JPH0971761A - 絶縁耐熱性接着剤およびその製造方法 - Google Patents

絶縁耐熱性接着剤およびその製造方法

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JPH0971761A
JPH0971761A JP28901595A JP28901595A JPH0971761A JP H0971761 A JPH0971761 A JP H0971761A JP 28901595 A JP28901595 A JP 28901595A JP 28901595 A JP28901595 A JP 28901595A JP H0971761 A JPH0971761 A JP H0971761A
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JP
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weight
epoxy resin
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adhesive
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JP28901595A
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Shuichi Takeyama
山 秀 一 武
Akihiro Isaka
坂 明 洋 井
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化時の加熱により接着剤のたれやにじみを生
じることがない絶縁耐熱性接着剤およびその製造方法。 【解決手段】(a)常温で固体の4官能以上のエポキシ
樹脂20〜100重量%を含有し、粘度が1000〜3
000ポイズのベース樹脂と、(b)該ベース樹脂中の
総エポキシ樹脂100重量部に対して、3〜20重量部
の硬化剤と、(c)該ベース樹脂中の総エポキシ樹脂1
00重量部に対して、3〜60重量部の揺変剤とを含有
する絶縁耐熱性接着剤および少なくとも(a)と(b)
を予め減圧処理するその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リードフレーム用
接着剤として印刷塗布膜形状保持性に優れた絶縁耐熱性
接着剤に関する。さらに詳しくは、4官能以上のエポキ
シ樹脂を20〜100重量%含有し、25℃で1000
〜3000ポイズの粘度である絶縁耐熱性接着剤に関す
る。また、リードフレームの接着剤として用いた時に、
銀等で形成された回路に対する炭素汚染性のない接着剤
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体用接着剤組成物として、エ
ポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂等を
ベース樹脂とするものが開発されている。それらの例と
しては、特公平6−78422号公報、特開平3−41
743号公報、特開平3−72522号公報、特開平5
−98232号公報、特開平6−306338号公報お
よび特開平6−212134号公報等が挙げられる。
【0003】中でも、特公平6−78422号公報で
は、多官能性マレイミド、多官能性シアン酸エステル、
オリゴマーまたはエステルとアミンとのプレポリマー、
2官能以上のエポキシ樹脂とジアミンの反応物、尿素化
合物を含有する貯蔵安定性、耐衝撃性を向上させた組成
物が記載されている。また、特開平3−72522号公
報では、液状エポキシ樹脂にジアミノジフェニルメタン
と金属粉を含有する接着剤が、半導体素子とリードフレ
ームとの接着に有効であることが記載されている。特開
平2−168635号公報では、ビスフェノールAまた
はF等の2官能のエポキシ樹脂に充填剤を加えた組成物
が熱衝撃時の表面応力を低下させることが記載されてい
る。特公平6−68091号公報では、ジグリシジルタ
イプの液状エポキシ樹脂を70重量%以上含むエポキシ
樹脂とジシアンジアミド、硬化促進剤およびフェノキシ
樹脂に多量の熱伝導性充填剤を加えた樹脂ペーストが低
温短時間で硬化し、ロングポットライフであることが記
載されている。さらに、特開平6−200228号公報
では、1〜3官能のエポキシ樹脂、メチルイミダゾール
アジン、無機充填剤、チクソトロピー剤、有機顔料を含
有する組成物が、接着強度が高く吐出時の糸引き発生率
が低い接着剤であると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの接着
剤は、印刷塗布された際の膜の形状保持性が弱いため、
硬化させる際に160℃程度に加熱すると接着剤自体が
流れ出したり、にじみを生じたりする場合がある。ま
た、リードフレーム等に用いると銀線等を炭素汚染する
ことがあり、そのような場合は、予めプラズマ洗浄工程
を設ける必要があった。
【0005】例えば、常温で固体の4官能以上のエポキ
シ樹脂を主として含有するベース樹脂を用いた接着剤を
リードフレームに用いた場合、従来のはんだ浴条件等で
の発生ガスをマススペクトログラフ等で分析すると、フ
ェノール、アニリン、芳香族炭化水素、炭素数1〜21
の炭化水素またはこれと同等のその他の炭化水素等の低
分子のものの存在が推定され、これらが炭素汚染の原因
となっていると考えられる。そこで、本発明の目的は、
硬化させる際に加熱しても印刷塗膜形状保持性に優れた
絶縁性、耐熱性の高い接着剤、および銀線等を炭素汚染
しない接着剤の製造方法を提供することにある。本発明
は、前記課題の少なくとも1つを解決する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、か
かる現状に鑑み、上述の電子材料用接着剤の問題点を改
良すべく鋭意検討を重ねた結果、ベース樹脂として4官
能以上のエポキシ樹脂を20〜100重量%含む絶縁耐
熱性接着剤が、耐熱性、絶縁性、高温特性に優れ低温で
短時間に硬化させることができ、貯蔵安定性が良好でさ
らに印刷塗布膜安定性に優れていることを知見し、本発
明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(a)常温で固体の
4官能以上のエポキシ樹脂20〜100重量%を含有
し、粘度が1000〜3000ポイズのベース樹脂と、
(b)ベース樹脂中の総エポキシ樹脂100重量部に対
して、3〜20重量部の硬化剤と、(c)ベース樹脂中
の総エポキシ樹脂100重量部に対して、3〜60重量
部の揺変剤とを含有する絶縁耐熱性接着剤を提供する。
【0008】そして、ベース樹脂が、80重量%以下の
4官能未満のエポキシ樹脂を含有するのが好ましい。さ
らに、4官能未満のエポキシ樹脂が、2官能のエポキシ
樹脂であるのが好ましい。また、ベース樹脂が、常温で
固体の4官能以上のエポキシ樹脂100重量部に対して
50重量部以下の揮発性溶剤を含有するのが好ましい。
【0009】また、(a)常温で固体の4官能以上のエ
ポキシ樹脂20〜100重量%を含有し、粘度が100
0〜3000ポイズのベース樹脂と、(b)該ベース樹
脂中の総エポキシ樹脂100重量部に対して、3〜20
重量部の硬化剤と、(c)該ベース樹脂中の総エポキシ
樹脂100重量部に対して、3〜60重量部の揺変剤と
を含有する接着剤であって、少なくともベース樹脂
(a)および硬化剤(b)を、130〜180℃、真空
状態で減圧処理することを特徴とする絶縁耐熱性接着剤
の製造方法を提供する。
【0010】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に用いるベース樹脂(a)は、常温で固形の4官
能以上のエポキシ樹脂を20〜100重量%含有し、2
5℃での粘度が1000〜3000ポイズである樹脂で
ある。
【0011】常温で固形の4官能以上のエポキシ樹脂
は、分子内にエポキシ基を4つ以上含むものであればよ
いが、特にノボラック型のビスフェノールAまたはFエ
ポキシ樹脂であるのが好ましい。このようなエポキシ樹
脂は、ホルムアルデヒドとビスフェノールAまたはFエ
ポキシ樹脂を酸性条件下で縮合させて得ることができ
る。このような固形の4官能以上のエポキシ樹脂のエポ
キシ当量は、190〜210であるのが好ましい。特
に、固体の4官能以上のエポキシ樹脂を用いるので、耐
熱性、耐脆性の点で優れている。
【0012】具体的には、下記式(1)で表されるエポ
キシ樹脂
【化1】 (式中、nは、1以上の整数を示す。)が挙げられる。
【0013】また、大日本インキ化学工業(株)製のN
865,油化シェル社のエポキシエピコート1032、
油化シェル社のエポキシ エピコート604等の市販品
を使用することができる。上述の式(1)中、n=1以
上の樹脂に、n=0の樹脂が混合されたエポキシ樹脂を
用いてもよい。固形の4官能以上のエポキシ樹脂の含有
率は、ベース樹脂中の総エポキシ樹脂の20〜100重
量%であるのが好ましい。4官能以上のエポキシ樹脂の
含有率が、20重量%未満では、耐熱性、耐脆性の向上
が望めない。ここで、総エポキシ樹脂とは、ベース樹脂
中に含まれる総ての各種エポキシ樹脂の合計量を示す。
【0014】さらに、本発明に用いるベース樹脂を25
℃での粘度が1000〜3000ポイズにする際、上述
の4官能以上のエポキシ樹脂以外に、(i)4官能未満
のエポキシ樹脂を含有するか、または(ii)揮発性溶剤
を含有するか、あるいは(iii)4官能未満のエポキシ樹
脂と揮発性溶剤の両方を含有してもよい。4官能未満の
エポキシ樹脂(i)は、常温で液状のエポキシ樹脂で、
1官能のエポキシ樹脂、2官能のエポキシ樹脂、3官能
のエポキシ樹脂が挙げられるが、中でも液状の2官能の
エポキシ樹脂であるのが、低粘度かつ耐熱性向上の点で
好ましい。このような液状エポキシ樹脂のエポキシ当量
は、160〜180であるのが好ましい。また、1〜3
官能のエポキシ樹脂の混合物であってもよい。
【0015】具体的には、下記式(2):
【化2】 で示される大日本インキ化学工業(株)製の830LV
P、
【0016】下記式(3):
【化3】 (式中、nは、0,1を示す。)で表される油化シェル
社製の152等が挙げられる。
【0017】4官能未満のエポキシ樹脂(i)の含有率
は、ベース樹脂(a)中の総エポキシ樹脂80重量%以
下であるのが好ましい。4官能未満のエポキシ樹脂
(i)の含有率が、80重量%超では、耐熱性の向上が
望めない。
【0018】ここで、エポキシ樹脂の官能基数とは、必
ずしもエポキシ樹脂の分子の全てが同一官能基数を持つ
ことを意味しているのではなく、数種の分子種の混合物
であってもよいが、同じ繰り返し単位を持つ一群のエポ
キシ樹脂の平均分子量を平均エポキシ当量で除した平均
官能基数も本発明のエポキシ樹脂の官能基数である。
【0019】また、揮発性溶剤(ii)は、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、アセト
ン、メチルエチルケトン、塩化メチレン、クロロホル
ム、ジエチレングリコールジブチルエーテル、メタノー
ル、エタノール等が挙げられる。固形エポキシ樹脂を揮
発性溶剤(ii) に溶かしてベース樹脂(a)を製造する
と、タックフリー化した後の熱圧着接着が可能であるの
で取扱性がよい。揮発性溶剤(ii)の含有量は、ベース
樹脂中の固体の4官能以上の総エポキシ樹脂100重量
部に対して、50重量部以下、特に20〜30重量部で
あるのが好ましい。揮発性溶剤(ii)の含有量が、50
重量部超では、無機揺変剤の沈澱が生じることがある。
【0020】ベース樹脂(a)は、好ましくは常温で固
体の4官能以上のエポキシ樹脂に液状の4官能未満のエ
ポキシ樹脂(i)を加えるか、または揮発性溶剤(ii)
を加えるか、あるいは(i)(ii)の両方を加えて、
粘度を1000〜3000ポイズとする。粘度が100
0ポイズ未満では、塗膜形状保持性に劣り、3000ポ
イズ超では、膜通過印刷性に劣る。
【0021】本発明に用いる(b)硬化剤は、一般のエ
ポキシ樹脂に用いうる硬化剤であればよいが、特にイミ
ダゾール類であるのが好ましい。具体的には、2−メチ
ルイミダゾール(2MZ)、2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール(2E4MZ)、下記式(4)で示される
2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−
(1')〕−エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付
加物(2MA−OK)、2−ウンデシルイミダゾール
(C11Z)、2−フェニルイミダゾール(2PZ)、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾール(1B2MZ)、
1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(2MZ−
CN)、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート
(2MZ−OK)、2−フェニルイミダゾリウム・イソ
シアヌレート(2PZ−OK)、2,4−ジアミノ−6
−〔2−メチルイミダゾリル−(1)〕−エチル−S−
トリアジン(2MZ−AZINE)、2−フェニル−4
−メチルイミダゾール(2P4MZ)等が挙げられる
が、中でも2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミ
ダゾリル−(1')〕−エチル−s−トリアジン・イソシ
アヌル酸付加物であるのが反応性、貯安性の点で好まし
い。
【0022】
【化4】 例えば、四国化成(株)製の2MA−OK等の市販品を
使用することができる。
【0023】硬化剤(b)の含有量は、ベース樹脂
(a)中の総エポキシ樹脂100重量部に対して、3〜
20重量部、特に4〜8重量部であるのが好ましい。硬
化剤の含有量が3重量部未満では、硬化剤不足で、20
重量部超では、硬化剤過剰でありいずれも十分な物性が
発現しない。
【0024】本発明に用いる揺変剤(c)は、脂肪酸ア
マイドワックス系、微粉末シリカ(ヒュームドシリカ)
等も挙げられるが、特に、微粉末シリカであるのが好ま
しい。微粉末シリカを用いる場合、粒径7〜100n
m、好ましくは7〜30nmの微粒子で不純物が少ない
ものが好ましい。例えば、Al2 3 0.05重量%以
下、Fe2 3 0.001重量%以下、HCl0.05
重量%以下の不純物の少ないものが好ましい。また、シ
リコンオイルで表面処理されていてもよい。
【0025】具体例としては、日本アエロジル社製のA
EROSIL R202等の市販品を使用することがで
きる。微粉末シリカの含有量は、ベース樹脂(a)中の
エポキシ樹脂100重量部に対して、3〜60重量部、
特に5〜60重量部であるのが好ましい。微粉末シリカ
の含有量が3重量部未満では、チクソ性が不足であり、
60重量部超では、粘度が高すぎて取扱性に欠ける。特
に、溶剤を加えると揺変剤を10〜60重量部まで接着
剤中に含有させることができ、その場合は、得られる硬
化物は硬化による形状の収縮を抑制することができる。
【0026】本発明の絶縁耐熱性接着剤には、上述の必
須成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、硬化
助剤、老化防止剤、充填剤、着色剤等の添加物を加えて
もよい。硬化助剤としては、ヘキサメチレンテトラミン
(H)、ジシアンジアミド、ヒドラジッド類等が挙げら
れる。老化防止剤としては、ヒンダードアミン系、ヒン
ダードフェノール系が利用される。充填剤としては、炭
酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、シリカな
どが挙げられる。着色剤としては、酸化亜鉛、硫化亜
鉛、酸化チタン、酸化クロム等が挙げられる。
【0027】本発明の絶縁耐熱性接着剤は、(a)常温
で固体の4官能以上のエポキシ樹脂20〜100重量%
を含有するベース樹脂、(b)硬化剤、(c)揺変剤、
さらに必要に応じてその他の添加剤を加えて十分に混練
することで製造することができる。好ましくは、ベース
樹脂(a)と硬化剤(b)を、接着剤を製造する前に、
各々別々に130〜180℃、特に140〜170℃で
真空状態で減圧処理をする。ベース樹脂として複数種の
ものを用いる場合それぞれ別々に減圧処理するのが好ま
しいが、複数種のベース樹脂を混合した後に減圧処理し
てもよい。一方、硬化剤として複数種のものを用いる場
合は、それぞれ別々に減圧処理するのが好ましい。減圧
処理した後にベース樹脂(a)と硬化剤(b)とその他
の成分とを合わせて十分に混練して絶縁耐熱性接着剤と
する。
【0028】この製造方法によって製造された接着剤
は、リードフレーム上の配線に用いる銀線を、接着剤中
の炭素が汚染するいわゆる炭素汚染を引き起こさないの
で好ましい。真空減圧処理の時間は、4時間程度である
のが好ましい。処理温度が130℃未満では、接着剤を
用いた場合の銀線中のオージェ分析による炭素/銀の比
が0.4超となる。また180℃超では、ベース樹脂
(a)の増粘が起こり好ましくない。ただし、130℃
より低温であっても4時間よりさらに長い時間処理する
ことによって本願と同様の効果が得られる場合は、本発
明の範囲に包含される。真空度は、5mmHg以下、特
に1mmHg以下であるのが、短時間で処理できる点で
好ましい。
【0029】ベース樹脂(a)と硬化剤(b)とを予め
別々に真空減圧処理することで、リードフレームに本発
明の接着剤を用いた場合、配線用の銀線表面のオージェ
分析における炭素C/銀Agの比が、0.4以下とな
る。このため、通常混練後の接着剤組成物の使用に際し
て行われているプラズマ洗浄の工程を省略できる。
【0030】本発明の絶縁耐熱性接着剤は、金属板間の
接着に有用であるが、好ましくは、リードフレーム、チ
ップ、基板、ヒートシンク等の電子部品の接着、特にリ
ードフレームとヒートシンクとの接着剤として有用であ
る。被着体であるヒートシンクは、アルミニウム等の金
属板であり、これに接着されるリードフレームは、銅、
42アロイ合金、銅合金、コバール、Fe−Ni合金等
が挙げられる。リードフレームに用いられる配線は、
金、銀、銅やこれら金属ベースの合金が用いられ、本発
明の製造方法を用いると、これらの金属への炭素汚染性
が低減される。
【0031】本発明の絶縁耐熱性接着剤をリードフレー
ムの接着剤として使用する方法の1例は、例えば、リー
ドフレーム上に本発明の絶縁耐熱性接着剤を印刷塗布
し、そのリードフレームの接着剤塗布面をヒートシンク
板と接合して接着する。さらに、150〜200℃の温
度で3〜60分加熱すると、接着剤は硬化する。本発明
の絶縁耐熱性接着剤を用いてリードフレームをヒートシ
ンクに接着させると、硬化時の加熱により接着剤が流れ
出したり、にじみを生じることなく、優れた印刷塗膜形
状を保持することができる。さらに、予めベース樹脂と
硬化剤とを別々に減圧処理する本発明の製造方法を用い
ると、接着剤の使用時に銀線の炭素汚染を低減すること
ができる。本発明の絶縁耐熱性接着剤の硬化物は、電子
回路の作動中、耐熱性、絶縁性、高温特性に優れてい
る。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の態様とし
ては、本発明の絶縁耐熱性接着剤を使用したリードフレ
ームや半導体装置等が挙げられる。
【0033】
【実施例】以下に、実施例を用いて、具体的に説明する
が、これによって本発明の範囲は、限定されるものでは
ない。 (実施例1〜3、および比較例1〜5)下記表1に示す
成分組成を十分に混練し、接着剤を得た。得られた接着
剤を30mm×30mm×0.1mmのアルミ板に20
μmの厚みで塗布し、表1に記載の硬化条件で硬化させ
た。硬化条件は、完全に硬化させるまでの温度(℃)と
時間(分)で示した。例えば、実施例1で、160<3
0は、160℃で30分未満で硬化したことを意味す
る。得られた試験片の物性を下記の基準で測定した。結
果を下記表1に示す。また、本発明の接着剤をアルミ板
と銅板との接着に用い、160℃で30分加熱硬化して
接着したところ良好な接着性を示した。
【0034】1.電気特性 JISK6911に準拠して測定した。 2.硬化時の印刷塗布膜形状保持性 不良……160℃で30分硬化させた際の最低粘度の時
に接着剤の流れ、にじみを生じた。 良好……160℃で30分硬化させた際の最低粘度の時
に接着剤の流れ、にじみを生じなかった。
【0035】3.硬化条件での重量減少 表1の硬化条件で硬化させる直前の接着剤の重量を10
0%として、各硬化条件で硬化させた後の接着剤の重量
の減少率(%)を示す。 4.硬化物の重量減少 上述の3.の条件で硬化させた直後の接着剤の重量を1
00%として、以下の各種の条件で硬化させた後の耐熱
性を試験した。室温から300℃に30℃/分で上昇さ
せて300℃を30分間保持した硬化物の重量の減少率
(%)を示す。
【0036】 *) AEROSILを含まない配合系の測定値
【0037】
【表1】
【0038】注)各組成の量は、重量部で示す。* ):AEROSILを含有しない組成物の測定値を示
す。
【0039】EXA830LVP:下記式(2)で示さ
れる大日本インキ化学工業(株)製の2官能のエポキシ
樹脂(エポキシ当量161)
【化5】
【0040】152:下記式(3)で示される油化シェ
ル(株)製の2官能のエポキシ樹脂(エポキシ当量17
6)
【化6】
【0041】N865:下記式(1)で示される大日本
インキ化学工業(株)製の4官能以上のエポキシ樹脂
(エポキシ当量200)
【化7】
【0042】2MA−OK:下記式(4)で示される四
国化成(株)製のイミダゾール
【化8】
【0043】AEROSIL R202:日本アエロジ
ル社製の微粉末シリカ(粒径7〜30nm,シリコンオ
イル表面処理品)
【0044】(実施例4〜6、および比較実施例1〜
3)下記表2に記載の各エポキシ樹脂およびイミダゾー
ルを別々の処理器中で、表2に記載の条件で真空減圧処
理を行った後、実施例1〜3と同様に下記表2に記載の
配合で各成分を混合して各組成物を得た。真空減圧処理
の真空度は、5mmHgであり、処理時間は4時間であっ
た。得られた接着剤組成物を通常の銀線を配線するリー
ドフレームとヒートシンクとの接着に用い160℃で、
30分間硬化させた。接着剤から充分に離れたところの
銀線表面を顕微鏡で確認しながら約80μmの直径の部
分のオージェ分析を行った。結果を下記表2に示す。実
施例4について、粘度(25℃)は3000ポイズ、硬
化時の印刷塗布膜形状保持性は良好であった。
【0045】 注)各配合成分の量は、重量部を示す。 *1:実施例6は、減圧処理後、アセトンをエポキシ樹脂100部に対し て20重量部添加した時のアエロジルを含まない粘度を示す。
【0046】 注)各配合成分の量は、重量部を示す。
【0047】
【発明の効果】本発明の絶縁耐熱性接着剤は、低温、短
時間で硬化させることができ、硬化時の加熱により接着
剤のたれやにじみを生じることがない。さらに、貯蔵安
定性が良好である。硬化後は、耐熱性、絶縁性、高温時
の重量減少が少ない等という高温特性に優れている。本
発明はこれらの効果の少なくとも1つを達成するもので
ある。特に、本発明の接着剤をエポキシおよび硬化剤を
各々別々に真空減圧処理してから混練して製造すると、
リードフレームに用いた際に、銀線への炭素汚染性が低
減され、通常行われるプラズマ処理工程を施す必要がな
い点で好ましい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)常温で固体の4官能以上のエポキシ
    樹脂20〜100重量%を含有し、粘度が1000〜3
    000ポイズのベース樹脂と、(b)該ベース樹脂中の
    総エポキシ樹脂100重量部に対して、3〜20重量部
    の硬化剤と、(c)該ベース樹脂中の総エポキシ樹脂1
    00重量部に対して、3〜60重量部の揺変剤とを含有
    することを特徴とする絶縁耐熱性接着剤。
  2. 【請求項2】前記ベース樹脂が、80重量%以下の4官
    能未満のエポキシ樹脂を含有する請求項1に記載の絶縁
    耐熱性接着剤。
  3. 【請求項3】前記4官能未満のエポキシ樹脂が、2官能
    のエポキシ樹脂である請求項1または2に記載の絶縁耐
    熱性接着剤。
  4. 【請求項4】前記ベース樹脂が、前記常温で固体の4官
    能以上のエポキシ樹脂100重量部に対して50重量部
    以下の揮発性溶剤を含有する請求項1〜3のいずれかに
    記載の絶縁耐熱性接着剤。
  5. 【請求項5】(a)常温で固体の4官能以上のエポキシ
    樹脂20〜100重量%を含有し、粘度が1000〜3
    000ポイズのベース樹脂と、(b)該ベース樹脂中の
    総エポキシ樹脂100重量部に対して、3〜20重量部
    の硬化剤と、(c)該ベース樹脂中の総エポキシ樹脂1
    00重量部に対して、3〜60重量部の揺変剤とを含有
    する接着剤であって、少なくともベース樹脂(a)およ
    び硬化剤(b)を、130〜180℃、真空状態で減圧
    処理することを特徴とする絶縁耐熱性接着剤の製造方
    法。
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