JPH0969668A - 半導体発光装置とこれを製造するための高圧原料容器及び半導体発光装置の製造方法 - Google Patents

半導体発光装置とこれを製造するための高圧原料容器及び半導体発光装置の製造方法

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JPH0969668A
JPH0969668A JP22423895A JP22423895A JPH0969668A JP H0969668 A JPH0969668 A JP H0969668A JP 22423895 A JP22423895 A JP 22423895A JP 22423895 A JP22423895 A JP 22423895A JP H0969668 A JPH0969668 A JP H0969668A
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Masahisa Funamizu
将久 船水
Toshihide Izumitani
敏英 泉谷
Kazuaki Otsuka
一昭 大塚
Tetsuro Yoshida
哲朗 吉田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、埋込み層などの半導体層における
Al不純物濃度を抑制することにより、再成長による良
好なpn接合を形成でき、もって、低しきい値特性、最
大発振温度及び発光特性の向上を図る。 【解決手段】 Al元素を含まない III−V族化合物半
導体から形成され、p型半導体層とn型半導体層とのp
n接合を有する埋込み型の半導体発光装置において、p
型半導体層のp型導電型を形成する不純物がZnであ
り、かつpn接合部の近傍におけるp型半導体層のAl
不純物濃度が1×1018cm-3以下であり、pn接合部
の近傍のO2 不純物濃度が1×1018cm-3以下である
半導体発光装置とこれを製造するための高圧原料容器及
び半導体発光装置の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋込み型低しきい
値半導体レーザ又は可視光のLEDの如き、半導体発光
装置とこれを製造するための高圧原料容器及び半導体発
光装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザにおける電流狭搾構造とし
ては、例えば、活性層の両側を半導体層で埋込んだ埋込
み構造が用いられている。この種の埋込み型半導体レー
ザについては、活性層近傍の埋込み形状が半導体レーザ
の基本特性を大きく変化させることが知られている。埋
込み形状は、pn接合の多層構造から形成され、そのp
n接合における半導体各層の膜厚及びキャリア濃度の設
計が非常に重要となっている。
【0003】近年、複雑な埋込み構造により、低しきい
値レーザ発振や高い最大発振温度を有する高性能半導体
レーザと呼ばれる素子が報告されている。高性能半導体
レーザでは、半導体レーザ素子の作成工程における微妙
な工程変化が素子特性を大きく変化させる。特に、埋込
み層は再成長であり、この再成長界面の結晶性が重要と
なっている。再成長界面には、再成長時に混入する不純
物により、深いエネルギー準位が形成される。深いエネ
ルギー準位は電流のリークパスや非発光な再結合成分と
なるため、埋込み層のpn接合特性の悪化を招き、半導
体レーザの特性を低下させる欠点がある。
【0004】また、埋込み層のp型半導体層中には、p
型導電型を形成するためのドーパントとしての不純物で
あるZnの他に、予期しない不純物としてAlが混入す
る問題がある。この問題は、MOCVD法によりZnの
原料を充填するための高圧原料容器の材質であるAlが
充填原料と反応して結晶中に取込まれることにより生じ
る。高圧原料容器は、取扱いや強度の面からAl材質が
使用されている。また、Al材質とZn原料との化学反
応の例が殆どないことも、Al材質の使用される理由と
なっている。さらに、Al材質を溶剤処理するだけで、
Al表面に化学的に非常に安定なアルミナ(Al2
3 )膜を形成可能なこともAl材質の使用される理由で
ある。
【0005】しかしながら、化学的に安定なアルミナ膜
をAl表面に形成しても、高圧原料容器を長時間使用す
ると、Alが混入してくる問題がある。この問題を図8
を用いて詳細に説明する。図8は高圧原料容器の内壁の
部分断面図である。高圧原料容器は、Alブロックから
くりぬかれ、磨き粉を用いて荒い内面研磨が施される。
なお、内面研磨後の内壁11は約10μm程度の凹凸を
有する。内面研磨後、高圧原料容器では、Alに反応す
る溶剤が注入され、内壁11表面にアルミナ膜12が形
成される。アルミナ膜12は、溶剤により形成されるた
め、10μm以上の膜厚を有する。しかしながら、この
ようなアルミナ膜12では、高圧原料容器の内壁11の
凹凸に対応して膜厚が不均一となり、不均一な膜厚分布
に対応して干渉模様が生じ、さらに、多数のピンホール
13が生じる。このため、高圧原料容器では、長時間の
使用により、内壁11材質のAlがアルミナ膜12のピ
ンホール13を介してZn原料に混入する問題が生じ
る。
【0006】一方、最近、可視光LEDとして、窒化ガ
リウム系化合物半導体の発光素子の開発が進んでいる。
この材料系では、活性層となるInx Ga1-x Nに、所
定量のZnを混入させることで、Znに起因するエネル
ギー準位を形成し、このエネルギー準位を利用して青色
発光を可能としている。しかし、上述したように、Zn
原料とともにAlが混入されると、Inx Ga1-x N活
性層にAlに起因する深いエネルギー準位が形成され
る。このAlに起因する深いエネルギー準位により、I
x Ga1-x N活性層の発光特性を低下させる問題が発
生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の埋
込み型半導体レーザでは、埋込み層による良好なpn接
合ができず、特にpn接合が再成長界面を境に形成され
るため、再成長界面に混入する不純物により、不必要に
リーク電流が大きくなり易く、最大発振温度を低下させ
る問題がある。
【0008】また、p型半導体層及びZnを混入して用
いる窒化ガリウム系化合物半導体にAlが混入するとい
う問題がある。これは、Zn原料の高圧原料容器の内面
からAlが混入することにより生じる。長時間にわたり
安定した保護膜を得られないことにも問題がある。
【0009】なお、以上の問題は、半導体レーザに限ら
ず、LEDでも同様である。例えば、結晶成長を一旦停
止した後に、下層とは逆導電型の半導体層を形成した場
合、再成長界面がpn接合面となり、pn接合特性を劣
化させている。
【0010】本発明は上記実情を考慮してなされたもの
で、埋込み層などの半導体層におけるAl不純物濃度を
抑制することにより、再成長による良好なpn接合を形
成でき、もって、低しきい値特性、最大発振温度及び発
光特性を向上し得る半導体発光装置とこれを製造するた
めの高圧原料容器及び半導体発光装置の製造方法を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、Al元素を含まない III−V族化合物半導体から形
成され、p型半導体層とn型半導体層とのpn接合を有
する埋込み型の半導体発光装置において、前記p型半導
体層のp型導電型を形成する不純物がZnであり、かつ
前記pn接合部の近傍における前記p型半導体層のAl
不純物濃度が1×1018cm-3以下であり、前記pn接
合部の近傍のO2 不純物濃度が1×1018cm-3以下で
ある半導体発光装置である。
【0012】また、請求項2に対応する発明は、Znを
含むInx Ga1-x N活性層(但し、0<x<1 )を有する
ダブルヘテロ構造の窒化ガリウム系化合物半導体から形
成される半導体発光装置において、前記Inx Ga1-x
N活性層としてはAl不純物濃度が1×1018cm-3
下である半導体発光装置である。
【0013】さらに、請求項3に対応する発明は、請求
項1又は請求項2に記載の半導体発光装置を製造するた
めの高圧原料容器であって、高圧原料容器本体として
は、前記Znの原料ガスを保持及び供給する機能を有
し、Al材質から形成されて内壁側が2μm以下の凹凸
となるように平滑処理され、かつ当該Al材質の凹凸を
覆うように内壁表面にはAl23 膜が形成された高圧
原料容器である。
【0014】また、請求項4に対応する発明は、請求項
3に対応する高圧原料容器を用いる半導体発光装置の製
造方法であって、前記高圧原料容器本体から供給される
Znの原料ガスを用いてpn接合のp型半導体層を気相
成長させる工程を含んでいる半導体発光装置の製造方法
である。なお、気相成長法としては、MOCVD法が適
用可能である。
【0015】従って、請求項1に対応する発明は以上の
ような手段を講じたことにより、p型半導体層のp型導
電型を形成する不純物がZnであり、かつpn接合部の
近傍におけるp型半導体層のAl不純物濃度が1×10
18cm-3以下であり、pn接合部の近傍のO2 不純物濃
度が1×1018cm-3以下であるので、埋込み層などの
半導体層におけるAl不純物濃度を抑制することによ
り、Al不純物濃度に相関のあるO2 不純物濃度を低減
させてO2 に起因する深いエネルギー準位を低減させ、
これにより、深いエネルギー準位の関与する電流のリー
クパスや非発光再結合成分を減少させるので、再成長に
よる良好なpn接合を形成でき、もって、低しきい値特
性、最大発振温度及び発光特性を向上させることができ
る。
【0016】また、請求項2に対応する発明は、Inx
Ga1-x N活性層としてはAl不純物濃度が1×1018
cm-3以下であるので、請求項1に対応する作用と同様
に、Al不純物濃度に相関のあるO2 不純物濃度を低減
させてO2 に起因する深いエネルギー準位を低減させ、
深いエネルギー準位の関与する非発光再結合成分を減少
させるので、良好な活性層を形成でき、もって、発光特
性を向上させることができる。
【0017】さらに、請求項3及び請求項4に対応する
発明は、pn接合のp型半導体層を気相成長させる工程
に用いられる高圧原料容器本体としては、Znの原料ガ
スを保持及び供給する機能を有し、Al材質から形成さ
れて内壁側が2μm以下の凹凸となるように平滑処理さ
れ、かつAl材質の凹凸を覆うように内壁表面にはAl
23 膜が形成されているので、ピンホールのないAl
23 膜にてAl材質を覆うことができ、これにより、
長時間使用してもZn原料ガスへのAlの混入を抑制で
きて高純度の原料ガスを安定的に供給でき、もって、製
造される半導体発光装置の特性向上を図ることができる
と共に、製造工程の安定性及び再現性を向上させること
ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明するが、その前に本発明の基本原理を図
1乃至図4を参照して述べる。図1は埋込み型半導体レ
ーザにおけるpn接合近傍の酸素濃度とp型InP層中
のAl濃度との関係を示す図であり、図2は埋込み型半
導体レーザにおけるしきい値電流とp型InP層中のA
l濃度との関係を示す図である。図2に示すように、p
型InP層中のAl濃度が1×1018cm-3以下の場
合、低しきい値電流特性を満たしている。また、このA
l濃度が1×1018cm-3以下の場合、図1に示すよう
に、pn接合近傍の酸素濃度が5×1016cm-3となっ
ている。
【0019】すなわち、図1及び図2は、p型InP層
中のAl濃度を1×1018cm-3以下に抑制することに
より、pn接合近傍の酸素濃度が5×1016cm-3に低
減でき、低しきい値電流によるレーザ発振を実現できる
ことを示している。また、結晶中のAl濃度を抑制させ
ることにより、母胎材料との組成又は格子整合のズレを
低減させることができる。
【0020】図3は本発明の実施の形態に係る高圧原料
容器の内壁の部分断面図である。この高圧原料容器は、
Alブロックのくりぬきにより形成され、内壁21表面
の凹凸を2μm以下に平滑化するための1S(イチエ
ス)処理が施される。1S処理後、高圧原料容器は、酸
素ガスを流した状態で80℃、3時間の加熱処理によ
り、5μm厚のアルミナ膜22がAl材質を覆うように
内壁21表面に形成される。このアルミナ膜22は、従
来とは異なり、ピンホールのない高品質のものとなって
いる。
【0021】図4はアルミナ膜22形成後の高圧原料容
器内面の荒さと、高圧原料容器のZn原料のジメチル亜
鉛(以下、DMZnという。)ガスを80kg・f/cm-3
6ケ月充填放置したときのDMZnガス中に混入したA
l濃度との関係を示す図である。図示するように、高圧
原料容器内面の荒さが2μm以下の場合、Alの混入量
が急激に低下している。すなわち、図4は高圧原料容器
内面の平滑化がAlの混入を抑制するのに有効であるこ
とを示している。また、このようにピンホールのないア
ルミナ膜22にてAl材質を覆った高圧原料容器を用い
ることにより、長時間使用してもZn原料ガスへのAl
の混入を抑制できて高純度の原料ガスを安定的に供給で
き、もって、MOCVD法により製造される半導体発光
装置の特性向上を図ることができると共に、製造工程の
安定性及び再現性を向上させることができる。
【0022】次に、このような高圧原料容器を用いて半
導体発光装置を製造した場合の本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。図5は本発明の第1の実施の形
態に係る埋込み型半導体レーザの概略構成を示す断面図
である。この埋込み型半導体レーザは、面方位(10
0)のn型InP基板30を有し、この基板30上に約
1μm厚のn型InPバッファ層31、約0.1μm厚
の多重量子井戸活性層32及び約0.1μm厚の光ガイ
ド層33がMOCVD法により積層形成されている。
【0023】n型InPバッファ層31、多重量子井戸
活性層32及び光ガイド層33は、1.5μm幅のメサ
部が形成される。メサ部側面は、2回目の成長にて形成
されるp型InP層34及びn型InP層35により、
順次埋込まれる。
【0024】メサ部頂上の光ガイド層33及びメサ部側
面上層のn型InP層35は、3回目の成長にて形成さ
れるp型InP層36及びp型InGaAsコンタクト
層37により、順次覆われる。
【0025】p型InGaAsコンタクト層37は、絶
縁物としてのSiO2 膜38がメサ部側面上の対向箇所
に積層され、p型電極としてのAu/AuZn層39が
メサ部上の対向箇所に積層される。Au/AuZn層3
9はSiO2 膜38上にも積層される。
【0026】一方、n型InP基板30は、これら多層
構造とは反対面に、n型電極としてのAu/AuGe層
40が形成される。ここで、多重量子井戸活性層32
は、1.1μm帯の発光が可能なInGaAsPバリア
層と、InGaAs井戸層とから構成され、1.55μ
m帯の発光が可能な組成に組合わされている。InGa
AsPバリア層は1層当り、7.5nm厚である。In
GaAs井戸層は1層当り、10nm厚であり、層数が
6個である。
【0027】光ガイド層33は1.1μm帯の発光が可
能なInGaAsP層である。p型InP層34は不純
物(Zn)濃度p=1×1018cm-3、層厚1.0μm
である。
【0028】n型InP層35は不純物濃度n=1×1
18cm-3、層厚1.0μmである。p型InP層36
は不純物(Zn)濃度p=1×1018cm-3、層厚2.
0μmである。なお、両p型InP層34,36はAl
濃度が1×1018cm-3に抑制されている。
【0029】次に、以上のような構成の埋込み型半導体
レーザの動作を説明する。この埋込み型半導体レーザに
おいては、p型電極としてのAu/AuZn層39と、
n型電極としてのAu/AuGe層40との間に電圧が
印加されると、Au/AuZn層39からAu/AuG
e層40に向けてメサ部を通過するように電流が流れ、
メサ部内の多重量子井戸活性層32にてCW発振により
レーザ光が発生する。
【0030】ここで、本実施の形態に係る埋込み型半導
体レーザは、図2に示すように、Al濃度が約1×10
18cm-3に抑制されたことにより、約3mAという低し
きい値電流にて室温CW発振を実現することができる。
なお、従来はこの多層構造でp型InP層中のAl濃度
を抑制しなかったので、しきい値電流が6mAと高かっ
た。
【0031】また、本実施の形態に係る埋込み型半導体
レーザは、Al濃度の抑制に伴う酸素濃度の低下によっ
て不要なリーク電流を低減させることにより、最大CW
発振温度を140℃まで向上させることができる。
【0032】上述したように第1の実施の形態によれ
ば、p型半導体層のp型導電型を形成する不純物がZn
であり、かつpn接合部の近傍におけるp型半導体層の
Al不純物濃度が1×1018cm-3以下であり、pn接
合部の近傍のO2 不純物濃度が1×1018cm-3以下で
あるので、埋込み層などの半導体層におけるAl不純物
濃度を抑制することにより、Al不純物濃度に相関のあ
るO2 不純物濃度を低減させてO2 に起因する深いエネ
ルギー準位を低減させ、これにより、深いエネルギー準
位の関与する電流のリークパスや非発光再結合成分を減
少させるので、再成長による良好なpn接合を形成で
き、もって、低しきい値特性、最大発振温度及び発光特
性を向上させることができる。
【0033】また、本実施の形態に係る埋込み型半導体
レーザは、前述した高圧原料容器を用いて安定性及び再
現性よく製造することができる。次に、本発明の第2の
実施の形態に係る窒化ガリウム系化合物半導体発光ダイ
オードについて図面を用いて説明する。
【0034】図6はこの発光ダイオードの概略構成を示
す断面図である。この発光ダイオードは、MOCVD法
により、サファイア基板41上に約30nm厚の低温成
長GaNバッファ層42及び約4μm厚の高温成長n型
GaN層43が順次積層されている。n型GaN層43
上には、n型クラッド層44、p型活性層45、p型ク
ラッド層46及びp型コンタクト層47が順次積層され
る。しかる後、p型クラッド層46及びp型コンタクト
層47の低抵抗化を図るため、窒素雰囲気にて620
℃、30分のアニール処理が施される。アニール処理
後、ウェハーはその一部がn型GaN層43を露出させ
るようにエッチング処理される。エッチング処理後、p
型コンタクト層47上にはAu電極48が形成され、露
出されたn型GaN層43上にはAl電極49が形成さ
れ、しかる後、電極とその下地の半導体層とを合金化さ
せるための加熱処理が施される。加熱処理後、ウェハー
は500μm角のサイズにカットされ、もって、発光ダ
イオードが形成される。
【0035】ここで、n型クラッド層44は、0.15
μm厚のGa0.87Al0.13N層であり、n型ドーパント
としてSiがドーピング量、約1×1018cm-3で使用
されている。
【0036】p型活性層45は、15nm厚のIn0.1
Ga0.9 N層であり、p型ドーパントとしてZnがドー
ピング量、約1×1019cm-3として使用されている。
p型クラッド層46は、0.15μm厚のGa0.87Al
0.13N層であり、p型ドーパントとしてMgがドーピン
グ量、約3×1018cm-3で使用されている。
【0037】p型コンタクト層47は、0.4μm厚の
GaN層であり、p型ドーパントとしてMgがドーピン
グ量、約3×1018cm-3で使用されている。次に、以
上のように構成された発光ダイオードの動作を述べる。
【0038】この発光ダイオードにおいては、p型電極
としてのAu電極48と、n型電極としてのAl電極4
9との間に電圧が印加されると、Au電極48からAl
電極49に向けて各層を通過するように電流が流れ、p
型活性層45にて青色発光を生じた。
【0039】このとき、順方向電流20mAにおいて、
出力220μWであり、ピーク波長470nm、輝度4
50mcd(ミリカンデラ)であった。p型活性層(I
0.1 Ga0.9 N)45へのZnのドーピング量に比例
して、p型活性層の発光強度とp型活性層中のAl濃度
が増加した。なお、発光強度は、Znの量が2×1017
cm-3より少ない量(例えば5×1015cm-3)ではZ
nの量に比例して増加し、Znの量が2×1017cm-3
〜1×1020cm-3の範囲では最高となる。
【0040】図7はこのときのp型活性層における相対
発光強度のAl濃度依存性を示す図である。なお、この
相対発光強度は、最高の発光強度であったZnの量が約
2×1017cm-3のときの発光強度を100%としたと
きの相対強度を意味している。図示するように、Al濃
度が約2×1018cm-3以上になると、相対発光強度が
低下する。なお、本実施の形態におけるZnのドーピン
グ量、約1×1019cm-3の場合、p型活性層中のAl
濃度は約2×1017cm-3であった。
【0041】上述したように第2の実施の形態によれ
ば、Znを含むp型活性層45としてはAl不純物濃度
が1×1018cm-3以下であるので、第1の実施の形態
と同様に、Al不純物濃度に相関のあるO2 不純物濃度
を低減させてO2 に起因する深いエネルギー準位を低減
させ、深いエネルギー準位の関与する非発光再結合成分
を減少させるので、良好な活性層(発光層)を形成で
き、もって、発光特性を向上させることができる。
【0042】また、本実施の形態に係る発光ダイオード
は、前述した高圧原料容器を用いて安定性及び再現性よ
く製造することができる。なお、本発明は上述した第1
及び第2の実施の形態に限定されない。例えば、半導体
レーザの活性層の組成も適宜変更可能である。また、第
1の実施の形態ではInGaAs/InP系について説
明したが、これに限らず、Al元素を含まない材料系に
本発明の原理を適用しても、本発明を同様に実施して同
様の効果を得ることができる。その他、本発明はその要
旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、p型半導体層のp型導電型を形成する不純物がZ
nであり、かつpn接合部の近傍におけるp型半導体層
のAl不純物濃度が1×1018cm-3以下であり、pn
接合部の近傍のO2 不純物濃度が1×1018cm-3以下
であるので、埋込み層などの半導体層におけるAl不純
物濃度を抑制することにより、Al不純物濃度に相関の
あるO2 不純物濃度を低減させてO2 に起因する深いエ
ネルギー準位を低減させ、これにより、深いエネルギー
準位の関与する電流のリークパスや非発光再結合成分を
減少させるので、再成長による良好なpn接合を形成で
き、もって、低しきい値特性、最大発振温度及び発光特
性を向上できる半導体発光装置を提供できる。
【0044】また、請求項2の発明によれば、Inx
1-x N活性層としてはAl不純物濃度が1×1018
-3以下であるので、請求項1の効果と同様に、Al不
純物濃度に相関のあるO2 不純物濃度を低減させてO2
に起因する深いエネルギー準位を低減させ、深いエネル
ギー準位の関与する非発光再結合成分を減少させるの
で、良好な活性層を形成でき、もって、発光特性を向上
できる半導体発光装置を提供できる。
【0045】さらに、請求項3の発明によれば、高圧原
料容器本体としては、Znの原料ガスを保持及び供給す
る機能を有し、Al材質から形成されて内壁側が2μm
以下の凹凸となるように平滑処理され、かつAl材質の
凹凸を覆うように内壁表面にはAl23 膜が形成され
ているので、ピンホールのないAl23 膜にてAl材
質を覆うことができ、これにより、長時間使用してもZ
n原料ガスへのAlの混入を抑制できて高純度の原料ガ
スを安定的に供給でき、もって、製造される半導体発光
装置の特性向上を図ることができると共に、製造工程の
安定性及び再現性を向上できる半導体発光装置を製造す
るための高圧原料容器を提供できる。
【0046】また、請求項4の発明によれば、請求項3
の高圧原料容器を用い、高圧原料容器本体から供給され
るZnの原料ガスを用いてpn接合のp型半導体層を気
相成長させる工程を含んでいるので、請求項3と同様の
効果を奏する半導体発光装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための埋込み型半導体
レーザにおけるpn接合近傍の酸素濃度とp型InP層
中のAl濃度との関係を示す図、
【図2】同原理を説明するための埋込み型半導体レーザ
におけるしきい値電流とp型InP層中のAl濃度との
関係を示す図、
【図3】本発明の実施の形態に係る高圧原料容器の内壁
の部分断面図、
【図4】本発明の原理を設明するための高圧原料容器内
面の荒さと混入したAl濃度との関係を示す図、
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る埋込み型半導
体レーザの概略構成を示す断面図、
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る窒化ガリウム
系化合物半導体発光ダイオードの概略構成を示す断面
図、
【図7】同実施の形態におけるp型活性層の相対発光強
度のAl濃度依存性を示す図、
【図8】従来の高圧原料容器の内壁の部分断面図、
【符号の説明】
11,21…内壁、12,22…アルミナ膜、13…ピ
ンホール、30…n型InP基板、31…n型InPバ
ッファ層、32…多重量子井戸活性層、33…光ガイド
層、34…p型InP層、35…n型InP層、36…
p型InP層、37…p型InGaAsコンタクト層、
38…SiO2 膜、39…Au/AuZn層、40…A
u/AuGe層、41…サファイア基板、42…GaN
バッファ層、43…n型GaN層、44…n型クラッド
層、45…p型活性層、46…p型クラッド層、47…
p型コンタクト層、48…Au電極、49…Al電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 哲朗 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝堀川町工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al元素を含まない III−V族化合物半
    導体から形成され、p型半導体層とn型半導体層とのp
    n接合を有する埋込み型の半導体発光装置において、 前記p型半導体層のp型導電型を形成する不純物がZn
    であり、かつ前記pn接合部の近傍における前記p型半
    導体層のAl不純物濃度が1×1018cm-3以下であ
    り、前記pn接合部の近傍のO2 不純物濃度が1×10
    18cm-3以下であることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 【請求項2】 Znを含むInx Ga1-x N活性層(但
    し、0<x<1 )を有するダブルヘテロ構造の窒化ガリウム
    系化合物半導体から形成される半導体発光装置におい
    て、 前記Inx Ga1-x N活性層はAl不純物濃度が1×1
    18cm-3以下であることを特徴とする半導体発光装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の半導体発
    光装置を製造するための高圧原料容器であって、 高圧原料容器本体は、前記Znの原料ガスを保持及び供
    給する機能を有し、Al材質から形成されて内壁側が2
    μm以下の凹凸となるように平滑処理され、かつ当該A
    l材質の凹凸を覆うように内壁表面にはAl23 膜が
    形成されたことを特徴とする高圧原料容器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の高圧原料容器を用いる
    半導体発光装置の製造方法であって、 前記高圧原料容器本体から供給されるZnの原料ガスを
    用いてpn接合のp型半導体層を気相成長させる工程を
    含んでいることを特徴とする半導体発光装置の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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