JPH097191A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置

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JPH097191A
JPH097191A JP7176667A JP17666795A JPH097191A JP H097191 A JPH097191 A JP H097191A JP 7176667 A JP7176667 A JP 7176667A JP 17666795 A JP17666795 A JP 17666795A JP H097191 A JPH097191 A JP H097191A
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正 武田
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善雄 林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ビームがホログラム素子を往復で2度通過
するように構成された光ピックアップ装置に対して、不
要な回折光の発生をなくして、誤差信号検出精度の向上
及び光の利用効率の向上を図る。 【構成】 光ビームが往復で2度通過するホログラム素
子22と対物レンズ14との間にλ/4板90を配設
し、該ホログラム素子22に対して光軸付近で分割線に
よって2分割され該分割線を境にして回折条件が異なる
一対の回折格子を設け、これら回折格子を、光源11か
ら出射された偏光成分を回折させる一方でλ/4板90
によって偏光面が90°回転された戻り光の偏光成分を
透過させるようにして、往路で回折によって発生させた
5ビームを復路では回折させずに透過して光検出器16
に導き、回折光の発生を往路だけとして復路にて発生し
ていた不要な回折光の発生をなくすように構成してなる
もの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク等の情報記
録媒体から情報を読み取るための光ピックアップ装置に
関する。
【0002】例えばCD(コンパクトディスク)におけ
る記録情報は、ディスク面に設けられたピット列(トラ
ック)として蓄積されており、この記録情報を読み取る
光ピックアップとしては、3ビーム法と非点収差法とを
用いたものが多用されている。
【0003】この3ビーム法と非点収差法とを用いた光
ピックアップにあっては、光源(半導体レーザー)から
の光をホログラム素子としての回折格子、ビームスプリ
ッターを介して対物レンズにて集光し、コヒーレント光
をディスクの情報トラック(ピット列)に照射し、その
反射光を、同上対物レンズ、同上ビームスプリッター、
シリンドリカルレンズを介して光検出器(6分割受光素
子)に導いている。
【0004】3ビーム法にあっては、上記回折格子によ
って光源からの光ビームを0次、±1次の3本の光束に
分割し、ディスク上で3つの光スポットが情報トラック
より若干角度がついた位置に並ぶよう集光している。そ
して、この両端の±1次回折光スポットからの反射光信
号(サブビーム信号)のレベルが常に等しくなるように
サーボをかける、すなわち、±1次回折光スポットから
のサブビーム信号を各々の受光素子で受光し、各受光素
子の出力差を減算器によって求めることでトラッキング
エラー(TE)信号を得、このトラッキングエラー信号
に基づいてサーボをかけることで、真ん中の0次光スポ
ットの位置をトラック中央に保っている。
【0005】また、非点収差法にあっては、ディスク面
からの反射光の光束に上記シリンドリカルレンズで非点
収差を作り出し、フォーカスずれによってスポット形状
(楕円の方向と楕円度)が変化するのを、上記2分割受
光素子の間に配設された4分割受光素子(0次光を受光
する受光素子)における対角の受光素子の出力を各加算
器によりそれぞれ加算し減算器で各加算器の出力差をと
ることによって求められるフォーカスエラー(FE)信
号で検知している。従って、信号光スポットの中心部は
4分割受光素子の分割線(不感帯)上に位置することに
なる。
【0006】また、上記4分割受光素子の総和をとるこ
とによって、高周波(RF)信号が得られるようになっ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記光ピッ
クアップ装置においては、上述のように、光パワー密度
の高い光スポット中心部が不感帯に位置することから、
スポット径の増減或いはスポット位置の移動により、R
F出力信号の大きさが変化してしまう、すなわちトラッ
キング制御、フォーカシング制御のためのレンズのアク
チュエータ動作自体が、出力信号変動(所謂ジッター)
を招来するといった問題があった。
【0008】そこで、本出願人は先に出願した例えば特
願平5−320322号、特願平6−286053号、
特願平6−284128号明細書等において、上記問題
点の解決を図っている。これら明細書に記載の光ピック
アップ装置は、従来技術で説明したホログラム素子の構
成を、ディスクのトラックと略直交する方向の分割線を
境にして回折条件が互いに異なる一対の回折格子を備え
る構成とし、当該回折格子によって光源からの出射光を
5ビームに分割してディスクを照射するようにし、その
0次光スポットからの反射光信号(メインビーム信号)
を、図6に示されるように、中央に配設された受光素子
55にて受光し、一方の回折格子による±1次回折光ス
ポットからの反射光信号(サブビーム信号)を上記受光
素子55の両脇に配設された2分割受光素子56a,5
6b、58a,58bにてそれぞれ受光し、他方の回折
格子による±1次回折光スポットからの反射光信号(サ
ブビーム信号)を上記2分割受光素子の外側に配設され
た2分割受光素子57a,57b、59a,59bにて
それぞれ受光し、中央の受光素子55の出力によってR
F信号が得られ、中央の受光素子55を挟んだ一方側の
2分割受光素子の総和(56a+56b+57a+57
b)と他方側の2分割受光素子の総和(58a+58b
+59a+59b)との差をとることによってTE信号
が得られ、中央の受光素子55を挟んだ一方側の各々の
2分割受光素子の出力を上下逆に比較し(56a−56
b−57a+57b)、中央の受光素子55を挟んだ他
方側の各々の2分割受光素子の出力を上下逆に比較し
(58a−58b−59a+59b)、これらの差をと
ることによってFE信号が得られるようになっている。
【0009】すなわち、上記のような5ビームにするこ
とによって光検出器の不感帯の影響を皆無にできること
から、スポット径の増減或いはスポット位置の移動があ
っても、ジッター特性に優れた信号検出が可能となって
いる。
【0010】そして、特に、特願平6−284128号
明細書にあっては、上記ビームスプリッタ(例えばハー
フミラー)の光入射側面に上記ホログラム素子を一体的
に設けることにより、さらに部品点数の減少及び構造の
簡素化を可能とし、コスト低減及び生産性の向上を図り
得るようになっている。
【0011】しかしながら、上記特願平6−28412
8号明細書記載の光ピックアップ装置の構成、すなわち
光源から出射された出射光をホログラム素子、ビームス
プリッタを介して記録媒体(ディスク)に照射し、この
記録媒体からの反射光を上記ホログラム素子、ビームス
プリッタを介して光検出器に導いて情報信号を読み取る
ようにした光ピックアップ装置にあっては、光ビームが
ホログラム素子を往復で2度通過することから、不要な
回折光が発生し(本来は出射光による往路で5ビームに
分割し反射光による復路ではこれら5ビームを0次光と
して透過させたい)、FE、TE信号検出のノイズとな
り、誤差信号検出精度が低下すると共に光の利用効率が
低下するといった問題点を本発明者は発見した。
【0012】そこで本発明は、光ビームがホログラム素
子を往復で通過するよう構成された光ピックアップ装置
にあって、不要な回折光の発生がなく、誤差信号検出精
度の向上及び光の利用効率の向上が図られる光ピックア
ップ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の光ピックアッ
プ装置は、上記目的を達成するために、光源から出射さ
れた出射光をホログラム素子と対物レンズとを介して記
録媒体に照射し、この記録媒体からの反射光を前記対物
レンズとホログラム素子とを介して光検出器に導いて情
報信号を読み取るようにした光ピックアップ装置であっ
て、前記ホログラム素子と対物レンズとの間にλ/4板
を配設すると共に、該ホログラム素子は、光軸付近で分
割線によって2分割され該分割線を境にして回折条件が
異なる一対の回折格子を備え、且つこれら回折格子は、
前記光源から出射された偏光成分を回折し、前記λ/4
板によって偏光面が90°回転された戻り光の偏光成分
を透過させることを特徴としている。
【0014】請求項2の光ピックアップ装置は、上記目
的を達成するために、請求項1に加えて、記録媒体から
の反射光を、対物レンズ、λ/4板、ホログラム素子を
介して光源に戻すように構成し、記録情報に応じた戻り
光量の変調による光源の発振状態の変化を、該光源の背
後に配置された受光素子により光源の出射光の強度変化
として検出し、記録情報を読み取るようにしたことを特
徴としている。
【0015】請求項3の光ピックアップ装置は、上記目
的を達成するために、請求項1または2に加えて、ホロ
グラム素子とλ/4板とを表裏一体化して形成し、前記
ホログラム素子を光源側に、前記λ/4板を対物レンズ
側に向けて配設したことを特徴としている。
【0016】請求項4の光ピックアップ装置は、上記目
的を達成するために、請求項1乃至3の何れか一つに加
えて、ホログラム素子、λ/4板を、ポリジアセチレン
または方解石または水晶またはニオブ酸リチウムまたは
ルチル相の酸化チタンから形成したことを特徴としてい
る。
【0017】請求項5の光ピックアップ装置は、上記目
的を達成するために、請求項2に加えて、光源及び光検
出器を、近接して配置し、同一のパッケージに納めたこ
とを特徴としている。
【0018】請求項6の光ピックアップ装置は、上記目
的を達成するために、請求項1乃至5の何れか一つに加
えて、ホログラム素子、λ/4板を、同一の材料から形
成したことを特徴としている。
【0019】請求項7の光ピックアップ装置は、上記目
的を達成するために、請求項1乃至5の何れか一つに加
えて、ホログラム素子、λ/4板を、相異なる材料から
形成したことを特徴としている。
【0020】請求項8の光ピックアップ装置は、上記目
的を達成するために、請求項1または2に加えて、ホロ
グラム素子、λ/4板の少なくとも一方の少なくとも片
面に、反射防止膜を形成したことを特徴としている。
【0021】請求項9の光ピックアップ装置は、上記目
的を達成するために、請求項3に加えて、ホログラム素
子、λ/4板の少なくとも片面に、反射防止膜を形成し
たことを特徴としている。
【0022】請求項10の光ピックアップ装置は、上記
目的を達成するために、請求項5に加えて、光源及び光
検出器を納めたパッケージを、透明な材料により封止
し、該透明な材料の表面に、反射防止膜を形成したこと
を特徴としている。
【0023】請求項11の光ピックアップ装置は、上記
目的を達成するために、請求項1乃至10の何れか一つ
に加えて、ホログラム素子、λ/4板、光源、光検出器
を共通の筐体に固定し、この筐体を対物レンズの光軸方
向及び光軸の回りに回転可能としたことを特徴としてい
る。
【0024】請求項12の光ピックアップ装置は、上記
目的を達成するために、請求項1乃至11の何れか一つ
に加えて、光源と対物レンズとの間の光路中に、光路を
折り曲げるための反射ミラーを設けたことを特徴として
いる。
【0025】請求項13の光ピックアップ装置は、上記
目的を達成するために、請求項1乃至12の何れか一つ
に加えて、ホログラム素子を、その表面が対物レンズの
光軸と凡そ垂直になるように配置したことを特徴として
いる。
【0026】
【作用】このような請求項1乃至13における光ピック
アップ装置によれば、光源からの光ビームがホログラム
素子を通過すると、該ホログラム素子は光軸付近で分割
線によって2分割され該分割線を境にして回折条件が異
なる一対の回折格子を備えると共に光源から出射された
偏光成分を回折することから、一方の回折格子では0次
光と例えばA±1次光の光ビームが、他方の回折格子で
は0次光と例えばB±1次光の光ビームが発生して5ビ
ームとなり、これら5ビームがλ/4板、対物レンズを
介して記録媒体に集光され、その反射光が対物レンズ、
λ/4板を通過すると、光ビームがλ/4板を往復で通
過することから、偏光面が90°回転されてホログラム
素子に至るが、該ホログラム素子は偏光面が90°回転
された偏光成分を透過させることから、当該5ビームは
回折せずに透過し、回折光の発生は往路だけとなって復
路にて発生していた不要な回折光の発生がなくなる。
【0027】特に請求項3の光ピックアップ装置によれ
ば、ホログラム素子とλ/4板とが表裏一体化して形成
されていることから、部品点数の減少及び構造の簡素化
がなされる。
【0028】また、特に請求項5の光ピックアップ装置
によれば、光源及び光検出器が、近接配置されて同一の
パッケージに納められていることから、調整箇所が低減
される。
【0029】また、特に請求項6の光ピックアップ装置
によれば、ホログラム素子、λ/4板が、同一の材料か
らなることから、同じ製造装置によって形成され、製造
プロセスの簡略化が達成され得る。
【0030】また、特に請求項7の光ピックアップ装置
によれば、ホログラム素子、λ/4板が、相異なる材料
からなることから、格子の加工が必要とされるホログラ
ム素子と精密な膜厚制御が必要とされるλ/4板とが、
それぞれ最適な材料で形成され得る。
【0031】また、特に請求項8乃至10の光ピックア
ップ装置によれば、反射防止膜により光利用効率を低下
させる反射が防止され、総合的な光の利用効率が高めら
れる。
【0032】また、特に請求項11の光ピックアップ装
置によれば、ホログラム素子、λ/4板、光源、光検出
器が共通の筐体に固定され、この筐体が対物レンズの光
軸方向及び光軸の回りに回転可能にされて、例えば記録
媒体上に形成されるスポット位置の調整が、筐体を回動
することによりなされることから、ホログラム素子、光
検出器を各々独立して回動する調整に比してその調整が
容易になされるようになると共に、その他の調整も容易
になされるようになり、しかも全体構造の簡素化及び調
整箇所の低減がなされるようになる。
【0033】また、特に請求項12の光ピックアップ装
置によれば、光路を折り曲げるための反射ミラーにより
装置の厚さが低減され得る。
【0034】また、特に請求項13の光ピックアップ装
置によれば、ホログラム素子が対物レンズの光軸に対し
て凡そ垂直になるように配置されることから、光ビーム
がホログラム素子を斜めに通過する時に発生する非点収
差等の影響が低減される。
【0035】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明の第1実施例における光
ピックアップ装置を表した模式的な構造図である。な
お、最初の説明にあっては図中のλ/4板90は配設さ
れていない。この光ピックアップ装置にあっては、ビー
ムスプリッターとしての例えばハーフミラー13の光入
射側面に、光源となる半導体レーザ11からの出射光を
複数のビームに分割するホログラム素子12が一体的に
形成されている。すなわち、半導体レーザ11からの出
射光は、該ホログラム素子12により複数の光ビームに
分割されると共に、その分割光はビームスプリッター1
3により対物レンズ14に導かれ、光ディスク15の記
録面上に複数の光スポットとして集束される。該複数の
光スポットは、光ディスク15でそれぞれ反射して再度
対物レンズ14を通過し、ホログラム素子12、ビーム
スプリッター13を通して光検出器16側の焦点面で再
結像するように構成されている。
【0036】ここで、上記ホログラム素子12は、図2
及び図4に示すように、概ね光軸上で媒体のトラックに
沿う方向と直交する方向の線により分割されている。こ
の分割線は、図2の回折光A±、B±がトラック幅若し
くはそれ以上の傾斜でトラック125(図3参照)に並
ばせる方向に延在している。そして、当該分割線を境に
して回折条件が互いに異なる一対の回折格子(凹凸形状
の格子)、すなわち上記分割線の両側の回折条件を異な
らせるように格子間隔及び格子方向を変えた回折格子1
2A、12Bを有している。
【0037】先ず、ホログラム素子12の作用によっ
て、ピット信号読み出し用のメインビームとしての回折
0次の光ビームと、フォーカシングエラー及びトラッキ
ングエラー検出用のサブビームとしての回折±1次の光
ビームとが、記録面上のどの位置に収束するかを、図2
の原理図を用いて具体的に説明する。半導体レーザ11
から射出して図2の上側の回折格子12Aに入射した光
ビームのうち、回折されない0次光は、回折格子12A
を通過してビームスプリッター13(図2においては図
示せず)により反射して対物レンズ14に入射し、点
L’に収束する。一方、回折を受けた回折±1次光は、
半導体レーザ11の位置Lを中心として光軸対称にある
虚像A+ 、A- に光源があるかのごとく対物レンズ14
に入射し、点A'+、A'-に収束する。すなわち、回折格
子12Aを射出した光ビームは対物レンズ14によっ
て、0次光に関してはLと共役な点L’に、±1次光に
関してはA+ 、A- の共役点A'+、A'-にと、各々記録
面上の対応した位置(共役点)に収束する。
【0038】半導体レーザ11から射出して図2の下側
の回折格子12Bに入射した光ビームについても、これ
と全く同様に考えることができ、0次光に関してはLと
共役な点L’に、±1次光に関してはB+ 、B- の共役
点B'+、B'-にと、各々収束する。従って、半導体レー
ザ11の射出光は、ホログラム素子12の上下の回折格
子12A、12Bの作用によって回折0次と回折±1次
の光ビームとなり、ビームスプリッター13により反射
して対物レンズ14を通過した後、光ディスク15の記
録面上にL’、A'+、A'-、B'+、B'-の5点の光スポ
ットとして収束することになる。
【0039】光スポットを、光ディスク15の記録面に
対して垂直方向から見た様子を図3に示す。トラック1
25の中心の光スポット120は回折0次光であり、そ
の他の4点は±1次の回折光である。ここで、回折格子
12Aの回折±1次光スポット121、123は中心の
光スポット120に対して点対称の位置になり、回折格
子12Bの回折±1次光スポット122、124も中心
の光スポット120に対して点対称の位置になる。それ
ぞれのスポット位置は各回折格子12A、12B各々の
格子間隔と格子方向を定めることで、各々の±1次回折
光をトラックの適切な位置に収束させることができる。
また、これらの回折±1次光の光スポットの概略形状
は、各々の回折格子開口形状のフーリエ変換として得ら
れる。
【0040】次に、光検出器16上の光スポットについ
て説明する。光ディスク15の記録面上の上記5点の光
スポットは、光ディスク15でそれぞれ反射して再度対
物レンズ14を通過し、この対物レンズ14を通過した
光ビームの全てが、0次透過光としてホログラム素子1
2、ビームスプリッター13を通して、光検出器16に
て受光される(実際にはこの時にも回折が生じ0次透過
光だけとはならない;詳しくは後述)。
【0041】そして、光検出器16側の焦点面での光ス
ポットの位置関係は、上述した記録面上の光スポットの
位置関係と同様に共役関係になる。従って、上記光検出
器16は、前述した5点の光スポットに対応して、図5
に示されるように5体の受光素子から構成される。
【0042】そして、対物レンズ14と光ディスク15
の位置関係が光軸方向あるいは光軸と垂直方向に移動し
た場合に、スポット形状及びスポット位置が、記録面と
光検出器側の焦点面上とで同様に変化することになる。
対物レンズ14と光ディスク15の位置関係の光軸方向
の変化、すなわちフォーカスずれに対する光検出器16
上の光スポットの変化を図5で説明する。
【0043】合焦点では、図5(b)に示すように0次
光の光スポット50を中心として回折格子12Aの回折
±1次光の光スポット51、53と回折格子12Bの回
折±1次光の光スポット52、54が上下に位置し、全
てが最小の光スポットを形成している。そして、光スポ
ット50は受光素子55の中心に位置し、回折±1次光
の光スポット51〜54は受光素子55の両側に一列に
並べた2分割受光素子56a・56b〜59a・59b
の分割線に中心が位置する。
【0044】一方、対物レンズ14と光ディスク15の
距離が近づいた時は、図5(a)に示すように0次光の
光スポット50は位置の変化は無く径が大きくなり、回
析格子12Aの回折±1次光の光スポット51、53は
回折格子12Aの開口形状に似た形に大きくなりながら
その中心が図5の上側に移動し、回折格子12Bの回折
±1次光の光スポット52、54は回折格子12Bの開
口形状に似た形に大きくなりながらその中心が図5の下
側に移動し、回折±1次光の光スポット51〜54は2
分割受光素子56a・56b〜59a・59bの各分割
線の片側に大半が位置することになる。なお、図5は理
想状態を示したので片側のみに位置しているが、実際は
ボケ等により他側にも一部が位置する。
【0045】逆に、対物レンズ14と光ディスク15の
距離が遠くなった時は、図5(c)に示すように0次光
の光スポット50は位置の変化は無く径が大きくなり、
回折格子12Aの回折±1次光の光スポット51、53
は回折格子12Aの上下逆の開口形状に似た形に大きく
なりながらその中心が図5の下側に移動し、回折格子1
2Bの回折±1次光の光スポット52、54は回折格子
12Bの上下逆の開口形状に似た形に大きくなりながら
その中心が図5の上側に移動する。
【0046】従って、光検出器16を構成する各受光素
子55、56a・56b〜59a・59bの出力を、図
6に示すように採ることによって、FE信号、TE信号
が得られる。すなわち、FE信号は、2分割受光素子5
6a・56bと57a・57bの出力、2分割受光素子
58a・58bと59a・59bの出力をそれぞれ比較
器60、61で上下逆に比較し、その結果を比較器62
で比較するように結線することで、得られることにな
る。そして、このようにしてFE信号を得ると、半導体
レーザ11の波長が変動しても、比較により当該波長変
動による影響をキャンセルできるという効果がある。
【0047】一方、対物レンズ14と光ディスク15と
の位置関係のトラッキング方向のずれ検出に関しては、
通常の3ビーム法の場合と全く同様であり、図6に示す
ように、TE信号は、2分割受光素子56a・56bと
57a・57bの出力、2分割受光素子58a・58b
と59a・59bの出力をそれぞれ加算器63、64で
加算し、その結果を比較器65で比較するように結線す
ることで、得られることになる。
【0048】なお、TE信号は、2分割受光素子56a
・56bと58a・58bの出力、または2分割受光素
子57a・57bと59a・59bの出力だけでも得る
ことが可能である。
【0049】また、RF信号に関しては、焦点合わせの
程度に応じて回折0次光のビーム径が増減するのみで、
常に光検出器16の受光素子55上にスポットが位置し
ている。従って、従来例に見られたような光検出素子不
感帯の影響は、一切発生することがない。
【0050】ところで、上記光ピックアップ装置にあっ
ては、光ビームがホログラム素子12を往復で2度通過
することから、往路だけではなく復路でも実際には回折
を生じ、光検出側では、図7に示されるように、光スポ
ットが重なりあい、誤差信号検出精度が低下するといっ
た問題がある。
【0051】ここで、図7を参照しながら不要な回折光
による光スポットの重なりあいについて説明する。図7
において、分数で示されている記号の分子は往路での0
次光、±1次回折光を、分母は復路での0次光、±1次
回折光をそれぞれ示しており、例えば0/0は往復路で
0次光であったことを示し、例えばA+1/0は往路で回
折格子12Aによる+1次回折光、復路で0次光であっ
たことを示し、例えばB+1/A-1は往路で回折格子12
Bによる+1次回折光、復路で回折格子12Aによる−
1次光であったことをそれぞれ示している。
【0052】従って、往復路での光ビームの0次光、±
1次回折光による組み合わせは全部で17通りとなる。
ここで、本実施例にあっては、回折格子12Bの格子ピ
ッチを回折格子12Aの格子ピッチの半分としているこ
とから、図7に示されるように、光検出側では白丸で示
される光スポット(0/0の場合)とそれ以外の黒丸で
示される光スポットが形成される。すなわち、白丸で示
される光スポット(0/0)の場合以外に6つの光スポ
ットが生成され、これら黒丸で示される光スポットでは
全てに重なりが生じ、誤差信号検出精度が低下すること
となる。
【0053】そこで、本実施例にあっては、上記ホログ
ラム素子12に代えて図8に示されるホログラム素子2
2が用いられている。同図において、符号13は上述し
たビームスプリッタとしての例えばハーフミラーを示し
ており、このハーフミラー13表面には、ルチル相の酸
化チタン(ルチル型酸化チタン)配向膜が形成されてい
る。このルチル型酸化チタン配向膜は光軸付近で分割線
により2分割され各領域には凹凸による周期的な格子2
2A,22Bがそれぞれ形成されており、該ルチル型酸
化チタン配向膜の凹部の底面はハーフミラー13表面に
達するまで掘下げられている。これら周期格子22A,
22Bは互いに回折条件が異なり、格子パターンは図4
に示したのと同様となっている。すなわち、光ビームを
回折によって5つのビームに分割し得る機能を備えてい
る。
【0054】そして、上記ルチル型酸化チタン配向膜の
凹部、すなわちルチル型酸化チタン配向膜の凸部側面と
ハーフミラー13表面により囲まれる領域には、上記ル
チル型酸化チタン配向膜の異常光に対する屈折率neに
等しい屈折率ncの物質22cが充填されている。
【0055】従って、異常光に対しては屈折率差がない
ために回折光を生じないが、常光に対しては屈折率差が
生じ、位相格子として作用し回折光を生じるようになっ
ている。すなわち、図8に示されるホログラム素子22
は、特定の偏光成分(上記説明では常光成分)に対して
は回折を生じるが、該偏光成分に対して直交する偏光成
分(上記説明では異常光成分)に対しては回折機能が働
かず透過させるようになっている。
【0056】ここで、本実施例においては、特定の偏光
成分を半導体レーザ11の出射光としており、図1に示
されるように、該ホログラム素子22と対物レンズ14
との間にλ/4板90を配設している。
【0057】従って、半導体レーザ11からの光ビーム
(直線偏光)がホログラム素子22を通過すると、該ホ
ログラム素子22は光軸付近で分割線によって2分割さ
れ該分割線を境にして回折条件が異なる一対の回折格子
22A,22Bを備えると共に光源から出射された偏光
成分を回折することから、一方の回折格子22Aでは0
次光と例えばA±1次光の光ビームが、他方の回折格子
22Bでは0次光と例えばB±1次光の光ビームが発生
して5ビームとなる。これら5ビームがλ/4板90を
通過すると直線偏光が例えば右回りの円偏光となり、こ
の右回りの円偏光は対物レンズ14を介してディスク1
5上に5ビームで集光される。
【0058】ディスク15からの戻り光は該ディスク1
5によって左回りの円偏光になって対物レンズ14を通
過してλ/4板90に至り、この戻り光がλ/4板90
を通過すると偏光面が90°回転された直線偏光とな
る。この偏光面が90°回転された直線偏光がホログラ
ム素子22に至ると、該ホログラム素子22は偏光面が
90°回転された偏光成分を透過させることから、当該
5ビームは回折せずに透過し、回折光の発生は往路だけ
となって復路にて発生していた不要な回折光の発生がな
くなり、この透過光はハーフミラー13を介して光検出
器16に集光される。
【0059】従って、光検出器16の受光素子の受光面
上での光スポットの状態は図5で説明したのと同様とな
り、また図6で説明した回路によって、RF信号、FE
信号、TE信号をそれぞれ得ることができる。
【0060】すなわち、この実施例においては、光検出
素子不感帯の影響が一切発生することがなく、ジッター
特性に優れた信号検出が可能となっている。
【0061】また、特に本実施例においては、光ビーム
が往復で2度通過するホログラム素子22と対物レンズ
14との間にλ/4板90を配設し、該ホログラム素子
22に対して光軸付近で分割線によって2分割され該分
割線を境にして回折条件が異なる一対の回折格子22
A,22Bを設け、これら回折格子22A,22Bを、
半導体レーザ11から出射された偏光成分を回折させる
一方でλ/4板90によって偏光面が90°回転された
戻り光の偏光成分を透過させるようにして、往路で回折
によって発生させた5ビームを復路では回折させずに透
過して光検出器16に導き、回折光の発生を往路だけと
して復路にて発生していた不要な回折光の発生をなくす
ように構成しているので、誤差信号検出精度の向上及び
光の利用効率の向上を図ることが可能となっている。
【0062】また、本実施例においては、ホログラム素
子22をハーフミラー13上に形成し、ホログラム素子
22及びハーフミラー13を一体化して、部品点数の減
少及び構造の簡素化をし得るように構成しているので、
コスト低減及び生産性の向上を図ることが可能となって
いる。
【0063】因に、上記ホログラム素子22はルチル型
酸化チタンにより形成されているが、ルチル型酸化チタ
ンのみに限定されるものではなく、例えばポリジアセチ
レンまたは方解石または水晶またはニオブ酸リチウムよ
り形成するようにしても良い。なお、このような無機材
料のルチル型酸化チタン(複屈折性材料)は、上記方解
石、水晶、ニオブ酸リチウム等の無機材料に比して常
光、異常光の屈折率差が大きいことから、λ/4板9
0、ホログラム素子22の膜厚を薄くできるという利点
がある。また、ルチル型酸化チタンは、上記ポリジアセ
チレン等の有機材料に比して耐環境性に優れているとい
う利点もある。
【0064】なお、特定の偏光成分に対しては回折を生
じるが、該偏光成分に対して直交する偏光成分に対して
は回折機能が働かず透過させるという構成に関しては上
記実施例のホログラム素子22に限定されるものではな
く、他の構成に代えることも可能であり、例えば特開昭
63−262602号公報記載の光学素子を始めとし
て、本出願人が先に出願した特願平6−100668号
明細書記載の偏光ビームスプリッタ等種々のものを採用
できる。
【0065】図9は本発明の第2実施例における光ピッ
クアップ装置を表した基本構成模式図であり、先の実施
例と同一なものに対しては同一符号が付してある。この
第2実施例の光ピックアップ装置が第1実施例のそれと
違う点は、ビームスプリッタを偏光ビームスプリッタ1
00とすると共に、この偏光ビームスプリッタ100と
λ/4板90との間に上記ホログラム素子22を配置し
た点である。そして、半導体レーザ11は、出射光の偏
光面が紙面に垂直となるように配置されている。
【0066】この出射光は偏光ビームスプリッタ100
に対してはS偏光であるから、殆どの光量が偏光ビーム
スプリッタ100で反射されホログラム素子22へ向か
う。ホログラム素子22は、上述のように、常光で回折
を生じ、異常光に対しては回折をしないように構成され
ていて、配向方向が紙面方向に向くように配設されてい
る。従って、半導体レーザ11の出射光はホログラム素
子22にとって常光となるから、上記と同様に5ビーム
に分割される。これら5ビームがλ/4板90を透過す
ると円偏光になり、対物レンズ14を通ってディスク1
5上に集光される。記録情報に応じて強度が変化してい
る反射光は、再び対物レンズ14を通ってλ/4板90
を透過すると、紙面に平行な偏光面の光に変えられてホ
ログラム素子22に到達する。
【0067】この戻り光はホログラム素子22に対して
は異常光となることから、回折による不要光を生じるこ
となく該ホログラム素子22を通過する。さらに、この
戻り光は偏光ビームスプリッタ100に対してはP偏光
となることから、該5ビームは反射することなく偏光ビ
ームスプリッタ100を透過して上記光検出器16に至
る。
【0068】従って、このように構成しても先の実施例
と同様な効果を得ることができるというはいうまでもな
く、加えて、偏光ビームスプリッタ100は第1実施例
のハーフミラー13に比して光の利用効率が高くなるこ
とから、半導体レーザ11の駆動電流値を低く抑えて該
半導体レーザ11の寿命を延ばしたり、装置全体の消費
電力を低く抑えることが可能となっている。
【0069】また、さらに加えて、ホログラム素子22
を、その表面が対物レンズ14の光軸に対して凡そ垂直
になるように配置していることから、光ビームがホログ
ラム素子22を斜めに通過する(第1実施例に対応)時
に発生する非点収差等の影響を低減できるようになって
おり、検出特性の向上を図ることも可能となっている。
【0070】また、第1実施例のように、平行平板から
なるハーフミラー13を用いた場合(図1参照)にあっ
ては、光ビームが当該平行平板からなるハーフミラー1
3を通過する際に非点収差が発生し問題となるが、本実
施例のように構成すると、非点収差が発生することがな
く、さらに検出特性を安定化することが可能となってい
る。
【0071】図10は本発明の第3実施例における光ピ
ックアップ装置を表した基本構成模式図であり、先の実
施例と同一なものに対しては同一符号が付してある。こ
の第3実施例の光ピックアップ装置にあっては、上記と
同様な構成のホログラム素子22が全反射ミラー23と
λ/4板90との間に配置されている。従って、半導体
レーザ11からの出射光は、全反射ミラー23により光
路が立ち上げられてホログラム素子22に導かれ、該ホ
ログラム素子22により回折されて5つの光ビームに分
割され、その分割光はλ/4板90を介して対物レンズ
14に導かれ、光ディスク15の記録面上に5つの光ス
ポットとして集束される。そして、該5つの光スポット
は、光ディスク15でそれぞれ反射して再度対物レンズ
14を介してλ/4板90を通過し、該λ/4板90に
よって偏光面が90°回転されてホログラム素子22に
至り、5つの光ビームは該ホログラム素子22をそのま
ま透過して、全反射ミラー23に至る。
【0072】ここで、RF信号成分は所謂スクープ(S
coop)方式によって検出する。すなわち、記録情報
で強度変調されたメインビームとしての0/0は回折が
起こらず、しかも全反射ミラー23を用いていることか
ら、0/0は半導体レーザ11の活性層に戻ることにな
り、半導体レーザ11の発振状態が記録情報に応じて変
化して半導体レーザ11の光出力が変化し、該半導体レ
ーザ11の背後に配置されている通常半導体レーザ11
の光出力を制御するための所謂モニタPD(55a)か
らRF信号成分を検出できるようになっている。
【0073】また、4つのサブビームは、半導体レーザ
11を挟むようにして配置された図5及び図6と同様な
4つの2分割受光素子にそれぞれ受光される。
【0074】なお、図10及び後述の図11にあって
は、図が煩雑になるのを避けるために、受光素子56
a,56b,57a,57b、受光素子58a,58
b,59a,59bをそれぞれ分けずに一体化して描い
ているが、実際には図5及び図6で説明したように4つ
に分かれている。
【0075】従って、このように構成しても先の第2実
施例と同様な効果を得ることができるというはいうまで
もなく、加えて、光源としての半導体レーザ11と光検
出器16をスクープ方式によって近接配置できることか
ら、図9に点線で示されるように、単一のパッケージ8
0に収容し得るようになっており、もって調整箇所を低
減でき、コスト低減及び生産性の向上を図ることが可能
となっている。
【0076】また、さらに加えて、半導体レーザ11と
対物レンズ14との間の光路中に光路を折り曲げるため
の全反射ミラー23を設け、該全反射ミラー23により
装置の厚さを低減するようにしていることから、例えば
ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯性を重視した
システムへの搭載性が可能となっている。
【0077】図11は本発明の第4実施例における光ピ
ックアップ装置を表した基本構成模式図であり、先の実
施例と同一なものに対しては同一符号が付してある。こ
の第4実施例の光ピックアップ装置にあっては、半導体
レーザ11(パッケージ80)とディスク面15とが対
向配置となっていて、これらの間に半導体レーザ11側
からホログラム素子22、λ/4板90、対物レンズ1
4が順に配置されており、該ホログラム素子22は、光
軸と凡そ垂直に配置された透光性基板としての例えばガ
ラス基板33上に形成されている。
【0078】従って、半導体レーザ11からの出射光
は、ガラス基板33を通過して該ホログラム素子22に
よって5つの光ビームに分割され、その分割光はλ/4
板90を介して対物レンズ14に導かれ、光ディスク1
5の記録面上に5つの光スポットとして集束される。そ
して、該5つの光スポットは、光ディスク15でそれぞ
れ反射して再度対物レンズ14を介してλ/4板90を
通過し、該λ/4板90によって偏光面が90°回転さ
れてホログラム素子22に至り、5つの光ビームは該ホ
ログラム素子22をそのまま透過し、ガラス基板33を
介して、メインビームは半導体レーザ11に戻って該半
導体レーザ11の背後に配設されたRF用受光素子55
aによりRF信号が検出され、サブビームは半導体レー
ザ11を挟むようにして配置された各2分割受光素子5
6a,56b、57a,57b、58a,58b、59
a,59bにそれぞれ受光される。すなわち、この第4
実施例にあっても、所謂スクープ(Scoop)方式の
検出となっている。
【0079】このように構成しても先の第3実施例と同
様な効果を得ることができるというのはいうまでもない
(但し、第3実施例のような厚さの低減はなされな
い)。
【0080】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例え
ば、ホログラム素子22を含む光学素子の少なくとも片
面、すなわち図1に示される光学素子にあってはホログ
ラム素子22の露出面及びハーフミラー13の露出面の
少なくとも一方に反射防止膜を形成して反射を防止する
ようにし、総合的な光の利用効率を高めて、半導体レー
ザ11の駆動電流値を低く抑え該半導体レーザ11の寿
命を延ばしたり、装置全体の消費電力を低く抑えること
も可能である。
【0081】また、図9乃至図11に示したホログラム
素子22及びλ/4板90の少なくとも一方の少なくと
も片面に反射防止膜を形成して反射を防止するように
し、上記と同様に光の利用効率を高めることも可能であ
る。
【0082】また、図10及び図11に示されるよう
に、半導体レーザ11と光検出器16とを透明な材料と
してのカバーガラス81により封止し、このカバーガラ
ス81の表面に反射防止膜を形成して反射を防止するよ
うにし、上記と同様に光の利用効率を高めることも可能
である。
【0083】また、図9乃至図11に示したホログラム
素子22とλ/4板90とを表裏一体化して形成し(図
11にあってはガラス基板33を共に一体化しても良
い)、部品点数の減少及び構造の簡素化を行い、コスト
低減及び生産性の向上を図ることも可能である。因に、
このようにホログラム素子22とλ/4板90とを表裏
一体化して形成した場合には、λ/4板90の材質をホ
ログラム素子22と同様とすることが望ましく、例えば
ルチル型酸化チタンまたはポリジアセチレンまたは方解
石または水晶またはニオブ酸リチウムより形成するのが
良い。このように、ホログラム素子22、λ/4板90
を同一の材料から構成すれば、同じ製造装置によって形
成することができることから、製造プロセスを簡略化で
き、製造コストの低減を図ることが可能となる。また、
表裏一体化しない場合でも同一の材料より形成すれば上
記効果を得ることができるというのはいうまでもない。
【0084】また、このように表裏一体化した光学素子
の少なくとも片面に反射防止膜を形成して反射を防止す
るようにし、上記と同様に光の利用効率を高めることも
可能である。
【0085】また、ホログラム素子22とλ/4板90
とを相異なる材料から構成し、格子の加工が必要とされ
るホログラム素子22と精密な膜厚制御が必要とされる
λ/4板90とをそれぞれ最適な材料で形成するように
して、装置全体の性能の向上を図ることも可能である。
【0086】さらにまた、ホログラム素子22、λ/4
板90、半導体レーザ11、光検出器16を共通の筐体
(例えば中空円筒;不図示)内に固定し、この筐体を対
物レンズ14の光軸方向及び光軸の回りに回転可能にす
るようにして、例えばディスク15上に形成されるスポ
ット位置の調整を、筐体を回動することにより行うよう
にし、ホログラム素子22、光検出器16を各々独立し
て回動する調整に比してその調整を容易にできるように
すると共に、その他の調整も容易にし、しかも全体構造
の簡素化及び調整箇所の低減を可能として、コスト低減
及び生産性の向上を図ることも可能である。
【0087】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1乃至13に
おける光ピックアップ装置によれば、光ビームが往復で
2度通過するホログラム素子と対物レンズとの間にλ/
4板を配設し、該ホログラム素子に対して光軸付近で分
割線によって2分割され該分割線を境にして回折条件が
異なる一対の回折格子を設け、これら回折格子を、光源
から出射された偏光成分を回折させる一方で上記λ/4
板によって偏光面が90°回転された戻り光の偏光成分
を透過させるようにして、往路で回折によって発生させ
た5ビームを復路では回折させずに透過して光検出器に
導くか若しくは光源に戻し、回折光の発生を往路だけと
して復路にて発生していた不要な回折光の発生をなくす
ように構成したものであるから、誤差信号検出精度の向
上及び光の利用効率の向上を図ることが可能となる。
【0088】特に請求項3の光ピックアップ装置によれ
ば、ホログラム素子とλ/4板とを表裏一体化して形成
し、部品点数の減少及び構造の簡素化をし得るように構
成したものであるから、コスト低減及び生産性の向上を
図って上述した効果を一層高めることが可能となる。
【0089】また、特に請求項5の光ピックアップ装置
によれば、光源及び光検出器を、近接配置して同一のパ
ッケージに納め、調整箇所を低減し得るように構成した
ものであるから、コスト低減及び生産性の向上を図って
上述した効果を一層高めることが可能となる。
【0090】また、特に請求項6の光ピックアップ装置
によれば、ホログラム素子、λ/4板を、同一の材料か
ら構成し、同じ製造装置によって形成可能として製造プ
ロセスの簡略化を達成し得るように構成したものである
から、製造コストの低減を図って上述した効果を一層高
めることが可能となる。
【0091】また、特に請求項7の光ピックアップ装置
によれば、ホログラム素子、λ/4板を、相異なる材料
から構成し、格子の加工が必要とされるホログラム素子
と精密な膜厚制御が必要とされるλ/4板とを、それぞ
れ最適な材料で形成し得るように構成したものであるか
ら、装置全体の性能の向上を図って上述した効果を一層
高めることが可能となる。
【0092】また、特に請求項8の光ピックアップ装置
によれば、請求項1または2のホログラム素子、λ/4
板の少なくとも一方の少なくとも片面に反射防止膜を形
成して光利用効率を低下させる反射を防止し、総合的な
光の利用効率を高めるように構成したものであるから、
光源の駆動電流値を低く抑え該光源の寿命を延ばした
り、装置全体の消費電力を低く抑えて、上述した効果を
一層高めることが可能となる。
【0093】また、特に請求項9の光ピックアップ装置
によれば、請求項3のホログラム素子、λ/4板の少な
くとも片面に反射防止膜を形成して光利用効率を低下さ
せる反射を防止し、総合的な光の利用効率を高めるよう
に構成したものであるから、上記と同様に光源の駆動電
流値を低く抑え該光源の寿命を延ばしたり、装置全体の
消費電力を低く抑えて、上述した効果を一層高めること
が可能となる。
【0094】また、特に請求項10の光ピックアップ装
置によれば、光源及び光検出器を納めているパッケージ
を、透明な材料により封止し、該透明な材料の表面に、
反射防止膜を形成して光利用効率を低下させる反射を防
止し、総合的な光の利用効率を高めるように構成したも
のであるから、上記と同様に光源の駆動電流値を低く抑
え該光源の寿命を延ばしたり、装置全体の消費電力を低
く抑えて、上述した効果を一層高めることが可能とな
る。
【0095】また、特に請求項11の光ピックアップ装
置によれば、ホログラム素子、λ/4板、光源、光検出
器を共通の筐体に固定し、この筐体を対物レンズの光軸
方向及び光軸の回りに回転可能にして、例えば記録媒体
上に形成されるスポット位置の調整を、筐体を回動する
ことにより行うようにし、ホログラム素子、光検出器を
各々独立して回動する調整に比してその調整を容易にす
ると共に、その他の調整も容易にし、しかも全体構造の
簡素化及び調整箇所の低減をし得るように構成したもの
であるから、コスト低減及び生産性の向上を図って上述
した効果を一層高めることが可能となる。
【0096】また、特に請求項12の光ピックアップ装
置によれば、光源と対物レンズとの間の光路中に、光路
を折り曲げるための反射ミラーを設け、該反射ミラーに
より装置の厚さを低減し得るように構成したものである
から、例えばノート型パーソナルコンピュータ等の携帯
性を重視したシステムへの搭載性を可能として上述した
効果を一層高めることが可能となる。
【0097】また、特に請求項13の光ピックアップ装
置によれば、ホログラム素子をその表面が対物レンズの
光軸に対して凡そ垂直になるように配置し、光ビームが
ホログラム素子を斜めに通過する時に発生する非点収差
等の影響を低減するように構成したものであるから、検
出特性の向上を図って上述した効果を一層高めることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における光ピックアップ装
置を表した基本構成模式図である。
【図2】ホログラム素子により光ビームがディスク記録
面上に集束する様子を説明するための原理図である。
【図3】ディスク面における5つのスポットの照射状態
を示す平面説明図である。
【図4】ホログラム素子の格子パターンを説明するため
の模式図である。
【図5】光検出器を構成する受光素子の受光面上での光
スポットの状態を示す説明図である。
【図6】光検出器の各エレメント出力からRF信号、F
E信号、TE信号を得るための結線の状態を示す回路説
明図である。
【図7】同上第1実施例における光検出側での光スポッ
トの重複状態を表した説明図である。
【図8】同上第1実施例の問題点を解決するために図4
に示したホログラム素子に代えて用いられるホログラム
素子の一例を表した横断面図である。
【図9】本発明の第2実施例における光ピックアップ装
置を表した基本構成模式図である。
【図10】本発明の第3実施例における光ピックアップ
装置を表した基本構成模式図である。
【図11】本発明の第4実施例における光ピックアップ
装置を表した基本構成模式図である。
【符号の説明】
11 光源 14 対物レンズ 15 記録媒体 16 光検出器 22 ホログラム素子 22A,22B 回折格子 55a 光源背後の受光素子 80 パッケージ 81 カバーガラス 90 λ/4板

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射された出射光をホログラム
    素子と対物レンズとを介して記録媒体に照射し、この記
    録媒体からの反射光を前記対物レンズとホログラム素子
    とを介して光検出器に導いて情報信号を読み取るように
    した光ピックアップ装置であって、 前記ホログラム素子と対物レンズとの間にλ/4板を配
    設すると共に、 該ホログラム素子は、光軸付近で分割線によって2分割
    され該分割線を境にして回折条件が異なる一対の回折格
    子を備え、且つこれら回折格子は、前記光源から出射さ
    れた偏光成分を回折し、前記λ/4板によって偏光面が
    90°回転された戻り光の偏光成分を透過させることを
    特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ピックアップ装置にお
    いて、 記録媒体からの反射光を、対物レンズ、λ/4板、ホロ
    グラム素子を介して光源に戻すように構成し、記録情報
    に応じた戻り光量の変調による光源の発振状態の変化
    を、該光源の背後に配置された受光素子により光源の出
    射光の強度変化として検出し、記録情報を読み取るよう
    にしたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の光ピックアップ
    装置において、 ホログラム素子とλ/4板とを表裏一体化して形成し、 前記ホログラム素子を光源側に、前記λ/4板を対物レ
    ンズ側に向けて配設したことを特徴とする光ピックアッ
    プ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか一つに記載の光
    ピックアップ装置において、 ホログラム素子、λ/4板は、ポリジアセチレンまたは
    方解石または水晶またはニオブ酸リチウムまたはルチル
    相の酸化チタンよりなることを特徴とする光ピックアッ
    プ装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の光ピックアップ装置にお
    いて、 光源及び光検出器は、近接して配置され、同一のパッケ
    ージに納められていることを特徴とする光ピックアップ
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか一つに記載の光
    ピックアップ装置において、 ホログラム素子、λ/4板は、同一の材料からなること
    を特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5の何れか一つに記載の光
    ピックアップ装置において、 ホログラム素子、λ/4板は、相異なる材料からなるこ
    とを特徴とする光ピックアップ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の光ピックアップ
    装置において、 ホログラム素子、λ/4板の少なくとも一方の少なくと
    も片面には、反射防止膜が形成されていることを特徴と
    する光ピックアップ装置。
  9. 【請求項9】 請求項3記載の光ピックアップ装置にお
    いて、 ホログラム素子、λ/4板の少なくとも片面には、反射
    防止膜が形成されていることを特徴とする光ピックアッ
    プ装置。
  10. 【請求項10】 請求項5記載の光ピックアップ装置に
    おいて、 光源及び光検出器が納められているパッケージは、透明
    な材料により封止され、 該透明な材料の表面には、反射防止膜が形成されている
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10の何れか一つに記載
    の光ピックアップ装置において、 ホログラム素子、λ/4板、光源、光検出器を共通の筐
    体に固定し、 この筐体を対物レンズの光軸方向及び光軸の回りに回転
    可能としたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11の何れか一つに記載
    の光ピックアップ装置において、 光源と対物レンズとの間の光路中には、光路を折り曲げ
    るための反射ミラーが設けられていることを特徴とする
    光ピックアップ装置。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12の何れか一つに記載
    の光ピックアップ装置において、 ホログラム素子は、その表面が対物レンズの光軸と凡そ
    垂直になるように配置されていることを特徴とする光ピ
    ックアップ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009069490A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Colorlink Japan Kk 回折格子一体型偏光変換素子
JP2012003278A (ja) * 2011-08-11 2012-01-05 Topcon Corp 回折格子一体型偏光変換素子
CN102528277A (zh) * 2012-02-13 2012-07-04 中国科学院福建物质结构研究所 用于晶圆切割设备的紫外光学传输系统
AT13889U1 (de) * 2013-05-16 2014-11-15 Patrick Zwölfer Kronenkorkenöffner

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