JPH0974995A - 腸管由来の乳酸菌及びそれを利用した非加熱食肉製品 - Google Patents

腸管由来の乳酸菌及びそれを利用した非加熱食肉製品

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JPH0974995A
JPH0974995A JP7259334A JP25933495A JPH0974995A JP H0974995 A JPH0974995 A JP H0974995A JP 7259334 A JP7259334 A JP 7259334A JP 25933495 A JP25933495 A JP 25933495A JP H0974995 A JPH0974995 A JP H0974995A
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Hiroyuki Yamanaka
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Masanobu Akimoto
政信 秋元
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聡 金井
Takashi Samejima
隆 鮫島
Tameo Miki
為雄 三木
Makoto Ito
良 伊藤
Hiroshi Kondo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食塩耐性、亜硝酸耐性を有する特定の腸管由
来の乳酸菌を発酵スターターとして利用した良好な風味
を有する非加熱食肉製品の製造方法及びその製品等を提
供する。 【解決手段】 食肉原料に、亜硝酸塩が100ppm以
上かつ食塩が2%以上の条件下で発育することができる
腸管由来の乳酸菌を添加して発酵させることを特徴とす
る非加熱食肉製品の製造方法。また、腸管由来の乳酸菌
が、亜硝酸塩が200ppm以上かつ培養温度が20℃
以下の条件下で発育することができる乳酸菌であること
を特徴とする上記の非加熱食肉製品の製造方法。さらに
上記製造方法により製造される非加熱食肉製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体の健康上好ま
しい腸管由来の乳酸菌と、それを利用した非加熱食肉製
品に関するものであり、さらに詳しくは、本発明は、食
塩耐性と亜硝酸耐性を有する特定のヒト腸管由来のプロ
バイオティック乳酸菌を利用して人体の健康上有効な機
能と良好な風味を有する高品質の非加熱食肉製品を製造
する方法及びその製品等に関するものである。なお、こ
の明細書において百分率は、特に断りのない限り重量に
よる百分率を表す。
【0002】
【従来の技術】従来、非加熱食肉製品のスターター乳酸
菌としては、Lactobacillus plant
arum(以下、LactobacillusはL.と
表示する)、L.pentosus、L.alimen
tarius、Pediococcus acidil
actici等の菌が使用されている。これらの菌は、
食品衛生法で規定される食塩、亜硝酸塩及び温度の条件
下で、食肉の発酵を行う機能を有するが、食後は、胃酸
や胆汁酸により死滅するか、人間の腸を定着することな
く通過し排泄されるといわれている。
【0003】一方、近年、動物に経口投与される生きた
微生物で、消化管内微生物叢を改善することにより宿主
に有益な効果をもたらすものに対して、プロバイオティ
ックス(probiotics)という言葉が盛んに用
いられるようになっている。プロバイオティックスには
主に乳酸菌が利用されており、プロバイオティック乳酸
菌と呼ばれている。代表的なプロバイオティック乳酸菌
としては、Lactobacillus、Bifido
bacterium(以下、ビフィズス菌という。)及
びEnterococcusがよく知られ、特にL.a
cidophilusは欧米ではアシドフィラスミルク
という乳製品に利用されている。このようなプロバイオ
ティック乳酸菌のうち、ビフィズス菌は、特にわが国で
研究が活発に行われた結果、商品としての普及も著しい
が、ビフィズス菌は、アシドフィラス菌に比べ耐酸性が
弱く、嫌気性が強いため培養が難しく、発酵の際に人体
に望ましくない蟻酸と呈味を損なう酢酸を生じる等の欠
点を持っている。
【0004】その他、プロバイオティック乳酸菌を利用
したものとして、例えば、特開平5−292947号公
報には、アシドフィラス菌を用いた製剤について開示さ
れており、乳製品についてのプロバイオティックスの実
用化が図られている。プロバイオティック乳酸菌が備え
るべき条件として、以下が考えられる。 1)宿主に対し、無害である。 2)胃酸と胆汁酸に対し耐性があり、生きた状態で腸管
に到達する。 3)消化管内に定着する。 4)有機酸、バクテリオシン、又は過酸化水素等の抗菌
性物質を産生する。 5)保存中に生菌数が維持できる。 従来の非加熱食肉製品のスターターとして利用される乳
酸菌のほとんどは、胃酸により死滅し生きた状態で腸管
に到達しないもの、または消化管に定住しないもので、
プロバイオティック乳酸菌ではなかった。
【0005】近年、pHの安定制御と熟成期間の短縮を
目的として、乳酸菌を用いて食肉を発酵させる種々の方
法が開発されており、例えば、特開平5−103631
号公報には、ビフィズス菌増殖促進剤を既存の発酵スタ
ーター(ラクトバシラス・プランタルム及びスタフィロ
コッカス・シムランス)と食肉に添加し、発酵スタータ
ーの安定増殖を図る方法が開示されている。また、京都
大学農学部の矢野らの報告『ビフィズス菌による発酵肉
の製造』では、加熱殺菌した食肉にビフィズス菌を添加
し同時摂取する考えが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プロバイオテ
ィック乳酸菌を直接、生の食肉の発酵スターターとして
利用した例は、今のところ見当たらない。それは、プロ
バイオティック乳酸菌の多くが、市販の発酵スターター
に比べて、食塩及び亜硝酸塩に対する耐性が低く、食肉
の発酵中に増殖し乳酸を生成してpHを低下させること
ができないという問題があったからである。
【0007】このような状況の中で、本発明者らは、プ
ロバイオティック乳酸菌を利用して、食後、該乳酸菌が
死滅することなく生きた状態で腸管に到着して人体の健
康上有効な機能を発揮し得ると共に良好な風味を有す新
しい高品質の非加熱食肉製品を開発することを目標とし
て鋭意研究を積み重ねた結果、食塩及び亜硝酸塩に対す
る耐性が強く、亜硝酸塩が100ppm以上かつ食塩が
2%以上の条件下で発育することができる腸管由来の乳
酸菌を見い出すことに成功すると共に、該腸管由来の乳
酸菌が非加熱食肉製品の発酵スターターとしてきわめて
有用なものであるとの知見を得て、本発明を完成するに
至った。
【0008】本発明は、食塩及び亜硝酸塩に対する耐性
の強いプロバイオティック乳酸菌をスクリーニングし、
それを食肉の発酵スターターとして利用した食肉製品を
提供することを目的とする。また、本発明は、食塩及び
亜硝酸塩に対する耐性が強い特定のヒト腸管由来の乳酸
菌を利用した非加熱食肉製品の製造方法を提供すること
を目的とする。さらに、本発明は、上記非加熱食肉製品
の発酵スターターとして有用な新規プロバイオティック
乳酸菌を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、食肉原料に、亜硝酸塩が100ppm以上
かつ食塩が2%以上の条件下で発育することができる腸
管由来の乳酸菌を添加して発酵させることを特徴とする
非加熱食肉製品の製造方法、であり、また、腸管由来の
乳酸菌が、亜硝酸塩が200ppm以上かつ培養温度が
20℃以下の条件下で発育することができる乳酸菌であ
ることを特徴とする上記の非加熱食肉製品の製造方法、
を好ましい実施の態様としている。また、上記課題を解
決するための本発明は、上記の製造方法により製造され
る非加熱食肉製品、である。
【0010】さらに、上記課題を解決するための本発明
は、腸管由来の乳酸菌であって、亜硝酸塩が200pp
m以上、食塩が2%以上かつ培養温度が20℃以下の条
件下で食肉を発酵することができる能力を有するラクト
バチルス・アシドフィラス(Lactobacillu
s acidophilus)FERM P−1511
9、及び腸管由来の乳酸菌であって、亜硝酸塩が200
ppm以上、食塩が3.3%以上かつ培養温度が20℃
以下の条件下で食肉を発酵することができる能力を有す
るラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・アラク
トサス(Lactobacillus casei s
sp. alactosus)FERMP−1512
1、及びラクトバチルス・ラムノサス(Lactoba
cillus rhamnosus)FERM P−1
5120、である。
【0011】日本の食品衛生法の非加熱食肉製品の規格
基準においては、食肉の重量に対し200ppm以上の
亜硝酸塩を用いなければならないことが必須要件として
定められている。また、食塩は食肉の重量に対し3.3
%以上、熟成温度は20℃以下で20日間以上が原則と
なっているが、食塩含量と熟成期間の該原則は、一定条
件に凍結した原料食肉を使用する場合、加熱した原料食
肉を使用する場合または製品の水分活性が0.91未満
の場合は、適用されないこととなっている。一方、非加
熱食肉製品の欧米の製造基準を見ると、亜硝酸塩の濃度
が、米国で150〜200ppm、ドイツで100〜1
50ppmとなっている。また、食塩濃度については、
2.8〜3.0%の実例が多く、2.0%のものもみら
れる。この様に、現行の日本の非加熱食肉製品の製造基
準は、欧米のそれに比較して、厳格となっており、今後
は、当該基準についての国際ハーモナイゼーションが予
想される。
【0012】そこで、本発明者らは、まず、国際的な製
造基準の範囲で発育できる腸管由来のプロバイオティッ
ク乳酸菌を選別することから始め、新たに見い出した特
定の腸管由来の乳酸菌を非加熱食肉製品の発酵スタータ
ーとして利用することに成功した。すなわち、本発明
は、食肉原料に、亜硝酸塩が100ppm以上かつ食塩
が2%以上の条件下で発育することができる腸管由来の
乳酸菌を添加して発酵させる非加熱食肉製品であること
を特徴とする。その具体的な内容を以下の試験例1に示
す。
【0013】(試験例1)この試験は、亜硝酸塩が10
0ppm以上かつ食塩が2%以上の条件下で発育するこ
とができる腸管由来の乳酸菌をスクリーニングするため
に行った。 1)試料の調製 人間の腸管から分離した202株を供試菌とした。
【0014】2)試験方法 食塩が2、4、6%、及び亜硝酸塩が50、100、1
50、200ppmの培地(APT Broth)に、
供試菌を接種し、32℃で72時間培養した。その後、
発育状況を655nmにおける吸光度で判定し、吸光度
0.5以上のものを旺盛な発育を示す菌株とした。その
結果、食塩が2%以上かつ亜硝酸塩が100ppm以上
の条件下で発育し、さらに培地のpHを4.5未満とす
るものを選択した。
【0015】3)試験結果 該当する菌株は、以下の17株であった。 L.gasseri 4株 L.acidophilus 1株 L.johnsonii 1株 L.salivarius ssp. salicinius 8株 L.salivarius ssp. salivarius 1株 L.casei ssp. alactosus 1株 L.rhamnosus 1株。
【0016】次に、本発明者らは、日本の製造基準の範
囲で発育できるプロバイオティック乳酸菌の選別を実施
し、新たに見い出した特定の腸管由来の乳酸菌を非加熱
食肉製品の発酵スターターとして利用することに成功し
た。すなわち、本発明は、食肉原料に、亜硝酸塩が20
0ppm以上かつ培養温度が20℃以下の条件下で発育
することができる腸管由来の乳酸菌を添加して発酵させ
る非加熱食肉製品であることを特徴とする。その具体的
な内容を以下の試験例2に示す。
【0017】(試験例2)この試験は、亜硝酸塩が20
0ppm以上かつ培養温度が20℃以下の条件下で発育
することができる腸管由来の乳酸菌をスクリーニングす
る為に行った。 1)試料の調製 試験例1で選別された17株を供試菌とした。
【0018】2)試験方法 食塩が2%、及び亜硝酸塩が200ppm存在する培地
(APT Broth)に供試菌を接種し、それぞれ2
0℃、1週間培養を実施した。その後、発育状況を65
5nmにおける吸光度で判定し、吸光度0.5以上のも
のを旺盛な発育を示す菌株とした。
【0019】3)試験結果 食塩が2%以上、亜硝酸塩が200ppm以上かつ培養
温度が20℃以下の条件下で発育し、さらに培地のpH
を4.5未満とするものは、以下の3株であった。 L.acidophilus(FERM P−1511
9) L.casei ssp. alactosus(FE
RM P−15121) L.rhamnosus(FERM P−15120)
【0020】上記菌株のうち、L.casei ss
p. alactosusとL.rhamnosus
は、食塩が3.3%以上の条件下で発育する能力を有す
る。上記菌株は、上記特性を有する新菌株として本発明
者らによってスクリーニングされたものであり、上記特
性を有する点、酸抵抗性(試験例3〜4)を有する点に
おいて同種内の公知の菌株との相違点(菌学的性質)を
有するが、その他の一般的性質については、それぞれ、
公知種と分類学的性質(形態的性質、培養的性質、生理
学的性質等の一般的分類学的性質)において著しい差異
はない。なお、これらの腸管由来の乳酸菌については、
上記( )内に付記したように、平成7年8月18日付
にて公的微生物寄託機関である工業技術院生命工学工業
技術研究所に受託番号FERM P−15119〜15
121として寄託済みとなっている。
【0021】(試験例3)この試験は、試験例2で選別
した腸管由来の乳酸菌の胃酸に対する抵抗性を確認する
為に行った。 1)試料の調製 試験例2で選別された3株を供試菌とした。
【0022】2)試験方法 pH2、3の各塩酸溶液に各供試菌を接種し、37℃
で、直後、0.5、1、3、5時間保持した後、BCP
加プレートカウント寒天培地でその生残菌数を測定し
た。
【0023】3)試験結果 試験結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】胃を通過する条件は、S.Khoodと
E.A.ZottolaがJournal of Fo
od ScienceのVol.53,No.5(19
88)に『培地の系で、pH3で2時間生き残ること』
と報告しているが、上記表1の結果から明らかなよう
に、本発明の3株の供試菌はこの条件を完全にクリアし
ていた。
【0026】(試験例4)この試験は、試験例2で選別
した腸管由来の乳酸菌の胆汁酸に対する抵抗性を確認す
る為に行った。 1)試料の調製 試験例2で選別された3株を供試菌とした。
【0027】2)試験方法 胆汁末(和光純薬工業(株)製)を2000、100
0、500、250、125、0ppm加えたpH5、
6、7のMRS寒天培地で各供試菌を培養し、胆汁酸の
発育阻害濃度を調べた。
【0028】3)試験結果 試験結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】上記表2の結果から明らかなように、腸管
で発育する条件といわれる『胆汁末1000ppmでの
発育』を本発明に係る3株の供試菌は完全にクリアして
いた。なお、前記したように、プロバイオティック乳酸
菌の多くが、市販の発酵スターターに比べて、食塩及び
亜硝酸塩に対する耐性が低く、食肉の発酵中に増殖し乳
酸を生成してpHを低下させることができないという問
題があったが、本発明者らが試験したところによれば、
本発明に係る乳酸菌は、食肉中での酸生成能がきわめて
優れており、pHを低下させて、食肉の発色を増進させ
病原菌等の有害菌を確実に抑制する作用を有しており、
非加熱食肉製品の品質を向上させ、微生物学的安全性を
確保することができる特徴を有することが分かった。さ
らに、本発明に係る乳酸菌は、乳酸のみを生成するホモ
発酵菌であり、発酵により酢酸や蟻酸を生成せず、風味
の良好な非加熱食肉製品の発酵スターターとして有効に
利用することができるものであることが分かった。
【0031】
【実施例】以下、実施例により、試験例2で選別した腸
管由来の乳酸菌を発酵スターターとして食肉に添加して
非加熱食肉製品を製造した例を記載する。 実施例1 試験例2で選別した腸管由来の乳酸菌と市販の発酵スタ
ーターを用いて発酵ソーセージを製造した。 1)原材料の配合 原材料の配合を表3に示す。ただし、発酵ソーセージの
食塩含量は、それに用いる乳酸菌の食塩耐性によりL.
acidophilusはNo.1、L.casei
ssp. alactosus、L.rhamnosu
sと市販の発酵スターター(製品名:Flora Ca
rn P−2、クリスチャン・ハンセン社製)はNo.
2の配合を用いた。
【0032】
【表3】
【0033】2)製造方法 (1)原料肉を角切りにし、−2℃で保管した後、3m
mプレートでグラインドした。 (2)ミキサーに、該原料肉を入れ、その他の添加物を
加え十分に混合した。 (3)折り径50mmのファイブラスケーシングに充填
した。 (4)充填されたものを懸垂棒にぶら下げた。 (5)20℃、湿度90%で、3日間発酵させた。 (6)その後、17℃、湿度75%で乾燥を行い、水分
活性が0.91になった時点で、終了とした。
【0034】3)製造結果 製造結果を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】上記表4に示されるように、本発明製品
は、常法による官能評価試験の結果、発酵後、乾燥終了
後、2ヶ月保存後のいずれにおいても良好な品質特性を
有しており、風味、色調及び組織において、市販の発酵
スターターを用いて製造した非加熱食肉製品と比較して
劣ることはない優れた品質の製品であることが分かっ
た。その結果、腸管由来の特定のプロバイオティック乳
酸菌を、直接、生の食肉の発酵スターターとして利用し
て高品質の非加熱食肉製品を製造することが可能である
ことが分かった。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、食肉原
料に、亜硝酸塩が100ppm以上かつ食塩が2%以上
の条件下で発育することができる腸管由来の乳酸菌を添
加して発酵させることを特徴とする非加熱食肉製品の製
造方法等に係るものであり、本発明によれば、次に列挙
する効果が得られる。 1)発酵スターターとしてヒト腸管由来のプロバイオテ
ィック乳酸菌を利用したので、消化管内からの病原細菌
の排除や整腸作用など人体の健康上有効な機能のある非
加熱食肉製品を提供できる。 2)本発明に係る乳酸菌は、食塩耐性と亜硝酸耐性があ
り、食肉中で酸生成能が優れpHを低下させるので、発
色を増進させ病原菌等の有害菌を抑制できる。このた
め、非加熱食肉製品の微生物学的安全性が確保できる。 3)本発明に係る乳酸菌は、乳酸のみを生成するホモ発
酵菌であるので、ビフィズス菌のように酢酸や蟻酸を生
成せず、風味の良い非加熱食肉製品を製造することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/20 C12R 1:245) (C12N 1/20 C12R 1:23) (C12N 1/20 C12R 1:225) (72)発明者 金井 聡 茨城県土浦市中向原635番地 プリマハム 株式会社内 (72)発明者 鮫島 隆 茨城県土浦市中向原635番地 プリマハム 株式会社内 (72)発明者 三木 為雄 茨城県土浦市中向原635番地 プリマハム 株式会社内 (72)発明者 伊藤 良 青森県十和田市一本木沢113−6 (72)発明者 近藤 洋 青森県十和田市西22番町51−30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食肉原料に、亜硝酸塩が100ppm以
    上かつ食塩が2%以上の条件下で発育することができる
    腸管由来の乳酸菌を添加して発酵させることを特徴とす
    る非加熱食肉製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 腸管由来の乳酸菌が、亜硝酸塩が200
    ppm以上かつ培養温度が20℃以下の条件下で発育す
    ることができる乳酸菌であることを特徴とする請求項1
    記載の非加熱食肉製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の製造方法により製
    造される非加熱食肉製品。
  4. 【請求項4】 腸管由来の乳酸菌であって、亜硝酸塩が
    200ppm以上、食塩が2%以上かつ培養温度が20
    ℃以下の条件下で食肉を発酵することができる能力を有
    するラクトバチルス・アシドフィラス(Lactoba
    cillusacidophilus)FERM P−
    15119。
  5. 【請求項5】 腸管由来の乳酸菌であって、亜硝酸塩が
    200ppm以上、食塩が3.3%以上かつ培養温度が
    20℃以下の条件下で食肉を発酵することができる能力
    を有するラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシーズ・
    アラクトサス(Lactobacillus case
    i ssp. alactosus)FERM P−1
    5121。
  6. 【請求項6】 腸管由来の乳酸菌であって、亜硝酸塩が
    200ppm以上、食塩が3.3%以上かつ培養温度が
    20℃以下の条件下で食肉を発酵することができる能力
    を有するラクトバチルス・ラムノサス(Lactoba
    cillusrhamnosus)FERM P−15
    120。
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