JPH0967705A

JPH0967705A - 下着

Info

Publication number: JPH0967705A
Application number: JP24551995A
Authority: JP
Inventors: Kaho Suzuki; 香穂鈴木
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1995-08-30
Filing date: 1995-08-30
Publication date: 1997-03-11

Abstract

(57)【要約】【課題】装着者が体を動かしても、一旦乳房の周囲か
ら寄せ集めた肉部が容易に元に戻ることがなく、長時間
美しく前向へ突き出た乳房の状態を保持することのでき
る下着を提供する。【解決手段】カップ部１２、１４の乳房に接する面の
少なくとも一部に複数の領域に分割されたシリコーン組
成物又はラテックス組成物２０の付着された部分を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は下着に関し、特に女
性の乳房を覆い、かつ支持するカップ部を有する下着に
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年女性の下着は、下着本来の機能であ
る保温、吸湿、保護などに止まらずファッション性を追
及するものとして認識されており、さらに体の線をより
美しく表現するための機能が求められている。下着の中
で特にブラジャーに代表される乳房を覆うカップ部を有
する下着の場合、カップ部の輪郭部分に金属線、すなわ
ちワイヤや合成樹脂部材を用いたものが知られている。
また、かかるワイヤに形状記憶合金を用いたものも知ら
れている。かかるワイヤなどは、布地でできているカッ
プ部の形状を整え、乳房が重力で下方へ垂れ下がるのを
防止して、これを保持し、よって乳房を美しく見せるこ
とができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来の下着で
は、乳房の周辺の柔軟な肉部を乳房方向へ寄せ集め、そ
の状態を長時間保持すべく、カップ部で乳房をカバー
し、左右のカップ部から伸長するベルトの両端を装着者
の背中で係合させることにより装着するようにしてい
る。しかしながら、装着者が日常活動により体を動かす
ことにより、カップ部内部に収まっていた周辺から寄せ
集められた肉部は時間の経過とともに、元の位置へ流
れ、戻ってしまう。従来のワイヤを用いたものでは数時
間もすると、元へ戻ってしまうし、激しい動きをした場
合は、たちどころに元に戻ってしまうという問題があっ
た。

【０００４】したがって本発明は装着者が体を動かして
も、一旦乳房の周囲から寄せ集めた肉部が容易に元に戻
ることがなく、長時間美しく前方へ突き出た乳房の状態
を保持することのできる下着を提供することを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、カップ部の乳房に接する面の少なくとも
一部に複数の領域に分割されたシリコーン組成物又はラ
テックス組成物の付着された部分を設けている。

【０００６】すなわち本発明によれば、人体の乳房をお
おうカップ部を有する下着において、前記カップ部の乳
房に接する面の少なくとも一部に複数の領域に分割され
たシリコーン組成物又はラテックス組成物の付着された
部分を有することを特徴とする下着が提供される。

【０００７】

【作用】本発明の下着は上記構成を有するので、シリコ
ーン組成物又はラテックス組成物の付着された部分が下
着の表面皮膚に密着し、一旦密着すると、その下着を脱
ぐまでの間、相当の長時間にわたって皮膚からずれるこ
とがない。よって乳房の周囲から寄せ集めた肉部が装着
者が体を動かしたり、長時間を経過しても元の位置へ流
れ、戻ることがなく、前方に突き出た状態を長時間保つ
ことができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下図面とともに本発明の実施の
形態を好ましい実施例によって説明する。図１は本発明
の下着の第１実施例の背面図である。すなわち図１は本
発明の下着の第１実施例としてのブラジャーの好ましい
例を裏面、すなわち乳房に接する面から見た図である。
このブラジャーは全体を１０で示してあり、通常のブラ
ジャーと同様左右２つのカップ部１２、１４と、その各
々から左右へ伸長するベルト部１６、１８を有してい
る。また２２、２４は肩ひもであり、部分的に示されて
いる。左右のカップ部１２、１４は対称であり、それぞ
れ本体部１２Ａ、１４Ａと、上部輪郭部１２Ｂ、１４
Ｂ、下部輪郭部１２Ｃ、１４Ｃを有している。２０はこ
れらの部分に付着されたシリコーン組成物の部分であ
る。

【０００９】シリコーン組成物としては、例えば信越化
学工業（株）製の一液型ＲＴＶ（室温硬化型）ゴムＫ
Ｅ３４７５Ｔを用いることができる。この製品は、所謂
シリコンラバー（ポリオルガノシロキサン）であり、チ
ューブ状容器に入っており、手でチューブを押すことに
より容易に容器の口から外部へ出して所望の量を所望の
位置に塗布することができる。上記シリコーン組成物と
しては、さらにコニシ（株）製の高性能シリコーン系充
填剤バスボンド（商標）を用いることもできる。この
製品は上記ＲＴＶゴムより、流動性が低く、塗布した際
に盛り上がりが高くなる。そのため皮膚と下着との間に
空間部分ができやすく、通気に優れ、肌荒れ防止上有利
である。

【００１０】さらに、シリコーン組成物に代えて、ラテ
ックス組成物を用いることもできる。ラテックス組成物
としては、例えば（株）レヂテックス製の人形・怪獣用
ラテックスＳ−５００を用いることができる。この製
品は、ラテックスを主成分とした水溶性の液体であり、
空気中で乾燥させることに自、柔らかいゴム状体になる
ものである。かかるシリコーン組成物又はラテックス組
成物は、下着の縫製による組み立てが終了した後に塗布
することもできるし、縫製前の部品状態や布地状態のと
きに塗布することもできる。

【００１１】本発明ではシリコーン組成物又はラテック
ス組成物は、下着の縫製による組み立てが終了した後に
塗布することもできるし、縫製前の部品状態や布地状態
のときに塗布することもできる。をカップ部の全面に付
着させるのではなく、複数の領域に分割された形で付着
している。図１の例では各々の付着部分２０は円形又は
楕円形となっていて、分散的に配置されている。このよ
うに、カップ部の裏面分割された複数の領域としてシリ
コーン組成物又はラテックス組成物を配することによ
り、次の利点がある。

【００１２】（１）シリコーン組成物又はラテックス組
成物の付着部分が、例えば５ｃｍ²以上もあるような大
きな領域であると、付着部分の布地の柔軟性が失われ、
カップ部がごわついてしまい、装着しにくいのみなら
ず、フィーリングもよくない。（２）シリコーン組成物又はラテックス組成物の付着部
分が上記（１）のように大きいと、付着部分の布地の伸
展性が失われ、よってカップ部の形状が固定化してしま
い、個人々特有の形状へのフィットが困難となったり、
左右の乳房の微妙な形状や大きさの違いに適応すること
ができなくなる。（３）シリコーン組成物又はラテックス組成物の付着部
分が上記（１）のように大きいと、その部分では皮膚か
らの発汗による水分を布地に吸着することができず、汗
がたまり、その結果、悪臭を放ったり、皮膚が炎症を起
こすなどの問題を生じ易い。

【００１３】かかる不具合を防ぐためには、シリコーン
組成物又はラテックス組成物の付着部分を複数に分割す
る必要がある。なおシリコーン組成物又はラテックス組
成物の付着部分の各々が図１に示す例のように円形又は
楕円形の場合は、その平均的面積は３ｃｍ²以下である
ことが上記（１）〜（３）の観点から好ましく、さらに
０．４ｃｍ²程度（円形の場合、直径で７ｍｍ）か、そ
れ以下であれば柔軟性、吸湿性等などにおいて一層の効
果がある。

【００１４】シリコーン組成物又はラテックス組成物の
付着部分は円形など以外に三角形や四角形、又は菱形そ
の他の形状とすることも自由である。またシリコーン組
成物又はラテックス組成物の付着部分を線状に設けるこ
ともできる。この場合、カップ部の中心に対して放射状
に又は同心円状あるいはスパイラル状に設けることもで
きる。図２は放射状にシリコーン組成物又はラテックス
組成物の付着部分を設けた例を示す図であり、参照符号
は図１と同一である。なお、線状のシリコーン組成物付
着部分２０は、その幅があまり太いと、前述のような不
具合が生じるので、幅は３０ｍｍ以下であることが好ま
しく、さらに１０ｍｍ以下であれば柔軟性、吸湿性等に
おいて一層の効果がある。

【００１５】シリコーン組成物又はラテックス組成物の
付着部分は、図１及び図２の例からもわかるように、カ
ップ部の略中央、すなわち乳頭に接する部分には設けな
いことが好ましい。これは、シリコーン組成物又はラテ
ックス組成物が乳頭に接して摩擦を生じたりして生理的
に又は、フィーリング的に悪影響を及ぼすことを防止す
るためである。

【００１６】カップ部１２、１４以外の部分にも必要に
応じてシリコーン組成物又はラテックス組成物を付着さ
せることができる。図１の例ではベルト１６、１８のカ
ップ部１２、１４に近い部分にシリコーン組成物が付着
された部分２０Ａが示されている。この付着部分２０Ａ
も、乳房の外側の肉部を乳房に集中させて保持する効果
を有している。また肩ひも２２、２４の肩に当接する部
分（図示省略）にシリコーン組成物又はラテックス組成
物を付着することもできる。肩ひも２２、２４の肩に当
接する部分にシリコーン組成物を付着させるのは乳房の
形状保持とは関係なく、肩ひも２２、２４が肩からずり
落ちるのを防止するためである。

【００１７】上記シリコーン組成物又はラテックス組成
物の布地への塗布は前述のＲＴＶゴムの場合、次のよう
に行うことが好ましい。液体状のＲＴＶゴムを付着させ
るべき部分に一定量塗布した後、約１昼夜程おいて硬化
させる。その後、再び同一箇所へ塗布し、同様に約１昼
夜程で硬化させる。このように２度同一箇所に時間間隔
をおいて塗布することにより、布地への浸み込みによる
ロスを最少にし、皮膚との調度よい密着効果を得ること
ができる。なお、上記他の組成物の場合も同様に２度の
塗布を行うことが望ましい。

【００１８】上記各実施例は本発明の下着の実施例とし
てブラジャーを挙げて説明したが、本発明は乳房を覆う
カップ部を有するあらゆる下着に適用可能である。すな
わちファンデーションとしてのスリーインワン、ボディ
ースーツ、バストパッドなどの他、ランジェリーとして
のブラスリップ、ブラキャミソール、ブラテディーなど
にも適用することにより、美しい形のバストを長時間に
わたって保つことができる。

【００１９】なお図１及び図２に示した実施例では、カ
ップ１２、１４の中心部を除くほとんどの領域にシリコ
ーン組成物の付着部分２０を設けたが、この付着部分は
カップ部１２、１４の中心から見て全方位（３６０°）
にわたって設ける必要は必ずしもない。すなわち、カッ
プの下方のみや、カップの左右部分のみ、カップの下方
と左部分のみなどのように付着部分２０の領域を選定す
ることもできる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の下着によ
れば次のような効果がある。

【００２１】（１）シリコーン組成物又はラテックス組
成物の付着された部分が複数の分割された領域に分散さ
れているので、乳房の周囲から寄せ集められた肉部をそ
の状態、すなわち乳房が前方に突き出した形で保持さ
れ、長時間の着用及び、その間のかなり激しい体の動き
によっても寄せ集められた肉部が流れて戻ってしまうこ
とがなく、長時間にわたって美しい形を維持することが
できる。なお、この肉の流れの防止効果についてシリコ
ーン組成物又はラテックス組成物を有しない従来品のブ
ラジャーと本発明にかかるブラジャーとの間で着用実験
を行ったところ、目視及び巻尺による測定で明らかな差
異が観測された。

【００２２】（２）本発明にかかる下着を乳房の大きな
女性に適用した場合、その形を整えることができるとい
う効果があり、一方乳房の小さい女性の場合は、脇や背
中の方から肉部を引き寄せて乳房に集中させるため、ま
たその状態を維持するために用いることができる。また
乳房の小さな女性にあっては、本発明の下着を長期間に
わたって使用することにより、乳房を育てて大きくする
ことが可能である。すなわち、乳房周辺の肉部の寄せ集
めと保持のみならず、長期間の使用により、乳房の形自
体を使用前に比べて美しく、かつ前方へ突き出た豊かな
大きな形に整形する効果もある。

【００２３】（３）本発明の下着ではシリコーン組成物
又はラテックス組成物が分散して配置されているので、
発汗などによるカブレなどの悪影響がなく、かつカップ
部が柔軟性、伸展性を維持し使用し易すく、フィットし
易すい。

【００２４】（４）本発明の下着の繰り返しの洗濯によ
っても、シリコーン組成物又はラテックス組成物の付着
部分ははがれることなく、またその機能の低下もない。

【００２５】（５）ある下着メーカーによると、よいブ
ラジャーの条件として、乳房を中央に寄せる。乳房
を支える。乳房を持ち上げる。力のバランスがとれ
ている。気持よく体になじむ。美しく立体的に形造
る。動きやすく、無理がかからない。着けているこ
とを忘れるの８つを挙げているが、本発明の下着はこれ
らの条件を全て満足するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の下着の第１実施例の背面図である。

【図２】本発明の下着の第２実施例の背面図である。

【符号の説明】

１０ブラジャー１２、１４カップ部１２Ａ、１４Ａ本体部１２Ｂ、１４Ｂ上部輪郭部１２Ｃ、１４Ｃ下部輪郭部１６、１８ベルト２０、２０Ａシリコーン組成物付着部２２、２４肩ひも

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】人体の乳房をおおうカップ部を有する下
着において、前記カップ部の乳房に接する面の少なくと
も一部に複数の領域に分割されたシリコーン組成物又は
ラテックス組成物の付着された部分を有することを特徴
とする下着。
【請求項２】前記複数の領域の各々が略円形又は楕円
形で、その平均的面積が３ｃｍ²以下である請求項１記
載の下着。
【請求項３】前記複数の領域の各々が線状で、その幅
が３０ｍｍ以下である請求項１記載の下着。
【請求項４】前記シリコーン組成物又はラテックス組
成物の付着された部分が、乳頭部分対応する部分以外部
分である請求項１乃至３記載の下着。
【請求項５】下着がベルト部を有するものであって、
前記ベルト部の少なくとも前記カップ部の近傍に複数の
領域に分割されたシリコーン組成物又はラテックス組成
物の付着された部分を有することを特徴とする下着。
【請求項６】下着が肩ひも部を有するものであって、
前記肩ひも部に複数の領域に分割されたシリコーン組成
物又はラテックス組成物の付着された部分を有すること
を特徴とする下着。