JPH0968600A - 電子線照射装置 - Google Patents
電子線照射装置Info
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- JPH0968600A JPH0968600A JP22333695A JP22333695A JPH0968600A JP H0968600 A JPH0968600 A JP H0968600A JP 22333695 A JP22333695 A JP 22333695A JP 22333695 A JP22333695 A JP 22333695A JP H0968600 A JPH0968600 A JP H0968600A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡易な構造により、立体的な被処理物に電子
線を照射することができる電子線照射装置を提供する。 【解決手段】 照射室30は、電子線の照射方向に対し
て長い奥行きを有し、且つ立体物を出し入れするための
扉34を有する。また、照射室30には、被処理物を載
置する載置台42と、ジャッキ44と、反射板46と、
遮蔽板52とが設けられる。ジャッキ44は、被処理物
と照射窓部20との距離を調整するために、被処理物を
電子線の照射方向に沿って上下に移動させるものであ
る。反射板46は、被処理物の側面を囲むように配置さ
れ、照射窓部20の窓箔22を通過した電子線の一部を
内側に反射して被処理物の側面に照射するものである。
遮蔽板52は、被処理物に照射する電子線の線量を調整
するために、照射窓部20の窓箔22を一時的に遮蔽す
るものである。
線を照射することができる電子線照射装置を提供する。 【解決手段】 照射室30は、電子線の照射方向に対し
て長い奥行きを有し、且つ立体物を出し入れするための
扉34を有する。また、照射室30には、被処理物を載
置する載置台42と、ジャッキ44と、反射板46と、
遮蔽板52とが設けられる。ジャッキ44は、被処理物
と照射窓部20との距離を調整するために、被処理物を
電子線の照射方向に沿って上下に移動させるものであ
る。反射板46は、被処理物の側面を囲むように配置さ
れ、照射窓部20の窓箔22を通過した電子線の一部を
内側に反射して被処理物の側面に照射するものである。
遮蔽板52は、被処理物に照射する電子線の線量を調整
するために、照射窓部20の窓箔22を一時的に遮蔽す
るものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理物にカーテ
ン状あるいは幅広の電子線を照射する電子線照射装置に
関するものである。
ン状あるいは幅広の電子線を照射する電子線照射装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の電子線照射装置の概略断面
図、図4は従来の電子線照射装置のターミナルの長手方
向概略断面図である。かかる電子線照射装置は、図3及
び図4に示すように、電子線発生部60と、照射窓部7
0と、照射室80とを備えるものである。
図、図4は従来の電子線照射装置のターミナルの長手方
向概略断面図である。かかる電子線照射装置は、図3及
び図4に示すように、電子線発生部60と、照射窓部7
0と、照射室80とを備えるものである。
【0003】電子線発生部60は、電子線を発生するタ
ーミナル62と、ターミナル62で発生した電子線を真
空空間(加速空間)で加速する加速管64とを有する。
電子線発生部60の内部は、電子が気体分子と衝突して
エネルギーを失うことを防ぐため、図示しない拡散ポン
プ等により真空に保たれている。また、ターミナル62
は、熱電子を放出する線状陰極としてのフィラメント6
2aと、フィラメント62aを支持するガン構造体62
bと、フィラメント62aで発生した熱電子をコントロ
ールするグリッド62cとを有する。
ーミナル62と、ターミナル62で発生した電子線を真
空空間(加速空間)で加速する加速管64とを有する。
電子線発生部60の内部は、電子が気体分子と衝突して
エネルギーを失うことを防ぐため、図示しない拡散ポン
プ等により真空に保たれている。また、ターミナル62
は、熱電子を放出する線状陰極としてのフィラメント6
2aと、フィラメント62aを支持するガン構造体62
bと、フィラメント62aで発生した熱電子をコントロ
ールするグリッド62cとを有する。
【0004】照射窓部70は、金属箔(たとえば、チタ
ン箔)からなる窓箔72と、窓枠構造体74とを有す
る。窓箔72は、電子線発生部60内の真空雰囲気と照
射室80内の照射雰囲気とを仕切るものであり、また窓
箔72を介して照射室80内に電子線を取り出すもので
ある。照射室80は、被処理物に電子線を照射する照射
空間82を含むものである。被処理物は、照射室80内
を、図示しない搬送機構により、図3においては左側か
ら右側に、また図4においては紙面に垂直な方向に搬送
される。かかる搬送機構には被処理物の種類に応じて主
として二種類ある。被処理物がシート状のものである場
合には、図3に示すように、シート状の被処理物を図示
しないローラ等により搬送する機構が用いられる。ま
た、被処理物が小さな試料である場合には、図4に示す
ように、被処理物をトレイ84内に載置し、このトレイ
84を図示しない搬送用チェーン等により搬送する機構
が用いられる。尚、図4に示す電子線照射装置では、照
射窓部70の下方の照射室80底面に、電子線を受け止
めるビームダンパー86を設けている。
ン箔)からなる窓箔72と、窓枠構造体74とを有す
る。窓箔72は、電子線発生部60内の真空雰囲気と照
射室80内の照射雰囲気とを仕切るものであり、また窓
箔72を介して照射室80内に電子線を取り出すもので
ある。照射室80は、被処理物に電子線を照射する照射
空間82を含むものである。被処理物は、照射室80内
を、図示しない搬送機構により、図3においては左側か
ら右側に、また図4においては紙面に垂直な方向に搬送
される。かかる搬送機構には被処理物の種類に応じて主
として二種類ある。被処理物がシート状のものである場
合には、図3に示すように、シート状の被処理物を図示
しないローラ等により搬送する機構が用いられる。ま
た、被処理物が小さな試料である場合には、図4に示す
ように、被処理物をトレイ84内に載置し、このトレイ
84を図示しない搬送用チェーン等により搬送する機構
が用いられる。尚、図4に示す電子線照射装置では、照
射窓部70の下方の照射室80底面に、電子線を受け止
めるビームダンパー86を設けている。
【0005】フィラメント62aに電流を通じて加熱す
ると、フィラメント62aは熱電子を放出し、この熱電
子はフィラメント62aとグリット62cとの間に印加
された制御電圧によりフィラメント62aから引き離さ
れる。その熱電子のうちグリッド62cを通過したもの
だけが電子線として有効に取り出される。この電子線
は、グリッド62cと窓箔72との間に印加された加速
電圧により加速管64内の加速空間で加速され、カーテ
ン状の電子線となって、窓箔72を突き抜ける。そし
て、照射室80内を搬送される被処理物は、窓箔72の
下側の照射空間82を通過する際に電子線が照射され
る。尚、図3及び図4において点線は電子線の飛行軌跡
を示す。
ると、フィラメント62aは熱電子を放出し、この熱電
子はフィラメント62aとグリット62cとの間に印加
された制御電圧によりフィラメント62aから引き離さ
れる。その熱電子のうちグリッド62cを通過したもの
だけが電子線として有効に取り出される。この電子線
は、グリッド62cと窓箔72との間に印加された加速
電圧により加速管64内の加速空間で加速され、カーテ
ン状の電子線となって、窓箔72を突き抜ける。そし
て、照射室80内を搬送される被処理物は、窓箔72の
下側の照射空間82を通過する際に電子線が照射され
る。尚、図3及び図4において点線は電子線の飛行軌跡
を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の電子
線照射装置では、被処理物として主にシート状のものや
小さな試料を用いていたため、照射室80は電子線の照
射方向に対する奥行きdが非常に小さく設計されてい
た。このため、たとえば、図4に示すような電子線照射
装置を使用して立体的な被処理物に電子線を照射する場
合、被処理物はその高さがトレイ84の高さ程度、たと
えば最大でも約20mm程度のものしか処理することが
できないという問題があった。したがって、従来の電子
線照射装置では、たとえばジュースの缶や紙パック等の
立体物に電子線を照射することはできなかった。
線照射装置では、被処理物として主にシート状のものや
小さな試料を用いていたため、照射室80は電子線の照
射方向に対する奥行きdが非常に小さく設計されてい
た。このため、たとえば、図4に示すような電子線照射
装置を使用して立体的な被処理物に電子線を照射する場
合、被処理物はその高さがトレイ84の高さ程度、たと
えば最大でも約20mm程度のものしか処理することが
できないという問題があった。したがって、従来の電子
線照射装置では、たとえばジュースの缶や紙パック等の
立体物に電子線を照射することはできなかった。
【0007】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、簡易な構造により、立体的な被処理物に電子線
を照射することができる電子線照射装置を提供すること
を目的とするものである。
であり、簡易な構造により、立体的な被処理物に電子線
を照射することができる電子線照射装置を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載の発明は、電子線を発生する電子線発
生部と、被処理物に前記電子線を照射する照射室と、前
記電子線発生部内の真空雰囲気と前記照射室内の照射雰
囲気とを仕切ると共に前記電子線を前記照射室内に取り
出す照射窓部とを備える電子線照射装置において、前記
照射室は前記電子線の照射方向に対して長い奥行きを有
し、且つ前記被処理物を出し入れするための出入口部を
有するものであることを特徴とするものである。
めの請求項1記載の発明は、電子線を発生する電子線発
生部と、被処理物に前記電子線を照射する照射室と、前
記電子線発生部内の真空雰囲気と前記照射室内の照射雰
囲気とを仕切ると共に前記電子線を前記照射室内に取り
出す照射窓部とを備える電子線照射装置において、前記
照射室は前記電子線の照射方向に対して長い奥行きを有
し、且つ前記被処理物を出し入れするための出入口部を
有するものであることを特徴とするものである。
【0009】請求項2記載の発明に係る電子線照射装置
は、請求項1記載の発明において、前記照射室及び前記
出入口部には、内側に原子番号の小さい遮蔽材料、外側
に原子番号の大きい遮蔽材料を使用したことを特徴とす
るものである。請求項3記載の発明に係る電子線照射装
置は、請求項1又は2記載の発明において、立体的な被
処理物に電子線を照射するために、前記立体的な被処理
物の側面を囲むように配置され、前記照射窓部を通過し
た前記電子線の一部を内側に反射する反射手段を設けた
ことを特徴とするものである。
は、請求項1記載の発明において、前記照射室及び前記
出入口部には、内側に原子番号の小さい遮蔽材料、外側
に原子番号の大きい遮蔽材料を使用したことを特徴とす
るものである。請求項3記載の発明に係る電子線照射装
置は、請求項1又は2記載の発明において、立体的な被
処理物に電子線を照射するために、前記立体的な被処理
物の側面を囲むように配置され、前記照射窓部を通過し
た前記電子線の一部を内側に反射する反射手段を設けた
ことを特徴とするものである。
【0010】請求項4記載の発明に係る電子線照射装置
は、請求項1乃至3記載の発明において、前記照射室内
に前記照射窓部を一時的に遮蔽する遮蔽手段を設け、前
記遮蔽手段により前記被処理物に照射する前記電子線の
線量を調整することを特徴とするものである。請求項5
記載の発明に係る電子線照射装置は、請求項1乃至4記
載の発明において、前記立体的な被処理物を前記電子線
の照射方向に沿って上下に移動する昇降手段を設け、前
記昇降手段は前記出入口部から外部に引き出せるように
構成したことを特徴とするものである。
は、請求項1乃至3記載の発明において、前記照射室内
に前記照射窓部を一時的に遮蔽する遮蔽手段を設け、前
記遮蔽手段により前記被処理物に照射する前記電子線の
線量を調整することを特徴とするものである。請求項5
記載の発明に係る電子線照射装置は、請求項1乃至4記
載の発明において、前記立体的な被処理物を前記電子線
の照射方向に沿って上下に移動する昇降手段を設け、前
記昇降手段は前記出入口部から外部に引き出せるように
構成したことを特徴とするものである。
【0011】請求項6記載の発明に係る電子線照射装置
は、請求項1乃至5記載の発明において、前記照射室に
不活性ガスを供給するガス供給口と、前記照射室内の雰
囲気ガスを排出するガス排出口とを設けたことを特徴と
するものである。
は、請求項1乃至5記載の発明において、前記照射室に
不活性ガスを供給するガス供給口と、前記照射室内の雰
囲気ガスを排出するガス排出口とを設けたことを特徴と
するものである。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明は前記の構成によって、照
射室として、電子線の照射方向に対して長い奥行きを有
し、且つ被処理物を出し入れするための出入口部を有す
るものを用いたことにより、立体的な被処理物を照射室
に容易に収容して、かかる立体的な被処理物に電子線を
照射する処理を行うことができる。また、立体的な被処
理物の側面を囲むように配置され、照射窓部を通過した
電子線の一部を内側に反射する反射手段を設けることに
より、反射手段で反射した電子線を立体的な被処理物の
側面に照射して、立体的な被処理物に所定の線量を略均
一に照射することができるので、立体的な被処理物の上
部や側面を一度のバッチ処理方式で同時に処理すること
ができる。さらに、照射室内に照射窓部の窓箔を一時的
に遮蔽する遮蔽手段を設けることにより、立体的な被処
理物に照射される電子線の線量を容易に調整することが
できる。
射室として、電子線の照射方向に対して長い奥行きを有
し、且つ被処理物を出し入れするための出入口部を有す
るものを用いたことにより、立体的な被処理物を照射室
に容易に収容して、かかる立体的な被処理物に電子線を
照射する処理を行うことができる。また、立体的な被処
理物の側面を囲むように配置され、照射窓部を通過した
電子線の一部を内側に反射する反射手段を設けることに
より、反射手段で反射した電子線を立体的な被処理物の
側面に照射して、立体的な被処理物に所定の線量を略均
一に照射することができるので、立体的な被処理物の上
部や側面を一度のバッチ処理方式で同時に処理すること
ができる。さらに、照射室内に照射窓部の窓箔を一時的
に遮蔽する遮蔽手段を設けることにより、立体的な被処
理物に照射される電子線の線量を容易に調整することが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態
である電子線照射装置の概略断面図、図2はその電子線
照射装置のフィラメントの構造を説明するための図であ
る。本実施形態である電子線照射装置は、図1に示すよ
うに、電子線発生部10と、照射窓部20と、照射室3
0とを備えるものである。かかる電子線照射装置では、
シート状の被処理物(ウェブ;web )だけでなく、ジュ
ースの缶や紙パック等の立体物をも処理対象としてい
る。また、ここでは、電子線照射装置として、電子線の
加速電圧を最大250kVまで設定できる低エネルギー
タイプのものを用いる。
て図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態
である電子線照射装置の概略断面図、図2はその電子線
照射装置のフィラメントの構造を説明するための図であ
る。本実施形態である電子線照射装置は、図1に示すよ
うに、電子線発生部10と、照射窓部20と、照射室3
0とを備えるものである。かかる電子線照射装置では、
シート状の被処理物(ウェブ;web )だけでなく、ジュ
ースの缶や紙パック等の立体物をも処理対象としてい
る。また、ここでは、電子線照射装置として、電子線の
加速電圧を最大250kVまで設定できる低エネルギー
タイプのものを用いる。
【0014】電子線発生部10は、電子線を発生するタ
ーミナル12と、ターミナル12で発生した電子線を真
空空間(加速空間)で加速する加速管14とを有するも
のである。電子線発生部10の内部は、電子が気体分子
と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、及びフィ
ラメント12aの酸化を防止するため、図示しないポン
プ等により1.3×10-4〜1.3×10-5Paの真空
に保たれている。ターミナル12は、熱電子を放出する
多数の線状フィラメント12aと、フィラメント12a
を支持するガン構造体12bと、フィラメント12aで
発生した熱電子をコントロールするグリッド12cとを
有する。各フィラメント12aは、図2に示すように、
所定の間隔で平行に配列されている。そして、これらの
フィラメント12aは、その配列方向が図1において紙
面に垂直な方向になるようにして、ガン構造体12bに
取り付けられる。このように配列された多数のフィラメ
ント12aを用いることにより、被処理物に照射する電
子線の均一性をよくすることができる。しかも、図1に
おいて紙面に垂直な方向だけでなく、左右方向にも幅広
の電子線を取り出すことができるので、特に、断面積の
大きな立体的な被処理物を処理する場合に効率よく電子
線を照射することができるという利点がある。また、電
子線発生部10には、電子線照射時に二次的に発生する
X線が外部へ漏出しないように、鉛遮蔽が施されてい
る。
ーミナル12と、ターミナル12で発生した電子線を真
空空間(加速空間)で加速する加速管14とを有するも
のである。電子線発生部10の内部は、電子が気体分子
と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、及びフィ
ラメント12aの酸化を防止するため、図示しないポン
プ等により1.3×10-4〜1.3×10-5Paの真空
に保たれている。ターミナル12は、熱電子を放出する
多数の線状フィラメント12aと、フィラメント12a
を支持するガン構造体12bと、フィラメント12aで
発生した熱電子をコントロールするグリッド12cとを
有する。各フィラメント12aは、図2に示すように、
所定の間隔で平行に配列されている。そして、これらの
フィラメント12aは、その配列方向が図1において紙
面に垂直な方向になるようにして、ガン構造体12bに
取り付けられる。このように配列された多数のフィラメ
ント12aを用いることにより、被処理物に照射する電
子線の均一性をよくすることができる。しかも、図1に
おいて紙面に垂直な方向だけでなく、左右方向にも幅広
の電子線を取り出すことができるので、特に、断面積の
大きな立体的な被処理物を処理する場合に効率よく電子
線を照射することができるという利点がある。また、電
子線発生部10には、電子線照射時に二次的に発生する
X線が外部へ漏出しないように、鉛遮蔽が施されてい
る。
【0015】照射窓部20は、金属箔からなる窓箔22
と、窓箔22を冷却すると共に窓箔22を支持する窓枠
構造体24とを有するものである。窓箔22は、電子線
発生部10内の真空雰囲気と照射室30内の照射雰囲気
とを仕切るものであり、また窓箔22を介して照射室3
0内に電子線を取り出すものである。窓箔22に使用す
る金属としては、電子線発生部10内の真空雰囲気を十
分維持できる機械的強度があって、電子線が透過しやす
いように比重が小さくて肉厚が薄く、しかも耐熱性に優
れたものが望ましい。通常は、機械的な取扱いやすさか
ら厚さ約10μm程度のチタン箔が使用されている。
と、窓箔22を冷却すると共に窓箔22を支持する窓枠
構造体24とを有するものである。窓箔22は、電子線
発生部10内の真空雰囲気と照射室30内の照射雰囲気
とを仕切るものであり、また窓箔22を介して照射室3
0内に電子線を取り出すものである。窓箔22に使用す
る金属としては、電子線発生部10内の真空雰囲気を十
分維持できる機械的強度があって、電子線が透過しやす
いように比重が小さくて肉厚が薄く、しかも耐熱性に優
れたものが望ましい。通常は、機械的な取扱いやすさか
ら厚さ約10μm程度のチタン箔が使用されている。
【0016】照射室30は、被処理物に電子線を照射す
る照射空間32を含むものである。この照射室30は、
被処理物として立体物を用いる場合に立体物を内部に収
容することができるように、電子線の照射方向に対する
奥行きdを十分大きく設計している。また、照射室30
の前面には、立体物を出し入れするための出入口部とし
ての扉34が形成されている。照射室30及び扉34に
は、内側に原子番号の小さい遮蔽材料、たとえばステン
レスやアルミニウムを使用し、外側に原子番号の大きい
遮蔽材料、たとえば鉛を使用している。このように照射
室30及び扉34を二層構造としたことにより、電子線
照射時に二次的に発生するX線が外部へ漏出するのを効
果的に防止することができる。
る照射空間32を含むものである。この照射室30は、
被処理物として立体物を用いる場合に立体物を内部に収
容することができるように、電子線の照射方向に対する
奥行きdを十分大きく設計している。また、照射室30
の前面には、立体物を出し入れするための出入口部とし
ての扉34が形成されている。照射室30及び扉34に
は、内側に原子番号の小さい遮蔽材料、たとえばステン
レスやアルミニウムを使用し、外側に原子番号の大きい
遮蔽材料、たとえば鉛を使用している。このように照射
室30及び扉34を二層構造としたことにより、電子線
照射時に二次的に発生するX線が外部へ漏出するのを効
果的に防止することができる。
【0017】また、照射室30には、載置台42と、昇
降手段としてのジャッキ(jack)44と、反射手段とし
ての反射板46と、遮蔽手段としての遮蔽板52と、エ
アシリンダ54と、ガス供給口62と、ガス排出口64
と、排気ファン66と、ウェブアダプタ68とが設けら
れている。載置台42は、被処理物として立体物を用い
る場合に立体物を載置するものであり、ジャッキ44の
上に取り付けられる。この場合、立体物は、載置台42
に載せられたままの状態で電子線が照射されることにな
る。ジャッキ44は、立体物を電子線の照射方向に沿っ
て上下に移動するものであり、これにより、載置台42
に載置された立体物と照射窓部20との距離を調整す
る。また、ジャッキ44は扉34から外部に引き出せる
ように構成されている。ここで、ジャッキ44としては
手動式のものを用いているが、たとえばオリエンタルモ
ーター株式会社製の直動モータ等を用いて自動で昇降で
きるように構成してもよい。尚、本実施形態の電子線照
射装置では、ジャッキ44を最も低い状態まで下げたと
きに照射窓部20の窓箔22から載置台42までの距離
は約350mmである。
降手段としてのジャッキ(jack)44と、反射手段とし
ての反射板46と、遮蔽手段としての遮蔽板52と、エ
アシリンダ54と、ガス供給口62と、ガス排出口64
と、排気ファン66と、ウェブアダプタ68とが設けら
れている。載置台42は、被処理物として立体物を用い
る場合に立体物を載置するものであり、ジャッキ44の
上に取り付けられる。この場合、立体物は、載置台42
に載せられたままの状態で電子線が照射されることにな
る。ジャッキ44は、立体物を電子線の照射方向に沿っ
て上下に移動するものであり、これにより、載置台42
に載置された立体物と照射窓部20との距離を調整す
る。また、ジャッキ44は扉34から外部に引き出せる
ように構成されている。ここで、ジャッキ44としては
手動式のものを用いているが、たとえばオリエンタルモ
ーター株式会社製の直動モータ等を用いて自動で昇降で
きるように構成してもよい。尚、本実施形態の電子線照
射装置では、ジャッキ44を最も低い状態まで下げたと
きに照射窓部20の窓箔22から載置台42までの距離
は約350mmである。
【0018】反射板46は、照射窓部20の窓箔22を
通過した電子線の一部を内側に反射して、立体的な被処
理物の側面に照射するものである。かかる反射板46
は、立体的な被処理物の側面を囲むように配置される。
反射板46の形状は、反射板46と被処理物の側面との
距離が一定となるように、被処理物の形状に応じて決定
される。たとえば、被処理物が円柱状のものであれば、
反射板46としては円筒状のものを用い、また、被処理
物が四角柱状のものであれば、反射板46は中空の四角
柱状のものを用いる。また、ここでは、反射板46の材
質としてステンレスを用いているが、特に、電子線を反
射しやすい原子番号の大きい重い物質、たとえばタンタ
ル等を用いることが望ましい。ステンレス製の反射板4
6を用いても実用上は問題ないが、タンタル等の物質を
用いると、電子線の反射率が大きいため、電子線を効率
よく立体的な被処理物の側面に照射することができ、処
理時間の短縮を図ることができるという利点がある。
尚、被処理物としてたとえば小さな試料等を用いる場合
や、被処理物の側面に照射する電子線の線量が問題とな
らない場合等には、反射板46は使用しなくともよい。
通過した電子線の一部を内側に反射して、立体的な被処
理物の側面に照射するものである。かかる反射板46
は、立体的な被処理物の側面を囲むように配置される。
反射板46の形状は、反射板46と被処理物の側面との
距離が一定となるように、被処理物の形状に応じて決定
される。たとえば、被処理物が円柱状のものであれば、
反射板46としては円筒状のものを用い、また、被処理
物が四角柱状のものであれば、反射板46は中空の四角
柱状のものを用いる。また、ここでは、反射板46の材
質としてステンレスを用いているが、特に、電子線を反
射しやすい原子番号の大きい重い物質、たとえばタンタ
ル等を用いることが望ましい。ステンレス製の反射板4
6を用いても実用上は問題ないが、タンタル等の物質を
用いると、電子線の反射率が大きいため、電子線を効率
よく立体的な被処理物の側面に照射することができ、処
理時間の短縮を図ることができるという利点がある。
尚、被処理物としてたとえば小さな試料等を用いる場合
や、被処理物の側面に照射する電子線の線量が問題とな
らない場合等には、反射板46は使用しなくともよい。
【0019】遮蔽板52は、照射窓部20の窓箔22を
一時的に遮蔽するものであり、照射窓部20の下側の照
射室30の内部に設けられる。遮蔽板52としては、た
とえば窓箔22の大きさよりも若干大きいものを用い
る。遮蔽板52は、エアシリンダ54により駆動され、
図1において左右方向にスライドする。ここでは、遮蔽
板52を、窓箔22を全く遮蔽しない位置(図1に示す
遮蔽板52の位置)から、窓箔22を完全に遮蔽する位
置までスライドすることができる。遮蔽板52をスライ
ドさせて、窓箔22の一部を遮蔽することにより、窓箔
22を通過してきた電子線の一部を遮り、載置台42に
載置された被処理物に照射する電子線の線量を容易に調
整することができる。
一時的に遮蔽するものであり、照射窓部20の下側の照
射室30の内部に設けられる。遮蔽板52としては、た
とえば窓箔22の大きさよりも若干大きいものを用い
る。遮蔽板52は、エアシリンダ54により駆動され、
図1において左右方向にスライドする。ここでは、遮蔽
板52を、窓箔22を全く遮蔽しない位置(図1に示す
遮蔽板52の位置)から、窓箔22を完全に遮蔽する位
置までスライドすることができる。遮蔽板52をスライ
ドさせて、窓箔22の一部を遮蔽することにより、窓箔
22を通過してきた電子線の一部を遮り、載置台42に
載置された被処理物に照射する電子線の線量を容易に調
整することができる。
【0020】ガス供給口62は、照射室30に不活性ガ
スを供給するためのものである。たとえば樹脂塗料の硬
化処理等を行う場合には、被処理物の周囲に多量の酸素
が存在すると、電子線を照射することで生成されたラジ
カルが酸素と反応してしまい、硬化(重合)反応が阻害
される。このため、かかる場合には、ガス供給口62か
ら不活性ガス、たとえば窒素ガスを吹き込んで、照射室
30内の照射雰囲気を窒素雰囲気とする。また、ガス排
出口64は、照射室30内の雰囲気ガスを排出するため
のものである。たとえば、殺菌処理を行う場合には、照
射室30内の照射雰囲気を空気雰囲気にしておき、電子
線によって被処理物を殺菌すると共に、電子線により酸
素から生成されたオゾンの殺菌効果をも利用することが
あり、また、ラミネート処理をする場合には、照射室3
0内の照射雰囲気を不活性雰囲気とする必要がないの
で、窒素ガスを節約するためにも空気雰囲気で処理を行
うことがある。かかる場合には、照射室30内に有害な
オゾンが発生することになるので、排気ファン66によ
り、オゾンをガス排出口64から排気する。尚、ガス排
出口64は上部を略コ字状に、下部を略ト字状に形成す
ることにより、X線が外部に漏出しにくい構造としてい
る。
スを供給するためのものである。たとえば樹脂塗料の硬
化処理等を行う場合には、被処理物の周囲に多量の酸素
が存在すると、電子線を照射することで生成されたラジ
カルが酸素と反応してしまい、硬化(重合)反応が阻害
される。このため、かかる場合には、ガス供給口62か
ら不活性ガス、たとえば窒素ガスを吹き込んで、照射室
30内の照射雰囲気を窒素雰囲気とする。また、ガス排
出口64は、照射室30内の雰囲気ガスを排出するため
のものである。たとえば、殺菌処理を行う場合には、照
射室30内の照射雰囲気を空気雰囲気にしておき、電子
線によって被処理物を殺菌すると共に、電子線により酸
素から生成されたオゾンの殺菌効果をも利用することが
あり、また、ラミネート処理をする場合には、照射室3
0内の照射雰囲気を不活性雰囲気とする必要がないの
で、窒素ガスを節約するためにも空気雰囲気で処理を行
うことがある。かかる場合には、照射室30内に有害な
オゾンが発生することになるので、排気ファン66によ
り、オゾンをガス排出口64から排気する。尚、ガス排
出口64は上部を略コ字状に、下部を略ト字状に形成す
ることにより、X線が外部に漏出しにくい構造としてい
る。
【0021】ウェブアダプタ68は、被処理物としてウ
ェブを用いる場合に使用するものである。ここで、図1
では、ウェブアダプタ68を一つしか描いていないが、
実際には、ウェブアダプタ68は二つ一組で用いられ、
それぞれ照射室30の左右の側面に取り付けられてい
る。二つのウェブアダプタ68は、それぞれウェブを照
射室30に搬入する搬入路、ウェブを照射室30から搬
出する搬出路となるものであり、その内部にはウェブを
屈曲して案内するローラ68aが設けられている。ウェ
ブは搬入路から挿入され、窓箔22と遮蔽板52との間
を通って、搬出路から引き出される。この場合、ウェブ
は、図示しない搬送機構によって搬送されながら、電子
線が照射されることになる。このようにウェブアダプタ
68を設けたことにより、かかる電子線照射装置を連続
照射や照射線量の測定等においても利用することができ
る。
ェブを用いる場合に使用するものである。ここで、図1
では、ウェブアダプタ68を一つしか描いていないが、
実際には、ウェブアダプタ68は二つ一組で用いられ、
それぞれ照射室30の左右の側面に取り付けられてい
る。二つのウェブアダプタ68は、それぞれウェブを照
射室30に搬入する搬入路、ウェブを照射室30から搬
出する搬出路となるものであり、その内部にはウェブを
屈曲して案内するローラ68aが設けられている。ウェ
ブは搬入路から挿入され、窓箔22と遮蔽板52との間
を通って、搬出路から引き出される。この場合、ウェブ
は、図示しない搬送機構によって搬送されながら、電子
線が照射されることになる。このようにウェブアダプタ
68を設けたことにより、かかる電子線照射装置を連続
照射や照射線量の測定等においても利用することができ
る。
【0022】次に、本実施形態の電子線照射装置を用い
て被処理物を処理する場合の手順を説明する。ここで
は、被処理物として円柱状の缶を用い、缶に殺菌処理を
施す場合を考える。まず、照射室30の扉34を開け、
ジャッキ44を外に引き出す。そして、缶を載置台42
に載せて、円筒状の反射板46で缶の側面を囲んだ後、
ジャッキ44を照射室30の中に戻す。その後、ジャッ
キ44を持ち上げることにより缶を所定の高さに設定し
て、扉34を閉める。
て被処理物を処理する場合の手順を説明する。ここで
は、被処理物として円柱状の缶を用い、缶に殺菌処理を
施す場合を考える。まず、照射室30の扉34を開け、
ジャッキ44を外に引き出す。そして、缶を載置台42
に載せて、円筒状の反射板46で缶の側面を囲んだ後、
ジャッキ44を照射室30の中に戻す。その後、ジャッ
キ44を持ち上げることにより缶を所定の高さに設定し
て、扉34を閉める。
【0023】次に、フィラメント12aに電流を通じて
加熱するとフィラメント12aは熱電子を放出し、この
熱電子は、フィラメント12aとグリッド12cとの間
に印加された制御電圧によりグリット12aから引き離
される。この熱電子のうち、グリッド12cを通過した
ものだけが電子線として有効に取り出される。そして、
このグリッド12cから取り出された電子線は、グリッ
ド12cと窓箔22との間に印加された加速電圧により
加速管14内の加速空間で加速され、幅広の電子線とな
って、窓箔22を突き抜け、照射室30内において載置
台42に載置された缶に照射される。ここで、窓箔22
を通過した電子線の一部は、図1に点線で示したよう
に、反射板46で内側に反射されて、缶の側面に照射す
る。また、このとき、エアシリンダ54により遮蔽板5
2を左右方向にスライドさせて、缶に照射される電子線
の線量を調整する。こうして缶には所定の線量が略均一
に照射され、缶の殺菌処理が終了する。
加熱するとフィラメント12aは熱電子を放出し、この
熱電子は、フィラメント12aとグリッド12cとの間
に印加された制御電圧によりグリット12aから引き離
される。この熱電子のうち、グリッド12cを通過した
ものだけが電子線として有効に取り出される。そして、
このグリッド12cから取り出された電子線は、グリッ
ド12cと窓箔22との間に印加された加速電圧により
加速管14内の加速空間で加速され、幅広の電子線とな
って、窓箔22を突き抜け、照射室30内において載置
台42に載置された缶に照射される。ここで、窓箔22
を通過した電子線の一部は、図1に点線で示したよう
に、反射板46で内側に反射されて、缶の側面に照射す
る。また、このとき、エアシリンダ54により遮蔽板5
2を左右方向にスライドさせて、缶に照射される電子線
の線量を調整する。こうして缶には所定の線量が略均一
に照射され、缶の殺菌処理が終了する。
【0024】そして、缶に電子線を照射する処理が終了
した後は、照射室30の扉34を開け、ジャッキ44を
元の状態まで下げる。そして、ジャッキ34を外に引き
出して、処理が完了した缶を取り出す。また、本発明者
等は、本実施形態の電子線照射装置を用いて、立体的な
被処理物の側面の下部まで電子線を照射することができ
るかどうかを調べる試験を行った。この試験では、被処
理物として、高さ約300mmのペットボトルを用い、
電子線照射装置の加速電圧を250kVに設定した。そ
の結果、ペットボトルの側面に線量を略均一に照射する
ことができることを確認した。一般に、加速電圧を高く
設定すれば、処理可能な被処理物の高さも高くなるが、
加速電圧を低く設定しても、処理時間を長くすることに
より、立体的な被処理物の側面の下部まで十分な線量を
照射することができると考えられる。
した後は、照射室30の扉34を開け、ジャッキ44を
元の状態まで下げる。そして、ジャッキ34を外に引き
出して、処理が完了した缶を取り出す。また、本発明者
等は、本実施形態の電子線照射装置を用いて、立体的な
被処理物の側面の下部まで電子線を照射することができ
るかどうかを調べる試験を行った。この試験では、被処
理物として、高さ約300mmのペットボトルを用い、
電子線照射装置の加速電圧を250kVに設定した。そ
の結果、ペットボトルの側面に線量を略均一に照射する
ことができることを確認した。一般に、加速電圧を高く
設定すれば、処理可能な被処理物の高さも高くなるが、
加速電圧を低く設定しても、処理時間を長くすることに
より、立体的な被処理物の側面の下部まで十分な線量を
照射することができると考えられる。
【0025】本実施形態の電子線照射装置では、照射室
として、電子線の照射方向に対して長い奥行きを有し、
且つ立体物を出し入れするための扉を有するものを用い
たことにより、立体物を照射室に容易に収容して、かか
る立体物に電子線を照射する処理を行うことができる。
しかも、照射室の内部が十分広いため、この電子線照射
装置を用いると、今まで困難であった各種の試験を行う
ことが可能である。たとえば、物質の温度を変えて電子
線を照射し、その物質の特性が温度に応じてどのように
変わるのかを調べる試験を行うことができる。この場合
には、照射室の内部に炉を設けて、炉内に入れた物質に
電子線を照射する。
として、電子線の照射方向に対して長い奥行きを有し、
且つ立体物を出し入れするための扉を有するものを用い
たことにより、立体物を照射室に容易に収容して、かか
る立体物に電子線を照射する処理を行うことができる。
しかも、照射室の内部が十分広いため、この電子線照射
装置を用いると、今まで困難であった各種の試験を行う
ことが可能である。たとえば、物質の温度を変えて電子
線を照射し、その物質の特性が温度に応じてどのように
変わるのかを調べる試験を行うことができる。この場合
には、照射室の内部に炉を設けて、炉内に入れた物質に
電子線を照射する。
【0026】また、立体物の側面を囲むように配置さ
れ、照射窓部を通過した電子線の一部を内側に反射する
反射板を設けたことにより、反射板で反射した電子線を
立体的な被処理物の側面に照射して、その被処理物に所
定の線量を略均一に照射することができるので、立体的
な被処理物の上部や側面を一度のバッチ処理方式で同時
に処理することができる。さらに、照射室内に照射窓部
の窓箔を一時的に遮蔽する遮蔽板を設けたことにより、
被処理物に照射される電子線の線量を容易に調整するこ
とができる。
れ、照射窓部を通過した電子線の一部を内側に反射する
反射板を設けたことにより、反射板で反射した電子線を
立体的な被処理物の側面に照射して、その被処理物に所
定の線量を略均一に照射することができるので、立体的
な被処理物の上部や側面を一度のバッチ処理方式で同時
に処理することができる。さらに、照射室内に照射窓部
の窓箔を一時的に遮蔽する遮蔽板を設けたことにより、
被処理物に照射される電子線の線量を容易に調整するこ
とができる。
【0027】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が
可能である。たとえば、上記の実施形態において、載置
台に載置された立体的な被処理物を電子線の照射方向に
平行な軸の回りに回転する回転機構を設けるようにして
もよい。これにより、被処理物を回転しながら立体物に
電子線を照射することができるので、被処理物の側面に
は電子線をより均一に照射することができる。
ものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が
可能である。たとえば、上記の実施形態において、載置
台に載置された立体的な被処理物を電子線の照射方向に
平行な軸の回りに回転する回転機構を設けるようにして
もよい。これにより、被処理物を回転しながら立体物に
電子線を照射することができるので、被処理物の側面に
は電子線をより均一に照射することができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、照射室として、電子線の照射方向に対して長
い奥行きを有し、且つ被処理物を出し入れするための出
入口部を有するものを用いたことにより、立体的な被処
理物を照射室に容易に収容して、かかる立体的な被処理
物に電子線を照射する処理を行うことができる電子線照
射装置を提供することができる。
によれば、照射室として、電子線の照射方向に対して長
い奥行きを有し、且つ被処理物を出し入れするための出
入口部を有するものを用いたことにより、立体的な被処
理物を照射室に容易に収容して、かかる立体的な被処理
物に電子線を照射する処理を行うことができる電子線照
射装置を提供することができる。
【図1】本発明の一実施形態である電子線照射装置の概
略断面図である。
略断面図である。
【図2】その電子線照射装置のフィラメントの構造を説
明するための図である。
明するための図である。
【図3】従来の電子線照射装置の概略断面図である。
【図4】従来の電子線照射装置のターミナルの長手方向
概略断面図である。
概略断面図である。
10 電子線発生部 12 ターミナル 12a フィラメント 12b ガン構造体 12c グリッド 14 加速管 20 照射窓部 22 窓箔 24 窓枠構造体 30 照射室 32 照射空間 34 扉 42 載置台 44 ジャッキ 46 反射板 52 遮蔽板 44 エアシリンダ 62 ガス供給口 64 ガス排出口 66 排気ファン 68 ウェブアダプタ
Claims (6)
- 【請求項1】 電子線を発生する電子線発生部と、被処
理物に前記電子線を照射する照射室と、前記電子線発生
部内の真空雰囲気と前記照射室内の照射雰囲気とを仕切
ると共に前記電子線を前記照射室内に取り出す照射窓部
とを備える電子線照射装置において、前記照射室は前記
電子線の照射方向に対して長い奥行きを有し、且つ前記
被処理物を出し入れするための出入口部を有するもので
あることを特徴とする電子線照射装置。 - 【請求項2】 前記照射室及び前記出入口部には、内側
に原子番号の小さい遮蔽材料、外側に原子番号の大きい
遮蔽材料を使用したことを特徴とする請求項1記載の電
子線照射装置。 - 【請求項3】 立体的な被処理物に電子線を照射するた
めに、前記立体的な被処理物の側面を囲むように配置さ
れ、前記照射窓部を通過した前記電子線の一部を内側に
反射する反射手段を設けたことを特徴とする請求項1又
は2記載の電子線照射装置。 - 【請求項4】 前記照射室内に前記照射窓部を一時的に
遮蔽する遮蔽手段を設け、前記遮蔽手段により前記被処
理物に照射する前記電子線の線量を調整することを特徴
とする請求項1乃至3記載の電子線照射装置。 - 【請求項5】 前記立体的な被処理物を前記電子線の照
射方向に沿って上下に移動する昇降手段を設け、前記昇
降手段は前記出入口部から外部に引き出せるように構成
したことを特徴とする請求項1乃至4記載の電子線照射
装置。 - 【請求項6】 前記照射室に不活性ガスを供給するガス
供給口と、前記照射室内の雰囲気ガスを排出するガス排
出口とを設けたことを特徴とする請求項1乃至5記載の
電子線照射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22333695A JPH0968600A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 電子線照射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22333695A JPH0968600A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 電子線照射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0968600A true JPH0968600A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=16796567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22333695A Pending JPH0968600A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 電子線照射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0968600A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012045252A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 電子線殺菌装置 |
JP2012055556A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 電子線殺菌装置 |
JP2013178165A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Shibuya Kogyo Co Ltd | 電子線照射装置 |
-
1995
- 1995-08-31 JP JP22333695A patent/JPH0968600A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012045252A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 電子線殺菌装置 |
JP2012055556A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 電子線殺菌装置 |
JP2013178165A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Shibuya Kogyo Co Ltd | 電子線照射装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040603 |