末粒子の平均粒
    子径が0.5〜5μmのグラファイト粉末である請求項
    1〜3のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用正極。
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