JPH0974772A - 回生インバータの制御装置 - Google Patents
回生インバータの制御装置Info
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- JPH0974772A JPH0974772A JP7228684A JP22868495A JPH0974772A JP H0974772 A JPH0974772 A JP H0974772A JP 7228684 A JP7228684 A JP 7228684A JP 22868495 A JP22868495 A JP 22868495A JP H0974772 A JPH0974772 A JP H0974772A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】電流零点における電圧差が排除され、コンバー
タ動作,回生インバータ動作相互の移行を円滑に行える
回生インバータの制御装置を提供する。 【解決手段】電圧制御調節部11と、点弧角制限部12
と、制御角調節部13とを有する制御装置20が、第1
および第2の交流電力系統3,4の系統電圧検出値V
AC1,VAC2 をそれぞれ直流電圧に変換してその電圧差Δ
Vを求める電圧変動検出部21と、得られた電圧差のゲ
イン調整部25と、ゲイン調整済電圧差に点弧角補正値
を加算し,点弧角最小制限値βmin として点弧角制限部
12に供給する最小制限値補正部31とからなる点弧角
自動制限回路30を備え、系統電圧の変動に伴ってコン
バータおよび回生インバータの電圧−電流特性の電流零
点に生ずる電圧差を排除する。
タ動作,回生インバータ動作相互の移行を円滑に行える
回生インバータの制御装置を提供する。 【解決手段】電圧制御調節部11と、点弧角制限部12
と、制御角調節部13とを有する制御装置20が、第1
および第2の交流電力系統3,4の系統電圧検出値V
AC1,VAC2 をそれぞれ直流電圧に変換してその電圧差Δ
Vを求める電圧変動検出部21と、得られた電圧差のゲ
イン調整部25と、ゲイン調整済電圧差に点弧角補正値
を加算し,点弧角最小制限値βmin として点弧角制限部
12に供給する最小制限値補正部31とからなる点弧角
自動制限回路30を備え、系統電圧の変動に伴ってコン
バータおよび回生インバータの電圧−電流特性の電流零
点に生ずる電圧差を排除する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気鉄道などの
直流負荷系統で電車の制動により余剰となる直流電力
を、サイリスタの点弧角制御により独立した交流系統に
回生する回生インバータの制御装置に関する。
直流負荷系統で電車の制動により余剰となる直流電力
を、サイリスタの点弧角制御により独立した交流系統に
回生する回生インバータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の回生インバータの制御装置
を電気鉄道を例に簡略化して示す接続図である。図にお
いて、トランス1A,サイリスタブリッジ1Bを有する
交流−直流変換装置(以下コンバータと呼ぶ)1により
第1の三相交流電力系統3の交流電力(系統電圧
VAC1 )を電車6が力行動作するに必要な直流電力に変
換して直流負荷系統5(系統電圧VDC)に供給する。ま
た、電車6が下り坂で減速するか,あるいは駅などで停
止する際,電気ブレーキを使用すると、電車の慣性エネ
ルギーが動力モータを介して電気エネルギーに回生さ
れ、系統電圧VDCを上昇させる。この電圧上昇は制御装
置10により検知され、その点弧角出力βout により回
生インバータ2のサイリスタブリッジ2Bが駆動される
ことにより、トランス2Aを介して余剰な電力が第2の
三相交流電力系統4(系統電圧VAC2 )に交流電力とし
て回生される。この電力システムでは第1の三相交流電
力系統3と第2の三相交流電力系統4は直接接続され
ず、第2の三相交流電力系統4に回生された電力は鉄道
施設の省エネルギー化動力源として有効利用される。
を電気鉄道を例に簡略化して示す接続図である。図にお
いて、トランス1A,サイリスタブリッジ1Bを有する
交流−直流変換装置(以下コンバータと呼ぶ)1により
第1の三相交流電力系統3の交流電力(系統電圧
VAC1 )を電車6が力行動作するに必要な直流電力に変
換して直流負荷系統5(系統電圧VDC)に供給する。ま
た、電車6が下り坂で減速するか,あるいは駅などで停
止する際,電気ブレーキを使用すると、電車の慣性エネ
ルギーが動力モータを介して電気エネルギーに回生さ
れ、系統電圧VDCを上昇させる。この電圧上昇は制御装
置10により検知され、その点弧角出力βout により回
生インバータ2のサイリスタブリッジ2Bが駆動される
ことにより、トランス2Aを介して余剰な電力が第2の
三相交流電力系統4(系統電圧VAC2 )に交流電力とし
て回生される。この電力システムでは第1の三相交流電
力系統3と第2の三相交流電力系統4は直接接続され
ず、第2の三相交流電力系統4に回生された電力は鉄道
施設の省エネルギー化動力源として有効利用される。
【0003】ここで、回生インバータの制御装置10
は、指令値設定器15に予め設定された直流電圧指令値
VDCS と直流電圧検出値VDCとの差分を電圧制御調節器
(AVR:auto voltage regulator)14で比例積分演
算法により点弧角指令βに変換する電圧制御調節部11
と、この点弧角指令βの最大制限値設定器17,最小制
限値設定器18,および点弧角制限器16からなり、点
弧角指令βを最大制限値βmax ,小制限値βmin の範囲
に制限する制御リミッタ部12と、制限済点弧角指令値
βLim を第2の交流電力系統2からの同期信号ωAC2 に
合わせた点弧角指令βout として回生インバータ2のサ
イリスタブリッジ2Bに向けて出力する制御角調節器
(FAR:fire angle regulator)からなる制御角調節
部13とで構成するのが一般的である。
は、指令値設定器15に予め設定された直流電圧指令値
VDCS と直流電圧検出値VDCとの差分を電圧制御調節器
(AVR:auto voltage regulator)14で比例積分演
算法により点弧角指令βに変換する電圧制御調節部11
と、この点弧角指令βの最大制限値設定器17,最小制
限値設定器18,および点弧角制限器16からなり、点
弧角指令βを最大制限値βmax ,小制限値βmin の範囲
に制限する制御リミッタ部12と、制限済点弧角指令値
βLim を第2の交流電力系統2からの同期信号ωAC2 に
合わせた点弧角指令βout として回生インバータ2のサ
イリスタブリッジ2Bに向けて出力する制御角調節器
(FAR:fire angle regulator)からなる制御角調節
部13とで構成するのが一般的である。
【0004】図5は従来の制御装置におけるコンバータ
と回生インバータの電圧−電流特性の相対関係を示す特
性線図である。図において、回生インバータ2の電圧−
電流特性は、最小制限値設定器18に設定する点弧角最
小制限値βmin の大きさを変えることにより曲線A,
B,Cに示すように変化する。したがって、第1の交流
電力系統3の系統電圧VAC1 が定格電圧を保持した初期
状態におけるコンバータ1の電圧−電流特性を曲線Dと
した場合、点弧角最小制限値βmin を調整し、第2の交
流電力系統4の系統電圧VAC2 が定格電圧を保持した初
期状態における回生インバータ2の電圧−電流特性を曲
線Bに設定することにより、電流Iが零レベル状態にお
いて曲線Bと曲線Dとの間で直流負荷系統5における系
統電圧VDCに電圧差が無くなるので、例えばコンバータ
動作から回生インバータ動作への移行,あるいは回生イ
ンバータ動作からコンバータ動作への移行を直流系統電
圧V DCの変動を伴わずに円滑に行うことができる。な
お、回生インバータ2による直流系統電圧VDCの上限は
指令値設定器15に予め設定する直流電圧指令値VDCS
により規制される。また、点弧角指令βの最大制限値β
max は回生インバータ2をその定格領域以下で動作させ
るよう設定される。
と回生インバータの電圧−電流特性の相対関係を示す特
性線図である。図において、回生インバータ2の電圧−
電流特性は、最小制限値設定器18に設定する点弧角最
小制限値βmin の大きさを変えることにより曲線A,
B,Cに示すように変化する。したがって、第1の交流
電力系統3の系統電圧VAC1 が定格電圧を保持した初期
状態におけるコンバータ1の電圧−電流特性を曲線Dと
した場合、点弧角最小制限値βmin を調整し、第2の交
流電力系統4の系統電圧VAC2 が定格電圧を保持した初
期状態における回生インバータ2の電圧−電流特性を曲
線Bに設定することにより、電流Iが零レベル状態にお
いて曲線Bと曲線Dとの間で直流負荷系統5における系
統電圧VDCに電圧差が無くなるので、例えばコンバータ
動作から回生インバータ動作への移行,あるいは回生イ
ンバータ動作からコンバータ動作への移行を直流系統電
圧V DCの変動を伴わずに円滑に行うことができる。な
お、回生インバータ2による直流系統電圧VDCの上限は
指令値設定器15に予め設定する直流電圧指令値VDCS
により規制される。また、点弧角指令βの最大制限値β
max は回生インバータ2をその定格領域以下で動作させ
るよう設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】制御装置10による従
来の回生インバータの制御方法では、第1の交流電力系
統3の系統電圧VAC1 および第2の交流電力系統4の系
統電圧VAC2 が共に定格電圧を保持した初期状態におい
て、回生インバータおよびコンバータの電圧−電流特性
をそれぞれ曲線Bおよび曲線Dに調整しても、第1およ
び第2の交流電力系統が別系統であり、それぞれ別々の
電圧変動を有するために、例えばコンバータ動作から回
生インバータ動作への移行,あるいは回生インバータ動
作からコンバータ動作への移行に際して、電流零レベル
で直流系統電圧VDCに電圧差が発生するという問題が発
生する。
来の回生インバータの制御方法では、第1の交流電力系
統3の系統電圧VAC1 および第2の交流電力系統4の系
統電圧VAC2 が共に定格電圧を保持した初期状態におい
て、回生インバータおよびコンバータの電圧−電流特性
をそれぞれ曲線Bおよび曲線Dに調整しても、第1およ
び第2の交流電力系統が別系統であり、それぞれ別々の
電圧変動を有するために、例えばコンバータ動作から回
生インバータ動作への移行,あるいは回生インバータ動
作からコンバータ動作への移行に際して、電流零レベル
で直流系統電圧VDCに電圧差が発生するという問題が発
生する。
【0006】図6は従来の回生インバータの制御装置に
おける交流電力系統の電圧変動の影響を示す電圧−電流
特性線図、図7はコンバータ動作から回生インバータ動
作への異常な移行状態の一例を示す電圧−電流特性線
図、図8はコンバータ動作から回生インバータ動作への
異常な移行状態の異なる例を示す電圧−電流特性線図で
ある。図6において、初期状態における回生インバータ
2およびコンバータ1の電圧−電流特性をそれぞれ曲線
Bおよび曲線Dとする。ここで、第2の交流電力系統4
の系統電圧VAC2 がその定格電圧以下に低下した場合、
回生インバータの特性はB曲線からF曲線へと移行す
る。逆に、第1の交流電力系統電圧VAC1 がその定格電
圧以上に上昇した場合、コンバータの特性はD曲線から
G曲線へと移行する。その結果、コンバータ動作から回
生インバータ動作への移行に際して、図7に示すように
電流零点において大きな電圧差−VDCが発生する。一
方、第2の交流電力系統4の系統電圧VAC2 がその定格
電圧以上に上昇した場合には、回生インバータの特性は
B曲線からE曲線へと移行する。逆に、第1の交流電力
系統電圧VAC1 がその定格電圧以下に低下した場合に
は、コンバータの特性はD曲線からH曲線へと移行す
る。その結果、コンバータ動作から回生インバータ動作
への移行に際して、図8に示すように電流零点において
大きな電圧差+VDCが発生する。
おける交流電力系統の電圧変動の影響を示す電圧−電流
特性線図、図7はコンバータ動作から回生インバータ動
作への異常な移行状態の一例を示す電圧−電流特性線
図、図8はコンバータ動作から回生インバータ動作への
異常な移行状態の異なる例を示す電圧−電流特性線図で
ある。図6において、初期状態における回生インバータ
2およびコンバータ1の電圧−電流特性をそれぞれ曲線
Bおよび曲線Dとする。ここで、第2の交流電力系統4
の系統電圧VAC2 がその定格電圧以下に低下した場合、
回生インバータの特性はB曲線からF曲線へと移行す
る。逆に、第1の交流電力系統電圧VAC1 がその定格電
圧以上に上昇した場合、コンバータの特性はD曲線から
G曲線へと移行する。その結果、コンバータ動作から回
生インバータ動作への移行に際して、図7に示すように
電流零点において大きな電圧差−VDCが発生する。一
方、第2の交流電力系統4の系統電圧VAC2 がその定格
電圧以上に上昇した場合には、回生インバータの特性は
B曲線からE曲線へと移行する。逆に、第1の交流電力
系統電圧VAC1 がその定格電圧以下に低下した場合に
は、コンバータの特性はD曲線からH曲線へと移行す
る。その結果、コンバータ動作から回生インバータ動作
への移行に際して、図8に示すように電流零点において
大きな電圧差+VDCが発生する。
【0007】このように、電流零点において直流負荷系
統5に大きな電圧変動が発生すると、負荷である電車の
力行動作,回生動作に衝撃を与えて乗り心地を害すると
ともに、動力装置に悪影響を及ぼすため、その改善が求
められている。また、従来の制御装置10ではβmin ,
βmax 共に常時固定のリミッタ値であるため、例えば図
5においてβmin が大き過ぎ、D曲線でのコンバータ動
作からC曲線での回生インバータ動作に移行するような
状態が発生すると、回生手前のインバータ電流が増加す
ることになり、サイリスタブリッジの発生損失を増大さ
せるという不都合も発生する。
統5に大きな電圧変動が発生すると、負荷である電車の
力行動作,回生動作に衝撃を与えて乗り心地を害すると
ともに、動力装置に悪影響を及ぼすため、その改善が求
められている。また、従来の制御装置10ではβmin ,
βmax 共に常時固定のリミッタ値であるため、例えば図
5においてβmin が大き過ぎ、D曲線でのコンバータ動
作からC曲線での回生インバータ動作に移行するような
状態が発生すると、回生手前のインバータ電流が増加す
ることになり、サイリスタブリッジの発生損失を増大さ
せるという不都合も発生する。
【0008】この発明の課題は、電流零点における電圧
差が排除され、コンバータ動作,回生インバータ動作相
互の移行を円滑に行える回生インバータの制御装置を提
供することにある。
差が排除され、コンバータ動作,回生インバータ動作相
互の移行を円滑に行える回生インバータの制御装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、第1の交流電力系統か
らコンバータを介して直流電力を受ける直流負荷系統で
余剰となった直流電力を、交流電力に変換して第2の交
流電力系統に回生する回生インバータの制御装置であっ
て、前記直流負荷系統における直流電圧指令値と直流電
圧検出値との差分を点弧角指令値に変換する電圧制御調
節部と、この点弧角指令値の最大制限値および最小制限
値を規制する点弧角制限部と、規制された点弧角指令値
を前記第2の交流電力系統からの同期信号に同期した点
弧角出力に変換して前記回生インバータに供給する制御
角調節部とを備えたものにおいて、前記第1および第2
の交流電力系統の系統電圧検出値をそれぞれ直流電圧に
変換してその電圧差を求める電圧変動検出部と、得られ
た電圧差のゲイン調整部と、ゲイン調整済電圧差に点弧
角補正値を加算し,点弧角最小制限値として前記点弧角
制限部に供給する最小制限値補正部とからなる点弧角自
動制限回路を備える。このように構成した点弧角自動制
限回路は、点弧角最小制限値βmin の増減によって回生
インバータに生ずる電圧−電流特性の移動方向が、第2
の交流電力系統の系統電圧VAC2 の変動によって回生イ
ンバータに生ずる電圧−電流特性の移動方向とは逆向き
になることに着目して構成されたもので、電圧変動検出
部で得られる電圧差をゲイン調整部でゲイン調整した
後、最小制限値補正部に固定値として設定される点弧角
補正値に加算することにより、例えば第2の交流電力系
統の系統電圧VAC2 が上昇すると、点弧角制限部に供給
する点弧角最小制限値が増加し、これに伴って回生イン
バータに生ずる電圧−電流特性が直流系統電圧VDCを減
少させる方向に制御されるので、第2の交流電力系統の
系統電圧VAC2 が上昇することによる直流系統電圧VDC
の上昇が抑制され、したがって、交流電力系統の電圧変
動による電流零点での差電圧が抑制される。
めに、請求項1に記載の発明は、第1の交流電力系統か
らコンバータを介して直流電力を受ける直流負荷系統で
余剰となった直流電力を、交流電力に変換して第2の交
流電力系統に回生する回生インバータの制御装置であっ
て、前記直流負荷系統における直流電圧指令値と直流電
圧検出値との差分を点弧角指令値に変換する電圧制御調
節部と、この点弧角指令値の最大制限値および最小制限
値を規制する点弧角制限部と、規制された点弧角指令値
を前記第2の交流電力系統からの同期信号に同期した点
弧角出力に変換して前記回生インバータに供給する制御
角調節部とを備えたものにおいて、前記第1および第2
の交流電力系統の系統電圧検出値をそれぞれ直流電圧に
変換してその電圧差を求める電圧変動検出部と、得られ
た電圧差のゲイン調整部と、ゲイン調整済電圧差に点弧
角補正値を加算し,点弧角最小制限値として前記点弧角
制限部に供給する最小制限値補正部とからなる点弧角自
動制限回路を備える。このように構成した点弧角自動制
限回路は、点弧角最小制限値βmin の増減によって回生
インバータに生ずる電圧−電流特性の移動方向が、第2
の交流電力系統の系統電圧VAC2 の変動によって回生イ
ンバータに生ずる電圧−電流特性の移動方向とは逆向き
になることに着目して構成されたもので、電圧変動検出
部で得られる電圧差をゲイン調整部でゲイン調整した
後、最小制限値補正部に固定値として設定される点弧角
補正値に加算することにより、例えば第2の交流電力系
統の系統電圧VAC2 が上昇すると、点弧角制限部に供給
する点弧角最小制限値が増加し、これに伴って回生イン
バータに生ずる電圧−電流特性が直流系統電圧VDCを減
少させる方向に制御されるので、第2の交流電力系統の
系統電圧VAC2 が上昇することによる直流系統電圧VDC
の上昇が抑制され、したがって、交流電力系統の電圧変
動による電流零点での差電圧が抑制される。
【0010】ここで、請求項2に記載の発明は、請求項
1記載の回生インバータの制御装置において、電圧変動
検出部を第1および第2の交流電力系統の系統電圧検出
値をそれぞれ直流電圧に変換するAC/DC変換回路
と、直流変換された第2の交流電力系統の系統電圧検出
値から直流変換された第1の交流電力系統の系統電圧検
出値を減算して電圧差とする減算回路とで構成した。こ
れにより、電圧変動検出部は第2の交流電力系統の系統
電圧VAC2 から第1の交流電力系統電圧VAC1 を差し引
いた差電圧を出力することになり、VAC2 の上昇,およ
びVAC1 の低下を差電圧の増大として検出し、VAC2 の
低下,およびVAC1 の上昇を差電圧の減少として検出で
きるので、電圧変動をVAC2 ばかりでなくVAC1 の変動
にまで広げて検出することができる。
1記載の回生インバータの制御装置において、電圧変動
検出部を第1および第2の交流電力系統の系統電圧検出
値をそれぞれ直流電圧に変換するAC/DC変換回路
と、直流変換された第2の交流電力系統の系統電圧検出
値から直流変換された第1の交流電力系統の系統電圧検
出値を減算して電圧差とする減算回路とで構成した。こ
れにより、電圧変動検出部は第2の交流電力系統の系統
電圧VAC2 から第1の交流電力系統電圧VAC1 を差し引
いた差電圧を出力することになり、VAC2 の上昇,およ
びVAC1 の低下を差電圧の増大として検出し、VAC2 の
低下,およびVAC1 の上昇を差電圧の減少として検出で
きるので、電圧変動をVAC2 ばかりでなくVAC1 の変動
にまで広げて検出することができる。
【0011】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
記載の回生インバータの制御装置において、ゲイン調整
部をゲイン設定器と、前記ゲイン設定器の設定ゲインに
よりゲイン調節可能なゲイン調整器とで構成し、コンバ
ータと回生インバータとの間のゲイン差を設定ゲインに
より補正するよう構成した。これにより、コンバータ,
回生インバータ間の変圧器ゲイン,インピーダンスの差
に起因するゲインの差が補正され、初期状態において両
者の特性の不一致に起因して電流零点で生ずる差電圧を
排除することができる。
記載の回生インバータの制御装置において、ゲイン調整
部をゲイン設定器と、前記ゲイン設定器の設定ゲインに
よりゲイン調節可能なゲイン調整器とで構成し、コンバ
ータと回生インバータとの間のゲイン差を設定ゲインに
より補正するよう構成した。これにより、コンバータ,
回生インバータ間の変圧器ゲイン,インピーダンスの差
に起因するゲインの差が補正され、初期状態において両
者の特性の不一致に起因して電流零点で生ずる差電圧を
排除することができる。
【0012】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
1記載の回生インバータの制御装置において、最小制限
値補正部が点弧角補正値設定器と、この点弧角補正値設
定器の点弧角補正値にゲイン調整済電圧差を加算して点
弧角最小制限値として出力する加算回路とを備え、初期
状態において第1の交流電力系統電圧検出値と第2の交
流電力系統電圧検出値との間に生ずる電圧差を点弧角補
正値により補正するよう構成した。これにより、初期状
態における電流零点に生ずる電圧差が零状態に保持され
るとともに、例えば、VAC2 の上昇,VAC1 の低下で増
大した差電圧を点弧角補正値に加算することにより、最
小制限値補正部が出力する点弧角最小制限値が増大し、
これに伴って回生インバータの電圧−電流特性が低い側
に移動してコンバータの電圧−電流特性に近づくので、
電流零点での電圧差が縮小または排除される。また、V
AC2 の低下,VAC1 の上昇で減少した差電圧を点弧角補
正値に加算することにより、最小制限値補正部が出力す
る点弧角最小制限値が減少し、これに伴って回生インバ
ータの電圧−電流特性が高い側に移動してコンバータの
電圧−電流特性に近づくので、電流零点での電圧差が縮
小または排除される。
1記載の回生インバータの制御装置において、最小制限
値補正部が点弧角補正値設定器と、この点弧角補正値設
定器の点弧角補正値にゲイン調整済電圧差を加算して点
弧角最小制限値として出力する加算回路とを備え、初期
状態において第1の交流電力系統電圧検出値と第2の交
流電力系統電圧検出値との間に生ずる電圧差を点弧角補
正値により補正するよう構成した。これにより、初期状
態における電流零点に生ずる電圧差が零状態に保持され
るとともに、例えば、VAC2 の上昇,VAC1 の低下で増
大した差電圧を点弧角補正値に加算することにより、最
小制限値補正部が出力する点弧角最小制限値が増大し、
これに伴って回生インバータの電圧−電流特性が低い側
に移動してコンバータの電圧−電流特性に近づくので、
電流零点での電圧差が縮小または排除される。また、V
AC2 の低下,VAC1 の上昇で減少した差電圧を点弧角補
正値に加算することにより、最小制限値補正部が出力す
る点弧角最小制限値が減少し、これに伴って回生インバ
ータの電圧−電流特性が高い側に移動してコンバータの
電圧−電流特性に近づくので、電流零点での電圧差が縮
小または排除される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下この発明を一実施例に基づい
て説明する。なお、従来例と同じ参照符号を付けた部材
は従来例のそれと同じ機能をもつので、その説明を省略
する。図1はこの発明の回生インバータの制御装置の一
実施例を簡略化して示す接続図である。図に示す実施例
が図4に示す従来例と異なるところは、従来の制御装置
10において点弧角最小制限値βmin を設定する最小制
限値設定器18を、実施例になる制御装置20では電圧
変動検出部21,ゲイン調整部25,および最小制限値
補正部31で構成される点弧角自動制限回路30に置き
換えた点にある。
て説明する。なお、従来例と同じ参照符号を付けた部材
は従来例のそれと同じ機能をもつので、その説明を省略
する。図1はこの発明の回生インバータの制御装置の一
実施例を簡略化して示す接続図である。図に示す実施例
が図4に示す従来例と異なるところは、従来の制御装置
10において点弧角最小制限値βmin を設定する最小制
限値設定器18を、実施例になる制御装置20では電圧
変動検出部21,ゲイン調整部25,および最小制限値
補正部31で構成される点弧角自動制限回路30に置き
換えた点にある。
【0014】ここで、電圧変動検出部21は、例えば第
1および第2の交流電力系統3,4の系統電圧検出値V
AC1,VAC2 をそれぞれ直流電圧に変換するAC/DC変
換回路22,23と、直流変換された第2の交流電力系
統の系統電圧検出値VAC2 から第1の交流電力系統の系
統電圧検出値VAC1 を減算(VAC2 −VAC1 )して電圧
差ΔVとする減算回路24とで構成される。
1および第2の交流電力系統3,4の系統電圧検出値V
AC1,VAC2 をそれぞれ直流電圧に変換するAC/DC変
換回路22,23と、直流変換された第2の交流電力系
統の系統電圧検出値VAC2 から第1の交流電力系統の系
統電圧検出値VAC1 を減算(VAC2 −VAC1 )して電圧
差ΔVとする減算回路24とで構成される。
【0015】また、ゲイン調整部25は、例えばゲイン
設定器27と、ゲイン設定器27の設定ゲインによりゲ
イン調節可能なゲイン調整器26とで構成され、コンバ
ータ1と回生インバータ2との間のゲイン差を設定ゲイ
ンにより補正する。さらに、最小制限値補正部31は、
点弧角補正値設定器33と、この点弧角補正値設定器の
点弧角補正値にゲイン調整済電圧差を加算して点弧角最
小制限値β min として出力する加算回路32とで構成さ
れ、両交流電力系統がそれぞれ定格電圧を保持する初期
状態において、第1の交流電力系統電圧検出値と第2の
交流電力系統電圧検出値との間に生ずる電圧差を点弧角
補正値により補正する。
設定器27と、ゲイン設定器27の設定ゲインによりゲ
イン調節可能なゲイン調整器26とで構成され、コンバ
ータ1と回生インバータ2との間のゲイン差を設定ゲイ
ンにより補正する。さらに、最小制限値補正部31は、
点弧角補正値設定器33と、この点弧角補正値設定器の
点弧角補正値にゲイン調整済電圧差を加算して点弧角最
小制限値β min として出力する加算回路32とで構成さ
れ、両交流電力系統がそれぞれ定格電圧を保持する初期
状態において、第1の交流電力系統電圧検出値と第2の
交流電力系統電圧検出値との間に生ずる電圧差を点弧角
補正値により補正する。
【0016】図2はこの発明の一実施例になる制御装置
の動作を説明するための電圧−電流特性線図、図3はこ
の発明の一実施例におけるコンバータ動作から回生イン
バータ動作への移行状態の一例を示す電圧−電流特性線
図である。図において、回生インバータ2の初期状態に
おける電圧−電流特性は、ゲイン設定器27および点弧
角補正値設定器33の調整により、コンバータ1の初期
電圧−電流特性であるD曲線に電流零点で直流電圧VDC
が一致するようB曲線に設定される。
の動作を説明するための電圧−電流特性線図、図3はこ
の発明の一実施例におけるコンバータ動作から回生イン
バータ動作への移行状態の一例を示す電圧−電流特性線
図である。図において、回生インバータ2の初期状態に
おける電圧−電流特性は、ゲイン設定器27および点弧
角補正値設定器33の調整により、コンバータ1の初期
電圧−電流特性であるD曲線に電流零点で直流電圧VDC
が一致するようB曲線に設定される。
【0017】この状態で例えば第1の系統電圧VAC1 が
電圧変動により低下した場合、コンバータ1の初期電圧
−電流特性はD曲線からH曲線に向けて移行しようとす
る。ところが、この発明によれば、電圧変動検出部21
がその減算回路24の電圧差の演算(VAC2 −VAC1 )
において正の電圧差+ΔVを出力し、ゲイン調整部25
でゲイン調整された正の電圧差+ΔVが最小制限値補正
部31の加算回路32で正の点弧角補正値に加算される
ため、点弧角自動制限回路30が点弧角制限器16に向
けて出力する点弧角最小制限値βmin を増大させるよう
作用する。βmi n が増加すると、図2における回生イン
バータ2の電圧−電流特性は初期状態のB曲線からF曲
線へと低下するので、コンバータ1の電圧−電流特性が
変化しつつあるH曲線に追従して移行する。このため、
コンバータ動作から回生インバータ動作への移行が図3
に示すようにH曲線からF曲線へと直線的に行われるこ
とになり、電流零点で直流負荷系統5に生ずる系統電圧
VDCの差電圧が排除され、電流零点でVDCが急変するこ
とによって生ずる電車の乗り心地の悪さや、動力装置に
与える悪影響を排除できる利点が得られる。
電圧変動により低下した場合、コンバータ1の初期電圧
−電流特性はD曲線からH曲線に向けて移行しようとす
る。ところが、この発明によれば、電圧変動検出部21
がその減算回路24の電圧差の演算(VAC2 −VAC1 )
において正の電圧差+ΔVを出力し、ゲイン調整部25
でゲイン調整された正の電圧差+ΔVが最小制限値補正
部31の加算回路32で正の点弧角補正値に加算される
ため、点弧角自動制限回路30が点弧角制限器16に向
けて出力する点弧角最小制限値βmin を増大させるよう
作用する。βmi n が増加すると、図2における回生イン
バータ2の電圧−電流特性は初期状態のB曲線からF曲
線へと低下するので、コンバータ1の電圧−電流特性が
変化しつつあるH曲線に追従して移行する。このため、
コンバータ動作から回生インバータ動作への移行が図3
に示すようにH曲線からF曲線へと直線的に行われるこ
とになり、電流零点で直流負荷系統5に生ずる系統電圧
VDCの差電圧が排除され、電流零点でVDCが急変するこ
とによって生ずる電車の乗り心地の悪さや、動力装置に
与える悪影響を排除できる利点が得られる。
【0018】また、例えば第1の系統電圧VAC1 が電圧
変動により上昇した場合、コンバータ1の初期電圧−電
流特性はD曲線からG曲線に向けて移行しようとする。
ところが、この発明によれば、電圧変動検出部21の減
算回路24が電圧差の演算(VAC2 −VAC1 )において
負の電圧差−ΔVを出力し、ゲイン調整部25でゲイン
調整された負の電圧差−ΔVが最小制限値補正部31の
加算回路32で点弧角補正値に加算されるため、点弧角
自動制限回路30が点弧角制限器16に向けて出力する
点弧角最小制限値βmin を減少させるよう作用する。β
min が減少すると、図2における回生インバータ2の電
圧−電流特性は初期状態のB曲線からE曲線へと移行す
るので、コンバータ1の電圧−電流特性が変化しつつあ
るG曲線に近づく。このため、コンバータ動作から回生
インバータ動作への移行が図3に示すようにG曲線から
E曲線へと直線的に行われることになり、電流零点で直
流負荷系統5に生ずる系統電圧VDCの差電圧が排除さ
れ、電流零点でVDCが急変することによって生ずる電車
の乗り心地の悪さや、動力装置に与える悪影響を排除で
きる利点が得られる。
変動により上昇した場合、コンバータ1の初期電圧−電
流特性はD曲線からG曲線に向けて移行しようとする。
ところが、この発明によれば、電圧変動検出部21の減
算回路24が電圧差の演算(VAC2 −VAC1 )において
負の電圧差−ΔVを出力し、ゲイン調整部25でゲイン
調整された負の電圧差−ΔVが最小制限値補正部31の
加算回路32で点弧角補正値に加算されるため、点弧角
自動制限回路30が点弧角制限器16に向けて出力する
点弧角最小制限値βmin を減少させるよう作用する。β
min が減少すると、図2における回生インバータ2の電
圧−電流特性は初期状態のB曲線からE曲線へと移行す
るので、コンバータ1の電圧−電流特性が変化しつつあ
るG曲線に近づく。このため、コンバータ動作から回生
インバータ動作への移行が図3に示すようにG曲線から
E曲線へと直線的に行われることになり、電流零点で直
流負荷系統5に生ずる系統電圧VDCの差電圧が排除さ
れ、電流零点でVDCが急変することによって生ずる電車
の乗り心地の悪さや、動力装置に与える悪影響を排除で
きる利点が得られる。
【0019】さらに、例えば第2の系統電圧VAC2 が電
圧変動により低下した場合、回生インバータ2の初期電
圧−電流特性はB曲線からF曲線に向けて移行しようと
する。ところが、この発明によれば、電圧変動検出部2
1の減算回路24が電圧差の演算(VAC2 −VAC1 )に
おいて負の電圧差−ΔVを出力し、ゲイン調整部25で
ゲイン調整された負の電圧差−ΔVが最小制限値補正部
31の加算回路32で点弧角補正値に加算されるため、
点弧角自動制限回路30が点弧角制限器16に向けて出
力する点弧角最小制限値βmin を減少させるよう作用す
る。βmin が減少すると、図2における回生インバータ
2の電圧−電流特性をF曲線から初期状態のB曲線へ戻
す作用が生ずる。このため、コンバータ動作から回生イ
ンバータ動作への移行が図3に示すようにD曲線からB
曲線へと直線的に行われることになり、電流零点で直流
負荷系統5に生ずる系統電圧VDCの差電圧が排除され、
電流零点でVDCが急変することによって生ずる電車の乗
り心地の悪さや、動力装置に与える悪影響を排除できる
利点が得られる。
圧変動により低下した場合、回生インバータ2の初期電
圧−電流特性はB曲線からF曲線に向けて移行しようと
する。ところが、この発明によれば、電圧変動検出部2
1の減算回路24が電圧差の演算(VAC2 −VAC1 )に
おいて負の電圧差−ΔVを出力し、ゲイン調整部25で
ゲイン調整された負の電圧差−ΔVが最小制限値補正部
31の加算回路32で点弧角補正値に加算されるため、
点弧角自動制限回路30が点弧角制限器16に向けて出
力する点弧角最小制限値βmin を減少させるよう作用す
る。βmin が減少すると、図2における回生インバータ
2の電圧−電流特性をF曲線から初期状態のB曲線へ戻
す作用が生ずる。このため、コンバータ動作から回生イ
ンバータ動作への移行が図3に示すようにD曲線からB
曲線へと直線的に行われることになり、電流零点で直流
負荷系統5に生ずる系統電圧VDCの差電圧が排除され、
電流零点でVDCが急変することによって生ずる電車の乗
り心地の悪さや、動力装置に与える悪影響を排除できる
利点が得られる。
【0020】さらにまた、例えば第2の系統電圧VAC2
が電圧変動により上昇した場合、回生インバータ2の初
期電圧−電流特性はB曲線からE曲線に向けて移行しよ
うとする。ところが、この発明によれば、電圧変動検出
部21の減算回路24が電圧差の演算(VAC2 −
VAC1 )において正の電圧差+ΔVを出力し、ゲイン調
整部25でゲイン調整された正の電圧差+ΔVが最小制
限値補正部31の加算回路32で点弧角補正値に加算さ
れるため、点弧角自動制限回路30が点弧角制限器16
に向けて出力する点弧角最小制限値βmin を 増加させ
るよう作用する。βmi n が増加すると、図2における回
生インバータ2の電圧−電流特性をE曲線から初期状態
のB曲線へ戻す作用が生ずる。このため、コンバータ動
作から回生インバータ動作への移行が図3に示すように
D曲線からB曲線へと直線的に行われることになり、電
流零点で直流負荷系統5に生ずる系統電圧VDCの差電圧
が排除され、電流零点でVDCが急変することによって生
ずる電車の乗り心地の悪さや、動力装置に与える悪影響
を排除できる利点が得られる。
が電圧変動により上昇した場合、回生インバータ2の初
期電圧−電流特性はB曲線からE曲線に向けて移行しよ
うとする。ところが、この発明によれば、電圧変動検出
部21の減算回路24が電圧差の演算(VAC2 −
VAC1 )において正の電圧差+ΔVを出力し、ゲイン調
整部25でゲイン調整された正の電圧差+ΔVが最小制
限値補正部31の加算回路32で点弧角補正値に加算さ
れるため、点弧角自動制限回路30が点弧角制限器16
に向けて出力する点弧角最小制限値βmin を 増加させ
るよう作用する。βmi n が増加すると、図2における回
生インバータ2の電圧−電流特性をE曲線から初期状態
のB曲線へ戻す作用が生ずる。このため、コンバータ動
作から回生インバータ動作への移行が図3に示すように
D曲線からB曲線へと直線的に行われることになり、電
流零点で直流負荷系統5に生ずる系統電圧VDCの差電圧
が排除され、電流零点でVDCが急変することによって生
ずる電車の乗り心地の悪さや、動力装置に与える悪影響
を排除できる利点が得られる。
【0021】なお、上述の実施例ではコンバータ動作か
ら回生インバータ動作に移行する場合について説明した
が、回生インバータ動作からコンバータ動作へ移行する
場合も同様であり、電流零点で直流負荷系統5に生ずる
系統電圧VDCの差電圧が排除される。
ら回生インバータ動作に移行する場合について説明した
が、回生インバータ動作からコンバータ動作へ移行する
場合も同様であり、電流零点で直流負荷系統5に生ずる
系統電圧VDCの差電圧が排除される。
【0022】
【発明の効果】この発明の回生インバータの制御装置は
前述のように、従来の制御装置で点弧角最小制限値β
min を設定する最小制限値設定器を、電圧変動検出部,
ゲイン調整部,および最小制限値補正部で構成される点
弧角自動制限回路に置き換えるよう構成した。その結
果、点弧角最小制限値βmin の増減によって回生インバ
ータに生ずる電圧−電流特性の移動方向が、第2の交流
電力系統の系統電圧VAC2 の変動によって回生インバー
タに生ずる電圧−電流特性の移動方向とは逆向きになる
という現象を有効に利用し、第1および第2の交流系統
電圧がそれぞれ独立に変動することにより、コンバータ
動作から回生インバータ動作に移行する際,あるいは回
生インバータ動作からコンバータ動作に移行する際、直
流負荷系統の電流零点で生ずる電圧差が排除され、その
際直流負荷系統電圧の急変が電車に与える衝撃を排除
し、乗り心地を害することなく動作の移行を円滑に行え
る制御装置を備えた回生インバータを提供することがで
きる。
前述のように、従来の制御装置で点弧角最小制限値β
min を設定する最小制限値設定器を、電圧変動検出部,
ゲイン調整部,および最小制限値補正部で構成される点
弧角自動制限回路に置き換えるよう構成した。その結
果、点弧角最小制限値βmin の増減によって回生インバ
ータに生ずる電圧−電流特性の移動方向が、第2の交流
電力系統の系統電圧VAC2 の変動によって回生インバー
タに生ずる電圧−電流特性の移動方向とは逆向きになる
という現象を有効に利用し、第1および第2の交流系統
電圧がそれぞれ独立に変動することにより、コンバータ
動作から回生インバータ動作に移行する際,あるいは回
生インバータ動作からコンバータ動作に移行する際、直
流負荷系統の電流零点で生ずる電圧差が排除され、その
際直流負荷系統電圧の急変が電車に与える衝撃を排除
し、乗り心地を害することなく動作の移行を円滑に行え
る制御装置を備えた回生インバータを提供することがで
きる。
【0023】また、電圧変動検出部が第2の系統電圧か
ら第1の系統電圧を差し引く減算回路を備えたことによ
り電圧差の変化方向が検知でき、かつ得られた電圧差を
最小制限値補正部で点弧角補正値に加算することによ
り、点弧角最小制限値βmin の増減によって回生インバ
ータに生ずる電圧−電流特性の移動方向が、第2の交流
電力系統の系統電圧VAC2 の変動によって回生インバー
タに生ずる電圧−電流特性の移動方向とは逆向きになる
という現象を有効に利用することが可能になり、乗り心
地を害することなく動作の移行を円滑に行える制御装置
を備えた回生インバータを提供することができる。ま
た、動作の移行に伴う電圧差が排除されることにより、
従来技術で問題になった無駄な変換器損失の発生も回避
される。
ら第1の系統電圧を差し引く減算回路を備えたことによ
り電圧差の変化方向が検知でき、かつ得られた電圧差を
最小制限値補正部で点弧角補正値に加算することによ
り、点弧角最小制限値βmin の増減によって回生インバ
ータに生ずる電圧−電流特性の移動方向が、第2の交流
電力系統の系統電圧VAC2 の変動によって回生インバー
タに生ずる電圧−電流特性の移動方向とは逆向きになる
という現象を有効に利用することが可能になり、乗り心
地を害することなく動作の移行を円滑に行える制御装置
を備えた回生インバータを提供することができる。ま
た、動作の移行に伴う電圧差が排除されることにより、
従来技術で問題になった無駄な変換器損失の発生も回避
される。
【0024】さらに、コンバータおよび回生インバータ
相互間のゲイン差はゲイン調整部におけるゲイン設定値
の調整により補正でき、かつコンバータおよび回生イン
バータ相互間の電圧差は最小制限値補正部での点弧角補
正値により補正できるので、コンバータおよび回生イン
バータの初期状態における電圧−電流特性が不一致であ
る場合にも、その影響を排除して、乗り心地を害するこ
となく動作の移行を円滑に行える制御装置を備えた回生
インバータを提供できる利点が得られる。
相互間のゲイン差はゲイン調整部におけるゲイン設定値
の調整により補正でき、かつコンバータおよび回生イン
バータ相互間の電圧差は最小制限値補正部での点弧角補
正値により補正できるので、コンバータおよび回生イン
バータの初期状態における電圧−電流特性が不一致であ
る場合にも、その影響を排除して、乗り心地を害するこ
となく動作の移行を円滑に行える制御装置を備えた回生
インバータを提供できる利点が得られる。
【図1】この発明の回生インバータの制御装置の一実施
例を簡略化して示す接続図
例を簡略化して示す接続図
【図2】この発明の一実施例になる制御装置の動作を説
明するための電圧−電流特性線図
明するための電圧−電流特性線図
【図3】この発明の一実施例におけるコンバータ動作か
ら回生インバータ動作への移行状態の一例を示す電圧−
電流特性線図
ら回生インバータ動作への移行状態の一例を示す電圧−
電流特性線図
【図4】従来の回生インバータの制御装置を電気鉄道を
例に簡略化して示す接続図
例に簡略化して示す接続図
【図5】従来の制御装置におけるコンバータと回生イン
バータの電圧−電流特性の相対関係を示す特性線図
バータの電圧−電流特性の相対関係を示す特性線図
【図6】従来の回生インバータの制御装置における交流
電力系統の電圧変動の影響を示す電圧−電流特性線図
電力系統の電圧変動の影響を示す電圧−電流特性線図
【図7】コンバータ動作から回生インバータ動作への異
常な移行状態の一例を示す電圧−電流特性線図
常な移行状態の一例を示す電圧−電流特性線図
【図8】コンバータ動作から回生インバータ動作への異
常な移行状態の異なる例を示す電圧−電流特性線図
常な移行状態の異なる例を示す電圧−電流特性線図
1 コンバータ 2 回生インバータ 3 第1の交流電圧系統(系統電圧VAC1 ) 4 第2の交流電圧系統(系統電圧VAC2 ) 5 直流負荷系統(系統電圧VDC) 6 電車 10 制御装置 11 電圧制御調節部 12 制御リミッタ部 13 制御角調節部(制御角調節器) 14 電圧制御調節器 15 直流電圧指令設定器(直流電圧指令値VDCS ) 16 点弧角制限器 17 最大制限値設定器(設定値βmax ) 18 最小制限値設定器(設定値βmin ) 20 制御装置 21 電圧変動検出部 22 AC/DC変換回路 23 AC/DC変換回路 24 減算回路(VAC2 −VAC1 =±ΔV) 25 ゲイン調整部 26 ゲイン調整器 27 ゲイン設定器 30 点弧角自動制限回路 31 最小制限値補正部 32 加算回路 33 点弧角補正値設定器
Claims (4)
- 【請求項1】第1の交流電力系統からコンバータを介し
て直流電力を受ける直流負荷系統で余剰となった直流電
力を、交流電力に変換して第2の交流電力系統に回生す
る回生インバータの制御装置であって、前記直流負荷系
統における直流電圧指令値と直流電圧検出値との差分を
点弧角指令値に変換する電圧制御調節部と、この点弧角
指令値の最大制限値および最小制限値を規制する点弧角
制限部と、規制された点弧角指令値を前記第2の交流電
力系統からの同期信号に同期した点弧角出力に変換して
前記回生インバータに供給する制御角調節部とを備えた
ものにおいて、前記第1および第2の交流電力系統の系
統電圧検出値をそれぞれ直流電圧に変換してその電圧差
を求める電圧変動検出部と、得られた電圧差のゲイン調
整部と、ゲイン調整済電圧差に点弧角補正値を加算し,
点弧角最小制限値として前記点弧角制限部に供給する最
小制限値補正部とからなる点弧角自動制限回路を備えた
ことを特徴とする回生インバータの制御装置。 - 【請求項2】請求項1記載の回生インバータの制御装置
において、電圧変動検出部が第1および第2の交流電力
系統の系統電圧検出値をそれぞれ直流電圧に変換するA
C/DC変換回路と、直流変換された第2の交流電力系
統の系統電圧検出値から直流変換された第1の交流電力
系統の系統電圧検出値を減算して電圧差とする減算回路
とを備えたことを特徴とする回生インバータの制御装
置。 - 【請求項3】請求項1記載の回生インバータの制御装置
において、ゲイン調整部がゲイン設定器と、前記ゲイン
設定器の設定ゲインによりゲイン調節可能なゲイン調整
器とからなり、コンバータと回生インバータとの間のゲ
イン差を設定ゲインにより補正することを特徴とする回
生インバータの制御装置。 - 【請求項4】請求項1記載の回生インバータの制御装置
において、最小制限値補正部が点弧角補正値設定器と、
この点弧角補正値設定器の点弧角補正値にゲイン調整済
電圧差を加算して点弧角最小制限値として出力する加算
回路とを備え、初期状態において第1の交流電力系統電
圧検出値と第2の交流電力系統電圧検出値との間に生ず
る電圧差を点弧角補正値により補正することを特徴とす
る回生インバータの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7228684A JPH0974772A (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 回生インバータの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7228684A JPH0974772A (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 回生インバータの制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0974772A true JPH0974772A (ja) | 1997-03-18 |
Family
ID=16880193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7228684A Pending JPH0974772A (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 回生インバータの制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0974772A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103258076A (zh) * | 2013-03-29 | 2013-08-21 | 国家电网公司 | 一种整流器最小触发角限幅器仿真装置 |
-
1995
- 1995-09-06 JP JP7228684A patent/JPH0974772A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103258076A (zh) * | 2013-03-29 | 2013-08-21 | 国家电网公司 | 一种整流器最小触发角限幅器仿真装置 |
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