JPH0971552A - カルボン酸化合物およびその製造方法 - Google Patents

カルボン酸化合物およびその製造方法

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JPH0971552A
JPH0971552A JP7230474A JP23047495A JPH0971552A JP H0971552 A JPH0971552 A JP H0971552A JP 7230474 A JP7230474 A JP 7230474A JP 23047495 A JP23047495 A JP 23047495A JP H0971552 A JPH0971552 A JP H0971552A
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尚子 山本
Toshiya Iida
俊哉 飯田
Noboru Saito
昇 斉藤
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマ−用のモノマ−、可塑剤原料等の各種
工業薬品の中間原料として有用なカルボン酸化合物を提
供することである。 【解決手段】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、X1〜X4はそれぞれ独立して、水素、1価の金
属、アンモニウム基、またはアルキル基である。ただ
し、X1〜X4が全てアルキル基であるものは除く。)で
表されるカルボン酸化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下記一般式
(1):
【0002】
【化4】
【0003】(式中、X1〜X4はそれぞれ独立して、水
素、1価の金属、アンモニウム基、またはアルキル基で
ある。ただし、X1〜X4が全てアルキル基であるものは
除く。)で表されるカルボン酸化合物、およびその製造
方法に関する。
【0004】該カルボン酸化合物は、ポリマ−用のモノ
マ−、可塑剤原料、ポリアミドやポリイミドの原料等の
各種工業薬品の中間原料として有用である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記一般式(1)で表
されるカルボン酸化合物は新規な化合物であり、該化合
物の製法等に関しては、今まで全く知られていない。
【0006】本発明の目的は、前記カルボン酸化合物を
提供すること、及び前記カルボン酸化合物の製造方法を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物は、前記
一般式(1)で表される化合物である。
【0008】一般式(1)中のX1〜X4はそれぞれ独立
して、水素、1価の金属、アンモニウム基、またはアル
キル基である。ただし、X1〜X4が全てアルキル基であ
るものは除かれる。前記1価の金属としては、例えば、
リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、銅等が挙
げられる。
【0009】前記アルキル基としては、通常炭素数1か
ら4のアルキル基であり、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso
−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0010】また本発明のカルボン酸化合物は、例えば
後記の製造方法により効率良く製造される化合物であ
る。
【0011】本発明の製造方法は、下記一般式(2):
【0012】
【化5】
【0013】(式中、Rはアルキル基である。)で表さ
れる1,3−ブタジエン−1,2,3,4−テトラカルボン
酸エステル類を加水分解して、前記一般式(1)で表さ
れるカルボン酸化合物を製造する方法である。
【0014】一般式(2)中のRはアルキル基であれば
特に限定されないが、通常炭素数1から4のアルキル基
であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso
−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、te
rt−ブチル基等が挙げられる。
【0015】原料である前記1,3−ブタジエン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸エステル類は、いかなる
製法で得られたものであっても特に限定されないが、マ
レイン酸ジエステル類を酸化カップリングさせることに
より得られたものが好ましく、さらに具体的には、マレ
イン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ−
n−プロピル、マレイン酸ジ−iso−プロピル、マレ
イン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ−iso−ブチ
ル、マレイン酸ジ−tert−ブチル等のマレイン酸ジ
エステル類を、Pd等の貴金属、Cu等の触媒の存在
下、さらに必要によりフェナントロリン等の化合物の存
在下、空気等の分子状酸素を含有するガスを用いて、酸
化的脱水素反応により二量化、すなわち酸化カップリン
グさせたものを用いるのが、原料の入手も容易で、収率
も良く、安価に製造できる点で好ましい。
【0016】本発明の製造方法における、前記1,3−
ブタジエン−1,2,3,4−テトラカルボン酸エステ
ル類の加水分解の際の反応溶媒としては、通常、水が用
いられる。反応溶媒として有機溶媒を使用する必要は特
にないが、必要に応じてトルエンのような芳香族類や、
ジメチルスルホキシドのような極性の溶媒を用いてもか
まわない。
【0017】原料である前記1,3−ブタジエン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸エステル類の濃度として
は、反応溶媒として水を使用した場合には、水に対して
0.5重量%〜20重量%の範囲が好ましく、1重量%
〜10重量%の範囲がさらに好ましい。前記の範囲未満
では、生成物の分離が煩雑で生産性も悪く、前記範囲を
超えると、前記原料が水に溶解せず、また加水分解速度
も低下する。
【0018】本発明の製造方法における、前記1,3−
ブタジエン−1,2,3,4−テトラカルボン酸エステ
ル類の加水分解の際には、触媒の存在下に行うのが好ま
しく、該触媒としては、エステルの加水分解に一般的に
使用される触媒を用いれば良いが、特に水酸化ナトリウ
ムや水酸化カリウムのような塩基触媒を用いると、比較
的温和な条件で加水分解が進行するので好ましい。
【0019】また、加水分解反応中に逐次生成するアル
コールは、加水分解の進行を抑制するので、窒素を系内
に吹き込むなど、アルコールを系外へ留去しながら反応
させることが、効率よく加水分解を進行させるので好ま
しい。またアルコールと同伴して減少した水について
は、追加するのが好ましい。
【0020】前記触媒の使用量は、多いほど加水分解が
早く進行するが、使用量が多すぎると、副反応が進行す
る他、生成物との分離も煩雑になるので、通常触媒濃度
としては、反応溶媒に対して、0.1重量%〜20重量
%の範囲であり、1重量%〜10重量%の範囲が好まし
い。前記範囲未満では、加水分解速度が極端に低下す
る。前記範囲を超えると、副反応が多くなり、収率が低
下する。
【0021】本発明の製造方法における反応温度は、高
温にするほど加水分解速度が向上するが、あまり高温に
なると脱炭酸反応などの副反応が起こるため、50℃〜
120℃の温度があれば十分である。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明の主旨は以下の実施例により限定
を受けるものではない。
【0023】なお、実施例中の酸価の測定は、0.1N
水酸化カリウム(式量:56)水溶液を用いて中和滴定
を行い、以下の式に基づいて算出した。
【0024】・ 加水分解率(%)=(中和滴定により
算出した規定度)÷(完全に加水分解された場合の規定
度)×100 ・ 酸価=加水分解率(%)×56÷カルボン酸の分子
量×4×10 実施例1 蒸留装置および温度計を装着した三ツ口フラスコに、
1,3−ブタジエン−1,2,3,4−テトラカルボン
酸テトラメチルエステル(以下BTCMと略記すること
がある。)1.0g、水酸化ナトリウム0.56g(カ
ルボキシル基に対し1当量)および水30mlを仕込
み、100℃で攪拌しながら3時間反応させた。この
時、生成するメタノ−ルを水と共に系外に留去しなが
ら、逐次、水を系内に追加した。反応終了後、1,3−
ブタジエン−1,2,3,4−テトラカルボン酸ナトリ
ウム塩(以下BTCA−Naと略記することがある。)
が得られた。
【0025】得られたBTCA−Naに当量の塩酸を加
えてエタノールに溶解させ、塩化ナトリウムを取り除い
た後、エタノールを減圧留去し、0.74g(収率93
%)の1,3−ブタジエン−1,2,3,4−テトラカ
ルボン酸(以下BTCAと略記することがある。)を得
た。得られた化合物の酸価を測定したところ、931で
あった。
【0026】各生成物の元素分析の結果は、以下のとお
りであった。
【0027】 ・BTCA 元素名 実測値 (C868としての理論値 ) H 3.23 (2.63) C 42.50 (41.75) N 0.00 (0.00) ・BTCA−Na 元素名 実測値 (C828Na4としての理論値) H 1.07 (0.63) C 29.64 (30.21) N 0.00 (0.00) 得られたBTCAの1H−NMRおよびFT−IRのチ
ャートを図1、および図2に示した。また得られたBT
CA−Naの1H−NMRおよびFT−IRのチャート
を図3、および図4に示した。
【0028】実施例2 触媒として水酸化ナトリウムを用いる代わりに、水酸化
カリウム0.78g(カルボキシル基に対し1当量)を
用いる他は、実施例1と同様に行った。その結果、0.
73g(収率91%)のBTCAを得た。得られた化合
物の酸価は945であった。
【0029】実施例3 反応温度を70℃にし、反応時間を5時間にした以外
は、実施例1と同様に行った。その結果、0.71g
(収率89%)のBTCAを得た。得られた化合物の酸
価は925であった。
【0030】実施例4 冷却管、温度計およびガス吹き込み管を装備した三ツ口
フラスコに、マレイン酸ジメチル25g、酢酸パラジウ
ム0.2g、酢酸第2銅一水和物1.0gおよび1,1
0−フェナントロリン0.34gを仕込み、180℃で
攪拌しながら2時間反応させた。このとき、酸素含有ガ
スとして空気を約120ml/分で吹き込んだ。反応終
了後、反応液にイソプロピルエーテルを加え、該イソプ
ロピルエーテル溶液をさらに炭酸ナトリウム水溶液で処
理した後、減圧下でイソプロピルエーテル、未反応の原
料マレイン酸ジメチル、副生成物のフマル酸ジメチル等
を留去した。ついで、171℃〜175℃、約3mmHgの
条件下で減圧蒸留し、粗BTCM11.2gを得た。こ
の粗BTCMを、メタノールで再結晶し、純度99%以
上のBTCM9.8gを得た。
【0031】この様にして得られたBTCM1gを用い
ること、および水を15g用いること以外は、実施例1
と同様に行い、0.68g(収率85%)のBTCAを
得た。得られた化合物の酸価は910であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた1,3−ブタジエン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸の1H−NMRチャート
図である。
【図2】実施例1で得られた1,3−ブタジエン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸のFT−IRチャート図
である。
【図3】実施例1で得られた1,3−ブタジエン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸ナトリウム塩の1H−N
MRチャート図である。
【図4】実施例1で得られた1,3−ブタジエン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸ナトリウム塩のFT−I
Rチャート図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、X1〜X4はそれぞれ独立して、水素、1価の金
    属、アンモニウム基、またはアルキル基である。ただ
    し、X1〜X4が全てアルキル基であるものは除く。)で
    表されるカルボン酸化合物。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2): 【化2】 (式中、Rはアルキル基である。)で表される1,3−
    ブタジエン−1,2,3,4−テトラカルボン酸エステル
    類を加水分解して得られる請求項1記載のカルボン酸化
    合物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(2): 【化3】 (式中、Rはアルキル基である。)で表される1,3−
    ブタジエン−1,2,3,4−テトラカルボン酸エステル
    類を加水分解することを特徴とする請求項1記載のカル
    ボン酸化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記1,3−ブタジエン−1,2,3,4−
    テトラカルボン酸エステル類が、マレイン酸ジエステル
    類を酸化カップリングさせることにより得られたもので
    ある請求項3記載の製造方法。
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