JPH0967632A - 耐酸化耐食性被覆用合金、及び耐酸化耐食性被覆層を備えた耐熱部材 - Google Patents

耐酸化耐食性被覆用合金、及び耐酸化耐食性被覆層を備えた耐熱部材

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JPH0967632A
JPH0967632A JP22180895A JP22180895A JPH0967632A JP H0967632 A JPH0967632 A JP H0967632A JP 22180895 A JP22180895 A JP 22180895A JP 22180895 A JP22180895 A JP 22180895A JP H0967632 A JPH0967632 A JP H0967632A
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Yoshiyuki Kojima
慶享 児島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 MCrAlY合金層に代わって、900〜1
000℃以上の温度でも優れた耐酸化性及び耐食性を有
する被覆層を備えた耐熱部材を実現する。 【構成】 Ni基超合金単結晶基材101の上に、Ir
−Al−Ni合金メタル層103が形成されている。こ
のメタル層103は、重量%で、Alが8〜24%、N
iが19〜58%、及び残部が不可避不純物とIrから
なるもので、その厚さは0.5〜300μmとなってい
る。またメタル層103の上には、ZrO2系柱状セラ
ミックスTBC層104が形成されている。このTBC
層104は、ZrO2を主成分とし、Y23,MgO,
CaOのうちの少なくとの一つを含み、その厚さは20
〜600μmとなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービン用タービ
ンブレードやタービンノズルに用いられる耐酸化耐食性
被覆用合金、及び耐酸化耐食性被覆層を備えた耐熱部材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発電用のガスタービンは効率向上を目的
とした運転温度の高温化が進められており、その結果、
耐熱部品であるタービンブレードやタービンノズルの高
温耐久性の向上が強く要望されている。このような背景
のもとで、高温強度が高く信頼性に優れた耐熱合金の開
発が進んでいるが、その耐熱温度には限界がある。ま
た、高温条件下で使用される部品の温度を低減する方法
として、熱伝導率の小さいセラミックス(例えばZrO
2 系)で部品の表面を被覆する熱遮蔽コーティング(T
hermal Barrier Coating:TB
Cと略す)が知られている。TBCでは部品の基材メタ
ル温度を50〜100℃低減することができる。
【0003】一方で前記TBCと併用して、耐高温腐食
及び耐高温酸化を目的に部品表面にMCrAlY合金コ
ーティングを行う技術が広く用いられている。通常は、
部品表面にまずMCrAlY合金層を被覆して、その上
部にセラミックスのTBC層を被覆した構造を有してい
る。MCrAlY合金は、MをFe,Co,Niから選
ばれた1種以上のバルクとして、Cr 15〜30%,
Al 5〜15%,Y0.1〜1%で構成される高耐食
性合金である。例えば、特開平4−266889号公報
には、Ni基超合金基材表面にMCrAlY合金(Co
−32%Ni−21%Cr−8%Al−0.5%Y)層
を設けて耐食性を確保し、さらに二層構造のZrO2
6%Y23層のTBCを施したセラミック被覆タービン
ブレードが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、ガス
タービンブレードの基材メタル温度が約850℃程度ま
でを対象としており、それ以上の基材メタル温度を必要
とする高温ガスタービンについて考慮されていない。特
に高温酸化、腐食に対して考慮されていない。
【0005】前述したように、効率向上のため発電用ガ
スタービンの運転温度の高温化が進められているが、燃
焼ガス温度が上昇すると、タービンブレードやノズル等
に代表される高温部材には以下のような対応が求められ
る。 (1)翼冷却及びTBCによる遮熱効果を強化して、メ
タル温度の上昇を最小限に押さえる。 (2)運転温度向上に対応して、基材合金の耐用温度を
向上させ、従来より高いメタル温度で運転する。
【0006】ここで、翼冷却を強化することは増加した
冷却空気により圧損が増大し、ガスタービンの発電効率
を減少させるために望ましくない。また、TBCによる
熱遮蔽効果にも限界があるため、上記(1),(2)の
うち、(2)による対応が必須となる。ところが、従来
技術で高温耐酸化、耐食性を向上させていたMCrAl
Y合金層は、900〜1000℃を大きく越える温度で
は良好な耐酸化性や耐食性を示すとは言い難い。したが
って、仮に耐用温度、すなわち高温強度の点で優れたガ
スタービン高温部材用耐熱合金が開発されても、従来の
コーティング技術の単純な適用では、さらに高温となる
苛酷なガスタービン燃焼ガス雰囲気には対応できない。
【0007】本発明の目的は、MCrAlY合金層に代
わって、900〜1000℃以上の温度でも優れた耐酸
化性及び耐食性を有する耐酸化耐食性被覆用合金、及び
耐酸化耐食性被覆層を備えた耐熱部材を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願の第1の発明としての耐酸化耐食性被覆用合金
は、重量で、Al 8〜24%及びNi 19〜58%を
含むIr合金からなることを特徴としている。
【0009】また第2の発明は、Ni,CoまたはFe
を主成分とする耐熱合金基材の表面に耐酸化耐食性被覆
層を備えた耐熱部材において、上記構成の耐熱部材にお
いて、少なくとも耐酸化耐食性被覆層のうちの一層は、
重量で、Al 4〜25%及びCo 4〜42%を含むI
r合金からなる合金メタル層であることを特徴としてい
る。
【0010】また第3の発明は、上記構成の耐熱部材に
おいて、少なくとも耐酸化耐食性被覆層のうちの一層
は、Irを主成分として、Al 5〜30%、Ni 6〜
50%及びCo 5〜40%を含有する合金からなる合
金メタル層であることを特徴としている。
【0011】また第4の発明は、上記構成の耐熱部材に
おいて、少なくとも耐酸化耐食性被覆層のうちの一層
は、Irを主成分として、Ni 3〜25%及びCo 2
〜25%を含有する合金からなる合金メタル層であるこ
とを特徴としている。
【0012】上記各合金メタル層は、厚さを0.5〜3
00μmにすると良い。さらに上記各合金メタル層の表
面を、ZrO2を主成分とし、Y23 3〜20%、Mg
O3〜20%、CaO 3〜20%のうちの少なくとも
一つを含む、20〜600μmの厚さのZrO2系セラ
ミックス層によって被覆すると良い。このセラミックス
層はTBCとして熱遮蔽効果を発揮し、メタル温度を低
減する機能を有する。
【0013】さらに、上記耐熱部材はタービンブレード
やタービンノズルに適用するとことができる。すなわ
ち、Niを主成分とする基材メタルの表面に耐酸化耐食
性被覆層を形成したタービンブレードにおいて、少なく
とも耐酸化耐食性被覆層のうちの一層を、上記第1・3
・4の発明における合金メタル層のうちのいずれかで構
成する。また、Coを主成分とする基材メタルの表面に
耐酸化耐食性被覆層を形成したタービンノズルにおい
て、少なくとも耐酸化耐食性被覆層のうちの一層を、上
記第2,3又は4の発明における合金メタル層で構成す
る。
【0014】なお、上記耐熱部材を適用したタービンブ
レードにおいては、基材メタルを多結晶材、一方向凝固
材、単結晶材、または酸化物分散強化材で構成し、14
kgf/mm2の荷重を105時間加えるときの耐用温度
を900℃以上とする。また、上記耐熱部材を適用した
タービンノズルにおいては、基材メタルを多結晶材、一
方向凝固材、単結晶材、または酸化物分散強化材で構成
し、6kgf/mm2の荷重を105時間加えるときの耐
用温度を900℃以上とする。そして、上記タービンブ
レードやタービンノズルはガスタービンに搭載するとこ
とができる。
【0015】
【作用】現用の高温ガスタービンでは、タービンブレー
ドやノズル等の高温部材のメタル温度は800℃〜90
0℃であり、この温度範囲における材料損傷は、高温酸
化よりも燃料に含まれる硫黄成分からの高温腐食が支配
的となる。一方、将来の運転温度上昇に伴い、これら高
温部材のメタル温度が900℃〜1000℃以上に上昇
した場合、材料損傷は高温腐食よりもむしろ高温酸化が
支配的となる。MCrAlY合金層は現用温度範囲で十
分な耐酸化性、耐食性を示すが、900℃〜1000℃
以上では十分であるとは言い難い。
【0016】本発明では耐熱部材の耐酸化性耐食性被覆
層として、Irを主成分とした合金を適用した。Irは
白金系元素であり、2446℃の高融点を有する。そし
て、Nb,Ta,Mo,Wなどの他の高融点金属よりも
高温での酸化速度が遅いため、高温環境下での使用が期
待できる。このIrを被覆層のメタル層として用いれ
ば、タービンブレードやノズル等の高温部材のメタル温
度が900〜1000℃以上であっても、必要十分な高
温耐酸化性及び耐食性が得られる。
【0017】しかし、Irは貴金属元素で資源的に希少
であり、また比重が22.4と大きく重い元素である。
そのため、安価で軽い他元素との合金化によって使用す
ることは、コスト的にも機器軽量化の観点からも非常に
有効である。その場合、合金化してもその高温耐酸化特
性、耐食特性が低下しないことが条件である。合金化元
素としてはAl,Ni,Coが望ましい。Alとの合金
化は表面へのAl23皮膜の自己形成が期待でき、高耐
酸化高耐食性被覆材として、より一層の効果が期待でき
る。Ni,Coとの合金化は、Ni,Coを主成分とす
る耐熱合金基材との密着性向上に対して有効である。ま
たIr−Al−Ni系や、Ir−Al−Co系の三元合
金、あるいはIr−Al−Ni−Co系の四元合金とす
ることにより、さらにIr含有量を低減できる。さらに
これら多元合金は構成元素の配合組成により組織を制御
することで、高温耐酸化特性、耐食特性のみならず機械
的性質、特に高延性付与に対しても有効である。
【0018】Irを主成分とするメタル層の膜厚は、
0.5〜300μmが望ましい。膜厚が0.5μm以下で
は基材への拡散、あるいは基材から合金成分の拡散等に
よりメタル層の成分が消滅・変質してしまい、十分な高
温耐食及び耐酸化の効果が得られない。一方、膜厚が3
00μm以上の場合は、剥離、クラック等の問題が生じ
易くなり不適である。
【0019】本発明では、メタル層の上部にZrO2
主成分としY23 3〜20%、MgO 3〜20%、C
aO 3〜20%のうちの少なくとも一つを含むZrO2
系セラミックス層を20〜600μm厚さで被覆するこ
とも有効である。このセラミックス層はTBCとして熱
遮蔽効果を発揮し、メタル温度を低減させるために好適
である。
【0020】これら耐酸化耐食性被覆層を備えた耐熱部
材をガスタービンブレード及びノズル部品として使用す
る場合、これらのタービンブレード及びノズルを構成す
る基材メタルは、Ni,Coを主成分とする多結晶材、
一方向凝固材、単結晶材、または酸化物分散強化材であ
ることが望ましい。特にタービンブレードの場合は、1
4kgf/mm2の荷重を105時間加えたときの耐用温
度が900℃以上であること、タービンノズルの場合
は、6kgf/mm2の荷重を105時間加えたときの耐
用温度が900℃以上であることが好適である。
【0021】基材メタルにこのような合金を用いるとと
もに、耐酸化耐食性被覆層として、Irを主成分とした
Ir基合金メタル層を備えたタービンブレード及びノズ
ルを、特に初段ブレード、初段ノズルとして使用するこ
とにより、運転温度の高い高効率ガスタービンがはじめ
て可能になる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って具体的
に説明する。 (第1実施例)図1は本発明の第1実施例による耐熱部
材の断面模式図を、図2は図1の耐熱部材を適用したタ
ービンブレードの斜視図をそれぞれ示している。基材1
01となる合金はNi基超合金単結晶材(CMSX−
4、重量%で、Ni−6.6%Cr−0.6%Mo−6.
4%W−3.0%Re−5.6%Al−1.0%Ti−6.
5%Ta−9.6%Co)であり、その上に、Ir基合
金メタル層103とZrO2系セラミックスTBC被覆
層104とからなる被覆層90が形成されている。本実
施例の耐熱部材は、例えば図2に示すようなタービンブ
レードの、燃焼ガスに曝される部分である翼部200及
びプラットフォーム部202に適用される。その場合の
タービンブレード製作方法について以下に説明する。
【0023】まず、タービンブレードの被覆部分に、重
量%でIr−8.7%Al−41.7%Ni合金粉末を用
いて、減圧雰囲気中プラズマ溶射法で50μmの厚さの
Ir基合金メタル層103を形成する。その条件として
は、Ar−7%H2混合ガスを用いて形成したプラズマ
ジェット(50kW)中に上記の合金粉末を投入して溶
射するもので、溶射中の雰囲気圧力は約50Torrで
ある。なお、この前処理として基材101の脱脂洗浄、
さらにAl23製グリットによるブラスチングを行って
おく。その後、メタル層103を設けたブレードの表面
に、蒸着源とイオンビーム源を備えた成膜装置を用いて
柱状組織のZrO2系セラミックス被覆層104を形成
する。蒸着材料としては重量%でZrO2−6%Y23
を用い、イオンビームとして酸素イオンを用いる。イオ
ンビーム照射はセラミックス被膜の密着性向上のために
用いる。電子ビームによる蒸着と酸素イオン照射とによ
って、密着性の高い柱状組織のZrO2系セラミックス
TBC被覆層104を300μmの厚さに形成する。
【0024】前記メタル層103を構成するIr−8.
7%Al−41.7%Ni合金について、静止大気中1
300℃で酸化試験を行った。比較材として既存耐酸化
耐食性被覆材であるMCrAlY合金(CoNiCrA
lY合金、Co−32%Ni−21%Cr−8%Al−
0.5%Y)についても同じ条件で酸化試験を行った。
そのときの両者の重量変化を図3に示す。図から分かる
ように、本実施例におけるメタル層103は既存MCr
AlY合金よりも重量変化が小さくなっており、MCr
AlY合金以上に良好な耐酸化特性を有している。
【0025】上記Ir−8.7%Al−41.7%Ni合
金を静止大気中1300℃で25時間保持し、その後の
母材表面部を観察した。そのときの観察結果を図4に示
す。表面部には酸化物層が2層形成されており、上層は
Al、Niの混合酸化物層、下層はAl23層である。
これらAlを含んだ酸化物層の表面形成、特にAl23
層が形成されることによって、図3に示したような良好
な耐酸化特性が得られるのである。
【0026】また、上記Ir−8.7%Al−41.7%
Ni合金を全浸漬試験法により900℃で50時間保持
し、その後、溶融塩腐食による侵食深さの測定した。そ
のときの結果を図5に示す。溶融塩は重量%でNa2
4−25%NaClの組成の混合塩を使用し、比較材
として前記CoNiCrAlY合金を用いた。図に示す
ように、本実施例におけるメタル層103は、既存MC
rAlY合金と比較して溶融塩による侵食深さが小さ
く、耐食性が良好であることが分かる。
【0027】以上の結果から、Ir−8.7%Al−4
1.7%Ni合金は既存MCrAlY合金以上に耐酸化
特性及び耐食特性が良好であり、この合金をメタル層と
して用いることで、900〜1000℃以上のメタル温
度でも優れた耐酸化性及び耐食性を有するタービンブレ
ードが実現可能である。
【0028】図6は、耐酸化性及び耐食性の両面で、既
存MCrAlY合金よりも良好な特性を有するIr−A
l−Ni三元合金の組成範囲を示している。酸化試験及
び腐食試験条件は上記条件と同様である。本実施例で
は、メタル層103の合金組成をIr−8.7%Al−
41.7%Niとしたが、図中の範囲内の組成、すなわ
ちAlが8〜24%、Niが19〜58%、及び残部が
不可避不純物とIrからなるIr−Al−Ni三元合金
であれば、合金組成はいずれでもかまわない。
【0029】(第2実施例)図7は本発明の第2実施例
による耐熱部材の断面模式図を、図8は図7の耐熱部材
を適用したタービンノズルの斜視図をそれぞれ示してい
る。基材105は、Co基超合金(FSX−414、重
量%で、Co−30%Cr−10%Ni−7%W−1%
Mn−1%Si−0.2%C)であり、その上に、合金
メタル層106とZrO2系セラミックスTBC被覆層
104とからなる被覆層90が形成されている。本実施
例の耐熱部材は、例えば図8に示すようなタービンノズ
ルの、燃焼ガスに曝される部分である翼部300及びサ
イドウォール部302に適用される。その場合のタービ
ンノズル製作方法について以下に説明する。
【0030】まず、タービンノズルの被覆部分に重量%
でIr−17.7%Al−19.3%Co合金粉末を用い
て、減圧雰囲気中プラズマ溶射法で50μmの厚さのメ
タル層106を形成する。このときの条件は第1実施例
の場合と同様である。その後、メタル層106を形成し
たノズルの表面に、蒸着源を備えた成膜装置を用いて、
柱状組織のZrO2系セラミックスTBC被覆層104
を300μmの厚さに形成する。蒸着材料としては重量
%でZrO2−6%Y23を用いる。溶射条件は第1実
施例の場合と同様である。
【0031】前記メタル層106を構成するIr−1
7.7%Al−19.3%Co合金について、静止大気中
1300℃で酸化試験を行った。比較材として既存耐酸
化耐食性被覆材であるMCrAlY合金(CoNiCr
AlY合金、Co−32%Ni−21%Cr−8%Al
−0.5%Y)についても同じ条件で酸化試験を行っ
た。そのときの両者の重量変化を図9に示す。図から分
かるように、本実施例におけるメタル層106は既存M
CrAlY合金よりも重量変化が小さくなっており、M
CrAlY合金以上に良好な耐酸化特性を有している。
【0032】上記Ir−17.7%Al−19.3%Co
合金を静止大気中1300℃で25時間保持し、その後
の母材表面部を観察した。そのときの観察結果を図10
に示す。表面部には、Al23層が形成されており、こ
のため図9に示したような良好な耐酸化特性が得られる
のである。
【0033】また、上記Ir−17.7%Al−19.3
%Co合金を全浸漬試験法により900℃で50時間保
持し、その後、溶融塩腐食による侵食深さを測定した。
そのときの結果を図11に示す。溶融塩は重量%でNa
2SO4−25%NaClの組成の混合塩を使用し、比較
材として前記CoNiCrAlY合金を用いた。本実施
例におけるメタル層106は、既存MCrAlY合金と
比較して溶融塩による侵食深さが小さく、耐食性が良好
であることが分かる。
【0034】以上の結果から、Ir−17.7%Al−
19.3%Co合金は既存MCrAlY合金以上に耐酸
化特性及び耐食特性が良好であり、この合金をメタル層
として用いることで、900〜1000℃以上のメタル
温度でも優れた耐酸化性及び耐食性を有するタービンノ
ズルが実現可能である。
【0035】図12は、耐酸化性及び耐食性の両面で既
存MCrAlY合金よりも良好な特性を有するIr−A
l−Co三元合金の組成範囲を示している。酸化試験及
び腐食試験条件は上記条件と同様である。本実施例で
は、メタル層106の合金組成をIr−17.7%Al
−19.3%Coとしたが、図中の範囲内の組成、すな
わちAlが4〜25%、Coが4〜42%、及び残部が
不可避不純物とIrからなるIr−Al−Co三元合金
であれば、合金組成はいずれでもかまわない。
【0036】なお、Co基超合金基材105の上に、第
1実施例で示したIr−Al−Ni合金メタル層103
を形成し、さらにその上にZrO2系セラミックスTB
C被覆層104を形成することもできる。また逆に、第
1実施例で示したNi基超合金単結晶基材101の上
に、本実施例のIr−Al−Co合金メタル層106を
形成し、さらにその上にZrO2系セラミックスTBC
被覆層104を形成することもできる。
【0037】(第3実施例)図13は本発明の第3実施
例による耐熱部材の断面模式図を示している。基材10
1となる合金はNi基超合金単結晶材(CMSX−4、
重量%で、Ni−6.6%Cr−0.6%Mo−6.4%
W−3.0%Re−5.6%Al−1.0%Ti−6.5%
Ta−9.6%Co)であり、その上に、Ir基合金メ
タル層102とZrO2系セラミックスTBC被覆層1
04とからなる被覆層90が形成されている。本実施例
の耐熱部材は、例えば図2に示したようなタービンブレ
ードの翼部200及びプラットフォーム部202に適用
される。その場合のタービンブレード製作方法は以下の
通りである。
【0038】まず、タービンブレードの被覆部分に、重
量%で、Ir−12%Al−20%Ni−18%Co合
金粉末を用いて、減圧雰囲気中プラズマ溶射法で50μ
mの厚さのメタル層102を形成する。溶射条件は第1
実施例の場合と同様である。その後、メタル層102を
設けたブレードの表面に、蒸着源とイオンビーム源を備
えた成膜装置を用いて、第1実施例と同様に柱状組織の
ZrO2系セラミックスTBC被覆層104を300μ
mの厚さに形成する。蒸着材料としては重量%でZrO
2−6%Y23を用いる。溶射条件は第1実施例の場合
と同様である。
【0039】(第4実施例)図14は本発明の第4実施
例による耐熱部材の断面模式図を示している。基材10
1はNi基超合金単結晶材(CMSX−4、重量%で、
Ni−6.6%Cr−0.6%Mo−6.4%W−3.0%
Re−5.6%Al−1.0%Ti−6.5%Ta−9.6
%Co)であり、その上に、メタル層103からなる被
覆層90が形成されている。本実施例の耐熱部材は、例
えば図2に示したようなタービンブレードの翼部200
及びプラットフォーム部202に適用される。その場合
のタービンブレード製作方法は以下の通りである。
【0040】まず、タービンブレードの被覆部分に、重
量%でIr−8.7%Al−41.7%Ni合金粉末を用
いて、減圧雰囲気中プラズマ溶射法で300μmの厚さ
のメタル層103を形成する。溶射条件は第1実施例の
場合と同様である。本実施例では、メタル層103の合
金組成をIr−8.7%Al−41.7%Niとしたが、
重量%で、Alが8〜24%、Niが19〜58%、及
び残部が不可避不純物とIrから構成されていれば、合
金組成はいずれでもかまわない。
【0041】(第5実施例)図15は本発明の第5実施
例による耐熱部材の断面模式図を示している。基材10
5はCo基合金(FSX−414、Co−30%Cr−
10%Ni−7%W−1%Mn−1%Si−0.2%
C)であり、その上に、メタル層106からなる被覆層
90が形成されている。本実施例の耐熱部材は、例えば
図8に示したようなタービンノズルの翼部300及びサ
イドウォール部302に適用される。その場合のタービ
ンノズル製作方法は以下の通りである。
【0042】まず、タービンノズルの被覆部分に、重量
%でIr−17.7%Al−19.3%Co合金粉末を用
いて、減圧雰囲気中プラズマ溶射法で300μmの厚さ
のメタル層106を設ける。溶射条件は第1実施例の場
合と同様である。本実施例では、メタル層106の合金
組成をIr−17.7%Al−19.3%Coとしたが、
重量%で、Alが4〜25%、Coが4〜42%、およ
び残部が不可避不純物とIrから構成されていれば、合
金組成はいずれでもかまわない。
【0043】(第6実施例)図16は本発明の第6実施
例による耐熱部材の断面模式図を示している。基材10
1はNi基超合金単結晶材(CMSX−4、重量%で、
Ni−6.6%Cr−0.6%Mo−6.4%W−3.0%
Re−5.6%Al−1.0%Ti−6.5%Ta−9.6
%Co)であり、その上に、MCrAlY合金メタル層
107、メタル層103及びZrO2系セラミックスT
BC被覆層104からなる被覆層90が形成されてい
る。本実施例の耐熱部材は、例えば図2に示したような
タービンブレードの翼部200及びプラットフォーム部
202に適用される。その場合のタービンブレード製作
方法は以下の通りである。
【0044】まず、タービンブレードの被覆部分に、C
oNiCrAlY(重量%で、Co−32%Ni−21
%Cr−8%Al−0.5%Y)合金粉末を用いて、減
圧雰囲気中プラズマ溶射法で60μmの厚さのMCrA
lY合金メタル層107を形成する。溶射条件は第1実
施例の場合と同様である。さらに、重量%でIr−8.
7%Al−41.7%Ni合金粉末を用いて、減圧雰囲
気中プラズマ溶射法で20μmの厚さのメタル層103
を形成する。この場合の溶射条件も第1実施例と同様で
ある。本実施例では、メタル層103の合金組成をIr
−8.7%Al−41.7%Niとしたが、重量%で、A
lが8〜24%、Niが19〜58%、及び残部が不可
避不純物とIrから構成されていれば、合金組成はいず
れでもかまわない。
【0045】そして、その後、メタル層107,103
を設けたブレードの表面に、蒸着源とイオンビーム源を
備えた成膜装置を用いて、第1実施例と同様に、柱状組
織のZrO2系セラミックスTBC被覆層104を30
0μmの厚さに形成する。溶射条件は第1実施例の場合
と同様である。
【0046】(第7実施例)図17に本発明の第7実施
例による耐熱部材の断面模式図を示している。基材10
5はCo基合金(FSX−414、Co−30%Cr−
10%Ni−7%W−1%Mn−1%Si−0.2%
C)であり、その上に、MCrAlY合金メタル層10
7、メタル層106及びZrO2系セラミックスTBC
被覆層104からなる被覆層90が形成されている。本
実施例の耐熱部材は、例えば図8に示したようなタービ
ンノズルの翼部300及びサイドウォール部302に適
用される。その場合のタービンノズル製作方法は以下の
通りである。
【0047】まず、タービンノズルの被覆部分に、Co
NiCrAlY(重量%で、Co−32%Ni−21%
Cr−8%Al−0.5%Y)合金粉末を用いて、減圧
雰囲気中プラズマ溶射法で60μmの厚さのMCrAl
Yメタル層107を形成する。溶射条件は第1実施例の
場合と同様である。さらに重量%でIr−17.7%A
l−19.3%Co合金粉末を用いて減圧雰囲気中プラ
ズマ溶射法で20μmの厚さのメタル層106を形成す
る。この場合の溶射条件も第1実施例1と同様である。
本実施例では、メタル層106の合金組成をIr−1
7.7%Al−19.3%Coとしたが、重量%で、Al
が4〜25%、Coが4〜42%、および残部が不可避
不純物とIrから構成されていれば、合金組成はいずれ
でもかまわない。
【0048】その後、メタル層107,106を形成し
たブレードの表面に、蒸着源とイオンビーム源を備えた
成膜装置を用いて、第1実施例と同様に柱状組織のZr
2系セラミックスTBC被覆層104を300μmを
形成する。溶射条件は第1実施例の場合と同様である。
【0049】なお、基材は本実施例と同様にCo基超合
金105とし、MCrAlY合金メタル層107の上
に、第6実施例で示したIr−Al−Ni合金メタル層
103を形成し、さらにその上にZrO2系セラミック
スTBC被覆層104を形成することもできる。逆に、
基材は第6実施例で示したNi基超合金単結晶材101
とし、MCrAlY合金メタル層107の上に、本実施
例のIr−Al−Co合金メタル層106を形成し、さ
らにその上にZrO2系セラミックスTBC被覆層10
4を形成することもできる。
【0050】(第8実施例)次に、本発明の第8実施例
について説明する。本実施例は、第1〜7実施例の耐熱
部材が適用されたガスタービンブレード又はガスタービ
ンノズルを、ガスタービン初段ブレード及びガスタービ
ン初段ノズルに用いたもので、図18はその具体例とし
て発電用ガスタービンの回転部分の断面図を示してい
る。図において、3は初段ブレード、5は第2段ブレー
ド、7は第3段ブレード、20は初段ノズル、25は第
2段ノズル、27は第3段ノズル、4はタービンディス
クである。本実施例においては、タービンブレード及び
タービンノズルがそれぞれ3段づつ設けられている。
【0051】本実施例におけるガスタービンは、主な形
式がヘビーテューティ形、一軸形、水平分割ケーシン
グ、スタッキング式ロータからなり、圧縮機が17段軸
流形、タービンが3段インパルス形、燃焼器はバースフ
ロー形、16缶、スロットクール方式を有するものであ
る。
【0052】本実施例におけるガスタービンの初段ター
ビンブレード3は、第1,3,4,6実施例に示した耐
熱部材で形成されている。その基材部分はNi基超合金
の単結晶鋳造物であり、重量%で、Cr 6〜8%、M
o 0.5〜1%、W 6〜8%、Re 1〜4%、Al
4〜6%、Ta 6〜9%、Co 0.5〜10%、Hf
1.0%以下、Ti 1.0%以下、および残部が不可避
不純物とNiからなる合金で構成されている。初段ター
ビンブレード3の翼部の全長は約220mmである。こ
の単結晶鋳造物の105時間14kgf/mm2の耐用温
度は930℃〜940℃であり、内部に複雑な空気冷却
孔が設けられ運転中は圧縮空気により冷却される。冷却
方式はクローズド方式、冷却構造はスタッガードリブ方
式である。
【0053】第2段タービンブレード5及び第3段ター
ビンブレード7は、重量%で、Cr12〜16%、Mo
0.5〜2%、W 2〜5%、Al 2.5〜5%、Ti
3〜5%、Ta 1.5〜3%、Co 8〜10%、C
0.05〜0.15%、B 0.005〜0.02%、およ
び残部が不可避不純物とNiからなるNi基超合金で構
成されている。これらのブレードは通常の鋳造により得
られる等軸晶組織を有する。それぞれ内部冷却孔を有し
ており、圧縮空気により冷却される。また、これらの材
料の105時間14kgf/mm2の耐用温度は840℃
〜860℃である。ブレード表面にはCrあるいはAl
の拡散コーティングが施され、耐食性を高めてある。な
お、上記タービンブレードの基材部分は、単結晶材以外
に、多結晶材、一方向凝固材または酸化物分散強化材で
も良い。
【0054】本実施例における初段タービンノズル20
は、第2,5,7実施例に示した耐熱部材で形成されて
いる。その基材部分には、重量%で、Cr 24〜30
%、Ni 8〜12%、W 6〜9%、Ti 0.1〜0.
4%、C 0.2〜0.4%、B0.005%以下、Fe
1.0%以下、Zr 1.0%以下、Nb 0.3%以下、
Hf 1.0 %以下、Ta 2.0%以下、Mn 1.0%
以下、Si 1.0%以下、および残部が不可避不純物と
CoからなるCo基超合金の普通鋳造材(等軸晶組織)
で構成されている。この合金の105時間6kgf/m
2の耐用温度は900℃〜910℃である。冷却は、
クローズド方式のインピンジ冷却である。初段ノズルの
外表面の火炎に接する部分には遮熱コーティング層が設
けられてる。これは、柱状晶組織を有するY23安定化
ZrO2層と、ベース金属とZrO2層との間の結合層と
からなる。該結合層は重量でAl 2〜5%、Cr 20
〜30%、Y 0.1〜1%を含み、残部がNi又はNi
+Coからなる合金からなり、耐食性を向上させる効果
も併せもっている。
【0055】第2段タービンノズル25及び第3段ター
ビンノズル27には、重量で、Cr21〜24%、Co
18〜23%、C 0.05〜0.20%、W 1〜8
%。
【0056】Al 1〜2%、Ti 2〜3%、Ta 0.
5〜1.5%、B 0.05〜0.15%、および残部が不
可避不純物とNiからなる合金Ni基超合金で構成され
ている。これらのノズルは通常の鋳造により得られる等
軸晶組織である。特に遮熱コーティング層を設ける必要
はないが、第2段ノズルには耐食性を高めるためにCr
あるいはAlの拡散コーティングが施されている。それ
ぞれ内部冷却孔を有しており、圧縮空気により冷却され
る。これらの材料の105時間6kgf/mm2の耐用温
度は840℃〜860℃である。なお、上記タービンノ
ズルの基材部分は、単結晶材、多結晶材、一方向凝固材
または酸化物分散強化材で構成されている。
【0057】本実施例ではタービンディスク4に、重量
で、C 0.05〜0.2%、Si 0.5%以下、Mn 1
%以下、Cr 8〜13%、Ni 3%以下、Mo 1.5
〜3%、V 0.05%〜0.3%、Nb 0.02〜0.2
%、N 0.02〜0.1%及び残部が実質的にNiから
なるNi基鍛造合金が用いられている。該Ni基鍛造合
金は、450℃、10hクリープ破断強度が50kg/
mm2以上、20℃Vノッチシャルピー衝撃値が7kg
−m/cm 以上であり、高温ガスタービン用材として
必要な強度を十分に有している。なお、コンプレッサー
ブレードは17段で、得られる空気圧縮比は18であ
る。また使用燃料として、天然ガス、軽油が使用され
る。
【0058】以上の構成によって、総合的により信頼性
が高くバランスされたガスタービンが得られ、初段ター
ビンノズルへのガス入り口温度が1500℃、初段ター
ビンブレードのメタル温度が920℃、ガスタービンの
排ガス温度は650℃となり、発電効率がLHV表示で
37%以上の発電用ガスタービンを実現することが可能
となる。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
900〜1000℃以上のメタル温度でも優れた耐酸化
性及び耐食性を有する被覆用合金または被覆層を備えた
耐熱部材を得ることができる。その結果、その被覆用合
金または耐熱部材をタービンブレードやタービンノズル
に適用することにより、燃焼温度の高いガスタービンが
実現可能となり、タービンの効率を大幅に高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による耐熱部材の断面模式
図である。
【図2】ガスタービンブレードの斜視図である。
【図3】Ir−Al−Ni合金とMCrAlY合金の酸
化試験結果を示した図である。
【図4】Ir−Al−Ni合金の酸化試験後の表面部を
示した図である。
【図5】Ir−Al−Ni合金とMCrAlY合金の腐
食試験結果を示した図である。
【図6】Ir−Al−Ni三元合金の組成範囲を示した
図である。
【図7】本発明の第2実施例による耐熱部材の断面模式
図である。
【図8】ガスタービンノズルの斜視図である。
【図9】Ir−Al−Co合金とMCrAlY合金の酸
化試験結果を示した図である。
【図10】Ir−Al−Co合金の酸化試験後の表面部
を示した図である。
【図11】Ir−Al−Co合金とMCrAlY合金の
腐食試験結果を示した図である。
【図12】Ir−Al−Co三元合金の組成範囲を示し
た図である。
【図13】本発明の第3実施例による耐熱部材の断面模
式図である。
【図14】本発明の第4実施例による耐熱部材の断面模
式図である。
【図15】本発明の第5実施例による耐熱部材の断面模
式図である。
【図16】本発明の第6実施例による耐熱部材の断面模
式図である。
【図17】本発明の第7実施例による耐熱部材の断面模
式図である。
【図18】本発明の第8実施例によるガスタービンの回
転部分の断面摸式図である。
【符号の説明】
3 初段タービンブレード 4 タービンディスク 5 第2段タービンブレード 7 第3段タービンブレード 20 初段タービンノズル 25 第2段タービンノズル 27 第3段タービンノズル 90 被覆層 101 Ni基超合金単結晶基材 102 Ir基合金メタル層 103 Ir−Al−Ni合金メタル層 104 ZrO2系柱状セラミックスTBC層 105 Co基超合金基材 106 Ir−Al−Co合金メタル層 107 MCrAlY合金メタル層 200 翼部 202 プラットホーム部 300 翼部 302 サイドウォール部
フロントページの続き (72)発明者 児島 慶享 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 福井 寛 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量で、Al 8〜24%及びNi 19
    〜58%を含むIr合金からなることを特徴とする耐酸
    化耐食性被覆用合金。
  2. 【請求項2】 Ni,CoまたはFeを主成分とする耐
    熱合金基材の表面に耐酸化耐食性被覆層を備えた耐熱部
    材において、少なくとも前記耐酸化耐食性被覆層のうち
    の一層は、重量で、Al 4〜25%及びCo 4〜42
    %を含むIr合金からなる合金メタル層であることを特
    徴とする耐酸化耐食性被覆層を備えた耐熱部材。
  3. 【請求項3】 Ni,CoまたはFeを主成分とする耐
    熱合金基材の表面に耐酸化耐食性被覆層を備えた耐熱部
    材において、少なくとも前記耐酸化耐食性被覆層のうち
    の一層は、Irを主成分として、Al 5〜30%、N
    i 6〜50%及びCo 5〜40%を含有する合金から
    なる合金メタル層であることを特徴とする耐酸化耐食性
    被覆層を備えた耐熱部材。
  4. 【請求項4】 Ni,CoまたはFeを主成分とする耐
    熱合金基材の表面に耐酸化耐食性被覆層を備えた耐熱部
    材において、少なくとも前記耐酸化耐食性被覆層のうち
    の一層は、Irを主成分として、Ni 3〜25%及び
    Co 2〜25%を含有する合金からなる合金メタル層
    であることを特徴とする耐酸化耐食性被覆層を備えた耐
    熱部材。
  5. 【請求項5】 請求項2,3又は4記載の耐熱部材にお
    いて、前記合金メタル層は、厚さが0.5〜300μm
    であることを特徴とする耐酸化耐食性被覆層を備えた耐
    熱部材。
  6. 【請求項6】 請求項2,3又は4記載の耐熱部材にお
    いて、前記合金メタル層の表面は、ZrO2を主成分と
    し、Y23 3〜20%、MgO 3〜20%、CaO
    3〜20%のうちの少なくとも一つを含む、20〜60
    0μmの厚さのZrO2系セラミックス層によって被覆
    されていることを特徴とする耐酸化耐食性被覆層を備え
    た耐熱部材。
  7. 【請求項7】 Niを主成分とする基材メタルの表面に
    耐酸化耐食性被覆層を形成したタービンブレードにおい
    て、少なくとも前記耐酸化耐食性被覆層のうちの一層
    を、請求項3又は4に記載の合金メタル層で構成したこ
    とを特徴とするタービンブレード。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のタービンブレードにおい
    て、前記基材メタルは、多結晶材、一方向凝固材、単結
    晶材、または酸化物分散強化材で構成され、14kgf
    /mm2の荷重を105時間加えるときの耐用温度は90
    0℃以上であることを特徴とするタービンブレード。
  9. 【請求項9】 Coを主成分とする基材メタルの表面に
    耐酸化耐食性被覆層を形成したタービンノズルにおい
    て、少なくとも前記耐酸化耐食性被覆層のうちの一層
    を、請求項2,3又は4に記載の合金メタル層で構成し
    たことを特徴とするタービンノズル。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のタービンノズルにおい
    て、前記基材メタルは、多結晶材、一方向凝固材、単結
    晶材、または酸化物分散強化材で構成され、6kgf/
    mm2の荷重を105時間加えるときの耐用温度は900
    ℃以上であることを特徴とするタービンノズル。
  11. 【請求項11】 コンプレッサによって圧縮された空気
    により燃焼された燃焼ガスを、タービンノズルを介し
    て、複数のディスクに各々植設されたタービンブレード
    に衝突させて、該タービンブレードを回転させるガスタ
    ービンにおいて、請求項7又は8記載のタービンブレー
    ドもしくは請求項9又は10記載のタービンノズルのう
    ちの、少なくともどちらかを搭載したことを特徴とする
    ガスタービン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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