JPH0966263A - 耐海水性に優れた表面被覆金属材料および表面被覆金属パイプ - Google Patents
耐海水性に優れた表面被覆金属材料および表面被覆金属パイプInfo
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- JPH0966263A JPH0966263A JP22613195A JP22613195A JPH0966263A JP H0966263 A JPH0966263 A JP H0966263A JP 22613195 A JP22613195 A JP 22613195A JP 22613195 A JP22613195 A JP 22613195A JP H0966263 A JPH0966263 A JP H0966263A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】長期間海水中に浸漬される装置にカソ−ド防食
を施さずに長期間使用できる耐海水性に優れた表面被覆
金属材料、特にパイプの提供。 【解決手段】(1)ステンレス鋼もしくはニッケル基合
金など、表面にCrの不働態皮膜を形成する金属材料で
あって、その海水と接する面に抗菌剤を含む被覆層を有
する金属材料。 (2)ステンレス鋼、またはニッケル基合金など、表面
にCrの不働態皮膜を形成する金属パイプであって、そ
の海水と接する面に抗菌剤を含む被覆層を有する金属パ
イプ。 【効果】原油および天然ガス生産用油井のフロ−ライン
あるいは海底ラインパイプにカソ−ド防食なしに長期間
使用でき、大幅なメンテナンス費用の削減を可能とす
る。
を施さずに長期間使用できる耐海水性に優れた表面被覆
金属材料、特にパイプの提供。 【解決手段】(1)ステンレス鋼もしくはニッケル基合
金など、表面にCrの不働態皮膜を形成する金属材料で
あって、その海水と接する面に抗菌剤を含む被覆層を有
する金属材料。 (2)ステンレス鋼、またはニッケル基合金など、表面
にCrの不働態皮膜を形成する金属パイプであって、そ
の海水と接する面に抗菌剤を含む被覆層を有する金属パ
イプ。 【効果】原油および天然ガス生産用油井のフロ−ライン
あるいは海底ラインパイプにカソ−ド防食なしに長期間
使用でき、大幅なメンテナンス費用の削減を可能とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期間海水中に浸
漬される装置、例えば海底ラインパイプあるいは海底油
田の原油および天然ガス採取用油井のフロ−ラインのパ
イプであって、カソ−ド防食を施さなくても長期間使用
できる耐海水性に優れた表面被覆金属パイプおよび表面
被覆金属材料に関する。
漬される装置、例えば海底ラインパイプあるいは海底油
田の原油および天然ガス採取用油井のフロ−ラインのパ
イプであって、カソ−ド防食を施さなくても長期間使用
できる耐海水性に優れた表面被覆金属パイプおよび表面
被覆金属材料に関する。
【0002】
【従来の技術】海底油田における原油および天然ガスの
生産および輸送に用いられるパイプは、原油等に対する
内面の耐食性に加えて、外面において優れた耐海水性が
要求される。一般に、ラインパイプ等に用いられる材料
は、内面の原油等の腐食作用に応じて、炭素鋼、13C
r鋼、2相ステンレス鋼あるいはNi基合金等が用いら
れる。これらのうちステンレス鋼は、表面にCrの不働
態皮膜を形成するので海水中での全面腐食は少ないもの
の、海水中での孔食および局部腐食感受性がいちじるし
く高いことが知られている(宇城:材料と環境,41
(1992),p.329)。このため、海水に接する
外面はポリエチレン等の樹脂により外面被覆が施され、
それと併用して犠牲陽極によるカソ−ド防食法が行われ
る。カソ−ド防食は外面の樹脂が外的要因により傷つけ
られたりあるいは樹脂中にピンホ−ルが存在した場合、
下地の鋼材が海水に曝されて局所的に腐食が進行するの
を防止する目的でなされる。しかし、カソ−ド防食は犠
牲陽極の取り替え等のメンテナンスが必要であり、きわ
めて不経済である。
生産および輸送に用いられるパイプは、原油等に対する
内面の耐食性に加えて、外面において優れた耐海水性が
要求される。一般に、ラインパイプ等に用いられる材料
は、内面の原油等の腐食作用に応じて、炭素鋼、13C
r鋼、2相ステンレス鋼あるいはNi基合金等が用いら
れる。これらのうちステンレス鋼は、表面にCrの不働
態皮膜を形成するので海水中での全面腐食は少ないもの
の、海水中での孔食および局部腐食感受性がいちじるし
く高いことが知られている(宇城:材料と環境,41
(1992),p.329)。このため、海水に接する
外面はポリエチレン等の樹脂により外面被覆が施され、
それと併用して犠牲陽極によるカソ−ド防食法が行われ
る。カソ−ド防食は外面の樹脂が外的要因により傷つけ
られたりあるいは樹脂中にピンホ−ルが存在した場合、
下地の鋼材が海水に曝されて局所的に腐食が進行するの
を防止する目的でなされる。しかし、カソ−ド防食は犠
牲陽極の取り替え等のメンテナンスが必要であり、きわ
めて不経済である。
【0003】以下において局部腐食感受性が高いとは、
孔食など、局所的な腐食が短期間に進行し、厚さ方向の
最大腐食深さが大きいことをいう。また、全面腐食が少
ないとは、一定以上の面積に対して腐食減量が少ないこ
とをいい、厚さ方向の平均腐食深さが小さいことをい
う。耐海水性が高いとは、全面腐食が少なく同時に局部
腐食感受性が小さいことを指す。
孔食など、局所的な腐食が短期間に進行し、厚さ方向の
最大腐食深さが大きいことをいう。また、全面腐食が少
ないとは、一定以上の面積に対して腐食減量が少ないこ
とをいい、厚さ方向の平均腐食深さが小さいことをい
う。耐海水性が高いとは、全面腐食が少なく同時に局部
腐食感受性が小さいことを指す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、長期間海水
中に浸漬される装置に使用される金属材料として、カソ
−ド防食を施さずに長期間使用できる耐海水性に優れた
表面被覆金属材料、とりわけ表面被覆ステンレスパイプ
を提供することを目的とする。
中に浸漬される装置に使用される金属材料として、カソ
−ド防食を施さずに長期間使用できる耐海水性に優れた
表面被覆金属材料、とりわけ表面被覆ステンレスパイプ
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】海水中でステンレス鋼の
局部腐食感受性が増大する現象は、海水中の微生物の影
響によるものであることが知られている(天谷:溶接学
会誌,64(1995),p.146)。しかし、鋼材
が接する海水自体を滅菌するのは現実的ではない。そこ
で、発明者らは、被覆樹脂に抗菌剤を含ませたところ、
被覆樹脂の傷部やピンホ−ル等の欠陥部直下のステンレ
ス鋼表面での微生物繁殖が阻止されるという事実を見い
だした。その結果、カソ−ド防食を行わなくてもそのよ
うな部位においてステンレス鋼の海水腐食は発生しなか
った。従来そのような部位ではカソ−ド防食を施さなけ
れば腐食は抑制されなかったものである。本発明はこれ
らの知見に基づいて完成された。ここで抗菌剤とは、海
水中で局部腐食を促進する微生物を付着させない作用ま
たはこれら微生物を繁殖させない作用をもつ物質をい
う。
局部腐食感受性が増大する現象は、海水中の微生物の影
響によるものであることが知られている(天谷:溶接学
会誌,64(1995),p.146)。しかし、鋼材
が接する海水自体を滅菌するのは現実的ではない。そこ
で、発明者らは、被覆樹脂に抗菌剤を含ませたところ、
被覆樹脂の傷部やピンホ−ル等の欠陥部直下のステンレ
ス鋼表面での微生物繁殖が阻止されるという事実を見い
だした。その結果、カソ−ド防食を行わなくてもそのよ
うな部位においてステンレス鋼の海水腐食は発生しなか
った。従来そのような部位ではカソ−ド防食を施さなけ
れば腐食は抑制されなかったものである。本発明はこれ
らの知見に基づいて完成された。ここで抗菌剤とは、海
水中で局部腐食を促進する微生物を付着させない作用ま
たはこれら微生物を繁殖させない作用をもつ物質をい
う。
【0006】ここに、本発明は以下の塗料あるいは高分
子樹脂で表面を被覆した金属材料および金属パイプを要
旨とする。
子樹脂で表面を被覆した金属材料および金属パイプを要
旨とする。
【0007】(1)片面または両面が抗菌剤を含む被覆
層で被覆されていることを特徴とするステンレス鋼およ
びニッケル基合金材料。
層で被覆されていることを特徴とするステンレス鋼およ
びニッケル基合金材料。
【0008】(2)前記(1)に記載する金属材料から
なる金属パイプ。
なる金属パイプ。
【0009】
1.抗菌剤 実際の海水中において、ステンレス鋼の局部腐食感受性
が高いのは、海水中に存在している微生物の活動がある
からである。そこで、被覆樹脂中に抗菌剤を分散させて
抗菌性を持たせたところ、前記した通りカソ−ド防食を
行わなくても被覆樹脂のピンホ−ル部直下近傍のステン
レス鋼において、微生物が繁殖するのを抑制することが
できた。この結果、微生物に起因する局部腐食感受性の
増大が防止される。
が高いのは、海水中に存在している微生物の活動がある
からである。そこで、被覆樹脂中に抗菌剤を分散させて
抗菌性を持たせたところ、前記した通りカソ−ド防食を
行わなくても被覆樹脂のピンホ−ル部直下近傍のステン
レス鋼において、微生物が繁殖するのを抑制することが
できた。この結果、微生物に起因する局部腐食感受性の
増大が防止される。
【0010】ここで、抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等
の金属イオンの抗菌性を利用した各種の無機抗菌剤、第
4級アンモニウム塩等の有機抗菌剤、抗菌性天然物およ
びその誘導体などが一般的なものとして挙げられる。こ
れらを塗料または高分子樹脂の中に分散させたものが後
記する被覆剤となる。前記以外の無機抗菌剤としては、
例えばゼオライト、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニ
ウム、酸化ケイ素、溶解性ガラス、チタニア等に銀、
銅、亜鉛等の抗菌性のある金属元素を担持させたものや
亜酸化銅、酸化亜鉛等がある。
の金属イオンの抗菌性を利用した各種の無機抗菌剤、第
4級アンモニウム塩等の有機抗菌剤、抗菌性天然物およ
びその誘導体などが一般的なものとして挙げられる。こ
れらを塗料または高分子樹脂の中に分散させたものが後
記する被覆剤となる。前記以外の無機抗菌剤としては、
例えばゼオライト、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニ
ウム、酸化ケイ素、溶解性ガラス、チタニア等に銀、
銅、亜鉛等の抗菌性のある金属元素を担持させたものや
亜酸化銅、酸化亜鉛等がある。
【0011】有機抗菌剤としては、例えば、 (a) 第4級アンモニウム塩系: ・オクタデシルジメチル−3−トリメトキシルプロピル
アンモニウムクロリド(ODTAC)、 ・ポリヘキサメチレンビグアニドハイドロクロリド(P
BH)等 (b) チアゾ−ル系: ・1,2−ベンツイソチアソリン−3−オン(BI
T)、 ・5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン(MIT)等 (c) ヨ−ド系、 ・3−ヨ−ド−2−プロパギルブチルカルバミン酸(I
PBC)等 (d) ニトリル系: ・2,3,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル
(TPN)等 (e) フェノ−ル系: ・p−クロロ−m−クレゾ−ル(PCMC)等 (f) ハロアルキルチオ系: ・N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド等 (g) ピリジン系: ・2−ピリジンチオ−ル−1−オキシド亜鉛等 (h) トリアジン系: ・ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−S−トリア
ジン等 (i) ブロム系: ・ヘキサブロモジメチルスルホ−ト系: ・メチレンビスチオシアネ−ト(BMTC)等 、が挙
げられる。
アンモニウムクロリド(ODTAC)、 ・ポリヘキサメチレンビグアニドハイドロクロリド(P
BH)等 (b) チアゾ−ル系: ・1,2−ベンツイソチアソリン−3−オン(BI
T)、 ・5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン(MIT)等 (c) ヨ−ド系、 ・3−ヨ−ド−2−プロパギルブチルカルバミン酸(I
PBC)等 (d) ニトリル系: ・2,3,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル
(TPN)等 (e) フェノ−ル系: ・p−クロロ−m−クレゾ−ル(PCMC)等 (f) ハロアルキルチオ系: ・N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド等 (g) ピリジン系: ・2−ピリジンチオ−ル−1−オキシド亜鉛等 (h) トリアジン系: ・ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−S−トリア
ジン等 (i) ブロム系: ・ヘキサブロモジメチルスルホ−ト系: ・メチレンビスチオシアネ−ト(BMTC)等 、が挙
げられる。
【0012】天然物およびその誘導体としては、例えば
キトサン、タンニン等がある。
キトサン、タンニン等がある。
【0013】2.被覆剤 海水に接触する面の被覆に用いる樹脂は、とくに限定さ
れるものではない。しかし、有機抗菌剤や天然物は一般
に耐熱性が低いので、常温で成形できる塗料や樹脂中に
分散させて利用するのが好ましい。これに対して、無機
抗菌剤は熱に対する安定度が高いので、加熱して成形す
る樹脂や塗料、例えばポリエチレンや粉体エポキシ等に
練り込んで被覆することが可能である。また、常温で成
形できる樹脂や塗料中に分散させて用いることもでき
る。
れるものではない。しかし、有機抗菌剤や天然物は一般
に耐熱性が低いので、常温で成形できる塗料や樹脂中に
分散させて利用するのが好ましい。これに対して、無機
抗菌剤は熱に対する安定度が高いので、加熱して成形す
る樹脂や塗料、例えばポリエチレンや粉体エポキシ等に
練り込んで被覆することが可能である。また、常温で成
形できる樹脂や塗料中に分散させて用いることもでき
る。
【0014】被覆剤に含まれる抗菌剤は、上記の抗菌剤
のいずれも、重量%で、0.05〜0.50%の含有量
とする。0.05%以下では充分に抗菌性が発揮され
ず、0.50%を超えても、その効果は飽和して不経済
となるからである。
のいずれも、重量%で、0.05〜0.50%の含有量
とする。0.05%以下では充分に抗菌性が発揮され
ず、0.50%を超えても、その効果は飽和して不経済
となるからである。
【0015】3.金属材料 本発明の対象となるステンレス鋼およびニッケル基合金
材料とは、表面にCrの不働態皮膜を形成する全ての金
属材料を意味する。例えば、13Cr鋼、フェライト系
ステンレス鋼、オ−ステナイト系ステンレス鋼、2相ス
テンレス鋼やNi基合金である。いずれも海水中でその
Crの不働態皮膜のために耐全面腐食性はあるが、局部
腐食感受性が高いものである。
材料とは、表面にCrの不働態皮膜を形成する全ての金
属材料を意味する。例えば、13Cr鋼、フェライト系
ステンレス鋼、オ−ステナイト系ステンレス鋼、2相ス
テンレス鋼やNi基合金である。いずれも海水中でその
Crの不働態皮膜のために耐全面腐食性はあるが、局部
腐食感受性が高いものである。
【0016】4.被覆の方法 (1)パイプ以外の金属材料の場合、例えば厚板では、
溶接のための開先近傍以外は厚板製造現場にて被覆が行
われ、組立現場では手直しのための被覆または海水中で
の使用に対して完全となるよう追加の被覆が施される。
被覆は海水と接する表面に対して行われ、その使用の態
様に応じて海水と接する片面あるいは両面が被覆され
る。
溶接のための開先近傍以外は厚板製造現場にて被覆が行
われ、組立現場では手直しのための被覆または海水中で
の使用に対して完全となるよう追加の被覆が施される。
被覆は海水と接する表面に対して行われ、その使用の態
様に応じて海水と接する片面あるいは両面が被覆され
る。
【0017】樹脂の場合は、予め抗菌剤を含んだ樹脂の
シ−トを、加熱して接着するかあるいは溶剤により接着
し後に溶剤を蒸発させることにより被覆を形成する。塗
料の場合は、スプレ−により塗装される。
シ−トを、加熱して接着するかあるいは溶剤により接着
し後に溶剤を蒸発させることにより被覆を形成する。塗
料の場合は、スプレ−により塗装される。
【0018】厚板などの形状の如何によらずに、被覆さ
れる金属の材質は上記した13Cr鋼、フェライト系ス
テンレス鋼、オ−ステナイト系ステンレス鋼、2相ステ
ンレス鋼やNi基合金などが対象となる。
れる金属の材質は上記した13Cr鋼、フェライト系ス
テンレス鋼、オ−ステナイト系ステンレス鋼、2相ステ
ンレス鋼やNi基合金などが対象となる。
【0019】(2)金属パイプの場合は、樹脂または塗
料による外面被覆は、パイプが製造された後にパイプ製
造現場において行われる。樹脂および塗料ともに上記
(1)の場合と同様である。パイプ外面に樹脂シ−トを
巻き付ける場合は、簡便な装置によりパイプを回転させ
るか、あるいはシ−トコイルをパイプの周囲に回転させ
ながら外面被覆を施す。パイプの場合も、海水と接する
表面が被覆され、海水と接するパイプの内面もしくは外
面または内外両面が被覆される。
料による外面被覆は、パイプが製造された後にパイプ製
造現場において行われる。樹脂および塗料ともに上記
(1)の場合と同様である。パイプ外面に樹脂シ−トを
巻き付ける場合は、簡便な装置によりパイプを回転させ
るか、あるいはシ−トコイルをパイプの周囲に回転させ
ながら外面被覆を施す。パイプの場合も、海水と接する
表面が被覆され、海水と接するパイプの内面もしくは外
面または内外両面が被覆される。
【0020】また、ラインパイプ敷設などにおいて、円
周溶接されながら敷設されるとき、海底に敷設されて海
水と接触する部位全てが覆われるよう円周溶接部近傍の
手直しをするなど、敷設作業のなかでも被覆作業が行わ
れる。フロ−ラインの場合も、同様である。被覆の大部
分はパイプ製造現場にて行われるが、フロ−ライン組立
現場においても、主として円周溶接部の近傍の手直しの
ための被覆が追加して行われる。円周溶接部の手直しに
は、ポリエチレンの熱収縮チュ−ブを用いたり、また
は、塗料のスプレ−塗装等を行う。この場合、用いる樹
脂または塗料中に製造現場においてパイプに外面被覆し
たものと同じ組成となるように抗菌剤を配合しておけば
よい。
周溶接されながら敷設されるとき、海底に敷設されて海
水と接触する部位全てが覆われるよう円周溶接部近傍の
手直しをするなど、敷設作業のなかでも被覆作業が行わ
れる。フロ−ラインの場合も、同様である。被覆の大部
分はパイプ製造現場にて行われるが、フロ−ライン組立
現場においても、主として円周溶接部の近傍の手直しの
ための被覆が追加して行われる。円周溶接部の手直しに
は、ポリエチレンの熱収縮チュ−ブを用いたり、また
は、塗料のスプレ−塗装等を行う。この場合、用いる樹
脂または塗料中に製造現場においてパイプに外面被覆し
たものと同じ組成となるように抗菌剤を配合しておけば
よい。
【0021】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明する。
【0022】表1は被覆の対象としたステンレス鋼の化
学組成を表す一覧表である。
学組成を表す一覧表である。
【0023】同表において、鋼A、B、CおよびDはそ
れぞれ13Cr鋼、オ−ステナイト系ステンレス鋼、2
相ステンレス鋼およびNi基合金である。図1は試験片
の形状を表す図面である。表1に示す組成の鋼板を10
0mm幅×200mm長さ×5mm厚に切り出し金属2
とした。これに対する被覆1として、抗菌剤を含有した
塗料の場合は50μm厚、また抗菌剤を練り込んだポリ
エチレンの場合は1mm厚の被覆を施した。端面および
裏面はシリコン樹脂を用いてシ−ルした。耐海水性の評
価として、上記した試験片の被覆1の中央に1mmφの
人工欠陥3を設け、海水中に1年間浸漬した。耐海水性
は、人工欠陥3の近傍での腐食の発生の有無を光学顕微
鏡で観察して評価した。人工欠陥部での腐食発生の有無
は局部腐食感受性の適切な評価として知られている。表
2は、この試験結果を、抗菌剤と被覆1の種類および適
用した金属2との組み合わせについて示す一覧表であ
る。
れぞれ13Cr鋼、オ−ステナイト系ステンレス鋼、2
相ステンレス鋼およびNi基合金である。図1は試験片
の形状を表す図面である。表1に示す組成の鋼板を10
0mm幅×200mm長さ×5mm厚に切り出し金属2
とした。これに対する被覆1として、抗菌剤を含有した
塗料の場合は50μm厚、また抗菌剤を練り込んだポリ
エチレンの場合は1mm厚の被覆を施した。端面および
裏面はシリコン樹脂を用いてシ−ルした。耐海水性の評
価として、上記した試験片の被覆1の中央に1mmφの
人工欠陥3を設け、海水中に1年間浸漬した。耐海水性
は、人工欠陥3の近傍での腐食の発生の有無を光学顕微
鏡で観察して評価した。人工欠陥部での腐食発生の有無
は局部腐食感受性の適切な評価として知られている。表
2は、この試験結果を、抗菌剤と被覆1の種類および適
用した金属2との組み合わせについて示す一覧表であ
る。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】抗菌性を有する樹脂または塗料で被覆した
場合、ステンレス鋼およびNi基合金の人工欠陥部での
微生物の繁殖が抑制され、海水に対する局部腐食感受性
が抑制されている。これに対して抗菌剤を含まない樹脂
を用いた比較例では、微生物の影響を受けて、腐食が発
生し、充分低い局部腐食感受性が得られないことが明白
である。
場合、ステンレス鋼およびNi基合金の人工欠陥部での
微生物の繁殖が抑制され、海水に対する局部腐食感受性
が抑制されている。これに対して抗菌剤を含まない樹脂
を用いた比較例では、微生物の影響を受けて、腐食が発
生し、充分低い局部腐食感受性が得られないことが明白
である。
【0027】Znアノ−ドによるカソ−ド防食を行った
試験材では、本発明例と同様に局部腐食は生じなかった
が、上記したようにカソ−ド防食を行うとZnアノ−ド
の取り替え等に多くの費用を発生し、本発明に比較して
きわめて不経済である。
試験材では、本発明例と同様に局部腐食は生じなかった
が、上記したようにカソ−ド防食を行うとZnアノ−ド
の取り替え等に多くの費用を発生し、本発明に比較して
きわめて不経済である。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る表面被覆金属材料、とくに
金属パイプは、被覆中の抗菌剤の抗菌作用により、カソ
−ド防食を行わなくても樹脂欠陥部のパイプの海水腐食
を抑制する。例えば海底油田の原油および天然ガス生産
用油井のフロ−ラインあるいは海底ラインパイプにカソ
−ド防食なしで長期間使用でき、大幅なメンテナンス費
用の削減を可能とする。本金属パイプは既存の耐海水性
ステンレスパイプ等に所定の被覆を施すことにより容易
に、かつ高能率で生産することが可能である。
金属パイプは、被覆中の抗菌剤の抗菌作用により、カソ
−ド防食を行わなくても樹脂欠陥部のパイプの海水腐食
を抑制する。例えば海底油田の原油および天然ガス生産
用油井のフロ−ラインあるいは海底ラインパイプにカソ
−ド防食なしで長期間使用でき、大幅なメンテナンス費
用の削減を可能とする。本金属パイプは既存の耐海水性
ステンレスパイプ等に所定の被覆を施すことにより容易
に、かつ高能率で生産することが可能である。
【図1】実施例の耐海水性試験に用いた試験片の形状を
表す図面である。
表す図面である。
1…抗菌剤を含む塗料または樹脂被覆、2…金属、 3…1mmφの人工欠陥
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 59/16 A01N 59/16 Z 59/20 59/20 Z B32B 1/08 B32B 1/08 Z 15/08 15/08 E 15/18 15/18 27/18 27/18 F
Claims (2)
- 【請求項1】片面または両面が抗菌剤を含む被覆層で被
覆されていることを特徴とするステンレス鋼およびニッ
ケル基合金材料。 - 【請求項2】請求項1に記載する金属材料からなる金属
パイプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22613195A JPH0966263A (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | 耐海水性に優れた表面被覆金属材料および表面被覆金属パイプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22613195A JPH0966263A (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | 耐海水性に優れた表面被覆金属材料および表面被覆金属パイプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0966263A true JPH0966263A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=16840339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22613195A Pending JPH0966263A (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | 耐海水性に優れた表面被覆金属材料および表面被覆金属パイプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0966263A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2843280A1 (fr) * | 2002-08-06 | 2004-02-13 | Envicon Klaertech Verwalt | Corps creux d'ecoulement pouvant etre utilise dans une stati on d'epuration pour le traitement des eaux residuaires |
KR100844023B1 (ko) * | 2008-02-19 | 2008-07-04 | 현대하이스코 주식회사 | 표면에 금속 코팅층이 형성된 연료전지용 스테인리스분리판 및 그 제조방법 |
-
1995
- 1995-09-04 JP JP22613195A patent/JPH0966263A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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