JPH0966232A - 吸着成形体 - Google Patents

吸着成形体

Info

Publication number
JPH0966232A
JPH0966232A JP1855596A JP1855596A JPH0966232A JP H0966232 A JPH0966232 A JP H0966232A JP 1855596 A JP1855596 A JP 1855596A JP 1855596 A JP1855596 A JP 1855596A JP H0966232 A JPH0966232 A JP H0966232A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded body
activated carbon
adsorption
adsorption molded
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1855596A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3777640B2 (ja
Inventor
Toshiaki Hayashi
敏昭 林
Yasuhiro Iizuka
康広 飯塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP01855596A priority Critical patent/JP3777640B2/ja
Publication of JPH0966232A publication Critical patent/JPH0966232A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3777640B2 publication Critical patent/JP3777640B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い浄水性能を持ちながら、実使用時の吸着
成形体の圧密化を低減して流量低下を抑えることができ
る吸着成形体を提供すること。 【構成】 成形体の嵩密度が0.1〜0.3g/cc
で、成形体の流体の流れ方向の圧縮弾性係数が0.03
kgf/平方mm以上である、活性炭素繊維、粒子及び
フィブリル集合体からなる一体的に成形された吸着成形
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一定の形状に成形した
吸着成形体に関するもので、更に詳しく述べると、液
相、特に、浄水用途に適しており、長期に亘って流量の
低下を起こさず、有機物の吸着除去や遊離残留塩素の分
解除去ができる吸着成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】吸着成形体の主な用途として、飲料水中
の有機物やカルキ臭の除去を目的とした浄水器がある。
近年、蛇口直結型の浄水器に代表されるように、浄水器
の小形化が進み、限られたスペースに充填して、なおか
つ、従来以上の浄水性能が得られるような性能を有する
吸着成形体の開発が要望されている。
【0003】現在、一般に有機物やカルキ臭の原因物質
である遊離残留塩素の除去には、粒径が150μmより
大きい粒状活性炭が使用され、この粒状活性炭は、プラ
スチック製ケース等の容器に充填して使用されることが
多い。しかし、この粒状活性炭では、有機物吸着除去性
能や遊離残留塩素分解除去性能といった、いわゆる浄水
性能の向上はあまり望めない。
【0004】なぜならば、水中からの有機物の吸着除去
や遊離残留塩素の分解除去は、活性炭と水との接触効
率、すなわち活性炭の外表面積が大きいほど向上するの
であるが、粒状活性炭ではその粒径の大きさから外表面
積を大きくとれず、このため、浄水性能の向上には限界
があるからである。このため、粒状活性炭に代わるもの
として、活性炭素繊維の利用が検討されている。
【0005】活性炭素繊維は、単位重量当たりの浄水性
能が粒状活性炭に比べ優れている特長を有するものの、
通常、嵩密度が粒状活性炭の1/5〜1/10程度であ
り、このため、単位体積当たりの浄水性能は、結果的に
粒状活性炭と同程度のものしか得られないという問題が
あった。
【0006】これに対処するため、特開昭63−283
749号公報に示されるように、粉砕した活性炭素繊維
と、木材パルプや叩解したポリアクリロニトリル繊維等
のフィブリル集合体とを均一の混合スラリーとした後、
金型内で一体的に成形する吸着成形体の製造方法が提案
されている。この方法では、活性炭素繊維を粉砕し、繊
維長を短くすることにより、比較的高い嵩密度の吸着成
形体が製造することができ、単位体積当たりの浄水性能
を向上することができる利点を有する。しかしながら、
この方法により製造された吸着成形体は、使用期間の長
期化に伴い、実使用時の圧力変動や目詰まりにより吸着
成形体が圧密化を起こし、流量が低下するという問題が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の点を
鑑みて、水中に含まれる有機物等の吸着除去及び遊離残
留塩素の分解除去に関して高い浄水性能を持ちながら、
実使用時の吸着成形体の圧密化を低減して流量低下を抑
えることができる吸着成形体を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、活性炭素
繊維及びフィブリル集合体からなる一体的に成形された
吸着成形体の実使用時の流量低下の原因について究明し
た結果、実使用時の圧力変動や目詰まりにより吸着成形
体が圧縮され、嵩密度が上がる、いわゆる圧密化が原因
であることを突き止めた。
【0009】さらに、圧密化が生じる原因について詳細
に調査した結果、以下の知見が得られた。すなわち、活
性炭素繊維及びフィブリル集合体からなる一体的に成形
された吸着成形体においては、活性炭素繊維が、隣接す
る活性炭素繊維やフィブリル集合体と絡み合うことによ
り結合し、活性炭素繊維間の間隔が保たれているが、こ
の吸着成形体に外部から流体による圧力が加わると、フ
ィブリル集合体が潰され、吸着成形体を構成している活
性炭素繊維のうち流れの上流側と下流側の活性炭素繊維
間の間隔が小さくなり、圧密化が生じるのである。
【0010】以上の知見に鑑みて、圧密化の防止策を種
々検討した結果、吸着成形体に粒子を含有させることに
より圧密化が低減できることを見い出し、本発明に到達
した。
【0011】本発明の吸着成形体は、活性炭素繊維、粒
子及びフィブリル集合体からなる一体的に成形された成
形体であって、成形体の嵩密度が0.1〜0.3g/c
cで、成形体の流体の流れ方向の圧縮弾性係数が0.0
3kgf/平方mm以上である吸着成形体に関するもの
である。
【0012】この場合において、吸着成形体の流体の流
れ方向の圧縮弾性係数とは、成形体の弾性変形に対する
抵抗を表わす定数で、吸着成形体の圧密化の程度を示し
ており、圧縮弾性係数(E)は、厚み(L)、断面積
(A)の吸着成形体に荷重(P)を種々変化させた時の
吸着成形体の厚みの縮み(λ)を測定して、次式から求
められる。 E=(P・L)/(A・λ)
【0013】上記の吸着成形体の圧縮弾性係数は0.0
3kgf/平方mm以上、好ましくは0.05kgf/
平方mm以上であることが重要である。圧縮弾性係数が
0.03kgf/平方mm未満の吸着成形体は、外部か
らの流体の圧力による吸着成形体の変形が大きいため、
圧密化が起きやすく、実使用時の流量低下が大きいもの
となる。そして、以下に詳述するように、吸着成形体に
粒子を含有させることにより、圧縮弾性係数を向上させ
ることが本発明の要旨である。
【0014】本発明において、最も重要な要件は、吸着
成形体に粒子が含有されていることである。ところで、
活性炭素繊維がフィブリル集合体と絡み合って、一体的
に成形された吸着成形体において、含有されている粒子
の多くは、フィブリル集合体に保持されている。このた
め、吸着成形体に外部から圧力が加えられた場合でも、
フィブリル集合体に保持されている粒子がフィブリル集
合体の潰れを抑え、吸着成形体を構成している活性炭素
繊維間の間隔を保つため、圧縮弾性係数の大きな、つま
り、圧力に対して変形の小さい吸着成形体となり、圧密
化を低減することができる。
【0015】本発明において、吸着成形体に含有する粒
子としては、実使用時の水圧が、0.5kgf/平方c
m、好ましくは、1kgf/平方cmの下においても変
形しない粒子、例えば、珪藻土、亜硫酸カルシウム、ゼ
オライト、ガラスビーズ等の無機物粒子や、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂等
の有機物粒子や、活性炭粒子等があり、これらの単独あ
るいは混合したものを使用することができる。また、粒
子は、水等に対して不溶性で、かつ、非膨潤性であるこ
とが望ましい。そして、粒子としては、吸着成形体の圧
密化を低減させるだけでなく、吸着成形体の有機物等の
吸着除去性能や遊離残留塩素の分解除去性能を向上させ
ることができる活性炭粒子を使用するのが特に好まし
い。
【0016】吸着成形体に混合する粒子の平均粒子径
(D)は、吸着成形体を構成する活性炭素繊維の平均繊
維径(d)に対して、 0.2d≦D≦4d の範囲内であることが重要である。すなわち、吸着成形
体の活性炭素繊維間の間隔(活性炭素繊維間距離)は、
顕微鏡で観察すると活性炭素繊維の平均繊維径の約4〜
5倍であることから、吸着成形体に混合する粒子の平均
粒子径(D)が活性炭素繊維の平均繊維径(d)の4倍
より大きいと吸着成形体の構造が不均一となり好ましく
なく、一方、吸着成形体に混合する粒子の平均粒子径が
活性炭素繊維の平均繊維径(d)の0.2倍より小さい
と、吸着成形体の外部から加えられる圧力によるフィブ
リル集合体の潰れを抑えるために多量の粒子を混合する
必要があり、吸着成形体の嵩密度が大きくなって、流体
通過抵抗が大きくなり好ましくない。
【0017】活性炭素繊維の平均繊維径とは、吸着成形
体の原料の活性炭素繊維をランダムに30本抜き取り、
JIS R7601により測微顕微鏡で測定した平均値
である。
【0018】粒子の平均粒子径とは、自然沈降・遠心沈
降法による光透過測定方式により測定した体積基準の累
積粒度分布の50%に相当する粒子径であり、自動粒度
分布測定装置(堀場製作所製CAPA−500)を用い
て測定した。
【0019】活性炭素繊維としては、平均繊維径5〜5
0μm、繊維長0.5〜10mm、比表面積500〜2
000平方m/gのものが使用できる。また、その原料
については特に限定的なものではなく、セルロース系、
ポリアクリロニトリル系、フェノール樹脂系、ピッチ系
等のいずれであってもよい。また、活性炭素繊維の含有
率は所望する吸着性能に応じて20〜90重量%の範囲
内で設定することができる。
【0020】本発明において、吸着成形体は、円柱形
状、円錐形状、多角柱形状、多角錐形状等の中実体のほ
か、中空円柱形状、中空円錐形状、中空多角柱形状、中
空多角錐形状等の中空体に形成することができる。
【0021】また、吸着成形体の嵩密度は、0.1〜
0.3g/cc、好ましくは、0.12〜0.25g/
cc、さらに好ましくは、0.15〜0.2g/ccと
する。嵩密度が0.1g/ccより小さいと、吸着成形
体を構成する活性炭素繊維間の間隔が大きいため、たと
え吸着成形体に粒子を含有させたとしても、圧縮弾性係
数が大きく、圧密化の低減に優れた吸着成形体が得られ
ず、また、嵩密度が0.3g/ccより大きいと、吸着
成形体の流体通過抵抗が大きくなる。なお、嵩密度は吸
着成形体の重量と体積を測定し、重量を体積で除して求
める。
【0022】吸着成形体に混合する粒子の含有率は、5
〜70重量%、好ましくは、10〜50重量%、さらに
好ましくは15〜40重量%とする。含有率が5重量%
より小さいと、吸着成形体の圧密化の低減の効果が小さ
く、含有率が70重量%より大きいと、吸着成形体の嵩
密度が大きくなって、吸着成形体の流体通過抵抗が大き
くなる。
【0023】本発明において、一体的に成形された吸着
成形体とは、活性炭素繊維と粒子を保持したフィブリル
集合体が所定の形状に三次元的に組織化されたもので、
この吸着成形体の成形は、活性炭素繊維、フィブリル集
合体と粒子を水に分散させて均一なスラリーとして、水
のみが透過する小孔を有する所定形状の成形型にスラリ
ーを吸引、あるいは加圧により流し込んで成形型から水
を抜いて脱水し、脱型、乾燥することにより行なうこと
ができる。この場合、成形型から水を抜く方向によっ
て、吸着成形体を構成する活性炭素繊維の配向性を制御
することができ、流体の流れ方向に対する活性炭素繊維
の繊維軸方向の角度を直角あるいはランダムにすること
ができる。例えば、円柱形状で上面から下面に向かって
流体が流れる吸着成形体を成形する場合、成形型の下面
から水を抜くと、活性炭素繊維は成形型の下面と平行に
積層されるため、流体の流れ方向に対する活性炭素繊維
の繊維軸方向の角度が直角の吸着成形体を成形すること
ができ、また、成形型の外周から水を抜くと、活性炭素
繊維は成形型の外周と平行に積層されるため、流体の流
れ方向に対する活性炭素繊維の繊維軸方向の角度がラン
ダムな吸着成形体を成形することができる。この流体の
流れ方向に対する活性炭素繊維の繊維軸方向の角度がラ
ンダムな吸着成形体は、大形で均質なものを成形するこ
とが困難であるが、小形のものは、流体の圧力損失を低
減することができるという特性を有している。また、ス
ラリーに凝集剤、添加剤等を適宜添加することもでき
る。
【0024】本発明で、フィブリル集合体とは枝状に多
数分岐したフィブリル(数nm〜数μmの太さを有する
微細な繊維状組織)を有する繊維長1〜10mm程度の
繊維であり、その外部比表面積は1平方m/g以上、好
ましくは2平方m/g以上、さらに好ましくは5平方m
/g以上である。フィブリル集合体の外部比表面積は、
フィブリル集合体のフィブリル化の状態を表わしてお
り、外部比表面積が1平方m/gより小さいと、フィブ
リル集合体のフィブリル化が不十分で、吸着成形体を構
成する活性炭素繊維同士を絡み合わせて十分に結合する
ことができない。フィブリル集合体の外部比表面積は、
フィブリル集合体をシート状に積層したパッドを作製
し、このパッドの水の透過速度を測り、Kozeny−
Carmanの式とd’Arcyの式を適用したRob
ertson−Masonの方法から計算した。
【0025】フィブリル集合体としては、重合析出法、
フラッシュ紡糸法、フィブリッド法等で作られたポリエ
チレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系、ポリビ
ニルアルコール系等の非叩解型のものや、木材パルプや
ポリアクリロニトリル繊維、アラミド繊維等を叩解して
フィブリル化した叩解型のものがあり、これらの単独あ
るいは混合したものが使用できるが、外部比表面積を大
きくできることから、叩解型のものが好ましい。
【0026】本発明における吸着成形体は、活性炭素繊
維同士がフィブリル集合体により絡み合って結合されて
おり、フィブリル集合体の含有率が少ないと実用に耐え
得る強度を持つ吸着成形体が得られない。したがって、
実用に耐え得る強度を持つ吸着成形体を得るためには、
フィブリル集合体の含有率を1〜40重量%、好ましく
は3〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%に
する。含有率が1重量%より小さいと、吸着成形体の強
度が十分ではなく、含有率が40重量%より大きいと、
吸着成形体の流体通過抵抗が大きくなる。
【0027】
【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに詳しく説明
する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0028】[実施例1]平均繊維径18μm、繊維長
1.5mm、比表面積1450平方m/gのセルロース
系活性炭素繊維85重量%、繊維長6.5mm、外部比
表面積7.2平方m/gのフィブリル化アクリル繊維5
重量%、平均粒子径20μmの珪藻土10重量%を水に
分散してミキサーで混合して均一なスラリーを調整し、
内径45mmの成形型に流し込み、脱水、脱型、乾燥し
て直径45mm、高さ45mm、嵩密度0.16g/c
cの円柱形状の吸着成形体を作製した。この吸着成形体
の圧縮弾性係数は0.125kgf/平方mmであっ
た。
【0029】この吸着成形体を内径45mmのプラスチ
ック製ケースに装填し、浄水カートリッジを作製し、市
販の家庭用浄水器に取り付けた後、浄水器に水圧2kg
f/平方cmの一定圧力で水道水(残留塩素濃度0.8
ppm)を通水して試験を行ない、浄水器出口の水の流
量と残留塩素濃度の経時変化を測定した。残留塩素濃度
は多項目迅速水質分析計(ハック社製DR/2000)
を用いて測定した。流量の経時変化を表1及び図1に示
す。なお、浄水器出口の水から残留塩素は、試験時間中
全く検出されなかった。
【0030】[実施例2]平均繊維径18μm、繊維長
1.5mm、比表面積1450平方m/gのセルロース
系活性炭素繊維70重量%、繊維長6.5mm、外部比
表面積7.2平方m/gのフィブリル化アクリル繊維1
0重量%、平均粒子径19μmの活性炭粒子20重量%
を水に分散してミキサーで混合して均一なスラリーを調
整し、内径45mmの成形型に流し込み、脱水、脱型、
乾燥して直径45mm、高さ45mm、嵩密度0.15
6g/ccの円柱形状の吸着成形体を作製した。この吸
着成形体の圧縮弾性係数は0.071kgf/平方mm
であった。
【0031】この吸着成形体から実施例1と同様に浄水
カートリッジを作製し、実施例1と同様の試験を行なっ
た。流量の経時変化を表1及び図1に示す。なお、浄水
器出口の水から残留塩素は試験時間中全く検出されなか
った。
【0032】[実施例3]平均繊維径18μm、繊維長
1.5mm、比表面積1450平方m/gのセルロース
系活性炭素繊維55重量%、繊維長3mm、外部比表面
積3.5平方m/gの木材パルプ5重量%、平均粒子径
19μmの活性炭粒子40重量%を水に分散してミキサ
ーで混合して均一なスラリーを調整し、内径45mmの
成形型に流し込み、脱水、脱型、乾燥して直径45m
m、高さ45mm、嵩密度0.180g/ccの円柱形
状の吸着成形体を作製した。この吸着成形体の圧縮弾性
係数は0.056kgf/平方mmであった。
【0033】この吸着成形体から実施例1と同様に浄水
カートリッジを作製し、実施例1と同様の試験を行なっ
た。流量の経時変化を表1及び図1に示す。なお、浄水
器出口の水から残留塩素は試験時間中全く検出されなか
った。
【0034】[実施例4]平均繊維径18μm、繊維長
1.5mm、比表面積1450平方m/gのセルロース
系活性炭素繊維85重量%、繊維長6.5mm、外部比
表面積7.2平方m/gのフィブリル化アクリル繊維5
重量%、平均粒子径20μmの珪藻土10重量%を水に
分散してミキサーで混合して均一なスラリーを調整し、
内径45mm、高さ45mm、中空部直径7mmの成形
型に流し込み、脱水、脱型、乾燥して直径45mm、高
さ45mm、中空部直径7mm、吸着部厚さ19mm、
嵩密度0.16g/ccの中空円柱形状の吸着成形体を
作製した。この吸着成形体の圧縮弾性係数は0.128
kgf/平方mmであった。
【0035】この吸着成形体の中空部に補強部材を装着
して、浄水器に取り付けた後、浄水器に水圧2kgf/
平方cmの一定圧力で水道水(残留塩素濃度0.8pp
m)を吸着成形体の外側から内側に通水して試験を行な
い、浄水器出口の水の流量と残留塩素濃度の経時変化を
測定した。測定の結果は、初期流量:3.0リットル/
分、6時間経過後の流量:2.4リットル/分であっ
た。また、浄水器出口の水から残留塩素は、試験時間中
全く検出されなかった。
【0036】[比較例1]平均繊維径18μm、繊維長
1.5mm、比表面積1450平方m/gのセルロース
系活性炭素繊維95重量%、繊維長6.5mm、外部比
表面積7.2平方m/gのフィブリル化アクリル繊維5
重量%を水に分散してミキサーで混合して均一なスラリ
ーを調整し、内径45mmの成形型に流し込み、脱水、
脱型、乾燥して直径45mm、高さ45mm、嵩密度
0.15g/ccの円柱形状の吸着成形体を作製した。
この吸着成形体の圧縮弾性係数は0.025kgf/平
方mmであった。
【0037】この吸着成形体から実施例1と同様に浄水
カートリッジを作製し、実施例1と同様の試験を行なっ
た。流量の経時変化を表1及び図1に示す。なお、浄水
器出口の水から残留塩素は試験時間中全く検出されなか
った。
【0038】表1及び図1から明らかなように、比較例
1は、活性炭素繊維とフィブリル集合体であるフィブリ
ル化アクリル繊維のみで構成された吸着成形体のため、
連続通水により吸着成形体に外部から圧力が加えられる
ことにより、吸着成形体の圧密化が生じて比較的速く流
量の低下が起きるのに対し、活性炭素繊維、フィブリル
集合体、粒子を所定の含有率になるように作製した実施
例1〜3の吸着成形体は、いずれも連続通水時に吸着成
形体の外部から加えられる圧力による吸着成形体の圧密
化が抑えられて、流量が低下するまでの時間を延長する
ことができるものとなる。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、フィブリル集合体に保
持されている粒子がフィブリル集合体の潰れを抑え、吸
着成形体を構成している活性炭素繊維間の間隔を保つた
め、水中に含まれる有機物等の吸着除去及び遊離残留塩
素の分解除去において、高い浄水性能を持ちながら、実
使用時の成形体の圧密化を低減して流量低下を抑え、吸
着成形体の耐久性を著しく向上することができる。
【0041】また、粒子として活性炭粒子を使用するこ
とにより、有機物等の吸着除去性能や遊離残留塩素の分
解除去性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸着成形体の流量の経時変化を示した図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭素繊維、粒子及びフィブリル集合
    体からなる一体的に成形された成形体であって、成形体
    の嵩密度が0.1〜0.3g/ccで、成形体の流体の
    流れ方向の圧縮弾性係数が0.03kgf/平方mm以
    上であることを特徴とする吸着成形体。
  2. 【請求項2】 粒子が活性炭粒子であることを特徴とす
    る請求項1記載の吸着成形体。
JP01855596A 1995-06-20 1996-02-05 吸着成形体 Expired - Fee Related JP3777640B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01855596A JP3777640B2 (ja) 1995-06-20 1996-02-05 吸着成形体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-178029 1995-06-20
JP17802995 1995-06-20
JP01855596A JP3777640B2 (ja) 1995-06-20 1996-02-05 吸着成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0966232A true JPH0966232A (ja) 1997-03-11
JP3777640B2 JP3777640B2 (ja) 2006-05-24

Family

ID=26355247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01855596A Expired - Fee Related JP3777640B2 (ja) 1995-06-20 1996-02-05 吸着成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3777640B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006314964A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Beeshitsuku Kk 濾過装置
JP2009039696A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Mitsubishi Rayon Eng Co Ltd 精製水製造装置
JP2017200670A (ja) * 2016-05-02 2017-11-09 株式会社Lixil 活性炭成形体及び浄水カートリッジ
WO2023008246A1 (ja) * 2021-07-28 2023-02-02 日本製紙株式会社 浄水用成形体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006314964A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Beeshitsuku Kk 濾過装置
JP2009039696A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Mitsubishi Rayon Eng Co Ltd 精製水製造装置
JP2017200670A (ja) * 2016-05-02 2017-11-09 株式会社Lixil 活性炭成形体及び浄水カートリッジ
WO2023008246A1 (ja) * 2021-07-28 2023-02-02 日本製紙株式会社 浄水用成形体
TWI833290B (zh) * 2021-07-28 2024-02-21 日商日本製紙股份有限公司 淨水用成形體

Also Published As

Publication number Publication date
JP3777640B2 (ja) 2006-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1279997C (zh) 纳米纤维过滤介质
JP6275368B2 (ja) 活性炭成型体およびそれを用いた浄水器
WO1992007140A1 (en) Dry liquid depth filter sheet
JP3484121B2 (ja) フィルター成形体の製造方法
JPH0966232A (ja) 吸着成形体
JP7271051B2 (ja) 浄水フィルター体
JPWO2019131305A1 (ja) 吸着フィルター
DK2510992T3 (en) Filter material for cleaning a fluid
US2144781A (en) Filter pad and method of purifying liquids
US3831766A (en) Filter media
JP4405823B2 (ja) 繊維状塩基性硫酸マグネシウム塊状物からなる排水の処理材
JP2002355515A (ja) 水処理用フィルター
JPH05161811A (ja) 濾過装置
WO2002020126A2 (en) Production of filters containing reactive material
JP2001079541A (ja) 水処理器用フィルター
JP2587981Y2 (ja) ろ過材及びろ過装置
DE202011106515U1 (de) Filterkörper
JP7478163B2 (ja) めっき液精製用吸着フィルター、並びに、それを用いためっき液精製装置及びめっき液精製方法
RU2674131C1 (ru) Фильтрующий элемент
JP7421941B2 (ja) 成形吸着体、及び浄水カートリッジ
JPS5987092A (ja) 復水の処理方法
JPH04271830A (ja) 成形吸着体
JP2004267813A (ja) カートリッジ型ろ過器およびその製造方法
JPH06106162A (ja) 繊維状活性炭浄水器
JPS58180229A (ja) 吸着材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060220

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130310

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140310

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees